JP2003026622A - 1,4−ブタンジオールの製造方法 - Google Patents

1,4−ブタンジオールの製造方法

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JP2003026622A
JP2003026622A JP2001216789A JP2001216789A JP2003026622A JP 2003026622 A JP2003026622 A JP 2003026622A JP 2001216789 A JP2001216789 A JP 2001216789A JP 2001216789 A JP2001216789 A JP 2001216789A JP 2003026622 A JP2003026622 A JP 2003026622A
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洋司 岩阪
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒の存在下にブタジエン、酢酸及び酸素を
反応させて1,4−ジアセトキシブテンを含む反応物を
生成させ、これを水添したのち加水分解する1,4−ブ
タンジオールの製造方法において、加水分解液を蒸留し
て得た粗1,4−ブタンジオールの水添精製を安定して
行う方法を提供する。 【解決手段】 加水分解液の蒸留塔の下部から、2−
(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン濃度
が1,4−ブタンジオールに対して0.5重量%以下で
ある粗1,4−ブタンジオールを側流として液相で抜出
して、水添反応に供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブタジエン、酢酸
及び酸素を反応させて1,4−ジアセトキシブテンを生
成させ、これを水素添加して1,4−ジアセトキシブタ
ンとしたのち加水分解して1,4−ブタンジオールを製
造する方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1,4−ブタンジオールの製造法はいく
つか知られているが、その代表的なものの一つに、触媒
の存在下にブタジエン、酢酸及び酸素を反応させて1,
4−ジアセトキシブテンを生成させ、これを水素添加し
て1,4−ジアセトキシブタンとしたのち加水分解し
て、1,4−ブタンジオールを生成させる方法があり、
工業的に実施されている。この方法では、1,4−ジア
セトキシブテンを生成させる工程及び加水分解工程で、
種々の副生物が生成する。従って加水分解反応生成液に
は、1,4−ブタンジオール以外に種々の成分が含まれ
ている。その主なものは、水、酢酸、1,4−及び1,
2−ジアセトキシブタン、1−ヒドロキシー4−アセト
キシブタン、1,2−ブタンジオールモノアセテート及
び1,2−ブタンジオールなどであり、更に1,4−ブ
タンジオールよりも高沸点の成分も若干含まれている。
【0003】1,4−ブタンジオールは種々の用途を有
しているが、主要な用途の一つはポリブチレンテレフタ
レートの製造である。そしてこの用途には高純度の1,
4−ブタンジオールが要求される。前述の加水分解反応
生成液から高純度の1,4−ブタンジオールを取得する
方法はいくつも提案されているが、その代表的な方法で
は、加水分解反応生成液を蒸留して、軽沸点成分及び高
沸点成分を除去して粗1,4−ブタンジオールを取得
し、これを水素添加して、含有されている主要な不純物
である2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロ
フラン、2−(4′−オキソブトキシ)テトラヒドロフ
ラン、及び1,4−ビス(2′−テトラヒドロフロキ
シ)ブタン等を、テトラヒドロフランや1,4−ブタン
ジオールに転換したのち、再び蒸留して高純度の1,4
−ブタンジオールを取得する(特開昭61−19753
4号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】加水分解反応生成液に
は前述のように種々の成分が含まれているので、これか
ら水素添加及び蒸留により高純度の1,4−ブタンジオ
ールを与える粗1,4−ブタンジオールを取得するに
は、加水分解反応生成液からこれらの成分を十分に除去
しなければならない。その代表的な方法では、加水分解
反応液を先ず第1蒸留塔で蒸留して、酢酸及び水を塔頂
