JP4434060B2 - 2成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置 - Google Patents

2成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、2成分現像剤、該2成分現像剤を用いた画像形成方法及び画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成技術は、近年ではデジタル方式の画像形成が主流になりつつある。デジタルの画像形成では微細なドット画像も忠実に再現できるようになり、例えば、従来では画像再現が困難だった写真画像もトナーにより再現できるようになってきた。そして、このような高精細画像を記録媒体上に出力させる手段として、小径のトナーが注目され、小径のトナーとキャリアからなる2成分現像剤の開発も進められている。
ところで、キャリアには、鉄粉キャリア、フェライトキャリア、磁性体分散型キャリアなどのキャリアが実用化されているが、この中でも、軽量で優れた流動性を発現するとともに、磁気特性を容易に制御できるという性質を有するフェライトキャリアは、このような小径トナー用のキャリアとして注目されている。すなわち、小径のトナーはトナー単位体積あたりの表面積が大きくなっており、キャリアには安定した帯電付与性能が求められている。また、キャリアには現像剤としたときに安定した流動性を発現することも求められている。このようなニーズに対し、フェライトキャリアはフェライト粒子表面への樹脂被覆による抵抗制御が容易に行えるので、トナーの特性に対応した帯電付与性能を有するキャリアを設計し易いというメリットを有する。また、フェライトは磁性体を焼成して作製されるので環境に影響を与えるようなものが含まれていないことから、環境保全性や経時変化に対する安定性の視点からも注目されている。
また、帯電付与性能を向上させるための技術もいろいろと検討されており、その1つの例として、トナーとキャリアの表面を均質化することにより帯電立ち上がり特性の向上や帯電量分布のシャープ化を実現させる技術がある(例えば、特許文献1、2、3参照)。
特開平6−208241号公報 特開平8−44103号公報 特開2004−138644号公報
ところで、キャリアは芯材となる磁性粒子表面に樹脂を被覆して形成されているが、長期間にわたって安定した耐久性が求められている。また、小径トナーを用いた画像形成は、グラビア仕様のプリント作成にも向いていることから、最近では印刷分野にも適用されるようになり、数十万枚レベルのプリントを行うことが多い印刷分野ではキャリアのより高度な耐久性が求められるようになってきた。
しかしながら、このような使用条件ではキャリアに加わる負荷も大きなものである。例えば、大量の画像形成を繰り返し行うことにより帯電量の絶対値が低下したり、帯電量の変動が大きくなり、長期にわたって高品質のトナー画像を安定して得ることができないのが現状である。また、長期にわたるキャリアへのストレスにより、キャリアがかけたり、割れたりするというキャリア破壊の問題も無視できないものになってきた。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたもので、数十万枚にわたるプリントを行っても帯電量の絶対値を確保し、帯電量の変動を少ないキャリアにより、安定した画像形成を行える2成分現像剤を提供することを目的とする。特に、オフセット印刷に代わり写真画像などの高精細な画像形成が求められる印刷分野で大量プリントに耐え得る性能を有する2成分現像剤を提供することを目的とする。
本発明の課題は、下記構成をとることにより達成される。
1.トナーとキャリアとからなる2成分現像剤において、該トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを有し、体積基準におけるメディアン粒径(D50)が3.0〜7.0μmであり、該キャリアは、フェライト粒子上に樹脂を被覆した層を有し、個数平均粒子径が20〜70μm、蛍光X線分析による鉄元素の蛍光X線強度とカルシウム元素の蛍光X線強度の比(Ca/Fe)が4.0×10−3〜5.0×10−2、鉄元素の蛍光X線強度と塩素元素の蛍光X線強度の比(Cl/Fe)が5.0×10 −5 〜1.0×10 −3 あることを特徴とする2成分現像剤。
2.前記キャリアは、蛍光X線分析による鉄元素の蛍光X線強度とカルシウム元素の蛍光X線強度の比(Ca/Fe)が6.0×10−3〜2.0×10−2であることを特徴とする前記1に記載の2成分現像剤。
3.前記キャリアは、形状係数が1.05〜1.40、且つ形状係数の標準偏差値が0.005〜0.060であることを特徴とする前記1又は2に記載の2成分現像剤。
4.電子写真感光体を帯電する帯電工程、帯電された電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光工程、静電潜像を前記1〜3の何れか1項に記載の2成分現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、トナー像を中間転写体を介して或いは介さずに記録材に転写する転写工程と、を有することを特徴とする画像形成方法。
5.電子写真感光体を帯電する帯電手段、帯電された電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像を前記1〜3の何れか1項に記載の2成分現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段、前記現像手段により形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、例えば、数十万枚レベルとの多数枚のプリントを行っても、帯電量の絶対値が確保でき、且つ帯電量の変動が少なく、高耐久性を有するキャリアを含有する2成分現像剤の提供を可能にした。
その結果、小径のトナーによる高精細な画像形成を長期にわたり安定して行うことを可能にした。とりわけ、グラビア写真のような高精細なプリントを多量に行うオフセット印刷などの分野において、従来のようにわざわざ版を起こさずに高画質のプリント物を安定して提供できるようになり、煩雑な印刷作業の効率化を可能にした。
