JP2003033652A - 吸水性材料、及びそれを用いてなる血液吸収用物品 - Google Patents

吸水性材料、及びそれを用いてなる血液吸収用物品

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JP2003033652A JP2001225877A JP2001225877A JP2003033652A JP 2003033652 A JP2003033652 A JP 2003033652A JP 2001225877 A JP2001225877 A JP 2001225877A JP 2001225877 A JP2001225877 A JP 2001225877A JP 2003033652 A JP2003033652 A JP 2003033652A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に血液に対する吸収特性(吸引量、吸収速
度、親和性など)を改善することが出来、血液成分によ
り吸収特性が著しく低下することのない吸水性材料、及
びそれを用いてなる血液吸収用物品を提供する。 【解決手段】 ポリアミノ酸又はその塩を含む吸水性樹
脂であって、該吸水性樹脂の粒子同士が接合した状態で
あることを特徴とする吸水性材料であり、血液吸引量測
定において、血液吸引量が3g/g以上である。また、
該吸水性材料を含むことを特徴とする血液吸収用物品で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
る吸水性材料、及びそれを用いてなる血液吸収用物品に
関する。更に詳しくは、特に血液の吸収特性を改善した
吸水性材料、及び該吸水性材料を用いてなる血液吸収用
物品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パンティライナーや生理用ナプキ
ン等の血液吸収用物品としては、不織布等からなる液体
透過性の表面材と、ポリエチレンシート又はポリエチレ
ンシートラミネート不織布等からなる液体不透過性の防
漏材との間に、物理的に血液を吸収し保持する親水性の
吸収紙や綿状パルプからなる吸収体を介在したものが知
られていた。この中で、吸収体の素材に関しては、吸収
紙やパルプ等に替えて、吸水性樹脂を用いることによる
血液の吸収容量の向上と、吸収後の血液の保持による漏
れ防止が提案されてきた。
【0003】この種の吸水性樹脂としては、これまで、
澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物
やカルボキシメチルセルロース架橋体、ポリアクリル酸
(塩)架橋体、アクリル酸(塩)−ビニルアルコール共
重合体、ポリエチレンオキサイド架橋体等が知られてい
る。
【0004】しかし、これらの従来からある吸水性の素
材を用いた生理用ナプキンの場合、消費者の不満の第一
が「漏れ」にあることからも明らかなように、依然とし
て漏れ防止の強い要求を十分に満足したものではないの
が実状であった。このようなことから、血液成分によ
り、吸収特性が著しく低下することのない吸水性材料、
及び血液吸収用物品の開発が切望されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、特に血液に対する吸収特性を改善した吸水性材料、
及びそれを用いてなる血液吸収用物品を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリアミノ酸又は
その塩を含む吸水性樹脂であって、該吸水性樹脂の粒子
同士が接合した状態である吸水性材料を用いることによ
り、特に血液の吸収特性を改善出来ることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、ポリアミノ酸又はその塩
を含む吸水性樹脂であって、該吸水性樹脂の粒子同士が
接合した状態であることを特徴とする吸水性材料を提供
するものであり、
【0008】また、本発明は、該吸水性材料を含むこと
を特徴とする血液吸収用物品を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】次いで、本発明を実施するにあた
り、必要な事項を具体的に以下に述べる。
【0010】本発明で使用する吸水性材料は、ポリアミ
ノ酸又はその塩を含む吸水性樹脂であって、該吸水性樹
脂の粒子同士が接合した状態であることを特徴とする。
【0011】更に、本発明で使用する吸水性材料は、血
液に対する親和性を高めることが出来る点で、接合状態
での平均粒径が、好ましくは100μm〜1000μm
の範囲であり、より好ましくは150μm〜500μm
の範囲である。
【0012】本発明でいうポリアミノ酸又はその塩を含
む吸水性樹脂は、ポリアミノ酸又はその塩を含む吸水性
樹脂であれば特に限定されない。具体例としては、例え
ば、ポリグルタミン酸又はその塩、ポリリジン又はその
塩、ポリアスパラギン酸又はその塩、グルタミン酸共重
合体又はその塩、アスパラギン酸共重合体又はその塩を
架橋することにより得られる吸水性樹脂;分子内に少な
くとも1つのエチレン性不飽和結合を有する無水ポリ酸
性アミノ酸と多糖類とを反応させ、架橋剤を反応させる
ことにより得られる架橋体の一部又は全部を加水分解す
ることにより得られる吸水性樹脂;ポリアミノ酸と多糖
類と架橋剤を反応させることにより得られる吸水性樹
脂;無水ポリアミノ酸と多糖類の架橋反応生成物を加水
