JP2003035970A - 静電荷像現像用磁性トナー - Google Patents

静電荷像現像用磁性トナー

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JP2003035970A
JP2003035970A JP2001221018A JP2001221018A JP2003035970A JP 2003035970 A JP2003035970 A JP 2003035970A JP 2001221018 A JP2001221018 A JP 2001221018A JP 2001221018 A JP2001221018 A JP 2001221018A JP 2003035970 A JP2003035970 A JP 2003035970A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、複写機、プリンター等で繰
り返して用いた場合の白地部分の地汚れ(カブリ)の増
加や、画像濃度低下が起こらない、また高温環境下での
放置による経時変化を受けても、カブリが増大せず、機
内飛散の起こらない耐久性、安定性のある優れた磁性ト
ナーを提供することである。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂、磁性体及び荷電制
御剤を含有する静電荷像現像用磁性トナーにおいて、磁
性体がBET法による比表面積が4〜8m2 /gの磁性
体であって、かつ荷電制御剤が、Fe含有量が1.0重
量%以下のニグロシン染料であることを特徴とする静電
荷像現像用磁性トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法等を利用して画像の形成がなされる電子複写機、
レーザービームプリンタ等における静電潜像を現像する
ために用いられるトナーに関する。詳しくは、コピー品
質に優れ、且つ耐久性、安定性のある電子写真用トナー
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より電子写真法を利用する電子写真
複写機やレーザービームプリンタ、静電記録法を利用す
る静電記録装置などを用いて、複写画像や記録画像(以
下では両者を併せて、単に「複写画像」という。)を得
ることが広く行われている。例えば、電子写真法を利用
する電子写真複写機やレーザービームプリンタにおい
て、画像形成は通常次のように行われている。すなわ
ち、まず、アモルファスシリコン、セレン、有機半導体
等の感光体ドラムからなる静電潜像担持体を、帯電器に
より正または負に帯電させ、次いでこの帯電された静電
潜像担持体をスリット露光またはビーム露光することに
より、静電潜像担持体上に静電荷像を形成する。形成さ
れた静電荷像は現像剤によって現像され、現像後のトナ
ー画像は紙等の被転写体に転写され、転写されたトナー
画像は熱ロール、圧力ロールなどにより定着されて複写
画像とされる。前記静電荷像を現像する方法としては、
(a)鉄粉やガラス粉などのキャリアと、樹脂及び着色
剤を主成分とするトナーとを含む二成分系乾式現像剤を
用いる、磁気ブラシ法やカスケード法等の二成分乾式現
像法、(b)キャリアを用いずトナーのみを用いて現像
を行う一成分現像法、および(c)絶縁性キャリア液体
を用いる液体現像法などがある。上記二成分現像法で
は、黒色用現像剤としてトナー中にカーボンブラックを
含有する絶縁性非磁性トナーを用いる非磁性二成分現像
法が一般的である。なお、上記二成分現像法および一成
分現像法に用いられるトナーは、通常、結着樹脂、着色
剤及び荷電制御剤を成分として、また必要に応じて外添
剤と称される添加剤を加えた着色微粒子である。
【0003】これらのトナー成分で荷電制御剤は、トナ
ーに摩擦帯電性を付与する能力があり、正または負の電
荷を保有させるものである。そのうち正帯電性荷電制御
剤としては、一般に四級アンモニウム塩、トリフェニル
メタン系染顔料あるいはニグロシン系染料などがある。
また負帯電性荷電制御剤としては、一般にモノアゾ染料
の金属錯体、含クロム有機染料のごとき含金属染料があ
げられる。
【0004】近年、電子写真複写機あるいはプリンタの
感光体として、有機感光体を用いるものが多く見られる
ようになり、この有機感光体を用いる複写機などの現像
剤として、正帯電性トナーが求められている。そのため
正帯電性荷電制御剤の担う役割は非常に大きい。
【0005】しかし四級アンモニウム塩を単独で用いた
場合、トナーに摩擦帯電性を付与する能力が低く、複写
機やプリンターなどで繰り返し、連続複写して用いる
と、カブリと称される白地部分の地汚れ( 以下カブリと
称する)が増加したり、画像濃度低下等の好ましくない
現象が発生する。
【0006】またトリフェニルメタン系染顔料を単独で
用いた場合、低温低湿下および常温常湿下ではトナーに
優れた摩擦帯電性を付与する能力があるが、高温高湿下
では帯電量が低下し、カブリが増加したり、画像濃度低
下等の好ましくない現象が発生する。
【0007】これに対して、ニグロシン染料は、トナー
に比較的優れた摩擦帯電性を付与する能力があるが、し
かし、その製造法により、摩擦帯電性能あるいは熱的性
能などの性質が大きく異なり、トナーに必要とされる性
能をすべて満足させることが難しい。またニグロシン系
染料は、バインダー樹脂中に一様に分散しにくく、トナ
ー化したときにニグロシンの分散、分配不良を引き起こ
してしまう問題を持っている。このようなトナーは帯電
量分布が均一ではなく、そのため複写初期には優れた画
