JP2003017011A - アルカリ乾電池 - Google Patents

アルカリ乾電池

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JP2003017011A
JP2003017011A JP2001199765A JP2001199765A JP2003017011A JP 2003017011 A JP2003017011 A JP 2003017011A JP 2001199765 A JP2001199765 A JP 2001199765A JP 2001199765 A JP2001199765 A JP 2001199765A JP 2003017011 A JP2003017011 A JP 2003017011A
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alkaline dry
alkaline
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JP2001199765A
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Teiji Okayama
定司 岡山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、アルカリ乾電池の上記事情に対処
してなされたもので、重負荷放電に適したアルカリ乾電
池において、長期貯蔵特性のすぐれたアルカリ乾電池の
提供を目的とする。 【解決手段】 本発明は、金属製の正極缶、該正極缶内
に収容される正極合剤、該正極合剤にセパレータを介し
て対向配置されるゲル状亜鉛負極材料からなるアルカリ
乾電池において、該正極缶の内面に、炭素系物質粉末を
主成分とし、これにコバルト系物質粉末を含有させた導
電材層が形成されていることを特徴とするアルカリ電池
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はアルカリ乾電池に関
し、特に重負荷特性および貯蔵安定性の改善されたアル
カリ乾電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年ディジタルカメラや、CDプレーヤ
ー、MDプレーヤー、液晶テレビ等のAV機器など、高
電流容量を必要とする重負荷の携帯電気機器が多用され
るようになり、最近のアルカリ乾電池においてもこれら
の用途に対応して、重負荷放電特性、長寿命特性などの
改善が求められてきている。
【0003】そして、これまでに重負荷放電特性に優れ
たアルカリ乾電池として、正極活物質に水酸化ニッケル
系物質を用いた電池が開発されている(英国特許365
125)。この電池は、(1)電池電圧が1.73Vと
高いこと、(2)放電カーブに平坦性があること、
(3)重負荷放電における活物質利用率が高いこと、な
どの優れた面を有している電池として知られている。ま
た、水酸化ニッケルを正極活物質とし亜鉛を負極活物質
とするインサイドアウト型ニッケル亜鉛二次電池も知ら
れている(特開2000−67910号公報)。
【0004】しかしながら、これらの電池においては、
正極活物質が強い酸化力を有しているため、この正極活
物質と接触している正極缶材料の内面を酸化してしま
い、正極缶内面に正極缶材の酸化物を形成し、電気伝導
性の悪い酸化物被膜を形成するため電池内部抵抗が増加
して放電特性が悪化するという問題があった。この水酸
化ニッケル系物質を正極作用物質として用いたアルカリ
電池の場合、長期の貯蔵安定が劣るという不都合があ
る。
【0005】すなわち、従来のアルカリ乾電池を図2に
示す。図2において1は、ステンレス鋼、ニッケルメッ
キを施した鉄などで形成された正極端子を兼ねる有底円
筒形の金属缶であり、この金属缶1の内部に中空円筒状
に成形された正極活物質を含有する正極合剤2が金属缶
1の内面に接触するように収容されている。この正極合
剤2の中空内部にはビニロンおよびポリビニルアルコー
ル繊維の不織布などからなる有底円筒状のセパレータ3
を介して、ゲル状亜鉛負極材料4が充填されている。そ
して、この負極材料4には黄銅製の金属棒からなる負極
集電棒5が挿着され、この負極集電棒5の一端は負極材
料4の表面から突出してリング状金属板7及び陰極端子
を兼ねる金属封口板8に電気的に接続されている。そし
