JP2003027252A - 金属表面処理剤及び処理方法 - Google Patents

金属表面処理剤及び処理方法

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JP2003027252A
JP2003027252A JP2001221545A JP2001221545A JP2003027252A JP 2003027252 A JP2003027252 A JP 2003027252A JP 2001221545 A JP2001221545 A JP 2001221545A JP 2001221545 A JP2001221545 A JP 2001221545A JP 2003027252 A JP2003027252 A JP 2003027252A
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ion concentration
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Yoshiko Ogawa
淑子 小川
Masahiko Akino
雅彦 秋野
Fujio Mikami
藤雄 三上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副生するスラッジの量が少なく、ニッケルイ
オン、マンガンイオンや亜硝酸イオンが処理液中に含ま
れず、処理液を1液として補給することができる金属表
面の処理方法及びそれにより形成されるリン酸塩化成皮
膜を有する基材を提供する。 【解決手段】 表面調整処理工程とリン酸塩化成処理工
程とからなる金属表面の処理方法であって、上記表面調
整処理工程は、重量基準で、亜鉛イオン濃度が300〜
1000ppmであり、リン酸イオンを含む表面調整剤
により行われ、かつ、前記リン酸塩化成処理工程は、重
量基準で、亜鉛イオン濃度が10〜300ppmであ
り、リン酸イオン濃度が5000〜15000ppmで
あり、塩素酸イオン濃度が550〜2000ppmであ
り、硝酸イオン濃度が500〜1300ppmであり、
pH3.5〜4.5であるリン酸塩化成処理液により行
われる金属表面の処理方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属表面の処理方
法、更に詳しくは、表面調整処理工程とリン酸塩化成処
理工程とからなる金属表面の処理方法及びそれにより形
成されるリン酸塩化成皮膜を有する基材に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体や部品等の金属成形体は、一
般的に、成形、プレス溶接された後、表面に付着してい
る油分を除去するための脱脂処理、脱脂後水洗処理、後
工程である化成処理における化成皮膜の形成を良好に行
うための表面調整処理、及び、防食性や耐磨耗性を向上
させるリン酸塩化成処理、及び化成後水洗処理という一
連の塗装前処理工程が行われた後、電着塗装されてい
る。
【0003】表面調整処理に用いられる表面調整剤は、
通常リン酸チタンのコロイドを金属表面に形成させ、こ
のコロイドにより化成処理において化成皮膜を金属表面
に良好に形成させるためのものである。例えば、特開平
9−249978号公報には、チタンイオン1〜50p
pm、リン酸根イオン50〜1000ppm、トリポリ
リン酸根イオン50〜400ppm及び炭酸根イオン2
0〜1500ppmからなり、(トリポリリン酸根イオ
ンの重量)/(チタンイオンの重量)の値が10〜10
0であり、pHが8.5〜10.0の水溶液である高耐
久性表面調整剤が開示されている。
【0004】リン酸亜鉛皮膜を形成させる方法について
は、特開昭59−35681号公報には、亜鉛イオン
0.5〜1.5g/l、リン酸イオン5〜30g/l、
マンガンイオン0.6〜3g/l、フッ素イオン0.0
5g/l以上及び皮膜化成促進剤を主成分とする酸性リ
ン酸塩処理水溶液で浸漬処理するカチオン型電着塗装用
金属表面のリン酸塩処理方法が開示されている。
【0005】また、特開平3−267378号公報で
は、2.0≦Naイオン+Kイオン≦15.0、1.0
≦Mnイオン+Niイオン≦5.0、1.6−0.02
T≦Znイオン≦2.5−0.02T、8.0T−1
フリーFイオン≦20.0T−1(g/l)〔T:処理
液温度(℃)ただし、20≦T≦60〕の条件を満足す
るリン酸塩水溶液を金属表面に接触させて皮膜化成させ
る金属表面のリン酸塩処理方法が開示されている。更
