JP2003022772A - 荷電粒子ビーム制御装置及びそれを用いた荷電粒子ビーム光学装置、ならびに荷電粒子ビーム欠陥検査装置 - Google Patents

荷電粒子ビーム制御装置及びそれを用いた荷電粒子ビーム光学装置、ならびに荷電粒子ビーム欠陥検査装置

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JP2003022772A
JP2003022772A JP2001205011A JP2001205011A JP2003022772A JP 2003022772 A JP2003022772 A JP 2003022772A JP 2001205011 A JP2001205011 A JP 2001205011A JP 2001205011 A JP2001205011 A JP 2001205011A JP 2003022772 A JP2003022772 A JP 2003022772A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極子の温度上昇を抑えることのできる荷電粒
子ビーム制御装置及びそれを用いた荷電粒子ビーム光学
装置、ならびに荷電粒子ビーム欠陥検査装置を提供す
る。 【解決手段】 内部を荷電粒子が通過する真空チェンバ
ー11を備えたウィーンフィルタAにおいて、真空チェ
ンバー11を貫通させて設けられた極子本体12a,1
3a,14a,15aと、真空チェンバー11の外側で
極子本体12a,13a,14a,15aに設けられた
励磁コイル12b,13b,14b,15bから極子1
2,13,14,15を構成し、荷電粒子の軌道側と励
磁コイル12b,13b,14b,15bの間に、絶縁
部12e,13e,14e,15eを介設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電粒子ビームの
軌道上に電場と磁場とを生成する極子を有した荷電粒子
ビーム制御装置に係り、とくに、荷電粒子ビームの軌道
を囲むように複数の極子を配置した多極子型の荷電粒子
ビーム制御装置及びそれを用いた荷電粒子ビーム光学装
置、ならびに荷電粒子ビーム欠陥検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子等の荷電粒子のビームの軌
道上に、直交する電場と磁場とを生成して所定の速度と
エネルギーを有する荷電粒子のみ選択的に直進させるウ
ィーンフィルタが知られている。ウィーンフィルタは、
エネルギー分析用モノクロメータのエネルギーフィルタ
や、走査型電子顕微鏡ないしは写像型電子顕微鏡用のビ
ームセパレーター等に用いられている。しかし、二重極
成分のみからなる一様な電場と磁場とを生成するウィー
ンフィルタの場合、ビームが一方向にのみ集束されるた
め、近年では、多重極成分を有する非一様な電場と磁場
を用いた非点収差の改善が図られている。
【0003】図6は、荷電粒子ビームの軌道上に非一様
な電場と磁場とを生成するウィーンフィルタの一例を示
す図であって、ウィーンフィルタを荷電粒子ビームの進
行方向から見た図である。図において、符号100,1
00…は、それぞれ軌道上に電場と磁場とを生成する極
子である。極子100は、パーマロイ等の導電性を有し
た強磁性体からなる極子本体110に、励磁コイル12
0が外嵌されるようにして設けられた構成とされてい
る。そして、極子本体110に電圧が印加されるととも
に、励磁コイル120に電流が供給されて極子本体11
0内に磁束が生成され、電場と磁場とが一つの極子10
0によって同時に生成されるよう構成されている。この
ように、電場と磁場を同じ極子によって生成すると、電
極と磁極を別々に位置合わせする必要がないことに加
え、極子に必要なスペースを節約して装置を小さくした
り、極子の数を増やすことができる。
【0004】図6に示すウィーンフィルタでは、主とし
て電場と磁場の八重極成分まで現れるように、極子10
0が荷電粒子ビームの軌道の中心Oの周りに8個対称に
配設されている。このように構成された非一様な電場と
磁場とを生成するウィーンフィルタでは、収差を改善し
て一点から出たビームを再び一点に集束させることが可
能となる。
【0005】このように、荷電粒子ビームの軌道を囲む
ように複数の極子を配置した構成は、ウィーンフィルタ
に限られるものではなく、複数の極子によって生成され
る電場と磁場とが重畳された多重極場は、球面収差、軸
上色収差の同時補正等を可能にすることも実験的に示さ
れており、荷電粒子ビームの光学系の解像力改善のため
に広く一般に必要な荷電粒子ビーム制御装置を提供す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな多重極の電場と磁場を生成する複数の極子からなる
荷電粒子ビーム制御装置は、極子に磁場を生成させる励
磁コイルが通電とともに発熱し、極子を加熱してその温
度を上昇させる。その一方で、電極としての極子は、熱
伝導性の悪い絶縁体によって、接地された装置の他の部
分から電気的にも熱的にも絶縁されている。しかも、極
子は、荷電粒子ビームが通過する真空容器内に組み込ま
れており、極子の周囲に熱を奪い去る空気等の流体がほ
とんど存在しない状態に置かれている。この結果、極子
は、励磁コイルから流入する熱を、絶縁体を介して逃げ
るわずかな熱以外に、放射によってしか外部に放出させ
ることができない。したがって、鏡面状態に研磨された
