JP2003013948A - センサ付回転支持装置 - Google Patents

センサ付回転支持装置

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JP2003013948A
JP2003013948A JP2001193475A JP2001193475A JP2003013948A JP 2003013948 A JP2003013948 A JP 2003013948A JP 2001193475 A JP2001193475 A JP 2001193475A JP 2001193475 A JP2001193475 A JP 2001193475A JP 2003013948 A JP2003013948 A JP 2003013948A
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Japan
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sensor
ring
rotation speed
peripheral surface
outer ring
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JP2001193475A
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English (en)
Inventor
Toshio Takahashi
利夫 高橋
Ikunori Sakatani
郁紀 坂谷
Koichi Morita
耕一 森田
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/52Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with devices affected by abnormal or undesired conditions
    • F16C19/525Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with devices affected by abnormal or undesired conditions related to temperature and heat, e.g. insulation

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のセンサ45〜47の取り付けスペース
を小さくすると共に、これら複数のセンサ45〜47の
取り付け作業及び点検・修理作業を容易にし、更に、こ
れら各センサ45〜47の良好な性能を長期間に亙り維
持する。 【解決手段】 外輪4の端部に内嵌固定したシールケー
ス17aの一部外周面に、センサユニット44を外嵌固
定する。このセンサユニット44の内周面を、180度
以下の中心角を持った部分円筒形とする。上記センサユ
ニット44を上記シールケース17aに支持した状態
で、上記外輪4の温度上昇を検知し易い、上記センサユ
ニット44の上端部に温度センサ45を設ける。これに
対して、上記外輪4の温度上昇の影響を受けにくい、上
記センサユニット44の下端寄り部分に、回転速度セン
サ46及び振動センサ47を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るセンサ付回転
支持装置は、例えば鉄道車両、自動車等の車輪或は圧延
機等の各種産業機械装置の回転軸を、車体或は支持台等
の固定の部分に回転自在に支持すると共に、剥離や焼き
付き等の異常が発生した場合に、この異常を検出する為
に利用する。
【0002】
【従来の技術】例えば鉄道車両の車輪をこの鉄道車両に
固定した軸受箱に対し回転自在に支持する為に、転がり
軸受ユニットを使用する。又、鉄道車両の走行速度を求
めたり、或は上記車輪が偏摩耗するのを防止する為の滑
走制御を行なう為には、上記車輪の回転速度を検出する
必要がある。更には、上記転がり軸受ユニット部分で異
常が発生してこの転がり軸受ユニットが焼き付くのを防
止する為には、この転がり軸受ユニットの温度を検出す
る必要がある。この為、上記転がり軸受ユニットに回転
速度センサ及び温度センサを組み込んだ、センサ付回転
支持装置により、上記車輪を上記軸受箱に対し回転自在
に支持すると共に、この車輪の回転速度並びに上記転が
り軸受ユニットの温度を検出する事が、近年行なわれる
様になっている。
【0003】図13〜14は、この様な鉄道車両用のセ
ンサ付回転支持装置の従来構造の第1例を示している。