分解して得られる吸水性樹脂;ポリアミノ酸とタンパク
質を反応させることにより得られる吸水性樹脂;無水ポ
リアミノ酸とタンパク質の架橋反応生成物を加水分解し
て得られる吸水性樹脂;分子内に少なくとも1つのエチ
レン性不飽和結合を有する無水ポリ酸性アミノ酸と、エ
チレン性不飽和化合物とを反応させることにより得られ
る吸水性樹脂等が例示出来る。
【0013】本発明で使用する吸水性材料は、後述の実
施例において定義される血液吸引量の測定方法におい
て、血液吸引量が3g/g以上のものであることが好ま
しく、分子内に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合
を有する無水ポリ酸性アミノ酸(A)と、エチレン性不
飽和化合物(B)とを反応させることにより得られる吸
水性樹脂を含む吸水性材料が好ましい。
【0014】また、本発明で使用する分子内に少なくと
も1つのエチレン性不飽和結合を有する無水ポリ酸性ア
ミノ酸(A)とエチレン性不飽和化合物(B)とを反応
させることにより得られる吸水性樹脂は、分子内に少な
くとも1つのエチレン性不飽和結合を有する無水ポリ酸
性アミノ酸(A)とエチレン性不飽和化合物(B)と、
必要により多糖類とを、架橋剤(C)の存在下、既知の
ラジカル重合開始剤を用いた重合方法により得ることが
出来る。
【0015】本発明で使用する分子内に少なくとも1つ
のエチレン性不飽和結合を有する無水ポリ酸性アミノ酸
(A)としては、末端基としてマレイミド末端基を有す
るポリこはく酸イミドをそのまま用いることが出来る。
マレイミド末端基を有するポリこはく酸イミドは、例え
ば、無水マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸等とアンモニ
アを加熱反応させ、マレイミドもしくはマレアミド酸を
経ることにより得られる。
【0016】更に、分子内に少なくとも1つのエチレン
性不飽和結合を有する無水ポリ酸性アミノ酸(A)とし
ては、無水ポリ酸性アミノ酸と、分子内にエチレン性不
飽和結合及び無水ポリ酸性アミノ酸と反応性を有する官
能基を有する化合物とを反応させて得られる化合物であ
ってもよい。
【0017】上記の無水ポリ酸性アミノ酸は、ポリアス
パラギン酸又はポリグルタミン酸等の無水物であれば、
線状構造を有するものであっても、分岐状構造を有する
ものであっても構わない。また、部分的にアミド結合を
含んでいてもよい。更に、基本骨格中に、グルタミン
酸、アスパラギン酸以外のアミノ酸誘導体との結合を含
んでいてもよい(即ち、コポリマーであってもよい)。
グルタミン酸、アスパラギン酸以外のアミノ酸誘導体と
しては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシ
ン、イソロイシン、セリン、トレオニン、アスパラギ
ン、グルタミン、リジン、オルニチン、システイン、シ
スチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、
アルギニン等の脂肪族α−アミノ酸、チロシン、フェニ
ルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン等の芳香族α
−アミノ酸、これらα−アミノ酸の側鎖官能基が置換さ
れたもの、β−アラニン、γ−アミノ酪酸等のアミノカ
ルボン酸、グリシル−グリシン、アスパルチル−フェニ
ルアラニン等のジペプチド(二量体)、グルタチオン等
のトリペプチド(三量体)等が挙げられる。これらのア
ミノ酸誘導体は光学活性体(L体、D体)でも、ラセミ
体でもよい。また、これらの結合は、ランダムに存在し
て(ランダムコポリマー)も、ブロック的に存在して
(ブロックコポリマー)もよい。
【0018】また、上記の分子内にエチレン性不飽和結
合及び無水ポリ酸性アミノ酸と反応性を有する官能基を
有する化合物は、下記一般式[1]で表される化合物で
あることが好ましい。
【0019】
【化1】
【0020】(但し、一般式[1]中、R1はアミノ
基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボジイミド基、
オキサゾリン基、イミノ基、イソシアネート基からなる
群より選ばれる少なくとも1個の基、−Q−は炭素原子
数1〜10のアルキレン基、R2は水素、又は炭素原子
数1〜4のアルキル基である。)
【0021】前記一般式[1]で表される化合物として
は、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート、アクリル酸、メタクリル酸、2−メタクロ
イルオキシエチルイソシアネート、2−イソシアネート
メチルアクリレート等が挙げられるが、これらに限定さ
れない。
【0022】本発明で使用するエチレン性不飽和化合物
(B)は、水溶性又は水混和性であれば何れのものも使
用出来、その一例を挙げれば、(メタ)アクリル酸及び
/又はそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、2−(メ
タ)アクリルアミド−2−メチルスルホン酸及び/又は
そのアルカリ金属塩等のイオン性モノマー;(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド等の非イオン性モノマー;ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不
飽和モノマーやそれらの四級化物等を挙げることが出
