JP2003025432A - エンボスシートの製造方法及びその製造装置 - Google Patents

エンボスシートの製造方法及びその製造装置

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JP2003025432A
JP2003025432A JP2001210691A JP2001210691A JP2003025432A JP 2003025432 A JP2003025432 A JP 2003025432A JP 2001210691 A JP2001210691 A JP 2001210691A JP 2001210691 A JP2001210691 A JP 2001210691A JP 2003025432 A JP2003025432 A JP 2003025432A
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roll
sheet
backup roll
embossed
cooling
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JP2001210691A
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English (en)
Inventor
Yuji Karasawa
勇治 唐沢
Junichi Yamauchi
淳一 山内
Masashi Hashimoto
正志 橋本
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JNC Corp
JNC Petrochemical Corp
Original Assignee
Chisso Petrochemical Corp
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィン系樹脂のカレンダー成形法におけ
るエンボス加工時にバックアップロールへのシートの粘
着がなく、得られるシートが外観良好で、さらにエンボ
ス模様の転写が良好であり、表面意匠性が求められる用
途等にも好適に用いられるエンボスシートの製造方法及
びその製造装置を提供する。 【解決手段】 可塑化されたオレフィン系樹脂組成物を
エンボスロール(2)と該エンボスロール(2)に平行
設置されたバックアップロール(3)との間に通すこと
によりエンボス加工をするオレフィン系樹脂シートのカ
レンダー製造方法において、バックアップロール(3)
を冷却槽(4)の冷媒に浸漬させて冷却するとともに、
冷却槽(4)からの出口側で該バックアップロール
(3)と平行接触する、真空ポンプ(6)を含む減圧装
置に接続された透過孔を有する中空の吸液ロール(5)
により該バックアップロール(3)に付着した冷却水を
吸引除去することを特徴とするエンボスシートの製造方
法及びその製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンボスシートの
製造方法及びその製造装置に関する。詳しくは、オレフ
ィン系樹脂シートのカレンダー設備において、エンボス
ロールに平行設置されたバックアップロールへのシート
の粘着を防止し、成形後のシートの品質向上を図ったエ
ンボスシートの製造方法及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カレンダー成形法は、厚み精度及び高速
生産性に優れたシート及びフィルム(以下「シート」と
いう。)成形法として、熱可塑性樹脂シート、特に塩化
ビニル系樹脂シートの製造に用いられてきた。また近
年、環境問題等からカレンダー成形法を、燃焼時に有害
な塩化水素ガスを発生せず、機械的特性、経済性及びリ
サイクル性に優れるエチレン系樹脂やプロピレン系樹脂
等からなるオレフィン系樹脂シートの製造に用いる試み
がなされるようになった。
【0003】カレンダー成形法では、シートの材料とな
る樹脂組成物を予備混練工程で溶融した後、複数本のカ
レンダーロールで圧延してシートに成形する。その後、
シートの表面に意匠性を付与するために、エンボス装置
を用いてシートの表面に梨地状、木目導管模様その他の
様々なエンボス模様を転写する。この時、エンボス装置
に送るシートの温度が低いと、シートの表面に十分にエ
ンボス模様を転写することできず、シートの意匠性が低
下する。逆に、エンボス装置に送るシートの温度が高け
れば、エンボス模様の転写が良好となり、シートの意匠
性が高まる。しかし、バックアップロールにシートの一
部が粘着してシートにスジやムラが発生したり、エンボ
ス模様の転写不良が生じるなど、外観良好なシートを得
られない。特にオレフィン系樹脂エンボスシートの製造
ではこの傾向が顕著である。
【0004】塩化ビニル系樹脂エンボスシートの製造に
おいては、エンボス装置に送るシートの温度が高くても
外観良好なシートを得られるように、ロール中空部へ水
