JP2010168707A - 常圧カチオン可染性ポリエステルマルチ繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリエステル廃棄物を原料モノマーまで解重合した後再度重合したリサイクルポリマーを利用した、常圧下でのカチオン染色が可能で、且つ高吸水・速乾性を有する常圧カチオン可染性ポリエステルマルチ繊維を提供する。
【解決手段】ポリエステル廃棄物を原料モノマーまで解重合した後、再度重合したポリエステルを使用し、酸成分中に、スルホイソフタル酸の金属塩(A)、および特定の化合物(B)を、特定の数式を同時に満足する条件で含有する常圧カチオン可染ポリエステルからなり、その単繊維横断面に、突起係数が0.3〜0.7の、繊維断面コアー部から外側へ突出したフィン部が3〜6個存在することを特徴とする常圧カチオン可染性ポリエステルマルチ繊維とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル廃棄物を原料モノマーまで解重合した後再度重合したリサイクルポリマーを利用した、常圧下でカチオン染料に可染性である常圧カチオン可染ポリエステルよりなる、高度に異型化された繊維断面を有する、常圧カチオン可染性ポリエステルマルチ繊維に関する。
ポリエステルはその優れた特性を生かし衣料用布帛素材として広く使用されている。衣生活の多様化、高級化、個性化と共に、天然繊維が持つ好ましい性能、例えば吸水性能をポリエステル繊維に付与する試みが続けられている。さらに、ランニングシャツあるいはゴルフシャツなどのスポーツ衣料用途においては、汗をかいても快適な状態が維持されるように、吸水性能に加え、速乾性も備えた布帛が使用されるようになり、ポリエステル繊維でも吸水・速乾性能の実現が望まれている。ポリエステル繊維に吸水・速乾性能を付与する方法として、繊維断面を異型化することにより、高吸水・速乾性素材を得る方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、ポリエチレンテレフタレートを代表とするポリエステル繊維は、その化学的特性から分散染料、アゾイック染料でしか染色できないため、鮮明且つ深みのある色相が得られにくいという欠点があった。かかる欠点を解消する方法として、ポリエステルにスルホイソフタル酸の金属塩を2〜3モル%共重合する方法が提案されている(例えば特許文献2,3参照)。
しかしながら、かかる方法によって得られるポリエステル繊維は、高温・高圧下でしか染色することができず、天然繊維やウレタン繊維などと交編、交織した後に染色すると、天然繊維、ウレタン繊維が脆化するという問題があった。これを常圧、100℃付近の温度で十分に染色しようとすれば、スルホイソフタル酸の金属塩を多量に共重合されることが必要となるが、この場合、スルホネート基による増粘効果から、ポリエステルの重合度を高くすることができず、溶融紡糸にて得られるポリエステル繊維の強度が著しく低下し、さらに紡糸操業性が著しく悪化するという問題があった。
一方、このような問題を解決するため、イオン結合性分子間力の小さいカチオン可染モノマーを共重合する技術が開示されている(例えば特許文献4,5参照)。イオン結合性分子間力の小さいカチオン可染モノマーとしては、5−スルホイソフタル酸テトラブトキシホスホネートなどが例示されているが、これらのカチオン可染モノマー共重合ポリエステルは熱安定性が悪く、常圧カチオン可染化させるため、共重合量を増加させようとしても、重合反応途中で熱分解が進行し、高分子量化させることが困難であった。さらに溶融紡糸する際の熱履歴による分解が大きく、結果として得られる糸の強度が弱くなるという欠点を有していた。また、使用する5−スルホイソフタル酸テトラブトキシホスホネートは非常に高価であり、結果として得られるカチオン可染性ポリエステルのコストが大幅に増大するという問題があった。
かかる問題を解決する方法として、スルホイソフタル酸の金属塩に加え、分子量が2000以上のポリエチレングリコールを共重合する方法、アジピン酸、セバシン酸などの直鎖炭化水素のジカルボン酸を共重合する方法、あるいはジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールのようなグリコール成分を共重合する方法が提案されている。(例えば特許文献6,7参照)
しかしながら、これらいずれの方法でも得られたポリエステルを溶融紡糸して得られる常圧カチオン可染性ポリエステル繊維の強度が低くなり、強いては得られる布帛の引き裂き強度が低下する、更には染色堅牢度が低いなどの問題があった。