て、正極となる金属缶1内面と、負極集電棒5の突出部
外周面には、二重環状のポリアミド樹脂からなる絶縁ガ
スケット6が配設され、これらは絶縁されている。ま
た、金属缶1の開口部はかしめられて液密に封止されて
いる。
【0006】上記水酸化ニッケル系物質を用いたアルカ
リ乾電池において、正極作用物質を成す水酸化ニッケル
系物質は、強い酸化力を有するので、金属製正極缶1内
に収納配置した状態で、対接する正極缶内壁面を酸化す
る傾向がある。そして、水酸化ニッケル系物質による正
極缶の酸化は、水酸化ニッケル系物質の還元を招来する
ので、結果的に、アルカリ乾電池の容量低下ないし容量
劣化を起こすことになる。
【0007】また、酸化によって、正極ケース内壁面部
に生成した酸化鉄、あるいは水酸化鉄などの3価の鉄化
合物が導電性の低い膜として作用するため、大電流(重
負荷)放電に悪影響を及ぼすという不都合が見られる。
つまり、デジタルスチルカメラなどに対応して、高性能
で、長寿命な電源として期待されながら、実際には、高
性能・長寿命化を充分に達するに至っていない状況にあ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルカリ乾
電池の上記事情に対処してなされたもので、重負荷放電
に適したアルカリ乾電池において、長期貯蔵特性のすぐ
れたアルカリ乾電池の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属製の正極
缶、該正極缶内に収容される正極合剤、該正極合剤にセ
パレータを介して対向配置されるゲル状亜鉛負極材料か
らなるアルカリ乾電池において、該正極缶の内面に、炭
素系物質粉末を主成分とし、これにコバルト系物質粉末
を含有させた導電材層が形成されていることを特徴とす
るアルカリ電池である。
【0010】前記アルカリ電池において、導電材層に含
まれるコバルト系物質としては、金属コバルト、オキシ
水酸化コバルト、三酸化二コバルト、一酸化コバルト、
および、水酸化コバルトからなる群から選ばれた少なく
とも1種であることが望ましい。
【0011】また、前記アルカリ電池において、炭素系
物質としては、黒鉛が望ましく、この黒鉛粉末とコバル
ト系物質との配合比率は、黒鉛粉末100質量部に対し
て1〜10質量部とすることが望ましい。
【0012】さらに、前記アルカリ電池において、正極
活物質としては、水酸化ニッケル系物質を用いることが
望ましい。この水酸化ニッケル系物質としては、水酸化
ニッケル、オキシ水酸化ニッケル、あるいは、これらの
物質に他の金属原子をドープしたもの、もしくはこれら
の物質の粒子表面に導電性を有するコバルト系物質粒子
を被覆したものなどを用いることができる。
【0013】本発明のアルカリ乾電池は、上記したよう
に正極缶内面に黒鉛のような炭素系物質粉末を主成分と
し、これにコバルト系物質粉末を含有させた導電材層を
形成することにより、正極活物質が正極缶内面を酸化す
る反応を阻止し、電池の内部抵抗の上昇を抑制して貯蔵
安定性の改善された乾電池を実現するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明をさら
に詳細に説明する。図1が本発明のアルカリ乾電池の断
面図である。図1において、前述の図2と同一の構成部
材については、同一の符号を付与し説明を省略する。す
なわち、本発明においては、図1において、正極缶1の
内面、特に正極合剤と接触する部分に導電材層10を形
成した点に特徴を有している。以下、図1に従って本発
明を説明する。
【0015】(正極缶)金属製の正極缶1は、たとえば
ステンレス鋼や、表面にニッケルメッキを施した鉄基材
で製造されており、その形態・形状は、円筒状、角筒
状、ボタン形などに成形されている。そして、これら正
極缶の内面の内、少なくとも正極が対接する面に本発明
の導電材層が形成されている。この導電材層は、正極缶
を構成する金属に防食性を付与するものであり、黒鉛な
どの炭素系物質粉末を主成分とし、これにコバルト系物
質粉末を含有させた導電塗料を塗装して形成した導電材
層から構成されている。
【0016】(導電塗料)本発明において、この導電材
層を形成するには、黒鉛などの炭素系物質粉末およびコ
バルト系物質粉末を、溶媒、およびバインダーと混合し
分散させて、塗料状に混練・調製し、これを正極缶内面
