JP2003026622A - 1,4−ブタンジオールの製造方法 - Google Patents
1,4−ブタンジオールの製造方法Info
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Abstract
反応させて1,4−ジアセトキシブテンを含む反応物を
生成させ、これを水添したのち加水分解する1,4−ブ
タンジオールの製造方法において、加水分解液を蒸留し
て得た粗1,4−ブタンジオールの水添精製を安定して
行う方法を提供する。 【解決手段】 加水分解液の蒸留塔の下部から、2−
(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン濃度
が1,4−ブタンジオールに対して0.5重量%以下で
ある粗1,4−ブタンジオールを側流として液相で抜出
して、水添反応に供する。
Description
及び酸素を反応させて1,4−ジアセトキシブテンを生
成させ、これを水素添加して1,4−ジアセトキシブタ
ンとしたのち加水分解して1,4−ブタンジオールを製
造する方法の改良に関するものである。
つか知られているが、その代表的なものの一つに、触媒
の存在下にブタジエン、酢酸及び酸素を反応させて1,
4−ジアセトキシブテンを生成させ、これを水素添加し
て1,4−ジアセトキシブタンとしたのち加水分解し
て、1,4−ブタンジオールを生成させる方法があり、
工業的に実施されている。この方法では、1,4−ジア
セトキシブテンを生成させる工程及び加水分解工程で、
種々の副生物が生成する。従って加水分解反応生成液に
は、1,4−ブタンジオール以外に種々の成分が含まれ
ている。その主なものは、水、酢酸、1,4−及び1,
2−ジアセトキシブタン、1−ヒドロキシー4−アセト
キシブタン、1,2−ブタンジオールモノアセテート及
び1,2−ブタンジオールなどであり、更に1,4−ブ
タンジオールよりも高沸点の成分も若干含まれている。
しているが、主要な用途の一つはポリブチレンテレフタ
レートの製造である。そしてこの用途には高純度の1,
4−ブタンジオールが要求される。前述の加水分解反応
生成液から高純度の1,4−ブタンジオールを取得する
方法はいくつも提案されているが、その代表的な方法で
は、加水分解反応生成液を蒸留して、軽沸点成分及び高
沸点成分を除去して粗1,4−ブタンジオールを取得
し、これを水素添加して、含有されている主要な不純物
である2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロ
フラン、2−(4′−オキソブトキシ)テトラヒドロフ
ラン、及び1,4−ビス(2′−テトラヒドロフロキ
シ)ブタン等を、テトラヒドロフランや1,4−ブタン
ジオールに転換したのち、再び蒸留して高純度の1,4
−ブタンジオールを取得する(特開昭61−19753
4号公報参照)。
は前述のように種々の成分が含まれているので、これか
ら水素添加及び蒸留により高純度の1,4−ブタンジオ
ールを与える粗1,4−ブタンジオールを取得するに
は、加水分解反応生成液からこれらの成分を十分に除去
しなければならない。その代表的な方法では、加水分解
反応液を先ず第1蒸留塔で蒸留して、酢酸及び水を塔頂
から留出させ、塔底から1,2−及び1,4−ブタンジ
オールから成るブタンジオール類、1,2−及び1,4
−ジアセトキシブタンから成るジアセトキシブタン類、
並びに1,2−及び1,4−ブタンジオールモノアセテ
ートから成るヒドロキシアセトキシブタン類、更には重
質成分などを含む塔底液を取得する。次いでこの塔底液
を第2蒸留塔で蒸留して、塔頂から1,2−ブタンジオ
ールを留出させ、ジアセトキシブタン類及びヒドロキシ
アセトキシブタン類を塔上部から側流(上部側流)とし
て抜出し、塔下部から粗1,4−ブタンジオールを側流
(下部側流)として抜出し、重質成分を塔底から抜出