また、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合したポリエステルを鞘部に、95モル%以上がエチレンテレフタレートの繰返し単位からなるポリエステルを芯部に配した複合繊維が提案されている(例えば特許文献8参照)。しかしながら、鞘部を構成する共重合ポリエステル中のスルホイソフタル酸成分の共重合量には、前述と同様の理由で限界があり、十分な染着性を得ることが困難であること、並びに複合繊維とすることで紡糸工程での加工コストが増加、または繊維断面形状などに制約が生じるなどの課題があった。
一方で、ポリエステル製品の地球環境に対する影響度に関心が高まり、例えばリサイクルポリマーを使用した繊維が望まれてきた。
しかしながら、ポリエステル廃棄物を一般的にいわれるリサイクルポリマーは回収されたPETボトルやポリエステルフィルム製品、更にはこれら製品の製造工程において発生する屑ポリマーなどを粉砕して再溶融するマテリアルリサイクルが知られているが、リサイクル後の繊維で高強度で細繊度で毛羽のない風合い良好なものを得ることは困難であり又薄くて軽量で高強度の上記用途衣料は困難であった。特に異型化された繊維を紡糸する際には糸切れが多発し、著しく生産性が低下することで商業生産が困難であった。
特開2003−166119号公報 特公昭34−10497号公報 特開昭62−89725号公報 特開平1−162822号公報 特開2006−176628号公報 特開2002−284863号公報 特開2006−200064号公報 特開平7−126920号公報
本発明は上記の課題を解決するものであり、ポリエステル廃棄物を原料モノマーまで解重合した後再度重合したリサイクルポリマーを利用した、常圧下でのカチオン染色が可能で、且つ高吸水・速乾性を有する常圧カチオン可染性ポリエステルマルチ繊維を提供するものである。
上記の課題に鑑み本発明者らは鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
即ち本発明によれば、
下記要件を満足することを特徴とする常圧カチオン可染性ポリエステルマルチ繊維、
a)ポリエステルが、芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体として、ポリアルキレンテレフタレートを解重合して得られたリサイクルされたテレフタル酸ジメチルを用い、該テレフタル酸ジメチルが全芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体の80モル%以上を占めるポリエステルからなること。
b)該ポリエステルを構成する酸成分中に、スルホイソフタル酸の金属塩(A)、および下記化学式(1)で表される化合物(B)を、下記数式(1)及び数式(2)を同時に満足する条件で含有する共重合ポリエステルであること。
c)ポリエステル中のジエチレングリコール含有量が2.5重量%以下であり、且つ固有粘度が0.55〜1.0の範囲にあること。
d)単繊維軸に直交する断面において、下記式で定義する突起係数が0.3〜0.7であり、繊維断面コアー部から外側へ突出したフィン部が3〜6個存在すること
突起係数=(a1−b1)/a1
a1:繊維断面内面壁の内接円中心からフィン部頂点までの長さ
b1:繊維断面内面壁の内接円の半径
Figure 2010168707
[上記式中、Rは水素または炭素数1〜10のアルキル基を表し、Xは4級ホスホニウム塩、または4級アンモニウム塩を表す。]
3.0≦A+B≦5.0 (数式:1)
0.2≦B/(A+B)≦0.7 (数式:2)
[ここで、Aはスルホイソフタル酸の金属塩の共重合量(モル%)、Bは上記化学式(1)で表される化合物の共重合量(モル%)を表す。]
が提供される。
本発明のリサイクルされたテレフタル酸ジメチルをエステル交換反応に使用したポリエチレンテレフタレートにより、環境への負荷を低減させ、常圧下でのカチオン染色による染着性が良好且つ高吸水・速乾性を有し、バージンPETを用いた場合と同様の高強度のポリエステル繊維が得られる。
本発明のポリエステルマルチ繊維断面の1実施態様を示した模式図。 本発明で使用する紡糸口金吐出孔の1実施態様を示した模式図。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の常圧カチオン可染性ポリエステルマルチフィラメントに使用されるポリエステルは、下記に記述するリサイクルポリエステルであり、共重合成分としてスルホイソフタル酸の金属塩(A)、及び下記一般式(1)で表される化合物(B)を、下記数式1及び数式2を同時に満足する状態で含有する共重合ポリエステルであることが必要である。
