JP2003020904A - 軸流タービン翼および軸流タービン段落 - Google Patents

軸流タービン翼および軸流タービン段落

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JP2003020904A
JP2003020904A JP2001210519A JP2001210519A JP2003020904A JP 2003020904 A JP2003020904 A JP 2003020904A JP 2001210519 A JP2001210519 A JP 2001210519A JP 2001210519 A JP2001210519 A JP 2001210519A JP 2003020904 A JP2003020904 A JP 2003020904A
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turbine
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nozzle
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JP2001210519A
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Masahito Sugiura
浦 将 人 杉
Sakae Kawasaki
崎 榮 川
Akihiro Onoda
昭 博 小野田
Junichi Tominaga
永 純 一 富
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タービンノズル、タービン動翼の翼高さ方向
の作動流体の流量分布をコントロールしたときの翼素損
失の増大を抑制し、さらに二次流れ損失を低減して段落
性能を向上することができる軸流タービン翼および軸流
タービン段落を得ること。 【解決手段】 翼根元部より翼先端部分まで翼断面を拡
大または縮小することにより、ノズル翼の後縁端とその
ノズルに隣接するノズル翼の背面との最短距離sと環状
ピッチtの比s/tを翼高さ方向で変化させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軸流タービン翼およ
びその軸流タービン翼を有する軸流タービン段落に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、発電プラントに用いられる軸流タ
ービンは環境問題や省エネルギの観点より、信頼性の確
保および高効率化が重要な課題となっている。
【0003】一般に軸流タービン、例えば蒸気タービン
は図11に示すようにノズルダイヤフラム外輪1とノズ
ルダイヤフラム内輪2との間に環状流路を形成し、その
環状流路に周方向に列状に配設された複数枚のノズル翼
3と、タービンロータ5の植え込み部に周方向に列状に
配設された複数枚の動翼6により段落が形成され、この
段落を軸方向に単段落または複数段落組み合わせること
により蒸気タービンが構成されている。
【0004】従来の軸流タービンの設計法の一つには、
或る翼型を翼高さ方向に変えることなく積み上げて流体
通路部を形成させる、主に翼高さの低いところで使われ
る1次元設計法がある。
【0005】それに加え近年では、ノズル、動翼の翼通
路部内にて発生する二次流れ損失を低減することを目的
とした3次元翼が提案されている。
【0006】ここで、図12を参照しながら二次流れ損
失について説明する。例えば、隣接するノズル翼3aと
3b間の翼間流路を作動流体が流れるときに、端壁7の
近傍において流入する低エネルギ流体である入口境界層
8a、8bはノズル翼3a、3bの前縁9a、9bに衝突して
背側馬蹄形渦10a、10bと腹側馬蹄形渦11a、11b
とに分かれる。背側馬蹄形渦10a、10bはノズル翼3
の背側12と端壁7の境界層の発達により次第に成長し
ながら下流側へ流出して行く。一方、腹側馬蹄形渦11
a、11bはノズル翼3の腹側13とノズル翼3の背側1
2との圧力差を駆動力としてノズル翼3bの腹側13よ
