JP2003021082A - 回転式圧縮機 - Google Patents

回転式圧縮機

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JP2003021082A
JP2003021082A JP2000382981A JP2000382981A JP2003021082A JP 2003021082 A JP2003021082 A JP 2003021082A JP 2000382981 A JP2000382981 A JP 2000382981A JP 2000382981 A JP2000382981 A JP 2000382981A JP 2003021082 A JP2003021082 A JP 2003021082A
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rotary
cylinder
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rotary compressor
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JP2000382981A
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English (en)
Inventor
Fumito Komatsu
文人 小松
Kenji Muramatsu
健次 村松
Masaki Nakamura
優樹 中村
Tomohiro Takeuchi
智大 竹内
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際の使用に適した容積型の回転式圧縮機を
提供する。 【解決手段】 回転軸心oを中心として形成された空洞
部22を挟んで対向するシリンダ室23a〜23dを有
する回転シリンダ部材2と、回転シリンダ部材2の回転
軸心oから偏心した回転中心位置Xを中心として回転す
るピストン保持部材5とを、ケーシング6にそれぞれ回
転自在に支持すると共に、ピストン保持部材5の回転中
心位置Xから偏心した自転中心位置X1,X2には回動
可能にピストン3,4が保持され、ケーシング6に吸込
口61及び吐出口62を備え、回転シリンダ部材2とピ
ストン保持部材5を相対回転させることでピストン3,
4を動かして吸込口61から吸い込んだ流体を吐出口6
2から吐出させると共に、吸込口61と吐出口62を所
定の大きさとし、回転シリンダ部材2とピストン保持部
材5とピストン3,4の動作数の比を1:2:1にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転式圧縮機に関
する。更に詳述すると、本発明は容積型の回転式圧縮機
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、特殊カム形状を用いたロータリー
式ポンプが知られているが、この種の装置の場合、部品
加工が難しく、コストアップの原因となっていた。そこ
で、このような欠点を解消するため、出願人は、以前に
吸排部分に歯車部品を必要としない構成のロータリー式
シリンダ装置を開発した(特開昭56−118501号
公報、実開昭57−87184号公報及び実開昭58−
92486号公報等参照)。
【0003】特開昭56−118501号公報に記載さ
れたロータリー式シリンダ装置は、図38及び図39に
示すように、箱状のケーシング101内に圧入等により
固定された円形のシリンダ部材102と、このシリンダ
部材102の中心部分に形成された円形の空洞部103
内で回転する支持部材104と、を有している。シリン
ダ部材102の空洞部103の内壁部103aには、放
射状に3対(6つ)のシリンダ室105a,105b,
105c,105d,105e,105fが形成されて
いる。これらの各シリンダ室105a〜105fは、支
持部材104の回転動作に伴って、ケーシング101の
外部に連通し外気をシリンダ装置内に取り入れる吸込口
106及び取り入れた外気を吐き出す吐出口107に、
順次連通するようになっている。
【0004】支持部材104は、ケーシング101に形
成された孔101aに回転自在に支持された軸108の
一端に固定された円盤状部材となっており、軸108と
逆側の面には三日月型の弁座109が取り付けられてい
る。この弁座109は、内壁部103aの約半周分に密
着して沿うように配置されており、空洞部103内の気
密性を向上させるためのものとなっている。なお、支持
部材104には、吐出口106に連通するための孔10
4aを有している。
【0005】支持部材104の偏心した位置には、軸1
10が固定され、この軸110に回転ピストン部材11
1が回転自在に支持されている。軸110は、支持部材
104と弁座109を挟んで支持部材104と対向した
位置に固定された円盤状の補助板部材113とに両端が
固定されている。補助板部材113には、吸込口106
に連通するための孔113aが設けられている。この補
助板部材113は、支持部材104と一体的に回転す
る。回転ピストン部材111は、回転中心部112a
と、この回転中心部112aから放射状に3方向に延出
されたピストン111a,111b,111cとから構
成されている。この回転ピストン部材111は、支持部
材104の回転に伴ってシリンダ部材102の軸心o1
の周囲を周回する。
【0006】この支持部材104の回転動作に伴い、各
ピストン111a,111b,111cは、対になって
いるシリンダ室105a〜105f間を往復運動するよ
うになっている。図39(A)から(D)は、この動作
の一連の動きの一部を順に示したものである。支持部材
104は、図39において反時計方向(矢示B1方向)
に全体として回転する。一方、回転ピストン部材111
は、この矢示B1方向にその支点が回動しつつ、それ自
体は時計方向(矢示A1方向)に回転していく。この動
作によってシリンダ室105a〜105fに吸込口10
6から外気が取り入れられ、吐出口107から外部へ吐
出される。
【0007】実開昭57−87184号公報や実開昭5
8−92486号公報に示されるロータリー式シリンダ
装置は、基本的にこの特開昭56−118501号公報
に記載されたロータリー式シリンダ装置と同様の構成と
なっているが、若干異なる構造となっている。異なる点
は、シリンダ部材102が回転ピストン部材111の回
転によって回転すること、弁座109がケースに固定さ
れ回転しないこと、回転ピストン部材111の回転支点
が回動しないようになっていることである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように特開昭
56−118501号公報等に記載されたロータリー式
シリンダ装置は、噛み合い精度を高めるために高度なノ
ウハウを必要とする内歯噛み合い式の平歯車を用いない
構成となっている。すなわち、特開昭56−11850
1号では、支持部材104がケーシング101内に固定
されたシリンダ部材102に対して相対回転することに
より流体ポンプや回転式圧縮機としての動作を行うよう
になっている。具体的には、シリンダ部材102が支持
部材104に固定されており、回転ピストン部材111
が回転することにより、固定された状態の各シリンダ室
105a〜105fに順次3つのピストン111a〜1
11cが進入退出を繰り返す構成となっている。
【0009】そのため、各ピストン111a〜111c
は、それぞれ各シリンダ室105a〜105f内に進入
し易くかつ退出し易いように、先端部分を尖らせかつ各
シリンダ室105a〜105f内に入ったときの幅方向
の寸法に余裕を持たせた構造となっており、ピストン1
11a〜111cとシリンダ室105a〜105fとの
間に隙間が形成される。その結果、隙間部分から流体が
漏れ易く、ポンプや圧縮機としての効率をそれ程高くで
きないという問題があるのは否めない。
【0010】一方、シリンダ室が回転ピストン部材と共
に回転するタイプの場合は、上述のシリンダ室が固定さ
れたタイプのものとは異なり、各ピストンの形状はシリ
ンダ室の横幅とほぼ同等の外径の略円形に形成されてい
る。これは、シリンダ部材も回転ピストン部材と同方向
に回転するため、ピストンがシリンダ室に出入りする
際、シリンダ室との間にほとんど隙間がなくてもスムー
ズな動作ができるからである。しかしながら、このタイ
プのものは、ピストンとシリンダ室との接触面が、円形
のピストンの外周面と直線形状のシリンダ室の内壁とで
構成されるため、その接触面の面積が小さく、この部分
が流体の圧力を耐えられずに流体が漏れ、流体ポンプや
圧縮機としての効率が落ちる虞があるのは否めない。
【0011】また、かかるロータリー式シリンダ装置を
応用して実際に回転式圧縮機を実用化させ商品化するた
めには、ピストン等の動きを妨げる背圧を減少させた
り、加工を容易にしたりする更なる工夫が必要である。
【0012】本発明は、実際の使用に適した容積型の回
転式圧縮機を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに請求項1記載の回転式圧縮機は、回転軸心を中心と
して形成された空洞部に連通し、該空洞部を挟んで対向
する少なくとも一対のシリンダ室を有する円形形状の回
転シリンダ部材と、回転シリンダ部材の回転軸心から偏
心した回転中心位置を中心として回転するピストン保持
部材とを、支持部材にそれぞれ回転自在に支持すると共
に、ピストン保持部材の回転中心位置から偏心した自転
中心位置には、その位置を中心として回動可能にピスト
