JP2003027336A - ポリエステル複合繊維の製造方法 - Google Patents

ポリエステル複合繊維の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】紡糸操業性が優れ、仮撚工程での白粉発生や糸
切れ等の問題点が少ない2成分複合繊維の製造法を提供
する。 【解決手段】アルカリ減量速度が異なる2成分を用いた
複合繊維であって、成分Aには90%以上がエチレンテ
レフタレートであり、極限粘度の最大値[η]maxと最
小値[η]minの比が 1.0≦[η]max/[η]min
≦1.02を満足する直接連続重合方法で得られたポリ
エステルを用い、成分Bとして、極限粘度の最大値
[η]maxと最小値[η]minの比が 1.0≦[η]ma
x/[η]min≦1.02を満足する直接連続重合方法で
得られたアルカリ水易溶ポリエステルを用いることを特
徴とするポリエステル複合繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ減量工程
において一成分を完全に溶解除去する事により分割され
て極細繊維、或いは中空繊維となる2成分複合繊維の製
造方法に関する。更に詳しくは、紡糸工程、延伸工程、
仮撚工程、製織工程において耐熱性が良く、糸切れ、毛
羽の問題が起こらない2成分複合繊維の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来からアルカリ水易溶ポリエステルを
一成分とする分割型複合繊維は、極めて細繊度の極細糸
を得る目的で製造され、特公昭63−20939号公報
や特公平8−14042号公報に開示される様に、アル
カリ処理により分割成分の少なくとも一部を溶出して分
割糸とし、スウェード調高密度織編物或いは優雅な光沢
と柔軟な風合いを持つ絹様織編物に用いられる。
【0003】また、アルカリ水易溶ポリエステルを芯成
分に使用し、アルカリ減量処理後に中空化或いは、溝を
形成させて疎水性であるポリエステル繊維に吸水、速乾
性を持たせる織、編物に用いられている。
【0004】該アルカリ水易溶ポリエステルとしては、
酸成分として金属スルホネート含有イソフタル酸成分
を、グリコール成分としては平均分子量が高いポリアル
キレングリコールを用いたものが主流となっており、例
えば該ポリエステルを使用した複合繊維は特許第254
6802号や特公昭63−20939号公報に記載され
ている。
【0005】従来、かかるアルカリ水易溶ポリエステル
を製造する方法は、特開昭62−89725号公報記載
の様にテレフタル酸ジメチルを用いたエステル交換法
(以下DMT法と称する)が主流であり、DMT法では
バッチ式製造方法が一般的である。また、テレフタル酸
を用いた直接重合法(以下直重法と称する)に関する製
造方法として、特公昭58−45971号公報記載の方
法があるが、これもバッチ式製造方法である。
【0006】バッチ式製造法を用いると、ポリマー押し
出しの経時変化により押し出し開始時のポリマー粘度と
押し出し終了時のポリマー粘度に相違が生じ、また、バ
ッチ数が増えると釜内残存ポリマーが劣化した異物が混
入したり、バッチ間のポリマー物性差が大きくなるとい
う問題があった。これを改善する為に、バッチ数を減ら
したり、ポリマーペレットをブレンドするという対策が
為されるが、本ポリマーを用いて複合繊維を紡糸すると
ポリマー物性斑に起因する毛羽や糸切れが多発するとい
う問題があった。
【0007】一方、特開平6−306734号公報に
は、アルカリ溶液処理後の極細繊維として、カチオン可
染ポリエステルが用いられている。該極細繊維の場合、
カチオン染料にて染色可能であるので極細化されても十
分濃色化が可能であることが記載されている。
【0008】しかしながら、該複合繊維においても、ア
ルカリ水易溶成分及びカチオン可染成分に使用されてい
るポリエステルはバッチ式重合方法でしか得ることは出
来なかったので、紡糸操業性が不安定であり、且つ仮撚
工程等での白粉発生などの工程的問題点があり、更にポ
リマー物性が不安定な為に染色斑や経筋、緯筋など品位
の悪い複合繊維しか得ることが出来なかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の欠点を解消し、紡糸操業性が優れ、仮撚工程での白
粉発生や糸切れ等の問題点が少ない2成分複合繊維を安
価に提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明らは、上記の課題