高品質のトナー画像を得るために、トナーとキャリアの粒径を小粒径化していくと、トナーのトータル表面積の増大、流動性の悪化などにより、キャリアとの摩擦帯電による帯電性能が低下してしまう問題が有る。
本発明者等は、トナーとキャリアの粒径を小粒径化しても帯電性能に優れ、且つ数十万枚のプリントを行っても、その帯電性能を維持する2成分現像剤について検討を行った。
その結果、トナーの粒径、キャリアの粒径、及びフェライト粒子中に特定量のカルシウム量を添加することによって帯電性能の向上が図れることを見いだした。
すなわち、2成分現像剤はトナーとキャリアとの摩擦帯電により帯電しているので、キャリアの電子供与性を高めることが帯電性能の維持に有効であると推測し、電子供与性のある種々のアルカリ土類金属をキャリア中に存在させる検討を行ったところ、これらの中でカルシウムが帯電性能の維持に有効であることを見いだしたものである。
また、本発明では、フェライト分子の構造中にカルシウム元素に加え、塩素元素を存在させて分子中に格子欠損を発生させると、この格子欠損部でフェライト分子同士が強固に接着することによりフェライトの硬度が向上し、負荷を受けてもかけたりせずに強固な耐久性を発現させていると推測される。また、塩素元素のもつ極性作用によりフェライト表面と樹脂被覆層の間での接着性も向上するようになり、その結果、樹脂被覆層が容易に剥離しなくなったものと推測される。
また、本発明では、キャリアの形状係数やその標準偏差を特定範囲のものとすることにより、キャリア表面の均一性を揃えて帯電量分布にばらつきが生じないようにした。その結果、感光体上に安定したトナー供給が行えるようになり、良好なトナー画像を安定に形成することを可能にしている。
以下、本発明の2成分現像剤について詳細に説明する。
本発明に用いるトナーの体積基準におけるメディアン粒径(D50)は、3,0〜7.0μm、好ましくは4.0〜5.0μmである。この範囲とすることで、高品質のトナー画像を得ることができる。
体積基準におけるメディアン粒径(D50)は、「コールターマルチサイザーIII」(ベックマン・コールター製)に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20g(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。コールターマルチサイザーのアパチャー径は50μmのものを使用した。
次に、本発明に用いられるキャリアについて説明する。
先ず、本発明に用いられるキャリアは、その大きさや形状が以下のように特定されるものである。
すなわち、キャリアの個数平均粒径は、20〜70μm、好ましくは40〜60μmである。また、形状係数は、好ましくは1.05〜1.40、より好ましくは1.05〜1.20である。更に、形状係数の標準偏差は、好ましくは0.005〜0.06、より好ましくは0.01〜0.05である。
この範囲とすることで、表面の均一性が確保でき、製造する上で技術的にも生産性の点でも問題が起こらず好ましい。
キャリアの個数平均粒径、形状係数、形状係数の標準偏差を測定する際、現像剤試料を以下のように調製する。
ビーカーに、2成分現像剤、少量の中性洗剤、純水を添加してよくなじませ、ビーカー底に磁石を当てながら上澄み液を捨て、更に、純水を添加しては上澄み液を捨てる操作を繰り返すことにより、2成分現像剤中のトナー及び中性洗剤を除き、キャリアのみを分離することができる。次に、分離したキャリアを40℃の条件下で乾燥してキャリア単体を取り出し、測定試料とする。
上記測定試料を、走査型電子顕微鏡を用いて写真を撮影し、その電子顕微鏡写真を、個数平均粒径や形状係数、その標準偏差を自動的に演算処理するプログラムを内蔵させた画像解析処理装置により処理を行って測定する。測定条件は、例えば、倍率を150倍にし、100個の粒子をランダムに取り出して写真撮影し、スキャナーにより取り込んだ写真画像を画像処理解析装置による処理を行って測定、算出される。ここで、走査型電子顕微鏡は市販のものを用い、画像処理解析装置についても「LUZEX AP」(ニレコ社製)など、市販のものが用いられる。
個数平均粒径は、フェレ径の個数平均値として算出して得られた値である。
フェレ径の個数平均値の測定は、透過型電子顕微鏡でキャリア粒子の撮影を行い、画像解析装置でフェレ水平径を測定し算出する。尚、本発明に用いられるキャリア粒子のフェレ水平径とは、上記電子顕微鏡で撮影された複数のキャリア粒子において、各キャリア粒子の任意の一方向における最大長さを表す。最大長さとは、上記任意の一方向に対して垂直で、粒子の外径に接する2本の平行線を引く場合の平行線間の距離をいう。
図1に、本発明における、キャリア粒子のフェレ径の測定方法を表す概念図を示す。
例えば、図1において、電子顕微鏡によるキャリア粒子200の撮影写真300について任意の一方向201を定める。前記任意の一方向201に対して垂直で各キャリア粒子200に接する2本の直線202の間の距離がフェレ径203である。
キャリアの形状係数は、下記式(1)により算出される形状係数(SF−2)の値を100個のキャリアについて行い、得られた値の個数平均値である。
式(1)
形状係数(SF−2)=(キャリアの周囲の長さ)2/(キャリアの実面積)×(1/4π)×100
形状係数の標準偏差は、下記式(2)により算出される値である。
式(2)
形状係数の標準偏差=((SF−2の測定値−SF−2の個数平均値)2の和/データ数)1/2
次に、本発明に用いられるキャリアに対する蛍光X線分析について説明する。
蛍光X線分析(XRF)は、物質にX線を照射したときに発生する固有X線(蛍光X線)を分光結晶を利用して、各成分波長に分離し、その波長から定性分析を行い、また、その強度から定量分析を行うものである。
図2に、蛍光X線の発生原理と分析装置の概要図を示す。
