JP2003028123A - 薄金属板締結部材および薄金属板締結方法 - Google Patents

薄金属板締結部材および薄金属板締結方法

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JP2003028123A
JP2003028123A JP2001215259A JP2001215259A JP2003028123A JP 2003028123 A JP2003028123 A JP 2003028123A JP 2001215259 A JP2001215259 A JP 2001215259A JP 2001215259 A JP2001215259 A JP 2001215259A JP 2003028123 A JP2003028123 A JP 2003028123A
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猛 ▲浜▼田
Takeshi Hamada
Shinichiro Takahashi
伸一郎 高橋
Shuichi Aimoto
秀一 相本
Masao Kinebuchi
雅男 杵渕
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数枚の金属製薄板、特に異種の金属製薄板
を、板材や締結部材の強度低下や損傷を招くことなく、
簡易かつ確実に締結できる締結部材及び締結方法を提供
する。 【解決手段】 締結される薄板Aの1枚当たりの板厚よ
り小さいピッチのねじを形成したドリリングタッピンね
じ1と、当該ピッチ以上の板厚でねじ穴を有さない皿形
状のばね板ナット2との組合せからなる締結部材を用
い、複数薄板Aを締結するに際し、ばね板ナット2の凹
面側を複数薄板Aの下面A2に向けて接触・保持した
後、ドリリングタッピンねじを複数薄板Aの上面A1側
からねじ込んでばね板ナット2まで貫通させ、さらにド
リリングタッピンねじ1の頭部1cが上面A1を締め付
けるまで締め込むことにより、ばね板ナット2を下面A
1側に変形させつつ押し付けることにより締結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の金属板、特
に異種金属板をドリリングタッピンねじにより締結する
方法についての改善技術に関するものである。
【従来の技術】一般に、自動車や鉄道車両など金属製板
材で構成される構造物の継手部は、スポット溶接やリベ
ット嵌合、ボルト締結などで接合されている。しかし、
鋼板とアルミニウム板など鉄と非鉄金属間の異材溶接は
非常に難しく、通常のスポット溶接は適用できない。ま
た、リベット嵌合やボルト締結による方法は、予め穴開
けが必要であり余分な工程手間が増えるだけではなく、
多点結合を行う場合には穴ずれなどの問題も生じやす
い。さらに、ボルト締結の場合には、高振動下で用いら
れるとナット緩みの問題が生じやすい。なお、穴開けの
手間を省くため、釘形状をしたリベットで金属板を打ち
抜く方法が用いられることがあるが、この場合、打ち穴
周辺にえくぼ状の伸びが生じ、貫通時には穴回りに複数
の放射状き裂が生じるため板材の強度低下が免れ得な
い。特に、異種金属板を接合する場合には、金属材料の
伸びの相違により板材間に隙間が生じるので、一層強度
低下を招きやすい。また、金属板を打ち抜くため釘形状
のリベットは材料強度や硬度の高いものを用いる他な
く、かしめの際に多大なプレス力を要する問題もある。
しかも、かしめが十分でない場合には、リベットを中心
に板材の回転が生じリベットの摩耗や折損の原因となる
こともある。一方、リベット嵌合やボルト締結にかわる
接合方法として、例えば、特開2000−141066
号公報、2000−61663号公報、特開2000−
153374号公報、特開2000−153375号公
報などに開示されている摩擦攪拌接合による方法、特開
平11−42512号公報に開示されている圧入接合に
よる方法、接着剤による接合方法などの提案がなされて
いる。しかしながら、摩擦拡散接合による方法は、比較
的低温で溶融・軟化するアルミニウムまたはアルミニウ
ム合金板同士を接合する場合には適用できるが、一方又
は双方が鋼板の場合には適用できない。また、圧入接合