を解決する為に鋭意検討を行った結果、アルカリ減量速
度が異なる2成分複合繊維に於いて、アルカリ減量処理
後に残存する成分A、及びアルカリ水易溶成分であるポ
リエステルを直接連続重合方法で製造して、且つ得られ
たポリエステルの極限粘度バラツキを少なくすれば紡糸
操業性に優れ、仮撚工程等の後工程にて糸切れ、白粉な
どの問題が解消されることを見出した。
【0011】すなわち本発明の構成は、アルカリ減量速
度が異なる2成分を用いた複合繊維であって、成分Aに
は90%以上がエチレンテレフタレートであり、極限粘
度の最大値[η]maxと最小値[η]minの比が 1.0
≦[η]max/[η]min≦1.02を満足する直接連続
重合方法で得られたポリエステルを用い、成分Bとし
て、極限粘度の最大値[η]maxと最小値[η]minの比
が 1.0≦[η]max/[η]min≦1.02を満足す
る直接連続重合方法で得られたアルカリ水易溶ポリエス
テルを用いることを特徴とするポリエステル複合繊維の
製造方法にかかるものである。
【0012】また、成分Aとして、金属スルホネート基
含有イソフタル酸成分を1.0〜3.0モル%含有する
直接連続重合方法で得られ、且つ極限粘度の最大値
[η]maxと最小値[η]minの比が 1.0≦[η]ma
x/[η]min≦1.02を満足するカチオン可染ポリエ
ステルであることを特徴とするポリエステル複合繊維の
製造方法に関するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に於いて、アルカリ水易溶成分Bのポリエステル
重合体は、5−金属スルホイソフタル酸ジメチル(以下
SIPMと称する)又はSIPMのジメチル基をエチ
レングリコールでエステル化させた化合物(以下 SI
PEと称する)及びポリエステルアルキレングリコール
から構成される。
【0014】SIPM又はSIPE中金属はナトリウ
ム、カリウム、リチウムなどが用いられるが、最も好ま
しいのはナトリウムである。また、直接連続重合方法に
於いて、スラリー安定性の為にはSIPEを使用するこ
とが好ましい。
【0015】SIPEの共重合率はポリマーの酸成分中
2.0〜3.0モル%とするのが好ましい。この範囲で
あれば、アルカリ水に対する溶解性に優れ、且つ溶融紡
糸工程での操業性にも優れている。
【0016】アルカリ水易溶成分B重合体の一方の構成
成分である、ポリアルキレングリコールとしては、一般
式 HO(Cn2nO)mH(但し、n、mは正の整数)で
表されるもので、n=2のポリエチレングリコール(以
下PEGと称す)が汎用的で最も好ましい。
【0017】本発明に用いるPEGの分子量は、100
0〜10000が好ましい。この範囲であれば、溶融紡
糸時の加水分解が起こらず操業性が良い。また、重合反
応性も優れている。
【0018】PEGの共重合量は、ポリマーに対して
9.0〜13.0重量%とするのが好ましい。この範囲
であれば、アルカリ水に対する溶解性に優れており、且
つポリマーの耐熱性も良い。
【0019】本発明に於いて最も重要である事はアルカ
リ水易溶成分Bの極限粘度は、極限粘度の最大値[η]
maxと最小値[η]minの比が 1.0≦[η]max/
[η]min≦1.02 である。[η]max/[η]min
が上記範囲から外れると、溶融紡糸時の糸切れが多発
し、紡糸濾過性が悪い為紡糸口金寿命が短くなる等、操
業性に劣る。
【0020】該アルカリ水易溶成分Bの重合体は直接連
続重合方法によって製造されるものであり、図面を用い
てその概要を以下説明する。(図1)はアルカリ水易溶
成分Bの重合体を製造する直接連続重合装置を示した概
略図である。スラリー化槽1でテレフタル酸とグリコー
ルをスラリー化させた後、金属スルホネート基含有イソ
フタル酸化合物を投入口aから1に投入しスラリー化さ
せる。その後、第1エステル化槽2へ該スラリーを連続
的に供給してエステル化反応させオリゴマーを形成させ
る。更に生成したオリゴマーを第2エステル化槽3へ逐
次供給し、ポリアルキレングリコールを投入口bにて添
加する。しかる後、重合槽4へ該オリゴマーを逐次連続
的に供給して真空下で所定の重合度まで連続的に重合反
応を行う。所定の重合度になったポリマーは重合槽4の
ポリマー排出口(図示せず)から細孔を通して水浴中に
押し出され、押し出された索をカッターによりチップ化
する。
【0021】本発明の複合繊維に於いてアルカリ減量速
度が遅く減量処理後に残存する成分Aとしては、イソフ