放射率の低い極子の表面から熱を放射し、励磁コイルか
ら流入する熱との均衡を達成するまでに、極子の温度が
極めて高くなってしまうという欠点を有していた。すな
わち、極子の温度が上昇する結果、極子からのガスの放
出、とりわけ接着剤等の有機物を多く含んだ励磁コイル
からのガスの放出が真空容器内の真空度を悪化させた
り、極子が熱変形をきたして予知しない不安定な高次の
電場や磁場の多重極成分が混入し、光学的特性を変えて
しまったり、また、熱による膨張と収縮によって装置が
疲労をきたして耐久性に支障が生じたりするといった問
題が存在していた。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、極子の温度上昇を抑えることのできる荷電
粒子ビーム制御装置及びそれを用いた荷電粒子ビーム光
学装置、ならびに荷電粒子ビーム欠陥検査装置を提供す
ることにある。とくに、極子の温度上昇を抑えて真空容
器内の真空度の向上を図ることのできる荷電粒子ビーム
制御装置及びそれを用いた荷電粒子ビーム光学装置、な
らびに荷電粒子ビーム欠陥検査装置を提供することにあ
る。また、極子の温度上昇を抑えて極子の熱変形を防ぐ
ことのできる荷電粒子ビーム制御装置及びそれを用いた
荷電粒子ビーム光学装置、ならびに荷電粒子ビーム欠陥
検査装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以下、この項に示す例で
は、理解の容易のため、本発明の発明特定事項に実施形
態の図に示す代表的な参照符号を付して説明するが、本
発明の構成又は各発明特定事項は、これら参照符号によ
って拘束されるものに限定されない。上記課題を解決す
るために、本発明の第1の観点による荷電粒子ビーム制
御装置(A)は、内部を荷電粒子が通過する真空容器
(11)と、前記荷電粒子の軌道上に電場と磁場との両
方を生成できる極子(12,13,14,15)とを備
えている荷電粒子ビーム制御装置(A)であって、前記
極子(12,13,14,15)は、前記真空容器(1
1)を貫通させて設けられた極子本体(12a,13
a,14a,15a)と、前記真空容器(11)の外側
でこの極子本体(12a,13a,14a,15a)に
設けられた励磁コイル(12b,13b,14b,15
b)とを備えていることを特徴とする。
【0009】本発明においては、励磁コイルが真空容器
の外側に設けられ、この励磁コイルが励磁されることに
よって極子本体の中に磁束が生成され、真空容器を貫通
させて設けられた極子本体によって、真空容器内の荷電
粒子の軌道上に磁場が生成される。励磁コイルが真空容
器の外側に設けられることによって、励磁コイルの熱が
大気を介して放熱され、極子の温度上昇が抑えられる。
また、励磁コイルの発熱とともに励磁コイルから発生す
るガスは、そのまま大気中に解放されるから、真空容器
内の真空度が悪化することもない。さらに、励磁コイル
が大気側に設けられることによって、真空容器の真空を
破ることなく励磁コイルの着脱を行うことができるた
め、メインテナンスも容易になる。
【0010】また、本発明の第2の観点による荷電粒子
ビーム制御装置(A)は、荷電粒子が通過する軌道上に
電場を生成するとともに、励磁コイル(12b,13
b,14b,15b)によって磁場を生成する極子(1
2,13,14,15)を備えた荷電粒子ビーム制御装
置(A)であって、前記極子(12,13,14,1
5)の前記荷電粒子の軌道側と前記励磁コイル(12
b,13b,14b,15b)との間には、磁気的に接
続する一方で熱的に絶縁する熱絶縁部(12e,13
e,14e,15e)が設けられていることを特徴とす
る。
【0011】本発明においては、励磁コイルによって発
生する熱が熱絶縁部によって極子の荷電粒子の軌道側の
部分まで伝わらない。したがって、少なくとも極子の荷
電粒子の軌道側の部分は、熱変形をきたさない。この極
子の荷電粒子の軌道側の部分は、軌道上に電場と磁場を
生成する際にその形状が境界条件を決定する部分であっ
て、熱変形によって電場や磁場に予知しない不安定な多
重極場を発生させる部分であるから、少なくともこの部
分の熱変形が抑えられることによって、ビームの光学的
な特性の変化を抑えることができる。
【0012】また、本発明の第3の観点による荷電粒子
ビーム制御装置(A)は、第2の観点による荷電粒子ビ
ーム制御装置(A)において、内部を前記荷電粒子が通
過する真空容器(11)を有し、前記極子(12,1
3,14,15)は、前記真空容器(11)を貫通させ
て設けられた極子本体(12a,13a,14a,15
a)を有し、前記励磁コイル(12b,13b,14
b,15b)は、前記真空容器(11)の外側でこの極
子本体(12a,13a,14a,15a)に設けられ
ていることを特徴とする。
【0013】また、本発明の第4の観点による荷電粒子
ビーム制御装置(A)は、第2または第3の観点による
荷電粒子ビーム制御装置(A)において、本発明の荷電
粒子ビーム制御装置(A)において、前記熱絶縁部(1
2e,13e,14e,15e)は、フェライトから形
成されていることを特徴とする。
【0014】また、本発明の第5の観点による荷電粒子
ビーム制御装置(A)は、荷電粒子が通過する軌道上に
電場を生成するとともに、励磁コイル(12b,13
b,14b,15b)によって磁場を生成する極子(1
2,13,14,15)を備えた荷電粒子ビーム制御装
置(A)であって、前記極子(12,13,14,1
5)には、前記励磁コイル(12b,13b,14b,