から留出させ、塔底から1,2−及び1,4−ブタンジ
オールから成るブタンジオール類、1,2−及び1,4
−ジアセトキシブタンから成るジアセトキシブタン類、
並びに1,2−及び1,4−ブタンジオールモノアセテ
ートから成るヒドロキシアセトキシブタン類、更には重
質成分などを含む塔底液を取得する。次いでこの塔底液
を第2蒸留塔で蒸留して、塔頂から1,2−ブタンジオ
ールを留出させ、ジアセトキシブタン類及びヒドロキシ
アセトキシブタン類を塔上部から側流(上部側流)とし
て抜出し、塔下部から粗1,4−ブタンジオールを側流
(下部側流)として抜出し、重質成分を塔底から抜出
す。粗1,4−ブタンジオールを側流として抜出すに
は、液相で抜出す方法と気相で抜出す方法とが考えられ
るが、液相で抜出すと後続する水素添加工程における触
媒の被毒が大きいので、気相で抜出すのが好ましいとさ
れている(特開平6−172235号公報参照)。しか
しながら気相抜出し方式は、1,4−ブタンジオールを
蒸発潜熱を保有した高エネルギー状態で抜出すので、蒸
留塔のエネルギー消費量が大きいという欠点がある。従
って本発明は粗1,4−ブタンジオールを下部側流とし
て液相で抜出し、なおかつ後続する水素添加工程の触媒
被毒が激しくなるのを回避する方法を提供しようとする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、触媒の
存在下にブタジエン、酢酸及び酸素を反応させて1,4
−ジアセトキシブテンを含む反応物を生成させ、この反
応物を水素添加して炭素−炭素二重結合を飽和させたの
ち加水分解する1,4−ブタンジオールの製造方法にお
いて、加水分解反応生成液を蒸留して軽沸点成分及び高
沸点成分を除去して粗1,4−ブタンジオールを取得
し、これを触媒の存在下に水素添加して不純物を低減さ
せるに際し、ヒドロキシルアミン消費量に基いて式
(1)で算出される2−(4′−ヒドロキシブトキシ)
テトラヒドロフランの濃度が1,4−ブタンジオールに
対して0.5重量%以下である粗1,4−ブタンジオー
ルを蒸留塔下部から側流として液相で抜出して水素添加
反応に供することにより、水素添加反応を長期間に亘り
安定して行い、かつエネルギー効率よく1,4−ブタン
ジオールを製造することができる。
【0006】
【数2】
【0007】式中、W:分析に用いた粗1,4−ブタン
ジオール試料中の1,4−ブタンジオール量(g) S:試料に5%塩酸ヒドロキシルアミン−塩酸エタノー
ル溶液を反応させたのち、0.1規定アルコール性苛性
カリ溶液で滴定したときの、アルコール性苛性カリ溶液
の消費量(ml) B:ブランクテストでのアルコール性苛性カリ溶液の消
費量(ml) f:アルコール性苛性カリ溶液のファクター
【0008】
【発明の実施の形態】本発明では、ブタジエン、酢酸及
び酸素からの1,4−ジアセトキシブテンを含む反応物
の製造、得られた反応物を水素添加して炭素−炭素二重
結合を飽和させる反応、及びこの水素添加反応生成物の
加水分解反応は、基本的にいずれも公知の方法に従って
行うことができる。1,4−ジアセトキシブテンを含む
反応物の製造は、触媒充填床が収容されている反応器
に、ブタジエン及び酢酸を液相で、通常は酢酸中にブタ
ジエンを溶解させて連続的に供給し、同時に反応器に空
気のような酸素含有ガスを連続的に供給することにより
行うことができる。酢酸は反応溶媒を兼ねて用いられる
ので、反応器に供給するブタジエンに対する酢酸の比率
は、通常は化学量論量の5〜60倍、好ましくは10〜
40倍である。酸素も、反応器内の気相が爆発組成にな
らない限度で、大過剰に用いるのが好ましい。
【0009】また、反応温度は40〜120℃、好まし
くは50〜80℃であり、圧力は通常は常圧ないしは若
干減圧である。触媒としては貴金属ならびにテルル、ア
ンチモン、砒素及びセレンより成る群から選ばれたもの
を担体に担持させた担体付触媒を用いる。担体としては
シリカや活性炭などを用いるのが好ましい。最も好まし
いのはシリカにパラジウム及びテルルを担持させた触媒
であり、この触媒を用いると、後続する加水分解反応生
成液の蒸留により、ヒドロキシルアミン消費量から算出
される2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロ
フランの濃度が1,4−ブタンジオールに対して0.5
重量%以下の粗1,4−ブタンジオールを取得するのが
容易である。すなわち触媒を構成する担体及び貴金属な
どにより、生成する副生物が少しづつ異なり、シリカを