ンが保持され、回転シリンダ部材とピストン保持部材と
の相対回転によりピストン自体が自転中心位置を中心と
して回動しながらかつ回転中心位置を中心として回転す
ることによって一対のシリンダ室の双方に出入りすると
共に、支持部材にシリンダ室に連なる吸込口及び吐出口
を備え、回転シリンダ部材とピストン保持部材を相対回
転させることでピストンを動かして吸込口から吸い込ん
だ流体を吐出口から吐出させると共に、吸込口は、回転
シリンダ部材の回転に伴い、ピストンが最外周に移動し
た位置より若干内側に入った位置から始まりピストンが
空洞部付近に移動した位置まで至るように形成され、吐
出口は、回転シリンダ部材の回転に伴い、ピストンが最
外周に移動した位置より若干手前の位置にわずかに設け
てあるとともに、回転シリンダ部材の回転数対ピストン
保持部材の回転数対ピストンのシリンダ室及び空洞部を
往復する動作数の比が1:2:1となるようにそれぞれ
が配置されてなるものである。
【0014】したがって、シリンダ室を有する回転シリ
ンダ部材と、ピストンを有するピストン保持部材とがそ
れぞれ支持部材に支持された状態で回転することがで
き、かつピストン保持部材に保持されているピストンも
それ自体で回動可能となっており、ピストンが姿勢を変
えながら各シリンダ室内を直線運動で出入りすることが
可能となる。その結果、ピストンをシリンダ室に対して
面接触させるように構成しても、各部材がスムーズに回
転運動をすることが可能となる。このため、ピストンが
作り易くなり、ピストンの精度を出し易くなる。また、
上記動作数の比が1:2:1となっているので、各部材
同士が確実に無理なく回転し、回転時の振動や騒音が軽
減される構成となる。
【0015】また、請求項2記載の回転式圧縮機のよう
に、ピストンのピストン保持部材側に対向する面を平面
とし、ピストン保持部材と面接触するようにしても良
い。
【0016】また、請求項3記載の回転式圧縮機は、回
転シリンダ部材とピストン保持部材との相対回転の抵抗
となる背圧を減少させる背圧逃がし手段を備えたもので
ある。ピストンが作動し回転シリンダ部材やピストン保
持部材が回転することで、これらの動きを妨げる背圧が
発生するが、この背圧を背圧逃がし手段が減少させるの
で動きがスムーズになる。
【0017】また、請求項4記載の回転式圧縮機は、ピ
ストンの横断面形状を異形状とし、当該形状にシリンダ
室の横断面形状を一致させたものである。したがって、
ピストンが摺動するシリンダ室の両側壁を底面に対して
角を設けて垂直に形成せずに済むので、シリンダ室の加
工が容易になる。
【0018】また、請求項5記載の回転式圧縮機は、潤
滑オイル循環機構を備えたものである。したがって、ピ
ストン,ピストン保持部材,回転シリンダ部材等の摺動
面を潤滑することができる。
【0019】また、背圧逃がし手段としては、請求項6
記載の回転式圧縮機のように、回転シリンダ部材と支持
部材の間に発生する背圧を逃がすシリンダ側背圧逃がし
手段であっても良く、さらに、請求項7記載の回転式圧
縮機のように、ピストン保持部材と支持部材の間に発生
する背圧を逃がすピストン保持部材側背圧逃がし手段で
あっても良い。
【0020】また、請求項8記載の回転式圧縮機は、ピ
ストンの横断面形状の異形状を、ピストンの底面の両コ
ーナー部分を丸めた形状としている。したがって、ピス
トンが摺動するシリンダ室のコーナー部分を丸めた形状
にすることができるので、シリンダ室の加工がより一層
容易になる。
【0021】また、請求項9記載の回転式圧縮機は、回
転シリンダ部材とピストン保持部材を、転がり軸受け部
材又は滑り軸受け部材によって回転自在に支持したもの
である。したがって、回転シリンダ部材とピストン保持
部材の回転がスムーズになる。
【0022】また、請求項10記載の回転式圧縮機は、
吐出口に逆止弁を設けたものである。回転シリンダ部材
の回転により各シリンダ室が順番に吐出口に対向するた
め、吐出口から吐出される流体の圧力は脈動する。逆止
弁は圧力低下時の流体の逆流を防止する。
【0023】さらに、請求項11記載の回転式圧縮機
は、回転シリンダ部材とピストン保持部材とを相対回転
させる入力軸と、回転シリンダ部材又はピストン保持部
材を、ケレープレートを介して連結したものである。例
えば入力軸の回転が回転シリンダ部材に伝えられる場合
には、入力軸のセンタと回転シリンダ部材のセンタがず
れていても、このずれをケレープレートが吸収して回転
力を伝達する。同様に、入力軸の回転がピストン保持部
材に伝えられる場合には、入力軸のセンタとピストン保
持部材のセンタがずれていても、このずれをケレープレ
ートが吸収して回転力を伝達する。
【0024】また、請求項12記載の回転式圧縮機は、
回転シリンダ部材は軸受けプレートにより回転自在に支
持され、軸受けプレートは押し調整ねじと引き調整ねじ
により調整可能に構成されている。したがって、押しね
じと引きねじのねじ込み量を変化させることで、回転シ
リンダ部材を支持する軸受けプレートの傾きを調整する
ことができる。このため、回転シリンダ部材のスラスト
方向の部品精度を軽減できる。
【0025】また、請求項13記載の回転式圧縮機は、
ピストン保持部材は軸受けプレートにより回転自在に支
持され、軸受けプレートは押し調整ねじと引き調整ねじ
とにより調整可能に構成されている。したがって、押し
ねじと引きねじのねじ込み量を変化させることで、ピス
トン保持部材を支持する軸受けプレートの傾きを調整す
ることができる。このため、ピストン保持部材のスラス
ト方向の部品精度を軽減できる。
【0026】また、請求項14記載の回転式圧縮機は、
ピストンとシリンダ室との間に形成される隙間に磁性流
体を配置し、磁性流体を隙間に保持させるための磁石を
ピストンとシリンダ室との接触部位の近傍に設けたもの
である。したがって、磁石によって保持された磁性流体
がピストンと回転シリンダ部材との間の隙間に充填され
る。このため、ピストンとシリンダ部材とが対向する部
位の僅かな隙間がさらに確実に封止され、接触部位から
の流体の漏れがより確実に防止できる。
【0027】また、請求項15記載の回転式圧縮機は、
ピストンが複数形成されると共にシリンダ室が複数対形
成され、これら複数対のシリンダ室は回転シリンダ部材
の回転軸心を含んで交差するように形成されている。し
たがって、複数対のピストンによって回転する回転式圧
縮機が提供される。
【0028】また、請求項16記載の回転式圧縮機は、
複数対のシリンダ室は回転シリンダ部材に円周方向に等
配分された位置に配置されている。したがって、回転シ
リンダ部材の回転バランスが良くなり、振動や騒音の発
生を防止することができるとともに、高速回転に適した
回転式圧縮機が提供される。
【0029】また、請求項17記載の回転式圧縮機は、
複数対のシリンダ室が交差する部位のピストンの移動方
向における長さは、ピストンの長さよりも短いものであ
る。したがって、往復直線運動を行うピストンは複数対
のシリンダ室が交差する部位を通過する際にシリンダ室
の壁面にガイドされて当該部位を通過するので、他のシ
リンダ室に突っかかることなくスムーズに通過すること
ができる。
【0030】さらに、請求項18記載の回転式圧縮機
は、複数対のシリンダ室が交差する部位は面取り部が形
成されている。したがって、ピストンのシリンダ室が交
差する部位の通過がより一層スムーズになる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0032】図1〜図5に、本発明を適用した回転式圧
縮機の実施形態の一例を示す。なお、本願の回転式圧縮
機が圧送する流体はオイル,水等の液体に限るものでは
なく、空気,ガス等の気体であっても良い。
【0033】回転式圧縮機1は、円形形状の回転シリン
ダ部材2と、180度離れた2つの偏心した自転中心位
置X1,X2にそれぞれピストン3,4を回動可能に保
持しかつ回転シリンダ部材2の回転軸心oから偏心した
位置を回転中心位置Xとして回転するピストン保持部材
5と、回転シリンダ部材2及びピストン保持部材5の両
回転部材をそれぞれ回転自在に支持する支持部材として
のケーシング6とを有している。
【0034】回転シリンダ部材2は、所定の厚みを有す
る円形形状で形成されており、ケーシング6の内部空間
に回転自在に配置されている。
【0035】回転シリンダ部材2のピストン保持部材5
に対向する面、すなわち図2及び図3において上側面に
は、4つの扇状の台部25を利用して形成された十字状
の空間が設置されている。この十字状の空間は、空洞部
22と4つのシリンダ室23a,23b,23c,23
dとから構成されている。すなわち、回転シリンダ部材
2の他側の端面には、回転軸心oを中心として所定の広
さを備えかつ底面を有する空洞部22が形成されてい
る。そして、この空洞部22内の回転軸心oを中心とし
て放射状に、4つのシリンダ室23a〜23dが設けら
れている。シリンダ室23a〜23dは上面部分が開放
された溝形状をなしており、この溝の横断面形状は詳し
くは後述するピストン3,4の横断面形状と一致してい
る。また、シリンダ室23a〜23dの長手方向の一端
側(中央側)は空洞部22に連通している。
【0036】なお、空洞部22の底面は、シリンダ室2
3a〜23dに対応した形状となっている。即ち、シリ
ンダ室23a〜23dの横断面形状とこれらに連続する
空洞部22の断面形状は同一であり、厚肉の円板材料に
十字状の溝を切削等の方法で加工することで、空洞部2
2及びシリンダ室23a〜23dより成る十字状の溝を
形成することができる。しかも、切削等の方法で加工さ
れる十字状溝の底面の両コーナー部分は丸みを帯びた形
状で良いため、その加工は極めて容易である。なお、説