す。粗1,4−ブタンジオールを側流として抜出すに
は、液相で抜出す方法と気相で抜出す方法とが考えられ
るが、液相で抜出すと後続する水素添加工程における触
媒の被毒が大きいので、気相で抜出すのが好ましいとさ
れている(特開平6−172235号公報参照)。しか
しながら気相抜出し方式は、1,4−ブタンジオールを
蒸発潜熱を保有した高エネルギー状態で抜出すので、蒸
留塔のエネルギー消費量が大きいという欠点がある。従
って本発明は粗1,4−ブタンジオールを下部側流とし
て液相で抜出し、なおかつ後続する水素添加工程の触媒
被毒が激しくなるのを回避する方法を提供しようとする
ものである。
存在下にブタジエン、酢酸及び酸素を反応させて1,4
−ジアセトキシブテンを含む反応物を生成させ、この反
応物を水素添加して炭素−炭素二重結合を飽和させたの
ち加水分解する1,4−ブタンジオールの製造方法にお
いて、加水分解反応生成液を蒸留して軽沸点成分及び高
沸点成分を除去して粗1,4−ブタンジオールを取得
し、これを触媒の存在下に水素添加して不純物を低減さ
せるに際し、ヒドロキシルアミン消費量に基いて式
(1)で算出される2−(4′−ヒドロキシブトキシ)
テトラヒドロフランの濃度が1,4−ブタンジオールに
対して0.5重量%以下である粗1,4−ブタンジオー
ルを蒸留塔下部から側流として液相で抜出して水素添加
反応に供することにより、水素添加反応を長期間に亘り
安定して行い、かつエネルギー効率よく1,4−ブタン
ジオールを製造することができる。
ジオール試料中の1,4−ブタンジオール量(g) S:試料に5%塩酸ヒドロキシルアミン−塩酸エタノー
ル溶液を反応させたのち、0.1規定アルコール性苛性
カリ溶液で滴定したときの、アルコール性苛性カリ溶液
の消費量(ml) B:ブランクテストでのアルコール性苛性カリ溶液の消
費量(ml) f:アルコール性苛性カリ溶液のファクター
び酸素からの1,4−ジアセトキシブテンを含む反応物
の製造、得られた反応物を水素添加して炭素−炭素二重
結合を飽和させる反応、及びこの水素添加反応生成物の
加水分解反応は、基本的にいずれも公知の方法に従って
行うことができる。1,4−ジアセトキシブテンを含む
反応物の製造は、触媒充填床が収容されている反応器
に、ブタジエン及び酢酸を液相で、通常は酢酸中にブタ
ジエンを溶解させて連続的に供給し、同時に反応器に空
気のような酸素含有ガスを連続的に供給することにより
行うことができる。酢酸は反応溶媒を兼ねて用いられる
ので、反応器に供給するブタジエンに対する酢酸の比率
は、通常は化学量論量の5〜60倍、好ましくは10〜
40倍である。酸素も、反応器内の気相が爆発組成にな
らない限度で、大過剰に用いるのが好ましい。
くは50〜80℃であり、圧力は通常は常圧ないしは若
干減圧である。触媒としては貴金属ならびにテルル、ア
ンチモン、砒素及びセレンより成る群から選ばれたもの
を担体に担持させた担体付触媒を用いる。担体としては
シリカや活性炭などを用いるのが好ましい。最も好まし
いのはシリカにパラジウム及びテルルを担持させた触媒
であり、この触媒を用いると、後続する加水分解反応生
成液の蒸留により、ヒドロキシルアミン消費量から算出
される2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロ
フランの濃度が1,4−ブタンジオールに対して0.5
重量%以下の粗1,4−ブタンジオールを取得するのが
容易である。すなわち触媒を構成する担体及び貴金属な
どにより、生成する副生物が少しづつ異なり、シリカを
担体とする触媒はヒドロキシルアミン消費量から算出さ
れる2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフ
ランの副生が比較的少ない。シリカ担持パラジウム−テ
ルル触媒のパラジウム含有量は0.1〜20重量%、特