に、これら以外にも特開平3−240972、特開平8
−134661、特開平9−279361、特開平10
−306382、特開平11−264076号公報にリ
ン酸塩による処理方法やリン酸亜鉛処理剤が開示されて
いる。
【0006】しかしながら、種々提案されているリン酸
亜鉛皮膜形成方法では、通常処理液中の亜鉛イオンは1
000ppm程度、リン酸イオンは15000ppm程
度であることにより、リン酸亜鉛皮膜形成の際に多量の
スラッジが副生するという問題があった。例えば、鉄系
金属表面を処理する場合には、リン酸鉄を主成分とする
リン酸亜鉛との混合スラッジが発生し、亜鉛系金属表面
を処理する場合には、リン酸亜鉛を主成分とするスラッ
ジが副生する。これらのスラッジは、リン酸亜鉛処理槽
の液中で分散し、又は、槽内に沈降堆積するため、リン
酸亜鉛処理の処理効率を低下させたり、あるいは、被処
理物の塗装性能の劣化の原因となる。従って、副生した
スラッジをろ過機等を用いて系外に除去することが必要
となる。更に、系外に除去したスラッジは、産業廃棄物
として処理することが必要となり、処理費用がかかると
いう問題を更に生じる。
【0007】また、処理液中には、通常カチオン電着塗
装後の密着性や耐食性を向上させるためにニッケルイオ
ンやマンガンイオンが含まれており、皮膜化成促進剤と
して亜硝酸イオンが含まれている。ここで、亜硝酸イオ
ンは、酸素により分解して硝酸になり易いために処理液
中の亜硝酸イオン濃度の管理を行う必要があり、これに
より処理液は、2液として化成処理槽に滴下する必要が
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、副生するスラッジの量が少なく、ニッケルイオ
ン、マンガンイオンや亜硝酸イオンが処理液中に含まれ
ず、処理液を1液として補給することができる金属表面
の処理方法及びそれにより形成されるリン酸塩化成皮膜
を有する基材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】本発明は、表面調整処理工程とリン酸塩化
成処理工程とからなる金属表面の処理方法であって、上
記表面調整処理工程は、重量基準で、亜鉛イオン濃度が
300〜1000ppmであり、リン酸イオンを含む表
面調整剤により行われ、かつ、前記リン酸塩化成処理工
程は、重量基準で、亜鉛イオン濃度が10〜300pp
mであり、リン酸イオン濃度が5000〜15000p
pmであり、塩素酸イオン濃度が550〜2000pp
mであり、硝酸イオン濃度が500〜1300ppmで
あり、pH3.5〜4.5であるリン酸塩化成処理液に
より行われる金属表面の処理方法である。本発明はま
た、上記金属表面の処理方法により形成されるリン酸塩
化成皮膜を有する基材でもある。以下、本発明を詳細に
説明する。
【0011】本発明の金属表面の処理方法は、表面調整
処理工程とリン酸塩化成処理工程とからなるものであ
る。本発明における表面調整処理工程は、次の工程であ
るリン酸塩化成処理工程において、リン酸塩の結晶から
なる皮膜が、金属表面全体に均一に、迅速に高い密度で
形成されるために施される処理であり、通常、表面調整
槽に浸漬することにより金属表面にリン酸塩の結晶核を
形成させるものである。
【0012】上記表面調整処理工程は、重量基準で、亜
鉛イオン濃度が300〜1000ppmである表面調整
剤により行われるものである。亜鉛イオン濃度が300
ppm未満では、結晶核となるコロイドが不足するおそ
れがあり、1000ppmを超えると、所望の効果を超
える効果を得ることができないため経済的ではなく、ま
た、スラッジが多くなるおそれもある。
【0013】上記亜鉛イオンの供給源としては、特に限
定されず、例えば、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛、リ
ン酸亜鉛等の亜鉛化合物を挙げることができる。なかで
も、リン酸亜鉛が好ましい。表面調整剤中の亜鉛イオン
濃度は、供給源としての亜鉛化合物から換算することが
できる。
【0014】上記表面調整処理工程は、リン酸イオンを
含む表面調整剤により行われるものである。表面調整剤
中にリン酸イオンが含まれることにより、微細なリン酸
亜鉛粒子が金属表面でリン酸塩化成皮膜形成時の結晶核
となる。
【0015】上記リン酸イオンの供給源としては、特に
限定されず、例えば、リン酸、リン酸亜鉛、リン酸ナト
リウム、リン酸マンガン、リン酸ニッケル等のリン酸化
合物を挙げることができる。なかでも、リン酸亜鉛が好
ましい。
【0016】上記表面調整剤は、亜鉛イオン及びリン酸