明上、「上」「下」を使用しているが、この語は、図の
上下方向に基づき便宜上使用しているもので有り、絶対
的な意味での「上」「下」を意味するものではない。
【0037】シリンダ室23a〜23d内には、後述す
るようにピストン保持部材5に保持されたピストン3,
4が嵌まり込んで摺動するようになっている。すなわ
ち、ピストン3,4は、例えば図6(A)に示すよう
に、その底面の両コーナー部分11を丸めた形状を成し
ており、その横断面形状をシリンダ室23a〜23dの
横断面形状に一致させている。また、ピストン3,4の
上面(ピストン保持部材5との対向面)は平面となって
いる。したがって、回転式圧縮機1が組み付けられる
と、シリンダ室23a〜23dに対してピストン3,4
の上面,両側面,底面はピストン3,4の全長に亘って
面接触することになり、シリンダ室23a〜23dとピ
ストン3,4の間の気密性・液密性が確保される。すな
わち、圧送する流体の漏れをより確実に防止することが
できる。
【0038】ピストン3,4は、例えば焼結メタル(金
属等の粉末の焼結体)により形成されている。このた
め、ピストン3,4が多孔質のものとなり、予め潤滑オ
イルを含浸させておくことができ、摺動面の潤滑に有利
になる。ただし、ピストン3,4を焼結メタル以外の材
料を使用して形成しても良いことは勿論である。
【0039】なお、上述したように形成されたシリンダ
室23a〜23dの長手方向の他端側(径方向外側)
は、回転シリンダ部材2の外周面2aに開放されてい
る。そのため、各シリンダ室23a〜23dは、後述す
るケーシング6に形成された吸込口61及び吐出口62
に連通可能となっている。
【0040】なお、上述した各シリンダ室のうちの2つ
のシリンダ室23a,23bは、180度の位置に配置
されており、ピストン3にとって、それぞれ空洞部22
を挟んで対向する一対の部材となっている。そして、後
述するように、ピストン保持部材5の回転により、回転
シリンダ部材2とピストン保持部材5とが相対回転する
と、ピストン3が空洞部22を経てシリンダ室23a,
23b間を見た目上の往復直線運動を行い、シリンダ室
23a,23b内の双方に出入りするようになってい
る。
【0041】また、残りの2つのシリンダ室23cと2
3dも、180度の位置に配置されており、ピストン4
にとって、それぞれ空洞部22を挟んで対向する一対の
部材となっている。そして、回転シリンダ部材2とピス
トン保持部材5とが相対回転すると、ピストン4が空洞
部22を経てシリンダ室23c,23d間を見た目上の
往復直線運動を行い、シリンダ室23c,23d内の双
方に出入りするようになっている。また、対となるシリ
ンダ室23a,23bとシリンダ室23c,23dが交
差する部位である空洞部22のピストン3,4の移動方
向における長さは、ピストン3,4の接触面(シリンダ
室23a〜23dの両側壁面と対向する面)の長さより
も短くなっている。
【0042】図1等からも明らかなように、二対のシリ
ンダ室、即ちシリンダ室23a,23bとシリンダ室2
3c,23dは回転シリンダ部材2の回転中心oを含ん
で交差するように形成され、回転シリンダ部材2に円周
方向に等配分された位置に配置されている。
【0043】この回転シリンダ部材2には、ケレープレ
ート12を介して入力軸21の回転が伝達される。具体
的に説明すると、回転シリンダ部材2の各台部25内に
は、ピストン保持部材5に対向する面とは反対側の面、
すなわち図2及び図3において下側面に開口する大径孔
25aが形成されている。そして、各大径孔25aのう
ち、直線状に配置された2つの大径孔25aには、ケレ
ープレート12に立設固定されたケレー軸30が挿入さ
れている。このケレー軸30に対して、大径孔25aは
シリンダ室23a〜23dの軸心方向に若干長く形成さ
れており、たとえ回転シリンダ部材2とケレープレート
12の回転中心がずれていたとしても当該ずれを吸収し
ながらケレープレート12の回転を回転シリンダ部材2
に良好に伝達することができる。ケレープレート12と
回転シリンダ部材2の間にはクリアランスが設けられて
おり、後述のようにケレープレート12の傾き調整を可
能にしている。
【0044】ケレープレート12の回転軸心には、入力
軸21が圧入により挿入固定されている。この入力軸2
1は、その中央部を滑り軸受け部材7に回転自在に支承
されている。また、入力軸21の先端は、ケーシング6
の外部に突出している。
【0045】回転シリンダ部材2は、軸受けプレート3
2によって回転自在に支持されている。軸受けプレート
32は回転シリンダ部材2を回転自在に平面受けするた
めの部材で、図7に示すように、その受け面には2条の
突部32a,32bが形成されている。各突部32a,
32bは部分的にカットされており、潤滑オイルの循環
を容易にしている。また、各突部32a,32bのカッ
ト部分は回転シリンダ部材2の回転方向に関し90度ず
らして配置されており、回転シリンダ部材2の傾き防止
が図られている。このようにして、回転シリンダ部材2
をその外周付近で平面受けすることができるので、回転
シリンダ部材2の回転状態が安定したものとなり、傾き
難くなり、圧縮性能を確保でき、信頼性を向上させるこ
とができる。軸受けプレート32には、後述する潤滑オ
イルを循環させるための孔32cが形成されている。
【0046】軸受けプレート32の傾きは、調整ねじ3
3によって調整可能となっている。調整ねじ33は、例
えば3本の押しねじ33aと3本の引きねじ33bより
構成されており、これらを周方向に交互に配置してい
る。押しねじ33aは軸受けプレート32を部分的に回
転シリンダ部材2に近づけ、引きねじ33bは軸受けプ
レート32を部分的に回転シリンダ部材2から引き離す
ようにする。したがって、押しねじ33a、引きねじ3
3bのねじ込み量を変化させることで、軸受けプレート
32の傾きを調整することができる。このため、スラス
ト方向の部品精度を軽減できる。各調整ねじ33と下ケ
ース64、軸受けプレート32との間は、Oリング43
によってシールされている。また、潤滑オイルを循環さ
せるための穴32cが形成されている。
【0047】ピストン保持部材5は、回転シリンダ部材
2の外径よりも小さい外径を有する円形形状で形成され
ている。このピストン保持部材5の回転中心位置Xは、
上述の回転シリンダ部材2の回転軸心oから偏心した位
置に設けられている。ピストン保持部材5は、ケレープ
レート12を支持する軸受けプレート32と同様の軸受
けプレート134によって回転自在に支持されている。
この軸受けプレート134にも、軸受けプレート32と
同様に、2条の突部134a,134bが形成されてお
り、ピストン保持部材5をスラスト方向に平面受けする
ようになっている。このようにして、ピストン保持部材
5をその外周付近で平面受けすることができるので、ピ
ストン保持部材5の回転状態が安定したものとなり、傾
き難くなり、圧縮性能を確保でき、信頼性を向上させる
ことができる。また、潤滑オイルを循環させるための孔
134cが形成されている。そして、この軸受けプレー
ト134の傾きは、例えば3本の押しねじ33aと3本
の引きねじ33bより構成された調整ねじ33によって
調整可能となっている。このため、スラスト方向の部品
精度を軽減することができる。各調整ねじ33と上ケー
ス63、軸受けプレート33との間は、Oリング42に
よってシールされている。
【0048】なお、ラジアル方向に対して、回転シリン
ダ部材2は下ケース64の周壁64dにより、ピストン
保持部材5は上ケース63の周壁63dによって支持さ
れる。
【0049】ピストン保持部材5の回転シリンダ部材2
に対向する面、すなわち下側面には、ピストン3を自転
可能に保持する保持軸52と、ピストン4を自転可能に
保持する保持軸53とが立設固定されている。各保持軸
52,53には、その軸方向及び径方向に貫通する保持
軸内通路52a,53aが形成されている。後述する潤
滑オイルの一部は保持軸内通路52a,53aを通って
流れ、ピストン3,4とピストン保持部材5との間の摺
動面や、保持軸52,53とピストン3,4との間の摺
動面を潤滑する。
【0050】なお、潤滑の程度にもよるが、保持軸内通
路52a,53aは無くても良い。
【0051】ピストン3は、往復直線運動時における前
後の面31,31が若干丸みを有するように形成されて
いる。また、ピストン3の中心部分には孔3aが形成さ
れており、この孔3aに保持軸52を挿入することで、
ピストン3は保持軸52に自転可能に保持される。
【0052】ピストン4もピストン3と同様、往復直線
運動時における前後の面が若干丸みを有するように形成
されている。また、ピストン4の中心部分には孔4aが
形成されており、この孔4aに保持軸53を挿入するこ
とで、ピストン4は保持軸53に自転可能に保持され
る。
【0053】なお、ピストン保持部材5とピストン3,
4の回転時の軌跡との関係を、図23に示す。ピストン
保持部材5の半径R1、支持軸52,53の間隔の1/
2の距離R2、ピストン3,4の回転時の最外径軌跡の
半径R3の関係は、R1>(R2+R3)となってお
り、半径差△Rが発生する。半径R1が距離R2+半径
R3よりも小さい場合には、動作時にピストン最外径軌
跡がピストン保持部材5から飛び出すことになり、ピス
トン3,4の回転の安定性、密閉性を確保するためには
部品の加工精度を向上させる必要がある。これに対し、
上述のように半径R1>距離R2+半径R3の関係にす
ることで、部品の加工精度をあまり厳しくしなくてもピ
ストン3,4の回転の安定性、密閉性を確保するのが容
易になる。ただし、かかる関係は密閉性を確保する等の