りノズル翼3aの背側12へ向かう流路渦14へと成長
する。これらの背側馬蹄形渦10a、10bと流路渦14
は二次流れ渦と称され、これらの渦を形成するために作
動流体の持つエネルギは散逸されタービン性能の低下を
招いている。これを二次流れ損失(または二次損失)と
称する。特に、翼間を横切り端壁7上の低エネルギ流体
である境界層を巻き上げながら翼下流側へ流出する流路
渦14は二次流れ損失の大きな部分を占めており、この
流路渦14を抑制することが二次流れ損失の低減に必要
不可欠となる。
【0007】上述の二次流れ損失を低減するための3次
元化の手法として、図13に示されているように、ノズ
ル翼3の後縁端位置を翼根元部から翼先端部にかけてタ
ービンの回転中心を通る基準線E(ラジアル線)に対し
てノズル翼の腹面方向に翼高さ中央部が翼根元部に比べ
て突出するように傾斜させる方法が知られている(特開
平3−67001号公報)。これはノズルダイヤフラム
内輪の外周壁近傍(流体通路部の内周側)に流入した作
動流体を外周壁側に押圧させることで、翼根元部での二
次流れ損失を低減させようとするものである。また図1
4に示されているような翼の後縁端位置を翼根元部から
翼先端部にかけてタービンの回転中心を通る基準線Eに
対してノズル翼3の腹面方向に翼高さ中央部が翼根元部
に比べて突出するように湾曲させる3次元化手法も公知
の技術となっている(特開平8−109803号公
報)。この場合は前述の回転中心を通る基準線に対して
傾斜させた時の効果に加えて、ノズルダイヤフラム外輪
の内周壁近傍(流体通路部の外周側)に流入した作動流
体を内周壁側に押圧する効果もあるため、翼根元部に限
らず翼先端部でも二次流れ損失を低減することができ
る。
【0008】ノズル翼の後縁端位置を、翼根元部から翼
先端部にかけて、翼高さ中央部が翼根元部に比べて流体
流出側に突出するように軸流方向に傾斜または湾曲させ
ることでも同様に二次流れ損失を低減することができる
ことは公知である。
【0009】次に、前述の一次元設計をしたノズル或い
は動翼では、ともに翼の後縁端とその翼に隣接する翼の
背面との最短距離sと環状ピッチtの比s/tの値が翼
高さにほぼ比例して大きくなる分布をとるのが一般的で
あるが、翼高さ方向の流量分布をコントロールして高効
率化を図るものとして、特開平6−272504号公報
に示されているように、一次元設計からの翼高さ方向の
分布をかえる3次元設計法も提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このs/t
の翼高さ方向の分布をかえる従来の3次元化は、各翼高
さで実現しようとするs/tから求められる幾何学的流
出角α=arcsin(s/t)が合うように図15で定義される
翼の取付角θをかえることで行っている。そこで、例え
ば図16のように翼中間部でs/tが小さくなる3次元
設計型1のs/t分布を考えた場合、αの分布は図17
のようになる。ここで、αの大小に対する翼のラジアル
線に対する位置関係は図18のようになる。αの大小と
θの大小は符合する。しかしこの3次元化の方法をとる
と、取付角θが小さくなる翼高さ領域において翼素損失
が大きくなり、また取付角θが大きすぎると図19に示
す通り、隣接する翼で形成される流体通路部にS1−P1と
S2−P2のようにスロートが二箇所形成されてしまう可能
性が高く、その場合は翼素性能が極端に低下する、とい
う問題がある。
【0011】そこで本発明は、取付角を変更することな
く、同一の翼断面を拡大または縮小することにより積み
重ねた3次元設計をすることで、タービンノズル、ター
ビン動翼の翼高さ方向の作動流体の流量分布をコントロ
ールしたときの翼素損失の増大を抑制し、さらに二次流
れ損失を低減して段落性能を向上することができる軸流
タービン翼および軸流タービン段落を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
翼根元部より翼先端部分まで翼断面を拡大または縮小す
ることにより、ノズル翼の後縁端とそのノズル翼に隣接
するノズル翼の背面との最短距離sと環状ピッチtの比