に0.5〜10重量%が好ましく、またテルルはパラジ
ウムに対して原子比で0.05〜5倍、特に0.15〜
0.35倍であるのが好ましい。
られた反応生成液は、気液分離したのち蒸留して、酢酸
及び高沸点成分を除去し、主としてジアセトキシブテン
から成る留分を取得し、これを水素添加して炭素−炭素
二重結合を飽和させ、ジアセトキシブテンをジアセトキ
シブタンに転換する。この水素添加反応は、通常は担体
付貴金属触媒、例えば活性炭に貴金属、好ましくはパラ
ジウムを担持した触媒の充填床が収容されている反応器
に、ジアセトキシブテン留分と水素とを連続的に供給す
ることにより行われる。反応温度は20〜180℃、特
に30〜150℃が好ましく、圧力は常圧ないしは加圧
が好ましい。
炭担持貴金属触媒を用いて水素添加を行ったのち、更に
シリカに貴金属、好ましくはルテニウムを担持した触媒
を用いて水素添加を行う。このシリカ担持触媒を用いる
水素添加反応も、前述の活性炭担持触媒を用いる水素添
加反応と同様の反応条件で行えばよいが、反応温度は若
干高く、例えば30〜100℃高くするのが好ましい。
このように活性炭担持触媒及びシリカ担持触媒を用いて
水素添加反応を2段階で行うと、後続する加水分解反応
生成液の蒸留により、ヒドロキシルアミン消費量に基い
て算出される2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラ
ヒドロフランの濃度が0.5重量%以下の粗1,4−ブ
タンジオールを取得するのが容易である。これは後段の
シリカ担持触媒を用いる水素添加反応により、水添反応
に供したジアセトキシブテン留分中の、ヒドロキシルア
ミンと反応する不純物ないしはその前駆体が減少するも
のと考えられる。
ブタンは、次いで加水分解してジアセトキシブタンをブ
タンジオールに転換する。この加水分解反応は、通常は
強酸性陽イオン交換樹脂の充填床が収容されている反応
器に、ジアセトキシブタンと水の混合液を連続的に供給
することにより行う。混合液中の水の含有量は、加水分
解を完全に行わせるのに必要な理論量の2〜100倍、
特に4〜50倍が好ましい。また加水分解温度は30〜
110℃、特に40〜90℃が好ましい。加水分解では
ブタンジオール類の外に、中間体であるヒドロキアセト
キシブタン類も生成する。ブタンジオール類とヒドロキ
シアセトキシブタン類の生成比率は、加水分解反応の条
件に大きく依存する。なお、1−ヒドロキシ−4−アセ
トキシブタンは脱酢酸環化させてテトラヒドロフランに
誘導できるので、1,4−ブタンジオールとテトラヒド
ロフランを併産させる場合には、併産比率に適合するよ
うに加水分解条件を設定する。
及び高沸点成分を除去して、粗1,4−ブタンジオール
を取得し、これを後続する水素添加反応に供する。本発
明では式(1)に基いて算出される2−(4′−ヒドロ
キシブトキシ)テトラヒドロフラン濃度が0.5重量%
以下の粗1,4−ブタンジオールを、蒸留塔下部から側
流として液相で抜出して、水素添加反応に供する。通常
は加水分解反応液を先ず第1蒸留塔で蒸留して、酢酸及
び水を塔頂から留出させ、塔底から1,2−及び1,4
−ブタンジオールから成るブタンジオール類、1,2−
及び1,4−ジアセトキシブタンから成るジアセトキシ
ブタン類、並びに1,2−及び1,4−ブタンジオールモ
ノアセテートから成るヒドロキシアセトキシブタン類か
ら成る塔底液を取得する。この塔底液中には1,4−ブ
タンジオールよりも高沸点の重質成分も含まれている。
第1蒸留塔は理論段数2〜10段程度のものを用いて、
塔頂圧力5〜100kPa、特に7〜30kPa、塔底
温度100〜200℃、特に120〜180℃で操作す
るのが好ましい。
て更に蒸留し、式(1)に基いて算出される2−(4′
−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン濃度が0.
