JP2003029448A - トナー - Google Patents

トナー

Info

Publication number
JP2003029448A
JP2003029448A JP2001217452A JP2001217452A JP2003029448A JP 2003029448 A JP2003029448 A JP 2003029448A JP 2001217452 A JP2001217452 A JP 2001217452A JP 2001217452 A JP2001217452 A JP 2001217452A JP 2003029448 A JP2003029448 A JP 2003029448A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
metatitanic acid
hydrophobic
fine particles
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001217452A
Other languages
English (en)
Inventor
Naotaka Ikeda
池田  直隆
Yuji Mikuriya
裕司 御厨
Kenji Okado
岡戸  謙次
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001217452A priority Critical patent/JP2003029448A/ja
Publication of JP2003029448A publication Critical patent/JP2003029448A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電荷像担持体表面の傷の発生を防止し静電
荷像担持体の寿命の低下が無く、長期にわたり現像にお
ける画質欠陥や画像濃度低下が少なく耐久性に優れ、ま
た帯電安定性や流動性などに優れたトナーを提供する。 【解決手段】 SiO2量が1〜12質量%で、かつト
ルエン抽出によるC量減少率が18%以下、SiO2
減少率が15%以下であり、BET50〜300m2
g、平均粒径が1〜100nm、疎水化度が40〜90
%になるように有機系シラン化合物で疎水化処理された
メタチタン酸微粒子、及びトナー粒子を有することを特
徴とするトナーである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録、静電印刷等における静電荷像を現像するための電子
写真用トナー、とりわけ画質を著しく向上させたカラー
トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては、米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報(米国特許第3,666,363号明細書)及び
特公昭43−24748号公報(米国特許第4,07
1,361号明細書)などに多数の方法が記載されてい
るが、一般的には種々の手段により静電荷像担持体上に
電気的潜像を形成し、次いで電気的潜像をトナーにより
現像してトナー画像とし、また必要に応じて、トナー画
像を紙などの転写材に転写した後、加熱、加圧あるいは
溶剤蒸気などによりトナー画像を転写材に定着させる一
方、転写されずに静電荷像担持体上に残留したトナーを
クリーニングし、静電荷像担持体上に再び電気的潜像を
形成し、この工程を繰り返すことにより多数枚のコピー
画像を得る方法である。
【0003】電気的潜像をトナーにより現像してトナー
画像を形成する現像方式は種々知られているが、大別し
て乾式現像法と湿式現像法とに分けられ、乾式現像法は
更に、二成分現像剤を用いる方法と、一成分現像剤を用
いる方法とに分けられる。二成分現像剤は結着樹脂中に
カーボンブラックなどの着色剤を分散含有せしめてなる
トナーと鉄粉あるいはガラスビーズなどからなるキャリ
アとの混合物を主成分とするものであり、この二成分現
像剤を用いる現像方式としては鉄粉キャリアを用いる磁
気ブラシ法やガラスビーズキャリアを用いるカスケード
法などが知られている。また、一成分現像剤はトナーの
みからなり、トナー中に磁性体を含有した磁性一成分現
像剤と磁性体を含有しない非磁性一成分現像剤がある
が、この一成分現像剤を用いる方式としてはパウダーク
ラウド法、マグネドライ法、インプレッション法などが
知られている。
【0004】これらの現像剤に要求される流動性、転写
性、現像性、帯電安定性、帯電の立ち上がり性などの特
性を改善するために、シリカ等の無機酸化微粉末をトナ
ーに添加すること等がなされている。しかしながら、一
般に使用されるシリカ系微粉末の場合、トナー流動性向
上効果は特に優れるが、負極性が強く、特に低温低湿下
において負帯電性トナーの帯電を過度に増大させてしま
うため、たとえ含窒素化合物処理等により帯電抑制を施
してもトナーには適さず、高温高湿下においては水分を
取り込んで帯電性を減少させるため、両者の帯電性に大
きな差を生じさせることになる。その結果、現像剤担持
体上へのトナーの搬送性、及び帯電性を高温高湿、低温
低湿下の双方において最適なものにすることができず、
画像濃度再現不良、背景カブリ、トナーのボタ落ち、更
には機内汚染等を生じてしまうという問題があった。
【0005】これらを改善する目的で無機微粉末を表面
処理したものを用いることが提案されている。例えば、
特開平3−145653号公報、特開平4−30996
1号公報、特開平4−80764号公報等にはシリカ微
粒子の表面を疎水化処理することが記載されている。
【0006】しかしながら、これらの無機微粉末を用い
るだけでは、特に帯電性において十分な効果が得られて
おらず、特に、トナー粒子中の結着樹脂にポリエステル
樹脂を使用したケースにおいては、全く効果はない。
(高温高湿において十分な帯電性を付与できるケースに
おいては、低温低湿において超過度な帯電を付与してし
まい、現像剤担持体上の搬送量が過度になり、帯電のブ
ロード化が激しくなり、特に現像性低下、カブリの度合
いがひどくなる。)
【0007】また、トナー粒子の負帯電性を緩和する方
法としては、前述したアミノシランで表面処理されたシ
リカ微粒子を外添させる方法(特開平10−03953
号公報)が知られている。しかし、これらのアミノ化合
物による処理では、特に低温低湿下における負帯電性ト
ナーの過剰な帯電上昇は抑制できるものの、シリカ微粉
末自身の持つ環境依存性を充分に改善することはできな
い。すなわち、高温高湿下においても同様な電荷の中和
が起こるため、相変わらず環境依存性は改善されず、搬
送不良、帯電不良を原因とする背景部カブリ、画像濃度
低下を引き起こす。
【0008】以上の様に、シリカ微粒子は、疎水化処
理、負帯電性を緩和させる処理等をおこなっても、シリ
カの持つ帯電の環境依存性、帯電速度、帯電分布の悪さ
を改善するには至っていないのが現状である。また、帯
電・流動性目的に添加される無機酸化物が、一般に使用
される酸化チタンの場合は、帯電の立ち上がりがシリカ
に対して速く、且つ酸化チタンが持つ低抵抗のためか帯
電分布がシャープになるという特徴をもっている。しか
しながら、酸化チタンを添加するケースは、トナーに高
帯電を付与することができず、搬送量の低下、帯電低下
による濃度再現性の低下、背景部カブリを生じ易い。
【0009】この帯電性を改善する目的で、二成分系、
一成分系を問わず、疎水性酸化チタンをトナーに外添す
る方法が提案されている(特開平9−325517号公
報、特開平11−237763号公報等)。疎水性酸化
チタンは、その表面をシラン化合物、シランカップリン
グ剤、シリコーンオイル等で処理することによって得ら
れる。本方法により、確かに帯電性は未処理の親水性酸
化チタンに対して上げることは可能であり、二成分系ト
ナー、磁性一成分系のトナーに使用され、上市されてい
る例もある。しかし、本方法により、処理剤の種類、及
び量によりある程度の帯電レベル改善はできるが、その
帯電レベルはまだ満足できるレベルになく、また、環境
依存性においても限界がある。また、処理剤で酸化チタ
ンの疎水化を上げることによって、帯電レベルの向上、
環境依存性の向上は、従来の親水性酸化チタンより確か
に優れてはいるが、逆に酸化チタンの持つ帯電速度の速
さ及び帯電分布のシャープさ等において従来の酸化チタ
ンに対して大きく劣ってくるというのが実情である。
【0010】また、酸化チタンは、主にイルメナイト鉱
石から硫酸法、または塩酸法により酸化チタン結晶を取
り出す方法により得られるが、これらは湿式法により酸
化チタンが精製され加熱・焼成により得るために、脱水
縮合の結果生じる化学結合も当然存在し、既存の技術で
はこのような凝集粒子を再分散させることは容易ではな
い。即ち微粉末として取り出した酸化チタンは2次、3
次凝集を形成しており、トナーの流動性向上効果もシリ
カに比べ著しく劣るものであった。特に近年カラー等の
高画質要求が市場では高まっており、トナーの粒径を細
かくし高画質を達成しようという試みがなされている
が、トナー粒子を細かくすることで粒子間付着力が増え
益々トナーの流動性が悪化し、本現象は顕著である。ま
た、従来から使われている酸化チタンは、シリカに対し
比重が大きいためか、トナー表面に強固に着かず、トナ
ー表面から脱離しやすいという欠点を併せ持つ。このた
め、スリーブ汚染を伴う長期の帯電安定性に対し劣り、
また、感光体の汚染も引き起こし易いため、画質劣化、
画質欠陥の原因となる。
【0011】流動性向上と帯電の環境依存性の両立を達
成するために、疎水性酸化チタンと疎水性シリカの併用
添加が試みられている(特開平2−27664号公
報)。この手法により、疎水性シリカおよび疎水性酸化
チタンのそれぞれの欠点が一時的には抑制されるもの
の、分散状態によりどちらかの添加剤の影響を受けやす
い。特に維持性を考慮した際、安定にトナー表面での分
散構造を制御することは困難であり、スリーブ上のスト
レスにより疎水性シリカあるいは疎水性酸化チタンのそ
れぞれの特徴が現れやすい。即ちそれぞれの欠点を長期
に渡り安定的に制御することは困難であった。
【0012】次に疎水性アモルファス酸化チタンをトナ
ーに添加する方法が提案されている(特開平5−727
97号公報)。アモルファス酸化チタンはCVD法を用
いて、金属アルコキシドあるいは金属ハライドを加水分
解することにより得ることができる(化学工学論文集,
第18巻,第3号,303〜307(1992))。し
かし、このように加水分解法により得られた酸化チタン
は帯電特性とトナー流動性向上の両立はできるものの、
粒子内部に吸着水を多く有し、転写時にそれ自身で感光
体に残留する。即ちアモルファス酸化チタンと感光体と
の付着力が強くそれのみが転写されずに感光体上に残
り、画像上の白点抜けあるいはクリーニング時に硬い酸
化チタンで感光体上に傷を付ける等の欠点を有してい
る。
【0013】またメタチタン酸を湿式法によって作製
し、加熱・焼成工程をへずに凝集を押さえた状態で有機
系シラン化合物により表面処理された疎水性メタチタン
酸を、トナーに外添混合する方法が提案されている(特
開平10−123822号公報)。しかし、本手法にお
いて、凝集を押さえた疎水性メタチタン酸を得ることが
できるものの、水系中でメタチタン酸をシラン化合物で
表面処理するため、メタチタン酸とシラン化合物との間
の反応が不十分となり、またシラン化合物の処理量が多
くなるため、シラン化合物がメタチタン酸と加水分解反
応することなく自己縮合し、メタチタン酸表面に物理的
に吸着しているだけのシラン化合物が多くなる。そのた
め長期にわたり連続現像が行われ、キャリア等の帯電付