単糸繊度は7dtex以下、且つ束ねられた単糸数が24本以上で、強度が2.0cN/dtex以上、伸度が60%以下、熱水収縮率が22%以下のカチオン可染性ポリエステルマルチフィラメントであることが好ましい。
Figure 2010168707
[上記式中、Rは水素または炭素数1〜10のアルキル基を表し、Xは4級ホスホニウム塩、または4級アンモニウム塩を表す。]
3.0≦A+B≦5.0 数式1
0.2≦B/(A+B)≦0.7 数式2
[ここで、Aはスルホイソフタル酸の金属塩の共重合量(モル%)、Bは上記一般式(1)で表される化合物の共重合量(モル%)を表す。]
本発明のポリエステルマルチ繊維はその単繊維横断面(例えば図1)において下記式で定義する突起係数が0.3〜0.7の、繊維断面コアー部から外側へ突出したフィン部が3〜6個存在することを特徴とする異型断面繊維である。
突起係数=(a1−b1)/a1
a1:繊維断面内面壁の内接円中心からフィン部頂点までの長さ
b1:繊維断面内面壁の内接円の半径
(リサイクルポリエステルの説明)
本発明のポリエステルマルチフィラメントに使用されるポリエステルは芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体としてポリアルキレンテレフタレートを解重合することによって得られたテレフタル酸ジメチルを、ポリエステルを構成する全酸成分を基準として80重量%以上使用する必要がある。
ここで、該ポリアルキレンテレフタレートとしてはポリエチレンテレフタレートが好ましく、特に回収されたボトル、回収されたポリエステル繊維製品、回収されたポリエステルフィルム製品、更にはこれら製品の製造工程において発生する屑ポリマーなど回収されたポリエステルが好ましく用いられる。
ポリアルキレンテレフタレートを解重合することによって得られたテレフタル酸ジメチルが70重量%未満の場合、最終的に得られるポリエステル、あるいはポリエステル繊維中に含まれる成分の内、回収されたテレフタル酸ジメチルに由来する成分の比率が50%を下回ってしまう為、環境にやさしい製品としての効果が少なくなり好ましくない。ポリアルキレンテレフタレートを解重合することによって得られたテレフタル酸ジメチルは好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。
ポリアルキレンテレフタレートを解重合することによって得られたテレフタル酸ジメチルの製造方法については特に限定はないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートをエチレングリコールで解重合した後、メタノールでエステル交換反応し、得られたテレフタル酸ジメチルを再結晶や蒸留で精製する方法が挙げられる。
本発明に用いる、ポリアルキレンテレフタレートを解重合することによって得られたテレフタル酸ジメチル中の不純物ついては、2−ヒドロキシテレフタル酸の含有量が2ppm以下であることが好ましい。
ポリアルキレンテレフタレートを解重合することによって得られたテレフタル酸ジメチルを構成する全酸成分を基準として80重量%以上使用するポリエステルの製造方法としては、芳香族ジカルボン酸のエステル形成誘導体として上記のテレフタル酸ジメチルをエステル交換反応触媒の存在下、アルキレングリコールとしてエチレングリコールとエステル交換反応せしめることによって製造することが好ましい。
(成分Aについての説明)
本発明で使用されるスルホン酸塩基含有芳香族ジカルボン酸成分としては、5−スルホイソフタル酸の金属塩(ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩)、5−スルホイソフタル酸の4級ホスホニウム塩、または5−スルホイソフタル酸の4級アンモニウム塩が例示される。また、これらのエステル形成性誘導体も好ましく例示される。これらの群の中では、熱安定性、コストなどの面から、5−スルホイソフタル酸の金属塩が好ましく例示され、特に、5−スルホイソフタル酸のナトリウム塩およびそのジメチルエステルである5−スルホイソフタル酸ジメチルのナトリウム塩が特に好ましく例示される。
(成分Bについての説明)