ためのものであり、この関係に限定されることはなく、
半径R1は距離R2+半径R3とほぼ同等でも、小さく
ても良いことは勿論である。
【0054】ケーシング6は、2つのケース半体、すな
わちピストン保持部材5を回転自在に支持するための上
ケース63と、回転シリンダ部材2を回転自在に支持す
るための下ケース64とから構成されている。上ケース
63と下ケース64は、凹凸の印篭構造によって正確に
位置決めされた状態で重ね合わされている。本実施形態
では、上ケース63の合わせ面に形成した凸部94を、
下ケース64の合わせ面に形成した凹部95にはめ込む
ことで正確に位置決めしてセンタ出しを行い、且つずれ
を防止している。上ケース63と下ケース64はねじ4
5によって固定されている。また、上ケース63と下ケ
ース64の間はOリング35によってシールされてい
る。
【0055】下ケース64の底部には、入力軸21を貫
通させるための挿通孔64eが設けられている。また、
下ケース64の底部にはキャップ36がねじ37によっ
て固定されている。下ケース64とキャップとの間は、
Oリング38によってシールされている。また、入力軸
21と圧縮機内部のシールは、2段重ねのメカニカルシ
ール99によってシールされている。
【0056】このように形成された下ケース64内に
は、回転シリンダ部材2が回転自在に配置されている。
この回転シリンダ部材2を配置した状態で、回転シリン
ダ部材2の外周面2aに対向する位置、すなわち周壁6
4dには、外部の流体をケーシング6内に吸い込むため
の吸込口61と、ケーシング6内に吸い込んだ流体を外
部へ吐出するための吐出口62とが形成されている。
【0057】吸込口61は、周壁64dの内周面に形成
されたスリット61aと、このスリット61aとケーシ
ング6の外部とを連通させる連通孔61bと、この連通
孔61bに接続されるジョイント61cとから構成され
ている。そして、スリット61aは、回転シリンダ部材
2が回転すると、各シリンダ室23a〜23dとそれぞ
れ連なるようになっている。即ち、吸込口61は、回転
シリンダ部材2の回転に伴い、ピストン3,4が最外周
に移動した位置より若干内側に入った位置から始まりピ
ストン3,4が空洞部22付近に移動した位置まで至る
ように形成されている。
【0058】吐出口62は、周壁64dの内周面に形成
されたスリット62aと、このスリット62aとケーシ
ング6の外部とを連通させる連通孔62bと、この連通
孔62bに接続されるジョイント62cとから構成され
ている。そして、スリット62aは、回転シリンダ部材
2が回転すると、各シリンダ室23a〜23dとそれぞ
れ連なるようになっている。即ち、吐出口62は、回転
シリンダ部材2の回転に伴い、ピストン3,4が最外周
に移動した位置より若干手前の位置にわずかに設けてあ
る。このように、スリット62aは、スリット61aに
比べて、回転シリンダ部材2の回転方向に対して極めて
狭い範囲に形成されている。したがって、シリンダ室2
3a〜23d内の圧力が十分増加するまではスリット6
2aと対向することはなく、ピストン3,4によって圧
縮されたシリンダ室23a〜23d内の流体を高圧のま
ま一気に吐出口62から排出することができる。
【0059】なお、ピストン3,4が最も外側に移動す
る死点位置(図8のシリンダ室23dの位置)では、シ
リンダ室23a〜23d内は最も高圧になる。これに対
し、吸込口61は低圧である。したがって、死点位置の
シリンダ室23a〜23dから吸込口61への流体の漏
洩が考えられるが、この回転式圧縮機1では死点位置と
吸込口61のスリット61aとの間の仕切部分(図8の
A部分)を十分広くすることで、流体の漏洩を防止して
いる。また、死点位置のシリンダ室23a〜23dに比
べて吐出口62も低圧であることから、同様に、死点位
置と吐出口62のスリット62aとの間の仕切部分(図
8のB部分)を十分広くし、流体の漏洩を防いでいる。
【0060】また、吐出口62には、例えばボール39
aとスプリング39bより成る逆止弁39が設けられて
おり、流体の逆流を防止している。逆止弁39は、スリ
ット62aに近い位置に配置されており、逆止弁39の
上流側の容積を減少させて圧縮比を高めるようにしてい
る。
【0061】この回転式圧縮機1は、背圧逃がし手段を
備えている。背圧逃がし手段は、例えば、シリンダ側背
圧逃がし手段13と、ピストン保持部材側背圧逃がし手
段14より構成されている。
【0062】シリンダ側背圧逃がし手段13は、回転式
圧縮機1の作動中に回転シリンダ部材2と下ケース64
の間に発生する背圧を逃がして回転シリンダ部材2等の
回転を円滑にする為のもので、例えば4つの台部25を
貫通して大径孔25aに通じる孔13である。ただし、
シリンダ側背圧逃がし手段としては台部25を貫通する
孔13に限るものではなく、例えば図9及び図10に示
すように、回転シリンダ部材2の外周面に形成された溝
13でも良く、又は図21及び図22に示すように、下
ケース64の周壁64dに形成された溝13でも良い。
【0063】ピストン保持部材側背圧逃がし手段14
は、回転式圧縮機1の作動中にピストン保持部材5と上
ケース63の間に発生する背圧を逃がしてピストン保持
部材5の回転を円滑にする為のもので、例えばピストン
保持部材5を貫通する孔14である。ただし、ピストン
保持部材側背圧逃がし手段としてはピストン保持部材5
を貫通する孔14に限るものではなく、例えば図9及び
図10に示すように、ピストン保持部材5の外周面に形
成された溝14でも良く、又は図21及び図22に示す
ように、上ケース63の周壁63dに形成された溝14
でも良い。
【0064】また、回転式圧縮機1は、潤滑オイル循環
機構15を備えている。この潤滑オイル循環機構15
は、例えば図4に示すように、オイルタンク16と、こ
のオイルタンク16からケーシング6内にオイルを導く
オイル流入通路17と、ケーシング6内からオイルタン
ク16にオイルを導くオイル流出通路18を備えて構成
されている。オイル流入通路17の途中には、図示しな
いフィルタが設けられている。
【0065】オイル流入通路17は、上ケース63のポ
ート63aに取り付けられたジョイント19に接続され
ている。このジョイント19からポート63aを通じて
上ケース63内に導かれたオイルは、ケーシング6内の
各部材の隙間やシリンダ側背圧逃がし手段13,ピスト
ン保持部材側背圧逃がし手段14,保持軸内通路52
a,53a,軸受けプレート32,134の孔32c,
134c等を伝わって摺動面を潤滑する。そして、下ケ
ース64のポート64aに取り付けられたジョイント2
0からオイル流出通路18へと流出し、オイルタンク1
6へと循環される。このオイルは、回転シリンダ部材2
やピストン保持部材5の回転によって生じる圧力差を利
用して、オイルタンク16→オイル流入通路17→ジョ
イント19→ポート63a→ケーシング6内→ポート6
4a→ジョイント20→オイル流出通路18→オイルタ
ンク16へと循環する。
【0066】なお、本実施形態では、ピストン3,4を
焼結メタルで形成しているため、ピストン保持部材5等
の回転により発生する背圧によってピストン3,4内に
含浸されている潤滑オイルがピストン3,4外に浸みだ
し、ピストン3,4とピストン保持部材5の間の摺動面
や、ピストン3,4とシリンダ室23a〜23dの間の
摺動面等を潤滑オイルが潤滑するようになる。
【0067】上述したように構成された回転式圧縮機1
では、入力軸21が図示しないモータ等によって駆動さ
れると、この回転力が入力軸21→ケレープレート12
→ケレー軸30→回転シリンダ部材2→ピストン3,4
→ピストン保持部材5へと伝えられる。これにより、回
転シリンダ部材2とピストン保持部材5が相対回転を行
い、ピストン3,4をシリンダ室23a〜23dに対し
て動かして吸込口61から吸い込んだ流体を吐出口62
から吐出させる。すなわち、入力軸21が回転される
と、ピストン保持部材5や回転シリンダ部材2等が等角
速度比の回転運動を行い、ピストン3,4を動かしてシ
リンダ室23a〜23d内の容積が増減し、流体を圧送
することができる。
【0068】回転式圧縮機1の動作について、図11
(A)〜(F)を用いて説明する。なお、図11(A)
〜(F)は、回転シリンダ部材2の回転角にして15度
おきに示したものである。
【0069】この回転式圧縮機1は、各シリンダ室23
a〜23dが吸気行程と圧縮行程を交互に繰り返すこと
で流体を圧縮する。まず最初に吸気行程について、シリ
ンダ室23dに着目して説明する。回転シリンダ部材2
とピストン保持部材5が相対回転すると、ピストン4は
図11(A)に示すシリンダ室23dの死点位置から空
洞部22に向けて移動する(図11(B))。そして、
ピストン保持部材5と回転シリンダ部材2が図11
(C)に示す位置まで回転すると、シリンダ室23dが
吸込口61のスリット61aに対向(オーバーラップ)
するので、ピストン4の移動に伴う負圧によって流体が
吸込口61からシリンダ室23d内に吸い込まれる(図
11(D)〜(F))。そして、ピストン保持部材5と
回転シリンダ部材2がさらに回転すると、シリンダ室2
3dが吸込口61のスリット61aから外れるので吸気
行程が終了し、さらに、このシリンダ室23dが図11
(A)のシリンダ室23aの位置まで回転すると、圧縮
行程が開始される。
【0070】この圧縮行程をシリンダ室23aに着目し
て説明する。回転シリンダ部材2の回転によってピスト
ン保持部材5が回転すると、ピストン3は空洞部22の
位置からシリンダ室23a内に進入する(図11(A)
(B))。そして、回転シリンダ部材2とピストン保持
部材5の更なる回転により、ピストン3はシリンダ室2