5重量%以下の粗1,4−ブタンジオールを塔下部から
側流として液相で抜出す。1,4−ブタンジオールより
も沸点の低い1,2−ブタンジオール、ジアセトキシブ
タン類及びヒドロキシアセトキシブタン類は塔頂から留
出させることもできるが、通常は1,2−ブタンジオー
ルは塔頂から留出させ、ジアセトキシブタン類及びヒド
ロキシアセトキシブタン類は塔上部から側流として抜出
して、それぞれの用途に供する。この第2蒸留塔は理論
段数60〜120段、特に80〜100段のものを用い
て、塔頂圧力5〜100kPa、特に7〜60kPa、
塔底温度130〜270℃、特に150〜250℃で操
作するのが好ましい。第2蒸留塔の塔下部から側流とし
て液相で抜出される粗1,4−ブタンジオールは、式
(1)に基いて算出される2−(4′−ヒドロキシブト
キシ)テトラヒドロフラン濃度が1,4−ブタンジオー
ルに対して0.5重量%以下のものでなければならな
い。そのためには、前述したように、ブタジエン、酢酸
及び酸素からジアセトキシブテンを含む反応物を製造す
る際の触媒の選択、及びジアセトキシブテンを水素添加
して炭素−炭素二重結合が飽和したジアセトキシブタン
に転換する際の水素添加触媒の選択により、ヒドロキシ
ルアミンを反応する不純物ないしはその前駆体の量を低
減させておくのが好ましい。また第2蒸留塔の下部側流
の抜出位置や蒸留塔の操作条件を調節することにより、
側流として液相で抜出される粗1,4−ブタンジオール
中のこれらの量を減少させることもできる。
オールは触媒の存在下に水素添加する。この水素添加反
応では、粗1,4−ブタンジオール中の主要な不純物で
ある2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフ
ラン、2−(4′−オキソブトキシ)テトラヒドロフラ
ン、及び1,4−ビス(2′−テトラヒドロフロキシ)
ブタン等が水添分解されて、テトラヒドロフランや1,
4−ブタンジオールに転換される。触媒としては常用の
ものを用いればよいが、通常は活性炭担持パラジウム触
媒のような担体付パラジウム触媒を用いるのが好まし
い。水素添加の反応条件は温度は40〜250℃、特に
80〜180℃が好ましく、圧力は常圧ないしは加圧、
特に0.4〜2MPa(ゲージ圧)が好ましい。なお、
水添反応は純水素以外に不活性ガスで稀釈された水素を
用いて行うこともできる。
留して軽沸点成分及び高沸点を除去することにより、高
純度に精製された1,4−ブタンジオールを取得するこ
とができる。
明する。なお、ヒドロキシルアミンの消費量の測定は下
記により行う。 ヒドロキシルアミン消費量の測定 試薬の調製:塩酸ヒドロキシルアミン(試薬特級)50
gを水100gに溶解させる。これに塩酸(試薬特級)
8.5mlを加えたのち、エチルアルコール(試薬特
級)で全量を1リットルとする。
(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフランの概
算濃度に応じて、下記重量の試料を100ml三角フラ
スコに採取する。 三角フラスコに上記で調製した試薬10mlをホールピ
ペットで正確に加える。
浸漬したのち、内容液をメタノールでよく洗浄しながら
100mlビーカーに移し、メタノールで全量を約50
mlとする。ビーカーの溶液を0.1規定メチルアルコ
ール性苛性カリ(試薬特級)で滴定する。実施例1 シリカにパラジウム及びテルルを担持させた触媒の存在
下に、ブタジエン、酢酸及び窒素で希釈した空気を、8
MPa(ゲージ圧)、70〜85℃で反応させて、ジア
セトキシブテンを含む溶液を得た。この溶液を蒸留し
て、酢酸及び高沸点物を除去し、主としてジアセトキシ
ブテンから成る留分を取得した。活性炭にパラジウムを
担持した触媒の存在下に、上記で取得した留分を、5M
Pa(ゲージ圧)、40〜70℃で水素添加し、炭素−
炭素二重結合の水素化を行った。シリカにルテニウムを
担持させた触媒の存在下に、上記で得た水素添加反応生