与部材等によりトナーへのストレスが加った際に、疎水
性メタチタン酸表面からシラン化合物が脱離し、所定の
疎水化機能を維持できない。あるいはメタチタン酸表面
に物理的に吸着しているだけのシラン化合物が脱離し、
静電荷像担持体表面に癒着もしくは傷をつけ、高品位の
画像を得ることができないことが判明した。
【0014】近年、市場においてカラー複写機やカラー
プリンターの高精細・高画質化の要求もさることなが
ら、より高速化による高生産性といった面での要求も高
まりつつある。この様な要求に対し、これらの無機酸化
物をトナー表面に添加すると、長期の連続使用により層
形成部材等によりトナーヘストレスが加わり、層形成部
材へのトナーフィルミング・融着が発生したり、外添剤
の剥がれや埋め込みなどによるトナー帯電性の変化が起
こるため、安定したトナー帯電・搬送を長期に維持する
ことが難しくなる。これらの問題を解決するために、特
開平6−102699号公報、特開平6−266156
号公報等では、外添剤の埋め込み防止のため、特定のバ
インダー樹脂を使用することが提案されている。また特
開平6−51561号公報、特開平6−208242号
公報、特開平6−250442号公報等では、特定の帯
電制御剤や外添剤を使用することが提案されている。し
かしながら、これらの効果はいずれも十分とはいえず、
特に二成分現像剤を用い電子複写装置により多数枚連続
複写を行うと、初期には鮮明で良好であった画像が、数
万枚複写後はカブリが著しく増加し、階調性及び鮮明性
に乏しい画像となる。
【0015】すなわち多数枚の連続複写を行うと、通
常、初期は高画像濃度の複写物が得られるが、次第にト
ナーの帯電が不均一となり、濃度低下が生じたり、帯電
不十分の状態で、カブリの原因となったり、現像スリー
ブ上での部分的なトナー量の増減が生じ、画像のカスレ
や画像濃度の一様性が得られなくなる傾向がある。
【0016】上述のとおり、トナーに安定な帯電特性を
付与する手段として外添剤添加が一般的ではあるが、い
ずれの場合においてもそれらが欠落,脱離,移行等を生
じた場合、帯電特性に様々な障害を与え最終的な画像品
質の低下を招くことになる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決したトナーを提供することにある。
【0018】即ち静電荷像担持体表面の傷の発生を防止
し静電荷像担持体の寿命の低下が無く、長期にわたる連
続現像において画質欠陥や画像濃度低下が少なく耐久性
に優れ、また温湿度等の環境に左右されにくく、良好な
帯電安定性、流動性などに優れたトナーを提供すること
にある。
【0019】本発明のさらなる目的は、低現像性、カブ
リ等の問題を生じにくく、静電荷像担持体表面へのフィ
ルミングや癒着を生じにくいトナーを提供することにあ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者等は、
上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、少なくとも結
着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と外添剤とから
なるトナーにおいて、外添剤として、特定の製造方法に
より得られるメタチタン酸微粒子に、有機系シラン化合
物にて特定の方法により表面疎水化処理した疎水性メタ
チタン酸微粒子を使用することにより、静電荷像担持体
表面を傷つけることがなく、長期にわたる連続現像にお
いて画質濃度変化、カブリ、フィルミングが無い安定し
た画像が得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0021】即ち本発明のトナーは、少なくとも結着樹
脂及び着色剤を含有するトナー粒子及びメタチタン酸微
粒子を有しており、該メタチタン酸微粒子が、SiO2
を1〜12質量%含有しており、かつトルエン抽出によ
るC量減少率が18%以下、SiO2量減少率が15%
以下になるように有機系シラン化合物で表面疎水化処理
されている疎水性メタチタン酸微粒子であることを特徴
とする。
【0022】
【発明の実施の形態】次に本発明による疎水性メタチタ
ン酸微粒子を完成させた経過について説明を行う。
【0023】疎水性微粒子を得るために、メタチタン酸
を乾燥・焼成した粉末を粉砕・分散することで単分散化
をはかり、水系で有機系シラン化合物を処理する方法を
検討したが、この方法では、特にメタチタン酸の粒径が
細かくなるとメタチタン酸の乾燥・焼成時に強い凝集を
起こした。そのため、疎水化度を高くすることはできた
が、比表面積が小さく、分散性の劣るものであり、従来
からある超微粒子酸化チタンと大差ないものとなった。
そこで、この問題を解決するために鋭意検討を続けた結
果、メタチタン酸を塩酸解膠し、非凝集性のスラリーと
した状態で有機系シラン化合物を添加し被覆処理を行う
ことにより、含水物であるメタチタン酸であるにもかか
わらず、固液分離し、乾燥した粉末は高い疎水化度を有
し、しかも高い比表面積を有しており、乾燥後も非凝集
性を維持した分散性の良好な微粒子であることが判明し
本発明を完成するに至った。また、有機系シラン化合物
を水系中で添加撹拌処理した後、中和、洗浄、乾燥する
前に、一端反応スラリーをアルカリにし、撹拌保持する
ことにより、有機系シラン化合物のメタチタン酸への固
着力が向上し、その結果、長期にわたり連続現像が行わ
れ、層形成部材等によりトナーへのストレスが加わった
際に、トナー粒子からの疎水性メタチタン酸微粒子の表
面からの脱離を抑制することができ、更には、疎水性メ
タチタン酸微粒子表面からの有機系シラン化合物の脱離
が抑制され、長期にわたりトナーに所望の疎水化機能、
帯電付与能力等を維持でき、静電荷像担持体表面へ癒
着、もしくは傷つけることなく、カブリ、白点抜け、フ
ィルミング等のない高品位な画像を得ることができるこ
とが判明し本発明を完成するに至った。
【0024】本発明におけるメタチタン酸微粒子及び疎
水性メタチタン酸微粒子の製造方法について述べる。
【0025】本発明におけるメタチタン酸微粒子として
は、特に湿式法で作製されることが望ましい。また本発
明においてメタチタン酸微粒子の有機系シラン化合物の
処理方法としては、特に指定するものではなく、公知の
方法により行うことができるが、水系スラリー中でメタ
チタン酸微粒子を撹拌分散しながら、有機系シラン化合
物を加水分解させて処理する方法が効果的であり、溶剤
を使用しない点でも好ましい。
【0026】一般に、通常の湿式法による酸化チタンの
製法は、溶媒中で化学反応を経て製造され、硫酸加水分
解法と塩酸加水分解法に分けることができる。硫酸加水
分解法は簡略すると下記の反応が液相で進み、不溶性の
TiO(OH)2が加水分解により作製される。 FeTiO3+2H2SO4→FeSO4+TiOSO4
2H2O TiOSO4+2H2O→TiO(OH)2+H2SO4
【0027】また、塩酸加水分解法は、乾式法と同様手
法にて塩素化により4塩化チタンを作製する。その後水
に溶解させ、強塩基を投入しながら加水分解し、TiO
(OH)2が作製される。簡略すると以下の様になる。 TiCl4+H2O→TiOCl2+2HCl TiOCl2+2H2O→TiO(OH)2+2HCl
【0028】通常の酸化チタンの作製工程は、この後水
洗、ろ過を繰り返し、焼成によって酸化チタンが得られ
る。さらに必要に応じ解砕、粉砕後シラン化合物の様な
処理を施されることになる。しかし、従来のこの酸化チ
タンの作製は、焼成工程でTi同士の結合の強さから粒
子同土焼結し、凝集を数多く発生するという重大な欠点
を有する。この重大な欠点を解決させるために、湿式粉
砕の強化、乾燥前の処理剤反応など数多くの工夫がなさ
れているが、この凝集を一次粒子まで解砕させることは
現状ではできていない。この酸化チタンをトナーの添加
剤に適用しても、トナー上のカバレッジをシリカ粒子と
合わせてもシリカ並みの流動性を得ることはできない。
その現象は、粒子の凝集が起因すると思われ、その結
果、感材傷、フィルミングが発生することになる。ま
た、酸化チタンが凝集していることにより、シラン化合
物により均一に表面疎水化処理することができず、トナ
ーへの帯電付与能力、トナーの帯電速度、帯電分布に対
して満足できるレベルに無い。
【0029】これらの問題を解決するため、本発明のメ
タチタン酸は、解膠処理を行う。解膠処理方法として
は、いくつかの方法がある。例えば、凝集メタチタン酸
のスラリーにアンモニアや苛性アルカリを加え、中和
後、ろ過、水洗して残存している硫酸根を除去し、引き
続き塩酸、硝酸、トリクロル酢酸などの強塩基性一塩基
酸を加えてpH3以下、好ましくはpH0.9〜2.0
にする方法がある。また、脱硫酸根の処理を行うことな
く、凝集メタチタン酸のスラリーに、硫酸根と反応して
不溶性の硫酸塩を形成すると同時に一塩基酸を形成する
ような塩、例えば塩化バリウムを添加する方法等があ
る。異物質の混入がなく、また、有機系シラン化合物を
溶解し、反応し易い状態とするには、前者の方法、特に
塩酸を使用して解膠する方法がより適している。
【0030】次に本発明のメタチタン酸微粒子への有機
系シラン化合物による表面疎水化処理方法について述べ
る。
【0031】上記解膠処理方法により得られるメタチタ
ン酸微粒子の酸性スラリーに、有機系シラン化合物を添
加するときは、必要に応じて酸を用いてpH3.0以
下、好ましくはpH2.0以下で行う。pHを上記値以
下にすることによって、メタチタン酸の再凝集がさらに
上首尾に阻止できる。また、有機系シラン化合物を添加
するときは、さらに好ましくはpH0.9以上で行う。
pHを上記値以上にすることによって、有機系シラン化
合物の被覆処理を均一に促進できる。また、撹拌保持し
た後、有機系シラン化合物の自己縮合反応を抑制し、よ
り効率的に加水分解反応を促進する目的で、中和する前
に一端反応スラリーをアルカリを用いてpH7〜13、
好ましくは9〜13、さらに好ましくは9〜11にし、
また、反応スラリーの温度を20〜100℃、好ましく
は30〜70℃に加温し撹拌保持する。その後さらに加
水分解反応を促進する目的で、必要に応じて酸、アルカ
リを用いてpHを4〜9、好ましくは5〜7、反応スラ
リーの温度を20〜100℃、好ましくは30〜70℃
になるように中和を行い、洗浄し、100〜190℃に
て乾燥を行う。
【0032】本発明における疎水性メタチタン酸微粒子
は、上述した湿式工程の中で作製されるメタチタン酸微
粒子を、数百度の焼成工程をへずに酸性スラリー下にて
有機系シラン化合物と反応させ、メタチタン酸微粒子と
有機系シラン化合物との間の加水分解反応を促進する目
的で、一端反応スラリーをアルカリを用いてpH7〜1
3にし撹拌保持した後、中和、ろ過、洗浄し、乾燥させ
て作製される。この場合、得られる疎水性メタチタン酸
微粒子は、数百度という焼成工程を通らないので、Ti
同士の強い結合がないため、凝集が全くなく、粒子はほ
ぼ一次粒子の状態で有機系シラン化合物で疎水化処理す
ることができる。その結果、従来の酸化チタン微粒子
は、凝集性が高く、所望の疎水化、帯電付与能を得るた
めに過剰の有機系シラン化合物の処理量を必要としてい
たのに対し、本発明の製造方法では、メタチタン酸微粒
子の凝集性が低いために、有機系シラン化合物をメタチ
タン酸微粒子表面に均一に処理することができ、過剰の
有機系シラン化合物の処理量を必要としない。さらに本
発明の製造方法においては、メタチタン酸微粒子を酸性
スラリー下にて有機系シラン化合物を反応させた後、一
端反応スラリーをアルカリを用いてpH7〜13にし撹
拌保持するため、有機系シラン化合物の自己縮合反応速
度が押さえられ、メタチタン酸微粒子との加水分解速度
を促進させることができる。