による方法は、アルミニウム合金で形成された外部材の
穴に鉄製の内部材を圧入して接合することにより異種金
属の接合を可能とするものであるが、板材同士を接合す
るのには適用できない。また、接着剤による接合の場合
には、接合部に荷重を受けた場合や温度変化が生じた場
合、各金属材料の応力歪みや熱歪みの相違により、接合
面がはがれやすい問題がある。以上のように、異種金属
板を、板材や締結部材の強度低下や損傷を招くことな
く、簡易かつ確実に締結できる適当な方法はこれまで存
在しなかった。
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、複数金属板、特に異種金属板を、板材や締結部材の
強度低下や損傷を招くことなく、簡易かつ確実に締結で
きる締結部材及び締結方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、発明者らは、比較的薄い板材を機械的に締結するの
に一般的に用いられるドリリングタッピンねじに、ねじ
穴を有しないばね板ナットを組み合わせて用いる締結部
材および締結方法について種々検討を行い、本発明を完
成するに至った。本発明の要旨は以下の通りである。請
求項1の発明は、薄金属板を複数枚重ねて締結する、ド
リリングタッピンねじと、ばね板ナットとの組合せによ
り構成された薄金属板締結部材であって、前記ドリリン
グタッピンねじは、前記薄金属板板厚より小さいピッチ
のねじ山が形成された軸部と、該軸部の一端部に形成さ
れたドリル部と、前記軸部の他端部に形成された軸部直
径より大径の頭部とからなり、前記ばね板ナットは、皿
形状でねじ穴を有さず、前記ピッチより大きな板厚を備
えたことを特徴とする薄金属板締結部材である。請求項
2の発明は、複数の前記薄金属板を締結するに際し、前
記薄金属板の一方の面に、前記ばね板ナットがその凹面
側を向けて当接され、前記ドリリングタッピンねじが前
記複数薄金属板の他方の面側からねじ込まれることによ
り締結することを特徴とする請求項1に記載の薄金属板
締結部材である。請求項3の発明は、薄金属板を複数枚
重ねて締結する、ドリリングタッピンねじとばね板ナッ
トと、皿ばね座金との組合せにより構成された薄金属板
締結部材であって、前記ドリリングタッピンねじは、前
記薄金属板板厚より小さいピッチのねじ山が形成された
軸部と、該軸部の一端部に形成されたドリル部と、前記
軸部の他端部に形成された軸部直径より大径の頭部とか
らなり、前記ばね板ナット及び前記皿ばね座金は、とも
に皿形状でねじ穴を有さず、前記ピッチより大きな板厚
を備えたことを特徴とする薄金属板締結部材である。請
求項4の発明は、複数の前記薄金属板を締結するに際
し、前記薄金属板の一方の面に、前記ばね板ナットがそ
の凹面側を向けて当接されるとともに、他方の面に、前
記皿ばね座金がその凹面側を向けて当接され、前記ドリ
リングタッピンねじが前記皿ばね座金側からねじ込まれ
ることにより締結することを特徴とする請求項3に記載
の薄金属板締結部材である。請求項5の発明は、ドリリ
ングタッピンねじと、ばね板ナットとの組合せにより構
成された薄金属板締結部材により、薄金属板を複数枚重
ねて締結する薄金属板締結方法であって、前記ドリリン
グタッピンねじは、前記薄金属板板厚より小さいピッチ
のねじ山が形成された軸部と、該軸部の一端部に形成さ
れたドリル部と、前記軸部の他端部に形成された軸直径
より大径の頭部とからなり、前記ばね板ナットは、皿形
状でねじ穴を有さず、前記ピッチより大きな板厚を備
え、前記薄金属板の一方の面に、前記ばね板ナットをそ
の凹面側を向けて当接し、前記ドリリングタッピンねじ
を前記薄複数金属板の他方の面側からねじ込んで前記ば
ね板ナットまで貫通させ、前記ばね板ナットを前記複数
薄金属板の一方の面側に変形させることにより締結する
ことを特徴とする薄金属板締結方法である。請求項6の
発明は、ドリリングタッピンねじとばね板ナットと皿ば
ね座金との組合せにより構成された薄金属板締結部材に
より、薄金属板を複数枚重ねて締結する薄金属板締結方
法であって、前記ドリリングタッピンねじは、前記薄金
属板板厚より小さいピッチのねじ山が形成された軸部
と、該軸部の一端部に形成されたドリル部と、前記軸部
