JPH05202869A - コンプレッサ - Google Patents

コンプレッサ

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JPH05202869A
JPH05202869A JP26363192A JP26363192A JPH05202869A JP H05202869 A JPH05202869 A JP H05202869A JP 26363192 A JP26363192 A JP 26363192A JP 26363192 A JP26363192 A JP 26363192A JP H05202869 A JPH05202869 A JP H05202869A
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JP
Japan
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stator
runner
compression chamber
peripheral wall
compressor
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JP26363192A
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English (en)
Inventor
Hideo Kaji
秀 雄 梶
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Original Assignee
Individual
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクロール式コンプレッサの有する利点を保
持したまま、小型で大きな吐出量を得ることができ、し
かも高精度の加工を容易に行うことができるようにした
ものを提供する。 【構成】 円筒状のステータ13の内部に円弧状に湾曲
して延び先端を半円状にした緩和曲線状の内壁で区画さ
れた1個以上の圧縮室24を設けるとともに、ステータ
13の内部に圧縮室24の内壁に当接しつつステータ1
3に対して偏心して公転する円弧ランド25を備えたラ
ンナ14を収納して、ランナ14の公転によって該ラン
ナ14の円弧ランド25と圧縮室24の内壁との間に形
成される密閉された空間の容積が変化するよう構成し、
ステータ13の周壁の前記容積が最小となる位置に吐出
口13bを、この吐出口13aと圧縮室24を挟んでほ
ぼ対向する位置に吸入口13aを夫々設けたことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンプレッサに係り、特
にコンパクトで圧縮効率の向上を図ることができるよう
にしたコンプレッサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンプレッサとしては、シリンダ
の往復運動によりシリンダ内の冷媒ガス等の気体の圧縮
を行うようにしたレシプロ式コンプレッサ(往復圧縮
機)や、ケーシング内に形成したシリンダ内にこれと偏
心して取付けられた回転ピストンが、シリンダ内面とす
べり弁(スライドベーン)先端のシーリングエッジとの
接触を保ちつつ、一定偏心路を回転することにより圧縮
作用を行うようにしたロータリピストン式コンプレッサ
(回転ピストン圧縮機)等が一般に知られている。
【0003】しかしながら、前記レシプロ式コンプレッ
サやロータリピストン式コンプレッサにおいては、ピス
トンがシリンダ内で往復運動或いは偏心した回転運動を
するため、振動や騒音の発生源となってしまうばかりで
なく、慣性エネルギや摩擦エネルギの損失に繋がって効
率が悪くなってしまうといった問題点があった。
【0004】このため、2つのスクロール(うず巻)を
互いにずらしてセットし、一方のスクロールを固定する
とともに、他方のスクロールを旋回させると2つのスク
ロール間で形成される空間が外側から中心方向に移動し
ながら該空間の容積が小さくなることを利用して冷媒ガ