像特性を示すが、複写枚数を重ねると、カブリが増加し
てしまう。
【0008】ニグロシン染料のみならず磁性体もまたバ
インダー樹脂中に一様に分散しにくく、トナー化したと
きに磁性体の分散、分配不良を引き起こしてしまう問題
を持っている。磁性体の分散、分配が悪いトナーは個々
の粒子において抵抗値が不均一で、そのため画像濃度が
安定しなかったり、カブリが生じたりしてしまう。
【0009】また更に、トナーを長時間高温(40〜5
0℃)の状態で放置しておくことによりトナーの表面状
態が経時変化を引き起こし複写画像の品質の悪化、トナ
ーの紙等の被転写体へ転写される量の割合を示す数値で
ある転写率の低下及び複写機やプリンターの機内のトナ
ーの飛散を引き起こしてしまう問題がある。すなわち製
造したばかりの状態では画像の品質に優れ、カブリが少
なく、トナーの転写率も高く、また機内のトナーの飛散
も少ないが、長時間高温の状態にさらされることにより
トナーが経時変化を起こしてしまい、複写枚数の増大と
ともに、かぶりが増大し、トナーの転写率が著しく低下
してしまい、更に機内飛散が増大してしまう。転写率の
低下は、実際に転写されるトナーの割合が低くなること
によりトナーを多く使うことになる経済的な欠点だけで
なく、転写されない多くのトナーが画像担持体に残り過
剰に回収部へ行ったり、あるいはトナーの機内飛散を引
き起こす原因になってしまう。そのため転写率はトナー
の要求品質として重要である。
【0010】これらの欠点を改良する試みとして従来、
着色剤の種類や添加量、荷電制御剤の添加量、流動化剤
や研磨剤などの外添剤の種類や添加量、製造条件、更に
二成分現像剤の場合は、キャリア粒子の粒度分布や抵
抗、コーティング剤の選択等の材料の選択や組み合わせ
の改良が行われて来たが必ずしも満足の行く結果が得ら
れていないのが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、ニグロシ
ン系染料は比較的優れた荷電制御剤であるが、種々の問
題も有している。これらの問題を解決し、帯電性が十分
に高く、現像時の温度及び湿度依存性が少なく、使用前
の熱ストレスによるトナー特性の劣化がなく、結着樹脂
に対する分散性が良好で、現像特性に優れ、かつ持続性
も優れた荷電制御剤及びこれを含む正帯電性トナーが求
められている。またさらに磁性黒色トナーにおいてニグ
ロシン染料と磁性体とを用いて上記の良好な品位を持っ
た正帯電性磁性トナーが求められている。
【0012】本発明の目的は、上記の問題を解決した静
電荷像現像用磁性トナーを提供することにある。即ち、
本発明の目的は、トナーの摩擦帯電量が高く、安定であ
り、カブリが増加したり、画像濃度低下等の現象が発生
しない静電荷像現像用磁性トナーを提供することにあ
る。
【0013】また本発明の目的は、トナーの摩擦帯電量
が温度および湿度の変化を受けずに安定であり、カブリ
が増加したり、画像濃度低下等の現象が発生しない静電
荷像現像用磁性トナーを提供することにある。
【0014】また本発明の目的は、複写機やプリンター
などで繰り返し連続複写して用いた場合、カブリが増加
したり、画像濃度低下等の現象が発生しない静電荷像現
像用磁性トナーを提供することにある。
【0015】また本発明の目的は、トナーが高温環境下
での放置による経時変化を受けてもカブリが増大せず、
転写率の低下が起こらず、また機内飛散の起こらない、
耐久性、安定性のある優れた静電荷像現像用磁性トナー
を提供することにある。
【0016】さらに本発明の目的は、ニグロシン染料及
び磁性体がバインダー樹脂中に一様に分散または相溶
し、トナー化したときにニグロシン染料と磁性体の結着
樹脂中への分散、分配不良を引き起さず、トナーが均一
に正に帯電する静電荷像現像用磁性トナーを提供するこ
とにある。
【0017】本発明者らは、トナーの帯電特性の安定
化、現像特性の安定性の向上、トナーの経時変化の恒久
対策、及びニグロシン染料と磁性体の結着樹脂中への良
好な分散性、分配性を得るために鋭意検討を行った結
果、磁性体としてBET法による比表面積が4〜8m2
/gの磁性体と荷電制御剤としてFe含有量が1.0重
量%以下であるニグロシン染料とを含有するトナーが、
上記課題を解決することを見出して、本発明に至ったも
のである。
【0018】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明とは、以
下の(1)〜(7)の発明に関するものである。 (1)少なくとも結着樹脂、磁性体及び荷電制御剤を含
有する静電荷像現像用トナーにおいて、磁性体がBET
法による比表面積が4〜8m2 /gである磁性体であっ
て、かつ荷電制御剤が、Fe含有量が1.0重量%以下
のニグロシン染料であることを特徴とする静電荷像現像
用磁性トナーである。 (2)ニグロシン染料の含有量が、結着樹脂100重量
部に対し、0.1〜10重量部であることを特徴とする
(1)に記載の静電荷像現像用磁性トナーである。 (3)ニグロシン染料の体積平均粒子径が、1〜20μ
mであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の静
電荷像現像用磁性トナーである。 (4)疎水化処理された無機微粉末が、流動化剤として
外添されていることを特徴とする(1)ないし(3)い
ずれかに記載の静電荷像現像用磁性トナーである。 (6)トナーが、正帯電性を有していることを特徴とす
る(1)ないし(4)いずれかに記載の静電荷像現像用