の他端部に形成された軸直径より大径の頭部とからな
り、前記ばね板ナット及び前記皿ばね座金は、ともに皿
形状でねじ穴を有さず、前記ピッチより大きな板厚を備
え、前記薄金属板の一方の面に、前記ばね板ナットをそ
の凹面側を向けて当接するとともに、他方の面に、前記
皿ばね座金をその凹面側を向けて当接し、前記ドリリン
グタッピンねじを前記皿ばね座金側からねじ込んで前記
ばね板ナットまで貫通させ、前記ばね板ナットを前記複
数薄金属板の一方の面側に変形させるとともに、前記皿
ばね座金を前記複数薄金属板の他方の面側に変形させる
ことにより締結することを特徴とする薄金属板締結方法
である。
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の
形態に係る薄金属板締結部材を構成するばね板ナットの
断面図であり、図2は本発明(請求項1、2、5)の実
施の形態に係る薄金属板締結部材により2枚の薄金属板
を締結した状態を示す断面図である。図中符号1は、本
発明の実施の形態に係る薄金属板締結部材を構成するド
リリングタッピンねじであって、その軸部1aには締結
する各薄金属板板厚より小さいピッチのねじ山(ねじ部
1d)が形成されている。後述するように、1枚当たり
の被締結薄金属板板厚は0.5〜3mmが好ましく、こ
れより、ねじピッチは0.2〜1.5mm程度が好まし
い範囲となる。また、軸部1aの一端部にはドリル部1
b、他端部には軸部1a直径より大径の頭部1cが一体
に形成されている。ねじ山のピッチを各薄金属板板厚よ
り小さくしているので、ドリリングタッピンねじ1が各
薄金属板を貫通したとき、該各薄金属板にめねじが1ピ
ッチ以上形成されるため、ドリリングタッピンねじ1と
該各金属板とがねじ結合により確実に締結される効果が
ある。ドリル部1bは、とがり先のものでも切り刃先の
ものでもよく、締結する薄金属板の材質、板厚などによ
り適宜選択し得るものである。軸部1aの外径(ねじ
径)は、ドリル部1bの穴開け性能や軸部1aの耐座屈
性を考慮して1枚当たりの板厚の2倍程度とすることが
好ましい。したがって、1枚当たりの板厚を0.5〜3
mmとした場合、M1〜M6程度が好ましい範囲とな
る。なお、ドリリングタッピンねじ1の材質を、締結さ
れる薄金属板の材質より高強度・高硬度のものとすれ
ば、技術的にはねじ径をさらに小さくしてM1未満のも
のを製造することも可能であるが、ねじ径を小さくする
とドリリングタッピンねじ1をねじ込むための電動ドリ
ルをより高速回転・高性能とする必要があり、市販の電
動ドリルをそのまま用いることができず専用の電動ドリ
ルが必要となることからも、M1以上とすることが望ま
しい。また頭部1cは、軸部1a直径より大径であれば
その形状に制限はなく、図2に示した丸頭の他、四角
頭、六角頭などでもよく、外観を重視する場合には皿頭
を用いてもよい。そして、頭部1c上面には、ドリリン
グタッピンねじ1の回転手段として、−状溝、+状溝、
六角穴、四角穴などが形成されている必要がある。ま
た、ドリリングタッピンねじ1の材質は、締結する薄金
属板と材料強度や硬度が同等程度以上のものであれば特
に限定されるものではなく、例えば、通常の炭素鋼を用
いることができるが、耐食性を要求される場合には、ス
テンレス鋼や高強度アルミニウム合金などを用いてもよ
い。図1に示すばね板ナット2は、ドリリングタッピン
ねじ1と同様、炭素鋼、ステンレス鋼、高強度アルミニ
ウム合金など剛性を持つ材料により、ねじ穴を有しない
皿形状に形成されたものであり、その厚みは、薄すぎる
と強度上問題となること、および上記と同様、確実な締
結を達成するため、ドリリングタッピンねじ1の貫通時
に1ピッチ以上のめねじが形成される厚みとする。そし
て、ばね板ナット2の凹面2aの底部中央部に予めポン
チなどにより窪み2dを形成しておき、ドリリングタッ
ピンねじ1のドリル部1b先端によるねじ立て位置が中
心からずれること(いわゆるセンターずれ)を防止する
構造としておくことも好ましい。さらに、ドリリングタ
ッピンねじ1によるねじ立て時にばね板ナット2が連れ
回りしないように、ばね板ナット2の、被締結薄金属板
と接する縁部2cの表面に予めローレット加工や切り欠
き、凹凸などの滑り止め加工を施しておくことが好まし