担体とする触媒はヒドロキシルアミン消費量から算出さ
れる2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフ
ランの副生が比較的少ない。シリカ担持パラジウム−テ
ルル触媒のパラジウム含有量は0.1〜20重量%、特
に0.5〜10重量%が好ましく、またテルルはパラジ
ウムに対して原子比で0.05〜5倍、特に0.15〜
0.35倍であるのが好ましい。
【0010】ブタジエン、酢酸及び酸素の反応により得
られた反応生成液は、気液分離したのち蒸留して、酢酸
及び高沸点成分を除去し、主としてジアセトキシブテン
から成る留分を取得し、これを水素添加して炭素−炭素
二重結合を飽和させ、ジアセトキシブテンをジアセトキ
シブタンに転換する。この水素添加反応は、通常は担体
付貴金属触媒、例えば活性炭に貴金属、好ましくはパラ
ジウムを担持した触媒の充填床が収容されている反応器
に、ジアセトキシブテン留分と水素とを連続的に供給す
ることにより行われる。反応温度は20〜180℃、特
に30〜150℃が好ましく、圧力は常圧ないしは加圧
が好ましい。
【0011】本発明の好ましい一態様では、上述の活性
炭担持貴金属触媒を用いて水素添加を行ったのち、更に
シリカに貴金属、好ましくはルテニウムを担持した触媒
を用いて水素添加を行う。このシリカ担持触媒を用いる
水素添加反応も、前述の活性炭担持触媒を用いる水素添
加反応と同様の反応条件で行えばよいが、反応温度は若
干高く、例えば30〜100℃高くするのが好ましい。
このように活性炭担持触媒及びシリカ担持触媒を用いて
水素添加反応を2段階で行うと、後続する加水分解反応
生成液の蒸留により、ヒドロキシルアミン消費量に基い
て算出される2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラ
ヒドロフランの濃度が0.5重量%以下の粗1,4−ブ
タンジオールを取得するのが容易である。これは後段の
シリカ担持触媒を用いる水素添加反応により、水添反応
に供したジアセトキシブテン留分中の、ヒドロキシルア
ミンと反応する不純物ないしはその前駆体が減少するも
のと考えられる。
【0012】水素添加反応により得られたジアセトキシ
ブタンは、次いで加水分解してジアセトキシブタンをブ
タンジオールに転換する。この加水分解反応は、通常は
強酸性陽イオン交換樹脂の充填床が収容されている反応
器に、ジアセトキシブタンと水の混合液を連続的に供給
することにより行う。混合液中の水の含有量は、加水分
解を完全に行わせるのに必要な理論量の2〜100倍、
特に4〜50倍が好ましい。また加水分解温度は30〜
110℃、特に40〜90℃が好ましい。加水分解では
ブタンジオール類の外に、中間体であるヒドロキアセト
キシブタン類も生成する。ブタンジオール類とヒドロキ
シアセトキシブタン類の生成比率は、加水分解反応の条
件に大きく依存する。なお、1−ヒドロキシ−4−アセ
トキシブタンは脱酢酸環化させてテトラヒドロフランに
誘導できるので、1,4−ブタンジオールとテトラヒド
ロフランを併産させる場合には、併産比率に適合するよ
うに加水分解条件を設定する。
【0013】加水分解反応生成液は蒸留し、軽沸点成分
及び高沸点成分を除去して、粗1,4−ブタンジオール
を取得し、これを後続する水素添加反応に供する。本発
明では式(1)に基いて算出される2−(4′−ヒドロ
キシブトキシ)テトラヒドロフラン濃度が0.5重量%
以下の粗1,4−ブタンジオールを、蒸留塔下部から側
流として液相で抜出して、水素添加反応に供する。通常
は加水分解反応液を先ず第1蒸留塔で蒸留して、酢酸及
び水を塔頂から留出させ、塔底から1,2−及び1,4
−ブタンジオールから成るブタンジオール類、1,2−
及び1,4−ジアセトキシブタンから成るジアセトキシ
ブタン類、並びに1,2−及び1,4−ブタンジオールモ
ノアセテートから成るヒドロキシアセトキシブタン類か
ら成る塔底液を取得する。この塔底液中には1,4−ブ
タンジオールよりも高沸点の重質成分も含まれている。
第1蒸留塔は理論段数2〜10段程度のものを用いて、
塔頂圧力5〜100kPa、特に7〜30kPa、塔底
温度100〜200℃、特に120〜180℃で操作す
るのが好ましい。
【0014】第1蒸留塔の塔底液は第2蒸留塔に供給し
て更に蒸留し、式(1)に基いて算出される2−(4′
−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン濃度が0.