磁性トナーである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明を更に詳細に説明す
る。本発明のニグロシン染料は、例えば、下記の方法で
製造される。原料としてアニリン、アニリン塩酸塩を塩
化第二鉄の存在下にニトロベンゼンで160〜180℃
で酸化して反応させることにより粗製ニグロシンを得
る。この時のFe含有量は残さから求めると4〜6%程
度である。この粗製ニグロシンにアニリン、水と水酸化
ナトリウムを加えることにより、ニグロシンはベース化
処理され、塩化鉄は水酸化鉄(Fe(OH)n)として
溶解・沈殿し、また塩化ナトリウムが生じる。このとき
水相中に、塩化ナトリウムは溶解している。これらの水
酸化鉄はスクリューデカンタ、シャープレス等の遠心分
離機を用いて除去することにより、乾燥後のニグロシン
染料中のFe量を低減、調整することができる。水相中
の塩化ナトリウムは水相を分離することで除去できる。
最終的にこのニグロシン染料をジェットミル等の粉砕機
を用いて所望の粒度に微粉砕すればよい。
【0020】ニグロシン染料中のFe含有量は1.0%
以下であることが重要である。Fe含有量が1.0%よ
り多くなってしまうとニグロシン染料の導電性が高くな
ってしまい、電荷保持能力が低下してしまう。電荷保持
能力が低下すると本来の荷電制御剤としての機能が低下
してしまい、これによりトナーとして帯電量が低下し、
カブリの増加、画像濃度低下、機内飛散等の問題が生じ
てしまう。
【0021】また残留するFe成分のほとんどは水酸化
鉄の状態で存在しているためニグロシン染料を極めて不
安定なものにすることとなる。これは水酸化鉄はFe
(OH)2とFe(OH)3の状態で残存していて、Fe
(OH)2は空気に触れると酸化されやすく、乾燥させ
たものは徐々に水素を発生しFe34 に変化してしま
う。またFe(OH)3は正に帯電しているが、脱水し
ていくと酸化されFe23 に変化してしまい極性が弱
くなってしまう。このようにニグロシン染料は水酸化鉄
の残存により、水分と空気の影響を受けやすく帯電性が
変化してしまう。高温環境下での放置による経時変化に
よって品質が劣化してしまうのは、このFe(OH)2
とFe(OH)3の残存物の酸化が高温により促進され
ることによる原因が大きいと推測される。
【0022】またニグロシン染料中に水酸化鉄が存在す
ることによって結着樹脂中への均一な分配が困難になっ
てしまう。これはニグロシン染料中の水酸化鉄は粒状に
存在していて、その粒子は核となって凝集をつくりやす
くなる。そのためニグロシン染料の結着樹脂中への均一
な分散、分配が困難になってしまうのである。特にニグ
ロシン染料中のFe含有量が1.0重量%よりも多くな
ってしまうと粒状物が多くなり、トナー中へのニグロシ
ンの分配性が損なわれてしまう。この場合分級して得ら
れたトナー母粒子とそれよりも細かい微粉(以下分級微
粉とする)とのニグロシン含有量に差が出てしまい、偏
りが生じてしまう。さらに分級微粉を再度原料としてリ
サイクルする際にも荷電制御剤の含有量を制御すること
が困難になってしまう。
【0023】これらのことからニグロシン染料中のFe
含有量を1.0重量%以下にすることにより、ニグロシ
ン染料を安定にして、その抵抗を調整し、更にニグロシ
ン中の凝集物を除去することができる。その結果トナー
として良好な画像特性、経時安定性、リサイクルのため
の分配性を得ることができる。
【0024】ニグロシン染料中のFe含有量は、燃焼さ
せて残さを求めることにより簡単に求めることができ
る。ニグロシン染料の合成において使用する原料の中で
燃焼により残る成分はわずかな不純物を除くと鉄分だけ
である。すなわち残さ率からFe含有量を求めることが
できる。このとき残さ物はFe2 3になるため、これ
よりFe2 3で換算してFe含有量を算出することが
できる。これはニグロシン中のFe(OH)2が空気に
触れFe34 に変化した後、空気中で熱することによ
り最終的にFe2 3になること、またFe(OH)3
脱水されるとFe 2 3になることより導かれるもので
ある。例えばニグロシン染料サンプルをるつぼに5g程
度秤量し、電気炉を800℃に設定し空気中に2時間程
放置して完全燃焼させ、冷却放置後残さ分の重量を測定
することにより残さ率[%]が求められる。そのとき残
さとして得られたものはFe2 3 であるためこれをF
eに換算して含有量を求めれば良い。Fe2 3 の分子
量は159.7であり、うちFeの原子量が55.85
であるからFe 2が占める原子量は111.7である。
これよりFe2 3 中のFeの割合は69.9%であ
る。残さ率の69.9%がFe含有量となる。
【0025】本発明の静電荷像現像用磁性トナーにおけ
るニグロシン染料の粒径は、体積平均粒径で1〜20μ
mであることが好ましい。この粒径ならば結着樹脂中へ
の分散、分配を良好にすることができる。これによりト
ナー中の荷電制御剤の偏在は起こらず、トナーは均一な
安定した電荷を保持することができる。体積平均粒径が
20μmを超えてしまうと結着樹脂中に良好な分散・分
配を施すことが困難になってしまう。すなわち分級微粉
中のニグロシン含有量がトナー母粒子中よりも多くなっ
てしまい、再度原料としてリサイクルして使用する上で
一定なニグロシン含有量を維持することができなくなっ
てしまう。また1μmよりも小さくなってしまうとニグ
ロシン染料の比表面積が大きくなり、トナーの過度の帯
電量の上昇を引き起こしてしまい、画像濃度の低下や現
像剤担持体上の層が厚くなってしまうことによる波模様