く、ドリリングタッピンねじ1を締め込むことによりば
ね板ナット2を変形させてその凹面2a底部が被締結薄
金属板に接触するような締結を行った場合、締結後の高
振動によってもばね板ナット2の緩みが生じにくいよう
凹面2aの表面にも上記と同様の滑り止め加工を施して
おくことがさらに好ましい。また、ばね板ナット2の径
は、高振動下で用いても緩みが生じないように、ねじ径
の2倍以上とすることが好ましい。このドリリングタッ
ピンねじ1とばね板ナット2とからなる薄金属板締結部
材を用いて締結される薄金属板の1枚当たりの厚みは
0.5〜3mmが好ましい。0.5mm未満では、金属
板が薄すぎてめねじを1ピッチ以上形成することが難し
く、3mm超ではドリリングタッピンねじ1を金属板に
ねじ込む途中でドリル部1bの刃先が鈍化して貫通でき
ない場合もあるからである。なお、締結される薄金属板
の枚数は、図2および3に示す2枚に限るものではな
く、3枚以上であってもよい。また、締結される薄金属
板の材質は、特に制限されるものではなく、異種材料間
(例えば、鋼板とアルミニウム合金板)の締結はもちろ
ん、同種材料同士(例えば、鋼板と鋼板、アルミニウム
合金板とアルミニウム合金板)を締結する場合であって
もよい。図3は、本発明(請求項1、2、5)の実施に
係るドリリングタッピンねじ1とばね板ナット2とから
なる薄金属板締結部材を用いて複数枚(図3においては
2枚)の薄金属板を重ねて締結する方法の一例を説明す
る図である。図3において、Bは電動ドリル、Cは締結
用作業台、Dは板固定手段、Eはねじ先端切断手段であ
る。図3に示すように、締結用作業台Cには、その板保
持面C1にばね板ナット2を保持する凹部C2が設けら
れ、さらにその凹部C2の底部中央部には孔部C3を設
け、ドリリングタッピンねじ1のドリル部1b先端がば
ね板ナット2を貫通したときに下に突き出せる構造とし
ている。また、凹部C2の真上にドリリングタッピンね
じ1をねじ込むための電動ドリルBが昇降自在に設けら
れるとともに、複数枚の重ねた薄金属板Aを上から板保
持面C1に押し付けて固定する板固定手段Dが昇降自在
に構成されている。板固定手段Dとして、例えば、図3
に示すように、電動ドリルBが昇降する空間の周囲にば
ね付きの押え部材D1が複数個配置され、それらが電動
ドリルBの昇降に連動して機構的に上下するように構成
されたもの、あるいは押え部材D1を普通鋼で製作する
とともに、押え部材D1の真下の板保持面C1に電磁石
を埋め込み、その電磁石への通電の有無により押え部材
D1を着脱させる等の手段を用いることができる。締結
に際しては、先ず、ばね板ナット2をその凹面側を上方
に向けて凹部C2に嵌め込む。凹部C2の径は、ばね板
ナット2を嵌め込みやすくする一方、嵌め込んだ後、ば
ね板ナットの中心位置があまり片寄らないよう、ばね板
ナット2の径より少しだけ大きくしておくことが望まし
い。また、凹部C2の深さは、ばね板ナット2の全体厚
みと同等あるいはやや浅めとして、複数薄金属板Aが板
固定手段Dにより板保持面C1に押し付けられたとき
に、最下部の薄金属板Abとばね板ナット2が当接する
ようにしておくことが望ましい。つまり、凹部C2の深
さが深過ぎると、ばね板ナット2と最下部の薄金属板A
bとの間に隙間ができ、ドリリングタッピンねじ1のド
リル部1bがばね板ナット2にねじ切りをする際に連れ
回りを起してしまう問題が生じる一方、凹部C2の深さ
が浅すぎると、ばね板ナット2が板保持面C1より上方
に突き出るため複数薄金属板Aが板保持面C1から浮き
上がってしまい、ドリリングタッピンねじ1のねじ込み
作業が不安定となるからである。次に、重ねた複数枚の
薄金属板Aを、その複数薄金属板Aにドリリングタッピ
ンねじ1を打ち込む位置が電気ドリルBの真下となるよ
うに板保持面C1上にセットする。そして、板固定手段
Dを下降させて複数薄金属板Aを板保持面C1に押し付
けて固定した後、電気ドリルBを、その先端にドリリン
グタッピンねじ1を保持して下降させ、ねじ先端を複数
薄金属板Aの上面A1に接触させた後、ドリルBを回転
させてドリリングタッピンねじ1をそのドリル部1bで
複数薄金属板A(At、Ab)を順次穿孔しながらねじ
込んでいく。ドリル部1b先端が複数薄金属板A(A