【0033】pHが13より大きい場合、目的とするメ
タチタン酸微粒子を得ることが可能であるが、中和、洗
浄等のハンドリングにおいて好ましくない。pHが7よ
り小さい場合、メタチタン酸表面に自己縮合により生成
し物理的に吸着した有機系シラン化合物の割合が多くな
り、有機系シラン化合物がメタチタン酸粒子に対して効
率的に加水分解反応を行えないため、メタチタン酸表面
に化学的に吸着している有機系シラン化合物の割合が少
なくなる。
【0034】即ち本方法により、メタチタン酸微粒子表
面に物理的に吸着している有機系シラン化合物を減ら
し、化学的に結合しているシラン化合物を多くすること
ができるため、メタチタン酸に対する有機系シラン化合
物の被覆力が強くなる。さらには、化学的に結合してい
る有機系シラン化合物を多くすることにより、効率的に
メタチタン酸微粒子を被覆、疎水化処理することがで
き、有機系シラン化合物の処理量を減らすことができ
る。以上の結果により、長期にわたり連続現像が行わ
れ、層形成部材等によりトナーへのストレスが加った際
に、トナー粒子からの、疎水性メタチタン酸微粒子の表
面からの脱離を抑制でき、更には、疎水性メタチタン酸
微粒子表面から有機系シラン化合物の脱離が抑制され、
長期にわたりトナーに所望の疎水化機能、帯電付与能力
等を維持でき、静電荷像担持体表面へ癒着、もしくは傷
つけることなく、カブリ、白点ぬけ、フィルミング等の
ない高品位な画像を得ることができる。
【0035】反応スラリーをpHを7〜13にする際、
もしくはまた中和の際に用いるアルカリとしては、公知
のものが使用できるが、例えば、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ア
ンモニウム、アンモニア水、アンモニアガスなどを使用
することができる。
【0036】また中和の際に用いる酸としては、公知の
ものが使用できるが、例えば、塩酸、硝酸、炭酸、酢
酸、トリクロロ酢酸等を使用することができる。
【0037】水洗後の乾燥温度は100〜190℃、好
ましくは110〜170℃である。低過ぎると乾燥効率
が悪く、疎水化度が低くなる。高過ぎると、炭化水素基
の熱分解が起り、変色と疎水化度の低下が起こる。
【0038】本発明に用いる有機系シラン化合物として
は一般的に公知のものであれば特に制約されるものでは
ないが、表面改質の目的(例えば帯電特性のコントロー
ル、更には高湿下での帯電の安定化)及び有機系シラン
化合物の反応性に応じて適宜選択すれば良い。例えばア
ルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン、シロキサ
ン、シラン、シリコーンオイル等の有機系シラン化合物
が使用できる。有機系シラン化合物による疎水化処理は
疎水化剤単独で行っても良いし、2種類以上の疎水化剤
を使用しても良い。
【0039】例えば1種類の有機系シラン化合物単独で
疎水化処理を行っても良いし、2種類の有機系シラン化
合物で同時に、または有機系シラン化合物での疎水化処
理を行った後、別の有機系シラン化合物で更に疎水化処
理を行っても良い。またシランカップリング剤、チタネ
ートカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワ
ニス等の一般的に公知の疎水化剤を併用しても良い。
【0040】特に好ましいものとしては、カップリング
剤の如く、揮発性を有し、疎水性基及び反応性に富んだ
結合基の双方を有しているアルコキシシランを用いるの
が良い。
【0041】具体的に例えばシランカップリング剤とし
ては、一般式 RmSiYn R:アルコキシ基 m:1〜3の整数 Y:アルキル基、ビニル基、フェニル基、(メタ)アク
リル基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基又はこれ
らの誘導体 n:1〜3の整数 で表されるものが好ましく、例えばビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキ
シプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オ
クタデシルトリメトキシシラン等を挙げることが出来
る。
【0042】本発明にて特に好適なのは、一般式 Cn2n+1−Si−(OCm2m+13 n=4〜12 m=1〜3 で示されるカップリング剤である。ここで、一般式にお
けるnが4より小さいと、処理は容易となるが疎水化度
が充分に達成出来ない。またnが12より大きいと、疎
水性が十分になるが、酸化チタン同士の合一が多くな
り、流動性付与能が低下してしまう。
【0043】また、mは3より大きいと、反応性が低下
して疎水化が十分に行われなくなってしまう。従って、
本発明において、nは4〜12、好ましくは4〜8、m
は1〜3、好ましくは1〜2が良い。
【0044】メタチタン酸微粒子に対する有機系シラン
化合物の処理量は、疎水性メタチタン酸微粒子のSiO
2量が1〜12質量%で、かつトルエン抽出によるC量
減少率が18%以下、SiO2量減少率が15%以下と
なるような処理量であればよい(C量、SiO2量の測
定方法及びトルエンによる抽出方法は後述する)。Si
2量が12質量%より大きい、あるいはトルエン抽出
によるC量減少率が18%より大きく、SiO2量減少
率が15%より大きい場合、メタチタン酸表面に物理的
に吸着した有機系シラン化合物の部分が多くなり、長期
にわたり連続現像が行われキャリア等の帯電付与部材に
よりトナーへのストレスが加った際に、疎水性メタチタ
ン酸微粒子表面から有機系シラン化合物が脱離し、長期
にわたりトナーに所望の疎水化機能、帯電付与能力等を
維持できず、あるいは脱離した有機系シラン化合物が静
電荷像担持体表面へ癒着、もしくは傷つけるため、カブ
リ、白点ぬけ、フィルミング等が生じ、高品位な画像を
得ることができない。また余剰な有機系シラン化合物に
より、オイル化し、トナーの流動性に不具合が生じる。
【0045】また疎水性メタチタン酸微粒子のSiO2
量が1質量%未満である場合、所望の疎水化度を得るこ
とができない。
【0046】本発明において、有機系シラン化合物で表
面処理された疎水性メタチタン酸微粒子の疎水化度は、
40〜90%の範囲であり、50〜80%であることが
好ましい。疎水化度が40%より小さい場合には、トナ
ーの摩擦帯電量が低下しやすく、特に高湿環境下で帯電
量が低下して、トナー飛散、カブリ、画質劣化が生じや
すい。また、疎水化度が90%より大きい場合には、疎
水性メタチタン酸微粒子自身の好適な帯電コントロール
が困難となり、特に、低湿環境下でトナーがチャージア
ップしやすい。
【0047】疎水化メタチタン酸微粒子の個数平均粒径
は、トナーへの流動性付与、研磨性の点から10〜10
0nmであることが好ましい。個数平均粒径が10nm
より小さい場合には、トナー粒子表面に埋め込まれ易い
ためトナー劣化が早期に生じやすく、耐久性が低下し、
また疎水化剤及び荷電制御剤により表面処理された無機
微粒子の研磨性が低い個数平均粒径が100nmより大
きい場合には、トナーの流動性が低下するために帯電が
不均一となりやすく、その結果として画質の劣化、トナ
ー飛散、カブリが生じやすい。また、感光体表面に大き
な傷を付けやすく、画像欠陥を生じやすく、またクリー
ニングブレードの如きクリーニング部材を変形、又は損
傷するという問題が生じやすい。
【0048】疎水性メタチタン酸微粒子のBET比表面
積は、50〜350m2/gの範囲が好ましい。
【0049】疎水性メタチタン酸微粒子のBET比表面
積が50m2/gより小さい場合には、疎水性メタチタ
ン酸微粒子の粒径が大きくメタチタン酸の凝集体或いは
粗大粒子が存在することを示し、トナーの流動性の低下
や、感光体表面を傷つけたり、クリーニングブレードの
如きクリーニング手段を変形又は損傷させるという問題
が生じやすい。また、疎水性メタチタン酸微粒子の粒径
が大きいとトナー粒子から遊離し易く、遊離した疎水性
メタチタン酸微粒子が、多量に現像機内に残留したり、
画像形成装置本体内の各種装置に付着し、悪影響を及ぼ
すため、好ましくない。
【0050】疎水性メタチタン酸微粒子のBET比表面
積が350m2/gより大きい場合には、疎水性メタチ
タン酸微粒子への水分吸着量が多くなり、トナーの帯電
特性へ悪影響を及ぼす場合がある。特に、高湿環境下で
トナーの摩擦帯電量が低下し、トナー飛散、カブリ、画
質劣化が発生しやすくなる。
【0051】上記疎水性メタチタン酸微粒子は、トナー
100質量部に対して、0.01〜10質量部が外添剤
として外添混合され、好ましくは0.05〜5質量部が
外添混合される。該疎水性メタチタン酸微粒子は、単
独、または2種以上で用いても、また、他の外添剤を複
数併用しても良い。
【0052】本発明に係る他の外添剤としては、従来の
如くシリカ、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウ
ム、酸化セリウム、フッ化セリウム、酸化アルミニウ
ム、酸化チタン、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭
化ホウ素、炭化チタン、炭化ジリコニウム、マグネタイ
ト、二硫化モリブデン、ステアリン酸アルミニウム、ス
テアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、酸化錫等
の各種無機微粒子、ポリテトラフロロエチレン、ポリビ
ニリデンフロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリ
スチレン、シリコーンの如き有機微粒子を単独あるいは
組み合わせて用いてもよい。トナー粒子に対して上述し
た微粉末を外添することによって、トナーとキャリア、
あるいはトナー粒子相互の間に微粉末が存在することに
なり、現像剤の流動性が向上され、さらに現像剤の寿命
も向上する。しかしながら、本発明において、トナー粒
子にこれらの微粒子の外添は必須ではない。上述した微
粉末の平均粒子径は、0.2μm以下であることが好ま
しい。平均粒径が0.2μmを超えると流動性向上の効
果が少なくなり、現像時、転写時の不良等により画質を
低下させてしまう場合がある。これらの微粉末の平均粒
径の測定は後述する。
【0053】これらの微粉末の表面積としては、BET
法による窒素吸着によって比表面積が30m2/g以
上、特に5〜400m2/gの範囲のものが良好であ
る。微粉末の添加量は、トナー100質量部に対して
0.01〜10質量部で使用することが好適である。
【0054】また、該無機微粒子は、高湿下での帯電性
を維持するために、疎水化処理することが好ましい。疎
水化剤としては、一般的に公知の処理剤であれば特に制
約されるものではないが、本発明の無機微粒子の表面処
理において例示した有機系シラン化合物が使用できる。
その処理量は、無機微粒子100質量部に対して、好ま
しくは1〜60質量部、より好ましくは3〜50質量部
である。
【0055】次に本発明に用いられるトナーについて説
明する。
【0056】本発明のトナーは、上記表面処理された疎
水性メタチタン酸微粒子が外添混合されている形態であ
ればいかなるトナー粒子、例えば、高速システムトナ
ー、オイルレス定着用トナー、磁性トナーあるいはフル
カラートナー用のトナー粒子に適用可能である。また、
一成分現像剤として、あるいはキャリアとともに二成分
現像剤として使用されるトナーでもよい。本発明におい
ては、二成分現像剤がトナーとキャリアとの間に、所望
の流動性、帯電立ちあがり性を得、安定画像品質を維持
し、それを好適に具現化させるのに好ましい。
【0057】本発明に係るトナーは重量平均粒径が3.