イオン以外に、界面活性剤、増粘剤等を含んでもよい。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン
系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等を挙げることが
できる。ここで、ノニオン系界面活性剤としては、例え
ば、ラウリルアルコールの直鎖エーテル系エチレンオキ
シド7モル付加物等を挙げることができる。また、増粘
剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメ
チルセルロース(HMC)等を挙げることができる。
【0017】上記表面調整剤のpHとしては、7.0〜
7.5であることが好ましい。また、上記表面調整処理
工程により金属表面に形成されるコロイドの粒径として
は、通常0.5μm程度の微粒子であることが好まし
い。このような粒子は結晶核として好適に作用し、後工
程であるリン酸塩化成処理工程において良好なリン酸塩
化成皮膜が形成されることになる。なお、粒径はレーザ
ー光散乱法等により測定することができる。
【0018】本発明におけるリン酸塩化成処理工程は、
リン酸塩化成処理液により金属表面にリン酸塩化成皮膜
を形成させる処理であり、表面調整処理工程により金属
表面に形成された結晶核によって良好なリン酸塩化成皮
膜を形成することが可能となる。
【0019】上記リン酸塩化成処理工程は、重量基準
で、亜鉛イオン濃度が10〜300ppmであるリン酸
塩化成処理液により行われるものである。亜鉛イオン濃
度が10ppm未満では、例えば、鉄系金属にリン酸塩
化成処理する場合、リン酸鉄を多く含むブルーカラー状
皮膜が形成され、耐食性が低下するおそれがある。30
0ppmを超えると、リン酸亜鉛による化成皮膜が形成
されるが皮膜中のリン酸亜鉛の結晶が緻密でないことに
より密着性が低下するおそれがある。好ましくは、10
0〜200ppmである。上記亜鉛の供給源としては、
特に限定されず、例えば、上記表面調整剤で述べた亜鉛
化合物を挙げることができる。
【0020】上記リン酸塩化成処理工程は、重量基準
で、リン酸イオン濃度が5000〜15000ppmで
あるリン酸塩化成処理液により行われるものである。リ
ン酸イオンは、被処理材である鉄、亜鉛、これらを同時
に有する金属等をエッチングし、また、金属イオンとの
リン酸塩による化成皮膜を金属表面に形成することにな
る。例えば、鉄系金属にリン酸塩化成処理する場合に
は、鉄をエッチングすることにより生成した鉄イオン及
び処理液中の亜鉛イオンとのリン酸塩、すなわちリン酸
亜鉛とリン酸鉄との混晶を含む化成皮膜が形成されるも
のと考えられる。
【0021】上記リン酸イオン濃度が5000ppm未
満では、均一なリン酸塩化成皮膜が形成しないおそれが
あり、15000ppmを超えても、それ以上の効果は
望めず、経済的に不利であり、スラッジも多くなるおそ
れがある。上記リン酸イオンの供給源としては、特に限
定されず、例えば、上記表面調整剤で述べたリン酸化合
物を挙げることができ、リン酸塩化成処理液中のリン酸
イオン濃度は、供給源としてのリン酸化合物から換算す
ることができる。
【0022】上記リン酸塩化成処理工程は、重量基準
で、塩素酸イオン濃度が550〜2000ppmである
リン酸塩化成処理液により行われるものである。塩素酸
イオンは、処理液中で皮膜形成促進剤として作用し、こ
れにより良好なリン酸塩化成皮膜を得ることができる。
塩素酸イオン濃度が550ppm未満では、充分な皮膜
化成ができないおそれがあり、2000ppmを超える
と、不均一皮膜を形成しやすい。上記塩素酸イオンの供
給源としては、特に限定されず、例えば、塩素酸ナトリ
ウム、塩素酸アンモニウム等の塩素酸化合物を挙げるこ
とができ、リン酸塩化成処理液中の塩素酸イオン濃度
は、供給源としての塩素酸化合物から換算することがで
きる。
【0023】上記リン酸塩化成処理工程は、重量基準
で、硝酸イオン濃度が500〜1300ppmであるリ
ン酸塩化成処理液により行われるものである。硝酸イオ
ン濃度が500ppm未満では、充分な皮膜化成ができ
ないおそれがあり、1300ppmを超えると、不均一
皮膜を形成しやすい。上記硝酸イオンの供給源として
は、特に限定されず、例えば、硝酸、硝酸ナトリウム、
硝酸アンモニウム、硝酸亜鉛、硝酸マンガン、硝酸ニッ
ケル等の硝酸化合物を挙げることができ、リン酸塩化成
処理液中の硝酸イオン濃度は、供給源としての硝酸化合
物から換算することができる。
【0024】上記リン酸塩化成処理工程は、pHが3.