t、Ab)を貫通した後、さらにばね板ナット2を穿孔
して貫通する。ここで、図2に示すように、ドリリング
タッピンねじ1の軸部1aはねじ切りされているが、ね
じ形成に用いられるねじ加工工具の構造上、頭部1c直
下には不完全ねじ部1eが少なくとも0.5〜1ピッチ
分程度は必ず存在し、ドリリングタッピンねじ1がねじ
込まれていき、その頭部1cが複数薄金属板Aの上面A
1に接触した後、さらにこの不完全ねじ部1e分を締め
込むに際し、ドリリングタッピンねじ1自身は、その頭
部1cが上面A1に拘束されてそれ以上下方に移動でき
ずその位置で回転する一方、ばね板ナット2にはドリリ
ングタッピンねじ1のねじ部1dがねじ込まれ、ばね板
ナット2はその縁部2cで複数薄金属板Aの下面A2に
拘束されているためその凹面2a側が下面A2側に引き
寄せられて弾性変形(一部塑性変形してもよい)し、ば
ね板ナット2がその縁部2cを介して下面A2に強く押
し付けられる。以上により、複数薄金属板A(At、A
b)はドリリングタッピンねじ1によりねじ結合される
とともに、弾性変形したばね板ナット2で強く押し付け
られるので、リベット結合で問題となる板材の回転は起
らない。また、ドリリングタッピンねじ1で最下面の薄
金属板Abを穴開けした際にできるバリ(付着切削屑や
端部突起など)は、ばね板ナット2により隠されること
から、締結部の美観が重視される場合においても締結作
業後にバリ取りなどの作業を必要としないメリットもあ
る。なお、ばね板ナット2を貫通したドリル部1b先端
部が美観上問題となる場合には、例えば、図3に示すよ
うに、孔部C3に刃先が突き出るように構成した、ねじ
先端切り落とし手段E等を設けておけばよい。なお、本
発明(請求項1、2、5)の別の実施形態として、図4
に示すような、頭部1c直下の軸部1aにねじ切りがな
されていない非ねじ部1fを、複数薄金属板A(At、
Ab)の合計厚みと同等またはそれより少し長目に残し
たドリリングタッピンねじ1を用いてもよい。この場
合、このドリリングタッピンねじ1をその頭部1cが複
数薄金属板Aの上面A1に接触するまでねじ込んで、ね
じ部1dを複数薄金属板A(At、Ab)の合計厚みを
完全に通過させた後、さらにドリリングタッピンねじ1
の回転を継続させると、複数薄金属板A(At、Ab)
の厚みの部分には非ねじ部1fが存在するので空回りす
るが、ばね板ナット2にはねじ部1dがねじ込まれるの
でばね板ナット2の凹面2a側が複数薄金属板Aの下面
A2側に弾性変形(一部塑性変形してもよい)しつつ引
き寄せられ、遂には凹面2a底部が下面A2と接触す
る。したがって、この場合には、図2の場合と異なり、
複数薄金属板A(At、Ab)とドリリングタッピンね
じ1とはねじ結合されないが、その替わりに、ばね板ナ
ット2が図2の場合よりさらに大きく変形してより強い
弾性力で下面A2に押し付けられるとともに、ばね板ナ
ット2と下面A2との接触面積が増大してより大きな摩
擦力が生じるので、高振動下においても緩みの問題は生
じない。図5は本発明(請求項3、4、6)の実施の形
態に係る薄金属板締結部材により2枚の薄金属板を締結
した状態を示す断面図である。図5において、ドリリン
グタッピンねじ1およびばね板ナット2は、図2に示す
ものと同様のものである。図5中、符号3は、皿ばね座
金であり、ばね板ナット2と同様、炭素鋼、ステンレス
鋼、高強度アルミニウム合金など剛性を持つ材料によ
り、ねじ穴を有しない皿形状に形成されたものであり、
その厚みは、薄すぎると強度上問題となること、および
確実な締結を達成するためドリリングタッピンねじ1の
貫通時に1ピッチ以上のめねじが形成される厚みとす
る。そして、皿ばね座金3の凸面3bの頂部中央部に予
めポンチなどにより窪み(図示せず)を形成しておき、
ドリリングタッピンねじ1のドリル部1b先端によるね
じ立て位置が中心からずれること(いわゆるセンターず
れ)を防止する構造としておくことも好ましい。さら
に、ドリリングタッピンねじ1によるねじ立て時にばね
板ナット2が連れ回りしないように、皿ばね座金3の、
被締結薄金属板Atと接する縁部3cの表面に予めロー
レット加工や切り欠き、凹凸などの滑り止め加工を施し
ておくことが好ましく、ドリリングタッピンねじ1を締
