JP2003013962A - 玉軸受 - Google Patents

玉軸受

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JP2003013962A JP2001198762A JP2001198762A JP2003013962A JP 2003013962 A JP2003013962 A JP 2003013962A JP 2001198762 A JP2001198762 A JP 2001198762A JP 2001198762 A JP2001198762 A JP 2001198762A JP 2003013962 A JP2003013962 A JP 2003013962A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレス成形の金属製保持器の欠点を解消し
て、製造コストが安価で量産にも適すると共に、保持器
と玉との間の潤滑状態の向上によって軸受性能を向上さ
せることができる玉軸受を提供する。 【解決手段】 本発明の玉軸受１は、内外輪３，５間の
玉７相互の間隔を規制する保持器９が、一対のプレス成
形板１１，１２と、該プレス成形板相互を結合する締結
手段１４とで構成されている。各プレス成形板１１，１
２は、内外輪３，５間を周回するリング状の金属板母材
に、玉７の外面との接触で玉７の位置を規制するポケッ
ト用凹部２１を備えている。また、玉７の外面との間に
隙間を確保するようにポケット用凹部２１の内面の一部
を更に凹ませた補助凹部２３を板厚方向に沿うプレス加
工によって形成して、潤滑剤溜めや補強用リブとして機
能させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレス成形で形成
した保持器を備える玉軸受に関するもので、保持器と玉
との間の潤滑状態の向上及び保持器自体の強度の向上を
図るための玉軸受の改良に係るものである。
【０００２】
【従来の技術】一般的に、玉軸受の内外輪間に装備する
複数個の玉の軸受周方向の間隔は、保持器によって規制
されている。保持器は、内外輪間を周回する略環状の母
材上に、玉を収容するポケットを、内外輪間における玉
の装備数に応じて、略一定間隔で形成したものである。
【０００３】このような保持器としては、合成樹脂の一
体成形によってポケットを有する所望形状に仕上げる樹
脂製保持器、比較的厚肉の金属母材に切削や研削等の機
械加工を繰り返して所望形状に仕上げるもみ抜きタイプ
の金属製保持器、比較的に薄肉の金属板をプレス加工に
よってポケットを有する所望形状に仕上げるプレス成形
の金属製保持器など、様々な形態のものが開発されてい
る。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ところで、樹脂製保持
器は、ポケット内面を玉の形状に応じた曲面状態に成形
することが容易で、ポケット内面の形状を工夫して、ポ
ケット内での潤滑剤の保持量を向上させることができ
る。これにより、保持器と玉との間の潤滑状態の向上に
よって軸受性能を向上させることができると共に、生産
性の向上にも適している。しかしながら、その反面、機
械的な強度の確保が難しく、高荷重の軸受での使用が難
しいという問題があった。
【０００５】また、もみ抜きタイプの金属製保持器は、
比較的厚肉の金属母材を使用することから、機械的な強
度の確保が容易で、高荷重の軸受にも適している。ま
た、ポケット内面の形状を工夫して、ポケット内での潤
滑剤の保持量を向上させることが可能で、保持器と玉と
の間の潤滑状態の向上によって軸受性能を向上させるこ
ともできる。しかしながら、生産性が低く、加工コスト
が増大するという問題があった。
【０００６】また、プレス成形の金属製保持器は、樹脂
製保持器ともみ抜きタイプの金属製保持器の中間の特質
を持つ。即ち、金属製のため、機械的な強度の確保が容
易で、高荷重の軸受に適すると共に、製造コストが安価
で、量産にも適する。しかしながら、ポケット内面の複
雑な成形には不向きで、ポケット内面の形状を工夫して
ポケット内での潤滑剤の保持量を向上させることが難し
い。従って、保持器と玉との間の潤滑状態の向上によっ
て軸受性能の向上を図る点では、樹脂製保持器やもみ抜
きタイプの金属製保持器には及ばない。また、機械的強