等の冷媒(以下「冷却水」という。)を供給する冷却方
法を採用している。ところが、バックアップロールには
ゴム被覆をしているためオレフィン系樹脂等を用いたエ
ンボス加工時に十分な冷却効果を得られず、バックアッ
プロールにシートの一部が粘着してシートにスジやムラ
が発生したり、エンボス模様の転写不良が生じるなど安
定生産できない場合があった。そこで、バックアップロ
ールの下部に冷却槽を設置し、バックアップロールを冷
却水中に浸漬させて(以下、バックアップロールを冷却
水中に浸漬させる容積を単に「浸漬量」という。)直接
バックアップロールの表面温度を低下させることで、シ
ートの一部がバックアップロールに粘着することを防止
しようとする試みが行われた。その結果この方法によ
り、バックアップロールへの付着は改善され、大きな成
果を上げた。
【0005】しかしながら、一方でバックアップロール
表面に付着し残留した冷却水が直接シートに接触し、シ
ート表面にスジやムラが発生したり、冷却が不均一とな
り得られるシートの品質が低下するという問題があっ
た。また、この問題を解決する手段として、バックアッ
プロール表面に付着し残留した冷却水を、布等を巻き付
けた水切りロールを用いて除去する方法や空気等の気体
を吹き付けて除去する方法が提案されている。ところ
が、長時間、高速運転するカレンダー成形法では、前者
の方法では運転時間の経過とともに冷却水を十分に除去
することができなくなる。また、後者の方法では浸漬量
が少ない場合には十分冷却水を除去することができる
が、浸漬量が多い場合には高速運転をしているため冷却
水を十分に除去することができない。
【0006】このように、カレンダー成形法におけるエ
ンボス装置において、オレフィン系樹脂シートに表面意
匠性を付与する場合には、バックアップロールへの粘着
を防止し、外観良好なシートを得ることが困難であっ
た。このため、表面意匠性が重視されるような建材用途
や包装用途等のシート成形においては、安定生産性に欠
けるという問題があった。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、オレフィ
ン系樹脂のカレンダー成形法におけるエンボス加工時に
バックアップロールへのシートの粘着がなく、得られる
シートが外観良好で、さらにエンボス模様の転写が良好
であり、表面意匠性が求められる用途等にも好適に用い
られるエンボスシートの製造方法及びその製造装置を提
供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、可塑化されたオレフィン系樹脂組成物をエンボ
スロール(2)と該エンボスロール(2)に平行設置さ
れたバックアップロール(3)との間に通すことにより
エンボス加工をするオレフィン系樹脂シートのカレンダ
ー製造方法において、バックアップロール(3)を冷却
槽(4)の冷媒に浸漬させて冷却するとともに、冷却槽
(4)からの出口側で該バックアップロール(3)と平
行接触する、真空ポンプ(6)を含む減圧装置に接続さ
れた透過孔を有する中空の吸液ロール(5)により該バ
ックアップロール(3)に付着した冷却水を吸引除去す
ることを特徴とするエンボスシートの製造方法が前記課
題を解決することを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は以下の構成を有する。 1.可塑化されたオレフィン系樹脂組成物をエンボスロ
ール(2)と該エンボスロール(2)に平行設置された
バックアップロール(3)との間に通すことによりエン
ボス加工をするオレフィン系樹脂エンボスシートの製造
方法において、バックアップロール(3)を冷却槽
(4)の冷媒に浸漬させて冷却するとともに、冷却槽
(4)からの出口側で該バックアップロール(3)と平
行接触する、真空ポンプ(6)を含む減圧装置に接続さ
れた透過孔を有する中空の吸液ロール(5)により該バ
ックアップロール(3)に付着した冷却水を吸引除去す
ることを特徴とするエンボスシートの製造方法。 2.冷却槽(4)の冷媒として、少なくとも界面活性剤
を含む冷却水を用いることを特徴とする前記1.に記載
のエンボスシートの製造方法。 3.可塑化されたオレフィン系樹脂組成物をエンボスロ
ール(2)と該エンボスロール(2)に平行設置された
バックアップロール(3)との間に通すことによりエン
ボス加工をするオレフィン系樹脂エンボスシートの製造
装置において、バックアップロール(3)が冷却槽
(4)の冷媒に浸漬するように冷却槽(4)を設置する
とともに、透過孔を有する中空の吸液ロール(5)を該
冷却槽(4)からの出口側で該バックアップロール
(3)と平行接触するように設置し、該吸液ロール
(5)を真空ポンプ(6)を含む減圧装置に接続したこ
とを特徴とするエンボスシート製造装置。 4.冷却槽(4)の冷媒として、少なくとも界面活性剤
を含む冷却水を用いることを特徴とする前記3.に記載