また、上記化学式(1)で表される化合物(B)としては、5−スルホイソフタル酸あるいはその低級アルキルアエステルの4級ホスホニウム塩または4級アンモニウム塩である。4級ホスホニウム塩、4級アンモニウム塩としては、アルキル基、ベンジル基、フェニル基が置換された4級ホスホニウム塩、4級アンモニウム塩が好ましく、特に4級ホスホニウム塩であることが好ましい。また、4つある置換基は同一であっても異なっていても良い。上記化学式(1)で表される化合物の具体例としては、5−スルホイソフタル酸テトラブチルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸エチルトリブチルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸ベンジルトリブチルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸フェニルトリブチルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸テトラフェニルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸ブチルトリフェニルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸ベンジルトリフェニルホスホニウム塩、あるいはこれらイソフタル酸誘導体のジメチルエステル、ジエチルエステルが好ましく例示される。
(数式1の説明)
本発明において、ポリエステルに共重合させる成分Aと成分Bの合計は酸成分を基準として、A+Bが3.0〜5.0モル%の範囲である必要がある。3.0モル%より少ないと、常圧下でのカチオン染色では十分な染着を得ることができない。一方、5.0モル%より多くなると、得られるポリエステル糸の強度が低下するため実用に適さない。さらに染料を過剰に消費するため、コスト面でも不利である。
(数式2の説明)
また、成分Aと成分Bの成分比は、B/(A+B)が0.2〜0.7の範囲にある必要がある。0.2以下、つまり成分Aの割合が多い状態では、スルホイソフタル酸金属塩による増粘効果により、得られるポリエステルの重合度を上げることが困難になる。一方、0.7以上、つまり成分Bの割合が多い状態では、反応が遅くなり、さらに成分Bの比率が多くなると分解が進むため重合度を上げることができない。さらに、成分Bの比率多くなると熱安定性が悪化し、溶融紡糸段階で再溶融した際の熱分解による分子量の低下が大きくなるため、得られるポリエステル糸の強度が低下するため、好ましくない。
(DEG量の説明)
本発明における常圧カチオン可染性ポリエステルに含有されるジエチレングリコールは、2.5重量%以下であることが好ましい。
一般にカチオン可染性ポリエステルを製造する際には、ポリエステルの製造工程において副生するジエチレングリコール(DEG)量を抑制するために、DEG抑制剤として少々のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、水酸化テトラアルキルホスホニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、トリアルキルアミンなどの少なくとも1種類を、使用するカチオン可染性モノマー(本発明の場合は化合物(A)及び(B))に対して、1〜20モル%程度を添加することが好ましい。
(固有粘度の説明)
本発明で使用されるポリエステルの固有粘度(溶媒:オルトクロロフェノール、測定温度:35℃)は0.55〜1.0の範囲であることが好ましい。固有粘度が0.55以下である場合、得られるポリエステル繊維の強度が不足し、一方、1.0以上とする場合、溶融粘度が高くなりすぎて溶融成型が困難になるため好ましくなく、また、溶融重合法に引続いて固相重合法により重合ポリエステルの重縮合工程での生産コストが大幅に増大するため好ましくない。常圧カチオン可染性ポリエステルの固有粘度としては、0.60〜0.90の範囲が更に好ましい。
(共重合ポリエステルの製造方法)
本発明における共重合ポリエステルの製造は特に限定されず、通常知られているポリエステルの製造方法が用いられる。すなわち、リサイクルされたテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとをエステル交換反応させて低重合体を製造する。次いでこの反応性生物を重縮合触媒の存在下で化合物A、化合物Bを添加し減圧加熱して所定の重合度になるまで重縮合反応させることにより製造される。
(その他添加剤)
また、本発明における共重合ポリエステルは、必要に応じて少量の添加剤、例えば酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、遮光剤または艶消し剤などを含んでいても良い。特に酸化防止剤、艶消し剤などは特に好ましく添加される。