ス等の気体を圧縮するようにしたスクロール式コンプレ
ッサが開発されている。
【0005】このスクロール式コンプレッサは、駆動ト
ルク変動が比較的小さく、かつ緩やかな変動であるた
め、運転がスムーズに行われて運動が非常に静かである
ばかりでなく、高速運転ができ、しかもスクロール同士
の接触が面接触となって非常に高い体積効率を得ること
ができるといった特徴を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ス
クロール式コンプレッサにおいては、2つのスクロール
(固定スクロール及び可動スクロール)が互いにずらし
た位置に配置されているため、2つスクロール間で形成
されて圧縮に使用される空間の容積が比較的小さくな
り、スクロールの1回の旋回によって吐出される気体の
吐出量が少なく、このためこの吐出量を大きくするため
には、コンプレッサ自体を大型化しなくてはならないば
かりでなく、スクロールの高精度の加工が非常に面倒で
あるといった問題点があった。
【0007】本発明は上記に鑑み、スクロール式コンプ
レッサの有する利点を保持したまま、小型で大きな吐出
量を得ることができ、しかも高精度の加工を容易に行う
ことができるようにしたコンプレッサを提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るコンプレッサは、部分筒状のステータ
の内部に、円弧状に湾曲して延び先端が半円状突部とな
った曲線状の周壁で区画された少なくとも1個以上の圧
縮室を設けるとともに、前記ステータの内部に該ステー
タの中心に一致する軸心を有するクランクシャフトのク
ランクピンに偏心した状態で軸心部が連結され該クラン
クシャフトの回転に伴って前記圧縮室の内壁に当接しつ
つ公転する円弧ランドを備えたランナを収納して、前記
ランナのステータに対し偏心した公転によって該ランナ
の円弧ランドと圧縮室の周壁内面との間に形成される密
閉された空間の容積が変化するよう構成し、前記ステー
タの周壁内側の前記容積が最小となる位置に吐出口を、
この吐出口と前記圧縮室を挟んでほぼ対向する位置に吸
入口を夫々設けたことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】上記のように構成した本発明によれば、クラン
クシャフトの回転に伴うランナの公転によって、このラ
ンナの円弧ランドとステータに設けられた圧縮室の内壁
との間に形成される密閉された空間の容積が変化し、こ
の容積の変化によって吸入口からステータの圧縮室内に
吸入されて圧縮された冷媒ガス等の気体が吐出口から吐
出される。このように、円弧溝状のステータと円弧ラン
ド状のランナとの相関関係によって圧縮に利用される空
間の容積を決定することによって、この容積を極力大き
くするとともに、ステータの圧縮室とランナの円弧ラン
ドを構成する各構成円の中心を正確に確保することによ
り、高精度に加工することが比較的容易となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図5は、コンプレッサの全体断面図を示すもの
で、同図において、コンプレッサ1には、モータ(図示
せず)を連結するための円筒状の継手2が備えられ、こ
の継手2内に配置されたクランクシャフト3の端部に前
記モータの出力軸(図示せず)が連結されて該モータの
回転がコンプレッサ1のクランクシャフト3に伝達され
るようなされている。
【0011】前記継手2は、そのフランジ部2aにおい
て、ケーシング4の端面にボルト5を介して連結されて
この開口部を閉塞するフロントエンドプレート6にボル
ト7を介して連結され、このフロントエンドプレート6
と継手2との間、及びフロントエンドプレート6とケー
シング4との間には、ゴムパッキン8,9がそれぞれ介
装されている。
【0012】前記フロントエンドプレート6の中央部に
は、軸受10が保持されて、この軸受10によって前記
クランクシャフト3が回転自在に支承されているととも
に、クランクシャフト3の軸受10を挟んだ両側には、
大小2つの一対のバランスウェイト11,12が脱出不