本発明に用いられるキャリアは、蛍光X線分析による鉄元素の蛍光X線強度とカルシウム元素の蛍光X線強度の比(Ca/Fe)が4.0×10-3〜5.0×10-2、好ましくは6.0×10-3〜2.0×10-2である。
この範囲とすることで、フェライト粒子内のカルシウムの働きにより、トナーとキャリアとの摩擦帯電性能の向上を図ることができる。
また、蛍光X線分析による鉄元素の蛍光X線強度と塩素元素の蛍光X線強度の比(Cl/Fe)は5×10-5〜1×10-3 、好ましくは1.0×10-4〜5×10-4、特に好ましくは1.0×10-4〜2.6×10-4である。
この範囲とすることで、フェライト粒子内の塩素の接着点が適当となり、キャリアの割れが発生せず、樹脂被覆層との接着性を確保することができる。
キャリア中の元素量の測定は、蛍光X線分析装置「XRF−1700」(島津製作所製)を用いて行うことができる。本発明に用いられるキャリアの具体的な測定方法の一例を以下に示すが、本発明に用いられる測定方法はこれに限定されるものではない。
鉄元素の蛍光X線強度とカルシウム元素の蛍光X線強度の比(Ca/Fe)の測定
(1)測定試料 :サンプル3gを加圧して作製したペレット状測定試料
(2)X線発生部
X線管球:Rhターゲット
管電圧:40kV
管電流:95mA
フィルター:無し
(3)分光条件
波長分散方式(スリットを使用)
(4)分光結晶
鉄元素用:フッ化リチウム(LiF)結晶
カルシウム元素用:フッ化リチウム(LiF)結晶
(5)検出器
鉄元素用:シンチレーションカウンター(SC)
カルシウム元素用:ガスフロー型プロポーショナルカウンター(F−PC)
(6)試料ステージ(ゴニオメーター):2θ
鉄元素の蛍光X線強度に対するカルシウムの蛍光X線強度の比率は、カルシウム元素からのKα分析線によるNet強度(kcps)の値を、鉄元素からのKα分析線によるNet強度(kcps)の値で割った値として算出する。
鉄元素の蛍光X線強度と塩素元素の蛍光X線強度の比(Cl/Fe)の測定
(1)測定試料 :サンプル3gを加圧して作製したペレット状測定試料
(2)X線発生部
X線管球:Rhターゲット
管電圧:40kV
管電流:95mA
フィルター:無し
(3)分光条件
波長分散方式(スリットを使用)
(4)分光結晶
鉄元素用:フッ化リチウム(LiF)結晶
塩素元素用:ゲルマニウム(Ge)結晶
(5)検出器
鉄元素用:シンチレーションカウンター(SC)
塩素元素用:ガスフロー型プロポーショナルカウンター(F−PC)
(6)試料ステージ(ゴニオメーター):2θ
鉄元素の蛍光X線強度に対する塩素の蛍光X線強度の比率は、塩素元素からのKα分析線によるNet強度(kcps)の値を、鉄元素からのKα分析線によるNet強度(kcps)の値で割った値として算出する。
《フェライト粒子の作製》
フェライト粒子は、以下のような工程により作製できるが、これに限定されるものではない。尚、本発明でいうフェライトとは、鉄を含有する磁性酸化物を総称しており、例えば、MxOy・Fe23の化学式(ここでx=1または2、y=1〜3の整数、Mは1〜3価の金属)で示されるスピネル型フェライトなどがその代表である。
最初に、使用する原料物質を個別或いは混合して、ボールミルなどの粉砕装置を用いて粉砕する。この粉砕により、原料物質は、0.1〜10μm程度の粒径にする。尚、この粒径は、例えば、レーザ式光散乱方式の粒径測定器によって求められる。
次に、これらの原料混合物に水溶性高分子物質及び水を添加して分散処理することによりスラリーを作製する。そして、このスラリーを噴霧乾燥することにより、必要な原料物質が分散された状態で水溶性高分子物質に結着されてなる粒子体を形成することにより造粒が行われる。この造粒工程でのスラリーの噴霧量などを制御することにより所望の粒径を有するフェライトが得られる。
このようにして造粒された焼成用原料粉体を1150〜1300℃に加熱処理して焼成を行うことによりフェライト化がなされる。尚、焼成処理では、特開平9−134036号公報などに開示されるように、加熱温度が生成されるフェライトの性能に影響を与える。また、同公報に記載のように、焼成処理を還元性条件下で実施すると、主原料物質の1つである鉄酸化物Fe23が一部還元されてFeO構造のものが生成され、マグネタイト相の生成を促進させる。還元性条件を付与するための条件としては、焼成処理系にカーボンブラックなどの専用の還元剤を共存させたり、焼成用原料物質を調製するための水溶性高分子物質が焼成処理により燃焼して還元作用を発現する。
焼成処理により生成されたフェライトは凝集状態にあるので凝集物を解粒後、ふるいで大粒径及び小粒径のものを除去して所定の粒径を有するフェライトを得る。
更に、得られたフェライトを磁選機で処理して非磁性物や弱磁性物を除去して所定の粒径を有するフェライトが得られる。
フェライト粒子の原料は、従来から用いられる金属、及び金属化合物が使用できるが、蛍光X線分析による鉄元素の蛍光X線強度とカルシウム元素の蛍光X線強度の比(Ca/Fe)が4.0×10-3〜5.0×10-2になるようなカルシウム元素含有化合物と、キャリアとして得たい物性をもつ金蔵、金属化合物から選ばれる。
カルシウム元素含有化合物としては、カルシウムを含む化合物が挙げられる。具体例としてはCaO、CaCO3、CaCl2などを挙げることができる。
また、塩素元素を含有させるには、
塩素元素含有化合物としては、塩素元素を含む金属が挙げられる。具体例としてはMgCl2、ZnCl2、MnCl2、FeCl2、FeCl3などを挙げることができる。
フェライト粒子の原料は、従来から用いられる金属、及び金属化合物が使用できるが、蛍光X線分析による鉄元素の蛍光X線強度と塩素元素の蛍光X線強度の比(Cl/Fe)が5×10-5〜1×10-3になるような塩素元素含有化合物と、キャリアとして得たい物性をもつ金属、金属化合物から選ばれる。
塩素元素含有化合物としては、塩素元素を含む金属が挙げられる。具体例としてはMgCl2、ZnCl2、MnCl2、FeCl2、FeCl3などを挙げることができる。
キャリアの物性を得るための原料としては、Fe化合物、Ni化合物、Bi化合物、Li化合物等の原料のほか、特に帯電特性を制御するためにはMg化合物、Zn化合物、Mn化合物が挙げられる。その中でも、特に抵抗値を制御させるためにはCu化合物、Zn化合物が挙げられる。