3a内の外側位置に向けて移動する(図11(C)
(D))ので、シリンダ室23a内の流体が圧縮され
る。そして、この流体が十分圧縮されると(図11
(E))、シリンダ室23aが吐出口62のスリット6
2aとオーバーラップし(図11(F))、シリンダ室
23a内の流体を逆止弁39を押し開けて圧送する。
【0071】そして、以上の作動は各シリンダ室23a
〜23dについて順番に繰り返されるので、ピストン
3,4は次々に流体を圧縮して送り出す。
【0072】この回転式圧縮機1は、例えば蒸発器、凝
縮器、キャピラリチューブ、放熱パイプ等で構成された
冷却回路のコンプレッサとして使用可能である。即ち、
熱交換を行った冷媒を圧縮して循環させるのに用いるこ
とができる。また、入力軸21を回転させるモータを、
ケーシング6内に収容するようにしても良い。
【0073】この回転式圧縮機1では、ピストン3,4
の周回回転運動、すなわち、回転中心位置Xを中心とし
たピストン保持部材5の回転運動は、回転シリンダ部材
2の回転軸心oを中心とする回転角速度運動の2倍の回
転角速度運動となる。これは、ピストン3,4の回転半
径が、回転シリンダ部材2の図示無きピッチ円の1/2
となっており、ピストン3,4の回転運動は、回転シリ
ンダ部材2の回転運動に対して円サイクロイド運動とな
っているためである。なお、ピストン3,4の自転、す
なわち保持軸52,53を各々回転中心とする回転も、
回転シリンダ部材2と同じ回転角速度運動となる。
【0074】また、ピストン3は、回転シリンダ部材2
が1回転する間にシリンダ室23a,23b間を1往復
するようになっており、ピストン3の往復動作数と回転
シリンダ部材2の回転数とが1:1の関係になってい
る。また、ピストン4も同様に、回転シリンダ部材2が
1回転する間にシリンダ室23c,23d間を1往復す
るようになっており、ピストン4の往復動作数と回転シ
リンダ部材2の回転数とが1:1の関係になっている。
すなわち、回転シリンダ部材2の回転数対ピストン保持
部材5の回転数対ピストン3,4のシリンダ室23a〜
23d及び空洞部22を往復する動作数の比が、1:
2:1となっている。
【0075】また、上述したように、ピストン3,4の
横断面形状とシリンダ室23a〜23dの横断面形状を
一致させているので、回転式圧縮機1が組み付けられる
と、シリンダ室23a〜23dに対してピストン3,4
の上面,両側面,底面はピストン3,4の全長に亘って
面接触することになり、シリンダ室23a〜23dとピ
ストン3,4の間の気密性・液密性が確保される。すな
わち、流体の漏れをより確実に防止することができ、効
率の良い回転式圧縮機とすることができる。
【0076】なお、上述の形態は本発明の好適な形態の
例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要
旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0077】例えば、上述の各実施の形態では、ピスト
ン3,4の横断面形状と各シリンダ室23a〜23dの
横断面形状を一致させることでピストン3,4の周囲か
ら流体が漏れるのを防止する構成となっているが、これ
に加え各ピストン3,4と各シリンダ室23a〜23d
との問、すなわち対向面部分を磁性流体や粘性グリス等
で埋めるようにしてもよい。なお、磁性流体で埋める場
合は、各ピストン3,4内部に、磁性流体を隙間部分に
保持する保持手段としてのマグネットを備えるようにし
たり、シリンダ室23a〜23dを区切る扇状の台部2
5中にマグネットを埋め込むようにしたり、またその両
者にマグネットを備えるようにするのが好ましい。
【0078】また、ピストン3,4の形状やシリンダ室
23a〜23dの横断面形状は、図6に示したものに限
るものではなく、例えば図12〜図16に示す異形状の
横断面形状を有するものであっても良く、また、図17
に示すものであっても良い。さらに、その他の形状であ
っても良い。
【0079】また、上述の説明では、回転シリンダ部材
2とピストン保持部材5のうち、回転シリンダ部材2側
に入力軸21の回転を伝えるようにしていたが、ピスト
ン保持部材5側に入力軸21の回転を伝えるようにして
も良い。
【0080】また、上述の説明では、滑り軸受けである
軸受けプレート32,134によって回転シリンダ部材
2やピストン保持部材5を支持していたが、ボールベア
リング等の転がり軸受けを使用して回転シリンダ部材2
を支持するようにしても良い。
【0081】また、軸受けプレート32,134とし
て、図18に示すものを使用しても良い。
【0082】また、上述の説明では、ピストン3,4の
孔3a,4a内に保持軸52,53を直接挿入していた
が、これらの間にガイド駒44を介在させるようにして
も良い。ガイド駒44を図8に示す。ガイド駒44とピ
ストン3,4の孔3a,4aとの間には、ピストン幅方
向に若干のがた付きが設けられている。したがって、た
とえ保持軸52,53の軸心とピストン3,4の自転中
心位置X1,X2がずれていたとしても当該ずれを吸収
しながらピストン3,4を回転中心位置Xを中心に回転
運動させることができる。このため、要求される部品の
加工精度を落とすことができ、加工が容易になって製造
コストを下げることができる。
【0083】また、上述の説明では、軸受けプレート3
2,134の傾きを調整ねじ33によって調整するよう
にしていたが、部品精度を確保できる場合等には調整ね
じ33を省略しても良い。
【0084】また、上述の説明では、入力軸21と回転
シリンダ部材2との間にケレープレート12とケレー軸
30を介在させていたが、部品精度を確保できる場合等
にはケレープレート12にとケレー軸30を省略して回
転シリンダ部材2に入力軸21を取り付けるようにして
も良い。
【0085】また、上述の説明では、シール構造として
Oリングを用いていたが、メカニカルシール等を用いて
も良い。
【0086】さらに、上述の説明では、ケーシング6の
側面、即ち下ケース64の周壁64dに吸込口61及び
吐出口62を設けていたが、必ずしもこれに限るもので
はなく、吸込口61と吐出口62の一方又は両方をケー
シングの上面や底面に設けるようにしても良い。
【0087】また、上述の説明では、シリンダ室の数を
4つ,ピストンの数を2つとしていたが、必ずしもこの
数の組み合わせに限るものではない。例えば、シリンダ
室の数を6つ,ピストンの数を3としてもよい。この場
合のシリンダ室23a〜23fとピストン3A〜3Cの
関係を、図19に基づいて簡単に説明する。
【0088】図19の例では、ケーシング6内に6つの
シリンダ室23a〜23fと6つの扇状の台部25を備
えた回転シリンダ部材2が回転自在に配置されている。
そして、回転シリンダ部材2の偏心位置には、ピストン
保持部材5が回転自在に配置され、このピストン保持部
材5には、3つのピストン3A,3B,3Cが回転自在
に保持されている。なお、上述の場合と同様に、この回
転機構のケーシング6内に配置された回転シリンダ部材
2とピストン保持部材5の回転の比率は、ピストン保持
部材5の回転数が2に対して回転シリンダ部材2の回転
数が1である。
【0089】この例でも上述の場合と同様に、ピストン
保持部材5の回転により各ピストン3A〜3Cが図中時
計回り方向に回転すると、この動作に伴い回転シリンダ
部材2も同方向に回転するようになっている。これによ
り、ピストン3Aがシリンダ室23a,23b間を、ピ
ストン3Bがシリンダ室23c,23d間を、ピストン
3Cがシリンダ室23e,23f間を、それぞれ空洞部
22を横切りながら見た目上の往復運動するようになっ
ている。
【0090】なお、各ピストン3A〜3Cの長手方向の
寸法は、空洞部22を横切る際に、空洞部22の両側の
シリンダ室の内壁双方に係合することが可能なものとな
っている。したがって、各ピストン3A〜3Cは、空洞
部22を横切る際には両側のシリンダ室に同時に接触す
ることとなる。なお、各ピストン3A〜3Cは、空洞部
22を横切る際に互いに他のピストン3A〜3Cにぶつ
かり合わないように設計されているのは勿論である。こ
れにより、図19の例では、各ピストン3A〜3Cが常
時いずれかのシリンダ室にガイドされながら回転移動
し、その結果各ピストン3A〜3Cが各シリンダ室23
a〜23f内に確実に出入する。
【0091】なお、図19に示すような6つのシリンダ
室23a〜23f及び3つのピストン3A〜3Cを有す
るタイプの回転機構は、トルク変動が少ないものとな
る。また、シリンダ室の数及びピストンの数は、上述し
たものに限らず、シリンダ室の数を偶数としかつピスト
ンの数をシリンダ室の数の半分で構成すれば、シリンダ
室の数を2つとしたりあるいは8個以上としても良い。
即ち、シリンダ室を対にし且つピストンの数をシリンダ
室の対と同数にすれば、シリンダ室を一対としたり或い
は四対以上としても良い。また、ピストンの数は、シリ
ンダ室の数の半分ではなく、半分より少ない数としても
よい。
【0092】また、上述の説明では、回転シリンダ部材
2の片面側にピストン保持部材5を配置させ、このピス
トン保持部材5から保持軸52,53を、回転シリンダ
部材2のシリンダ室23a〜23d内に突出させること
によって、保持軸52,53に保持させたピストン3,
4を回転シリンダ部材2の十字状の空間内に配置させる
ようにしたが、図20(A)及び(B)に示すように、
ピストン保持部材を2枚の円盤状部材で構成し、回転シ
リンダ部材の両側に配置するものとしても良い。以下
に、図20に基づいて簡単に説明する。
【0093】図20の回転式圧縮機1は、ケーシング8
1内の円形のスペースの周壁に、多数のニードル82a