来、これらの群から選ばれる一種又は二種以上を用いる
ことが出来る。尚、ここで「(メタ)アクリル」という
用語は、「アクリル」及び「メタクリル」の何れをも意
味するものとする。これらの中で好ましくは、(メタ)
アクリル酸及び/又はそのアルカリ金属塩、アルカリ土
類金属塩、アンモニウム塩、(メタ)アクリルアミドが
挙げられ、アルカリ金属塩としてはナトリウム塩、カリ
ウム塩、リチウム塩、ルビジウム塩等が、またアルカリ
土類金属塩としては、カルシウム塩、マグネシウム塩等
が挙げられる。
【0023】本発明で使用するエチレン性不飽和化合物
(B)は、水溶性又は水混和性のエチレン性不飽和化合
物に、架橋剤(C)として、2個以上のエチレン性不飽
和基を有する多官能エチレン性不飽和化合物、もしくは
2個以上の反応性基を有する化合物を併用して用いられ
ることがより好ましい。
【0024】多官能エチレン性不飽和化合物としては、
エチレン性不飽和基を2個以上有するエチレン性不飽和
化合物であれば基本的にはすべての化合物を用いること
が可能であり、例えば、N,N’−メチレンビス(メ
タ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレー
ト、グリセリンアクリレートメタアクリレート、エチレ
ンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレート等を挙げることが出来る。
【0025】また、2個以上の反応性基を有する化合物
としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングル
コール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルアル
コール、ジエタノールアミン、トリジエタノールアミ
ン、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコー
ル、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、
グルコース、マンニット、マンニタン、ショ糖、ブドウ
糖等の多価アルコール;エチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエー
テル、グリセリントリグリシジルエーテル等のポリグリ
シジルエーテル;エピクロロヒドリン、α−メチルクロ
ルヒドリン等のハロエポキシ化合物;グルタールアルデ
ヒド、グリオキザール等のポリアルデヒド;エチレンジ
アミン等のポリアミン類;水酸化カルシウム、塩化カル
シウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、塩化硼砂マ
グネシウム、酸化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩
化亜鉛および塩化ニッケル等の周期律表2A族、3B
族、8族の金属の水酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、酸
化物、硼砂等の硼酸塩、アルミニウムイソプロピラート
等の多価金属化合物等が挙げられる。これらの、2個以
上のエチレン性不飽和基を有する多官能エチレン性不飽
和化合物、もしくは2個以上の反応性基を有する化合物
は1種又は2種以上を、反応性を考慮した上で用いるこ
とが出来る。
【0026】また、本発明で使用する多糖類としては、
例えば、デンプン、セルロース、アルギン酸等が挙げら
れる。デンプンとしては、一般に天然又は植物起源の、
アミロース及び/又はアミロペンチンよりなるデンプン
やデンプン含有物及びそれらの変性体の全てを包含す
る。デンプンとしては、例えば、馬鈴薯澱粉、玉蜀黍澱
粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、サゴ
澱粉、ワキシーコンス、ハイアミロースコンス、小麦
粉、米粉等が挙げられる。また、変性澱粉としては、澱
粉にモノマー、例えば、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル、オレフィン、スチレン等をグラフト共重
合されたものや、脂肪酸を反応させたもの、その他、こ
れらをデキストリン化、酸化、酸処理、アルファー化処
理、エーテル化、エステル化、架橋化したものも用いる
ことが出来る。また、水分を含む澱粉をそのガラス転移
点温度及び融解温度より高い温度に加熱した構造変性澱
粉(EP0327505 A2)が包含される。更に、
グアーガム、キチン、キトサン、セルロース、アルギン
酸、寒天等の多糖類も使用することが出来る。セルロー
スとしては、例えば、木材、葉、茎、ジン皮、種子毛な
どから得られるセルロース;アルキルエーテル化セルロ
ース、有機酸エステル化セルロース、カルボキシメチル
化セルロース、酸化セルロース、ヒドロキシアルキルエ
ーテル化セルロースなどの加工セルロースが挙げられ
る。
【0027】本発明に係るポリアミノ酸又はその塩を含
む吸水性樹脂であって、該吸水性樹脂の粒子同士が接合
した状態である吸水性材料は、分子内に少なくとも1つ
のエチレン性不飽和結合を有する無水ポリ酸性アミノ酸
(A)とエチレン性不飽和化合物(B)と、必要に応じ
多糖類とを架橋剤(C)の存在下、例えば、双椀型ニー
ダー中で攪拌しながら重合する方法、容器中で注型重合
する方法、駆動するベルト上で連続的に静置重合する方