に塗布・乾燥することにより形成される。本発明におい
て、この導電材としては、黒鉛粉末およびコバルト系物
質粉末を導電材として用いるが、これらの成分の配合の
割合は、黒鉛粉末100質量部に対して、コバルト系物
質粉末が1〜10質量部の範囲が好ましい。コバルト系
物質粉末の比率が上記範囲を上回ってもそれ以上の効果
は期待できず、コスト高の原因となる。一方、コバルト
系物質の配合比率が上記範囲を下回った場合、コバルト
系物質粉末配合の効果が減少し、長期保存後の電池内部
抵抗が増加して、重負荷放電特性が低下する。
【0017】本発明において導電塗料に用いられるバイ
ンダーとしては、一般の塗料に用いられるバインダーを
用いることができる。このバインダーの例としては、ポ
リ塩化ビニル樹脂、ポリビニルブチルアルコール樹脂な
どを挙げることができる。また、溶剤としては、一般の
塗料で用いられる有機溶剤を用いることができる。この
溶剤の例としては、例えば、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサンなどを挙げることができる。本発明の導電塗
料は、導電材と、バインダーの配合比が、導電材100
質量部に対してバインダーが20〜100質量部の範囲
で用いられる。導電材の比率がこれより高いと、バイン
ダー成分の比率が低下し導電被膜の強度が低下して剥離
を起こしやすくなる。一方、導電材の比率が上記範囲よ
り低下すると、内部抵抗が増加して、重負荷放電特性が
悪化する。導電塗料における固形分と溶剤との比率は、
均一に塗装できる範囲で任意に選定できるが、通常固形
分比率が10〜50質量%である。
【0018】この導電塗料は、スプレーガンを用いて正
極缶内面に塗装し乾燥して塗膜を形成することもできる
し、正極缶内部に所定量の導電塗料を流し込み、正極缶
を傾けながら内面に導電塗料層を形成し乾燥させて塗膜
とすることもできる。本発明において、この導電塗膜の
膜厚は、膜厚の機械的強度によって左右されるが、5〜
20μmの範囲で十分である。
【0019】本発明において、炭素系物質としては、黒
鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなど、乾
電池の導電材として用いられている炭素系物質を用いる
ことができるが、これらの内、黒鉛が導電性、安定性の
点で最も望ましい。
【0020】本発明において、黒鉛粉末に配合して用い
られるコバルト系物質粉末としては、金属コバルト、水
酸化コバルト(Co(OH))、一酸化コバルト(C
oO)、三酸化二コバルト(Co)、などをあげ
ることができ、またこれらをさらに酸化処理してオキシ
水酸化コバルト(CoOOH)、四酸化三コバルト(C
)などの高導電性高次コバルト酸化物に転化さ
せたものなどの粉末を用いることもできる。
【0021】(正極合剤)本発明においては、正極合剤
は、正極活物質、導電材を混合・成形して作成される。
本発明の導電材としては、例えば黒鉛、アセチレンブラ
ックなどの炭素粒子を用いることができる。配合量は、
正極活物質100質量部に対して炭素粒子3〜10質量
部の範囲が適切である。炭素粒子の配合比がこれより高
いと活物質量が相対的に減少するため高容量化に適さな
くなり、一方、炭素粒子の配合比がこれより低いと電子
電導性が相対的に低下するので高出力特性に適さなくな
る。
【0022】また、正極活物質としては、重負荷放電に
適した正極活物質であれば採用することができるが、特
に水酸化ニッケル系物質を用いることが望ましい。本発
明で用いる正極活物質は、水酸化ニッケルもしくはオキ
シ水酸化ニッケル粒子を主体とするものである。さら
に、亜鉛もしくはコバルト単独あるいはその両方を共晶
しているオキシ水酸化ニッケルは、低電解液比率でもそ
の構造変化を少なくできるので好ましい。オキシ水酸化
ニッケルに共晶させる亜鉛もしくはコバルトの量として
は、1〜7%の範囲が好ましい。亜鉛の量がこの範囲を
下回ると、条件によっては正極が膨潤するため電池の形
状が変化し、またこの範囲を上回ると、相対的にニッケ
ル純度が低下し高容量化に適さなくなるためである。
【0023】また、水酸化ニッケル表面に、さらに高導
電性の高次コバルト化合物を被着させた複合オキシ水酸
化物とすることが、オキシ水酸化ニッケル粒子同士の電
子導電性を確保する理由で好ましい。前記表面に被着す
るコバルト化合物としては、出発原料として例えば、水