の発生の問題等が生じる場合がある。
【0026】トナー中のニグロシン含有量は吸光度分析
(波長:567nm)によって定量することができる。
クロロホルム中に溶解した既知のニグロシン量の標準サ
ンプルを用いて検量線を作成して、未知サンプルのニグ
ロシン含有量を求めることができる。この定量分析にて
トナー母粒子、分級微粉及び微粉砕前のトナーチップの
ニグロシン含有量を求めることにより、ニグロシン染料
のトナー中への分配性を数値化することができる。トナ
ー母粒子、分級微粉及びトナーチップ中のニグロシン量
の差がほとんどなく等しければ分配性は良好であること
がわかる。一方トナー母粒子と分級微粉中のニグロシン
含有量の差が大きいものは分配不良を起こしていること
が確認できる。
【0027】本発明におけるニグロシン染料をトナー中
へ添加させる方法としては、トナー母粒子内部に添加す
る方法と外添する方法とがある。トナー母粒子内部に添
加する方法が一般的であり好ましい方法である。
【0028】ニグロシン染料のトナー中への使用量は、
目的とするトナーの性能によって決定されるもので、一
義的に限定されるものではないが、結着樹脂100重量
部に対して0.1〜10重量部で用いられ、0.5〜
5.0重量部が優れた帯電性を保持させる上で好まし
い。
【0029】本発明においてはニグロシン染料と併用し
て、従来荷電制御剤として用いられたもののいずれのも
のをも補助剤として用いることが可能である。本発明に
おいては正荷電制御剤を主として用いるものであり、ニ
グロシン染料と併用して脂肪酸金属誘導体、トリフェニ
ルメタン系染料、四級アンモニウム塩(例えば、トリブ
チルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフ
トスルホン酸塩、テトラブチルベンジルアンモニウムテ
トラフルオロボレート)、ジオルガノスズオキサイド
(例えば、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオ
キサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド)、ジオル
ガノスズボレート(ジブチルスズボレート、ジオクチル
スズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート)等を用
いることができる。
【0030】本発明の静電荷像現像用トナーに使用でき
る磁性体としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェ
ライト等の酸化鉄または二価金属と酸化鉄との化合物、
鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金
属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、
スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カド
ミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タン
グステン、バナジウムのような金属の合金の粉体及びこ
れらの混合物があげられる。これらの磁性体は平均粒径
が0.05〜2.0μm、好ましくは0.1〜0.5μ
m程度のものが望ましく、磁性トナー中に含有させる量
としては結着樹脂100重量部に対して5〜150重量
部、好ましくは10〜120重量部である。また必要に
応じて磁性材料と着色剤を併用して用いることもでき
る。着色剤としては、例えばカーボンブラック、銅フタ
ロシアニン、鉄黒などが用いられる。これらの磁性体
は、通常結着樹脂の100重量部に対し、5〜120重
量部、好ましくは60〜100重量部の添加量で用いる
ことができる。
【0031】本発明において使用する磁性体は上記のう
ち、BET法による比表面積が4〜8m2 /gのものが
所望の効果を見い出すことができる。磁性体のBET法
による比表面積が8m2 /gを超えるものを用いると、
カブリが増大して、かつトナーの機内飛散が増大して行
く傾向があり複写画像の品質が悪化してしまう。更には
電荷のリークによる画像のノイズである黒筋が生じ、ま
た機内飛散も生じてしまう。これは磁性体の比表面積が
8m2 /gを超えるとトナー母粒子中への均一な分散が
困難になり分散不良を起こしやすく、これによりトナー
母粒子中に磁性体の偏在が生じてしまいトナー粒子の抵
抗値がばらついてしまい、均一な安定した電荷を保持す
ることができなくなってしまうからである。電荷リーク
による画像ノイズの原因はニグロシン染料の粒子のまわ
りに磁性体が抱え込まれてしまい、ニグロシン中の電荷
が磁性体を介して漏出してしまうことによって生じてい
ると推測される。またトナー粒子中への磁性体の分配性
も損なわれてしまいトナー母粒子と分級微粉中の磁性体
含有量に差が生じてしまい、分級微粉をリサイクルして
原料として混練時に投入することが困難になってしま
う。一方比表面積が4m2 /gより小さいものを用いる
と、磁性体粒子がトナー母粒子に十分な着色を行うこと
が困難になり、トナーとして所望の画像濃度を得ること
ができなくなる。
【0032】トナー中の磁性体含有量は、空気中で燃焼
させて残さを求めることにより簡単に求めることができ
る。本発明の磁性トナーにおいて使用する原料の中で、
燃焼により残る成分はわずかな不純物を除くと磁性体と
ニグロシンに由来する鉄分と外添剤に由来する無機微粒
子だけである。ここでニグロシン中のFe含有量は1.