を等間隔に配置した輪環形状の軸受け部材(ニードルベ
アリング)82を配置し、その内側に回転シリンダ部材
84を回転自在に支持させている。この回転シリンダ部
材84には、各端部が半径方向外側には貫通されず、か
つ軸方向両側には貫通している十字状の空間が形成され
ている。この十字状の空間の中心部は空洞部85、そし
て、空洞部85から放射状に形成された部位は、それぞ
れシリンダ室86a,86b,86c,86dとなって
いる。このように形成された十字状の空間には、中心部
に孔87aを備えたブロック形状のピストン87と、中
心部に孔88aを備えたブロック形状のピストン88と
が回転自在に嵌め込まれている。
【0094】回転シリンダ部材84の軸方向両側には、
ケーシング81の外部に突出する入力軸89の一端を回
転中心として固定したピストン保持部材90が配置され
ている。すなわち、ピストン保持部材90は、回転シリ
ンダ部材84を挟んで配置された2枚の円盤状部材90
a,90bから構成されており、ピストン87,88を
それぞれ挿通させた2本の保持軸91a,91bによっ
て連結されている。
【0095】なお、図20の回転式圧縮機1の動作に関
しては、図1の回転式圧縮機1と同様のものとなってお
り、この動作によって圧縮機としての活動を行うように
なっている。なお、この図20の回転式圧縮機1では、
各シリンダ室86a〜86dが回転シリンダ部材84の
外周面に連通していないので、吸込口および吐出口を回
転シリンダ部材84の両端面もしくは片側の端面の各シ
リンダ室86a〜86dに連通可能な位置の最外周部分
に設けることとなる。
【0096】また、この回転式圧縮機1を複数組み合わ
せて多段式にしても良い。圧縮した流体を次段の圧縮機
1に流入させることで、さらに高圧の流体を得ることが
できる。
【0097】また、複数対のシリンダ室を回転シリンダ
部材2に対して円周方向に互いに等配分する必要はな
く、例えば図24に示すように対となるシリンダ室23
a,23bと23c,23dを回転シリンダ部材2に対
して円周方向に等配分しなくても良い。
【0098】また、図25に示すように、シリンダ室2
3a〜23dを回転シリンダ部材2の回転軸心Oに対し
てオフセットさせて形成しても良い。また、図示しない
がピストンの幅は異なっても良い。
【0099】また、ピストンや回転シリンダ部材の台部
にマグネットを配置し、磁性流体によってこれらの間の
隙間から流体が漏れるのを防止するようにしても良い。
かかる構成の概念を例えば図26に示す。ピストン3内
にはマグネット590が配置され、このマグネット59
0に磁性流体591を付着させている。マグネット59
0は、ピストン3のシリンダ室との接触部位の近傍、こ
の実施の形態ではピストン3の中央に設置されている。
かかる構成によって、各マグネット590は、磁性流体
591をピストン3に引き寄せてその外周に保持するこ
とにより、磁性流体591を回転シリンダ部材2との隙
間に充填し、この隙間からの流体の漏れを防止すること
ができる。なお、図中符号N,Sは、マグネット590
の磁極を示すものである。
【0100】なお、ピストン3に配置するマグネット5
90の形状は、図27に示すものであっても良い。ま
た、ピストン3にマグネット590を配置することに代
えて、例えば図28や図29に示すように、回転シリン
ダ部材2の台部25にマグネット590を配置しても良
い。
【0101】また、上述の各実施の形態では、外面を平
面に形成された各ピストンが、内壁を平面で形成された
各シリンダ室に出入りする際に、平面同士が面対向する
ことによる抵抗力により各空間同士の流体の漏れを防止
する構成となっているが、これに加え各ピストンと各シ
リンダ室との対向面部分に粘性グリス等を充填部を設け
潤滑性を維持しつつ密閉性を高めても良い。この場合、
ピストンの両側面に凹部を形成して当該凹部を充填部と
しても良い。例えば、図30に示すように、ピストン
3,4の両側面34,44に凹部3d,4dを充填部と
して形成し、この凹部3d,4dに上記粘性グリス等を
ためておいてもよい。なお、この凹部3d,4dを形成
することで、潤滑剤を用いない場合でも、ピストン3,
4の往復動時の抵抗を和らげるようにもなっている。
【0102】また、例えば図31に示すように、回転シ
リンダ部材2の空洞部22の角22aを面取りしても良
い。このように面取りを施すことで、ピストン3,4が
回転シリンダ部材2の空洞部22を通過する際に、ピス
トン3,4の進行方向に対する向きが傾いたとしても次
のシリンダ室にスムーズに移動することができる。この
場合、ピストン3,4の角に面取りを施しても良いが、
ピストン3,4側に面取りを施すよりも、図31に示す
ように回転シリンダ部材2側に面取りを施すことがより
望ましい。ピストン側に面取りを施した場合には、ピス
トンが回転シリンダ部材の最外周側に回転しても面取り
部分が隙間となって圧縮された流体が残留することにな
り、この残留した流体がそのまま次の行程に持ち越され
ることになって効率が悪くなるからである。特に、回転
式圧縮機では、残留する流体が圧縮機としての効率を低
下させるばかりでなく、圧縮された状態の残留流体が吸
気口に通じることで急激に膨張し、騒音や振動を発生さ
せる原因となってしまう。これに対し、回転シリンダ部
材側に面取りを施し、ピストンの角をコーナーにするこ
とで、シリンダ最外周位置の最高圧流体の残留容積の減
少を図ることができ、圧縮機としての効率を低下させる
ことなく、ピストンの移動をスムーズにすることができ
る。
【0103】また、背圧逃がし手段は、例えば図32か
ら図34に示す通路580,581であっても良い。即
ち、例えば図32から図34に示すように、回転シリン
ダ部材2の表裏両面を連通する通路580や、ピストン
保持部材5の表裏両面を連通する通路581を形成して
も良い。この場合、通路580,581の形状や大きさ
は特に限定されないことは勿論である。また、回転シリ
ンダ部材2の台部25の上面に窪み582を形成した
り、ピストン保持部材5の通路581の開口部周囲に窪
み583を形成しても良い。この場合、各窪み582,
583の形状や大きさは特に限定されないことは勿論で
ある。
【0104】また、回転シリンダ部材2やピストン保持
部材5の回転数を検出する回転数検出手段を備えても良
い。例えば図35に、回転数検出手段を備えた場合の例
を示す。この例では、例えばピストン支持軸52,53
を金属製のものにするとともに、ピストン保持部材5を
別部材とし、ピストン保持部材5のピストン支持軸5
2,53に対向する位置に金属センサ571を取り付
け、金属センサ571によるピストン支持軸53,53
の検出出力をカウンタでカウントすることで、回転数を
検出する。ただし、この方法に限るものではなく、例え
ば、マグネット572の回転を検出するMR素子やホー
ル素子573等を設け、これらの検出出力をカウンタで
カウントすることで回転数を検出するようにしても良
い。また、図示しない電圧リミッタを設け、発電出力の
正弦波形に基づいて回転数を検出するようにしても良
い。さらには、マグネット572の外側リングに図示し
ないスリット板を設けるとともに、ケース側に図示しな
いフォトインタラプタを設け、スリット板を通過する光
をフォトインタラプタで検出し、この検出値をカウンタ
でカウントすることで、回転数を検出するようにしても
良い。
【0105】また、例えば図36に示すように、回転式
圧縮機に回転数検出手段を設けることも可能である。こ
の例も図35の例と同様に、例えばピストン支持軸5
2,53を金属製のものにするとともに、ピストン保持
部材5を別部材とし、ピストン保持部材5のピストン支
持軸52,53に対向する位置に金属センサを取り付
け、金属センサ571によるピストン支持軸52,53
の検出出力をカウンタでカウントするようにしても良
い。また、回転シリンダ部材2にマグネット572を取
り付けるとともに、このマグネット572の回転を検出
するMR素子やホール素子573等を設け、これらの出
力をカウンタでカウントすることで回転式圧縮機の回転
数を検出するようにしても良い。さらには、マグネット
572の外側リングに図示しないスリット板を設けると
ともに、ケース側に図示しないフォトインタラプタを設
け、スリット板を通過する光をフォトインタラプタで検
出し、この検出値をカウンタでカウントすることで、回
転式圧縮機の回転数を検出するようにしても良い。容積
型の回転式圧縮機では回転シリンダ部材が一回転した場
合の圧縮量がわかっているので、カウンタでによって回
転数をカウントすることで、総圧縮量を計測することが
できる。
【0106】つまり、本発明の回転式圧縮機に回転数検
出手段を設けることで流体の圧縮量を電気的に検出する
ことができ、検出した圧縮量に基づいて、例えば流路に
設けた電磁式開閉弁をオンオフ制御したり、圧縮量が所
定値に達した場合に警報を鳴らすようにすることができ
る。
【0107】さらに、例えば図37に示すように、本発
明の回転式圧縮機を流体ポンプとして使用する場合に回
転数検出手段を設けることで、流体ポンプの作動をフィ
ードバック制御するようにしても良い。即ち、図36の
回転式圧縮機と同様の方法で回転数を検出し、カウンタ
によるカウント数に基づいて駆動モータ563を制御す
るようにしても良い。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の回
転式圧縮機では、シリンダ室を有する回転シリンダ部材
と、ピストンを有するピストン保持部材とがそれぞれ支
持部材に支持された状態で回転することができ、かつピ
ストン保持部材に保持されているピストンも回動可能と