15b)によって発生する熱を大気中に放熱する放熱部
(12f,13f,14f,15f)が取り付けられて
いることを特徴とする。
【0015】本発明においては、励磁コイルで発生した
熱が放熱部から大気を介して放出されるため、極子の温
度上昇を抑えることができる。
【0016】また、本発明の第6の観点による荷電粒子
ビーム制御装置(A)は、本発明の第5の観点による荷
電粒子ビーム制御装置(A)において、前記極子(1
2,13,14,15)の前記荷電粒子の軌道側と前記
励磁コイル(12b,13b,14b,15b)との間
には、磁気的に接続する一方で電気的に絶縁する電気絶
縁部(12e,13e,14e,15e)が設けられて
いることを特徴とする。
【0017】また、本発明の第7の観点による荷電粒子
ビーム制御装置(A)は、本発明の第6の観点による荷
電粒子ビーム制御装置(A)において、前記極子(1
2,13,14,15)の前記荷電粒子の軌道側と前記
励磁コイル(12b,13b,14b,15b)との間
には、磁気的に接続する一方で熱的に絶縁する熱絶縁部
(12e,13e,14e,15e)が設けられている
ことを特徴とする。
【0018】また、本発明の第8の観点による荷電粒子
ビーム制御装置(A)は、本発明の第6または第7の観
点に記載の荷電粒子ビーム制御装置(A)において、前
記熱絶縁部(12e,13e,14e,15e)又は前
記電気絶縁部(12e,13e,14e,15e)は、
フェライトから形成されていることを特徴とする
【0019】また、本発明の第9の観点による荷電粒子
ビーム制御装置(A)は、本発明の第6から第8の観点
のいずれかによる荷電粒子ビーム制御装置(A)におい
て、前記放熱部(12f,13f,14f,15f)
は、ヨーク(12f,13f,14f,15f)とされ
ていることを特徴とする。
【0020】また、本発明の第10の観点による荷電粒
子ビーム制御装置(A)は、本発明の第9の観点による
荷電粒子ビーム制御装置(A)において、内部を前記荷
電粒子が通過する真空容器(11)を有し、前記極子
(12,13,14,15)は、前記真空容器(11)
を貫通させて設けられた極子本体(12a,13a,1
4a,15a)を有し、前記励磁コイル(12b,13
b,14b,15b)は、前記真空容器(11)の外側
でこの極子本体(12a,13a,14a,15a)に
設けられていることを特徴とする。
【0021】また、本発明の第11の観点による荷電粒
子ビーム制御装置(A)は、本発明の第1から第10の
いずれかの観点による荷電粒子ビーム制御装置(A)に
おいて、前記極子(12,13,14,15)は、前記
荷電粒子の軌道を囲むように複数配置されていることを
特徴とする。
【0022】また、本発明の第12の観点による荷電粒
子ビーム制御装置(A)は、本発明の第11の観点によ
る荷電粒子ビーム制御装置(A)において、少なくとも
4つの極子(12,13,14,15)を有し、これら
の極子(12,13,14,15)は、所定のエネルギ
ーを有した前記荷電粒子が電場から受ける力と磁場から
受ける力とが互いに逆向きで平行、かつ、その大きさが
等しくなるように、前記荷電粒子の軌道上に互いに直交
する電場と磁場とを生成するように構成されていること
を特徴とする。
【0023】また、本発明の第1の観点による荷電粒子
ビーム光学装置は、荷電粒子源(S)からの荷電粒子ビ
ームを導く光学系(10,20)を備え、前記光学系
(10,20)は、本発明の第1から第12のいずれか
の観点による荷電粒子ビーム制御装置(A)を少なくと
も一つ有していることを特徴とする。
【0024】また、本発明の第1の観点による荷電粒子
ビーム欠陥検査装置は、荷電粒子源(S)からの荷電粒
子ビームを一次ビーム(B1)として軌道切換装置
(A)に入射させ、該軌道切換装置(A)を通過した前
記一次ビーム(B1)を物体(M)上に照射する一次光
学系(10)と、前記一次ビーム(B1)の照射により
前記物体(M)から得られる電子を二次ビーム(B2)
として前記軌道切換装置(A)に入射させ、該軌道切換
装置(A)によって前記荷電粒子源(S)に至る方向と
は異なる方向に前記二次ビーム(B2)を導き、検出面
(31)に集束させる二次光学系(20)とを備えてな
る荷電粒子ビーム欠陥検査装置であって、前記軌道切換
装置(A)は、本発明の第12の観点による荷電粒子ビ
ーム制御装置(A)とされていることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態による荷電粒子ビーム制御装置及びそれを用い
た荷電粒子ビーム光学装置、ならびに荷電粒子ビーム欠
陥検査装置について詳細に説明する。図1は、本発明の
一実施形態による荷電粒子ビーム制御装置としてのウィ
ーンフィルタの構成を示す図である。図1において、ウ
ィーンフィルタAは、電子等の荷電粒子が内部を通過す
る真空チェンバー11(真空容器)と、中心軸Oの周り
に対称に配置された4つの極子12,13,14,15
から概略構成されている。極子12,13,14,15
は、それぞれ真空チェンバー11の真空を保った状態で
真空チェンバー11を貫通させて設けられた極子本体1
2a,13a,14a,15aと、真空チェンバー11
の外側で極子本体12a,13a,14a,15aに外
嵌されて設けられた励磁コイル12b,13b,14
b,15bとを備えている。
【0026】極子本体12a,13a,14a,15a