0重量%以下でありトナー全体として考えれば無視でき
る数値である。更に外添剤の添加量を差し引くことによ
り、磁性体含有量を求めることができる。このように燃
焼による残さ率から磁性体の含有量を容易に求めること
ができる。残さ率からもおおよその磁性体含有量を算出
できるが、更に正確に算出するには酸化物による重量増
加分の割合を考慮して算出すれば良い。例えばマグネタ
イトの場合は、残さ物はFe2 3になるため、これよ
りFe2 3で換算してもとのマグネタイト(Fe3 4
Fe O・Fe2 3 )含有量を算出することができる。
すなわちFe2 3含有量中のFe含有量を求め、更に
Fe3 4の量に換算すれば良い。予め磁性体そのもの
の組成分析を行うことによって元の磁性体の組成を確認
して、更に該磁性体の酸化物の状態を把握すれば良い。
例えばマグネタイトを含有する磁性トナーサンプルをる
つぼに5g程度秤量し、電気炉を700℃に設定し空気
中に2時間程放置して完全燃焼させ、冷却放置後残さ分
の重量を測定することにより残さ率[%]が求められ
る。そのとき残さとして得られたものはFe2 3 であ
るためこれをFe3 4 に換算して含有量を求めれば良
い。このときFe2 3 の残さが40%であるとき、F
3 4に換算して求めた数値は40.6%となる。す
なわちFe2 3の分子量は159.7であり、うちF
eの原子量が55.85であるからFe2が占める原子
量は111.7である。これよりFe2 3 中のFeの
割合は69.9%である。残さ率の69.9%がFe含
有量となる。またFe3 4は分子量が231.55で
あり、うちFeの原子量が167.55であるから、F
eの割合は72.4%である。残さ率の72.4%がF
e含有量となる。ここで残さ率40%中のFe量は2
9.4%(40x0.699)であり、これをFe3
4量に換算すると40.6%(29.4÷0.724)
の含有量として求めることができる。この定量分析にて
トナー母粒子、分級微粉及び微粉砕前のトナーチップの
残さ率を求めることにより、磁性体のトナー中への分配
性を数値化することができる。トナー母粒子、分級微粉
及びトナーチップ中の磁性体含有量の差がほとんどなく
等しければ分配性は良好であることがわかる。一方トナ
ー母粒子と分級微粉中の磁性体含有量の差が大きいもの
は分配不良を起こしていることが確認できる。
【0033】本発明のトナーに用いられる結着樹脂とし
ては、具体的にはスチレン系重合体、例えば、ポリスチ
レン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン
などのスチレンおよびその置換体の単重合体、スチレン
−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン
共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレ
ン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル系
共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル
共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、
スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−
ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ア
クリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−ジメチ
ルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレンジエチ
ルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレン−ブチ
ルアクリレート−ジエチルアミノエチルメタクリレート
共重合体等のスチレン系共重合体、架橋されたスチレン
系共重合体など;ポリエステル樹脂、例えば、脂肪属ジ
カルボン酸、芳香属ジカルボン酸、芳香属ジアルコー
ル、ジフェノール類から選択される単量体を構造単位と
して有するポリエステル樹脂、架橋したポリエステル樹
脂など;その他ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性
フェノール樹脂、マレイン樹脂、ロジン変性マレイン樹
脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラ
ール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、キシレン樹
脂、脂肪族または脂肪族炭化水素樹脂、石油樹脂などを
挙げることができる。
【0034】上記スチレンアクリル系共重合体に使用さ
れるアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸や
メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オ
クチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸フェ
ニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルなどの(メタ)
アクリル酸エステル類が挙げられ、更にはこれと共に用
いることができる単量体として、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、アクリルアミド、マレイン酸、マレ
イン酸ブチルなどのマレイン酸ハーフエステル、あるい
はジエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエ
ーテル、ビニルブチルエーテルなどのビニルエーテル
類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニル
ヘキシルケトンなどのビニルケトン類を挙げることがで
きる。
【0035】また、上記の架橋したスチレン系重合体を
製造するために用いる架橋剤としては、主として不飽和
結合を2個以上有する化合物を挙げることができ、具体
的には、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン
などの芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレートなど
の不飽和結合を2個以上有するカルボン酸エステル;ジ
ビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィ
ド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;および不
飽和結合を 3個以上有する化合物を、単独であるいは混
合して使用することができる。上記架橋剤は、結着樹脂
100重量部に対して、0.01〜10重量%、好まし
くは0.05〜5重量%で用いられる。
【0036】これらの樹脂は、単独であるいは2種以上
を併用して用いることができる。これら樹脂のうち、ス
チレン系重合体、ポリエステル樹脂は、特に優れた帯電
特性を示すため好ましいものである。また、GPC(ゲ
ルパーミエーション・クロマトグラフー)により測定さ
れる分子量分布で1x 103 から5x 104 の領域に少
なくとも一つのピークを有し、かつ105 以上の領域に
少なくとも一つのピークあるいはショルダーを有するス
チレン系共重合体、更には2種以上の樹脂、例えば前記
スチレン樹脂とスチレン−アクリル系共重合体との併用
あるいは2種以上のスチレン−アクリル系共重合体の併
用などによりこのような分子量分布を有するようにされ
た樹脂組成物が、トナーの粉砕性、定着性などの点から
好ましいものである。
【0037】更に、加圧定着方式を用いる場合には、圧
力トナー用結着樹脂を使用することができる。このよう
な樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチレン、ポリウレタンエラストマー、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体、スチレン−イソプレ
ン共重合体、線状飽和ポリエステル、パラフィンおよび
他のワックス類を挙げることができる。
【0038】また本発明のトナーには、実質的な悪影響
を与えない限りにおいて、従来トナーを製造する際に用
いられている離型剤などの添加剤を加えることができ
る。離型剤としては、例えば熱ロール定着時の離型性
(オフセット防止性)を向上させる、脂肪族炭化水素、
脂肪酸金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もし
くはその部分ケン化物、シリコーンオイル、各種ワック
スが挙げられる。これらの中では、重量平均分子量が1
000〜10000程度の低分子量ポリエチレンや低分
子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、
カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワッ
クス等のワックス類が好ましい。これらは通常0.5〜
5重量%程度の量でトナー中に加えられる。
【0039】本発明のトナーに用いられる外添剤として
は流動化剤、研磨剤、導電性付与剤、滑剤などのもの
を、使用することができる。本発明において使用される
流動化剤の基材としては、例えばシリカ、アルミナ、チ
タニア、マグネシア、非晶質珪素−アルミニウム共酸化
物、非晶質珪素−チタニウム共酸化物などの微粉末を用
いることができる。また外添剤としての流動化剤はトナ
ーに流動性を付与する目的のみならず、トナーの帯電性
付与及び制御の役割をも担っている。つまり外添剤はト
ナーの最表部に付着することによって、トナーの帯電性
に大きな影響を及ぼす。
【0040】流動化剤に用いられる粒子については、表
面処理を行わずそのまま用いることも可能ではあるが、
吸湿性により環境安定性が損なわれてしまうことと、流
動化剤が感光体ドラム表面に付着して、フィルミングを
起こしてしまい画像欠陥を引き起こしてしまう問題が生
じる場合がある。吸湿性による環境安定性が損なわれる
問題については、高湿環境下では流動化剤が水分の影響
を受けてしまい、トナーの帯電減衰を引き起こし、画像
上のカブリの発生、トナーの機内飛散の原因となってし
まう。そこで流動化剤に用いる粒子の表面処理を行い、
疎水性持たせることが好ましい。またこの表面処理に用
いる処理剤の選択により、正極性及び負極性の所望の極
性を持たせトナーの帯電性を調整、制御し安定させるこ
とができる。使用する表面処理剤の選択を行う必要があ
る。本発明において用いられる流動化剤の表面処理剤と
しては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン等のオルガノアルコキシシラン類、ジメチルジ
クロロシラン、トリメチルクロロシラン、オクタデシル
トリクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン等
のオルガノクロロシラン類、ヘキサメチルジシラザン等
のシラザン類、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン
等のオルガノアミノシラン類及びシリコーンオイル系の
化合物を使用することができる。
【0041】シリコーンオイル系の化合物としてはジメ
チルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイ
ル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどのスト
レートシリコーンオイル、または変性シリコーンオイル
が使用できる。変性シリコーンオイルに用いられる変性
基としては、メチルスチレン基、長鎖アルキル基、ポリ
エーテル基、カルビノール基、アミノ基、エポキシ基、
カルボキシル基、高級脂肪酸基、メルカプト基、メタク
リル基等があげられる。シリコーンオイルは優れた離型
性、滑り性を持っていることにより、トナー成分の感光
体ドラム表面への付着、フィルミングを防ぐ効果を有し
ている。
【0042】本発明に使用される流動化剤以外の外添剤
は滑剤、研磨剤、導電性付与剤等について以下の公知の
ものを使用することができる。滑剤としては、例えばポ
リテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛などが、
研磨剤としては例えばチタン酸ストロンチウム、チタン
酸カルシウム、チタン酸バリウム、炭酸カルシウム、酸