(製糸方法)
本発明の常圧カチオン可染性ポリエステルマルチフィラメントの製糸方法は、特に制限は無く、従来公知の方法が採用される。すなわち、固有粘度が0.55〜0.80のポリエチレンテレフタレートを通常の条件で乾燥し、スクリュウエクストルーダー等の溶融押出機で溶融し、例えば、特許第3076372号に開示されているような、コアー部形成用円形吐出孔(図2の3)の周囲に間隔を置いて配置された3〜6個、より好ましくは4〜6個、の小円状開口部(図2の5)とスリット状開口部(図2の4)とが連結したフィン部形成用吐出孔を配置した紡糸口金(図2)から吐出し、従来公知の方法で冷却、固化後、2000〜4000m/min、より好ましくは2500〜3500m/minの速度で紡糸捲き取りすることにより容易に得ることができる。
この時、コアー部形成用円形吐出孔の半径(図2のb2)、該円形吐出孔の中心点からフィン部形成用吐出孔の先端部の長さ(図2のa2)等を変えることにより、繊維断面の突起係数が0.3〜0.7となるように任意に設定することができる。また、スピンブロックの温度および/または冷却風量を変えることによっても、繊維断面の突起係数をある程度コントロールすることができる。なお、冷却風は、紡糸口金から5〜15cm下方が上端となるように設置された長さ50〜100cmのクロスフロータイプの紡糸筒から送風するのが望ましい。
このような繊維横断面形状を有するポリエステルマルチ繊維は、紡糸捲取速度が4000m/minを超えると急激な配向結晶化が起こり、結晶化度が30%を超えてしまいやすい。一方、2000m/minを下回る紡糸捲取速度では、該ポリエステルマルチ繊維の沸水収縮率が70%を超えてしまいやすい。
このようにして得られる本発明のポリエステルマルチ繊維は、延伸仮撚工程に供給され、ポリエステルマルチ繊維の繊度、紡糸捲取速度などに応じて、適切な条件を設定し延伸仮撚される。このようにして得られる延伸仮撚加工糸は、定法に従って織編物等の布帛とすれば、常圧カチオン可染性で且つ優れた吸水・速乾性能を有する布帛が得られる。また、該布帛は自然なドライ感に富んだ風合を呈し、衣料用布帛として極めて有用なものとなる。
(単繊維断面形状)
次に、本発明の常圧カチオン可染性ポリエステルマルチ繊維の単繊維断面形状は、先に定義した突起係数が0.3〜0.7、より好ましくは0.4〜0.6である、繊維断面コアー部から外側へ突出したフィン部(図1の1)が3〜6個、好ましくは4〜6個存在する形状を呈している必要がある。
該突起係数が0.3未満のフィン部は、延伸仮撚加工後の繊維断面に充分な毛細管空隙を形成する機能がなく、吸水・速乾性能を発現することができない。さらにこのような短小フィン部は、布帛に吸水処理剤を施す場合のアンカー効果が小さくなるため、該処理剤の洗濯耐久性を低下させる傾向にある。また、布帛の風合もフラットなペーパーライクなものとなる。一方、突起係数が0.7を越えるフィン部は、延伸仮撚加工時、該フィン部に加工張力が集中しやすいため、繊維断面の部分的破壊が発生して十分な毛細管形成がなされなくなり、吸水性能が不十分となる。また、延伸仮撚工程での糸切れ(加工断糸)や毛羽も頻発する。
なお、突起係数が0.3〜0.7のフィン部であっても、単繊維断面に該フィン部の数が1〜2個では、内側に閉じた繊維断面部分が最大1個しか形成されなくなるので、十分な毛細管現象が発現せず、吸水性能が不十分となる。また、布帛の風合もフラットなペーパーライクなものとなる。一方、6個を越える場合には、延伸仮撚加工時、フィン部への加工張力集中が発生し、繊維断面の部分的破壊が起こり、十分な毛細管形成がなされなくなり、吸水性能が不十分となる。また、延伸仮撚工程での糸切れ(加工断糸)や毛羽が頻発する。なお、突起係数が0.3未満のフィン部は6個を超えて存在しても良い。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、実施例中の分析項目などは、下記記載の方法により測定した。
固有粘度:
ポリエステル組成物を100℃、60分間でオルトクロロフェノールに溶解した希薄溶液を、35℃でウベローデ粘度計を用いて測定した値から求めた。なお、チップの固有粘度をηC、紡糸後の未延伸糸の固有粘度をηFとする。
ジエチレングリコール(DEG)含有量:
ヒドラジンヒドラート(抱水ヒドラジン)を用いてポリエステル組成物チップを分解し、この分解生成物中のジエチレングリコールの含有量をガスクロマトグラフィー(ヒューレットパッカード社製(HP6850型))を用いて測定した。