0〜10.5μmであり、4.5〜9.5μmであるこ
とが好ましい。
【0058】トナーの重量平均粒径(D4)が10.5
μmを超えると、静電荷像を現像するトナー粒子が大き
くなるために、磁性コートキャリアの磁気力を下げても
静電荷像に忠実な現像が行われにくく、また、静電的な
転写を行うとトナーが飛び散りやすくなる。また、重量
平均粒径が3μm未満のトナーは粉体としてのハンドリ
ング性が低下する。
【0059】トナーの粒度分布の測定には、例えばコー
ルターカウンターを使用する方法を挙げることができ
る。
【0060】トナーに使用される結着樹脂としては、下
記の結着樹脂の使用が可能である。
【0061】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその
置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重
合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−
ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル;フェノール樹脂;天然変性フェノール樹脂;天然樹
脂変性マレイン酸樹脂;アクリル樹脂;メタクリル樹
脂;ポリ酢酸ビニール;シリコーン樹脂;ポリエステル
樹脂;ポリウレタン;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エ
ポキシ樹脂;キシレン樹脂;ポリビニルブチラール;テ
ルペン樹脂;クマロンインデン樹脂;石油系樹脂が使用
できる。好ましい結着樹脂としては、スチレン系共重合
体もしくはポリエステル樹脂が挙げられる。
【0062】また、架橋されたスチレン系樹脂も好まし
い結着樹脂である。
【0063】スチレン系重合体またはスチレン系共重合
体は架橋されていても良く、さらに架橋されている樹脂
と架橋されていない樹脂との混合樹脂でも良い。
【0064】結着樹脂の架橋剤としては、主として2個
以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよ
い。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの
ような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重
結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリ
ン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニル
スルホンの如きジビニル化合物;および3個以上のビニ
ル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしく
は混合物として用いられる。
【0065】架橋剤の添加量としては、重合性単量体1
00質量部に対して0.001〜10質量部が好まし
い。
【0066】トナーは荷電制御剤を含有しても良い。
【0067】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0068】例えば、有機金属化合物、キレート化合物
が有効であり、さらにモノアゾ金属化合物、アセチルア
セトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳
香族ダイカルボン酸系の金属化合物が好ましく用いられ
る。さらに、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モ
ノ及びポリカルボン酸及びそれらの金属塩、それらの無
水物、それらのエステル類、ビスフェノールの如きそれ
らのフェノール誘導体類;尿素誘導体;含金属サリチル
酸系化合物;含金属ナフトエ酸化合物;ホウ素化合物;
4級アンモニウム塩;カリックスアレーン;ケイ素化合
物;スチレン−アクリル酸共重合体;スチレン−メタク
リル酸共重合体;スチレン−アクリル−スルホン酸共重
合体;及びノンメタルカルボン酸系化合物が挙げられ
る。
【0069】これらの荷電制御剤は、トナーの樹脂成分
100質量部に対して、0.01〜20質量部、好まし
くは0.1〜10質量部、より好ましくは0.2〜4質
量部使用するのが良い。
【0070】本発明に用いられるトナーの着色剤は、黒
色着色剤としてカーボンブラック,磁性体,以下に示す
イエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色さ
れたものが利用される。
【0071】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合
物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,
アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代
表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピ
グメントイエロー12、13、14、15、17、6
2、74、83、93、94、95、109、110、
111、128、129、147、168又は180が
好適に用いられる。さらにC.I.ソルベントイエロー
93、162、163等の染料を併用しても良い。
【0072】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物,ジケトピロロピロール化合物,アンスラキノン,キ
ナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール
化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合
物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、4
8:2、48:3、48:4、57:1、81:1、1
44、146、166、169、177、184、18
5、202、206、220、221又は254が好適
に用いられる。
【0073】シアン着色剤としては、銅フタロシアニン
化合物及びその誘導体,アンスラキノン化合物,塩基染
料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.
ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、
15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利
用できる。
【0074】これらの着色剤は、単独又は混合し更には
固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤
は、色相角,彩度,明度,耐候性,OHP透明性,トナ
ー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量
は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用
いられる。
【0075】また、ワックスは、トナーの結着樹脂10
0質量部に対して1乃至40の質量部、好ましくは2〜
30質量部配合しても良い。
【0076】結着樹脂、着色剤およびワックスを有する
混合物を溶融混練後、冷却し粉砕後分級してトナー粒子
を得る粉砕トナー製造においては、ワックスの添加量
は、結着樹脂100質量部に対し1〜10質量部、より
好ましくは2〜7質量部使用するのが好ましい。
【0077】重合性単量体と着色剤及びワックスを有す
る混合物を重合せしめることにより、直接的にトナー粒
子を得る重合トナー製法においては、ワックスの添加量
は、重合性単量体又は、重合性単量体の重合によって合
成された樹脂100質量部に対し2〜40質量部、より
好ましくは5〜30質量部、さらに好ましくは10〜2
0質量部使用するのが好ましい。
【0078】粉砕トナー製法に比べ重合トナー製法にお
いては、用いるワックスがバインダー樹脂より極性が低
いため、水系媒体中での重合方法ではトナー粒子内部に
多量のワックスを内包化させ易いため粉砕トナー製法と
比較し、多量のワックスを用いることが可能となり、定
着時のオフセット防止効果には、特に有効となる。
【0079】ワックスの配合量が下限より少ないとオフ
セット防止効果が低下しやすく、上限を超える場合、耐
ブロッキング効果が低下し耐オフセット効果にも悪影響
を与えやすく、ドラム融着、スリーブ融着を起こしやす
く、特に重合トナー製法の場合には粒度分布の広いトナ
ーが生成する傾向にある。
【0080】次に本発明に用いられるトナーを製造する
ための方法について説明する。本発明に用いられるトナ
ーは、公知の粉砕トナー製法及び重合トナー製法を用い
て製造することが可能である。本発明のトナーは、重合
トナーが、本発明における所望の帯電量を得、長期に渡
り安定な画像品質を維持し、それらを好適に具現化させ
るのに好ましい。
【0081】本発明において、粉砕トナーの製造方法
は、結着樹脂、ワックス、着色剤としての顔料、染料又
は磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤
を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機によ
り充分混合し;得られた混合物を加熱ロール、ニーダ
ー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練
し、樹脂成分を互いに相溶せしめた中に金属化合物、顔
料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ;得られた混練
物を冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナーを得ること
ができる。
【0082】さらに必要に応じてトナーと所望の添加剤
をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分混合し、
本発明に用いられるトナーを得ることができる。
【0083】重合トナーの製造法は、特公昭56−13
945号公報等に記載のディスク又は多流体ノズルを用
い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを得る方法
や、特公昭36−10231号公報,特開昭59−53
856号公報,特開昭59−61842号公報に述べら
れている懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法
や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機
溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合法又は水溶性
極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソ
ープフリー重合法に代表される乳化重合法や、予め一次
極性乳化重合粒子を作った後、反対電荷を有する極性粒
子を加え会合させるヘテロ凝集法等を用いトナーを製造
することが可能である。
【0084】この中でも、重合性モノマー、着色剤及び
ワックスを少なくとも含むモノマー組成物を直接重合し
てトナー粒子を生成する方法が好ましい。
【0085】また、一旦得られた重合粒子に更に単量体
を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめる所謂
シード重合方法も本発明に好適に利用することができ
る。
【0086】本発明に係るトナーは二成分現像剤として
用いる場合、キャリアと称する現像用磁性粒子(以降キ
ャリア粒子と表記)と混合調製し用いられる。この場合
使用されるキャリア粒子としては、例えば表面酸化又は
未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガ
ン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金又は酸化
物及びフェライト、更には結着樹脂中に磁性酸化物、金
属磁性酸化物等が分散し構成される樹脂キャリアの如く
形態のものも使用出来る。また、それらの製造方法とし
て特別な制約はない。
【0087】更にまた、帯電調整等の目的で上記キャリ
ア粒子の表面を樹脂等で被覆しても何ら構わず、その方
法としては、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸
濁せしめて塗布しキャリア粒子に付着せしめる方法、単
に粉体で混合する方法等、従来公知の方法がいずれも適
用出来るが、被覆層の安定の為には、被覆材が溶剤中に
溶解する方が好ましい。
【0088】上記キャリア粒子の表面への被覆物質とし
てはトナー材料により異なるが、例えば、アミノアクリ
レート樹脂、アクリル樹脂、或いはそれらの樹脂とスチ
レン系樹脂との共重合体等が好適である。負帯電する樹
脂としては、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ
素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトフ
ルオロエチレン重合体、ポリフッ化ブニリデン等が帯電
系列において負側に位置し、好適であるが、必ずしもこ
れに制約されない。これら化合物の被覆量は、キャリア
粒子の帯電付与特性が満足する様に適宜決定すれば良い
が、一般には総量でキャリア粒子に対し0.1〜30質
量%(好ましくは0.3〜20質量%)である。
【0089】本発明に用いられるキャリア粒子の材質と
しては、強磁性鉄化合物粒子と非磁性鉄化合物粒子とを
フェノール樹脂をバインダとして結合してなる球状複合
体芯粒子の表面にフェノール樹脂からなる被覆層を形成
してなる平均粒子径1〜1000μmの球状複合粒子か
らなる樹脂キャリア等が代表的なものとして挙げられる
が、その性能を損なうものでなければ何ら制約のあるも
のではなく、98%以上のCu−Zn−Fe(組成比
[5〜20]:[5〜20]:[30〜80])の組成から
なるフェライト粒子等の如く形態のキャリアであっても
何ら構わない。
【0090】これらキャリア粒子の体積平均粒径は35
〜65μm、好ましくは40〜60μmを有することが
好ましい。更に、体積分布26μm以下が2〜6%であ
り、旦つ体積分布35〜43μm間が5%以上25%以
下であり、旦つ74μm以上が2%以下である時に良好
な画像を維持出来る。
【0091】キャリアの体積平均粒径は、光学顕微鏡又
は走査型電子顕微鏡により、ランダムに100個以上を
抽出し、水平方向最大弦長をもって体積粒度分布を算出
し、その50%平均粒径をもって平均粒径としてもよい
し、また、レーザー回折式粒度分布測定装置HEROS
(日本電子製)を用いて、0.05〜200μmの範囲
を32対数分割して測定し、50%平均粒径をもって平
均粒径としてもよい。
【0092】上述のキャリア粒子とトナー粒子の混合比
率は現像剤中のトナー濃度として2.0〜9質量%、好
ましくは3〜8質量%にすると通常良好な結果が得られ
る。トナー濃度が2.0%未満では画像濃度が低く実用
不可となり、9%超ではカブリや機内飛散を増加せし
め、現像剤の耐用寿命を短める。
【0093】本発明のトナーとキャリアを使用する現像
方法としては、例えば図1に示すような現像手段を用い
現像を行うことができる。具体的には交番電界を印加し
つつ、磁気ブラシが潜像担持体、例えば、感光ドラムに
接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像剤
担持体(現像スリーブ)11と感光ドラム1の距離(S