これらの化合物の具体例としては、例えば、Fe、FeO、Fe23、Fe34、NiO、Bi23、LiO、MgO、Mg(OH)2、MgCO3、Zn、ZnO、Cu、CuO、MnO2、Mn34、MnCO3、CoO、BaCO3、SrCO3、Y23、CaO、CaCO3、Al23、V25、In23、Ta25、ZrO2、B23、MoO3、Na2O、SnO2、TiO2、Cr23等が挙げられる。
スラリーの造粒のために添加する結着樹脂としては、特に限定されないが、造粒(コア)の製造の容易性からポリビニルアルコール系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー等の水溶性高分子材料を好ましく用いることができる。
《キャリア》
キャリアは、フェライト粒子上に樹脂被覆層を設けたものである。被覆用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。
その中でも、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂が好ましく使用される。
フェライト粒子上に樹脂被覆層を設ける方法は、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。
具体的には、浸漬塗布法、スプレー塗布法、流動化ベッド塗布法などで行うことができるが、樹脂被覆層の材料として樹脂粒子をフェライト粒子表面に付着させ、機械的な衝撃力によってフェライト粒子上に樹脂粒子を成膜する乾式機械的衝撃法でも行うことができる。
樹脂被覆層の膜厚は、0.1〜5μm程度の膜厚が好ましい。この範囲の膜厚とすることで、安定した帯電量を得ることができ、且つ、樹脂被覆層が剥離する現象が生じにくく好ましい。
《トナーの作製》
次に、本発明に係るトナーの製造方法について説明する。
本発明に係るトナーは、小粒径で且つその分布が均一であることが好ましい。また、本発明に係るトナーは、小粒径のトナーが得られるケミカル法で作製されたケミカルトナーが好ましい。
ケミカル法によるトナーの製造方法としては、懸濁重合法、乳化会合法、分散重合法、溶解懸濁法等を挙げることができるが、小粒径で且つその分布が均一なトナーが得られれば特に限定されるものではない。
以下、乳化会合法について説明する。
〈乳化会合法〉
乳化会合法は、樹脂粒子を水系媒体中で塩析/融着させて調製する方法である。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。即ち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、或いは樹脂及び着色剤等より構成される粒子を複数以上塩析、凝集、融着させる方法、特に水中に、これらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、更に加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、本発明に係るトナーを形成することができる。
本発明に係るトナーの製造方法においては、重合性単量体に離型剤を溶解或いは分散した後、水系媒体中に機械的に微粒分散させ、ミニエマルジョン重合法により重合性単量体を重合させる工程を経て形成した複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させる方法が好ましく用いられる。
また、本発明に係るトナーの製造方法としては、多段重合法によって得られる複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させる工程が好ましく用いられる。
次に、好ましいトナーの製造方法(乳化重合会合法)の一例について詳細に説明する。
この製造方法には、
(1)離型剤をラジカル重合性単量体に溶解或いは分散する溶解/分散工程
(2)樹脂粒子の分散液を調製するための重合工程
(3)水系媒体中で樹脂粒子と着色剤粒子を融着させて着色粒子(会合粒子)を得る融着工程
(4)着色粒子の分散液を冷却する冷却工程
(5)冷却された着色粒子の分散液から当該着色粒子を固液分離し、当該着色粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程
(6)洗浄処理された着色粒子を乾燥する乾燥工程
必要に応じ
(7)乾燥処理された着色粒子に外添剤を添加する工程が含まれていてもよい。
以下、各工程について説明する。
〔溶解/分散工程〕
この工程は、ラジカル重合性単量体に離型剤を溶解或いは分散させて、当該離型剤のラジカル重合性単量体溶液を調製する工程である。
〔重合工程〕
この重合工程の好適な一例においては、界面活性剤を含有した水系媒体中に、前記離型剤を溶解或いは分散含有したラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該液滴中において重合反応を進行させる。尚、前記水系媒体中に、核粒子として樹脂粒子を添加しておいても良い。
この重合工程により、離型剤と結着樹脂とを含有する樹脂粒子が得られる。かかる樹脂粒子は、着色された粒子であってもよく、着色されていない粒子であってもよい。着色された樹脂粒子は、着色剤を含有する単量体組成物を重合処理することにより得られる。また、着色されていない樹脂粒子を使用する場合には、後述する融着工程において、樹脂粒子の分散液に、着色剤粒子の分散液を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子とを融着させることで着色粒子とすることができる。
〔融着工程〕
前記融着工程における融着の方法としては、重合工程により得られた樹脂粒子(着色または非着色の樹脂粒子)を用いた塩析/融着法が好ましい。また、当該融着工程においては、樹脂粒子や着色剤粒子とともに、離型剤粒子や荷電制御剤などの内添剤粒子なども融着させることができる。
着色剤粒子は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