は、それぞれ、荷電粒子ビームが通過する中心軸Oの側
に、中心軸Oを中心とした円周上に位置するように、中
心軸Oに直交する断面で見て円弧状、かつ、中心軸Oに
沿って平行に設けられた極板部12c,13c,14
c,15cと、励磁コイル12b,13b,14b,1
5bが設けられる側に、真空チェンバー11を貫通させ
て設けられた励磁部12d,13d,14d,15d
と、これら、極板部12c,13c,14c,15cと
励磁部12d,13d,14d,15dとの間に、真空
チェンバー11内に位置させて介設された絶縁部12
e,13e,14e,15e(熱絶縁部、電気絶縁部)
とから構成されている。
【0027】極板部12c,13c,14c,15cと
励磁部12d,13d,14d,15dとは、いずれ
も、パーマロイ等の導電性を有する強磁性体から形成さ
れる一方、絶縁部12e,13e,14e,15eは、
電気的な絶縁性を有するとともに、熱的な絶縁性を有す
るフェライト等の磁性体から形成されている。したがっ
て、極板部12c,13c,14c,15cと、励磁部
12d,13d,14d,15dとは、絶縁部12e,
13e,14e,15eによって、互いに磁気的に接続
されながら、電気的、熱的には絶縁されている。なお、
フェライトとしては、Mg(0.5)Zn(0.5)Fe(204)、M
n(0.5)Zn(0.5)Fe(204)、Ni(0.3)Zn(0.7)Fe
(204)等とされていることが好ましいがこれらの物質
に限定されることはない。
【0028】励磁部12d,13d,14d,15dの
大気側に突出した後端には、それぞれ、励磁部12d,
13d,14d,15dと略同じ断面積を有していて、
パーマロイ等の導電性を有する強磁性体からなるヨーク
12f,13f,14f,15f(放熱部)が着脱自在
に接続され、さらに、これらのヨーク12f,13f,
14f,15fが閉じた磁気回路を形成するように、真
空チェンバー11を囲むように互いに接続され、接地さ
れている。
【0029】さらに、極子12,13,14,15に
は、それぞれ、極板部12c,13c,14c,15c
に電圧を印加する電圧印加装置V1,V2,V3,V4
が備えられているとともに、励磁コイル12b,13
b,14b,15bに電流を供給する電流供給装置I
1,I2,I3,I4が備えられており、極板部12
c,13c,14c,15cで囲まれた領域に主として
四重極成分まで含む電場と磁場が生成されるように構成
されている。
【0030】そして、ウィーンフィルタAは、電圧印加
装置V1,V2,V3,V4、及び、電流供給装置I
1,I2,I3,I4を制御するウィーンフィルタ制御
部16によって、これらの極子12,13,14,15
が生成する電場と磁場とを制御し、所定のエネルギーを
有した荷電粒子が電場から受ける力と磁場から受ける力
とが互いに逆向きで平行、かつ、その大きさが等しくな
るように、極板部12c,13c,14c,15cで囲
まれた領域を通過する荷電粒子の軌道上に互いに直交す
る電場と磁場とを生成するように構成されている。
【0031】このように構成されたウィーンフィルタA
では、励磁コイル12b,13b,14b,15bが真
空チェンバー11の外側に設けられ、これらの励磁コイ
ル12b,13b,14b,15bが励磁されることに
よって極子本体12a,13a,14a,15aの中に
磁束が生成され、真空チェンバー11を貫通させて設け
られた極子本体12a,13a,14a,15aによっ
て、真空チェンバー11内の荷電粒子の軌道上に磁場が
生成される。このように励磁コイル12b,13b,1
4b,15bが真空チェンバー11の外側に設けられる
ことによって、励磁コイル12b,13b,14b,1
5bの熱が大気を介して放熱され、極子12,13,1
4,15の温度上昇が抑えられる。また、励磁コイル1
2b,13b,14b,15bの発熱とともに励磁コイ
ル12b,13b,14b,15bから発生するガス
は、そのまま大気中に解放されるから、真空チェンバー
11内の真空度が悪化することもない。
【0032】さらに、励磁コイル12b,13b,14
b,15bが大気側に設けられることによって、真空チ
ェンバー11の真空を破ることなく励磁コイル12b,
13b,14b,15bの着脱を行うことができるた
め、メインテナンスも容易になる。すなわち、ヨーク1
2f,13f,14f,15fを分解し、励磁部12
d,13d,14d,15dから取り外してしまえば、
励磁コイル12b,13b,14b,15bを励磁部1
2d,13d,14d,15dから取り外すことができ
る。このようなメインテナンス作業が真空を破ることな
く容易に行うことが可能となる。
【0033】また、励磁コイル12b,13b,14
b,15bによって発生する熱が絶縁部12e,13
e,14e,15eに遮られて極子12,13,14,
15の荷電粒子の軌道側の部分である極板部12c,1
3c,14c,15cまで伝わらない。したがって、極
板部12c,13c,14c,15cが熱変形をきたさ
ない。極板部12c,13c,14c,15cは、軌道
上に電場と磁場を生成する際に、その形状が境界条件を
決定する部分であって、熱変形によって電場や磁場に予
知しない不安定な多重極場を発生させる部分であるか
ら、この部分の熱変形が抑えられることによって、ビー
ムの光学的な特性の変化を抑えることができる。
【0034】また、励磁部12d,13d,14d,1
5dに取り付けられたパーマロイ等の導電性を有する強