−D間距離)Bは100〜1000μmであることがキ
ャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好で
ある。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分にな
りやすく、画像濃度が低くなり、1000μmを超える
と磁極S1からの磁力像が広がり磁気ブラシの密度が低
くなり、ドット再現性に劣ったり、キャリアを拘束する
力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
【0094】交番電界のピーク間の電圧は300〜30
00Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、
好ましくは1000〜7000Hzであり、それぞれプ
ロセスにより適宜選択して用いることができる。この場
合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはD
uty比を変えた波形、断続的な交番重畳電界等、種々
選択して用いることができる。印加電圧が300Vより
低いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部の
カブリトナーを良好に回収することができない場合があ
る。また、3000Vを超える場合には磁気ブラシを介
して、潜像を乱してしまい、画質低下を招く場合があ
る。
【0095】良好に帯電したトナーを有する二成分系現
像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)
を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めること
ができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbac
kは、現像システムにもよるが200V以下、より好ま
しくは150V以下が良い。
【0096】コントラスト電位としては、十分画像濃度
が出るように100〜400Vが好ましく用いられる。
【0097】周波数が500Hzより低いと、プロセス
スピードにも関係するが、静電荷像担持体に接触したト
ナーが現像スリーブに戻される際に、十分な振動が与え
られずカブリが生じやすくなる。10000Hzを超え
ると、電界に対してトナーが追随できず画質低下を招き
やすい。
【0098】本発明の画像形成方法は、特にハーフトー
ンを重視するようなフルカラー画像の出力において、マ
ゼンタ用、シアン用及びイエロー用の3個以上の現像器
が使用され、本発明の現像剤および現像方法を用い、特
にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせる
ことで、磁気ブラシの影響がなく、潜像を乱さないため
にドット潜像に対して忠実に現像することが可能とな
る。転写工程においても微粉カットした粒度分布のシャ
ープなトナーを用いることで高転写率が達成でき、した
がって、ハーフトーン部、ベタ部共に高画質を達成でき
る。
【0099】さらに初期の高画質化と併せて、本発明の
二成分系現像剤を用いることで現像器内での現像剤にか
かるシェアが小さく、多数枚の複写においても画質低下
のない本発明の効果が十分に発揮できる。
【0100】より引き締まった画像を得るためには、好
ましくはマゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラック
用の現像器を有し、ブラック現像が最後に行われること
で引き締まった画像を呈することができる。
【0101】添付図面を参照しながら本発明の画像形成
方法について説明する。
【0102】図1において、マグネットローラ21の有
する磁力によって、搬送スリーブ22の表面に磁性粒子
23よりなる磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを静
電荷像担持体(感光ドラム)1の表面に接触させ、感光
ドラム1を帯電する。搬送スリーブ22には、図示され
ないバイアス印加手段により帯電バイアスが印加されて
いる。帯電された感光ドラム1に、図示されない露光装
置によりレーザー光24を照射するとにより、デジタル
な静電荷像を形成する。感光ドラム1上に形成された静
電荷像は、マグネットローラ12を内包しており、図示
されないバイアス印加装置によって現像バイアスを印加
されている現像スリーブ11に担持された現像剤19中
のトナー19aによって、現像される。
【0103】現像装置4は、隔壁17により現像剤室R
1、撹拌室R2に区画され、それぞれ現像剤搬送スクリュ
ー13,14が設置されている。撹拌室R2の上方に
は、補給用トナー18を収容したトナー貯蔵室R3が設
置され、貯蔵室R3の下都には補給口20が設けられて
いる。
【0104】現像剤搬送スリーブ13は回転することに
よって、現像剤室R1内の現像剤を撹拌しながら現像ス
リーブ11の長手方向に沿って一方向に搬送する。隔壁
17には図の手前側と奥側に図示しない開口が設けられ
ており、スクリュー13によって現像剤室R1の一方に
搬送された現像剤は、その一方側の隔壁17の開口を通
って撹拌室R2に送り込まれ、現像剤搬送スクリュー1
4に受け渡される。スクリュー14の回転方向はスクリ
ュー13と逆で、撹拌室R2内の現像剤、現像剤室R1
ら受け渡された現像剤及びトナー貯蔵室R3から補給さ
れたトナーを撹拌・混合しながら、スクリュー13とは
逆方向に撹拌室R2内を搬送し、隔壁17の他方の開口
を通って現像剤室R1に送り込む。
【0105】感光ドラム1上に形成された静電荷像を現
像するには、現像剤室R1内の現像剤19がマグネット
ローラ12の磁力により汲み上げられ、現像スリーブ1
1の表面に担持される。現像スリーブ11上に担持され
た現像剤は、現像スリーブ11の回転にともない規制ブ
レード15に搬送され、そこで適正な層厚の現像剤薄層
に規制された後、現像スリーブ11と感光ドラム1とが
対向した現像領域に至る。マグネットローラ12の現像
領域に対応した部位には、磁極(現像極)N1が位置さ
れており、現像極N1が現像領域に現像磁界を形成し、
この現像磁界により現像剤が穂立ちして、現像領域に現
像剤の磁気ブラシが生成される。そして磁気ブラシが感
光ドラム1に接触し、反転現像法により、磁気ブラシに
付着しているトナーおよび現像スリーブ11の表面に付
着しているトナーが、感光ドラム1上の静電荷像の領域
に転移して付着し、静電荷像が現像されトナー像が形成
される。
【0106】現像領域を通過した現像剤は、現像スリー
ブ11の回転にともない現像装置4内に戻され、磁極S
1、S2間の反発磁界により現像スリーブ11から剥ぎ取
られ、現像剤室R1および撹拌室R2内に落下して回収さ
れる。
【0107】上記の現像により現像装置4内の現像剤1
9のT/C比(トナーとキャリアの混合比、すなわち現
像剤中のトナー濃度)が減ったら、トナー貯蔵室R3
らトナー18を現像で消費された量に見あった量で撹拌
室R2に補給し、現像剤19のT/Cが所定量に保たれ
る。その容器4内の現像剤19のT/C比の検知には、
コイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変
化を測定するトナー濃度検知センサーを使用する。該ト
ナー濃度検知センサーは、図示されないコイルを内部に
有している。
【0108】現像スリーブ11の下方に配置され、現像
スリーブ11上の現像剤19の層厚を規制する規制ブレ
ード15は、アルミニウム又はSUS316の如き非磁
性材料で作製される非磁性ブレード15である。その端
部と現像スリーブ11面との距離は300〜1000μ
m、好ましくは400〜900μmである。この距離が
300μmより小さいと、磁性キャリアがこの間に詰ま
り現像剤層にムラを生じやすいと共に、良好な現像を行
うのに必要な現像剤を塗布しにくく、濃度の薄いムラの
多い現像画像が形成されやすい。現像剤中に混在してい
る不用粒子による不均一塗布(いわゆるブレードづま
り)を防止するためにはこの距離は400μm以上が好
ましい。1000μmより大きいと、現像スリーブ11
上へ塗布される現像剤量が増加し所定の現像剤層厚の規
制が行いにくく、感光ドラム1への磁性キャリア粒子の
付着が多くなると共に現像剤の循環、規制ブレード15
による現像規制が弱まりトナーのトリボが低下しカブリ
やすくなる。
【0109】この磁性キャリア粒子層は、現像スリーブ
11が矢印方向に回転駆動されても磁気力重力に基づく
拘束力と現像スリーブ11の移動方向への搬送力との釣
合いによってスリーブ表面から離れるに従って動きが遅
くなる。重力の影響により落下するものもある。
【0110】従って磁極NとNの配設位置と磁性キャリ
ア粒子の流動性及び磁気特性を適宜選択することによ
り、磁性キャリア粒子層はスリーブに近いほど磁極N1
方向に搬送し移動層を形成する。この磁性キャリア粒子
の移動により、現像スリーブ11の回転に伴って現像領
域へ現像剤は搬送され現像に供される。
【0111】また、現像されたトナー画像は、搬送され
てくる転写材(記録材)25上へ、バイアス印加手段2
6により転写バイアス印加されている転写手段である転
写ブレード27により転写され、転写材上に転写された
トナー画像は、図示されていない定着装置により転写材
に定着される。転写工程において、転写材に転写されず
に感光ドラム1上に残った転写残トナーは、帯電工程に
おいて、帯電を調整され、現像時に回収される。
【0112】図3は、本発明の画像形成方法をクリーナ
レス方式を採用したフルカラー画像形成装置に適用した
概略図を示す。
【0113】フルカラー画像形成装置本体には、第1画
像形成ユニットPa、第2画像形成ユニットPb、第3
画像形成ユニットPc及び第4画像形成ユニットPdが
併設され、各々異なった色の画像が潜像形成、現像、転
写のプロセスを経て転写材上に形成される。
【0114】画像形成装置に併設される各画像形成ユニ
ットの構成について第1の画像形成ユニットPaを例に
挙げて説明する。
【0115】第1の画像ユニットPaは、静電荷像担持
体としての直径30mmの電子写真感光体ドラム61a
を具備し、この感光体ドラム61aは矢印a方向へ回転
移動される。62aは帯電手段としての一次帯電器であ
り、直径16mmのスリーブの表面に形成された磁気ブ
ラシが感光ドラム61aの表面に接触するように配置さ
れている。67aは、一次帯電器62aにより表面が均
一に帯電されている感光体ドラム61aに静電荷像を形
成するためのレーザー光であり、図示されていない露光
装置により照射される。63aは、感光体ドラム61a
上に担持されている静電荷像を現像してカラートナー画
像を形成するための現像手段としての現像装置でありカ
ラートナーを保持している。64aは感光体ドラム61
aの表面に形成されたカラートナー画像をベルト状の転
写材担持体68によって搬送されて来る転写材(記録
材)の表面に転写するための転写手段としての転写ブレ
ードであり、この転写ブレード64aは、転写材担持体
68の裏面に当接して転写バイアスを印加し得るもので
ある。
【0116】第1の画像形成ユニットPaは、一次帯電
器62aによって感光体ドラム61aを均一に一次帯電
した後、露光装置67aにより感光体に静電荷像を形成
し、現像装置63aで静電荷像をカラートナーを用いて
現像し、この現像されたトナー画像を第1の転写部(感
光体と転写材の当接位置)で転写材を担持搬送するベル
ト状の転写材担持体68の裏面側に当接する転写ブレー
ド64aから転写バイアスを印加することによって転写
材の表面に転写する。
【0117】現像によりトナーが消費され、T/C比が
低下すると、その低下をコイルのインダクタンスを利用
して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知セ
ンサー85で検知し、消費されたトナー量に応じて補給
用トナー65を補給する。なお、トナー濃度検知センサ
ー85は図示されないコイルを内部に有している。
【0118】本画像形成装置は、第1の画像形成ユニッ
トPaと同様の構成で、現像装置に保有されるカラート
ナーの色の異なる第2の画像形成ユニットPb、第3の
画像形成ユニットPc、第4の画像形成ユニットPdの
4つの画像形成ユニットを併設するものである。例え
ば、策1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第
2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナー、第3の画
像形成ユニットPcにシアントナー、及び第4の画像形
成ユニットPdにブラックトナーをそれぞれ用い、各画
像形成ユニットの転写部で各カラートナーの転写材上へ
の転写が順次行なわれる。この工程で、レジストレーシ
ョンを合わせつつ、同一転写材上に一回の転写材の移動
で各カラートナーは重ね合わせられ、終了すると分離帯
電器69によって転写材担持体68上から転写材が分離
され、搬送べルトの如き搬送手段によって定着器70に
送られ、ただ一回の定着によって最終のフルカラー画像
が得られる。
【0119】定着器70は、一対の直径40mmの定着
ローラ71と直径30mmの加圧ローラ72を有し、定
着ローラは、内部に加熱手段75及び76を有してい
る。
【0120】転写材上に転写された未定着のカラートナ
ー画像は、この定着器70の定着ローラ71と加圧ロー
ラ72との圧接部を通過することにより、熱及び圧力の
作用により転写材上に定着される。
【0121】図3において、転写担持体68は、無端の
ベルト状部材であり、このベルト伏部材は、80の駆動
ローラによって矢印e方向に移動するものである。79
は、転写ベルトクリーニング装置であり、81はベルト
従動ローラであり、82は、ベルト除電器である。83
は転写材ホルダー内の転写材を転写材担持体68に搬送
するための一対のレジストローラである。
【0122】転写手段としては、転写材担持体の裏面側
に当接する転写ブレードに代えてローラ状の転写ローラ
の如き転写材担持体の裏面側に当接して転写バイアスを
直接印加可能な接触転写手段を用いることが可能であ
る。
【0123】さらに、上記の接触転写手段に代えて一般
的に用いられている転写材担持体の裏面側に非接触で配
置されているコロナ帯電器から転写バイアスを印加して
転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能であ
る。
【0124】しかしながら、転写バイアス印加時のオゾ
ンの発生量を制御できる点で接触転写手段を用いること
が、より好ましい。
【0125】本発明の画像形成方法においては、潜像担
持体に形成された静電荷像を現像したトナー像を中間転
写体を介して記録材に転写することも可能である。
【0126】以下に、本発明に使用される測定方法の具
体例を示す。
【0127】(C量の測定方法)試料中のC量は、金属
中元素分析装置(堀場製作所社製EMIA−110)を
用いて定量を行った(有機元素分析装置でも測定可)。
【0128】(SiO2量の測定方法)試料中のSiO2
量は、蛍光X線分析装置(理学電機社製RIX300
0)を用いて定量を行った。
【0129】(C量及びSiO2量のトルエン抽出によ
る減少率)500mlポリ瓶容器に試料15gと特級ト
ルエン100gを入れ、振とう機((株)ヤヨイ社製Y
S−LDll)で25℃,150rpm×1時間振とう
後、遠心分離し、減圧乾燥した。トルエン抽出前及びト
ルエン抽出後の試料を上記方法にてC量及びSiO2
を測定し、抽出によるC量及びSiO2量の減少率を算
出した。
【0130】(凝集度測定方法)試料(外添剤を有する
トナー等)の流動特性を測定する一手段として凝集度を
用いるものであり、この凝集度の値が大きいほど試料の