法、逆相懸濁重合法等既知のラジカル重合開始剤を用い
た重合方法により得られた重合体粒子に表面架橋処理を
行うことにより製造することが出来る。これら方法の中
でも、容易に重合体粒子を得られる点で、界面活性剤
(D)の存在下でラジカル重合開始剤を用いて不活性溶
媒中で油中水滴型の逆相懸濁重合法で得られた重合体粒
子に表面架橋処理を行い製造することが好ましい。
【0028】本発明で使用するラジカル重合開始剤とし
ては、例えば、無機過酸化物(過酸化水素、過硫酸アン
モニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等)、有
機過酸化物(過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、クメンヒドロキシパーオキサイド、コハク酸
パーオキサイド、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシ
ジカーボネート等)、アゾ化合物(アゾビスイソブチル
ニトリル、アゾビスシアノ吉草酸、2,2’−アゾビス
(2−アミノプロパン)ハイドロクロライド等)及びレ
ドックス触媒(アルカリ金属の亜硫酸塩若しくは重亜硫
酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、ア
スコルビン酸等の還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過
硫酸アンモニウム、過酸化物等の酸化剤の組み合わせよ
りなるもの)が挙げられる。
【0029】逆相懸濁重合法により、含水ゲル、過剰の
界面活性剤及び不活性溶媒からなるスラリー状の混合物
が得られる。重合後のスラリーは公知の手法により、例
えば、直接脱水或いは不活性溶媒との共沸脱水を経て、
乾燥、篩等を経て吸水性樹脂を得ることが出来る。
【0030】この場合、使用される界面活性剤(D)
は、疎水性溶媒に可溶性又は親和性であり、基本的に油
中水滴型乳化系を作るものであれば何れのものも使用出
来る。このような界面活性剤としては、一般的にはHL
B(Hydrophile-Lipophile-Balance)が好ましくは1〜9
の範囲であり、より好ましくは2〜7の範囲の非イオン
系及び/又はアニオン系である。
【0031】本発明で使用する界面活性剤(D)の具体
例としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリ
オキシソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル、エチルセルロース、エチ
ルヒドロキシエチルセルロース、酸化ポリエチレン、無
水マレイン化ポリエチレン、無水マレイン化ポリブタジ
エン、無水マレイン化エチレン・プロピレン・ジエン・
ターポリマー、α−オレフインと無水マレイン酸の共重
合体又はその誘導体ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル燐酸等が挙げられる。これら界面活性剤は2種以上を
適宜併用することも可能である。
【0032】本発明で使用する界面活性剤(D)の使用
量は、不活性溶媒に対して、好ましくは0.05〜10
重量%、より好ましくは0.1〜1重量%の範囲であ
る。界面活性剤(D)の使用量がかかる範囲であれば、
安定した逆相懸濁状態を保つことが出来、また最終的に
得られた吸水性樹脂において、本発明の目的とする血液
吸収特性をもたらすことが出来る。
【0033】また、本発明で使用する不活性溶媒とは、
水に溶け難い疎水性溶媒であり、重合反応に対して不活
性であれば如何なるものも使用可能であり、特に限定は
ない。前記不活性溶媒としては、例えば、n−ペンタ
ン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂
肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン
等の脂環状炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素等が挙げられる。これら中では、n−
ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンが好ましい。
【0034】上記不活性溶媒の使用量は、第1段目の反
応に使用されるエチレン性不飽和化合物(B)の水溶液
に対して、0.5〜10重量倍の範囲が好ましい。
【0035】本発明で用いる逆相懸濁重合法のより具体
的な実施方法としては、例えば、予め使用するエチレン
性不飽和化合物(B)の内、必要に応じ1種又は2種以
上を中和したエチレン性不飽和化合物水溶液に、架橋剤
(C)、ラジカル重合開始剤、及び必要に応じてチオー
ル類、チオール酸類、第2級アルコール類、アミン類、
次亜燐酸塩類等の水溶性連鎖移動剤を添加溶解したエチ
レン性不飽和化合物(B)の水溶液を調製し、窒素等の
不活性ガスを導入して脱気を行う。一方、重合装置内で
界面活性剤(D)を不活性溶媒中に入れ必要ならば若干
加温し溶解せしめ、窒素等不活性ガスを導入し、脱気を
行う。この中に上記エチレン性不飽和化合物(B)の水
溶液を注入し、攪拌下、昇温を開始する。この間に反応
系の水溶液は微細な液滴となって不活性溶媒中に分散し
ながら懸濁する。昇温とともにやがて発熱が起こり重合
が開始する。
【0036】本発明において、分子内に少なくとも1つ
のエチレン性不飽和結合を有する無水ポリ酸性アミノ酸