磁性体から形成されたヨーク12f,13f,14f,
15fは、漏れ磁場の発生を押さえ、荷電粒子ビームへ
の漏れ磁場による影響を防ぐとともに、極板部12c,
13c,14c,15cによって生成される磁場を強め
る上でも有効であるが、これ以外に、熱伝導性が良く、
大気中に広い表面積を有していることから放熱板として
の役割をも担っている。これによって、励磁部12d,
13d,14d,15dの熱を素早く大気中に逃がすこ
とが可能となる。
【0035】ここで、ヨーク12f,13f,14f,
15fは、磁気的な閉回路を形成するように互いに連結
されているが、絶縁部12e,13e,14e,15e
に用いられているフェライトが比抵抗にして10〜10
4Ω・mと、純鉄の8桁以上もの高い値を有しており、
電圧の印加される極板部12c,13c,14c,15
cと、励磁部12d,13d,14d,15dとの間を
電気的に絶縁して、極板部12c,13c,14c,1
5c同士の間に短絡が発生しない。しかも、ヨーク12
f,13f,14f,15fを接地することができて帯
電を防止することが可能である。このように励磁部12
d,13d,14d,15dが接地されると、励磁コイ
ル12b,13b,14b,15b、ならびに電流供給
装置I1,I2,I3,I4全体をアースレベルから浮
かせる必要がなくなり、安全性を高める上でも好まし
い。
【0036】このように、本実施形態のウィーンフィル
タAによれば、極子12,13,14,15の温度上昇
を抑え、真空チェンバー11内の真空度の向上と、極子
12,13,14,15の熱変形の防止を図って安定な
光学的特性を得ることができる。
【0037】図2は、上記のような構成とされたウィー
ンフィルタAが備えられた、本発明の一実施形態による
荷電粒子ビーム欠陥検査装置の構成を示す図である。な
お、以下の説明においては、図2中に示されたXYZ直
交座標系を設定し、このXYZ座標系を参照しつつ各部
材の位置関係について説明する。図2に示したXYZ直
交座標系では、試料の物体面内にXY平面を設定し、試
料の物体面の法線方向をZ軸方向に設定してある。図2
中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行
な面に設定され、Z軸が鉛直下方向に設定される。
【0038】本実施形態の荷電粒子ビーム欠陥検査装置
は、主として電子ビーム(荷電粒子ビーム)を一次ビー
ムB1として試料M(物体)に導くための一次コラムC
1と、電子ビームを試料Mに照射した際に得られる二次
電子を二次ビームB2として検出装置30の検出面31
に集束させるための二次コラムC2と、観測対象である
試料Mを収容するチャンバーC3とから構成されてい
る。一次コラムC1の光軸は、Z軸に対して斜方向に設
定され、二次コラムC2の光軸はZ軸とほぼ平行に設定
される。よって、一次コラムC1から二次コラムC2へ
は、一次ビームB1が斜方向から入射する。一次コラム
C1、二次コラムC2、及びチャンバーC3には、真空
排気系(図示省略)が繋げられ、真空排気系が備えるタ
ーボポンプ等の真空ポンプにより排気されており、これ
らの内部は、真空状態に維持されるようになっている。
ここで、一次コラムC1と二次コラムC2の外壁が一つ
の真空チェンバ11を形成している。
【0039】一次コラムC1内には、荷電粒子源として
の熱電子放出型の電子銃Sが設けられており、この電子
銃Sから照射される電子ビームの光軸上に一次光学系1
0が配置されている。一次光学系10は、視野絞り、照
射レンズ、アライナ、アパーチャ等で構成されている。
ここで、照射レンズは、円形レンズ、4極子レンズ、8
極子レンズ等の電子レンズであり、一次ビームB1に対
する収束特性は、これらに印加する電圧値により変化す
る。なお、照射レンズは、ユニポテンシャルレンズ、ま
たはアインツェルレンズと称される回転軸対称型のレン
ズであってもよい。
【0040】二次コラムC2内には、二次光学系20が
配置されている。二次光学系20は、試料Mに一次ビー
ムB1を照射した際に生じる二次電子を二次ビームB2
として導き、検出装置30の検出面31に集束させるた
めのものであり、試料M側から−Z方向へ順に、第1前
段レンズ21、開口絞りAS、第2前段レンズ22、ウ
ィーンフィルタAを有し、さらに、スチグメータ、結像
レンズ、アライナ、視野絞り等からなる後段光学系23
が配置されて構成されている。ここで、二次光学系20
の第1前段レンズ21、第2前段レンズ22、結像レン
ズは、電子レンズであり、例えば円形レンズ、4極子レ
ンズ、8極子レンズ等が用いられる。なお、第1前段レ
ンズ21、第2前段レンズ22、結像レンズは、ユニポ
テンシャルレンズ、またはアインツェルレンズと称され
る回転軸対称型のレンズであってもよい。
【0041】これら一次光学系10、二次光学系20の
各部に供給される電圧、電流値等の値は、主制御系C5
によって制御されるようになっている。すなわち、主制
御系C5は、一次光学系制御部51、二次光学系制御部
52、及びウィーンフィルタ制御部16のそれぞれに制
御信号を出力し、一次光学系10と二次光学系20の光
学特性の制御、及び、ウィーンフィルタAの電磁界制御
等を行うものとされている。
【0042】上述してきたように、荷電粒子ビーム欠陥
検査装置は、荷電粒子源からの荷電粒子ビームを導く光
学系を備えた一つの荷電粒子ビーム光学装置として構成
されている。
【0043】二次光学系20によって検出面31上に結
像された二次ビームB2を検出する検出装置30は、検