能に保持されて配置されている。更に、クランクシャフ
ト3のモータと反対側のクランクピン3aは、クランク
シャフト3の軸心Aと偏心量eだけ偏心した状態に突出
して配置され、これによってモータの回転に伴うクラン
クシャフト3の回転によって、このクランクピン3aが
回転しながら偏心量eを半径として公転するようなされ
ている。
【0013】なお、上記のように、クランクシャフト3
に軸受10を挟んで大小2つのバランスウェイト11,
12を設けたのは、クランクシャフト3の回転(公転)
の際のバランスを良くするためである。
【0014】一方、前記ケーシング4の内部には、略円
筒状のステータ13がその中心を前記クランクシャフト
3の軸心Aに一致させた状態で固定されて配置されてい
るとともに、このステータ13の内部には、ランナ14
が中空円板状の定着板15により脱出不能に保持されて
収納されている。
【0015】即ち、前記ランナ14のモータ側端部に
は、フランジ部14aが設けられ、このフランジ部14
aを挟むようにケーシング4に固定されたステータ13
及びこのステータ13に固着された定着板15が配置さ
れている。
【0016】そして、前記フランジ部14aの定着板1
5側表面、およびこの定着板15のフランジ部14a側
表面のそれぞれ対応する位置には、その円周方向に沿っ
て複数(図では計6個)の凹部14b,15aが設けら
れ、この互いに対向する各凹部14b,15aの中に、
公転ベアリング16が収納されている。
【0017】この公転ベアリング16は、ステータ13
とランナ14との位置決めを行うとともに、両者13,
14を相対的に動かすためのものであり、各凹部14
b,15aの大きさは、公転ベアリング16が前記偏位
量eを半径として公転できる大きさに設定され、これに
よってランナ14がステータ13に対して公転できるよ
うなされている。
【0018】更に、前記ランナ14のモータ側中央に
は、円筒状突起14cが設けられ、この突起14c内に
ドライブベアリング17が回転自在に嵌入され、更にこ
のドライブベアリング17内に前記クランクシャフト3
のクランクピン3aが回動自在に嵌着されている。
【0019】これにより、クランクシャフト3の軸心A
を中心とした回転に伴うクランクピン3aの偏位量eを
半径とした公転によって、ランナ14がステータ13に
対して半径eで公転するようなされている。即ち、クラ
ンクシャフト3の軸心Aは、ステータ13の中心に位置
するよう配置され、かつクランクシャフト3の軸心Aに
対して偏位した状態のクランクピン3aがランナ14の
中心に位置しているため、クランクピン3aの公転に伴
ってランナ14がステータ13に対して偏位量eを半径
とした公転を行う。
【0020】なお、この時、クランクピン3aは回転す
るが、この回転はドライブベアリング17で吸収され、
従ってランナ14は公転、即ち平行な状態を維持したま
ま、この各部が偏心量eを半径とした小円を描くように
移動するのであり、この時の移動は、前記公転ベアリン
グ16を介してスムーズに行われる。
【0021】前記ステータ13とランナ14との相対的
な移動、即ちステータ13に対するランナ14の公転の
際に、両者13,14がその端面で互いに接触するよう
なされているのであるが、この接触による摩耗やかじり
を防止するため、ステータ13の底部には、下記の圧縮
室24の形状に沿ったボトムプレート18が、また、ラ
ンナ14のこのボトムプレート18と当接する端面に
は、このランナ14の端面形状に沿ったチップシール1
9がそれぞれ設けられ、更にステータ13のランナ14
と当接する端面には、このステータ13の端面形状に沿
ったチップシール20が設けられている。
【0022】前記ケーシング4の周壁には、図6に示す
ように、冷媒ガス等の気体をこの内部に導き、前記ステ
ータ13に設けられた吸入口13a(図5参照)からこ
の気体を下記の圧縮室24内に導く吸入ポート21と、
圧縮室24で圧縮されステータ13に設けられた吐出口
13bからケーシング4内に導かれた圧縮気体をケーシ
ング4の外に吐出する吐出ポート22が夫々設けられて
いる。