(A)の添加方法としては、特に制限はないが、予め
加水分解した分子内に少なくとも1つのエチレン性不飽
和結合を有する無水ポリ酸性アミノ酸(A)の水溶液を
エチレン性不飽和化合物(B)の水溶液と予め混合する
ことにより行う方法;エチレン性不飽和化合物(B)
の水溶液と同時に注入する方法;昇温時に注入する方
法;発熱が起こり重合が開始した後で注入する方法
等、何れでもよいが、この中で系の安定性がより保持で
きる点で、発熱が起こり重合が開始した後で注入する
方法が好ましい。発熱が起こり重合が開始した後で分子
内に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有する無
水ポリ酸性アミノ酸(A)の水溶液を添加する場合は、
水溶液をそのまま添加してもよい。
【0037】尚、界面活性剤を溶解させた不活性溶媒を
分子内に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有す
る無水ポリ酸性アミノ酸(A)の水溶液に加え、攪拌分
散させた後に重合液に添加する方が、粒子同士が凝集を
起こすこともなく、重合安定性が良好になることからよ
り好ましい。この時使用する界面活性剤は前記の逆相懸
濁重合法に使用する界面活性剤(D)の何れのものを1
種又は2種以上を混合して用いてもよいが、好ましくは
先にモノマーの重合に用いている界面活性剤よりもHL
B値の高い界面活性剤を用いる方がより好ましい。この
ような界面活性剤としては具体的には、一般的にはHL
B値が4〜18の非イオン系及び/又はアニオン系界面
活性剤が好ましい。
【0038】発熱後の注入の時期は、特に限定しない
が、好ましくは発熱直後から3時間経過後までの間、よ
り好ましくは発熱直後から2時間後までの間である。こ
の時期で注入を行うことにより、分子内に少なくとも1
つのエチレン性不飽和結合を有する無水ポリ酸性アミノ
酸(A)の水溶液が分離することなく、反応系中で形成
されつつある吸水性樹脂の粒子内に取り込まれることが
出来るので好ましい。
【0039】また、予め使用するエチレン性不飽和化合
物(B)の内、必要に応じ1種又は2種以上を中和した
エチレン性不飽和化合物水溶液に、架橋剤、ラジカル重
合開始剤、及び必要に応じてチオール類、チオール酸
類、第2級アルコール類、アミン類、次亜燐酸塩類等の
水溶性連鎖移動剤を添加溶解したエチレン性不飽和化合
物の水溶液を逐次供給することも出来、逐次供給するこ
とにより、接合した状態の吸水性樹脂を容易に得ること
ことが出来る。逐次供給する方法は、特に限定しない
が、例えば、上記エチレン性不飽和化合物(B)の水
溶液を不活性溶媒の中に連続的に滴下しながら逐次重合
させる方法;エチレン性不飽和化合物(B)の水溶液
を不活性溶媒の中に断続的に滴下しながら逐次重合させ
る方法;上記エチレン性不飽和化合物(B)の水溶液
を予め一部の不活性溶媒と混合又は分散して得られる混
合/分散溶液を不活性溶媒の中に滴下しながら重合させ
る方法等がある。
【0040】この時、分子内に少なくとも1つのエチレ
ン性不飽和結合を有する無水ポリ酸性アミノ酸(A)の
添加方法としては、特に制限はないが、予め加水分解し
た分子内に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有
する無水ポリ酸性アミノ酸(A)の水溶液を、エチレ
ン性不飽和化合物(B)の水溶液と予め混合し滴下する
方法;エチレン性不飽和化合物(B)の水溶液と同時
に滴下する方法;エチレン性不飽和化合物(B)の水
溶液の滴下終了後、一括注入又は続けて滴下する方法等
が挙げられる。この時、安定に重合を行うために先記し
たように、界面活性剤を溶解せしめた不活性溶媒を分子
内に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有する無
水ポリ酸性アミノ酸(A)の水溶液に加え、攪拌分散さ
せた後に重合液に添加してもよい。
【0041】本発明における不活性溶媒と水溶液全体の
混合割合は、通常、好ましくは10/1〜0.5/1重
量比、より好ましくは5/1〜0.8/1重量比の範囲
である。不活性溶媒とエチレン性不飽和化合物(B)の
水溶液の割合が上記重量比の範囲内であるなら、重合安
定性も良好であり、重合熱の徐熱も容易となり、生産性
も上がるので好ましい。
【0042】重合開始後、発熱の状態によって適宜冷却
もしくは加熱を行う。重合反応温度は、特に限定はしな
いが、通常、好ましくは60〜100℃、より好ましく
は60〜80℃の範囲である。
【0043】又、撹拌条件は、反応時の撹拌回転数は用
いる撹拌翼の種類、重合反応槽のスケールによってその
絶対値は異なってくるので一義的には示すことが出来な
いが、攪拌速度が重合体粒子の粒径に影響すること、更
に接合後の平均粒径を100μm〜1000μmの範囲
に制御することが好ましいことから、撹拌翼の種類に応
じて攪拌動力を制御することが好ましく、また攪拌速度
は適宜選択出来るが通常50〜1000rpmの範囲で
あることが好ましい。この範囲の撹拌回転数の範囲で、
撹拌翼の種類、攪拌動力を適宜選択することにより、本
発明の目的とする血液に対する親和性と吸収特性を兼ね
備えた吸水性樹脂の重合体粒子を得ることが出来る。
【0044】本発明に係る吸水性樹脂は、分子内に少な
くとも1つのエチレン性不飽和結合を有する無水ポリ酸
性アミノ酸(A)とエチレン性不飽和化合物(B)とを
反応させることにより得られる吸水性樹脂の表面近傍