なっており、ピストンが姿勢を変えながら各シリンダ室
内を自在に出入りすることが可能となる。その結果、ピ
ストンの形状を例えばブロック形状としても、各部材が
スムーズに回転運動をすることが可能となる。また、こ
のような構成のため、ピストンとシリンダ室との接触面
積を大きくとることが可能となり、接触面部分からの流
体の漏れを防止することができて圧縮機としての信頼性
を向上させることができる。さらに、ピストンの形状が
単純な構造となっているため、ピストンを作り易く精度
出しが容易なものとなる。また、回転シリンダ部材の回
転数対ピストン保持部材の回転数対ピストンのシリンダ
室及び空洞部を往復する動作数の比が1:2:1となっ
ているので、各部材同士が確実に無理なく回転し、回転
時の振動や騒音が軽減される構成となる。
【0109】また、請求項2記載の回転式圧縮機のよう
に、ピストンのピストン保持部材側に対向する面を平面
とし、ピストン保持部材と面接触するようにしても良
い。
【0110】また、請求項3記載の回転式圧縮機では、
回転シリンダ部材とピストン保持部材との相対回転の抵
抗となる背圧を減少させる背圧逃がし手段を備えている
ので、回転シリンダ部材やピストン保持部材等の動きを
スムーズにすることができる。
【0111】また、請求項4記載の回転式圧縮機では、
ピストンの横断面形状を異形状とし、当該形状にシリン
ダ室の横断面形状を一致させているので、ピストンが摺
動するシリンダ室の両側壁を底面に対して角を設けて垂
直に形成する必要がなくなり、シリンダ室の加工が容易
になる。
【0112】また、請求項5記載の回転式圧縮機では、
潤滑オイル循環機構を備えているので、ピストン,ピス
トン保持部材,回転シリンダ部材等の摺動面を潤滑する
ことができる。
【0113】また、背圧逃がし手段としては、請求項6
記載の回転式圧縮機のように、回転シリンダ部材と支持
部材の間に発生する背圧を逃がすシリンダ側背圧逃がし
手段であっても良く、さらに、請求項7記載の回転式圧
縮機のように、背圧逃がし手段は、ピストン保持部材と
支持部材の間に発生する背圧を逃がすピストン保持部材
側背圧逃がし手段であっても良い。また、これらを両方
とも備えていても良い。
【0114】また、請求項8記載の回転式圧縮機では、
ピストンの横断面形状の異形状をピストンの底面の両コ
ーナー部分を丸めた形状としているので、ピストンが摺
動するシリンダ室のコーナー部分を丸めた形状にするこ
とができ、シリンダ室の加工がより一層容易になる。
【0115】また、請求項9記載の回転式圧縮機では、
回転シリンダ部材とピストン保持部材を、転がり軸受け
部材又は滑り軸受け部材によって回転自在に支持してい
るので、これらの回転をスムーズにすることができる。
【0116】また、請求項10記載の回転式圧縮機で
は、吐出口に逆止弁を設けているので、圧力低下時の流
体の逆流を防止することができる。
【0117】さらに、請求項11記載の回転式圧縮機で
は、回転シリンダ部材とピストン保持部材とを相対回転
させる入力軸と、回転シリンダ部材又はピストン保持部
材を、ケレープレートを介して連結しているので、たと
え入力軸のセンタと、この入力軸によって回転される回
転シリンダ部材又はピストン保持部材のセンタとがずれ
ていたとしても、このずれを吸収して回転力を円滑に伝
達することができる。
【0118】また、請求項12記載の回転式圧縮機で
は、回転シリンダ部材は軸受けプレートにより回転自在
に支持され、軸受けプレートは押し調整ねじと引き調整
ねじにより調整可能に構成されているので、押しねじと
引きねじのねじ込み量を変化させることで、回転シリン
ダ部材を支持する軸受けプレートの傾きを調整すること
ができ、回転シリンダ部材のスラスト方向の部品精度を
軽減できる。
【0119】また、請求項13記載の回転式圧縮機で
は、ピストン保持部材は軸受けプレートにより回転自在
に支持され、軸受けプレートは押し調整ねじと引き調整
ねじとにより調整可能に構成されているので、押しねじ
と引きねじのねじ込み量を変化させることで、ピストン
保持部材を支持する軸受けプレートの傾きを調整するこ
とができ、ピストン保持部材のスラスト方向の部品精度
を軽減できる。
【0120】また、請求項14記載の回転式圧縮機で
は、ピストンとシリンダ室との間に形成される隙間に磁
性流体を配置し、磁性流体を隙間に保持させるための磁
石をピストンとシリンダ室との接触部位の近傍に設けて
いるので、磁石によって保持された磁性流体がピストン
と回転シリンダ部材との間の隙間に充填され、ピストン
とシリンダ部材とが対向する部位の僅かな隙間がさらに
確実に封止され、接触部位からの流体の漏れがより確実
に防止できる。
【0121】また、請求項15記載の回転式圧縮機で
は、ピストンが複数形成されると共にシリンダ室が複数
対形成され、これら複数対のシリンダ室は回転シリンダ
部材の回転軸心を含んで交差するように形成されている
ので、複数のピストンによって回転する回転式圧縮機を
提供することができる。
【0122】また、請求項16記載の回転式圧縮機で
は、複数対のシリンダ室は回転シリンダ部材に円周方向
に等配分された位置に配置されているので、回転シリン
ダ部材の回転バランスが良くなり、振動や騒音の発生を
防止することができるとともに、高速回転に適した回転
式圧縮機を提供することができる。
【0123】また、請求項17記載の回転式圧縮機で
は、複数対のシリンダ室が交差する部位のピストンの移
動方向における長さは、ピストンの長さよりも短いの
で、往復直線運動を行うピストンはシリンダ室が交差す
る部位を通過する際に移動しているシリンダ室の壁面に
ガイドされて交差する他のシリンダ室を横切るようにな
り、他のシリンダ室に突っかかることなくスムーズに通
過することができる。
【0124】さらに、請求項18記載の回転式圧縮機で
は、複数対のシリンダ室が交差する部位は面取り部が形
成されているので、ピストンのシリンダ室が交差する部
位の通過をより一層スムーズにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した回転式圧縮機の第1の実施形
態を示し、その上ケースとピストン保持部材を取り外し
た状態の平面図である。
【図2】図1の回転式圧縮機の縦断面図である。
【図3】図1の回転式圧縮機の分解斜視図である。
【図4】潤滑オイル循環機構の概略構成図である。
【図5】図1の回転式圧縮機の底面図である。
【図6】ピストンの第1の例を示し、(A)はピストン
の斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図7】図1の回転式圧縮機の軸受けプレートを示す斜
視図である。
【図8】吸込口及び吐出口と死点位置にあるシリンダ室
との位置関係を示す図である。
【図9】背圧逃がし手段の第2の例を示し、回転式圧縮
機を上ケース及びピストン保持部材を取り外した状態で
示す平面図である。
【図10】図9の回転式圧縮機の断面図である。
【図11】図1の回転式圧縮機の作動原理を説明するた
めの図で、(A)は一方のピストンが空洞部を横切り、
他方のピストンがシリンダ室の最奥部にまで進入した状
態を示す図、(B)は(A)の状態から回転シリンダ部
材の回転角で15度だけ回転した状態を示す図、(C)
は(B)の状態から回転シリンダ部材の回転角で更に1
5度だけ回転した状態を示す図、(D)は(C)の状態
から回転シリンダ部材の回転角で更に15度だけ回転し
た状態を示す図、(E)は(D)の状態から回転シリン
ダ部材の回転角で更に15度だけ回転した状態を示す
図、(F)は(E)の状態から回転シリンダ部材の回転
角で更に15度だけ回転した状態を示す図である。
【図12】ピストンの第2の例を示し、(A)はピスト
ンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図13】ピストンの第3の例を示し、(A)はピスト
ンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図14】ピストンの第4の例を示し、(A)はピスト
ンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図15】ピストンの第5の例を示し、(A)はピスト
ンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図16】ピストンの第6の例を示し、(A)はピスト
ンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図17】ピストンの第7の例を示し、(A)はピスト
ンの斜視図、(B)はピストンの縦断面図である。
【図18】軸受けプレートの変形例を示す斜視図であ
る。
【図19】本発明を適用した回転式圧縮機の他の実施形
態の作動原理を説明するための図で、(A)は3つのピ
ストンのうちの1つがシリンダ室の最奥部にまで進入し
ている状態を示す図、(B)は(A)の状態から回転シ
リンダ部材の回転角で10度だけ回転した状態を示す
図、(C)は(B)の状態から回転シリンダ部材の回転
角で更に10度だけ回転した状態を示す図、(D)は
(C)の状態から回転シリンダ部材の回転角で更に10
度だけ回転した状態を示す図、(E)は(D)の状態か
ら回転シリンダ部材の回転角で更に10度だけ回転した
状態を示す図、(F)は(E)の状態から回転シリンダ
部材の回転角で更に10度だけ回転した状態を示す図で
ある。
【図20】本発明を適用した回転式圧縮機の更に他の実
施形態を示し、(A)はその縦断面図と軸受けの一部を
拡大して示した図、(B)は(A)をケーシングの蓋を
取り除いた状態で矢印IX方向から見た平面図である。