酸化コバルト(Co(OH))、一酸化コバルト(C
oO)、三酸化二コバルト(Co)、などをあげ
ることができ、これを酸化処理してオキシ水酸化コバル
ト(CoOOH)、四酸化三コバルト(Co)な
どの高導電性高次コバルト酸化物に転化させたものを用
いることが好ましい。
【0024】上記本発明の正極活物質は、例えば次の方
法によって製造することができる。亜鉛及びコバルトを
ドープした水酸化ニッケル粒子に、水酸化コバルトを添
加し、大気雰囲気中で攪拌しながら水酸化ナトリウム水
溶液を噴霧する。引き続きマイクロウェーブ加熱を施す
ことにより水酸化ニッケル表面にコバルト高次酸化物の
層が形成された複合水酸化ニッケル粒子が生成する。さ
らに、この反応系に次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤
を添加して酸化を進め、コバルト高次酸化物が被着した
複合オキシ水酸化ニッケルを製造することができる。こ
れによって導電性が極めて優れた正極活物質を得ること
ができる。
【0025】かかる際に用いるコバルト粒子あるいはコ
バルト化合物粒子は、比表面積が2.5〜30m/g
である水酸化コバルトを用いることが好ましい。コバル
ト粒子あるいはコバルト化合物粒子としてこの範囲のも
のを採用することによって水酸化ニッケルと水酸化コバ
ルトとの接触面積が確保され、正極の利用率の向上につ
ながる。このような正極合剤の製造については、特開平
10−233229号公報、特開平10−275620
号公報、特開平10−188969号公報などに説明さ
れており、本発明においてもこれらの正極合剤の製造方
法を採用することができる。
【0026】(負極合剤)本発明で用いることのできる
負極作用物質としては、エネルギー密度やコスト、大電
流出力(放電)を考慮した場合、亜鉛粉末か好ましく、
さらには、たとえばインジウム(In)、ビスマス(B
i)、アルミニウム(Al)などを0.02〜0.5質
量%程度含有する亜鉛合金粉末が望ましい。つまり、上
記亜鉛の合金化によって、アルカリ性電解液中での自己
溶解速度が抑えられ、密閉系の電池内部での水素ガス発
生が抑制されるため、漏液などの事故を防止することが
できる。
【0027】(セパレータ)本発明において、セパレー
タは、ビニロン、ポリビニルアルコール繊維、レーヨ
ン、マーセル化パルプなどからなる不織布などが挙げら
れる。これら材質製のセパレータを選択した場合、水酸
化ニッケル系物質の酸化力に対しても安定で、セパレー
タ機能を長期間に亘って保持することが実験的に確認さ
れた。つまり、酸化による劣化が起こらないため、電池
内部での短絡発生なども解消ないし回避され、長期の貯
蔵安定性などを確保できる。
【0028】(電解液)アルカリ電解液としては、水酸
化カリウム(KOH)の水溶液、水酸化ナトリウム(N
aOH)の水溶液が挙げられるが、導電性および水酸化
ニッケル系物質の安定性の点から、34〜48質量%の
水酸化カリウム水溶液が好ましい。また、負極作用物質
として亜鉛合金を使用する場合には、亜鉛の自己放電
(溶解)による水素ガス発生を低減するため、予め、酸
化亜鉛などの亜鉛化合物をアルカリ電解液に溶解させ
て、亜鉛イオンを存在させておくことが望ましい。な
お、アルカリ電解液中に亜鉛化合物を飽和状態に添加す
ると、逆に、放電反応時の負極金属亜鉛の溶解反応を阻
害するので、アルカリ電解液中への添加量は、2〜6質
量%程度が好ましい。
【0029】
【実施例】以下、図1を参照して実施例を説明する。
【0030】[実施例1] (正極缶の処理)鉄基材表面にニッケルメッキを施した
ニッケルメッキ鋼板を絞り加工して得たJIS規格LR
6形(単3形)電池用の円筒状正極ケースを用意する。
次いで、この正極缶内壁面に、本発明の導電材被膜を形
成する。すなわち、黒鉛粉末100質量部、オキシ水酸
化コバルト粉末5質量部を混合し、さらにバインダーと
してポリ塩化ビニル60質量部を加え、これに溶剤とし
てメチルエチルケトンを200質量部加えて、ボールミ
キサーで2時間混合し、塗料とした。こうして製造した
塗料をスプレーガンで噴霧・塗布した後、溶媒を揮散さ
せて乾燥し、正極缶内壁面に導電材層を膜厚10μmと
なるように形成した。
【0031】(正極合剤の作成)正極作用物質である高
次コバルトを表面に被着させたオキシ水酸化ニッケルの
粉末92質量部と、導電剤で、かつ成形性および金型に