【0023】即ち、前記ステータ13は、ケーシング4
のやや前方(図5において右方)に位置して収納され、
これによってステータ13の後面とケーシング4との間
に空間が形成されて、この空間に連通するよう吐出ポー
ト22が、ステータ13の側壁とケーシング4との間に
設けられた空間に連通するよう吸入ポート21がそれぞ
れ設けられている。そして、この吸入ポート21からケ
ーシング4内に導かれた気体が、ステータ13の側壁に
設けられた吸入口13aからその内部に導入されて圧縮
され、圧縮後の気体が、ステータ13の後壁に設けられ
た吐出口13bからケーシング4内に導かれて、吐出ポ
ート22から吐出されるようなされている。
【0024】前記吐出ポート22は、下記のように、円
弧ランド25と圧縮室24の内壁との間に形成される密
閉された空間の容積が最小となる位置に設けられている
とともに、この吐出ポート22は、ステータ13に中心
を固定されて放射状に延びる板ばね23(図2参照)に
よって閉塞されている。この板ばね23は、吐出弁とし
ての働きをなすものであり、これによって、この容積が
小さくなって、この内部の気体の圧力が所定の圧力、即
ち板ばね23の弾性力に打勝つ圧力になった時に、吐出
ポート22が開くよう構成されている。
【0025】前記ステータ13の詳細を図2に、ランナ
14の詳細を図3に、またステータ13とランナ14と
を組合わせた状態を図4に示す。なお、この実施例は、
ステータの周壁13Cの肉厚tを4mm(t=4mm)に、
偏心量eを5.5mm(e=5.5mm)に、ケーシング4
の内径R1 を67mm(R1 =67mm)に、圧縮室の数を
最も効率が良い3個にそれぞれ設定したものである。
【0026】即ち、円筒状のステータ13の内部には、
合計3個の圧縮室24が設けられているのであるが、こ
の各圧縮室24は、以下のように構成されている。
【0027】先ず、半径R2 (R2 =10.97mm)の
基準円と、この基準円から偏位量eに肉厚tを加えた半
径R3 (R3 =10.97+5.5+4=20.47m
m)の同心円を描き、この基準円及び同心円とこの基準
円の中心を通り互いに120°の間隔で描かれた線との
各3つの交点A,Bを求める。
【0028】そして、この各交点Aを中心として、肉厚
tの半分の半径R4 (R4 =2mm)の半円と、各交点B
を中心として、偏位量eと肉厚tの半分を加えた半径R
5 (R5 =5.5+2=7.5mm)の半円とを互いに連
続した曲線状に反対方向に描く。更に、前記半径R5 の
2倍の長さと肉厚tの半分を加えた半径R6 (R6 =
7.5×2+2=17mm)の円を各交点Aを中心として
前記半径R4 の円と同心円状に描き、この円の一端を前
記半径R5 の円に、他端を隣接する前記半径R4の円に
夫々連続した曲線状に結ぶことによって、3個の圧縮室
24の輪郭が求められる。
【0029】即ち、各圧縮室24は、互いに連続した曲
線状に滑らかに接続された4個の円、即ち半径R5 の円
と半径R6 の円、及びこれらの円に連続する半径R4 の
2個の円の内壁で区画形成されている。そして、半径R
4 の円の部分は内方へ向かう先端突部27(図4)を形
成する。
【0030】なお、前記半径R6 の円と同心円状に交点
Aを中心に、この半径R6 に肉厚tを加えた半径R7
(R7 =17+4=21mm)の円が描かれ、この円と連
続した曲線状に滑らかに連結された複数の円弧によっ
て、各圧縮室24を構成する周壁13Cの外壁が区画形
成されている。
【0031】一方、ランナ14には、3個の円弧ランド
25が設けられているのであるが、この各円弧ランド2
5は、以下のように構成されている。
【0032】先ず、前記ステータ13と同様に、半径R
10(R10=R2 =10.97mm)の基準円と、この基準
円の中心を通り互いに120°の間隔で描かれた線との
3つの交点Cを求める。
【0033】そして、この各交点Cを中心として、偏位
量eに肉厚tの半分を加えた半径R11(R11=R5 =
5.5+2=7.5mm)の円と、この半径R11に肉厚t
を加えた半径R12(R12=7.5+4=11.5mm)の