s/tが翼高さ方向に変化するように形成されているこ
とを特徴とする。
【0013】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明において、翼高さが大きいタービン翼において、s/
tが翼高さ中央部近傍で最大値となり、かつs/tの最
大値を与える翼高さ位置より根元部側では翼高さの増大
に伴ってs/tが単純増加するかまたは翼根元部近傍で
s/tが極小値をとるように形成され、翼高さが大きい
タービン翼において、s/tの最大値を与える翼高さ位
置より先端部側では翼高さの増大に伴ってs/tが単純
減少するかまたは翼先端部近傍でs/tが極小値をとる
ように形成されていることを特徴とする。
【0014】請求項3に係る発明は、請求項1に係る発
明において、翼高さが小さいタービン翼において、翼高
さ中央部近傍でs/tが最小値となり、かつs/tの最
小値を与える翼高さ位置より根元部側では翼高さの増大
に伴ってs/tが単純減少するかまたは翼根元部近傍で
s/tが極大値をとり、かつs/tの最小値を与える翼
高さ位置より先端部側では翼高さの増大に伴ってs/t
が単純増加するかまたは翼先端部近傍でs/tが極大値
をとるように形成されていることを特徴とする。
【0015】請求項4に係る発明は、請求項1から3の
いずれか1項に係る発明において、タービン翼の後縁端
位置を、翼根元部から翼先端部にかけてタービンの回転
中心を通る基準線に対してノズル翼の腹面方向に翼高さ
中央部が翼根元部に比べて突出するように傾斜されてい
ることを特徴とする。
【0016】請求項5に係る発明は、請求項1から3の
いずれか1項に係る発明において、タービン翼の後縁端
位置を、翼根元部から翼先端部にかけてタービンの回転
中心を通る基準線に対してノズル翼の腹面方向に翼高さ
中央部が翼根元部に比べて突出するように湾曲されてい
ることを特徴とする。
【0017】請求項6に係る発明は、請求項1から3の
いずれか1項に係る発明において、タービン翼の後縁端
位置が、翼根元部から翼先端部にかけて、翼高さ中央部
が翼根元部に比べて流体流出側に突出するように軸流方
向に傾斜されていることを特徴とする。
【0018】請求項7に係る発明は、請求項1から3の
いずれか1項に係る発明において、タービン翼の後縁端
位置が、翼根元部から翼先端部にかけて、翼高さ中央部
が翼根元部に比べて流体流出側に突出するように軸流方
向に湾曲されていることを特徴とする。
【0019】請求項8に係る発明は、請求項1から7の
いずれか1項に係る発明において、タービン翼は、ノズ
ルダイヤフラム内輪と、ノズルダイヤフラム外輪との間
に環状流路を形成し、この環状流路に周方向に列状に配
設されたタービンノズル、或いはタービンロータの植込
部に周方向に列状に配設されたタービン動翼であること
を特徴とする。
【0020】請求項9に係る発明は、軸流タービン段落
において、請求項1から8のいずれかに記載の軸流ター
ビン翼を有することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図10を参照して
本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明に
係る軸流タービン段落のノズル部の斜視図であり、図1
に示すように、ノズルダイヤフラム外輪1とノズルダイ
ヤフラム内輪2との間に形成される環状流路4に複数の
ノズル翼3が周方向に所定の間隔をおいて列状に配設さ
れており、各ノズル翼3の先端部および根元部の接合端
をそれぞれノズルダイヤフラム外輪1とノズルダイヤフ
ラム内輪2に接合することにより軸流タービンノズルが
構成されている。
【0022】このノズル翼3の高さが大きい場合には、
二次流れ損失の大きいノズルダイヤフラム外輪1の内周
壁およびノズルダイヤフラム内輪2の外周壁の影響が少
ない高効率域が支配的なため、ノズル翼の後縁端とその
ノズルに隣接するノズル翼の背面との最短距離sと環状
ピッチtの比s/tの翼高さ方向の分布をコントロール
した3次元設計をすることにより流路の中央部高さ位置
に流量を多く流した方がエネルギが有効に変換される。
すなわち、翼高さが大きい場合には、図2に示すよう