対する離型性を付与する人造黒鉛粉末(商品名SP−1
0、日本黒鉛工業kk製)8質量部とを混合・撹拌し
た。その後、JIS規格LR6形電池用に相当する正極
合剤成形金型を使用して、中空円筒形の正極合剤を加圧
成形した。
【0032】(負極の作成)インジウム0.05質量
%、ビスマス0.01質量%およびアルミニウム0.0
03質量%を含有する無汞化亜鉛合金粉末と、酸化亜鉛
濃度5質量%の水酸化カリウム40質量%水溶液(電解
液)と、ゲル化剤としてのポリアクリル酸ソーダとを、
減圧下で撹拌・混合することにより、ゲル状亜鉛負極を
調製した。
【0033】(セパレータの作成)ビニロンおよびポリ
ビニルアルコール繊維などからなる厚さ110μmの不
織布を3重に捲装し、その一部加熱接着して円筒体を作
成する。さらに、厚さ150μmのポリエチレン樹脂シ
ートから円板を打ち抜き、この円板を前記円筒体の一端
に加熱接着して有底円筒状のセパレータを作成する。
【0034】(アルカリ電池の組立)上記、作成した円
筒形の正極合剤、ゲル状亜鉛負極、およびセパレータ
を、JIS規格LR6形電池用に相当する正極端子を兼
ねる正極ケース内に、常套的な手段で、装着・配置して
単3形アルカリ電池を組み立てた。図1は、組立構成し
た単3形アルカリ電池の概略構成を示す断面図である。
【0035】図1において、1は正極端子を兼ねる有底
円筒形の正極缶、9は前記正極缶1内壁面を被覆する導
電材被膜、2は前記正極缶1内に導電材被膜9を介して
装着・配置された円筒形の正極合剤(正極)、3は正極
合剤2の内側に装着・配置された有底円筒状のセパレー
タである。なお、正極合剤2は、輪切り状に分割された
3個の正極合剤を積層した構成と成っている。
【0036】また、4は前記円筒形の正極合剤2の中空
部に有底円筒状のセパレータ3を介して充填されたゲル
状亜鉛負極、5は前記ゲル状亜鉛負極4中に一端部が挿
入され、他端部を突出させて配置した真鍮製の負極集電
棒である。
【0037】さらに、6は前記負極集電棒5の他端部を
挿通させ、かつ正極缶1との間を電気的に絶縁するとと
もに、液密な封止に寄与する絶縁性ガスケット、7は環
状の金属板、8は内壁面が負極集電棒5の他端部に電気
的に接続する構成と成っている負極端子を兼ねる帽子形
の金属封口板である。ここで、絶縁性ガスケット6は、
たとえばポリアミド樹脂製であり、正極缶1のカシメに
より金属板7および金属封口板8で、正極缶1を液密封
口している。
【0038】[比較例1、2] (比較例の電池組立)上記実施例1において、正極缶内
面に形成する導電材層として、コバルト系物質を用いる
ことなく黒鉛のみからなる導電材を用いて導電層を形成
した正極缶を用いたこと以外は実施例1と同様にしてア
ルカリ乾電池を製作した(比較例1)。また、上記実施
例1において、正極缶内面に導電層を形成することなく
鉄基材表面にニッケルメッキを施したニッケルメッキ鋼
板を絞り加工して得たままの正極缶を使用した他は、実
施例1と同様にしてアルカリ乾電池を製作した(比較例
1)。
【0039】[評価]次に、上記実施例1および比較例
1,2のアルカリ乾電池について、2Aの連続放電で閉
路電圧0.9Vまでの放電持続時間(調査個数20の平
均値、貯蔵開始前)、デジタルスチルカメラ(アレグレ
ットPDR−M60,kk.東芝)による実装試験撮影
枚数(30秒間に1回の撮影、撮影回数5回の平均
値)、未放電(未使用)電池を60℃で40日間貯蔵
後、2Aの連続放電で閉路電圧0.9Vまでの放電持続
時間、および実装試験撮影枚数を試験を試験・評価した
結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1から分かるように、2Aの連続放電、
デジタルスチルカメラによる実装試験撮影枚数とも、実
施例1の方がすぐれている。黒鉛のみからなる導電材を
用いた比較例に比べてコバルト系物質も用いた実施例1
の方が導電性が向上しているため、また、比較例2の場
合は、正極缶が水酸化ニッケル系物質と既に反応して容
量劣化が起こっているためと考えられる。
【0042】一方、貯蔵後の2A・大電流(重負荷)放
電では、実施例1および比較例1,2の差が顕著であ
り、その理由は、次のように考えられる。すなわち、比
較例に係るアルカリ電池では、正極缶による水酸化ニッ
ケル系物質の還元劣化が起きて、鉄の3価化合物被膜が