化クロム、炭化ケイ素、炭化タングステン、窒化ケイ素
などの微粉体が挙げられる。これらの研磨剤は感光体ド
ラム表面へのトナー成分の付着物、フィルミング物を研
磨し削ることにより、除去する効果があり、前記のシリ
コーンオイルで表面処理を行った流動化剤と併せて用い
ることにより大きな効果を見い出すことができる。導電
性付与剤としては酸化スズの如き金属酸化物等を加える
こともできる。しかし、これらの例は単なる例示に過ぎ
ないものであり、本発明の電子写真用現像剤に添加混合
されるものが上記具体的に例示されたものに限定される
ものではない。
【0043】本発明で用いられるトナー母粒子は、前記
のトナー構成成分を、乾式ブレンダー、ヘンシェルミキ
サー、ボールミル等により予備混合し、しかる後、この
混合物を熱ロール、ニーダー、一軸または二軸のエクス
トルーダー等の熱混練機によって溶融混練し、得られた
混練物を冷却後粉砕し、必要に応じ所望の粒径に分級す
る方法により製造するのが好ましい。しかし、本発明に
おいて用いられるトナー母粒子の製造方法は、この混練
・粉砕法に限られるものではなく、例えば結着樹脂溶液
中にトナー構成材料を分散した後、噴霧乾燥する方法、
あるいは、結着樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混
合して乳化懸濁液とした後に重合させてトナー母粒子を
得る方法等の従来公知の方法のいずれの方法によっても
よいことは勿論である。本発明で用いられるトナー母粒
子としては、体積平均粒径が3〜35μmであることが
好ましく、5〜25μmが更に好ましい。小粒径トナー
母粒子の場合には、4〜15μm程度の粒径で用いられ
る。
【0044】最終的にトナーを製造するには、上記より
得られたトナー母粒子に外添剤を添加、混合させる必要
がある。一般的にはヘンシェルミキサー、スーパーミキ
サーなどを用いてトナー母粒子に外添剤を添加し混合す
る。この混合工程においても、工程条件の違いによりト
ナーの品位、特性は大きく変わる。この混合工程での制
御しうる因子としてはミキサー中への充填量、回転数、
混合時間等が挙げられる。トナー母粒子と外添剤の混合
条件はトナー母粒子の表面上の外添剤の付着状態に大き
な影響を与えているため、適宜混合条件を調整すること
が好ましい。
【0045】外添剤を添加、混合した後の最終工程とし
て、トナー中の異物除去の目的で篩い工程を経てトナー
は製造される。篩の種類としては振動篩い機、超音波振
動篩い機、ジャイロシフター等を用いることができる。
その際に篩いに使用するメッシュの目開き、種類がトナ
ーの品質に影響を与えるため適宜条件を調整することが
好ましい。
【0046】本発明の静電荷像現像用トナーは二成分系
現像剤としてキャリアとともに用いることもできる。本
発明のトナーとともに用いられるキャリアは、従来用い
られるキャリアのいずれであってもよく、例えば、鉄粉
等の強磁性金属あるいは強磁性金属の合金粉、ニッケ
ル、銅、亜鉛、マグネシウム、バリウム等の元素から構
成されるフェライト粉、マグネタイト粉等が好ましいも
のとして挙げられる。これらキャリアは、スチレン・ア
クリル共重合体、スチレン・メタクリレート共重合体、
スチレン重合体、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂等の
樹脂或いはこれらの混合物で被覆されたものでよい。キ
ャリアを樹脂により被覆する方法としては、被覆用樹脂
を溶剤に溶解し、これを浸漬法、スプレー法、流動床法
等によりコア粒子上に塗布し、乾燥させた後必要に応じ
加熱して塗膜を硬化する方法等公知の任意の方法による
ことができる。またキャリア粒子の平均粒径は、通常1
5〜500μm、好ましくは20〜300μmのものを
用いることができる。
【0047】
【実施例】以下製造例、実施例および比較例により本発
明を更に具体的に説明するが、本発明の態様がこれらの
例に限定されるものではない。なお以下については、部
数は全て重量部を表す。
【0048】[ニグロシン染料の製造例]アニリン、塩
酸および塩化第二鉄の存在下にニトロベンゼンで160
〜180℃で酸化、反応させ粗製ニグロシンを得た(こ
の粗製ニグロシンには塩化第二鉄の残さが含まれる)。
次いで粗製ニグロシンにアニリン、水および水酸化ナト
リウムを加え、スクリューデカンタの遠心分離によりニ
グロシンと水酸化鉄の沈殿物に分離し、水酸化鉄の沈殿
物を除去した。得られた液を更に水洗しその液を乾燥、
粉砕することにより、ニグロシン染料を得た。得られた
ニグロシン染料を表1にまとめた。Fe含有量は遠心分
離の条件、体積平均粒径は粉砕条件を変えることによっ
てそれぞれ調整した。
【0049】
【表1】
【0050】 [実施例1] (成分) (配合量) スチレンアクリル共重合体 100部 磁性体(D)(マグネタイト 比表面積 7.3m2 /g) 70部 低分子量ポリプロピレン 2.0部 低分子量ポリエチレン 0.5部 ニグロシン染料(A)(粒径6.1μm) 2.5部 上記材料を均一に混合した後、混練しチップを得て、該
チップを粉砕、分級して、平均粒径10.7μmの正帯
電性トナー母粒子を得た。次いで、このトナー母粒子1
00部に対し、シリコーンオイルで処理したシリカ微粉
体0.3部を添加、混合して正帯電性磁性トナーを得
た。このトナーを用い、市販の複写機NP−4145
(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%R
H)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(1
0℃、20%RH)の環境下で実写試験を行なった。い
ずれの環境下においても、現像初期よりベタ黒画像が均
一でかぶりのない良好な画像を得ることができた。さら
に常温常湿(23℃、50%RH)環境下にてトナーを
補充しながら10万枚の画出し評価を行なったが、初期
画像と同様に問題のない良好な画像を得ることができ
た。また、分級して得られたトナー母粒子およびトナー
微粉粒子中のニグロシン染料の含有量を測定した。この
測定結果を表2にまとめた。トナー母粒子および分級微
粉中のニグロシン染料と磁性体の含有量にほとんど差が
なく、ニグロシン染料と磁性体の分配性が優れていた。
【0051】
【表2】
【0052】[実施例2]実施例1で用いたニグロシン
染料(A)の代わりにニグロシン染料(B)(粒径7.
2μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして正帯電
性磁性トナーを得た。このトナーを用い、市販の複写機
NP−4145(キヤノン社製)により、常温常湿(2
3℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%R
H)、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で実写
試験を行なった。いずれの環境下においても、現像初期
よりベタ黒画像が均一でかぶりのない良好な画像を得る
ことができた。さらに常温常湿(23℃、50%RH)
環境下にて、トナーを補充しながら10万枚の画出し評
価を行なったが、初期画像と同様に問題のない良好な画
像を得ることができた。また、分級して得られたトナー
母粒子および分級微粉中のニグロシン染料と磁性体の含
有量にほとんど差がなく、ニグロシン染料と磁性体の分
配性が優れていた。
【0053】[実施例3]実施例1で用いた磁性体
(D)の代わりに磁性体(E)(マグネタイト 比表面
積 5.4m2 /g)を用いた以外は、実施例1と同様
にして正帯電性磁性トナーを得た。このトナーを用い、
市販の複写機NP−4145(キヤノン社製)により、
常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、
85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)の環境
下で実写試験を行なった。いずれの環境下においても、
現像初期よりベタ黒画像が均一でかぶりのない良好な画
像を得ることができた。さらに常温常湿(23℃、50
%RH)環境下にて、トナーを補充しながら10万枚の
画出し評価を行なったが、初期画像と同様に問題のない
良好な画像を得ることができた。また、分級して得られ
たトナー母粒子および分級微粉中のニグロシン染料と磁
性体の含有量にほとんど差がなく、ニグロシン染料と磁
性体の分配性が優れていた。
【0054】[比較例1]実施例1で用いたニグロシン
染料(A)をニグロシン染料(C)(粒径8.9μm)
に代えることを除き、実施例1と同様にして正帯電性磁
性トナーを得た。このトナーを用いて実施例1と同様の
実写試験を行なったところ、常温常湿(23℃、50%
RH)下では4千枚を過ぎたあたりから画像濃度が低下
した。また、分級して得られたトナー母粒子および分級
微粉中のニグロシン染料の含有量に差があった。
【0055】[比較例2]実施例1で用いた磁性体
(D)を磁性体(F)(マグネタイト 比表面積 8.
5m2 /g)に代えることを除き、実施例1と同様にし
て正帯電性磁性トナーを得た。この正帯電性磁性トナー
を用いて実施例1と同様の実写試験を行なったところ、
常温常湿(23℃、50%RH)下では初期からカブリ
が多く、1千枚を過ぎたあたりから、画像上に電荷のリ
ークと考えられる黒筋が発生した。また、分級して得ら
れたトナー母粒子および分級微粉中のニグロシン染料と
マグネタイトの含有量に差があった。
【0056】[比較例3]実施例1で用いた磁性体
(D)を磁性体(I)(マグネタイト 比表面積 3.
8m2 /g)に代えることを除き、実施例1と同様にし
て正帯電性磁性トナーを得た。この正帯電性磁性トナー
を用いて実施例1と同様の実写試験を行なったところ、
常温常湿(23℃、50%RH)下では初期から画像濃
度が低かった。また、分級して得られたトナー母粒子お
よび分級微粉中のニグロシン染料とマグネタイトの含有
量に差はみられなかった。
【0057】
【発明の効果】特定の組成のニグロシン染料及び磁性体
を用いることにより、トナーの摩擦帯電量が高く、安定
であり、さらに温度および湿度の変化を受けずに、カブ
リが増加したり、画質低下等の現象が発生しない優れた
静電荷像現像用磁性トナーを得た。
【0058】さらに、複写機やプリンターなどで繰り返
し連続複写して用いた場合、カブリの増加や画像濃度の
低下が起こらず、更には高温下での放置による経時変化
を受けても、カブリが増加せず、また複写機、プリンタ
ーの機内飛散の起こらない耐久性、安定性のある優れた
静電荷像現像用磁性トナーを得た。
【0059】さらに、ニグロシン染料及び磁性体がバイ
ンダー樹脂中に一様に分散または相溶し、トナー化した
ときに分配不良を引き起さず、トナーが均一に正に帯電
する静電荷像現像用磁性トナーを得た。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、磁性体及び荷電制
    御剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、磁性体
    がBET法による比表面積が4〜8m2 /gの磁性体で
    あって、かつ荷電制御剤が、Fe含有量が1.0重量%
    以下のニグロシン染料であることを特徴とする静電荷像
    現像用磁性トナー。
  2. 【請求項2】 ニグロシン染料の含有量が、結着樹脂1
    00重量部に対し、0.1〜10重量部であることを特
    徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用磁性トナー。
  3. 【請求項3】 ニグロシン染料の体積平均粒子径が、1
    〜20μmであることを特徴とする請求項1又は2記載
    の静電荷像現像用磁性トナー。
  4. 【請求項4】 疎水化処理された無機微粉末が、流動化
    剤として外添されていることを特徴とする請求項1ない
    し3いずれか記載の静電荷像現像用磁性トナー。
  5. 【請求項5】 トナーが、正帯電性を有していることを
    特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の静電荷像現
    像用磁性トナー。
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