円とを描き、互いに隣接する半径R11と半径R12の円と
を連続した曲線状に結ぶとともに、前記120°の間隔
で描かれた線から突出する先端を肉厚tの半分の半径R
13(R13=2mm)で結ぶことによって、3個の円弧ラン
ド25の輪郭が求められる。
【0034】即ち、各円弧ランド25は、互いに連続し
た曲線状に滑らかに接続された3個の円、即ち半径R11
の円と半径R12の円、及びこれらの円の先端を結ぶ半径
R13の円の周壁で区画されている。より具体的には、内
径R11、厚さtで210°の角度を持った所定幅の3個
の半円筒状部材を、互いに120°間隔に配置するとと
もに、先端部及び連結部を円弧状になすことによって、
3個の円弧ランド25が形成されている。
【0035】そして、図4に示すように、前記ステータ
13の各圧縮室24内に前記ランナ14の各円弧ランド
25を位置させるとともに、ステータ13の中心とラン
ナ14の中心とを偏位量e(=5.5mm)だけずらして
配置することにより、両者13,14の位置関係が設定
される。
【0036】この時、ステータ13とランナ14とは、
その幅方向の全長に亘って4〜5か所で互いに接触する
ことになり、この接触部によって仕切られた容積が連続
的に変化することになる。
【0037】なお、この実施例の場合、ステータ13を
ケーシング4内に固定し、このステータ13の内部にラ
ンナ14を収納するとともに、定着板15でランナ14
を脱出不能に保持する。そして、前記ステータ13の中
心とその軸心を一致させるとともに偏位量eだけ偏位さ
せた位置にクランクピン4aを有するクランクシャフト
3をそのクランクピン3aをランナ14の中心の円筒状
突起14a内に嵌着することによって、両者13,14
を所定の位置関係に容易に設置することができる。
【0038】次に、上記コンプレッサの原理、即ちステ
ータ13とランナ14とによって冷媒ガス等の気体を圧
縮して吐出する原理を図1に示す作動サイクル図を参照
して説明する。
【0039】先ず、同図(a)は、1つの圧縮室24内
に気体が吸入されている時の状態を示すものであり、こ
の時、この圧縮室24内には、ケーシング4に設けられ
た吸入ポート21からケーシング4内に導かれた気体が
吸入口13aからこの内部に吸入される(この時に吸入
される気体を多数の点で示すが、このことは以下同様で
ある)。
【0040】この状態でクランクシャフト3が回転し
て、ランナ14がステータ13に対して公転すると、同
図(b)に示す圧縮開始位置(吸入終了位置)に達す
る。即ち、この時、圧縮室24の内壁とランナ14の円
弧ランド25によって密閉された空間が形成される。
【0041】そして、更にクランクシャフト3が回転し
てランナ14がステータ13に対して公転すると、同図
(c)に示すように、前記密閉された空間の容積が徐々
に小さくなって、この容積内に封じ込まれた気体が圧縮
される。即ち、ランナ14がステータ13に対して公転
することによって、このランナ14を構成する各部は、
前記偏位量eを半径とする円運動を行うことになり、こ
れによって、前記密閉された空間の容積を徐々にに小さ
くすることができる。
【0042】この圧縮によって密閉された気体の圧力が
高まり、この圧力が板ばね23の弾性力より大きくなる
と、この板ばね23が変位して吐出口13bが開口し、
ここから圧縮された気体が出て同図(d)に示すように
吐出が始まる。そして、この容積が零になった時に、こ
の圧縮室24における圧縮作業が終了する。
【0043】そして、この圧縮作業は、他の2つの圧縮
室24でも同様に位相を120°ずらした状態で行わ
れ、クランクシャフト3の回転に伴って順次この圧縮作
業が継続されるのである。
【0044】即ち、図4において、一つの圧縮室24
(A)は圧縮開始位置を、他の圧縮室24(B)は吸入
位置を、更に他の圧縮室24(C)は圧縮から吐出位置
を夫々取っている。
【0045】上記実施例の場合、同じ大きさのスクロー
ル式コンプレッサに比べ、1回転当たり数割増しの吐出
量を得ることができる。
【0046】なお、上記実施例においては、圧縮室24
を3つ設けた例を示しているが、1個或いは2個設ける