【図21】背圧逃がし手段の第3の例を示し、回転式圧
縮機を上ケース及びピストン保持部材を取り外した状態
で示す平面図である。
【図22】図21の回転式圧縮機の断面図である。
【図23】ピストン保持部材とピストンの回転時軌跡と
の関係を示す概念図である。
【図24】回転シリンダ部材のシリンダ室が円周方向に
対して等配分されていない例を示す概念図である。
【図25】シリンダ室をオフセットさせて形成した例を
示す概念図である。
【図26】ピストンにマグネットを配置した例を示す斜
視図である。
【図27】ピストンにマグネットを配置した別の例を示
す斜視図である。
【図28】回転シリンダ部材にマグネットを配置した例
を示す斜視図である。
【図29】回転シリンダ部材にマグネットを配置した別
の例を示す斜視図である。
【図30】ピストン形状の第8の例を示す斜視図であ
る。
【図31】回転シリンダ部材の空洞部の角に面取りを施
す様子を示す概念図である。
【図32】背圧を逃がすための通路を形成した回転シリ
ンダ部材とピストン保持部材の一例を示す断面図であ
る。
【図33】図32の回転シリンダ部材を示す斜視図であ
る。
【図34】図32のピストン保持部材を示し、(A)は
回転シリンダ部材とは反対側から見た斜視図、(B)は
回転シリンダ部材側から見た斜視図である。
【図35】回転数検出手段を備えた例を示す断面図であ
る。
【図36】回転数検出手段を備えた他の例を示す断面図
である。
【図37】回転数検出手段を備えた流体ポンプとした場
合の例を示す断面図である。
【図38】従来のロータリー式シリンダ装置を示す分解
斜視図である。
【図39】図38のロータリー式シリンダ装置の動作に
よる状態変化を示す図で、(A)は2つのピストンが2
つのシリンダ室のそれぞれ途中部分まで進入した状態を
示す図、(B)は(A)の状態から支持部材が反時計方
向に30度回転した状態を示す図、(C)は(B)の状
態から支持部材が反時計方向に30度回転した状態を示
す図、(D)は(C)の状態から支持部材が反時計方向
に30度回転した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 回転式圧縮機 2 回転シリンダ部材 3,4 ピストン 5 ピストン保持部材 6 ケーシング(支持部材) 13 シリンダ側背圧逃がし手段 14 ピストン保持部材側背圧逃がし手段 21 入力軸 22 空洞部 23a〜23d シリンダ室 61 吸込口 62 吐出口 X1,X2 自転中心位置 o 回転軸心 X 回転中心位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 優樹 長野県諏訪郡原村10801番地の2 株式会 社三協精機製作所諏訪南工場内 (72)発明者 竹内 智大 長野県諏訪郡原村10801番地の2 株式会 社三協精機製作所諏訪南工場内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸心を中心として形成された空洞部
    に連通し、該空洞部を挟んで対向する少なくとも一対の
    シリンダ室を有する円形形状の回転シリンダ部材と、上
    記回転シリンダ部材の回転軸心から偏心した回転中心位
    置を中心として回転するピストン保持部材とを、支持部
    材にそれぞれ回転自在に支持すると共に、上記ピストン
    保持部材の上記回転中心位置から偏心した自転中心位置
    には、その位置を中心として回動可能にピストンが保持
    され、上記回転シリンダ部材と上記ピストン保持部材と
    の相対回転により上記ピストン自体が上記自転中心位置
    を中心として回動しながらかつ上記回転中心位置を中心
    として回転することによって上記一対のシリンダ室の双
    方に出入りすると共に、上記支持部材に上記シリンダ室
    に連なる吸込口及び吐出口を備え、上記回転シリンダ部
    材とピストン保持部材を相対回転させることで上記ピス
    トンを動かして上記吸込口から吸い込んだ流体を上記吐
    出口から吐出させると共に、上記吸込口は、上記回転シ
    リンダ部材の回転に伴い、上記ピストンが最外周に移動
    した位置より若干内側に入った位置から始まり上記ピス
    トンが上記空洞部付近に移動した位置まで至るように形
    成され、上記吐出口は、上記回転シリンダ部材の回転に
    伴い、上記ピストンが最外周に移動した位置より若干手
    前の位置にわずかに設けてあるとともに、上記回転シリ
    ンダ部材の回転数対上記ピストン保持部材の回転数対上
    記ピストンの上記シリンダ室及び上記空洞部を往復する
    動作数の比が1:2:1となるようにそれぞれが配置さ
    れてなることを特徴とする回転式圧縮機。
  2. 【請求項2】 上記ピストンの上記ピストン保持部材側
    に対向する面は平面とし、上記ピストン保持部材と面接
    触することを特徴とする請求項1記載の回転式圧縮機。
  3. 【請求項3】 上記回転シリンダ部材と上記ピストン保
    持部材との相対回転の抵抗となる背圧を減少させる背圧
    逃がし手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記
    載の回転式圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記ピストンの横断面形状を異形状と
    し、当該形状に前記シリンダ室の横断面形状を一致させ
    たことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の
    回転式圧縮機。
  5. 【請求項5】 潤滑オイル循環機構を備えたことを特徴
    とする請求項1から4のいずれかに記載の回転式圧縮
    機。
  6. 【請求項6】 前記背圧逃がし手段は、前記回転シリン
    ダ部材と前記支持部材の間に発生する背圧を逃がすシリ
    ンダ側背圧逃がし手段であることを特徴とする請求項1
    から5のいずれかに記載の回転式圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記背圧逃がし手段は、前記ピストン保
    持部材と前記支持部材の間に発生する背圧を逃がすピス
    トン保持部材側背圧逃がし手段であることを特徴とする
    請求項1から5のいずれかに記載の回転式圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記ピストンの横断面形状の異形状は前
    記ピストンの底面の両コーナー部分を丸めた形状である
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の回
    転式圧縮機。
  9. 【請求項9】 前記回転シリンダ部材とピストン保持部
    材は、転がり軸受け部材又は滑り軸受け部材によって回
    転自在に支持されていることを特徴とする請求項1から
    8のいずれかに記載の回転式圧縮機。
  10. 【請求項10】 前記吐出口に逆止弁を設けたことを特
    徴とする請求項1から9のいずれかに記載の回転式圧縮
    機。
  11. 【請求項11】 前記回転シリンダ部材とピストン保持
    部材とを相対回転させる入力軸と、前記回転シリンダ部
    材又はピストン保持部材を、ケレープレートを介して連
    結したことを特徴とする請求項1から10のいずれかに
    記載の回転式圧縮機。
  12. 【請求項12】 上記回転シリンダ部材は軸受けプレー
    トにより回転自在に支持され、上記軸受けプレートは押
    し調整ねじと引き調整ねじにより調整可能に構成されて
    いることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記
    載の回転式圧縮機。
  13. 【請求項13】 上記ピストン保持部材は軸受けプレー
    トにより回転自在に支持され、上記軸受けプレートは押
    し調整ねじと引き調整ねじとにより調整可能に構成され
    ていることを特徴とする請求項1から12のいずれかに
    記載の回転式圧縮機。
  14. 【請求項14】 上記ピストンと上記シリンダ室との間
    に形成される隙間に磁性流体を配置し、上記磁性流体を
    上記隙間に保持させるための磁石を上記ピストンと上記
    シリンダ室との接触部位の近傍に設けたことを特徴とす
    る請求項1から13のいずれかに記載の回転式圧縮機。
  15. 【請求項15】 上記ピストンが複数形成されると共に
    上記シリンダ室が複数対形成され、これら複数対のシリ
    ンダ室は上記回転シリンダ部材の回転軸心を含んで交差
    するように形成されてなることを特徴とする請求項1か
    ら14のいずれかに記載の回転式圧縮機。
  16. 【請求項16】 上記複数対のシリンダ室は上記回転シ
    リンダ部材に円周方向に等配分された位置に配置されて
    いることを特徴とする請求項15記載の回転式圧縮機。
  17. 【請求項17】 上記複数対のシリンダ室が交差する部
    位の上記ピストンの移動方向における長さは、上記ピス
    トンの長さよりも短いことを特徴とする請求項15又は
    16記載の回転式圧縮機。
  18. 【請求項18】 上記複数対のシリンダ室が交差する部
    位は面取り部が形成されていることを特徴とする請求項
    15から17のいずれかに記載の回転式圧縮機。
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