度を向上させるために、使用する金属板の板厚を増大さ
せると、プレス成形による加工性が低下し、強度の向上
と加工性の向上との両立が難しいという問題もあった。
【０００７】本発明は、上記事情に鑑みて成されたもの
であり、プレス成形の金属製保持器を使用する玉軸受で
あって、プレス成形の保持器における欠点を解消して、
製造コストが安価で量産にも適すると共に、保持器と玉
との間の潤滑状態の向上によって軸受性能を向上させる
ことができ、玉の保持強度の向上によって軸受寿命の向
上を図ることができる玉軸受を提供することを目的とす
る。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、内
外輪間に装備する複数個の玉の軸受周方向の間隔を規制
する保持器が、前記玉を挟んで軸方向に対向配置された
一対のプレス成形板と、該プレス成形板相互を結合する
締結手段とで構成されている玉軸受において、前記プレ
ス成形板は、内外輪間を周回するリング状の金属板母材
に、前記玉の外面との接触で前記玉の位置を規制するポ
ケット用凹部と、前記玉の外面との間に隙間を確保する
ように前記ポケット用凹部の内面の一部を更に凹ませた
補助凹部と、を板厚方向に沿うプレス加工によって形成
したことを特徴とする玉軸受により達成することができ
る。
【０００９】上記構成の玉軸受によれば、ポケット用凹
部の内面の一部に形成した補助凹部は、玉の外周面に付
着してポケット用凹部内に入った潤滑剤を貯留する潤滑
剤溜まりとして機能し、ポケット内での潤滑剤の保持量
を向上させて保持器と玉との間の潤滑状態を向上させ
る。また、補助凹部は、プレス方向がポケット用凹部と
同一方向でよいため、ポケット用凹部と一緒に一回のプ
レス工程で成形することも可能で、生産性の向上を図る
ことができる。従って、ポケット内での潤滑剤の保持量
の向上が難しいという従来のプレス成形の保持器の欠点
が解消され、製造コストが安価で量産にも適すると共
に、保持器と玉との間の潤滑状態の向上によって軸受性
能を向上させることができる。
【００１０】また、上記玉軸受において、好ましくは前
記補助凹部を、軸受周方向に沿って細長い紡錘形にする
ことで、補助凹部が、玉を保持するポケットの壁面の強
度を向上させる補強リブとして機能する。また、プレス
成形による加工性の低下の原因となる金属板母材の板厚
の増加によらずに保持器自体の強度を向上させることが
できるので、強度の向上と加工性の向上とを両立させる
ことができる。従って、上記玉軸受によれば、プレス成
形の保持器において、強度の向上と加工性の向上とを両
立させることができ、玉の保持強度の向上によって軸受
寿命の向上を図ることができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の一実施形態に係る玉軸受を詳細に説明する。図１乃至
図３は本発明に係る玉軸受の一実施形態を示したもの
で、図１は本発明に係る玉軸受の一実施形態の要部の縦
断面図、図２は図１に示したプレス成形の金属製保持器
を構成する一対のプレス成形板の部分斜視図、図３は図
１に示したプレス成形板の正面図で、図１のＡ−Ａ矢視
図である。
【００１２】本実施形態の玉軸受１は、内輪３と外輪５
との間に転動体としての玉７を複数個装備すると共に、
内外輪３，５間の複数個の玉相互の軸受周方向の間隔を
プレス成形によって形成した保持器９によって規制して
いる。保持器９は、玉７を挟んで軸方向に対向配置され
た一対のプレス成形板１１，１２と、これらの一対のプ
レス成形板１１，１２相互を結合する締結手段１４とで
構成されている。
【００１３】各プレス成形板１１，１２は、内外輪３，
５間を周回するリング状の金属板母材に、玉７の外面と
の接触で玉７の位置を規制するポケット用凹部２１と、
玉７の外面との間に隙間を確保するようにポケット用凹
部２１の内面の一部を更に凹ませた補助凹部２３とを、
板厚方向に沿うプレス加工によって形成したものであ
る。
【００１４】本実施形態の場合、ポケット用凹部２１の
内面は、玉７の外面に沿う球面状である。また、補助凹
部２３は、軸受周方向に沿って細長い紡錘形である。
【００１５】各プレス成形板１１，１２の隣接するポケ
ット用凹部２１間は、互いのプレス成形板相互の突き合
わせ部となる平板状の連結用板部２５であり、この連結