出された電子が増幅されたのち蛍光板に照射されて光に
変換され、この変換された光の信号が例えばTDIセン
サを搭載したカメラ32に入射するように構成されてい
る。また、カメラ32には、主制御系C5に制御され、
カメラ32から画像信号を読み出し、順次主制御系C5
へ出力するコントロールユニット33が接続されてい
る。主制御系C5は、こうしてコントロールユニット3
3から出力される画像信号に対して、例えばテンプレー
トマッチング等の画像処理を行って試料Mの欠陥の有無
を判断するように設けられている。
【0044】また、チャンバーC3の内部には、試料M
を載置した状態でXY平面内で移動自在に構成されたX
Yステージ38が配置されている。XYステージ38上
の一端には、L字型の移動鏡39が取り付けられ、移動
鏡39の鏡面に対向した位置にレーザ干渉計40が配置
されている。レーザ干渉計40は、 移動鏡39からの
レーザーの反射光を用いて、XYステージ38のX座標
とY座標、ならびに、XY平面内における回転角を計測
するように構成されており、この計測結果は、主制御系
C5に出力され、主制御系C5は、この計測結果に基づ
いて駆動装置41に対して制御信号を出力し、XYステ
ージ38のXY平面内における位置を制御する。主制御
系C5は、さらに、送光系37a及び受光系37bから
なるZセンサに制御信号を出力し、試料MのZ軸方向に
おける位置座標を計測する。図示は省略しているが、Z
軸方向における位置座標を計測に基づきXYステージ3
8以外に試料MのZ軸方向の位置を変化させるZステー
ジや、試料Mの物体面のXY平面に対する傾斜を制御す
るチルトステージを設けることが好ましい。
【0045】また、図において42は、試料Mに対して
負の電圧を設定する可変電源であり、試料Mの設定電圧
は、主制御系C5によって制御される。ここで、試料M
を負の電圧に設定するのは、一次ビームB1を試料Mに
照射したときに放出される二次電子を二次ビームB2と
して第1前段レンズ21の方向、つまり、−Z方向へ加
速させるためである。
【0046】本実施の形態によるビーム偏向装置Aを備
えた荷電粒子ビーム欠陥検査装置は、上述の構成を備え
ており、次に荷電粒子ビーム欠陥検査装置による試料M
の欠陥検査の方法を一次ビームB1と二次ビームB2の
軌道、及びウィーンフィルタAによる一次ビームB1と
二次ビームB2の軌道の切換とについて述べながら詳述
する。
【0047】図3は、本発明の一実施形態による荷電粒
子ビーム欠陥検査装置の一次ビームB1の軌道を示す図
である。ここで、図では理解を容易にするため、一次光
学系10が備える部材の図示を省略している。電子銃S
から放出された一次ビームB1は、一次光学系10内の
照射レンズによって形成された電場の影響を受けて集
束、あるいは発散され(一次光学系10内でのビームの
エンベロープは省略されている)、平行なビームとされ
て、斜め方向からウィーンフィルタAに入射する。一次
ビームB1がウィーンフィルタAに入射すると、その光
路がZ軸に対して略平行な方向に偏向される。ウィーン
フィルタAによって偏向された一次ビームB1は、第2
前段レンズ22によって集束されて開口絞りASに達
し、この位置で電子銃10の像を形成する。開口絞りA
Sを通過した一次ビームB1は、第1前段レンズ21に
よるレンズ作用を受けて、試料Mをケーラー照明する。
【0048】ここで、ウィーンフィルタAは、荷電粒子
の進行方向によって、荷電粒子を偏向させるか直進させ
るかするビームセパレータ(軌道切換装置)としての荷
電粒子ビーム制御装置である。図4は、ウィーンフィル
タAの構成及び動作原理を説明するための図であって、
図4(a)は、ウィーンフィルタAの構成を示す概略斜
視図である。図において図1にそれぞれ対応する部分に
は同一の符号を付している。図に示すように、一次光学
系10から入射される一次ビームB1は、ウィーンフィ
ルタAによって偏向される。これは、図4(b)に示す
ように、生成された互いに直交する電界Eと磁界Bの中
を、一次ビームB1の荷電qの電子が+Z軸方向に速度
vで進む際、互いに平行な、+Y方向に働く電界による
力FE(=qE)と磁界による力FB(=qvB)との合
力を受けるためである。一方、試料Mから発生した二次
ビームB2は、ウィーンフィルタAの中を直進する。こ
れは、図4(c)に示すように、二次ビームB2の荷電
qの電子が−Z軸方向に速度vで進む際、互いに平行
な、+Y方向に働く電界による力FE(=qE)と−Y
方向に働く磁界による力FB(=−qvB)との合力を
受け、本実施形態では、速度vで進行する所定のエネル
ギーを有した電子に対してE=vBの条件を満たすよう
に直交する電場と磁場が生成されているため、互いに平
行で大きさの等しいFEとFBにおいて、合力FE+FB
ゼロになるためである。このように、ウィーンフィルタ
Aは、内部を通過する電子ビームの光路を選択する、い
わゆる電磁プリズムとしての機能を有する。
【0049】一次ビームB1の照射により試料Mから得
られる二次電子を二次ビームB2として検出装置30の
検出面に集束させる工程を以下に述べる。まず、試料M
に一次ビームB1が照射されると、試料Mから、試料M
の表面形状、材質分布、電位の変化等に応じた分布の二
次電子が得られる。この二次電子を二次ビームB2とし
て試料Mの表面状態の検査を行う。図5は、本発明の一
実施形態による荷電粒子ビーム欠陥検査装置の二次ビー
ムB2の軌道を示す図である。ここで、図では、理解を