のエンボスシート製造装置。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て説明する。エンボスシートはカレンダー法、押出法及
びインフレーション法等により通常製造される。例えば
カレンダー法では、バンバリーミキサーやミキシングロ
ール、ウォーミングロールまたは押出機等を経由して可
塑化されたオレフィン系樹脂組成物をカレンダーロール
に移送し、カレンダーロールにより圧延シート状にした
後、テイクオフロール、エンボスロール、冷却ロール、
トリミングカッター等を経てワインダーに巻き取り製品
化する。また、押出法ではバンバリーミキサーや押出機
等を経由しTダイから押出される可塑化されたオレフィ
ン系樹脂組成物をチルロールで冷却し、エンボスロール
へと送りエンボス加工を施した後、ワインダーに巻き取
り製品化する。本発明は、各製法におけるこれらの工程
のうち、エンボス加工を施す部分であり、その方法及び
装置である。本発明の特徴はエンボス加工を施す際のバ
ックアップロールの冷却方法及びその装置にある。
【0011】本発明におけるエンボスシート製造装置を
例示した側面図(図1)に基づいて、本発明の特徴的部
分であるエンボス加工を施す際のバックアップロールの
冷却方法及びその装置について以下に説明する。カレン
ダー法であればカレンダーロールで圧延したオレフィン
系樹脂シート(1)を、押出法であればチルロールで冷
却したオレフィン系樹脂シート(1)をエンボスロール
(2)とバックアップロール(3)の間に導く。エンボ
スロール(2)とバックアップロール(3)とでオレフ
ィン系樹脂シート(1)を圧着し、シートの表面にエン
ボスロールの表面模様を形成させる。この時、バックア
ップロール(3)を冷却槽(4)の冷媒に浸漬させて冷
却するとともに、冷却槽(4)からの出口側で該バック
アップロール(3)と平行接触する、真空ポンプ(6)
を含む減圧装置に接続された透過孔を有する中空の吸液
ロール(5)により該バックアップロール(3)に付着
した冷却水を吸引除去する。その結果、冷却水により直
接バックアップロールの表面温度を低下させるけれど
も、バックアップロール表面に付着し残留した冷却水が
直接シートに接触することがなくなる。そのため、シー
ト表面にスジやムラが発生することなく、外観良好でエ
ンボス模様を転写したオレフィン系樹脂シートを得られ
る。
【0012】本発明のエンボスシート製造方法はカレン
ダー法、押出法及びインフレーション法において使用す
ることができる。本発明のエンボスシート製造方法は高
速連続運転を行うカレンダー法において最も本発明の効
果を発揮することができる。そのため、カレンダー法に
おいて本発明を使用することが特に好ましい。
【0013】本発明におけるエンボスロール(2)は鋼
製ロールであり、表面意匠性を付与するために、外周面
に梨地状や木目導管模様等の凹凸模様が彫刻されてい
る。また、必要に応じて表面にクロムメッキ等が施され
る。本発明におけるバックアップロール(3)も鋼製ロ
ールであり、表面にゴム系材料を被覆したものを使用す
る。ゴム系材料としては、シリコーンゴム、エチレンプ
ロピレンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチ
ルゴム、フッ素ゴム及びウレタンゴム等を挙げることが
できる。
【0014】本発明における吸液ロール(5)は脱液の
ための透過孔を有する中空の吸液ロールである。さらに
詳細な構造は、吸液用の多数の細孔を周壁面に形成した
中空の軸本体に液浸透性を有する不織布製ロールパッド
を被覆した吸液ロールである。この中空の軸本体は本発
明の効果を損なわない限り特に限定されない。中空の軸
本体としてたとえば、軸受け部を備えた鋼管製の鉄心を
例示できる。不織布製ロールパッドは液浸透性を有する
ものであればよい。不織布製ロールパッドとしては、
0.1〜17デシテックスの繊維から構成されるもので
あること、ポリプロピレン系、ポリエステル系、ポリウ
レタン系繊維等でつくられた不織布からなること、表面
硬度Hs=40゜〜100゜(JIS K6301 ス
プリング式硬さ試験(A形)による)であること及び厚
みが10mm以上であることが耐久性、脱液効率等の面
から好ましい。吸液ロール(5)としては、たとえば市
販品である(株)増田製作所のマスロール(商品名)を
用いることができる。また、吸液ロール(5)は中空の
軸本体における片方の端部または両方の端部でロータリ
ージョイント及び真空配管等を介して真空ポンプを含む
減圧装置(6)に接続される。
【0015】真空ポンプを含む減圧装置(6)は、バッ
クアップロール表面に付着し残留した冷却水を吸引除去
できる能力があれば特に制限されない。真空ポンプを含
む減圧装置(6)として、真空ポンプ、真空配管、真空
計、真空調節弁、安全弁、ストレーナー、逆止弁、トラ
ップ及び制御盤等で構成される装置を例示できる。ま
た、真空配管等は配管抵抗や液溜まりを生じない配置が
好ましい。
【0016】本発明におけるバックアップロール(3)
の表面温度は本発明の効果を損なわない範囲であれば特