5重量%以下の粗1,4−ブタンジオールを塔下部から
側流として液相で抜出す。1,4−ブタンジオールより
も沸点の低い1,2−ブタンジオール、ジアセトキシブ
タン類及びヒドロキシアセトキシブタン類は塔頂から留
出させることもできるが、通常は1,2−ブタンジオー
ルは塔頂から留出させ、ジアセトキシブタン類及びヒド
ロキシアセトキシブタン類は塔上部から側流として抜出
して、それぞれの用途に供する。この第2蒸留塔は理論
段数60〜120段、特に80〜100段のものを用い
て、塔頂圧力5〜100kPa、特に7〜60kPa、
塔底温度130〜270℃、特に150〜250℃で操
作するのが好ましい。第2蒸留塔の塔下部から側流とし
て液相で抜出される粗1,4−ブタンジオールは、式
(1)に基いて算出される2−(4′−ヒドロキシブト
キシ)テトラヒドロフラン濃度が1,4−ブタンジオー
ルに対して0.5重量%以下のものでなければならな
い。そのためには、前述したように、ブタジエン、酢酸
及び酸素からジアセトキシブテンを含む反応物を製造す
る際の触媒の選択、及びジアセトキシブテンを水素添加
して炭素−炭素二重結合が飽和したジアセトキシブタン
に転換する際の水素添加触媒の選択により、ヒドロキシ
ルアミンを反応する不純物ないしはその前駆体の量を低
減させておくのが好ましい。また第2蒸留塔の下部側流
の抜出位置や蒸留塔の操作条件を調節することにより、
側流として液相で抜出される粗1,4−ブタンジオール
中のこれらの量を減少させることもできる。
【0015】側流として抜出された粗1,4−ブタンジ
オールは触媒の存在下に水素添加する。この水素添加反
応では、粗1,4−ブタンジオール中の主要な不純物で
ある2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフ
ラン、2−(4′−オキソブトキシ)テトラヒドロフラ
ン、及び1,4−ビス(2′−テトラヒドロフロキシ)
ブタン等が水添分解されて、テトラヒドロフランや1,
4−ブタンジオールに転換される。触媒としては常用の
ものを用いればよいが、通常は活性炭担持パラジウム触
媒のような担体付パラジウム触媒を用いるのが好まし
い。水素添加の反応条件は温度は40〜250℃、特に
80〜180℃が好ましく、圧力は常圧ないしは加圧、
特に0.4〜2MPa(ゲージ圧)が好ましい。なお、
水添反応は純水素以外に不活性ガスで稀釈された水素を
用いて行うこともできる。
【0016】水素添加反応生成液からは、常法により蒸
留して軽沸点成分及び高沸点を除去することにより、高
純度に精製された1,4−ブタンジオールを取得するこ
とができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に具体的に説
明する。なお、ヒドロキシルアミンの消費量の測定は下
記により行う。 ヒドロキシルアミン消費量の測定 試薬の調製:塩酸ヒドロキシルアミン(試薬特級)50
gを水100gに溶解させる。これに塩酸(試薬特級)
8.5mlを加えたのち、エチルアルコール(試薬特
級)で全量を1リットルとする。
【0018】分析操作;式(1)で算出される2−
(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフランの概
算濃度に応じて、下記重量の試料を100ml三角フラ
スコに採取する。 三角フラスコに上記で調製した試薬10mlをホールピ
ペットで正確に加える。
【0019】三角フラスコを60±2℃の湯浴に2時間
浸漬したのち、内容液をメタノールでよく洗浄しながら
100mlビーカーに移し、メタノールで全量を約50
mlとする。ビーカーの溶液を0.1規定メチルアルコ
ール性苛性カリ(試薬特級)で滴定する。実施例1 シリカにパラジウム及びテルルを担持させた触媒の存在
下に、ブタジエン、酢酸及び窒素で希釈した空気を、8
MPa(ゲージ圧)、70〜85℃で反応させて、ジア
セトキシブテンを含む溶液を得た。この溶液を蒸留し
て、酢酸及び高沸点物を除去し、主としてジアセトキシ
ブテンから成る留分を取得した。活性炭にパラジウムを
担持した触媒の存在下に、上記で取得した留分を、5M
Pa(ゲージ圧)、40〜70℃で水素添加し、炭素−
炭素二重結合の水素化を行った。シリカにルテニウムを
担持させた触媒の存在下に、上記で得た水素添加反応生
成液を、5MPa(ゲージ圧)、70〜100℃で更に
水素添加した。