に、上記s/tが翼高さ中央部近傍で最大となり、翼根
元部及び翼先端部では次第に小さくなるような3次元設
計とすることが効果的である。一方、翼高さが小さい場
合は、二次損失の大きいノズルダイヤフラム外輪1の内
周壁およびノズルダイヤフラム内輪2の外周壁の影響が
中央部高さ位置にまで及び高効率域が望めないため、流
路の翼根元部や翼先端部に流量を多く流し、流路の中央
部高さ位置の流量を少なくしたほうが二次損失低減に有
効である。すなわち、翼高さが小さい場合には、図3に
示すように、上記s/tが翼高さ中央部近傍で最小とな
り、翼根元部及び翼先端部では次第に大きくなるような
3次元設計とすることが効果的である。
【0023】そこで本発明は、流量分布をコントロール
するための3次元設計をするにあたり、翼の取付角を変
えることなく翼根元部から翼先端部まで同一の翼型(プ
ロファイル)を拡大または縮小をして翼高さ方向に積み
上げてs/tを代えることにより、従来の取付角を変更
した時の課題であった翼素性能の低減を抑制し、作動流
体のもつエネルギを有効に動力に変換し得るようにした
ものである。
【0024】ところで、翼列内のエネルギ損失ζtは式
(1)のように分類することができる。 ζt=ζs+ζp (1) ここで、ζsは二次流れ損失である。第二項ζpはプロフ
ァイル損失と呼ばれ、さらに式(2)のように分類され
る。 ζp=ζp0+ζt/c+ζ’ (2) 式(2)の各項について説明する。ζp0は基準プロファ
イル損失と呼ばれ、翼列内で流体が転向することによっ
て生じる損失で、流入角と流出角によって決まる。ζt/
cはピッチtの翼コードcに対する比t/cによって決
まり、図4に表すように、ピッチコード比が点(t/
c)optの時最小値を示し、ピッチコード比t/cがそ
れより大きい場合或いは小さい場合には増加する傾向に
ある。また、ζ’は翼型の幾何学的流入角に対する最適
な流体流入角のずれなどで生じるその他の損失を表す。
【0025】s/tすなわち幾何学的流出角が、図2に
示すように翼の中央高さ近傍で大きくなり、或いは図3
に示すように翼の中央高さ近傍で小さくなるような分布
となるように翼の3次元設計を行なう場合には、翼の取
付角を変更して翼高さ方向に積み上げる従来の方法と、
本発明の取付角を変更することなく同一の翼型(プロフ
ァイル)を拡大または縮小することにより積み上げる方
法とでは、プロファイル損失に次のような差異がある。
すなわち、まずζp0は同じs/t分布すなわち同じ幾何
学的流出角を実現する2つの場合を考えているのだか
ら、差異はない。またζ’の差異もない。したがって、
ピッチ・コード比の違いによるζt/cの大小がプロファイ
ル損失ζpの大小を決定付けることになる。
【0026】図5はノズルにより入口マッハ数M1で流
入した流体が出口マッハ数M2まで増速された時の、無
次元化された軸方向位置に対する翼素の背側表面と腹側
表面におけるマッハ数(流速)の分布の一般的な例で、
背側ではスロートを与える点でマッハ数が最高になり
(点Mt)、その後下流側で減速する。点Mtから下流側の
点Mまでを減速域と呼ぶが、減速域では流体は翼表面
から剥離し、大きな損失となり、翼素性能を大きく低下
させる。或る翼型において最適ピッチ・コード比により
翼が取り付けられていたとして、そのときの翼表面のマ
ッハ数分布における背側表面のマッハ数の最高点(すな
わちスロートポイント)がMt0であったとすると、点Mt0
はその翼型での減速域における剥離による損失が最も小
さくなる最適点である。同じノズル翼において、ピッチ
・コード比がその最適値からずれた場合、コードが変わ
るのだからスロート位置が最適なピッチ・コード比のと
きのスロート位置からずれることになる。もし背側のス
ロート位置が翼表面上の上流側(前縁側)に移動した場
合は翼表面マッハ数分布も変わり、図5のように背側の
マッハ数分布におけるマッハ数最高点が前述の点Mt0か
ら点Mt1に移動し、減速域が広がることで翼素損失が増
大し、効率が低下する。また逆に背側のスロート位置が
翼表面上の下流側(後縁側)に移動した場合も翼表面マ
ッハ数分布が変わり、背側のマッハ数分布におけるマッ