め込むことにより皿ばね座金3を変形させてその凹面3
aが被締結薄金属板に接触するような締結を行った場
合、締結後の高振動によっても皿ばね座金3の緩みが生
じにくいよう凹面3aの表面にも上記と同様の滑り止め
加工を施しておくことがさらに好ましい。また、皿ばね
座金3の径は、高振動下で用いても緩みが生じないよう
に、ねじ径の2倍以上とすることが好ましい。本締結部
材を用いて複数枚の薄金属板を締結する方法としては、
図示していないが、図3と同様の装置を用い、ばね板ナ
ット2、複数薄金属板Aの順にセットし、さらに皿ばね
座金3の凹面3a側を下に向けて複数薄金属板Aの上面
A1上に当接した後、その皿ばね座金3の凸面3b側か
らドリリングタッピンねじ1をねじ込めばよい。ドリリ
ングタッピンねじ1およびばね板ナット2に加えて、皿
ばね座金3を組合せて用いることにより、さらに確実な
締結を実現できる。
【発明の効果】以上述べたように、請求項1、2、5の
発明によれば、複数金属板、特に異種金属板を、板材や
締結部材の強度低下を招くことなく、また予めねじ穴を
形成しておく必要がなく、簡易かつ確実に締結できる。
また、請求項3、4、6の発明によれば、上記請求項
1、2、5の発明に比べ、より確実な締結を実現でき
る。すなわち、本発明により、複数金属板の締結作業の
作業性が大幅に改善されるとともに、締結部の耐久性が
向上し、構造物の製造コスト低減が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る薄金属板締結部材を
構成するばね板ナットの断面図である。
【図2】本発明(請求項1、2、5)の実施の形態に係
る薄金属板締結部材により複数薄金属板を締結した状態
を示す断面図である。
【図3】本発明(請求項1、2、5)の実施に係る薄金
属板締結部材を用いて複数薄金属板を締結する方法の一
例を説明する図である。
【図4】本発明(請求項1、2、5)の別の実施の形態
に係る薄金属板締結部材により複数薄金属板を締結した
状態を示す断面図である。
【図5】本発明(請求項3、4、6)の実施の形態に係
る薄金属板締結部材により複数薄金属板を締結した状態
を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ドリリングタッピンねじ 1a…軸部、1b…ドリル部、1c…頭部、1d…ねじ
部、1e…不完全ねじ部、1f…非ねじ部 2…ばね板ナット 2a…凹面、2c…縁部、2d…窪み 3…皿ばね座金 3a…凹面、3b…凸面、3c…縁部 A…複数薄金属板 At…最上部の薄金属板、Ab…最下部の薄金属板、 A1…上面、A2…下面 B…電動ドリル C…締結用作業台 C1…板保持面、C2…凹部、C3…孔部 D…板固定手段 D1…押え部材 E…ねじ先端切り落とし手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相本 秀一 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 杵渕 雅男 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 3J001 FA02 GA01 GB01 HA02 JA01 JB01 KA19 KA26 KB01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄金属板を複数枚重ねて締結する、ドリ
    リングタッピンねじと、ばね板ナットとの組合せにより
    構成された薄金属板締結部材であって、前記ドリリング
    タッピンねじは、前記薄金属板板厚より小さいピッチの
    ねじ山が形成された軸部と、該軸部の一端部に形成され
    たドリル部と、前記軸部の他端部に形成された軸部直径
    より大径の頭部とからなり、前記ばね板ナットは、皿形
    状でねじ穴を有さず、前記ピッチより大きな板厚を備え
    たことを特徴とする薄金属板締結部材。
  2. 【請求項2】 複数の前記薄金属板を締結するに際し、
    前記薄金属板の一方の面に、前記ばね板ナットがその凹
    面側を向けて当接され、前記ドリリングタッピンねじが
    前記複数薄金属板の他方の面側からねじ込まれることに