【0020】水素添加反応生成液は、次いでスルホン酸
型強酸性陽イオン交換樹脂であるダイヤイオンSKIB
(三菱化学社製品、ダイヤイオンは同社の登録商標)の
存在下に40〜60℃で加水分解した。加水分解反応生
成液は蒸留して、塔頂から水及び酢酸を留出させ、塔底
から下記の組成の塔底液を取得した。 塔底液の組成(重量%) 1,4−ブタンジオール 42.1 1,2−ブタンジオール 7.1 1,4−ジアセトキシブタン 9.2 1,2−ジアセトキシブタン 0.3 1,4−ブタンジオールモノアセテート 39.0 1,2−ブタンジオールモノアセテート 1.9 また、この塔底液中のヒドロキシルアミン消費量に基い
て算出された2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラ
ヒドロフラン濃度は0.2重量%であった。
【0021】理論段数96段の充填塔を用いて、21K
Pa、塔底温度195℃、還流比30で上記で得た塔底
液を蒸留した。塔頂から25段目の位置から上部側流
を、塔頂から98段目の位置から下部側流を、それぞれ
液相で抜出した。蒸留塔から得られた各留分の重量組成
は次の通りであった。 塔頂留出液:1,2−ブタンジオール74%、1,2−
ブタンジオールモノアセテート20%、1,2−ジアセ
トキシブタン4% 上部側流 :1,4−ブタンジオールモノアセテート6
4%、1,4−ブタンジオール19%、1,4−ジアセ
トキシブタン15% 下部側流 :1,4−ブタンジオール99.4%、2−
(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン0.
4%、高沸点物0.1% 塔底液 :1,4−ブタンジオール95%、高沸点物 活性炭にパラジウムを1重量%となるように担持させた
触媒が充填されている反応器に、上記で得た下部側流を
水素と共に通液し、水素添加反応を行わせた。反応は、
0.9MPa(ゲージ圧)、100℃、水素/側流=
0.00027(重量比)、側流の液空間速度1.5h
-1で行った。
【0022】反応生成液は気液分離したのち、理論段数
40段の充填塔を用い、圧力6.7KPa、塔底温度1
63℃、還流比50で蒸留した。塔頂から29段目に反
応生成液を供給し、塔頂から20段目の位置から高純度
に精製された1,4−ブタンジオールを側流として抜出
した。1,4−ブタンジオールの純度は99.8%であ
り、1,4−ブタンジオール中のヒドロキシルアミン消
費量に基いて算出した2−(4′−ヒドロキシブトキ
シ)テトラヒドロフラン濃度は、運転開始後100時間
目で0.09重量%、1000時間目で0.11重量%
であった。 比較例1 実施例1において、ブタジエン、酢酸及び酸素を反応さ
せてジアセトキシブテンを生成させる際の触媒として、
活性炭にパラジウム及びテルルを担持させた触媒を用
い、またジアセトキシブテン留分の炭素−炭素二重結合
を水素化した後の後段の水素化触媒として活性炭にルテ
ニウムを担持させた触媒を用いた以外は、実施例1と同
様にして1,4−ブタンジオールの製造を行った。
【0023】加水分解反応生成液の蒸留塔の塔底液中の
ヒドロキシルアミン消費量に基いて算出された2−
(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン濃度
は1.0重量%であった。また、この塔底液の蒸留塔の
下部側流中の2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラ
ヒドロフラン濃度は1.9重量%であった。この側流を
水素添加したのち蒸留して得られた1,4−ブタンジオ
ールの純度は、運転開始100時間後で99.4重量
%、1000時間後で98.5重量%であり、1,4−
ブタンジオール中の2−(4′−ヒドロキシブトキシ)
テトラヒドロフラン濃度は、運転開始100時間後で
0.21重量%、1000時間後で1.07重量%であ
り、側流を水素添加する際の触媒の経時劣化が大きかっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/16 C07C 69/16 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 西村 誠二郎 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC41 AC48 AD11 AD31 BA15 BA25 BA55 BA60 BA61 BE20 BE30 BN00 FE11 FG28 KA12 KA30 KD00 4H039 CA19 CA29 CA66 CB10 CC10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の存在下に、ブタジエン、酢酸及び