タル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシ
ン酸等の脂肪族ジカルボン酸もしくはこれらのエステル
類と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
1、4−ブタンジオール、などのジオール化合物から構
成される構成単位の90モル%以上がポリエチレンテレ
フタレートであるポリエステルが用いられる。
【0022】特に、酸成分として金属スルホネート基含
有イソフタル酸成分を1.0〜3.0モル%含有する所
謂カチオン可染ポリエステルの場合、成分Bと同様、直
接連続重合方法で得られたポリエステルを用いることが
好ましい。
【0023】ここで、該カチオン可染ポリエステル重合
体は、(図1)に於いて、スラリー化槽1でテレフタル
酸とグリコールをスラリー化させた後、金属スルホネー
ト基含有イソフタル酸化合物を投入口aから1に投入し
スラリー化させ、その後、第1エステル化槽2へ該スラ
リーを連続的に供給してエステル化反応させオリゴマー
を形成させ、更に生成したオリゴマーを第2エステル化
槽3へ逐次供給し、しかる後、重合槽4へ該オリゴマー
を逐次連続的に供給して真空下で所定の重合度まで連続
的に重合反応を行い、所定の重合度になったポリマーを
排出してチップ化することによって得ることが出来る。
【0024】ここで、SIPMの酸成分に対する含有量
は1.0〜3.0モル%の範囲である事が好ましい。濾
過この範囲であれば、カチオン染料による染色性にも優
れ、濾過圧上昇や糸切れという紡糸操業性も良好である
ので好ましい。
【0025】上記した成分Aの極限粘度は、極限粘度の
最大値[η]maxと最小値[η]minの比が 1.0≦
[η]max/[η]min≦1.02 であることが重要で
ある。[η]max/[η]minが上記範囲から外れると、
溶融紡糸時の糸切れが多発し、紡糸濾過性が悪い為紡糸
口金寿命が短くなる等、操業性に劣る。
【0026】以上の様に得られた成分A及び成分Bのポ
リエステルチップは通常の方法で乾燥後、複合紡糸装置
を用いて通常の溶融紡糸を行うことが出来る。
【0027】紡糸方法は特に限定するものでは無く、例
えば未延伸糸を低速で巻き取った後、延撚工程にて延伸
する所謂コンベンショナル法、直接紡糸延伸法(スピン
ドロー法)、高速で巻き取り部分未延伸糸を得るPOY
法が採用される。
【0028】特に、省力化、及び安価生産可能なスピン
ドロー法、POY法を採用することが好ましい。
【0029】本発明における複合繊維に於いて、成分A
及び成分Bの複合比率、配置及び断面形状も特に限定す
るものではないが、極細繊維を目的とする場合、アルカ
リ減量処理後の成分Aの単糸が0.33デシテックス以
下となる事が好ましい。また、アルカリ減量処理後に成
分Aが中空繊維を構成する場合は、アルカリ水易溶成分
Bの一端が繊維外周に現れていることが必要である。
【0030】
【発明の効果】本発明の複合繊維は、紡糸方法に依存せ
ず安定した操業性で生産され、仮撚などの後工程で白粉
発生、糸切れの問題が無く製織、製編され、その後のア
ルカリ減量処理にて効率良く極細繊維或いは中空繊維を
得ることが出来るので、スウェード調織編物や吸水速乾
織編物に効率良く安定的に用いる事が出来る。
【0031】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明する。尚、以下の実施例における特性値は、次に示す
方法によって測定したものである。
【0032】(1)極限粘度[η] 重合チップの極限粘度[η]測定用のサンプル採取は次の
ように行った。、連続重合法で生産されるポリマーチッ
プに関しては、適当な時間間隔でチップを採取してそれ
をサンプルとし、バッチ重合法で生産されるポリマーは
1バッチ毎にポリマー押し出し始めと押し出し終了直前
のチップ、それと押出し途中に適宜チップを採取してそ
れをサンプルとした。サンプルは、フェノール/テトラ
クロロエタン=6/4(重量比)の混合溶剤中20℃で
ウベローデ法により測定した。尚、サンプル数はいずれ
も5個であり、5試料中で最大の極限粘度を[η]max
とし、最小の極限粘度を[η]minとして、それぞれの
測定結果から[η]max/[η]minを算出し、ポリマー
の極限粘度斑の指標とした。
【0033】(2)紡糸操業性 該改質ポリエステルとレギュラーポリエステルを用い、
極細分割型複合繊維の紡糸を所謂POY方式或いは、直