尚、着色剤(粒子)は表面改質されていてもよい。着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分散させ、その分子量液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させる。反応終了後、着色剤を濾別し、同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥することにより、表面改質剤で処理された着色剤(顔料)が得られる。
好ましい融着方法である塩析/融着法は、樹脂粒子と着色剤粒子とが存在している水中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、前記樹脂粒子のガラス転移点以上であって、且つ前記離型剤の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。
〔冷却工程〕
この工程は、前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
〔固液分離・洗浄工程〕
この固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却された着色粒子の分散液から当該着色粒子を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウエット状態にある着色粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるものではない。
〔乾燥工程〕
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥処理し、乾燥された着色粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥された着色粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理された着色粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
〔外添処理工程〕
この工程は、乾燥された着色粒子に必要に応じ外添剤を混合し、トナーを作製する工程である。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
次に、トナーを構成する化合物(結着樹脂、着色剤、離型剤、荷電制御剤、外添剤、滑剤)について説明する。
(結着樹脂)
結着樹脂を構成する重合性単量体としては公知のものを使用することができる。具体的には、スチレンとアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体と、イオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。
(着色剤)
本発明に用いられる着色剤は、公知の無機または有機着色剤を使用することができる。尚、これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用しても良い。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
(離型剤)
本発明に用いられる離型剤は、公知の化合物を用いることができる。離型剤はトナー全体に対して1〜15質量%、好ましくは3〜12質量%含有すると、良好な結果を得ることができる。
(荷電制御剤)
本発明に係るトナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、公知の化合物を用いることができる。
(外添剤)
本発明に係るトナーは、流動性、帯電性の改良及びクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を着色粒子に混合して使用してもよい。これら外添剤としては特に限定されるものではなく、種々の無機粒子、有機粒子及び滑剤を使用することができる。
これら外添剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。
《2成分現像剤の作製》
本発明の2成分現像剤は、モノ黒のトナー画像形成、或いはカラーのトナー画像形成に用いられる。
本発明の2成分現像剤は、キャリアとトナーとを混合することにより作製することができる。
キャリアとトナーの混合比は、質量比でキャリア:トナー=100:10〜100:2が好ましい。
キャリアとトナーの混合は、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
《画像形成方法、画像形成装置》
本発明に係るキャリアとトナーを有する2成分現像剤を担持している現像スリーブを回転し、感光体表面に形成されている静電潜像を、該2成分現像剤のトナーで現像する現像工程(手段)を有する画像形成方法(画像形成装置)である。
次に、本発明に係る画像形成方法、画像形成装置について説明する。
本発明に用いられる画像形成方法は、本発明の2成分現像剤を用いた現像器が装着できれば特に限定されれるものではない。
具体的には、感光体を帯電する帯電工程、該帯電された感光体を露光して静電潜像を形成する露光工程、該静電潜像をトナーを含む2成分現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、該トナー像を中間転写体を介して或いは介さずに記録材に転写する転写工程を経由して画像を形成する画像形成方法を挙げることができる。
前記帯電工程で用いる帯電部材は、接触させて帯電する帯電ローラや磁気ブラシが好ましい。
また、本発明に係る画像形成装置は、前記画像形成方法を用いることが好ましい。
また、プロセスカートリッジは、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段の少なくとも何れかと、電子写真感光体が結合され、画像形成装置本体に対して一体的に出し入れ可能に形成されていることが好ましい。