ようにすることもできる。また、ポンプとして使用する
こともでき、この場合、瞬間的吐出量を殆ど同じにする
ことができる。
【0047】図7ないし図13は本発明の第2の実施例
を示す。この実施例は既に記載した第1の実施例と原理
は同一であるが、より優れた効果を有している。
【0048】図7は図4に対応する図を、また図8は図
5に対応する図をそれぞれ示している。なお、さきに説
明した第1の実施例と同等の部分には同じ符号を付して
説明を省略する。
【0049】第2の実施例が第1の実施例と異なる主な
点は、図7から明らかなように、ランナ14の円弧ラン
ド25の幅がその半径方向先端から中心部へ向けて漸増
していることである。円弧ランド25の設計の基本は、
図3について説明したと同じであるが、第2実施例の場
合には、図3に示す円弧ランド25を基本とし、それを
中心に向って肉厚にすることによって図9に示すような
形状とする。このように円弧ランド25を設計すること
によって、円弧ランド25が集まる中心部が全体的に肉
厚となるので、この中心部に大きな円穴30を図10に
も示すように形成することができる。この大きな円穴3
0は、図8に示すようにクランクピン3aを挿入する穴
となる。円穴30の底壁には小孔31を後述の目的で形
成することができる。なお、図9および図10におい
て、34は潤滑用の孔である。
【0050】第2実施例では、ステータ13は、図7、
図11および図12に示すように構成されている。ステ
ータ13の設計は図13に示すように行うことができ
る。即ち、ランナ14の形状を前述のように定めた後、
ランナ14の外形の外側に偏心量eに相当する幅だけ離
れてステータ13の内側面を定める。このようにしてス
テータ13の形状を定めることにより、当然のことなが
ら、ステータ13の周壁13cは図11に示すように厚
さが不均一になり、突部27の手前部分から外側へ向か
い漸次厚さが増加する。なお、図2と図11の対比から
わかるように、吸入口13aおよび吐出口13bの位置
には基本的な変更はない。
【0051】以上のように構成したステータ13の内側
には、図9のような構成のランナ14が図7に示すよう
にeだけ偏心して挿入され、これにより第1実施例の場
合と同様に圧縮室24が形成される。かくして、図8に
示す構成が得られる。図8において、軸心Aをもつクラ
ンクシャフト3はeだけ偏心したクランクピン3aを有
し、このクランクピン3aはドライブベアリング17を
介して前記大きな円穴30内に挿入されている。ランナ
14の円形フランジ14aの面には環状のスライド受け
32が摺動自在に接している。なお、図8において、3
bはクランクシャフト3のカウンターウエイトである。
【0052】本発明のコンプレッサでは、ランナ14の
軸方向寸法を或る程度以上長くすると、ランナの円形フ
ランジ14aに作用する圧縮流体圧による軸方向推力
と、円弧ランド25に作用する圧縮流体圧によるラジア
ル方向の力のバランスが破れ、ランナ14の円弧ランド
25と、クランクピン3aとの間に偶力が発生し、その
結果ランナ14がコンプレッサの軸線に対し傾斜しなが
ら回転することになる。このようになると、ステータ1
3とランナ14の互いに相対する面の間に不必要な摩擦
が生じ、破損の原因になる。
【0053】第2実施例によればこのような問題が解消
する。即ち、ランナの円弧ランド25が基部へ向かい肉
厚になっているので、ランナの中心部にクランクピン3
a用の比較的大径の長い円穴30を形成することができ
る。そして、この円穴に長くかつ比較的大径のクランク
ピン3aを挿入することにより、圧縮圧によりランナの
円弧ランド25に及ぶ力はすべてクランクピン3aによ
り受けるので、偶力が発生せず、したがってランナ14
は円滑に作動する。また、ランナの軸方向寸法をクラン
クピン3aの強さの許す範囲内で大きくすることができ
るので、吐出量の増大を計ることが可能である。
【0054】また、ランナの中心部の円穴30には、小
孔31から圧縮気体中に含まれる潤滑油(密閉式冷媒圧
縮機の場合)を送り込むことができるので、クランクピ
ン部の潤滑を良好に行うことが可能になる。