ハ数最高点は図5のようにMt0からMt2に移動するが、こ
の場合は点Mt2から点M2の間で減速割合(単位軸方向距
離における減速量)が大きくなり、やはりこの場合も翼
素損失が増大し効率が低下する。
【0027】そこで、最適ピッチコード比となる取付角
で翼高さ方向に1次元設計したノズル翼を、取付角を変
更することによって図3に示すようなs/t分布にする
3次元設計をした場合、図3中のA点のように一次元設
計のときとs/tすなわち幾何学的流出角が変更されな
い点では取付角が変更されないが、B点のようにs/t
が変更される点は取付角が変更される。s/tすなわち
幾何学的流出角が小さい側へ変更される場合を図6に示
す。この時はノズル翼3cとノズル翼3eで形成された流路
におけるスロートを小さくする(ピッチtは一定より)
ために、それぞれ翼3d、翼3fとなるように取付角が小さ
くなるように変更する。取付角を変更する前後の翼3c、
翼3dのそれぞれのスロート位置をSa、Sbとすると、取付
角変更後のSbはSaに比べてその翼表面上の位置が大きく
上流側(前縁側)に移動している。最適ピッチコード比
(t/c)optで取り付けられているときは、図5のマ
ッハ数分布の模式図においてスロートポイントは点Mt0
になる。それに対して、取付角変更後はコードが小さく
なっていることより、図4のピッチコード比が点(t/
c)optのから点(t/c)1の点に移動する。これに対
応して図5のマッハ数分布ではスロートポイントMtが点
Mt0から点Mt1の側へ移動することになり、翼素損失は増
大する。したがって、取付角を小さくなるように変更し
た場合は、スロート位置が大きく前縁側に移動すること
が原因となって式(2)におけるζt/c、すなわちプロ
ファイル損失ζpが大きく増加することになる。
【0028】同様に、1次元設計のs/tに対して幾何学
的流出角が大きい側へ変更される場合では、最適ピッチ
コード比で取り付けられているときに比べ、スロート位
置が大きく下流側(後縁側)に移動するするため、コー
ドは大きくなってピッチコード比が点(t/c)2に移
動し、さらにそれはマッハ数分布ではスロートポイント
に対応する点Mtが点Mt2の側に移動することに相当する
ため、この場合も式(2)におけるζt/c、すなわちプ
ロファイル損失ζpは大きく増大する。
【0029】次に、図3のs/t分布を得るために最適
ピッチコード比となる取付角で翼高さ方向に一次元設計
したノズル翼を取付角を変更しないで各翼高さで翼型を
変更することにより積み上げ、図3のB点のようにs/
tすなわち幾何学的流出角が小さい側へ変更する場合に
は、図7に示す通り翼は拡大され、翼3gは翼3hに、翼3j
は翼3kとなり、スロート長さは小さくなる。このとき取
付角変更前後のスロート位置はそれぞれSc、Sdとなる。
しかし、この場合は取付角を変更することでs/tを変
えた時に比べ、スロート位置の変化が小さくなる。した
がって、図5で示される翼面マッハ数分布における背側
マッハ数のピーク点Mtはこの翼型での最適値Mt0のごく
近傍となり、翼素損失の低減も少なくなる。これはピッ
チコードが最適ピッチコード比(t/c)optから大き
くはずれることはなく、ζt/cすなわちζpの急激な増大
は取付角を変更するときに比べて抑制されることにな
る。
【0030】一方、s/tを大きい側へ変更する場合に
は翼型を縮小ことによって行うことができ、この場合も
同様に、スロート位置はほとんど変化しないので、ζt/
cすなわちζpの急激な増大は取付角を変更するときに比
べて抑制されることになる。
【0031】以上より、最適ピッチコード比からなる翼
で形成される通路部のs/tに対して、このs/tを取
付角を変更することで変えた場合と、取付角一定で変え
た場合のプロファイル損失は図8のようになり、取付角
を変更する場合に比較して、取付角を一定にして翼を各
翼高さで拡大または縮小することにより積み上げる方が
プロファイル損失は小さくなる。
【0032】図9は翼高さ100mm以上の場合のノズ
ル翼の3次元形状を示したものであり、翼高さ方向にお
いて翼高さ中央位置またはその近傍でスロートSp1が最