5〜4.5であるリン酸塩化成処理液により行われるも
のである。pHが3.5未満では、耐食性が低下するお
それがあり、4.5を超えると、化成皮膜を形成する結
晶が脱落し、均一な皮膜が形成されないおそれがある。
【0025】従来のリン酸塩化成処理液には、良好な化
成皮膜を形成させるために、通常ニッケルイオン、マン
ガンイオン、フッ素イオンが含まれ、皮膜形成促進剤と
して亜硝酸イオンが含まれているが、本発明におけるリ
ン酸塩化成処理液は、これらのイオンを実質的に含まな
くても良好なリン酸塩化成皮膜を得ることができる。こ
こで、実質的に含まないとは、これらのイオンがリン酸
塩化成処理液中の成分として作用するほど含まれていな
いことを意味し、具体的には、本発明におけるリン酸塩
化成処理液において、重量基準で、それぞれのイオン濃
度が10ppm未満であることを意味するものである。
【0026】本発明におけるリン酸塩化成処理液には、
ニッケルイオン、マンガンイオン、フッ素イオン、亜硝
酸イオンが実質的に含まれておらず、亜鉛イオン、リン
酸イオン、塩素酸イオン、硝酸イオンのイオン濃度も低
いものであるため、スラッジを少なくすることができ
る。また、リン酸塩化成処理液に亜硝酸イオンが含まれ
る場合には、通常2液の化成処理液として化成処理槽に
補給するが、本発明におけるリン酸塩化成処理液には、
亜硝酸イオンが実質的に含まれていないことから、1液
の処理液として補給することができる。更に、亜硝酸イ
オンは、空気により分解して硝酸になりやすいために濃
度が変動し、処理液の濃度管理が煩雑であるが、本発明
における処理液中には実質的に含まれていないことから
処理液の濃度管理も容易である。
【0027】また、通常化成処理槽中のリン酸塩化成処
理液は、化成処理を行うに従って硝酸イオン濃度が上昇
するので、所定の濃度以上になると、化成処理液を処理
槽から一度排出することや廃棄すること等を行うことに
なるが、本発明におけるリン酸塩化成処理液は、従来の
ものに比べて硝酸イオン等の濃度が低いのでこのような
作業を行う頻度を少なくすることができる。
【0028】上記リン酸塩化成処理工程における処理温
度は、30〜60℃であることが好ましい。30℃未満
では、皮膜化成性が悪く、長時間の処理を要するおそれ
があり、60℃を超えると、均一なリン酸塩化成皮膜を
得ることができないおそれがある。
【0029】上記リン酸塩化成処理工程における処理時
間は、15秒間以上が好ましく、より好ましくは30〜
120秒間である。処理時間が短すぎると、リン酸塩化
成皮膜が充分に形成されないおそれがある。自動車ボデ
ィーのように複雑な形状を有する金属表面を処理する場
合には、浸漬処理とスプレー処理とを組み合わせて行う
ことが好ましい。この場合、例えば、まず15秒以上、
好ましくは30〜120秒間浸漬処理し、次いで2秒間
以上、好ましくは5〜45秒間スプレー処理する。ま
た、浸漬処理の際に付着したスラッジを洗い落とすに
は、スプレー処理は可能な限り長時間であることが好ま
しい。上記リン酸塩化成処理工程は、上述のように、浸
漬処理、スプレー処理及びこれらの組み合わせの処理の
態様等で行うことができる。
【0030】本発明におけるリン酸塩化成処理工程によ
り鉄系金属表面にリン酸塩化成処理皮膜が形成される場
合には、皮膜量としては、0.3〜2.0g/mであ
ることが好ましく、0.5〜1.5g/mであること
がより好ましい。皮膜量が0.3g/m未満では、耐
食性が不十分となるおそれがあり、2.0g/mを超
えると、密着性が不充分になるおそれがある。
【0031】本発明におけるリン酸塩化成処理工程によ
り亜鉛系金属表面上にリン酸塩化成処理皮膜を形成する
場合には、皮膜量としては、1.0〜4.0g/m
あることが好ましく、1.5〜2.5g/mであるこ
とがより好ましい。皮膜量が1.0g/m未満では、
耐食性が不十分となるおそれがあり、4.0g/m
超えると、密着性が不充分になるおそれがある。
【0032】本発明の金属表面の処理方法を適用するこ