成液を、5MPa(ゲージ圧)、70〜100℃で更に
水素添加した。
型強酸性陽イオン交換樹脂であるダイヤイオンSKIB
(三菱化学社製品、ダイヤイオンは同社の登録商標)の
存在下に40〜60℃で加水分解した。加水分解反応生
成液は蒸留して、塔頂から水及び酢酸を留出させ、塔底
から下記の組成の塔底液を取得した。 塔底液の組成(重量%) 1,4−ブタンジオール 42.1 1,2−ブタンジオール 7.1 1,4−ジアセトキシブタン 9.2 1,2−ジアセトキシブタン 0.3 1,4−ブタンジオールモノアセテート 39.0 1,2−ブタンジオールモノアセテート 1.9 また、この塔底液中のヒドロキシルアミン消費量に基い
て算出された2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラ
ヒドロフラン濃度は0.2重量%であった。
Pa、塔底温度195℃、還流比30で上記で得た塔底
液を蒸留した。塔頂から25段目の位置から上部側流
を、塔頂から98段目の位置から下部側流を、それぞれ
液相で抜出した。蒸留塔から得られた各留分の重量組成
は次の通りであった。 塔頂留出液:1,2−ブタンジオール74%、1,2−
ブタンジオールモノアセテート20%、1,2−ジアセ
トキシブタン4% 上部側流 :1,4−ブタンジオールモノアセテート6
4%、1,4−ブタンジオール19%、1,4−ジアセ
トキシブタン15% 下部側流 :1,4−ブタンジオール99.4%、2−
(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン0.
4%、高沸点物0.1% 塔底液 :1,4−ブタンジオール95%、高沸点物 活性炭にパラジウムを1重量%となるように担持させた
触媒が充填されている反応器に、上記で得た下部側流を
水素と共に通液し、水素添加反応を行わせた。反応は、
0.9MPa(ゲージ圧)、100℃、水素/側流=
0.00027(重量比)、側流の液空間速度1.5h
r-1で行った。
40段の充填塔を用い、圧力6.7KPa、塔底温度1
63℃、還流比50で蒸留した。塔頂から29段目に反
応生成液を供給し、塔頂から20段目の位置から高純度
に精製された1,4−ブタンジオールを側流として抜出
した。1,4−ブタンジオールの純度は99.8%であ
り、1,4−ブタンジオール中のヒドロキシルアミン消
費量に基いて算出した2−(4′−ヒドロキシブトキ
シ)テトラヒドロフラン濃度は、運転開始後100時間
目で0.09重量%、1000時間目で0.11重量%
であった。 比較例1 実施例1において、ブタジエン、酢酸及び酸素を反応さ
せてジアセトキシブテンを生成させる際の触媒として、
活性炭にパラジウム及びテルルを担持させた触媒を用
い、またジアセトキシブテン留分の炭素−炭素二重結合
を水素化した後の後段の水素化触媒として活性炭にルテ
ニウムを担持させた触媒を用いた以外は、実施例1と同
様にして1,4−ブタンジオールの製造を行った。
ヒドロキシルアミン消費量に基いて算出された2−
(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン濃度
は1.0重量%であった。また、この塔底液の蒸留塔の
下部側流中の2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラ
ヒドロフラン濃度は1.9重量%であった。この側流を
水素添加したのち蒸留して得られた1,4−ブタンジオ
ールの純度は、運転開始100時間後で99.4重量
%、1000時間後で98.5重量%であり、1,4−
ブタンジオール中の2−(4′−ヒドロキシブトキシ)
テトラヒドロフラン濃度は、運転開始100時間後で
0.21重量%、1000時間後で1.07重量%であ
り、側流を水素添加する際の触媒の経時劣化が大きかっ
た。
Claims (8)
- 【請求項1】 触媒の存在下に、ブタジエン、酢酸及び
酸素を反応させて1,4−ジアセトキシブテンを含む反