図3は、本発明に係る画像形成方法の一例を示す断面構成図である。
図3において、50は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器(帯電工程)で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしても良い。
感光体への一様帯電の後、像露光手段(像露光工程)としての像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
その静電潜像は次いで現像手段(現像工程)としての現像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る2成分現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し2成分現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。
一般にデジタルの画像形成方法では反転現像が行われるが、ここで反転現像とは帯電器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われた領域、即ち、感光体の露光部電位(露光部領域)を現像工程により、顕像化する画像形成方法である。一方未露光部電位は現像スリーブ541に印加される現像バイアス電位により現像されない。
現像器54内部は2成分現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送量規制部材等から構成されており、2成分現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材により制御される。該2成分現像剤の搬送量は適用される感光体の線速及び2成分現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cm2の範囲である。
2成分現像剤は、搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、2成分現像剤は感光体に対して接触或いは非接触の状態で現像される。感光体の電位測定は電位センサ547を図3のように現像位置上部に設けて行う。
記録材Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラ57の回転作動により転写域へと給紙される。
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写手段:転写器)58が作動し、給紙された記録材Pにトナーと反対極性の帯電を与えてトナーを転写する。
次いで記録材Pは分離電極(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラ601と圧着ローラ602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラ61を介して装置外部に排出される。尚前記の転写電極58及び分離電極59は記録材Pの通過後、一次作動を中止し、次なるトナー像の形成に備える。図3では転写電極58にコロトロンの転写帯電極を用いている。転写電極の設定条件としては、感光体のプロセススピード(周速)等により異なり一概に規定することはできないが、例えば、転写電流としては+100〜+400μA、転写電圧としては+500〜+2000Vを設定値とすることができる。
一方記録材Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
本発明で用いる記録材は、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持、転写材或いは転写紙と通常よばれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種記録材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下に、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
《フェライト粒子の作製》
〈フェライト粒子1の作製〉
1.スラリー作製工程
Fe23=60モル%、MgO=40モル%を配合した原料に、CaCO3を1質量%、MgCl2を0.2質量%を混合し、粉砕・混合機で原料の粉砕を行った。
2.造粒工程
上記で粉砕した粉砕物に接着剤(ポリビニウアルコール)と水を加えて、60質量%のスラリー液とした後、湿式ボールミルでさらに粉砕しスラリー化し分散液を作製した。このスラリー化した分散液を、スプレイドライヤーを用い、スプレー・乾燥して、個数平均粒径約60μmの造粒粒子を作製した。
3.焼成工程
上記の造粒粒子を、乾燥炉にて、大気雰囲気のもと、1150℃で焼成して、フェライト粒子を作製した。
4.解砕・分級工程
焼成したフェライト粒子を解粒し、ふるいで大粒径と小粒径のものを除き、個数平均粒径が約50μmのフェライト粒子を得た。
5.磁選工程
このフェライト粒子を磁選機を通して、非磁性或いは弱磁性の粒子を除去し「フェライト粒子1」を作製した。
〈フェライト粒子2〜11の作製〉
「フェライト粒子1」の作製で用いたCaCO3を1質量%、MgCl2を0.2質量%を、表1に記載のごとく変更した以外は同様にして、「フェライト粒子2〜11」を作製した。
《キャリアの作製》
前記で得られた各フェライト粒子100質量部と、シクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート(共重合比5/5)の共重合体樹脂微粒子を5質量%とを、攪拌羽根付き高速攪拌混合機に投入し、120℃で30分間攪拌混合して機械的衝撃力の作用を使用してフェライト粒子の表面上に樹脂の被覆層を形成してキャリアを得た。得られたキャリアを「キャリア1〜11」とする。
表1に、「キャリア1〜11」のフェライト条件とキャリア物性を示す。
Figure 0004434060
《トナーの作製》
〈トナーAの作製〉
(着色粒子Aの作製)
第1段重合(ミニエマルジョン重合)