図示しない車輪を支持固定した状態で使用時に回転する
回転軸である車軸1は、使用時にも回転しない軸受箱2
の内径側に、転がり軸受ユニットである複列円すいころ
軸受3により、回転自在に支持されている。この複列円
すいころ軸受3は、互いに同心に配置した外輪4及び1
対の内輪5と、複数個の円すいころ6、6とを備える。
このうちの外輪4は、全体を円筒状に造っており、内周
面に複列の外輪軌道7を有する。これら各外輪軌道7
は、それぞれが円すい凹面状で、上記外輪4の軸方向端
部に向かう程内径が大きくなる方向に傾斜している。
【0004】又、上記1対の内輪5は、それぞれ略短円
筒状に造っており、それぞれの外周面に、円すい凸面状
の内輪軌道8を形成している。これら各内輪5は、互い
の小径側の端面同士を対向させた状態で、上記外輪4の
内径側に、この外輪4と同心に配置している。更に、上
記各円すいころ6、6は、上記各外輪軌道7と上記各内
輪軌道8との間に、それぞれ複数個ずつ、保持器9によ
り保持した状態で転動自在に設けている。
【0005】上述の様な複列円すいころ軸受3のうち、
上記外輪4は、上記軸受箱2に内嵌保持している。図示
の例では、この軸受箱2の内周面の一端(図13の左
端)寄り部分に形成した段部10と、この軸受箱2の他
端部(図13の右端部)に内嵌固定した図示しない抑え
環との間で、上記外輪4を軸方向両側から挟持してい
る。一方、上記各内輪5は、これら両内輪5同士の間に
間座11を挟持した状態で、上記車軸1の一端(図13
の左端)寄り部分に外嵌している。又、上記車軸1の端
部で軸方向外側の内輪5よりも突出した部分には、油切
りと称される環状部材12を外嵌している。又、内側の
内輪の内端面は、別の環状部材を介して、上記車軸1の
中間部に形成した段差面に突き当てている。従って、上
記1対の内輪5が図13の状態よりも上記車軸1の中央
寄り(図13の右寄り)に変位する事はない。そして、
上記車軸1の外端部に形成した雄ねじ部13に螺合した
ナット14により、上記環状部材12を上記外側の内輪
4の外端面に向け抑え付けている。
【0006】又、上記車軸1の一端面には、鋼材等の磁
性金属材料により、断面L字形で全体を円輪状に形成し
たエンコーダ19を、複数本のボルト20、20によ
り、上記車軸1と同心に結合固定している。上記エンコ
ーダ19に設けた外向フランジ状の円輪部21の外周縁
には、凹部と凸部とを、円周方向に関して交互に且つ等
間隔で形成して、この外周縁部分の磁気特性を円周方向
に関して交互に且つ等間隔で変化させている。
【0007】又、前記軸受箱2の一端開口は、この軸受
箱2の一端部に固定したカバー22により塞いでいる。
このカバー22は、合成樹脂若しくは金属材料により全
体を有底円筒状に形成しており、円筒部23と、この円
筒部23の一端(図13の左端)開口を塞ぐ底板部24
と、この円筒部23の他端(図13の右端)寄り部分の
外周面に設けた外向フランジ状の取付部25とを備え
る。この様なカバー23は、上記円筒部23の他端部を
上記軸受箱2の一端部に内嵌すると共に、上記取付部2
5をこの軸受箱2の一端面に突き当てた状態で、この取
付部25を上記軸受箱2の一端面に図示しないボルトで
固定する事により、上記軸受箱2の一端開口部を塞いで
いる。
【0008】又、上記円筒部23の一部で、上記エンコ
ーダ19の円輪部21の外周縁に直径方向に関して対向
する部分に、上記円筒部23の内外両周面を直径方向に
貫通するセンサ取付孔26を形成している。そして、こ
のセンサ取付孔26に回転速度センサ27を挿入し、こ
の回転速度センサ27の先端面(図13の下端面)に設
けた検出部を、上記円輪部21の外周縁に設けた被検出
部に、微小隙間を介して対向させている。一方、上記軸
受箱2の中間部で前記外輪4の周囲に位置する部分に
は、センサ取り付け用凹孔28を形成している。そし
て、このセンサ取り付け用凹孔28に、温度センサ29
を装着している。
【0009】上述の様に構成するセンサ付回転支持装置
の場合、運転時に車輪を支持固定した車軸1と共にエン
コーダ19が回転すると、このエンコーダ19の被検出
部を構成する凹部と凸部とが、上記回転速度センサ27
の先端面に設けた検出部の近傍を交互に通過する。この
結果、このセンサ27内を流れる磁束の密度が変化し、
このセンサ27の出力が変化する。この様にして回転速
度センサ27の出力が変化する周波数は、上記車輪の回
転速度に比例する。従って、上記回転速度センサ27の
出力を図示しない制御器に送れば、上記車輪の回転速度
を検出でき、更には鉄道車両の滑走制御を適切に行なえ
る。
【0010】又、前記複列円すいころ軸受3の回転抵抗
が、何らかの原因で異常に上昇し、上記複列円すいころ