容易にするため、二次光学系20が備える部材の一部の
図示を省略している。試料Mから発生した二次電子のエ
ネルギーは低く、0.5〜2eV程度である。この二次
電子を二次ビームB2として第1前段レンズ21で加速
しながら集束する。二次ビームB2は、続いて開口絞り
ASを通過する。開口絞りASを通過した二次ビームB
2は、第2前段レンズ22によって中間結像面がウィー
ンフィルタAの中心に設定されるように集束される。ウ
ィーンフィルタAに一次ビームB1とは逆の方向から入
射された二次ビームB2は、ウィーンフィルタAによっ
て電子銃Sに至る方向とは異なる方向に導かれ、直進さ
せられ、後段光学系23によって検出装置30の検出面
31に試料Mの物体面の拡大像となって結像される。
【0050】このような構成とされた荷電粒子ビーム欠
陥検査装置は、極子12,13,14,15の温度上昇
が抑えられるため、真空チェンバー11内の真空度が向
上し、極子12,13,14,15の熱変形が抑えられ
て安定な光学的特性が実現されるように構成されてい
る。
【0051】また、組み立て誤差、エネルギー分散に起
因するウィーンフィルタAで発生する収差を低減するた
め、ウィーンフィルタAに中間結像面が設定されるよう
に構成されており、加えて、ウィーンフィルタAが非一
様な多重極成分の電場と磁場によって非点収差を改善す
るように構成されているので、装置全体の解像度を向上
させることができる。
【0052】また、ウィーンフィルタAの極板部12
c,13c,14c,15cに同じ電圧を追加して印加
すれば、ウィーンフィルタAに静電レンズとしての機能
を与えることもでき、ウィーンフィルタAに中間結像面
を設定することにより生じる後段光学系23への負担を
軽減させることができる。
【0053】なお、上記の実施形態では、ウィーンフィ
ルタAは四つの極子を備える構成とされたが、極子の数
は、それ以上とされていてもよい。これにより、高次の
電場と磁場とを得ることができ、また、組み立て誤差に
伴う電場や磁場の誤差の補正も容易になる。
【0054】また、極板部は、フェライト等、磁気的に
は接続して、熱的、電気的には絶縁するような物質から
形成され、さらに、軌道側の面が導電性を有する物質に
よってコーティングされるように構成されていてもよ
い。これにより、絶縁部と極板部とを一体に形成するこ
とが可能となり、部品点数の低減を図ることができる。
【0055】また、複数の極子を備えてなる荷電粒子ビ
ーム制御装置であれば、本発明はウィーンフィルタに限
られないことはいうまでもない。
【0056】
【発明の効果】本発明は、以下に記載されるような効果
を奏する。本発明の第1の観点による荷電粒子ビーム制
御装置によれば、荷電粒子の軌道上に電場と磁場との両
方を生成できる極子は、内部を荷電粒子が通過する真空
容器を貫通させて設けられた極子本体に、この真空容器
の外側で設けられた励磁コイルを備えているので、極子
の温度上昇を抑えて真空容器内の真空度の向上を図るこ
とができる。
【0057】また、本発明の第2の観点による荷電粒子
ビーム制御装置によれば、極子は、荷電粒子の軌道側と
励磁コイルとの間に、熱絶縁部を有しているので、極子
の温度上昇を抑えて極子の熱変形を防ぐことができ、光
学的特性の変化を防ぐことができる。
【0058】また、本発明の第5の観点による荷電粒子
ビーム制御装置によれば、極子には、励磁コイルによっ
て発生する熱を大気中に放熱する放熱部が取り付けられ
ているので、極子の温度上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による荷電粒子ビーム制御
装置としてのウィーンフィルタの構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による荷電粒子ビーム欠陥
検査装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による荷電粒子ビーム欠陥
検査装置の一次ビームの軌道を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による荷電粒子ビーム欠陥
検査装置が備えるウィーンフィルタの動作原理を説明す
るための図である。
【図5】本発明の一実施形態による荷電粒子ビーム欠陥
検査装置の二次ビームの軌道を示す図である。
【図6】従来の荷電粒子ビーム制御装置としてのウィー
ンフィルタの一例を示す図である。
【符号の説明】
10・・・一次光学系(光学系) 20・・・二次光学系(光学系) 11・・・真空チェンバー(真空容器) 12,13,14,15・・・極子 12a,13a,14a,15a・・・極子本体 12b,13b,14b,15b・・・励磁コイル 12e,13e,14e,15e・・・絶縁部(熱絶縁
部、電気絶縁部) 12f,13f,14f,15f・・・ヨーク(放熱
部) 31・・・検出面 A・・・ウィーンフィルタ(荷電粒子ビーム制御装置、
軌道切換装置) B1・・・一次ビーム B2・・・二次ビーム S・・・電子銃(荷電粒子源) M・・・試料(物体)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を荷電粒子が通過する真空容器と、
    前記荷電粒子の軌道上に電場と磁場との両方を生成でき
    る極子とを備えている荷電粒子ビーム制御装置であっ
    て、 前記極子は、前記真空容器を貫通させて設けられた極子