スチレン 175g
n−ブチルアクリレート 60g
メタクリル酸 15g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 7g
からなる単量体混合液を攪拌装置を取り付けた反応容器に入れ、そこにペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル100gを添加し、70℃に加温し溶解して単量体溶液を調製した。
一方、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2gをイオン交換水1350gに溶解させた界面活性剤溶液を70℃に加温し、前記単量体溶液に添加混合した後、循環径路を有する機械式分散機「クリアミックス」(エム・テンクニック社製)により、70℃で30分間分散を行い、乳化分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム7.5gをイオン交換水150gに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を78℃にて1.5時間にわたり加熱攪拌することにより重合を行い、樹脂粒子の分散液を得た。これを「樹脂粒子1の分散液」とする。
第2段重合(外層の形成)
上記のようにして得られた「樹脂粒子1の分散液」に過硫酸カリウム12gをイオン交換水220gに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に
スチレン 320g
n−ブチルアクリレート 100g
メタクリル酸 35g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 7.5g
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合を行った。その後、28℃まで冷却し「樹脂粒子2の分散液」を得た。
(着色剤粒子分散液)
ドデシル硫酸ナトリウム90gをイオン交換水1600gに攪拌溶解し溶液を調製した。この溶液を攪拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)400.0gを徐々に添加し、次いで、機械式分散機「クリアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理して着色剤粒子分散液を調製した。この分散液中の着色剤粒子の粒子径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(会合工程)
樹脂粒子2の分散液 2000g
イオン交換水 670g
着色剤粒子分散液 400g
上記液を、温度センサ、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた5Lの反応容器に入れ、攪拌し、液温を30℃に調整した後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物60gをイオン交換水60gに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温し、粒子径を成長させ、会合反応を行った。その状態で、「コルターマルチサイザーIII」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメディアン粒径が5μmになった時点で、塩化ナトリウム8.5gをイオン交換水35gに溶解した水溶液を添加し、粒子成長を停止させた後、融着のため、3時間にわたり加熱攪拌を継続した。
その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、攪拌を停止した。成長した会合粒子を濾過し、35℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより「着色粒子A」を得た。
また、上記会合反応において、体積基準におけるメディアン粒径(D50)が3.0μmになった時点で粒子成長を停止させたものを「着色粒子B」、同じく体積基準におけるメディアン粒径(D50)が7.0μmになった時点で粒子成長を停止させたものを「着色粒子C」とした。
(外添剤の混合工程)
上記で得られた「着色粒子A」に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)を1質量%、疎水性二酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm)を0.3質量%添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工社製)で10分間混合し、「トナーA」を作製した。尚、体積基準におけるメディアン粒径(D50)は「着色粒子A」と同じ、5.0μmであった。同様な手順で、「着色粒子B」より「トナーB」を、着色粒子CよりトナーCをを作製した。「トナーB」と「トナーC」の体積基準におけるメディアン粒径(D50)はそれぞれ3.0μm、7.0μmであった。
〈トナーDの作製〉
「トナーA」の作製において、体積基準におけるメディアン粒径(D50)が5.0μmになった時点で粒子成長を停止させたものを、体積基準におけるメディアン粒径(D50)が8.0μmになった時点で粒子成長を停止させた以外は同様にして、「トナーD」を作製した。「トナーD」の体積基準におけるメディアン粒径(D50)は8.0μmであった。
《2成分現像剤の調製》
上記で作製した各キャリアと各トナーを、表2の組み合わせでトナーの濃度が5質量%になるよう低速混合機を用い混合して「2成分現像剤1〜14」を作製した。尚、得られた「2成分現像剤1〜9」を「実施例1〜9」、「2成分現像剤10〜14」を「比較例1〜5」とする。
《評価》
評価は、上記で作製した「実施例1〜9」と「比較例1〜5」を「Sitios7075」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に順次装填し、50万枚プリントを行った。