を、表面架橋剤(E)を用いて架橋反応させることによ
り、重合体粒子同士の接合をより一層緊密にすることが
出来、その結果血液に対する吸収特性を一層高めること
が可能となる。更に、表面架橋により、逆相懸濁重合で
得た重合体粒子同士の接合状態を一層高めることが出来
ることから、平均粒径を100μm〜1000μmの範
囲に制御することが可能になる。
【0045】本発明で使用する表面架橋剤(E)として
は、吸水性樹脂の表面近傍の官能基と反応可能な2個以
上の官能基を有するものであり、且つ血液吸収用物品等
に使用した場合に人体に対して安全性の高いものが好ま
しい。そのような化合物としては、例えば、ポリアミン
やポリグリシジルエーテル等の2個以上のカルボキシル
基(カルボキシレート基)と反応し得る反応性基を有す
る化合物、及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシランといったシランカプリング剤を、必要に応じ
シラノール縮合触媒として知られているジブチル錫ジラ
ウリレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオ
クトエート等と共に、用いることが出来る他、グリシジ
ルメタクリレート等の反応性基を有するエチレン性不飽
和化合物を必要に応じラジカル重合開始剤と共に用いる
ことが可能である。
【0046】本発明における表面架橋処理は、逆相懸濁
重合後に膨潤したビーズ状の粒子から、共沸脱水又は加
熱等の適当な方法により直接脱水することにより、所定
の含水率まで乾燥せしめた粉末状のポリマーと表面架橋
剤(E)を混合することにより行うことが出来る。この
時、表面架橋剤(E)を均一に混合させるために、水及
び親水性溶媒を共に使用することが好ましく、表面架橋
剤(E)に水及び親水性溶媒をポリマー100重量部に
対して、水が50重量部以下、及び親水性溶媒を60重
量部以下、混合し用いてもよい。
【0047】本発明で使用する親水性溶媒としては、例
えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール、およびイソブタノー
ルのような低級アルコール類、アセトン、およびメチル
エチルケトンのようなケトン類、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、およびジエチルエーテルのようなエーテル
類、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジエ
チルホルムアミドのようなアミド類およびジメチルスル
ホキシドのようなスルホキシド類等が挙げられる。
【0048】ポリマーと表面架橋剤(E)の混合方法は
特に制限されず、通常の混合機を用いることが出来る。
混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐
型混合機、高速攪拌型混合機、V字型混合機、リボン型
混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデス
ク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合
機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出
機等の混合装置でポリマーを攪拌しながら表面架橋剤を
添加することが好ましく、表面架橋剤が均一に混合され
るために噴霧されることがより好ましい。
【0049】表面架橋の加熱処理時間は、加熱温度によ
り適宜選択されるが、熱劣化を起こさずに吸水性能の高
い吸水性樹脂が得られることから、通常、好ましくは、
60℃〜300℃の温度で、5分から100時間以下で
あることが好ましい。
【0050】加熱処理装置としては、特に限定はしない
が、通常、乾燥機又は加熱炉が用いられ、例えば、溝型
混合乾燥機、ロータリー乾燥機、ディスク乾燥機、流動
層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機、減圧乾燥機等
が挙げられる。
【0051】本発明に係る吸水性材料は、特に血液に対
して優れた吸収特性を示すものであるので、該吸水性材
料を含むことを特徴とする血液吸収用物品としては、例
えば、生理用ナプキン、タンポン、医療用血液吸収シー
ト、ドリップ吸収剤、創傷保護材、創傷治癒材、手術用
廃液処理剤等々の血液吸収特性が要求される物品が列記
出来る。また、血液と同様にタンパク質を含む水、例え
ば、牛乳、母乳、おりもの等に対しても優れた吸収特性
を示す他、従来の吸水性材料と同様の尿、海水、セメン
ト水、土壌水、肥料含有水、雨水、排水等に対しても優
れた吸収特性を有すため、その適用分野は広範囲であ
る。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例と比較例により、一
層、具体的に説明する。以下において、%は、特にこと
わりのない限り、全て重量基準であるものとする。尚、
材料の諸性質は以下に概略を示した方法で測定した。ま
た、実施例1〜3及び比較例1、比較例2の仕込組成を
表1にまとめた。
【0053】[血液吸引量の測定方法]内径95mmの
シャーレ中の馬脱繊血(株式会社日本生物材料センター
より入手)20mlに浸した15枚重ねのトイレットペ
ーパー(河村製紙(株)製、シルバースワン)の面積55
mm×75mmの紙面上に、樹脂試料1gを加え、10