に制限されない。シート原料、シート厚み、生産速度等
により最適なバックアップロール(3)の表面温度は異
なるものであり、適宜最適表面温度にバックアップロー
ル(3)の表面温度を制御することは、当業者であれば
容易である。バックアップロール(3)の表面温度が好
ましくは100℃以下、さらに好ましくは80℃以下で
あれば、シートがバックアップロール(3)に粘着する
ことを防止でき、外観良好なエンボスシートを得られ
る。
【0017】バックアップロール(3)の冷却水(7)
への浸漬量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば
特に制限されない。バックアップロール(3)の直径、
シートの表面温度及び冷却水の温度等により最適な浸漬
量の範囲は異なり、浸漬量を適宜最適化することは当業
者であれば容易である。浸漬量は、バックアップロール
(3)の垂直方向最下部より上へ0.5mmの位置まで
に相当する浸漬量〜バックアップロール(3)のロール
直径の1/3までに相当する浸漬量の範囲にあることが
好ましい。浸漬量が多過ぎると水切りが十分に行えずバ
ックアップロール(3)に付着し残留した冷却水により
シート表面にスジやムラが発生し易くなる。逆に、浸漬
量が少な過ぎると十分な冷却効果が得られず、シートが
バックアップロール(3)に粘着して外観良好なエンボ
スシートを得られない。
【0018】ここで冷却水の温度は、冷却効果が損なわ
れない温度範囲にあれば特に限定されない。すなわち、
冷却水が凍結する温度より高く、バックアップロールの
温度より低い温度範囲にあればよい。冷却水の温度を好
ましくは30℃以下、より好ましくは20℃以下にする
と、バックアップロール(3)の冷却効果が大きくな
り、バックアップロール(3)の表面温度を制御し易く
なる。
【0019】本発明において、冷却水(7)に界面活性
剤を混合することが好ましい。冷却水(7)に界面活性
剤を混合すれば、バックアップロール(3)表面に付着
した残留冷却水がバックアップロール(3)表面に均一
化され、残留冷却水を除去し易くなる。界面活性剤は特
に限定されず、公知公用の各種界面活性剤すなわち、陰
イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性
剤及び非イオン界面活性剤を使用できる。具体的には、
陰イオン界面活性剤として脂肪酸金属石鹸類、ジオクチ
ルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルサルフェート
(ナトリウム塩)及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸
ナトリウム等を例示できる。陽イオン界面活性剤として
はオクタデシルアミン酢酸塩、オクタデシルトリメチル
アンモニウムクロライド及びアルキル(ヤシ)ジメチル
ベンジルアンモニウムクロライド等を例示できる。両性
界面活性剤としてはジメチルアルキルベタイン及びアミ
ドベタイン類等を例示できる。非イオン界面活性剤とし
てはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
モノステアレート、ソルビタンモノラウレート及びポリ
オキシエチレンソルビタンモノラウレート等を例示でき
る。
【0020】界面活性剤の添加量は、本発明の効果を損
なわない範囲であれば特に制限されないが、0.5重量
%以下が好ましい。界面活性剤の添加量が0.5重量%
以下であれば冷却水(5)の発泡やシート表面のベタツ
キ等が発生せず、外観良好なエンボスシートを得られ
る。
【0021】本発明におけるシートの原材料はオレフィ
ン系樹脂である。本発明におけるオレフィン系樹脂とし
ては、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ブテン系樹
脂、イソプレン系樹脂、ペンテン系樹脂、メチルペンテ
ン系樹脂及び塩素化ポリエチレン等を例示できる。エチ
レン系樹脂としては、エチレンの単独重合体、エチレン
を主成分とするエチレン以外の単量体とからなる二元以
上のランダム又はブロック共重合体及びこれら2種類以
上の混合物を挙げられる。エチレン以外の単量体として
は、特に制限されないが、プロピレン、1−ブテン、1
−ペンテン、1−ヘキセン及び1−オクテン等の炭素数
3〜12のα−オレフィン、酢酸ビニル等のビニルエス
テル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、メタ
クリル酸メチル等のメタクリル酸エステル並びに一酸化
炭素等を例示できる。
【0022】プロピレン系樹脂としては、プロピレンの
単独重合体、プロピレンを主成分とするプロピレン以外
の単量体とからなる二元以上のランダム又はブロック共
重合体及びこれら2種類以上の混合物を挙げられる。プ
ロピレン以外の単量体としては、特に制限されないが、