評価環境は常温常湿(20℃、60%RH)で、プリント時の画像は画素率が10%の画像(7%が文字画像、写真画像、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4分にあるオリジナル画像)を用い、プリント用紙(転写材)としてはA4の上質紙(64g/m2)を用いた。
評価は、初期及び50万枚プリント後のプリント画像と2成分現像剤の帯電量について評価を行った。
尚、評価基準の◎と○を合格、△と×を不合格とする。
(画像かぶり)
画像かぶりは、印字されていないプリント用紙(白紙)の濃度を20カ所、画像濃度を測定し、その平均値を白紙濃度とし、次に、無地画像のプリントがなされたプリント用紙の白地部分を同様に20カ所、画像濃度を測定し平均濃度を算出し、その平均濃度から前記白紙濃度を引いた値をかぶり濃度として評価した。測定は反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて行った。
評価基準
◎:画像かぶり濃度が、0.003以下で良好
○:画像かぶり濃度が、0.006以下で実用上問題ないレベル
△:画像かぶり濃度が、0.010以下で実用上やや問題となるレベル
×:画像かぶり濃度が、0.010より大きく実用上問題となるレベル。
(写真画像の再現性)
写真画像の再現性は、プリントした写真画像のハーフトーン部(オリジナル(原稿)の反射画像濃度が0.70)の濃度を反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)で測定し、更に、倍率10倍のルーペを用いて網点の再現具合を目視観察により評価した。
評価基準
◎:反射濃度が0.80±0.03以内で、網点のつぶれや欠落が観察されない
○:反射濃度は0.80±0.03以内で、1〜3個の網点つぶれや欠落が確認されたが目視で見る分には全く問題のないレベル
△:反射濃度が0.80±0.03から外れ、ぼやけやきつい感じを受ける仕上がりになった
×:網点つぶれや欠落が3個以上確認され、目視で画像欠陥の確認できる仕上がり。
(帯電量)
帯電量の測定は、ブローオフ帯電量測定装置「TBー200」(東芝ケミカル社製)を用いて行った。
測定する2成分現像剤を、400メッシュのステンレス製スクリーンを装着した前記帯電量測定装置にセットし、ブロー圧50kPaの条件で10秒間窒素ガスにてブローし、電荷を測定した。測定された電荷を飛翔したトナー質量で割ることにより帯電量(−μC/g)を算出した。
評価基準
帯電量は、−16.0〜−22.0μC/gが好ましい。
(逆帯電性トナーの存在比率)
逆帯電性トナーの存在比率は、粉体帯電量分布測定装置「E−spart analyzer」(ホソカワミクロン社製)を用い、帯電量分布を測定し、その結果ら求めた。
評価は、全トナー量に対する逆帯電性トナーの存在比率で行った。
評価基準
◎:逆帯電性トナーの存在比率が、1質量%未満
○:逆帯電性トナーの存在比率が、5質量%未満
×:逆帯電性トナーの存在比率が、5質量%以上。
(帯電量変動)
帯電量変動は、前記帯電量の測定で得られた初期と50万枚プリント後の帯電量の差を帯電量の変動として評価した。
評価基準
帯電量変動は、少ないほど良く、±2.0μC/gが好ましい。
表2に、2成分現像剤の調製に用いたトナー種類とキャリア、及び評価結果を示す。
Figure 0004434060
表2から明らかなように、本発明の「実施例1〜」は何れの評価項目も優れているが、本発明外の「比較例1〜5」は少なくとも何れかの項目に問題があることが判る。
本発明における、キャリア粒子のフェレ径の測定方法を表す概念図を示す。 蛍光X線の発生原理と分析装置の概要図を示す。 本発明に係る画像形成方法の一例を示す断面構成図である。
符号の説明
200 キャリア粒子
201 任意の一方向
202 2本の直線
203 フェレ径
300 撮影写真

Claims (5)

  1. トナーとキャリアとからなる2成分現像剤において、該トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを有し、体積基準におけるメディアン粒径(D50)が3.0〜7.0μmであり、該キャリアは、フェライト粒子上に樹脂を被覆した層を有し、個数平均粒子径が20〜70μm、蛍光X線分析による鉄元素の蛍光X線強度とカルシウム元素の蛍光X線強度の比(Ca/Fe)が4.0×10−3〜5.0×10−2、鉄元素の蛍光X線強度と塩素元素の蛍光X線強度の比(Cl/Fe)が5.0×10 −5 〜1.0×10 −3 あることを特徴とする2成分現像剤。
  2. 前記キャリアは、蛍光X線分析による鉄元素の蛍光X線強度とカルシウム元素の蛍光X線強度の比(Ca/Fe)が6.0×10−3〜2.0×10−2であることを特徴とする請求項1に記載の2成分現像剤。
  3. 前記キャリアは、形状係数が1.05〜1.40、且つ形状係数の標準偏差値が0.005〜0.060であることを特徴とする請求項1又は2に記載の2成分現像剤。
  4. 電子写真感光体を帯電する帯電工程、帯電された電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光工程、静電潜像を請求項1〜3の何れか1項に記載の2成分現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、トナー像を中間転写体を介して或いは介さずに記録材に転写する転写工程と、を有することを特徴とする画像形成方法。
  5. 電子写真感光体を帯電する帯電手段、帯電された電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像を請求項1〜3の何れか1項に記載の2成分現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段、前記現像手段により形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
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