    より締結することを特徴とする請求項1に記載の薄金属
    板締結部材。
  3. 【請求項3】 薄金属板を複数枚重ねて締結する、ドリ
    リングタッピンねじとばね板ナットと、皿ばね座金との
    組合せにより構成された薄金属板締結部材であって、前
    記ドリリングタッピンねじは、前記薄金属板板厚より小
    さいピッチのねじ山が形成された軸部と、該軸部の一端
    部に形成されたドリル部と、前記軸部の他端部に形成さ
    れた軸部直径より大径の頭部とからなり、前記ばね板ナ
    ット及び前記皿ばね座金は、ともに皿形状でねじ穴を有
    さず、前記ピッチより大きな板厚を備えたことを特徴と
    する薄金属板締結部材。
  4. 【請求項4】 複数の前記薄金属板を締結するに際し、
    前記薄金属板の一方の面に、前記ばね板ナットがその凹
    面側を向けて当接されるとともに、他方の面に、前記皿
    ばね座金がその凹面側を向けて当接され、前記ドリリン
    グタッピンねじが前記皿ばね座金側からねじ込まれるこ
    とにより締結することを特徴とする請求項3に記載の薄
    金属板締結部材。
  5. 【請求項5】 ドリリングタッピンねじと、ばね板ナッ
    トとの組合せにより構成された薄金属板締結部材によ
    り、薄金属板を複数枚重ねて締結する薄金属板締結方法
    であって、前記ドリリングタッピンねじは、前記薄金属
    板板厚より小さいピッチのねじ山が形成された軸部と、
    該軸部の一端部に形成されたドリル部と、前記軸部の他
    端部に形成された軸直径より大径の頭部とからなり、前
    記ばね板ナットは、皿形状でねじ穴を有さず、前記ピッ
    チより大きな板厚を備え、前記薄金属板の一方の面に、
    前記ばね板ナットをその凹面側を向けて当接し、前記ド
    リリングタッピンねじを前記薄複数金属板の他方の面側
    からねじ込んで前記ばね板ナットまで貫通させ、前記ば
    ね板ナットを前記複数薄金属板の一方の面側に変形させ
    ることにより締結することを特徴とする薄金属板締結方
    法。
  6. 【請求項6】 ドリリングタッピンねじとばね板ナット
    と皿ばね座金との組合せにより構成された薄金属板締結
    部材により、薄金属板を複数枚重ねて締結する薄金属板
    締結方法であって、前記ドリリングタッピンねじは、前
    記薄金属板板厚より小さいピッチのねじ山が形成された
    軸部と、該軸部の一端部に形成されたドリル部と、前記
    軸部の他端部に形成された軸直径より大径の頭部とから
    なり、前記ばね板ナット及び前記皿ばね座金は、ともに
    皿形状でねじ穴を有さず、前記ピッチより大きな板厚を
    備え、前記薄金属板の一方の面に、前記ばね板ナットを
    その凹面側を向けて当接するとともに、他方の面に、前
    記皿ばね座金をその凹面側を向けて当接し、前記ドリリ
    ングタッピンねじを前記皿ばね座金側からねじ込んで前
    記ばね板ナットまで貫通させ、前記ばね板ナットを前記
    複数薄金属板の一方の面側に変形させるとともに、前記
    皿ばね座金を前記複数薄金属板の他方の面側に変形させ
    ることにより締結することを特徴とする薄金属板締結方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7281009B1 (ja) 2022-11-07 2023-05-24 大成建設株式会社 建築資材、および取付金物

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CN102808826B (zh) * 2011-11-22 2014-05-21 凯迈(洛阳)环测有限公司 管状立杆用锁紧机构及使用该锁紧机构的管状立杆装置
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JP2024067665A (ja) * 2022-11-07 2024-05-17 大成建設株式会社 建築資材、および取付金物

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