大値となるように中央部高さ近傍でプロファイルの縮小
率が最大にしてある。そして、スロートが最大となる高
さより根元側ではスロートが翼高さに対して単純増加す
るかまたは翼根元部近傍でのスロートSr1すなわちSr
1/tが極小値となるように翼根元部またはその近傍で
拡大率を最大にするとともに、スロートが最大となる高
さより先端部側ではs/tが単純減少するかまたは翼先
端部近傍で極小値をとるようにしてあり、最後に後縁線
をタービンの回転中心を通る一つの基準線上に合わせて
ある。これにより、流路の中央部の高効率域により多く
の流量を流すことができ、二次損失が最も大きい翼根元
部近傍では流量を絞ることで、有効なエネルギ変換が可
能となる。
【0033】一方、図10は翼高さが小さいノズル翼の
3次元形状を示したものであり、翼高さ中央部近傍でs
/tが最小値となるようにしてある。そして、s/tが
最小となる高さより根元側ではスロートが翼高さに対し
て単純減少するかまたは翼根元部近傍でのs/tが極大
値となるように翼根元部またはその近傍で縮小率を最大
にするとともに、s/tが最小となる高さより先端部側
ではs/tが単純増加するかまたは翼先端部近傍で極大
値をとるようにしてある。しかして、この場合には翼根
元部や翼先端部に流量を多く流し、流路の中央部高さ位
置の流量を少なくすることができ、二次損失を有効に低
減することができる。
【0034】なお、上記実施の形態においてはノズル翼
について説明したが、動翼についても同様に適用するこ
とができる。また、上記実施の形態においては翼の後縁
線をタービンの回転中心を通る一つの基準線上に合わせ
たものを示したが、タービン翼の後縁端位置を、翼根元
部から翼先端部にかけてタービンの回転中心を通る基準
線に対してノズル翼の腹面方向に翼高さ中央部が翼根元
部に比べて突出するように傾斜、または湾曲させること
により、翼根元部或いは翼先端部での二次流れ損失の低
減も図ることができる。さらに、タービン翼の後縁端位
置が、翼根元部から翼先端部にかけて、翼高さ中央部が
翼根元部に比べて流体流出側に突出するように軸流方向
に傾斜、或いは湾曲させるようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明はタービン
翼の取付角を代えることなく翼根元部から翼先端部まで
の断面積を拡大または縮小して、s/tすなわち幾何学
的流出角が翼高さ方向に変化するようにしたので、従来
の取付角を変更したときの課題であった翼素性能の低減
を抑制することができ作動流体のもつエネルギを有効に
変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軸流タービン段落のノズルの構成
を示す斜視図
【図2】本発明に係る軸流タービンノズルのs/t分布
を示す図
【図3】本発明に係る軸流タービンノズルのs/t分布
を示す図
【図4】翼素損失説明図
【図5】翼表面マッハ数分布説明図
【図6】従来技術によりノズル取付角変更した状態を示
す図
【図7】本発明に係る軸流タービンノズル翼の3次元化
実施形態説明図
【図8】翼素損失説明図
【図9】本発明に係る軸流タービンノズルの3次元化説
明図
【図10】本発明に係る軸流タービンノズルの3次元化
説明図
【図11】本発明に係る軸流タービン段落の縦断側面図
【図12】二次流れ説明図
【図13】従来技術による傾斜ノズルを流体流出側より
見た斜視図
【図14】従来技術による湾曲ノズルを流体流出側より
見た斜視図
【図15】取付角の説明図
【図16】s/t分布の相違を説明する模式図
【図17】幾何学的流出角分布の相違を説明する模式図
【図18】幾何学的流出角と翼の姿勢の相関図
【図19】従来技術によりノズル取付角変更した状態を
示す図
【符号の説明】