    酸素を反応させて1,4−ジアセトキシブテンを含む反
    応物を生成させ、この反応物を水素添加して炭素−炭素
    二重結合を飽和させたのち加水分解する1,4−ブタン
    ジオールの製造方法において、加水分解反応生成液を蒸
    留して軽沸点成分及び高沸点成分を除去して粗1,4−
    ブタンジオールを取得し、これを触媒の存在下に水素添
    加して不純物を低減させるに際し、ヒドロキシルアミン
    消費量に基いて式(1)で算出される2−(4′−ヒド
    ロキシブトキシ)テトラヒドロフランの濃度が、1,4
    −ブタンジオールに対して0.5重量%以下である粗
    1,4−ブタンジオールを蒸留塔下部から側流として液
    相で抜出して水素添加反応に供することを特徴とする方
    法。 【数1】 式中、W:分析に用いた粗1,4−ブタンジオール試料
    中の1,4−ブタンジオール量(g) S:試料に5%塩酸ヒドロキシルアミン−塩酸・エタノ
    ール溶液を反応させたのち、0.1規定アルコール性苛
    性カリ溶液で滴定したときの、アルコール性苛性カリ溶
    液の消費量(ml) B:ブランクテストでのアルコール性苛性カリ溶液の消
    費量(ml) f:アルコール性苛性カリ溶液のファクター
  2. 【請求項2】 ブタジエン、酢酸及び酸素を反応させて
    1,4−ジアセトキシブテンを生成させる反応を、担体
    に貴金属並びにテルル、アンチモン、砒素及びセレンよ
    り成る群から選ばれたものを担持した触媒の存在下に行
    うことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ブタジエン、酢酸及び酸素を反応させて
    1,4−ジアセトキシブテンを生成させる反応を、シリ
    カにパラジウム及びテルルを担持した触媒の存在下に行
    うことを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 1,4−ジアセトキシブテンを含む反応
    物の水素添加を、活性炭担持貴金属触媒を用いる前段反
    応と、シリカ担持貴金属触媒を用いる後段反応との2段
    階で行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】 1,4−ジアセトキシブテンを含む反応
    物の水素添加を、活性炭にパラジウムを担持させた触媒
    を用いる前段反応と、シリカにルテニウムを担持させた
    触媒を用いる後段反応との2段階で行うことを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 粗1,4−ブタンジオールを、活性炭又
    はシリカに貴金属を担持した触媒の存在下に水素添加す
    ることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 粗1,4−ブタンジオールを水素添加し
    て得た水素添加反応生成液を蒸留して、高度に精製され
    た1,4−ブタンジオールを取得することを特徴とする
    請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 加水分解反応生成液を第1蒸留塔で蒸留
    して塔頂から水及び酢酸を留出させ、塔底からブタンジ
    オール類、ジアセトキシブタン類及びヒドロキシアセト
    キシブタン類を含む塔底液を取得し、これを第2蒸留塔
    で蒸留して塔頂から1,2−ブタンジオールを留出さ
    せ、上部側流としてジアセトキシブタン類及びヒドロキ
    シアセトキシブタン類を抜出し、下部側流として粗1,
    4−ブタンジオールを液相で抜出すことを特徴とする請
    求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
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