流動性は悪いと判断する。測定サンプル(トナー)は、
1リットルポリビンに400g投入し、各環境下にて、
5日間静置したものを測定した。
【0131】測定装置としては、デジタル振動計(デジ
バイブロMODEL1332)を有するパウダーテスタ
ー(細川ミクロン社製)を用いた。
【0132】測定法としては、振動台にあらかじめ秤量
してある目開き38μm、75μm、150μmの篩い
を目開の狭い順に、すなわち目開き150μmの篩いが
最上位にくるように、目開き38μm、75μm、15
0μmの篩い順に重ねてセットする。
【0133】このセットした目開き150μmの篩い上
に正確に秤量した試料5gを加え、振幅が0.9mmに
なるように調整し、約15秒間振動を加える。その後、
各篩い上に残った試料の質量を測定して下式にもとづき
凝集度を得た。 凝集度(%)=〔(目開き150μmの篩上の試料質
量)/5g〕×4+〔(目開き75μmの篩上の試料質
量)/5g〕×2.4+〔(目開き38μmの篩上の試
料質量)/5g〕×0.8
【0134】(トナー粒子径の測定方法)トナーの平均
粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II
型、或いはコールターマルチサイザー(コールター社
製)等種々の方法で測定可能であるが、本発明において
はコールターマルチサイザー(コールター社製)を用
い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス
(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピュータ
ー(NEC社製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウ
ムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えばIS
OTON R−II(コールターサイエンティフィック
ジャパン社製)が使用出来る。測定法としては、前記電
解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性
剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1
〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試
料を懸濁した電解液は超音波分散機で約1〜3分間分散
処理を行い前記コールターマルチサイザーによりアパー
チャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm
以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分
布とを算出した。それから、本発明に関わる体積分布か
ら求めた体積基準の体積平均径(D4:各チャンネルの
中央値をチャンネルの代表値とする。)を求めた。
【0135】(疎水性メタチタン酸微粒子の個数平均粒
径の測定方法)本発明において、無機微粒子は透過型電
子顕微鏡にて写真を撮影し、写真から直接粒子径を測定
する方法を用いる。
【0136】一次粒子の形は比較的解析が容易である
が、複数の粒子の重なりが1つの影を形成している場合
には、これを単位粒子に分割して測定する。また、この
粒子の粒度分布を統計的に処理する為には、約300個
以上の粒子個数を計測する必要がある。
【0137】(分子量分布の測定方法)本発明におい
て、樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のTH
Fを溶媒としたGPC(ゲルパーミエーションクロマト
グラフィ)によるクロマトグラムの分子量分布は以下の
様にして測定される。
【0138】測定試料は以下の様にして測定される。
【0139】試料とTHFとを約0.5〜5mg/ml
(例えば5mg/ml)の濃度で混合し、室温にて数時
間(例えば5〜6時間)放置した後、充分に振とうし、
THFと試料を良く混ぜ(試料の合一体がなくなるま
で)、更に室温にて12時間以上(例えば24時間)静
置する。この時試料とTHFの混合開始時点から、静置
終了の時点までの時間が24時間以上となる様にする。
その後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.4〜
0.5μm、例えばマイショリディスク h−25−2
東ソー社製、液クロディスク25CR ゲルマンサイ
エンスジャパン社製等が好ましく利用出来る。)を通過
させたものをGPCの試料とする。試料濃度は、樹脂成
分が0.5〜5mg/mlとなる様に調整する。
【0140】GPC測定装置において、40℃のヒート
チャンバーカラム中でカラムを安定化させ、この温度に
おけるカラムに溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で
流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定す
る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子
量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成
された検量線の対数値とカウント数との関係から算出す
る。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例
えば東ソー社製、或いは昭和電工社製の分子量が102
〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標
準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器に
はRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市
販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるの
が良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC
KF−801,802,803,804,805,80
6,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のT
SKgelG1000H(HXL),G2000H
(HXL),G3000H(HXL),G4000H
(HXL),G5000H(HXL),G6000H
(HXL),G7000H(HXL)TSKguardco
lumnの組み合わせを挙げることができる。
【0141】(摩擦帯電量の測定方法)摩擦帯電量は、
測定環境下において、ブローオフ法に基づき以下の方法
により測定する。
【0142】図4はトナーのトリボ電荷量を測定する装
置の説明図である。先ず、そこに500メッシュのスク
リーン43のある金属製の測定容器42に、摩擦帯電量
を測定しようとする現像剤(耐久初期剤においては、ト
ナーとキャリアの質量比2:23の混合物を50容量の
ポリエチレン製のビンに入れ、2分間・150rpm
((株)ヤヨイ社製YS−LD2)浸とうしたものを一昼
夜放置した現像剤約0.5gを入れ、金属製のフタ44
をする。この時測定容器42全体の質量を秤りW1
(g)とする。次に、吸引機41(測定容器42と接す
る部分は少なくとも絶緑体)において、吸引口47から
吸引し風量調節弁46を調整して真空計45の圧力を2
50mmAqとする。この状態で十分、好ましくは2分
間吸引を行いトナー吸引除去容量をC(μF)とする。
吸引後の測定容器全体の重量を秤りW2(g)とする。
このトナーの摩擦帯電量(mC/kg)は下記の如く計
算される。 トナーの摩擦帯電量(mC/kg)=C×V/(W1−
W2)
【0143】(疎水化度の測定方法)メタノール滴定試
験は、疎水化された表面を有する無機微粉体の疎水化度
を確認する実験的試験である。
【0144】疎水性酸化チタン微粒子の疎水化度を評価
するためのメタノールを用いた疎水化度測定は、次のよ
うに行う。供試酸化チタン微粒子0.2gを三角フラス
コの水50mlに添加する。メタノールをビュレットか
ら滴定する。この際、フラスコ内の溶液はマグネチック
スターラーで常時撹拌する。酸化チタン微粒子の沈降終
了は、全量が液体中に懸濁することによって確認され、
疎水化度は、沈降終了時点に達した際のメタノール及び
水の液状混合物中のメタノールの百分率として表され
る。
【0145】
【実施例】以下、具体的実施例によって本発明を説明す
るが、本発明は何らこれらに制約されるものではない。
【0146】「疎水性メタチタン酸Aの製造例」硫酸加
水分解法により得られた個数平均粒径が35nmのメタ
チタン酸スラリーに、撹拌しながら6N水酸化ナトリウ
ム水溶液を加えpH9.0として1時間撹拌保持後、1
2N塩酸にてpH5.5まで中和し、ろ過、水洗を行っ
た。洗浄済ケーキに水を加え再びスラリーとし、撹拌し
ながら12N塩酸を加えpH1.2とし2時間撹拌保持
し、解膠処理を行った。この解膠スラリーからメタチタ
ン酸として100g分を分取し、40℃に加温保持し撹
拌しながら、イソブチルトリメトキシシラン35g(3
5質量%)を添加し30分間撹拌保持した、その後一端
反応スラリーに8N水酸化ナトリウム水溶液を加えpH
10(40℃)にし、10分撹拌保持後、8N塩酸を用
いてpHを6.5まで中和し、ろ過、水洗を行った。
【0147】水洗済ケーキは130℃で乾燥した後、エ
アジェット方式による微粉砕機で微粉砕し、目的とする
疎水性メタチタン酸微粒子(疎水性メタチタン酸A)を
得た。
【0148】疎水性メタチタン酸AのSiO2量7.8
質量%、トルエン抽出によるC量減少率14.9%、S
iO2量減少率12.9%、疎水化度54%、BET比
表面積128m2/gであった。
【0149】「疎水性メタチタン酸Bの製造例」硫酸加
水分解法により得られた個数平均粒径が35nmのメタ
チタン酸スラリーに、撹拌しながら6N水酸化ナトリウ
ム水溶液を加えpH9.0として1時間撹拌保持後、1
2N塩酸にてpH5.5まで中和し、ろ過、水洗を行っ
た。洗浄済ケーキに水を加え再びスラリーとし、撹拌し
ながら12N塩酸を加えpH1.2とし2時間撹拌保持
し、解膠処理を行った。この解膠スラリーからメタチタ
ン酸として100g分を分取し、40℃に加温保持し撹
拌しながら、イソブチルトリメトキシシラン35g(3
5質量%)を添加し30分間撹拌保持後、反応スラリー
に8N水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを6.5(4
0℃)まで中和し、ろ過、水洗を行った。
【0150】水洗済ケーキは130℃で乾燥した後、エ
アジェット方式による微粉砕機で微粉砕し、目的とする
疎水性メタチタン酸微粒子(疎水性メタチタン酸B)を
得た。
【0151】疎水性メタチタン酸BのSiO2量7.7
質量%、トルエン抽出によるC量減少率18.4%、S
1O2量減少率15.7%、疎水化度54%、BET比
表面積132m2/gであった。
【0152】「疎水性メタチタン酸Cの製造例」疎水性
メタチタン酸Aの製造例において、イソブチルトリメト
キシシランの処理量が50質量部である他は同様に行
い、目的とする疎水性メタチタン酸微粒子(疎水性メタ
チタン酸C)を得た。
【0153】疎水性メタチタン酸CのSiO2量11.
1質量%、トルエン抽出によるC量減少率18.3%、
SiO2量減少率14.0%、疎水化度58%、BET
比表面積118m2/gであった。
【0154】「疎水性メタチタン酸Dの製造例」疎水性
メタチタン酸Aの製造例において、イソブチルトリメト
キシシランの処理量が60質量部である他は同様に行
い、目的とする疎水性メタチタン酸微粒子(疎水性メタ
チタン酸D)を得た。
【0155】疎水性メタチタン酸DのSiO2量13.
3質量%、トルエン抽出によるC量減少率20.8%、
SiO2量減少率15.1%、疎水化度60%、BET
比表面積117m2/gであった。
【0156】「疎水性メタチタン酸Eの製造例」疎水性
メタチタン酸Aの製造例において、イソブチルトリメト
キシシランの処理量が5質量部である他は同様に行い、
目的とする疎水性メタチタン酸微粒子(疎水性メタチタ
ン酸E)を得た。
【0157】疎水性メタチタン酸EのSiO2量1.2
質量%、トルエン抽出によるC量減少率16.0%、S
iO2量減少率13.1%、疎水化度42%、BET比
表面積137m2/gであった。
【0158】「疎水性メタチタン酸Fの製造例」疎水性
メタチタン酸Aの製造例において、30分間撹拌保持
後、反応スラリーに8N水酸化ナトリウム水溶液を加え
た時のpHを6.5にする他は同様に行い、目的とする
疎水性メタチタン酸微粒子(疎水性メタチタン酸F)を
得た。
【0159】疎水性メタチタン酸FのSiO2量7.9
質量%、トルエン抽出によるC量減少率17.8%、S
iO2量減少率14.9%、疎水化度55%、BET比
表面積130m2/gであった。
【0160】「疎水性メタチタン酸Gの製造例」疎水性
メタチタン酸Aの製造例において、イソブチルトリメト
キシシランがメチルトリメトキシシランである他は同様
に行い、目的とする疎水性メタチタン酸微粒子(疎水性
メタチタン酸G)を得た。
【0161】疎水性メタチタン酸GのSiO2量8.0
質量%、トルエン抽出によるC量減少率15.0%、S
iO2量減少率13.1%、疎水化度48%、BET比
表面積121m2/gであった。
【0162】「疎水性メタチタン酸Hの製造例」疎水性
メタチタン酸Aの製造例において、個数平均粒径が10
nmのメタチタン酸スラリーを用いる他は同様に行い、
目的とする疎水性メタチタン酸微粒子(疎水性メタチタ
ン酸H)を得た。
【0163】疎水性メタチタン酸HのSiO2量7.9
質量%、トルエン抽出によるC量減少率13.8%、S
iO2量減少率11.8%、疎水化度56%、BET比
表面積180m2/gであった。
【0164】「疎水性メタチタン酸Iの製造例」疎水性
メタチタン酸Aの製造例において、個数平均粒径が10
0nmのメタチタン酸スラリーを用いる他は同様に行
い、目的とする疎水性メタチタン酸微粒子(疎水性メタ
チタン酸I)を得た。
【0165】疎水性メタチタン酸IのSiO2量7.8
質量%、トルエン抽出によるC量減少率15.8%、S
iO2量減少率13.8%、疎水化度55%、BET比
表面積80m2/gであった。
【0166】「疎水性メタチタン酸Jの製造例」疎水性
メタチタン酸Aの製造例において、30間撹拌保持後反
応スラリーに8N水酸化ナトリウム水溶液を加えた時の
pHを13にし、ろ過、水洗を行う他は同様に行い、目
的とする疎水性メタチタン酸微粒子(疎水性メタチタン
酸J)を得た。
【0167】疎水性メタチタン酸JのSiO2量8.0
質量%、トルエン抽出によるC量減少率14.5%、S
iO2量減少率12.5%、疎水化度55%、BET比
表面積122m2/gであった。
【0168】「疎水性メタチタン酸Kの製造例」疎水性
メタチタン酸Aの製造例において、30間撹拌保持後反
応スラリーに8N水酸化ナトリウム水溶液を加えpH
7.1にし、ろ過、水洗を行う他は同様に行い、目的と
する疎水性メタチタン酸微粒子(疎水性メタチタン酸
K)を得た。
【0169】疎水性メタチタン酸KのSiO2量7.8
質量%、トルエン抽出によるC量減少率17.0%、S
iO2量減少率14.1%、疎水化度53%、BET比
表面積125m2/gであった。
【0170】「疎水性メタチタン酸Lの製造例」疎水性
メタチタン酸Aの製造例において、30間撹拌保持後反
応スラリーに8N水酸化ナトリウム水溶液を加えpH
9.0にし、ろ過、水洗を行う他は同様に行い、目的と
する疎水性メタチタン酸微粒子(疎水性メタチタン酸
L)を得た。
【0171】疎水性メタチタン酸LのSiO2量11.