分間吸液させた後、試料の膨潤ゲルを採取してその重量
を測定した。吸液後の膨潤ゲルの重量b(g)を、吸液前
の樹脂試料の重量a(g)で除して、血液吸引量b/aを
算出した。
【0054】[血液吸収速度、及び、血液に対する親和
性の測定方法]内径70mmのシャーレ中に樹脂試料
0.5gを均一に散布し、次いで、馬脱繊血2.5ml
を加えた時、血液が樹脂中に吸収されるまでの時間を血
液吸収速度とした。また、この時の樹脂試料と血液の親
和性を目視で観察し、血液が殆ど樹脂全体に浸透する場
合を「親和性有り」、血液を散布した際に、血液が樹脂
を押しのけたり、上部に乗ったまま殆ど浸透しない場合
を「親和性がない」と判定した。
【0055】《参考例》ポリこはく酸イミドの製造例 攪拌装置、温度計、還流装置、窒素ガス吹き込み装置を
装着した1Lの4ツ口フラスコに、無水マレイン酸96
g、イオン交換水50gを加えた。55℃に加温し無水
マレイン酸を溶解させた後、一旦冷却し無水マレイン酸
のスラリーを得た。再び系内を加温し、55℃になった
ところで、28%アンモニア水60.8gを添加した。
その後、系内の温度を80℃に加温した。3時間反応さ
せた後、得られた水溶液を乾燥し反応中間体を得た。2
Lのナスフラスコに反応中間体100gおよび85%燐
酸10gを仕込み、エバポレーターを用い、オイルバス
浴温200℃、減圧下、4時間反応させた。得られた生
成物を水およびメタノールで数回洗浄した。得られたポ
リこはく酸イミドをGPCで測定した結果、重量平均分
子量は3000であった。
【0056】《実施例1》攪拌装置、温度計、還流装
置、窒素ガス吹き込み装置を装着した500mlの4ツ
口フラスコに、水酸化ナトリウム20.6gを溶解させ
た水溶液75gを加えた後、参考例1で得たポリこはく
酸イミドの粉末50gを添加することによりポリこはく
酸イミドの水溶液を得た。次いで、温度を90℃に昇温
後、グリシジルメタクリレート5.0gを加え、反応を
1時間行うことにより、メタクリル基を導入したポリこ
はく酸イミドの加水分解物を含有する水溶液を得た。1
00ml三角フラスコに、HLB=16のショ糖エステ
ル(第一工業製薬株式会社製DKエステルF−160)
0.75gを秤量し、シクロヘキサン20gを加え、5
0℃に昇温して溶解した。これに上述の操作で得られた
水溶液7.8gを加えて攪拌することによりメタクリル
基を導入したポリこはく酸イミドの加水分解物水溶液の
分散溶液を得た。
【0057】これとは別に、攪拌装置、温度計、還流装
置、窒素ガス吹き込み装置を装着した500mlの4ツ
口フラスコに、シクロヘキサン164gを加え、これに
HLB=9のショ糖エステル(第一工業製薬株式会社製
DKエステルF−90)0.75gを添加して撹拌し
ながら50℃に昇温して溶解した。その後、フラスコの
内容物を30℃に冷却した。一方、500mlの三角フ
ラスコにアクリル酸30gを加え、外部より冷却しつつ
水酸化ナトリウム8.3gを溶解した水酸化ナトリウム
水溶液86.5gを滴下してアクリル酸の50モル%を
中和した。この液にN,N’−メチレンビスアクリルア
ミド23.4mgを添加し、更に過硫酸アンモニウム
0.05gを加えて溶解した。次に、上述のようにして
得られた、重合開始剤および架橋剤を含有するアクリル
酸塩水溶液を上述の円筒型丸底フラスコの内容物中に加
え、界面活性剤を含むシクロヘキサン溶液に分散させる
と共に系内を窒素で充分に置換した。その後、加熱昇温
し、重合反応を開始した。暫くした後発熱を開始し、発
熱がピークに達した5分後に、先に得られたメタクリル
基を導入したポリこはく酸イミドの加水分解物水溶液の
分散溶液を一括添加した。以後60〜65℃で3時間保
持した。尚、攪拌は300rpmで行った。反応終了
後、デカンテーションでシクロヘキサン相を分離し、続
いて湿潤ポリマーから減圧乾燥により水を除去し、重合
体粉末を得た。
【0058】500mlフラスコに得られた重合体粒子
30gを秤量し、そこへアセトン1.2g、イオン交換
水2.1g、グリシジルメタクリレート0.09g、過
硫酸アンモニウム0.09gからなる混合溶液と、親水
性シリカ(日本アエロジル株式会社製、200CF)
0.3gを均一散布した。湿潤ポリマーを108℃で1
時間減圧乾燥することにより吸水性樹脂の表面架橋処理
を行った。得られた吸水性樹脂の顕微鏡観察を行ったと
ころ、図1に示すように球形の樹脂粒子が接合した状態
を呈していた。本発明の吸水性材料の特性評価結果を表
2に示す。実施例1で得た吸水性材料は、表2に示すよ
うに血液吸引能力(吸引量、吸収速度)に優れ、血液に
対して親和性を有することが判る。
【0059】《実施例2》500mlフラスコに実施例
1と同様の操作により得られた重合体粒子30gを秤量
し、そこへアセトン1.2g、イオン交換水2.1g、
グリシジルメタクリレート0.09g、過硫酸アンモニ
ウム0.09gからなる混合溶液と、親水性シリカ(日
本アエロジル株式会社製、200CF)0.3gを均一
散布した。湿潤ポリマーを180℃で1時間減圧乾燥す
ることにより吸水性樹脂の表面架橋処理を行った。得ら
れた吸水性樹脂の顕微鏡観察を行ったところ、球形の樹
脂粒子が接合した状態を呈していた。本発明の吸水性材
料の特性評価結果を表2に示す。実施例2で得た吸水性
材料は、表2に示すように血液吸引能力(吸引量、吸収
速度)に優れ、血液に対して親和性を有することが判
る。
【0060】《実施例3》アクリル酸30gを加え、外
部より冷却しつつ水酸化リチウム・1水和物8.7gを