成長し、単成る容量劣化だけでなく、鉄の3価化合物被
膜が抵抗となって、特に、大電流下では、IRドロップ
がより大きくなって、作動電圧が低下するためといえ
る。これに対して、実施例に係るアルカリ電池の場合
は、正極缶の酸化劣化が防止される一方、良好な導電性
も確保されるため、長期貯蔵でも高性能を保持するアル
カリ乾電池として機能する。
【0043】上記では、単3形アルカリ電池の場合につ
いて示したが、たとえば単1形や単2形などの場合、あ
るいはボタン形アルカリ電池の場合でも、同様の作用効
果が認められた。また、正極作用物質としてオキシ水酸
化ニッケル、およびコバルト化合物被着オキシ水酸化ニ
ッケルを用いた場合も、同様に、安定で高性能なアルカ
リ乾電池として機能することが確認された。
【0044】本発明は、上記実施例に限定されるもので
なく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を
採ることができる。たとえば、正極合剤の組成比や組成
分、負極の組成などは、使用目的ないし目的性能などに
応じて適宜選択できる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、正極活物質の強い酸化
力によって、正極缶が酸化劣化することなく所要の機能
を維持・発揮する一方、水酸化ニッケル系物質の還元劣
化を招来しないので、電池容量の低下も抑制される。つ
まり、正極缶の酸化劣化に伴う正極容量の低下ないし電
池容量低減の恐れもなくなり、正極活物質の特長を生か
しながら、すぐれた長期の使用・貯蔵安定性を呈する信
頼性の高いアルカリ乾電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に係る単3形アルカリ電池の概略構成
を示す断面図。
【図2】 従来の単3形アルカリ電池の概略構成を示す
断面図。
【符号の説明】
1……正極ケース 2……正極合剤 3……樹脂系セパレータ 4……ゲル状亜鉛負極 5……負極集電棒 6……絶縁ガスケット 7……環状金属板 8……金属封口板 9……導電材層
フロントページの続き Fターム(参考) 5H011 AA02 AA04 BB03 CC06 DD09 DD18 5H017 AA02 AS06 DD05 EE01 EE06 HH01 5H024 AA14 CC02 DD02 DD14 DD15 EE03 EE06 HH01 5H050 AA07 AA08 AA09 BA04 CA03 CA08 CB13 DA10 EA02 HA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属製の正極缶、該正極缶内に収容される
    正極合剤、該正極合剤にセパレータを介して対向配置さ
    れるゲル状亜鉛負極材料からなるアルカリ電池におい
    て、該正極缶の内面に、炭素系物質粉末を主成分としコ
    バルト系物質粉末を含有させた導電材層が形成されてい
    ることを特徴とするアルカリ乾電池。
  2. 【請求項2】前記アルカリ乾電池において、導電材層に
    含まれるコバルト系物質が、金属コバルト、オキシ水酸
    化コバルト、三酸化二コバルト、一酸化コバルト、およ
    び、水酸化コバルトの群から選ばれた少なくとも1種で
    あることを特徴とする請求項1記載のアルカリ乾電池。
  3. 【請求項3】前記アルカリ乾電池において、炭素系物質
    とコバルト系物質との配合比率が、炭素系物質100質
    量部に対してコバルト系物質1〜10質量部であること
    を特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載のアルカ
    リ乾電池。
  4. 【請求項4】前記アルカリ乾電池において、正極活物質
    が、水酸化ニッケル系物質であることを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれかに記載のアルカリ乾電
    池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100382863C (zh) * 2004-10-01 2008-04-23 松下电工株式会社 摇动型运动装置

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