2質量%、トルエン抽出によるC量減少率16.6%、
SiO2量減少率13.8%、疎水化度54%、BET
比表面積103m2/gであった。
【0172】「疎水性メタチタン酸Mの製造例」疎水性
メタチタン酸Lの製造例において、メタチタン酸微粒子
が塩素加水分解法で得られたものを用いる他は同様に行
い、目的とする疎水性メタチタン酸微粒子(疎水性メタ
チタン酸M)を得た。
【0173】疎水性メタチタン酸MのSiO2量8.0
質量%、トルエン抽出によるC量減少率15.0%、S
iO2量減少率12.9%、疎水化度53%、BET比
表面積125m2/gであった。
【0174】「疎水性アモルファス酸化チタンの製造
例」疎水性メタチタン酸Aの製造例において、メタチタ
ン酸微粒子の代わりにアモルファス酸化チタン微粒子を
用いる他は同様に行い、目的とする疎水性アモルファス
酸化チタン微粒子を得た。
【0175】疎水性アモルファス酸化チタンのSiO2
量8.1質量%、トルエン抽出によるC量減少率15.
1%、SiO2量減少率12.8%、疎水化度58%、
BET比表面積122m2/gであった。
【0176】以上製造例で得られた疎水性メタチタン
酸、疎水性アモルファス酸化チタンの測定結果を表1に
示す。
【0177】
【表1】
【0178】トナー粒子1の製造例 イオン交換水710質量部に、0.1M−Na3PO4
溶液450質量部を投入し、60℃に加温した後、TK
ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、1300r
pmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液
68質量部を徐々に添加し、Ca3(PO42を含むp
H6の水系媒体を得た。
【0179】 ・スチレン 160質量部 ・n−ブチルアクリレート 34質量部 ・銅フタロシアニン顔料 12質量部 ・ジターシャリーブチルサリチル酸金属化合物 2質量部 ・飽和ポリエステル 10質量部 (酸価10mgKOH/g、ピーク分子量8500) ・モノエステルワックス 20質量部 (Mw:500、Mn:400、Mw/Mn:1.25、融点:69℃、 粘度:6.5mPa・s、ビッカース硬度:1.1、SP値:8.6) 上記材料を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊
機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶
解、分散した。これに、重合開始剤2.2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、
重合性単量体組成物を調製した。
【0180】前記水系媒体中に重合性単量体組成物を投
入し、60℃,N2雰中気下において、クレアミキサー
(エムテクニック社製)にて10000rpmで10分
間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、水
系媒体をパドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃で昇温し、
pHを6に維持しながら10時間の重合反応を行った。
【0181】重合反応終了後、冷却し、pH2となるよ
うに塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ
過、水洗、乾燥をして、重合粒子(トナー粒子1)を得
た。
【0182】得られた重合粒子は、結着樹脂100質量
部当りモノエステルワックスを8.4質量部含有し、透
過電子顕微鏡(TEM)を用いた重合粒子の断層面測定
法により、ワックスを外殻樹脂層で内包化したコア−シ
ェル構造が確認された。
【0183】さらに得られた重合粒子の結着樹脂は、T
gが60℃であった。得られたシアントナー粒子の重量
平均粒径は7.3μmであった。
【0184】トナー粒子2の製造例 銅フタロシアニン顔料の代わりにキナクリドン顔料を使
用することを除いてトナー粒子1の製造例と同様にして
マゼンタ色の重合粒子(トナー粒子2)を得た。得られ
たトナー粒子2は、重量平均粒径7.3μmであった。
【0185】トナー粒子3の製造例 銅フタロシアニン顔料の代わりにC.I.ピグメントイ
エロー180及びソルベントイエロー163を使用する
ことを除いてトナー粒子1の製造例と同様にしてイエロ
ー色の重合粒子(トナー粒子3)を得た。得られたトナ
ー粒子3は、重量平均粒径7.2μmであった。
【0186】トナー粒子4の製造例 銅フタロシアニン顔料の代わりにカーボンブラックを使
用することを除いてトナー粒子1の製造例と同様にして
ブラック色の重合粒子(トナー粒子4)を得た。得られ
たトナー粒子4は、重量平均粒径7.4μmであった。
【0187】 トナー粒子5の製造例 ・プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸とトリメリット酸を縮合して得られた ポリエステル樹脂 100質量部 ・カーボンブラック 4質量部 ・荷電制御剤(ジターシャリーブチルサリチル酸金属化合物) 2質量部 ・低分子量ポリオレフィン 4質量部 上記原料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行
い、二軸押出式混練機により溶融混練し、冷却後ハンマ
ーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエ
アージェット方式による粉砕機で微粉砕後、多段分割式
風力分級機で分級して、重量平均粒径7.5μmのブラ
ック色のトナー粒子(トナー粒子5)を得た。
【0188】<実施例1>98.6質量部のトナー粒子
1に、疎水性メタチタン酸A1.4質量部をヘンシェル
ミキサーにて外添混合し、シアントナー粒子表面に無機
微粒子を有するトナーを得た。上記トナー7質量部と、
フェノール樹脂中にマグネタイト粒子を分散してなる磁
性微粒子分散型樹脂キャリア93質量部とを混合し、二
成分現像剤とした。
【0189】上記二成分現像剤を用いる画像形成装置と
して、市販のデジタル複写機GP55(キヤノン製)を
図1の現像装置が入れるよう改造し、図2の現像バイア
スを使用したものを用い、定着ローラー、加圧ローラー
ともに表層をPFAで1.2μm被覆したローラーに変
更しオイル塗布機構を除去した構成に改造し、画像面積
50%のオリジナル原稿を使用し、23℃/60%(N
/N)、23℃/5%(N/L)、32.5℃/90%
(H/H)の各環境でそれぞれ2万枚の通紙試験を行
い、以下の評価法に基づいて評価した。結果を表2〜4
に示すが、表から分かるように良好な結果が得られた。
【0190】(画像濃度)画像濃度は、SPIフィルタ
ーを装着したマクベス社製マクベスデンシトメータRD
918タイプ(Macbeth Densitomet
er RD918manufactured by M
acbeth Co.)を使用して、普通紙上に直径2
0mmのベタパッチ(オリジナル原稿濃度1.5)を5
ヶ所形成し、平均画像濃度として測定した。
【0191】(カブリ)画だし前の普通紙の平均反射率
Dr(%)をリフレクトメーター(東京電色株式会社製
の「REFRECTOMETER MODEL TC−
6DS」)によって測定した。一方、普通紙上にベタ白
画像を画だしし、次いでベタ白画像の反射率Ds(%)
を測定した。カブリ(%)は下記式 Fog(%)=Dr(%)−Ds(%) から算出する。
【0192】(トナー飛散)耐久2万枚後の現像装置、
本体内現像装置周辺のトナーによる汚れ具合を観察す
る。 ◎:現像装置、本体内現像装置周辺のトナーによる汚れ
が全く観察されない。 ○:現像装置で微量のトナーによる汚れが観察されるが
実用上問題のないレベルである。 △:現像装置、本体内現像装置周辺のトナーによる汚れ
が観察される。 ×:現像装置、本体内現像装置周辺がトナーによって著
しく汚れる。
【0193】(ハイライト部画質)マクベス画像濃度
0.3〜0.6の画像を出力し、濃度の均一性、がさつ
きの程度を目視により評価する。 ◎:画像濃度の均一性に優れた良好な出力画像である。 ○:画像濃度の均一性にやや欠けるが、実用上問題のな
いレベルである。 △:画像濃度の均一性が悪く、がさついた出力画像であ
る。 ×:画像濃度の均一性が著しく悪く、がさついた出力画
像である。
【0194】(静電荷像担持体の傷もしくはフィルミン
グによる画質欠落)耐久2万枚後の静電荷像担持体表面
の走査電子顕微鏡による観察、及び画質を目視にて評価
し、下記の基準で評価した。 ◎:良好 ○:実質上問題無し △:劣る ×:悪い
【0195】<比較例1>実施例1において疎水性メタ
チタン酸が疎水性メタチタン酸Bである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表2〜4に示すが、表から分
かるように、静電荷像担持体の傷もしくはフィルミング
による画像欠落が生じ、画像濃度、カブリ、ハイライト
部画質、トナー飛散が悪化した。これは、疎水性メタチ
タン酸のSiO2量減少率、C量減少率が大きいため、
耐久によるストレスが加わった際に、疎水性メタチタン
酸からi−ブチルトリメトキシシランが脱離したためと
考えられる。
【0196】<比較例2>実施例1において疎水性メタ
チタン酸が疎水性メタチタン酸Cである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表2〜4に示すが、表から分
かるように、静電荷像担持体の傷もしくはフィルミング
による画像欠落が生じ、画像濃度、カブリ、ハイライト
部画質、トナー飛散が悪化した。これは、疎水性メタチ
タン酸のC量減少率が大きいため、耐久によるストレス
が加わった際に、疎水性メタチタン酸からi−ブチルト
リメトキシシランが脱離したためと考えられる。
【0197】<比較例3>実施例1において疎水性メタ
チタン酸が疎水性メタチタン酸Dである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表2〜4に示すが、表から分
かるように、静電荷像担持体の傷もしくはフィルミング
による画像欠落が生じ、画像濃度、カブリ、ハイライト
部画質、トナー飛散が悪化した。これは、疎水性メタチ
タン酸のSiO2量が多く、SiO2量減少率、C量減少
率が大きいため、耐久によるストレスが加わった際に、
疎水性メタチタン酸からi−ブチルトリメトキシシラン
が脱離したためと考えられる。
【0198】<実施例2>実施例1において疎水性メタ
チタン酸が疎水性メタチタン酸Eである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表2〜4に示すが、表から分
かるように、H/HとN/Nにおいて若干ハイライト画
質及びトナー飛散が悪化した。これは、疎水性メタチタ
ン酸の疎水性がやや弱いため、高湿度環境によりトナー
が好適な帯電安定性を得ることができないためと考えら
れる。
【0199】<実施例3>実施例1において疎水性メタ
チタン酸が疎水性メタチタン酸Fである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表2〜4に示すが、表から分
かるように、静電荷像担持体の傷もしくはフィルミング
による画像欠落が若干生じ、ハイライト画質がやや悪化
した。これは、反応スラリーに水酸化ナトリウム水溶液
を加え10分間撹拌保持する際に、pHを6.5にした
ため、メタチタン酸微粒子表面に物理的に吸着している
有機系シラン化合物が若干多くなり(化学的に結合して
いる有機系シラン化合物が若干少ない)、耐久によるス
トレスが加わった際に、疎水性メタチタン酸からi−ブ
チルトリメトキシシランが少量脱離したためと考えられ
る。
【0200】<実施例4>実施例1において疎水性メタ
チタン酸が疎水性メタチタン酸Gである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表2〜4に示すが、表から分
かるように、H/Hにおいて若干ハイライト画質及びト
ナー飛散が若干悪化した。これは、有機系シラン化合物
として、アルキル基の短いメチルトリメトキシシランを
使用しているため、疎水性メタチタン酸の疎水性がやや
弱くなり、高湿度環境によりトナーが好適な帯電安定性
を得ることができないためと考えられる。
【0201】<実施例5>実施例1において疎水性メタ
チタン酸が疎水性メタチタン酸Hである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表2〜4に示すが、表から分
かるように、若干帯電安定性、画像濃度、トナー飛散が
悪化した。これは、疎水性メタチタン酸の個数平均粒径
が小さいため、耐久によりストレスが加わった際に、疎
水性メタチタン酸がトナー粒子に埋め込まれやすいた
め、トナーが好適な帯電性を得ることができないためと
考えられる。
【0202】<実施例6>実施例1において疎水性メタ
チタン酸が疎水性メタチタン酸Iである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表2〜4に示すが、表から分
かるように、若干ハイライト画質、トナー飛散、カブリ
が悪化した。これは、疎水性メタチタン酸の個数平均粒
径が大きく、トナーの流動性がやや悪化し、帯電が若干
不均一になったためと考えられる。
【0203】<実施例7>実施例1において疎水性メタ
チタン酸が疎水性メタチタン酸Jである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表2〜4に示すが、表から分
かるように、実施例1同様に良好な結果が得られた。
【0204】<実施例8>実施例1において疎水性メタ
チタン酸が疎水性メタチタン酸Kである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表2〜4に示すが、表から分
かるように、実施例1同様に良好な結果が得られた。
【0205】<実施例9>実施例1において疎水性メタ
チタン酸が疎水性メタチタン酸Lである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表2〜4に示すが、表から分