繊維の引張強度・伸度:
JIS L1070記載の方法に準拠して測定を行った。
カチオン可染性:
CATHILON BLUE CD−FRLH)0.2g/L、CD−FBLH0.2g/L(いずれも保土ヶ谷化学)、硫酸ナトリウム3g/L、酢酸0.3g/Lの染色液中にて100℃で1時間、浴比1:50で染色し、次式により染着率を求めた。
染着率=(OD0−OD1)/OD0
OD0:染色前の染液の576nmの吸光度
OD1:染色後の染液の576nmの吸光度
本発明では、染着率98%以上のものを可染性良好と判断した。
突起係数:
ポリエステルマルチ繊維の断面顕微鏡写真を撮影し、単繊維断面内面壁の内接円中心からフィン部頂点までの長さ(a1)および繊維断面内面壁の内接円の半径(b1)を測定し、下記式で突起係数を計算した。
突起係数=(a1−b1)/a1
吸水速乾性(ウイッキング値):
吸水・速乾性能の指標として、JIS L1907繊維製品の吸水試験法、5.1.1項吸水速度(滴下法)に準じて、落下水滴が、ポリエステル仮撚加工糸からなる試験布表面から表面反射をしなくなるまでの秒数(ウィッキング値)を採用した。なお、L10は、JIS L0844−A−2法により10回洗濯を行った後のウイッキング値(秒)を表す。
[実施例1]
(回収テレフタル酸ジメチルの製造)
エチレングリコール200部を500mlセパラブルフラスコに投入し、更に炭酸ソーダ1.5部、粉砕されたPETボトル等からなるポリエチレンテレフタレート屑50部を投入し、撹拌しながら昇温して、185℃とした。この状態を4時間保持したところ、ポリエチレンテレフタレート屑は溶解し解重合反応が完結した。得られた解重合物を減圧蒸留で濃縮し、留分としてエチレングリコール150部回収した。
この濃縮液にエステル交換反応触媒として炭酸ソーダ0.5部とMeOH100部を投入し、常圧で液温を75℃、1時間撹拌し、エステル交換反応を実施した。
得られた混合物を40℃まで冷却し、ガラス製フィルターで濾過した。フィルター上に回収できた粗テレフタル酸ジメチルを100部のMeOH中に投入し、40℃に加温・撹拌洗浄し、再度ガラス製のフィルターで濾過した。この洗浄は2回繰り返した。
フィルター上に捕捉できた粗テレフタル酸ジメチルを蒸留装置に仕込み、圧力6.65kPa還流比0.5の条件で減圧蒸留を実施し、留分としてテレフタル酸ジメチルを得た。留分は47部回収できた。釜残を測定しテレフタル酸ジメチル量を測定すると2部であり、投入したポリエステルを基準にするとテレフタル酸ジメチルの反応率は93重量%であった。
蒸留により精製された回収テレフタル酸ジメチル中には、2−ヒドロキシテレフタル酸ジメチルが0.5重量ppm検出された。精製された回収テレフタル酸ジメチルの品質は、純度99.9重量%以上であった。
得られた回収テレフタル酸ジメチル100重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル4.1重量部とエチレングリコール60重量部の混合物に、酢酸マンガン0.03重量部、酢酸ナトリウム三水和物0.12重量部を添加し、140℃から240℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを系外に留出させながらエステル交換反応を行った。その後、正リン酸0.03重量部を添加し、エステル交換反応を終了させた。
その後、反応生成物に三酸化アンチモン0.05重量部と5−スルホイソフタル酸テトラブトキシホスホネート2.8重量部と水酸化テトラエチルアンモニウム0.3重量部とトリエチルアミン0.003重量部を添加して重合容器に移し、285℃まで昇温し、30Pa以下の高真空にて重縮合反応を行い、重合槽の攪拌機電力が所定電力に到達、もしくは所定時間を経過した段階で反応を終了させ、常法に従いチップ化した。
このようにして得られたポリエステルチップを140℃、5時間乾燥後、スクリュウ押出機にて溶融しポリマー導管を通して、スピンブロックに装填された図2に示すスリット幅が0.10mmおよび該円形吐出孔中心点から先端部までの長さ(図2のa2)が0.88mmのフィン部形成用吐出孔を4個有し、コアー部形成用円形吐出孔の半径(図2のb2)が0.15mmの吐出孔群を24群穿設した紡糸口金を組み込んだスピンパックに導入し、紡糸口金より吐出量40g/minで吐出した。引き続き、紡糸口金吐出面から下方10cmの位置が上端となるように設置された長さ60cmのクロスフロータイプの紡糸筒から25℃の冷却風を、5Nm/minの割合で、ポリマー流に吹き付つけて、冷却・固化し、紡糸油剤を付与し、3000m/minの速度で捲き取り、各々表1に示す結晶化度、沸水収縮率、フィン部個数および突起係数を有するポリエチレンテレフタレートマルチ繊維を得た。