    本体と、前記真空容器の外側でこの極子本体に設けられ
    た励磁コイルとを備えていることを特徴とする荷電粒子
    ビーム制御装置。
  2. 【請求項2】 荷電粒子が通過する軌道上に電場を生成
    するとともに、励磁コイルによって磁場を生成する極子
    を備えた荷電粒子ビーム制御装置であって、 前記極子の前記荷電粒子の軌道側と前記励磁コイルとの
    間には、磁気的に接続する一方で熱的に絶縁する熱絶縁
    部が設けられていることを特徴とする荷電粒子ビーム制
    御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の荷電粒子ビーム制御装
    置において、 内部を前記荷電粒子が通過する真空容器を有し、 前記極子は、前記真空容器を貫通させて設けられた極子
    本体を有し、前記励磁コイルは、前記真空容器の外側で
    この極子本体に設けられていることを特徴とする荷電粒
    子ビーム制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の荷電粒
    子ビーム制御装置において、 前記熱絶縁部は、フェライトから形成されていることを
    特徴とする荷電粒子ビーム制御装置。
  5. 【請求項5】 荷電粒子が通過する軌道上に電場を生成
    するとともに、励磁コイルによって磁場を生成する極子
    を備えた荷電粒子ビーム制御装置であって、 前記極子には、前記励磁コイルによって発生する熱を大
    気中に放熱する放熱部が取り付けられていることを特徴
    とする荷電粒子ビーム制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の荷電粒子ビーム制御装
    置において、 前記極子の前記荷電粒子の軌道側と前記励磁コイルとの
    間には、磁気的に接続する一方で電気的に絶縁する電気
    絶縁部が設けられていることを特徴とする荷電粒子ビー
    ム制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の荷電粒子ビーム制御装
    置において、 前記極子の前記荷電粒子の軌道側と前記励磁コイルとの
    間には、磁気的に接続する一方で熱的に絶縁する熱絶縁
    部が設けられていることを特徴とする荷電粒子ビーム制
    御装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7に記載の荷電粒
    子ビーム制御装置において、 前記熱絶縁部又は前記電気絶縁部は、フェライトから形
    成されていることを特徴とする荷電粒子ビーム制御装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項6から請求項8のいずれかに記載
    の荷電粒子ビーム制御装置において、 前記放熱部は、ヨークとされていることを特徴とする荷
    電粒子ビーム制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の荷電粒子ビーム制御
    装置において、 内部を前記荷電粒子が通過する真空容器を有し、 前記極子は、前記真空容器を貫通させて設けられた極子
    本体を有し、前記励磁コイルは、前記真空容器の外側で
    この極子本体に設けられていることを特徴とする荷電粒
    子ビーム制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項10のいずれかに
    記載の荷電粒子ビーム制御装置において、 前記極子は、前記荷電粒子の軌道を囲むように複数配置
    されていることを特徴とする荷電粒子ビーム制御装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の荷電粒子ビーム制
    御装置において、 少なくとも4つの極子を有し、 これらの極子は、所定のエネルギーを有した前記荷電粒
    子が電場から受ける力と磁場から受ける力とが互いに逆
    向きで平行、かつ、その大きさが等しくなるように、前
    記荷電粒子の軌道上に互いに直交する電場と磁場とを生
    成するように構成されていることを特徴とする荷電粒子
    ビーム制御装置。
  13. 【請求項13】 荷電粒子源からの荷電粒子ビームを導
    く光学系を備えた荷電粒子ビーム光学装置であって、 前記光学系は、請求項1から請求項12のいずれかに記
    載の荷電粒子ビーム制御装置を少なくとも一つ有してい
    ることを特徴とする荷電粒子ビーム光学装置。
  14. 【請求項14】 荷電粒子源からの荷電粒子ビームを一
    次ビームとして軌道切換装置に入射させ、該軌道切換装
    置を通過した前記一次ビームを物体上に照射する一次光
    学系と、 前記一次ビームの照射により前記物体から得られる電子
    を二次ビームとして前記軌道切換装置に入射させ、該軌
    道切換装置によって前記荷電粒子源に至る方向とは異な
    る方向に前記二次ビームを導き、検出面に集束させる二
    次光学系とを備えてなる荷電粒子ビーム欠陥検査装置で
    あって、 前記軌道切換装置は、請求項12に記載の荷電粒子ビー
    ム制御装置とされていることを特徴とする荷電粒子ビー
    ム欠陥検査装置。
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