【0055】なお、図7の状態において、下方にある圧
縮室24内の圧縮圧による力は同図におけるランナ14
とステータ13の接触点P,Qで2分割して受けられ
る。この接触点P,Qで,ランナ14はステータ13に
対し直接接触しながら潤滑油の力を借りてスライドす
る。上記接触点P,Qの部分は最も流体の漏れ易い所で
あるが、この部分が常にスライド接触していることによ
りシール性は良い。また、ステータとランナの表面の大
部分は曲率半径が大きくしかも相互に近い曲率半径をも
っているので、比較的平行に近い部分が多く、潤滑油の
力を借りてシール性がよい。
【0056】本発明のコンプレッサはクランク軸を除
き、アルミダイキャスト製品とすることができ、必要最
小限の機械加工ですますことが可能である。
【0057】
【発明の効果】本発明は上記のような構成であるので、
駆動トルク変動が比較的小さく、かつ緩やかな変動であ
るため、運転がスムーズに行われて運動音が非常に低い
ばかりでなく、高速運転を行うことができ、しかも摩擦
によるエネルギ損失がないので、高い効率を得ることが
できる。
【0058】更に、ステータとランナの相関関係によ
り、ランナが小円運動を行うだけで気体を圧縮すること
ができるので、小型で大きな吐出量を得ることができ、
しかもステータとランナが連続した円弧状の曲線で形成
されているため、各構成円の中心を確保することによ
り、高精度の加工を容易に行うことができるといった効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理の説明のための工程サイクル図。
【図2】第1実施例におけるステータの拡大平面図。
【図3】第1実施例におけるランナの拡大平面図。
【図4】第1実施例におけるステータとランナとを組合
わせた状態の拡大平面図。
【図5】第1実施例のコンプレッサの全体断面図。
【図6】ケーシングの側面図。
【図7】第2実施例におけるステータとランナとを組合
せた状態の平面図。
【図8】第2実施例のコンプレッサの全体断面図。
【図9】第2実施例におけるランナの平面図。
【図10】同、軸方向断面図。
【図11】第2実施例におけるステータの平面図。
【図12】同、軸方向断面図。
【図13】ステータの設計方法を示す説明図。
【符号の説明】
1 コンプレッサ 3 クランクシャフト 3a クランクピン 4 ケーシング 6 フロントエンドプレート 13 ステータ 13a 吸入口 13b 吐出口 13c ステータ周壁 14 ランナ 16 スラストボール 17 ドライブベアリング 21 吸入ポート 22 吐出ポート 23 板ばね 24 圧縮室 25 円弧ランド 27 先端突部 30 大穴 31 ***

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】部分筒状のステータの内部に、円弧状に湾
    曲して延び先端が半円状突部となった曲線状の周壁で区
    画された少なくとも1個以上の圧縮室を設けるととも
    に、前記ステータの内部に該ステータの中心に一致する
    軸心を有するクランクシャフトのクランクピンに偏心し
    た状態で軸心部が連結され該クランクシャフトの回転に
    伴って前記圧縮室の周壁内面に当接しつつ公転する円弧
    ランドを備えたランナを収納して、前記ランナのステー
    タに対し偏心した公転によって該ランナの円弧ランドと
    圧縮室の周壁内面との間に形成される密閉された空間の
    容積が変化するよう構成し、前記ステータの周壁の内側
    の前記容積が最小となる位置に吐出口を、この吐出口と
    前記圧縮室を挟んでほぼ対向する位置に吸入口を夫々設
    けたことを特徴とするコンプレッサ。
  2. 【請求項2】ステータの曲線状周壁の内面の輪郭とラン
    ナの周壁の輪郭とが、ステータとランナを同心的に置い
    た場合偏心量に相当する距離だけ離れるように構成され
    ていることを特徴とする請求項1記載のコンプレッサ。
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