接紡糸延伸方式(以下SPD法と呼称)で行い、紡糸濾
過圧上昇度合い、糸切れ回数から○、△、×にて評価し
た。
【0034】(3)耐熱性 上記極細分割型複合繊維を用いてスピンドル型仮撚機に
て仮撚加工を行い、毛羽、白粉等が発生する仮撚り時の
ヒーター温度を示した。ここで、毛羽、白粉が発生し始
める仮撚り時のヒーター温度が高い程、仮撚り耐熱性が
良好である。
【0035】実施例1 テレフタル酸とエチレングリコール、及びSIPE(酸
成分中2.3モル%)をスラリー槽へ投入し、ここへト
リメチルホスフェート45ppmと酢酸ナトリウム・3
水和物をポリマーに対して600ppm添加してスラリ
ーpHを5.2とし、その後スラリーを第1エステル化
槽へ連続的に供給し270℃、68.6kPaの加圧反
応を行い、第2エステル化槽へ連続的に供給して、該オ
リゴマーへ平均分子量8000のポリエチレングリコー
ルを10重量%、ヒンダードフェノール系抗酸化剤であ
るイルガノックス245(チバガイギー社製)を0.3
重量%、エチレングリコールに溶解した三酸化アンチモ
ンを400ppm添加し、第2エステル化槽内モル比を
1.14としてエステル化反応を常圧下で行い、その
後、連続的に初期重合槽、後期重合槽へ送液して反応温
度280℃にて連続的に重合反応を行い、アルカリ水易
溶成分Bのポリエステルを得た。該アルカリ水易溶成分
Bのポリエステルの極限粘度の最大値と最小値の比は
1.005であった。
【0036】更に、極限粘度[η]=0.630で二酸化
チタンの含有量が0.4重量%のポリエチレンテレフタ
レートを成分Aとして、それぞれを乾燥後に複合紡糸機
に導入した。成分Aと成分Bの容積比率を3:1として
溶融し、紡糸口金から押し出し通常の方法で油剤付与
後、周速3200m/分のゴデッドローラーにて巻取り
128デシテックス/25フィラメントの断面形状が
(図2)である所謂POY糸を得た。紡糸操業性は良好
であり、糸切れ、パック圧上昇等の問題はなく、該複合
繊維を用いて仮撚りを実施してもレギュラーポリエステ
ルと相違なく仮撚り操業性は良好であった。更に、該仮
撚り加工糸を用いたサテン織物の品位は良好であった。
【0037】実施例2 成分Aとして、極限粘度[η]=0.637で二酸化チタ
ン含有量が1.4重量%のポリエチレンテレフタレート
を用いる以外は実施例1と同様にして128デシテック
ス/25フィラメントのPOY糸を得た。紡糸操業性、
仮撚り操業性は(表1)の通りであった。
【0038】実施例3 実施例1に用いた成分A、成分Bのポリエステルを用
い、成分Aと成分Bの容積比率を7:3として溶融し、
紡糸口金から押し出し通常の方法で油剤付与後、周速3
200m/分のゴデッドローラーにて巻取り128デシ
テックス/48フィラメントの断面形状が(図3)であ
るPOY糸を得た。紡糸操業性、仮撚り操業性は(表
1)記載の通りである。
【0039】実施例4 実施例1に用いた成分A、成分Bのポリエステルを用
い、成分Aと成分Bの容積比率を3:1として溶融し、
紡糸口金から押し出し通常の方法で油剤付与後、周速1
300m/分で85℃の加熱ゴデッドローラー1と周速
3800m/分で130℃の加熱ゴデッドローラー2の
間で延伸して断面形状が(図2)で56デシテックス/
25フィラメントの直接紡糸延伸糸(SPD糸)を得
た。紡糸操業性及び仮撚り操業性は(表1)記載の通り
である。
【0040】実施例5 実施例1に用いた成分A、成分Bのポリエステルを用
い、成分Aと成分Bの容積比率を2:1として溶融し、
紡糸口金から押し出し通常の方法で油剤付与後、周速3
200m/分のゴデッドローラーにて巻取り84デシテ
ックス/24フィラメントの断面形状が(図4)であ
り、アルカリ減量処理後に中空糸となるPOY糸を得
た。紡糸操業性、仮撚り操業性は(表1)記載の通りで
ある。
【0041】実施例6 テレフタル酸とエチレングリコール、及びSIPM(酸
成分中1.5モル%)をスラリー槽へ投入し、ここへト
リメチルホスフェート45ppmと酢酸ナトリウム・3
水和物をポリマーに対して700ppm添加してスラリ
ーpHを5.2とし、その後スラリーを第1エステル化
槽へ連続的に供給し270℃、68.6kPaの加圧反
応を行い、第2エステル化槽へ連続的に供給して、エチ
レングリコールに溶解した三酸化アンチモンを400p
pm添加し、第2エステル化槽内モル比を1.14とし
てエステル化反応を常圧下で行い、その後、連続的に初
期重合槽、後期重合槽へ送液して反応温度280℃にて