応物を生成させ、この反応物を水素添加して炭素−炭素
二重結合を飽和させたのち加水分解する1,4−ブタン
ジオールの製造方法において、加水分解反応生成液を蒸
留して軽沸点成分及び高沸点成分を除去して粗1,4−
ブタンジオールを取得し、これを触媒の存在下に水素添
加して不純物を低減させるに際し、ヒドロキシルアミン
消費量に基いて式(1)で算出される2−(4′−ヒド
ロキシブトキシ)テトラヒドロフランの濃度が、1,4
−ブタンジオールに対して0.5重量%以下である粗
1,4−ブタンジオールを蒸留塔下部から側流として液
相で抜出して水素添加反応に供することを特徴とする方
法。 【数1】 式中、W:分析に用いた粗1,4−ブタンジオール試料
中の1,4−ブタンジオール量(g) S:試料に5%塩酸ヒドロキシルアミン−塩酸・エタノ
ール溶液を反応させたのち、0.1規定アルコール性苛
性カリ溶液で滴定したときの、アルコール性苛性カリ溶
液の消費量(ml) B:ブランクテストでのアルコール性苛性カリ溶液の消
費量(ml) f:アルコール性苛性カリ溶液のファクター - 【請求項2】 ブタジエン、酢酸及び酸素を反応させて
1,4−ジアセトキシブテンを生成させる反応を、担体
に貴金属並びにテルル、アンチモン、砒素及びセレンよ
り成る群から選ばれたものを担持した触媒の存在下に行
うことを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 ブタジエン、酢酸及び酸素を反応させて
1,4−ジアセトキシブテンを生成させる反応を、シリ
カにパラジウム及びテルルを担持した触媒の存在下に行
うことを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 1,4−ジアセトキシブテンを含む反応
物の水素添加を、活性炭担持貴金属触媒を用いる前段反
応と、シリカ担持貴金属触媒を用いる後段反応との2段
階で行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
に記載の方法。 - 【請求項5】 1,4−ジアセトキシブテンを含む反応
物の水素添加を、活性炭にパラジウムを担持させた触媒
を用いる前段反応と、シリカにルテニウムを担持させた
触媒を用いる後段反応との2段階で行うことを特徴とす
る請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】 粗1,4−ブタンジオールを、活性炭又
はシリカに貴金属を担持した触媒の存在下に水素添加す
ることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載
の方法。 - 【請求項7】 粗1,4−ブタンジオールを水素添加し
て得た水素添加反応生成液を蒸留して、高度に精製され
た1,4−ブタンジオールを取得することを特徴とする
請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。 - 【請求項8】 加水分解反応生成液を第1蒸留塔で蒸留
して塔頂から水及び酢酸を留出させ、塔底からブタンジ
オール類、ジアセトキシブタン類及びヒドロキシアセト
キシブタン類を含む塔底液を取得し、これを第2蒸留塔
で蒸留して塔頂から1,2−ブタンジオールを留出さ
せ、上部側流としてジアセトキシブタン類及びヒドロキ
シアセトキシブタン類を抜出し、下部側流として粗1,
4−ブタンジオールを液相で抜出すことを特徴とする請
求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
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JP2001216789A JP3998440B2 (ja) | 2001-07-17 | 2001-07-17 | 1,4−ブタンジオールの製造方法 |
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