かるように、実施例1同様に良好な結果が得られた。
【0206】<実施例10>実施例1において疎水性メ
タチタン酸が疎水性メタチタン酸Mである他は同様に行
い、画像評価した。結果を表2〜4に示すが、表から分
かるように、実施例1同様に良好な結果が得られた。
【0207】<比較例4>実施例1において疎水性メタ
チタン酸が疎水性アモルファス酸化チタンである他は同
様に行い、画像評価した。結果を表2〜4に示すが、表
から分かるように、静電荷像担持体の傷もしくはフィル
ミングによる画像欠落及びハイライト画質が悪化した。
これは、アモルファス酸化チタンを用いたため、静電荷
像担持体との付着力が強くトナー粒子とともに転写され
ず静電荷像担持体上に残り、画像上の白点抜けあるいは
クリーニング時に固い酸化チタンで静電荷像担持体上に
傷をつけたためと考えられる。
【0208】<実施例11>98.2質量部のトナー粒
子1に、疎水性メタチタン酸A0.7質量部、疎水性シ
リカ0.5質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合
し、シアントナー粒子表面に無機微粒子を有するトナー
を得た。上記トナー7質量部と、フェノール樹脂中にマ
グネタイト粒子を分散してなる磁性微粒子分散型樹脂キ
ャリア93質量部とを混合し二成分現像剤とした。画像
評価は実施例1と同様に行った。結果を表2〜4に示す
が、表から分かるように良好な結果が得られた。
【0209】<実施例12>実施例1においてトナー粒
子がトナー粒子2である他は同様に行い、画像評価し
た。結果は、実施例1同様に良好な結果が得られた。
【0210】<実施例13>実施例1においてトナー粒
子がトナー粒子3である他は同様に行い、画像評価し
た。結果は、実施例1同様に良好な結果が得られた。
【0211】<実施例14>実施例1においてトナー粒
子がトナー粒子4である他は同様に行い、画像評価し
た。結果は、実施例1同様に良好な結果が得られた。
【0212】<実施例15>実施例1においてトナー粒
子がトナー粒子5である他は同様に行い、画像評価し
た。結果は、実施例1同様に良好な結果が得られた。
【0213】
【表2】
【0214】
【表3】
【0215】
【表4】
【0216】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
トナーにおいて、有機系シラン化合物により表面処理さ
れた疎水性メタチタン酸微粒子を外添混合することによ
って、トナー表面から脱離することなく、更には、メタ
チタン酸微粒子の表面から有機系シラン化合物の脱離を
無くすことによって、静電荷像担持体表面の傷の発生を
防止し静電荷像担持体の寿命の低下が無く、長期にわた
る連続現像において画質欠陥や画像濃度低下が少なく耐
久性に優れ、また温湿度等の環境に左右されにくく、良
好な帯電安定性、帯電の立ち上がり性、流動性などに優
れたトナーを提供することができる。
【0217】本発明のさらなる効果は、低現像性、カブ
リ等の問題を生じにくく、静電荷像担持体表面へのフィ
ルミングや癒着を生じにくいトナーを提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法の好適な一例を表す模式
図である。
【図2】実施例1で用いた交番電界を示す図である。
【図3】フルカラー画像形成方法の例を示す概略説明図
である。
【図4】トナーのトリボ電荷量を測定する装置の説明図
である。
【符号の説明】
1 静電荷像担持体(感光ドラム) 4 現像装置 11 現像剤担持体(現像スリーブ) 12 マグネットローラ 13,14 現像剤搬送スクリュー 15 規制ブレード 17 隔壁 18 補給用トナー 19 現像剤 19a トナー 19b キャリア 20 補給口 21 マグネットローラ 22 搬送スリーブ 23 磁性粒子 24 レーザー光 25 転写材(記録材) 26 バイアス印加手段 27 転写ブレード 28 トナー濃度検知センター 61a 感光ドラム 62a 一次帯電器 63a 現像器 64a 転写ブレード 65a 補給用トナー 67a レーザー光 68 転写材担持体 69 分離帯電器 70 定着器 71 定着ローラ 72 加圧ローラ 75,76 加熱手段 78 ウェッブ 79 転写ベルトクリーニング装置 80 駆動ローラ 81 ベルト駆動ローラ 82 ベルト除電器 83 レジストローラ 85 トナー濃度検知センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡戸 謙次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA08 AB02 AB06 BA03 CA26 CB07 CB08 EA03 EA05 EA10 FA02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有す
    るトナー粒子及びメタチタン酸微粒子を有しており、該
    メタチタン酸微粒子が、SiO2を1〜12質量%含有
    しており、かつトルエン抽出によるC量減少率が18%
    以下、SiO 2量減少率が15%以下になるように有機
    系シラン化合物で表面疎水化処理されている疎水性メタ
    チタン酸微粒子であることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 該疎水性メタチタン酸微粒子の製造方法
    が、硫酸加水分解法により合成されたメタチタン酸を解
    膠処理し、pH3以下のメタチタン酸微粒子水系スラリ
    ーに対し、該有機系シラン化合物を添加撹拌保持した
    後、一端反応スラリーをアルカリを用いてpHを7〜1
    3、温度を20〜100℃で撹拌保持し、その後中和、
    ろ過、洗浄し、100〜190℃で乾燥したものである
    請求項1に記載のトナー。
  3. 【請求項3】 該疎水性メタチタン酸微粒子の製造方法
    が、硫酸加水分解法により合成されたメタチタン酸を解
    膠処理し、pH3以下のメタチタン酸微粒子水系スラリ
    ーに対し、該有機系シラン化合物を添加撹拌保持した
    後、一端反応スラリーをアルカリを用いてpHを9〜1
    3、温度を20〜100℃で撹拌保持し、その後中和、
    ろ過、洗浄し、100〜190℃で乾燥したものである
    請求項1に記載のトナー。
  4. 【請求項4】 該有機系シラン化合物が、下記式 RmSiYn 〔式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を
    示し、Yはアルキル基、ビニル基、フェニル基、(メ
    タ)アクリル基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基
    又はこれらの誘導体を示し、nは1〜3の整数を示す〕
    で示されるアルコキシシランである請求項1乃至3のい
    ずれかに記載のトナー。
  5. 【請求項5】 該有機系シラン化合物が、下記式 Cn2n+1=Si(OCm2m+13 〔式中、nは4〜12の整数を示し、mは1〜3の整数
    を示す。〕で示されるアルキルアルコキシシランである
    請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 【請求項6】 該疎水性メタチタン酸微粒子のBET比
    表面積が50〜350m2/gである請求項1乃至5の
    いずれかに記載のトナー。
  7. 【請求項7】 該疎水性メタチタン酸微粒子の個数平均
    粒径が10〜100nmである請求項1乃至6のいずれ
    かに記載のトナー。
  8. 【請求項8】 該疎水性メタチタン酸微粒子の疎水化度
    が40〜90%である請求項1乃至7のいずれかに記載
    のトナー。
  9. 【請求項9】 該トナー粒子の粒径が体積分布基準で、
    3〜10.5μmである請求項1乃至8のいずれかに記
    載のトナー。
  10. 【請求項10】 該トナー粒子が重合法により得られた
    ものである請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
  11. 【請求項11】 該トナーとキャリアとを少なくとも有
    する二成分系現像剤である請求項1乃至10のいずれか
    に記載のトナー。
JP2001217452A 2001-07-18 2001-07-18 トナー Withdrawn JP2003029448A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001217452A JP2003029448A (ja) 2001-07-18 2001-07-18 トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001217452A JP2003029448A (ja) 2001-07-18 2001-07-18 トナー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003029448A true JP2003029448A (ja) 2003-01-29

Family

ID=19051770

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001217452A Withdrawn JP2003029448A (ja) 2001-07-18 2001-07-18 トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003029448A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006023351A (ja) * 2004-07-06 2006-01-26 Canon Inc トナー
JP2006085065A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用トナー及びその製造方法
JP2008112046A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Konica Minolta Business Technologies Inc 静電荷像現像用トナー
US7524600B2 (en) 2005-02-09 2009-04-28 Sharp Kabushiki Kaisha Electrophotographic toner

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006023351A (ja) * 2004-07-06 2006-01-26 Canon Inc トナー
JP2006085065A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用トナー及びその製造方法
US7524600B2 (en) 2005-02-09 2009-04-28 Sharp Kabushiki Kaisha Electrophotographic toner
JP2008112046A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Konica Minolta Business Technologies Inc 静電荷像現像用トナー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7704661B2 (en) Toner and image forming method
KR20050014625A (ko) 토너
JP2008102395A (ja) 非磁性トナー
JP3652161B2 (ja) トナー
JP4000209B2 (ja) 静電潜像現像剤用トナー、静電潜像現像剤用トナーの製造方法、静電潜像現像剤、および画像形成方法
JP4455457B2 (ja) トナー
JP4290055B2 (ja) 非磁性トナー
JP3902945B2 (ja) 樹脂コートキャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤
JP4428839B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法
JP2003114544A (ja) 磁性トナー
JP4941660B2 (ja) 一成分非磁性トナーおよび該トナーを使用した画像形成装置
JP4442482B2 (ja) 2成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置
JP4603802B2 (ja) カラートナー
JP2011137980A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法
JP2002148846A (ja) トナー
JP2009069259A (ja) 2成分現像剤とそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置
JP4434060B2 (ja) 2成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置
JP2003043756A (ja) 二成分系現像剤及び補給用現像剤
JP2003029448A (ja) トナー
JP2002328493A (ja) 磁性微粒子分散型樹脂キャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤
JP4165822B2 (ja) フルカラートナーキット、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP5393346B2 (ja) トナー
JP3782699B2 (ja) トナー
JP4219504B2 (ja) 現像剤用トナー及び現像剤
JP4952612B2 (ja) 二成分現像剤および画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081007