とができる基材としては、例えば、亜鉛鋼板等の亜鉛系
金属、冷延鋼板等の鉄系金属、これらの合金等に適用す
ることができるが、特に冷延鋼板等の鉄系金属に好適に
適用できる。
【0033】本発明の金属表面の処理方法を適用するこ
とができる鉄系、亜鉛系金属等は、成形、プレス溶接さ
れた後、表面に付着している油分や汚れを除去するため
の脱脂処理、脱脂後水洗処理が予め行われたものである
ことが好ましい。
【0034】上記脱脂処理は、アルカリ脱脂洗浄液、無
リン・無窒素脱脂洗浄液等の脱脂剤により、通常40〜
55℃において数分間程度の浸漬処理がなされる。所望
により、脱脂処理の前に、予備脱脂処理を行うことも可
能である。その後、上記脱脂剤を水洗するために、大量
の水洗水によって1回又はそれ以上で、スプレー処理に
より脱脂後水洗処理が行われる。水洗時間は、通常約3
0秒である。
【0035】上記脱脂処理及び脱脂後水洗処理の後、本
発明における表面調整処理工程が行われる。上記表面調
整工程の後、本発明におけるリン酸塩化成処理工程を行
い、次いでリン酸塩化成処理液を水洗するために1回又
はそれ以上による化成後水洗処理が行われる。化成後水
洗が不充分であるとその後の塗装において塗膜外観等に
悪影響を及ぼすおそれがある。化成後水洗処理における
最終の水洗は、純水で行うことが適当である。化成後水
洗処理は、スプレー水洗又は浸漬水洗のどちらでもよ
く、これらの方法を組み合わせて水洗することもでき
る。
【0036】本発明の金属表面の処理方法を適用するこ
とができる鉄系、亜鉛系金属等は、化成後水洗の後は、
公知の方法に従って、必要に応じて乾燥され、その後、
塗装を行うことができる。乾燥後の塗装としては、電着
塗料、溶剤塗料、粉体塗料等を用いることができる。電
着塗装を行う場合には、乾燥温度は、通常100〜20
0℃であり、乾燥時間は、通常5〜30分である。
【0037】上記金属表面の処理方法により形成される
リン酸塩化成皮膜を有する基材は、耐食性、耐磨耗性に
優れることから自動車車体や部品等として好適に用いら
れるものである。
【0038】本発明の金属表面の処理方法は、リン酸塩
化成処理液中の亜鉛イオン濃度、リン酸イオン濃度、硝
酸イオン濃度が従来の処理液に比べて低いために、スラ
ッジの量が少なくなり、クローズド化も比較的容易にな
る。また、処理液中に亜硝酸イオンを含まないために、
リン酸塩化成処理液を1液として補給することが可能と
なる。
【0039】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限
り「重量部」を意味する。
【0040】実施例1〜9、比較例1〜5 市販の冷延鋼板(70×150×0.8mm)を下記の
工程条件で塗装前処理及び電着塗装を施した。 (1)塗装前処理 脱脂:2重量%「サーフクリーナー53」(日本ペイン
ト社製脱脂剤)で50℃、2分間浸漬処理した。 脱脂後第1水洗:水道水で30秒間スプレー処理した。 表面調整処理:リン酸亜鉛濃度40%の濃縮液の全重量
に対して、ラウリルアルコールの直鎖エーテル系エチレ
ンオキシド7モル付加物(ノニオン系界面活性剤)を2
%添加し、ボールミルを用いることによりこの濃縮液を
分散し、その後、亜鉛イオン濃度が表1における表面調
整剤に示したイオン濃度となるように希釈することによ
り表面調整剤を調製した。調製した表面調整剤を用い
て、室温で30秒間浸漬処理した。 リン酸塩化成処理:硝酸亜鉛、塩素酸ナトリウム、リン
酸及び硝酸ナトリウムを使用することにより亜鉛イオ
ン、リン酸イオン、塩素酸イオン及び硝酸イオンのイオ
ン濃度を調整し、水酸化ナトリウムを使用することによ
り処理液のpHを調整することにより表1に示す組成、
pHであるリン酸塩化成処理液を調製した。調製したリ
ン酸塩化成処理液を用いて、処理温度50〜54℃で9
0秒間浸漬処理した。 化成後第2水洗:水道水で30秒間スプレー処理した。 純水第3水洗:純水による流水洗、30秒間スプレー処
理した。 なお、比較例4では、表面調整処理を行わなかった。ま