エチレン並びに1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン及び1−オクテン等の炭素数4〜12のα−オレフィ
ンを例示できる。
【0023】本発明におけるオレフィン系樹脂には、従
来オレフィン系樹脂に用いられている公知の酸化防止
剤、中和剤、滑剤、帯電防止剤、分散剤、スリップ剤、
合成ゴム、合成樹脂、無機充填剤(タルク、炭酸カルシ
ウム、シリカ、マイカ等)、着色剤等を添加することが
できる。
【0024】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるもの
ではない。なお、実施例及び比較例において用いた評価
方法は以下の通りである。
【0025】1)シート外観 エンボス加工されたシートを目視により判断した。 ◎:エンボス模様が均一で、シート表面が平滑である。 ○:エンボス模様が均一で、シート表面が平滑であるけ
れども、長時間運転するとシート表面にスジやムラ等が
生じる場合が希にある。 ×:エンボス模様の転写が不均一で、シート表面にスジ
やムラ等がある。 2)バックアップロール(3)への粘着 エンボス加工時に目視により判断した。 ◎:シートがバックアップロール(3)から均一に剥離
し、粘着もない。 ○:シートがバックアップロール(3)から均一に剥離
し、粘着もないが、長時間運転するとシートの剥離が不
均一になる場合が希にある。 ×:シートがバックアップロール(3)に粘着し、安定
生産できない。
【0026】実施例及び比較例においては、表1に示し
たオレフィン系樹脂100重量部に対し、フェノール系
抗酸化剤(旭電化工業(株):アデカスタブAO−6
0:登録商標)を0.1重量部、リン系抗酸化剤(旭電
化工業(株):アデカスタブ2112:登録商標)を
0.1重量部、脂肪酸エステル系滑剤(理研ビタミン
(株):リケマールS−200:登録商標)0.2重量
部及び白色顔料(酸化チタンが主成分)3重量部を混合
した樹脂組成物を用いた。
【0027】実施例1 表1に示したオレフィン系樹脂に上記の添加剤を混合し
た樹脂組成物を、バンバリー及びミキシングロールによ
り190℃で溶融混練し、ベルトコンベアでカレンダー
装置に供給した。カレンダー装置は、4本の直径711
mm(28インチ)の金属ロールからなる逆L字型精密
カレンダー成形装置を用い、カレンダーロールの表面温
度200℃、最終カレンダーロールの面速度13m/分
で、圧延してシートを成形した。カレンダー装置で圧延
成形されたシートを、テイクオフロールにより速度15
m/分で引き取った後、エンボス装置に送り、エンボス
ロール(2)とバックアップロール(3)とで速度16
m/分、圧力0.3MPaで圧着して、シート表面にエ
ンボス模様を施した。ここで、エンボスロール(2)は
外周面に表面粗さ計による中心線平均粗さ2.0μmの
梨地状模様を彫刻された、クロームメッキ仕上げ、直径
200mmの鋼製ロールを使用した。バックアップロー
ル(3)は、直径200mmの鋼製ロールの表面に厚さ
10mmのシリコーンゴムを被覆したものを使用した。
バックアップロール(3)の表面硬度はJIS K72
15による硬度HDA60であった。さらに、バックア
ップロール(3)を冷却するための冷却槽(4)には水
温25℃の冷却水(7)を満たし、冷却槽(4)を垂直
方向に上下させてバックアップロール(3)を冷却水
(7)中に浸漬させた。冷却水(7)には界面活性剤と
してママレモン(ライオン(株)商品名:登録商標)を
0.1重量%添加した。このとき、バックアップロール
(3)の表面温度を放射温度計(ミノルタ社製:RI−
104)を用いて放射率0.85で測定し、バックアッ
プロール(3)の表面温度が70℃になるように、バッ
クアップロール(3)の冷却水(7)への浸漬量を調整
した。また、バックアップロール(3)の冷却槽(4)
からの出口側に吸液ロール(5)として直径120m
m、JIS K6301による表面硬度(スプリング式
硬さ試験A形)Hs=50゜の(株)増田製作所製「マ
スロール」を平行接触させた。さらに、脱液ロール
(5)をロータリージョイント及び配管等を介し、真空
ポンプを含む減圧装置(6)に接続して、バックアップ
ロール(3)の表面に付着し残留した冷却水を吸引除去
した。続いて、シートを冷却ロールで25℃に冷却させ
た後、17m/分の速度でワインダーに巻き取らせ、厚
み0.4mmのシートを得た。なお、シートの生産は5
時間継続して行った。
【0028】実施例2 バックアップロール(3)の冷却水(7)への浸漬量を
変更して、バックアップロールの表面温度を100℃に
したこと以外は、実施例1と同様にしてシートの生産を
行った。 実施例3 オレフィン系樹脂を表1に示したエチレン−酢酸ビニル
共重合体に、バンバリー及びミキシングロールの温度を
140℃に、カレンダーロールの表面温度を160℃に
変更した以外は、実施例1と同様にしてシートの生産を
行った。 実施例4 冷却水(7)に界面活性剤を添加使用しなかったこと以