溶解した水酸化リチウム水溶液81.5gを滴下してア
クリル酸の50モル%を中和した以外は実施例1と同様
の操作により、重合体粉末を得た。500mlフラスコ
に得られた重合体粒子30gを秤量し、実施例2と同様
の操作により吸水性樹脂の表面架橋処理を行った。得ら
れた吸水性樹脂の顕微鏡観察を行ったところ球形の樹脂
粒子が接合した状態を呈していた。本発明の吸水性材料
の特性評価結果を表2に示す。実施例3で得た吸水性材
料は、表2に示すように血液吸引能力(吸引量、吸収速
度)に優れ、血液に対して親和性を有することが判る。
【0061】《比較例1》アクリル酸30gを加え、外
部より冷却しつつ水酸化ナトリウム8.3gを溶解した
水酸化ナトリウム水溶液84.7gを滴下してアクリル
酸の50モル%を中和し、この液にN,N’−メチレン
ビスアクリルアミド23.4mgを添加し、更に過硫酸
アンモニウム0.05gを加えて溶解した。次に、上述
のようにして得られた、重合開始剤および架橋剤を含有
するアクリル酸塩水溶液を上述の円筒型丸底フラスコの
内容物中に加え、界面活性剤を含むシクロヘキサン溶液
に分散させると共に系内を窒素で充分に置換した。その
後、加熱昇温し、重合反応を開始し、以後60〜65℃
で3時間保持した。尚、攪拌は300rpmで行った。
反応終了後、デカンテーションでシクロヘキサン相を分
離し、続いて湿潤ポリマーから減圧乾燥により水を除去
し、重合体粉末を得た。
【0062】500mlフラスコに得られた重合体粒子
30gを秤量し、実施例1と同様の操作により表面架橋
処理を行った。得られた吸水性樹脂の顕微鏡観察を行っ
たところ、図2に示すように球形の樹脂粒子は殆ど接合
した状態ではなかった。ここで得られた吸水性材料の特
性評価結果を表2に示す。
【0063】《比較例2》アクリル酸30gを加え、外
部より冷却しつつ水酸化カリウム13.8gを溶解した
水酸化ナトリウム水溶液90.3gを滴下してアクリル
酸の50モル%を中和した以外は比較例1と同様の操作
により、吸水性樹脂の粉末を得た。得られた吸水性材料
の特性評価結果を表2に示す。
【0064】
【表1】
【0065】表1中の略称の物質名は以下の通りであ
る。 GMA :グリシジルメタクリレート MBAA:N,N−メチレンビスアクリルアミド APS :過硫酸アンモニウム
【0066】
【表2】
【0067】
【発明の効果】本発明によると、ポリアミノ酸又はその
塩を含む吸水性樹脂であって、該吸水性樹脂の粒子同士
が接合した状態であることを特徴とする吸水性材料によ
り、特に血液の吸収特性(吸引量、吸収速度、親和性な
ど)を改善することが出来、血液成分により吸収特性が
著しく低下することのない吸水性材料、及び血液吸収用
物品を提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例1で得た本発明の吸水性材料
の顕微鏡写真である。図1に示すように球形の樹脂粒子
が接合した状態であることが判る。
【図2】 図2は、比較例1で得た吸水性材料の顕微鏡
写真である。図2に示すように球形の樹脂粒子は殆ど接
合していないことが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 2/32 C08L 55:00 290/06 A61F 13/18 307A C08J 3/24 CER 307B // C08L 55:00 Fターム(参考) 4C003 AA23 AA24 4F070 AA32 AA36 AB13 AC53 AE08 BA08 BB02 GA01 GB06 GC01 4G066 AB03B AB27A AC03A AC13D AC35B AE06B BA36 CA43 DA12 DA13 EA05 FA07 4J011 LA02 LA06 LA07 LB10 4J027 AD04 BA06 BA09 BA13 CC02 CD07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミノ酸又はその塩を含む吸水性樹
    脂であって、該吸水性樹脂の粒子同士が接合した状態で
    あることを特徴とする吸水性材料。
  2. 【請求項2】 ポリアミノ酸又はその塩を含む吸水性樹
    脂が、分子内に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合
    を有する無水ポリ酸性アミノ酸(A)と、エチレン性不
    飽和化合物(B)とを反応させることにより得られる吸
    水性樹脂である請求項1記載の吸水性材料。
  3. 【請求項3】 分子内に少なくとも1つのエチレン性不
    飽和結合を有する無水ポリ酸性アミノ酸(A)とエチレ
    ン性不飽和化合物(B)を、架橋剤(C)及び界面活性
    剤(D)の存在下に、不活性溶媒中で油中水滴型の逆相
    懸濁重合させて得た重合体粒子を表面架橋剤(E)にて
    表面架橋処理を行うことにより得られる請求項1又は2
    記載の吸水性材料。
  4. 【請求項4】 血液吸引量測定において、血液吸引量が
    3g/g以上である請求項1〜3の何れか一項に記載の
    吸水性材料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか一項に記載の吸水
    性材料を含むことを特徴とする血液吸収用物品。
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