た、比較例5では、「サーフファイン5N−10」(日
本ペイント社製Ti系表面調整剤)をTiイオン濃度5
ppmに調整して、表面調整処理を行った。
【0041】(2)電着塗装 上記塗装前処理(1)を行った冷延鋼板を120℃、1
0分間温風乾燥した後、「パワートップW−100」
(日本ペイント社製カチオン電着塗料)を用いて乾燥膜
厚20μmになるように電着塗装し、水洗後、170℃
で20分間加熱して焼付けを行った。上記塗装前処理
(1)を行った冷延鋼板、又は、更に電着塗装(2)を
行った冷延鋼板について、下記項目について評価し、結
果を表1に示した。
【0042】電着塗装後外観 塗装前処理(1)及び電着塗装(2)を行った冷延鋼板
について、塗膜の外観を目視にて評価した。 ◎:非常に良好 ○:良好 △:やや不良 ×:不良皮膜量の測定 塗装前処理(1)を行った冷延鋼板を5重量%無水クロ
ム酸溶液に75℃、5分間浸漬することにより、皮膜を
溶解し、浸漬する前後の冷延鋼板の重量を測定して、1
当たりの重量に換算した。耐塩温水性試験(SDT) 塗装前処理(1)及び電着塗装(2)を行った冷延鋼板
について、素地まで達する縦平行カットを2本入れた
後、5%NaCl水溶液中で40℃にて120時間浸漬
する。その後、カット部にセロハンテープ(ニチバン社
製)を貼り付けて剥がし、カットからの片側の塗膜剥が
れ幅(最大)を測定する。塩水噴霧試験(SST) 塗装前処理(1)及び電着塗装(2)を行った冷延鋼板
について、JIS Z2871に基づいて、評価した。
【0043】
【表1】
【0044】表1を見れば判るように、本発明の金属表
面の処理方法における実施例では、いずれも良好な塗装
外観及び塗膜性能が得られているが、比較例では、塗装
外観又は塗膜性能が悪くなっている。
【0045】
【発明の効果】本発明の金属表面の処理方法は、リン酸
塩化成処理液中の金属イオン濃度が従来の処理液よりも
低いために、副生するスラッジの量が少なくすることが
でき、また、ニッケルイオン、マンガンイオン、フッ素
イオンや亜硝酸イオンを処理液中に含まなくても従来と
同様の性能を有するリン酸塩化成皮膜を得ることがで
き、更に、処理液を1液として補給することができるも
のであり、それにより形成されるリン酸塩化成皮膜を有
する基材は自動車車体、部品等に好適に用いられるもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三上 藤雄 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AB01 AB51 BB75Y BB76X BB91X DB01 DB02 DB05 EA05 EB01 4K026 AA02 AA07 AA11 BA04 CA13 CA26 CA32 CA34 DA03 DA06 DA16 EA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面調整処理工程とリン酸塩化成処理工
    程とからなる金属表面の処理方法であって、前記表面調
    整処理工程は、重量基準で、亜鉛イオン濃度が300〜
    1000ppmであり、リン酸イオンを含む表面調整剤
    により行われ、かつ、前記リン酸塩化成処理工程は、重
    量基準で、亜鉛イオン濃度が10〜300ppmであ
    り、リン酸イオン濃度が5000〜15000ppmで
    あり、塩素酸イオン濃度が550〜2000ppmであ
    り、硝酸イオン濃度が500〜1300ppmであり、
    pH3.5〜4.5であるリン酸塩化成処理液により行
    われることを特徴とする金属表面の処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の金属表面の処理方法によ
    り形成されるリン酸塩化成皮膜を有することを特徴とす
    る基材。
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