外は、実施例1と同様にしてシートの生産を行った。
【0029】比較例1 吸液ロール(5)を使用しなかった以外は、実施例1と
同様にしてシートの生産を行った。 比較例2 バックアップロール(3)の冷却水(7)への浸漬によ
る冷却及び吸液ロール(5)の使用を実施しなかったこ
と以外は、実施例1と同様にしてシートの生産を行っ
た。このときのバックアップロールの表面温度は150
℃であった。
【0030】上記実施例1〜4及び比較例1、2の評価
結果を表1に示した。
【表1】 PP:プロピレン−エチレン共重合体(チッソ(株):
チッソポリプロXF1800:登録商標) EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー
(株):ウルトラセン628:登録商標)
【0031】
【発明の効果】以上の結果から分かるように、本発明の
エンボスシートの製造方法及び製造装置であれば、カレ
ンダーシートの成形においてバックアップロールへの粘
着が見られず、エンボス模様のシートへの転写が均一
で、シート表面にスジやムラ等がない、外観良好なエン
ボスシートを得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるエンボスシート製造装置を例示
した側面図である。
【符号の説明】
(1) オレフィン系樹脂シート (2) エンボスロール (3) バックアップロール (4) 冷却槽 (5) 吸液ロール (6) 減圧装置 (7) 冷却水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 正志 千葉県市原市五井海岸5番地の1 チッソ 石油化学株式会社加工品開発研究所内 Fターム(参考) 4F209 AA03 AC03 AG01 AG05 AM28 PA04 PB02 PC05 PH06 PN04 PQ04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可塑化されたオレフィン系樹脂組成物をエ
    ンボスロール(2)と該エンボスロール(2)に平行設
    置されたバックアップロール(3)との間に通すことに
    よりエンボス加工をするオレフィン系樹脂エンボスシー
    トの製造方法において、バックアップロール(3)を冷
    却槽(4)の冷媒に浸漬させて冷却するとともに、冷却
    槽(4)からの出口側で該バックアップロール(3)と
    平行接触する、真空ポンプ(6)を含む減圧装置に接続
    された透過孔を有する中空の吸液ロール(5)により該
    バックアップロール(3)に付着した冷却水を吸引除去
    することを特徴とするエンボスシートの製造方法。
  2. 【請求項2】冷却槽(4)の冷媒として、少なくとも界
    面活性剤を含む冷却水を用いることを特徴とする請求項
    1に記載のエンボスシートの製造方法。
  3. 【請求項3】可塑化されたオレフィン系樹脂組成物をエ
    ンボスロール(2)と該エンボスロール(2)に平行設
    置されたバックアップロール(3)との間に通すことに
    よりエンボス加工をするオレフィン系樹脂エンボスシー
    トの製造装置において、バックアップロール(3)が冷
    却槽(4)の冷媒に浸漬するように冷却槽(4)を設置
    するとともに、透過孔を有する中空の吸液ロール(5)
    を該冷却槽(4)からの出口側で該バックアップロール
    (3)と平行接触するように設置し、該吸液ロール
    (5)を真空ポンプ(6)を含む減圧装置に接続したこ
    とを特徴とするエンボスシート製造装置。
  4. 【請求項4】冷却槽(4)の冷媒として、少なくとも界
    面活性剤を含む冷却水を用いることを特徴とする請求項
    3に記載のエンボスシート製造装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006272918A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Dainippon Printing Co Ltd エンボスシートの製造方法、およびエンボスシートの製造装置
JP2009000856A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Dainippon Printing Co Ltd 圧胴及びこれを用いたエンボス加工装置
JP2010269506A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Bridgestone Corp 積層体形成用エチレン−不飽和エステル共重合体フィルムの製造方法
CN110357406A (zh) * 2019-08-21 2019-10-22 河北南玻玻璃有限公司 一种改变玻璃下表边部应力的边水装置

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