このポリエチレンテレフタレートマルチ繊維をスクラッグ社製のSDS−8型延伸仮撚機(3軸フリクションディスク仮撚ユニット、216錘)に掛けて、延伸倍率1.65、ヒーター温度175℃、撚数3300回/m、延伸仮撚速度600m/minで延伸仮撚加工を実施し、繊度84dtexのポリエチレンテレフタレート延伸仮撚加工糸を得た。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、バージンのテレフタル酸ジメチルを用いる他は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
Figure 2010168707
実施例で得られたポリエステルマルチ繊維は、リサイクル工程を経ていない(バージンの)ポリエステルマルチ繊維と同等の性能を示したことから、リサイクルポリマーは石油より直接得られたポリエステルマルチ繊維の代替品として十分使用することができる。
本発明のポリエステルマルチ繊維によれば、ポリエステル廃棄物を原料モノマーまで解重合した後再度重合したリサイクルポリマーを利用するので環境への負荷を低減させることができ、またバージンのポリエステルを使用した場合と同等の品質の繊維を得ることができる。また、適切な繊維断面形状が保持され、かつ適切な繊維間空隙を持った延伸仮撚加工糸が得られるので、その延伸仮撚加工糸を使った布帛は優れた吸水・速乾性能を持つ。さらにその布帛は自然なドライ感に富んだ風合を持つ。また、湿潤時の堅牢性に優れ、且つ天然繊維との複合が容易な高吸水性ポリエステル繊維が得られる。
1 :繊維断面フィン部
2 :繊維断面コアー部
3 :コアー部形成用円形吐出孔
4 :フィン部形成用吐出孔のスリット状開口部
5 :フィン部形成用吐出孔の小円状開口部
a1 :繊維断面内面壁の内接円中心からフィン部頂点までの長さ
b1 :繊維断面内面壁の内接円半径
a2 :コアー部形成用吐出孔中心点からフィン部形成用吐出孔先端部までの長さ
b2 :コアー部形成用吐出孔の半径

Claims (3)

  1. 下記要件を満足することを特徴とする常圧カチオン可染性ポリエステルマルチ繊維。
    a)ポリエステルが、芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体として、ポリアルキレンテレフタレートを解重合して得られたリサイクルされたテレフタル酸ジメチルを用い、該テレフタル酸ジメチルが全芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体の80モル%以上を占めるポリエステルからなること。
    b)該ポリエステルを構成する酸成分中に、スルホイソフタル酸の金属塩(A)、および下記化学式(1)で表される化合物(B)を、下記数式1及び数式2を同時に満足する条件で含有する共重合ポリエステルであること。
    c)ポリエステル中のジエチレングリコール含有量が2.5重量%以下であり、且つ固有粘度が0.55〜1.0の範囲にあること。
    d)単繊維軸に直交する断面において、下記式で定義する突起係数が0.3〜0.7であり、繊維断面コアー部から外側へ突出したフィン部が3〜6個存在すること
    突起係数=(a1−b1)/a1
    a1:繊維断面内面壁の内接円中心からフィン部頂点までの長さ
    b1:繊維断面内面壁の内接円の半径
    Figure 2010168707
    [上記式中、Rは水素または炭素数1〜10のアルキル基を表し、Xは4級ホスホニウム塩、または4級アンモニウム塩を表す。]
    3.0≦A+B≦5.0 (数式1)
    0.2≦B/(A+B)≦0.7 (数式2)
    [ここで、Aはスルホイソフタル酸の金属塩の共重合量(モル%)、Bは上記化学式(1)で表される化合物の共重合量(モル%)を表す。]
  2. スルホイソフタル酸の金属塩が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸である、請求項1記載の常圧カチオン可染性ポリエステルマルチ繊維。
  3. 上記化合物(B)が、5−スルホイソフタル酸テトラブトキシホスホネートである、請求項1〜2いずれかに記載の常圧カチオン可染性ポリエステルマルチ繊維。
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