1 ノズルダイヤフラム外輪 2 ノズルダイヤフラム内輪 3 ノズル翼 4 環状流路 5 タービンロータ 6 動翼 E ラジアル線 s スロート幅 t ピッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野田 昭 博 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 富 永 純 一 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 3G002 BA02 BA03 BA05 BB01 GA07 GB05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】翼根元部より翼先端部分まで翼断面を拡大
    または縮小することにより、ノズル翼の後縁端とそのノ
    ズル翼に隣接するノズル翼の背面との最短距離sと環状
    ピッチtの比s/tが翼高さ方向に変化するように形成
    されていることを特徴とする軸流タービン翼。
  2. 【請求項2】翼高さが大きいタービン翼において、s/
    tが翼高さ中央部近傍で最大値となり、かつs/tの最
    大値を与える翼高さ位置より根元部側では翼高さの増大
    に伴ってs/tが単純増加するかまたは翼根元部近傍で
    s/tが極小値をとるように形成され、s/tの最大値
    を与える翼高さ位置より先端部側では翼高さの増大に伴
    ってs/tが単純減少するかまたは翼先端部近傍でs/
    tが極小値をとるように形成されていることを特徴とす
    る、請求項1記載の軸流タービン翼。
  3. 【請求項3】翼高さが小さいタービン翼において、翼高
    さ中央部近傍でs/tが最小値となり、かつs/tの最
    小値を与える翼高さ位置より根元部側では翼高さの増大
    に伴ってs/tが単純減少するかまたは翼根元部近傍で
    s/tが極大値をとり、かつs/tの最小値を与える翼
    高さ位置より先端部側では翼高さの増大に伴ってs/t
    が単純増加するかまたは翼先端部近傍でs/tが極大値
    をとるように形成されていることを特徴とする、請求項
    1記載の軸流タービン翼。
  4. 【請求項4】タービン翼の後縁端位置を、翼根元部から
    翼先端部にかけてタービンの回転中心を通る基準線に対
    してノズル翼の腹面方向に翼高さ中央部が翼根元部に比
    べて突出するように傾斜されていることを特徴とする、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の軸流タービン
    翼。
  5. 【請求項5】タービン翼の後縁端位置を、翼根元部から
    翼先端部にかけてタービンの回転中心を通る基準線に対
    してノズル翼の腹面方向に翼高さ中央部が翼根元部に比
    べて突出するように湾曲されていることを特徴とする、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の軸流タービン
    翼。
  6. 【請求項6】タービン翼の後縁端位置が、翼根元部から
    翼先端部にかけて、翼高さ中央部が翼根元部に比べて流
    体流出側に突出するように軸流方向に傾斜されているこ
    とを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載
    の軸流タービン翼。
  7. 【請求項7】タービン翼の後縁端位置が、翼根元部から
    翼先端部にかけて、翼高さ中央部が翼根元部に比べて流
    体流出側に突出するように軸流方向に湾曲されているこ
    とを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載
    の軸流タービン翼。
  8. 【請求項8】タービン翼は、ノズルダイヤフラム内輪
    と、ノズルダイヤフラム外輪との間に環状流路を形成
    し、この環状流路に周方向に列状に配設されたタービン
    ノズル、或いはタービンロータの植込部に周方向に列状
    に配設されたタービン動翼であることを特徴とする、請
    求項1から7のいずれか1項に記載の軸流タービン翼。
  9. 【請求項9】請求項1から8のいずれかに記載の軸流タ
    ービン翼を有することを特徴とする軸流タービン段落。
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