連続的に重合反応を行い、成分Aのポリエステルを得
た。成分Aのポリエステルの極限粘度の最大値と最小値
の比は1.004であった。
【0042】該成分Aのポリエステルと実施例1と同様
のアルカリ水易溶成分Bのポリエステルを用い、成分A
と成分Bの容積比率を3:1として溶融し、紡糸口金か
ら押し出し通常の方法で油剤付与後、周速3200m/
分のゴデッドローラーにて巻取り128デシテックス/
25フィラメントの断面形状が(図2)であるPOY糸
を得た。紡糸操業性、仮撚り操業性は(表1)記載の通
りである。該複合繊維はカチオン染料で染色可能であ
り、カチオン染色性は良好であり品位も良かった。
【0043】比較例1 成分Bに極限粘度の最大値と最小値の比が1.03であ
るバッチ重合方式で得られたアルカリ水易溶ポリエステ
ルを用いる以外は、実施例1と同様の方法で複合繊維を
紡糸した。紡糸時の濾過圧上昇が、実施例1に比較して
早く、紡糸糸切れ発生が多く操業性は悪かった。更に、
該POY糸を用いて仮撚加工を実施すると、白粉が発生
し問題となった。
【0044】比較例2 成分Aに極限粘度の最大値と最小値の比が1.025で
あるポリエステルを用いる以外は実施例1と同様に複合
繊維を紡糸した。得られたPOY糸にて仮撚加工を実施
すると白粉発生などの問題はなかったが、紡糸操業性は
非常に悪かった。
【0045】比較例3 成分Aに極限粘度の最大値と最小値の比が1.04のバ
ッチ重合方式で得られたSIPMの対酸成分含有率が
1.5モル%のカチオン可染ポリエステルを用いる以外
は実施例6と同様に複合繊維を紡糸した。紡糸時の濾過
圧は2日で上限まで上昇し、また糸切れ発生が多く紡糸
操業性は非常に悪かった。
【0046】比較例4 成分AにSIPMの対酸成分含有率が3.5モル%であ
り、且つ極限粘度の最大値と最小値の比が1.015で
ある直接連続重合方法で得られたカチオン可染ポリエス
テルを用いる以外は実施例6と同様に複合繊維を紡糸し
た。紡糸時の濾過圧は急上昇し、また紡糸操業性も悪か
った。
【0047】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用されるポリエステルを製造する工
程の概略を示した図である。
【図2】本発明の極細分割型複合繊維の断面図である。
【図3】本発明の極細分割型複合繊維の断面図である。
【図4】本発明の中空型複合繊維の断面図である。
【符号の説明】 1 スラリー化槽 2 第1エステル化槽 3 第2エステル化槽 4 重合槽 a,b,c 改質剤等投入口 5 アルカリ水易溶成分B 6 アルカリ減量処理後に残留する成分A
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L041 AA07 BA05 BA11 BA16 BA21 BC01 CA06 DD11 DD14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ減量速度が異なる2成分を用い
    た複合繊維であって、成分Aには90%以上がエチレン
    テレフタレートであり、極限粘度の最大値[η]maxと
    最小値[η]minの比が 1.0≦[η]max/[η]mi
    n≦1.02を満足する直接連続重合方法で得られたポ
    リエステルを用い、成分Bとして、極限粘度の最大値
    [η]maxと最小値[η]minの比が 1.0≦[η]ma
    x/[η]min≦1.02を満足する直接連続重合方法で
    得られたアルカリ水易溶ポリエステルを用いることを特
    徴とするポリエステル複合繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 成分Aが金属スルホネート基含有イソフ
    タル酸成分を1.0〜3.0モル%含有する直接連続重
    合方法で得られ、且つ極限粘度の最大値[η]maxと最
    小値[η]minの比が 1.0≦[η]max/[η]min
    ≦1.02を満足するカチオン可染ポリエステルである
    ことを特徴とする請求項1記載のポリエステル複合繊維
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016196714A (ja) * 2015-04-03 2016-11-24 Kbセーレン株式会社 合成繊維

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