用板部２５には、プレス成形板相互の結合に使用する結
合用穴２７がプレス加工によって貫通形成されている。
【００１６】本実施形態の場合、締結手段１４は、軸部
を結合用穴２７に挿通した状態で端部を加締めるリベッ
トである。
【００１７】上述したように本実施形態の玉軸受１によ
れば、保持器９のポケット用凹部２１の内面の一部に形
成した補助凹部２３は、玉７の外周面に付着してポケッ
ト用凹部２１内に入った潤滑剤を貯留する潤滑剤溜まり
として機能する。従って、ポケット内での潤滑剤の保持
量を向上させて保持器９と玉７との間の潤滑状態を向上
させる。また、補助凹部２３は、プレス方向がポケット
用凹部２１と同一方向でよいため、ポケット用凹部２１
と一緒に１回のプレス工程で成形することも可能で、加
工性の低下を招くこともない。従って、製造コストが安
価で量産にも適すると共に、保持器９と玉７との間の潤
滑状態の向上によって軸受性能を向上させることができ
る。
【００１８】また、本実施形態の保持器９の補助凹部２
３は、軸受周方向に沿って細長い紡錘形で、玉７を保持
するポケットの壁面の強度を向上させる補強リブとして
機能する。従って、プレス成形による加工性の低下の原
因となる金属板母材の板厚の増加によらずに保持器９自
体の強度を向上させることができ、強度の向上と加工性
の向上とを両立させることができる。よって、プレス成
形の保持器９における玉７の保持強度の向上によって軸
受寿命の向上を図ることもできる。
【００１９】なお、本発明に係る保持器のポケット用凹
部の内面の具体的な形状は、上記実施形態で示した半球
面状に限るものではなく、半円柱状を始めとする従来の
公知の各種の形態を採用することができる。
【００２０】
【発明の効果】以上説明したように本発明の玉軸受によ
れば、ポケット用凹部の内面の一部に形成した補助凹部
は、玉の外周面に付着してポケット用凹部内に入った潤
滑剤を貯留する潤滑剤溜まりとして機能し、ポケット内
での潤滑剤の保持量を向上させて保持器と玉との間の潤
滑状態を向上させる。また、補助凹部は、プレス方向が
ポケット用凹部と同一方向でよいため、ポケット用凹部
と一緒に１回のプレス工程で成形することも可能で、加
工性の向上を図ることができる。従って、製造コストが
安価で量産にも適すると共に、保持器と玉との間の潤滑
状態の向上によって軸受性能を向上させることができ
る。
【００２１】また、補助凹部は、玉を保持するポケット
の壁面の強度を向上させる補強リブとして機能し、保持
器自体の強度を向上させることができて、強度の向上と
加工性の向上とを両立させることができる。従って、玉
の保持強度の向上によって軸受寿命の向上を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る玉軸受の一実施形態の要部の縦断
面図である。
【図２】図１におけるプレス成形の金属製保持器を構成
する一対のプレス成形板の部分斜視図である。
【図３】図１におけるＡ−Ａ矢視図であり、プレス成形
板の正面図である。
【符号の説明】 １ 玉軸受 ３ 内輪 ５ 外輪 ７ 玉 ９ 保持器 １１，１２ プレス成形板 １４ リベット（締結手段） ２１ ポケット用凹部 ２３ 補助凹部 ２５ 連結用板部 ２７ 結合用穴

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 内外輪間に装備する複数個の玉の軸受周
    方向の間隔を規制する保持器が、前記玉を挟んで軸方向
    に対向配置された一対のプレス成形板と、該プレス成形
    板相互を結合する締結手段とで構成されている玉軸受に
    おいて、 前記プレス成形板は、内外輪間を周回するリング状の金
    属板母材に、前記玉の外面との接触で前記玉の位置を規
    制するポケット用凹部と、 前記玉の外面との間に隙間を確保するように前記ポケッ
    ト用凹部の内面の一部を更に凹ませた補助凹部と、を板
    厚方向に沿うプレス加工によって形成したことを特徴と
    する玉軸受。
  2. 【請求項２】 前記補助凹部は、軸受周方向に沿って細
    長い紡錘形であることを特徴とする請求項１に記載の玉
    軸受。
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