軸受3の温度が上昇すると、上記温度センサ29が、こ
の温度を検知する。この様にしてこの温度センサ29が
検知した温度信号は、やはり図示しない制御器に送り、
この制御器が、運転席に設置した警告灯を点灯させる等
の警報を発する。この様な警報が出された場合、運転手
が緊急停止等の措置を講ずる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成し作用
する従来構造の場合、回転速度センサ27及び温度セン
サ29を、カバー22或は軸受箱2に対し互いに独立し
て支持固定している為、これら各センサ27、29の装
着作業が面倒なだけでなく、これら各センサ27、29
からの信号取り出しも面倒になる。即ち、上記回転速度
センサ27は取付フランジ30aを挿通した複数本のボ
ルト31a、31aにより上記カバー22に固定し、ハ
ーネス32aにより信号を取り出す様にしているのに対
して、上記温度センサ29は別の取付フランジ30bを
挿通した複数本のボルト31b、31bにより上記軸受
箱2に固定し、ハーネス32bにより信号を取り出す様
にしている。
【0012】この為、上記各センサ27、29の取り付
けスペースが嵩む他、取り付け作業が面倒になり、上記
各ハーネス32a、32bの取り回しも面倒になる。
又、上記回転支持装置に組み込むセンサの数は増える傾
向にある。そして、センサの数が増えれば、上述した様
な問題が一層顕著になる。
【0013】又、特開2000−43723号公報に
は、センサの取り付け作業や、保守.点検作業を容易に
行なう為に考えられたセンサ付回転支持装置が記載され
ている。この公報に記載されたセンサ付回転支持装置
は、使用時にも回転しない外輪と、この外輪の軸方向一
端部に内嵌固定した接続部材と、上記外輪の内径側に複
数個の円すいころを介して設けた、使用時に回転する内
輪と、全体を環状又は環状に近い形状に形成し、温度セ
ンサや回転速度センサ等の各種センサを一部に支持した
センサユニットとを備える。そして、上記外輪のうちで
最も温度が上昇し易いこの外輪の上端部付近に上記セン
サを位置させる状態で、上記接続部材の一部外周面に、
上記センサユニットを外嵌固定している。
【0014】但し、この様な従来構造の第2例のセンサ
付回転支持装置の場合、上記センサユニットの全体を、
環状又は環状に近い形状に形成している為、このセンサ
ユニットを上記接続部材の外周面に、この接続部材より
も軸方向に外れた空間から軸方向に取り付ける必要があ
る。上記センサユニットを、上記接続部材の外周面に、
この接続部材の外径側の空間から径方向に取り付ける事
は難しい。この為、上記接続部材の軸方向両側に、別の
部品が存在して、取り付け作業の途中で、この接続部材
よりも軸方向に外れた空間に上記センサユニットを配置
できない場合には、この別の部品の構造を変更しない限
り、上記センサユニットを装着できなくなる。
【0015】又、複数のセンサの総てを、上記センサユ
ニットの一部で互いに近い部分に支持した場合には、こ
れら複数のセンサを支持したセンサユニットの一部の容
積が大きくなる。この為、このセンサユニットを設ける
べき部分の周囲に存在する部品の構造によっては、この
部品を従来品から変更しない限り、センサユニットを装
着する事ができない可能性がある。この場合には、セン
サ付回転支持装置全体のコストが嵩む原因となる。又、
上述した従来構造の第2例の場合、外輪の温度が最も上
昇し易い、この外輪の上端部付近に、センサを設けてい
る。この為、このセンサが温度センサである場合には、
軸受部分の異常検出の精度を向上できると考えられる
が、上記センサが温度センサ以外の回転速度センサ等で
ある場合には、このセンサに、温度センサ以外のセンサ
では本来必要としない十分な耐熱性を持たせる事が必要
になる。但し、この様に温度センサ以外のセンサに十分
な耐熱性を持たせる事は、構造上難しい場合がある。そ
して、従来から一般的に使用されている温度センサ以外
のセンサをそのまま組み込んで使用した場合には、この
センサが熱劣化して、このセンサの良好な性能を確保で
きない可能性がある。又、温度センサ以外のセンサに十
分な耐熱性を持たせる場合には、このセンサのコストが
上昇して、センサ付回転支持装置全体のコストが嵩む原
因となる。本発明のセンサ付回転支持装置は、この様な
事情に鑑みて発明したものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のセンサ付回転支
持装置は、互いに相対回転する外輪と内輪とを有し、こ
れら外輪と内輪とのうちの一方が回転輪であり他方が固
定輪であって、これら外輪の内周面に形成された外輪軌
道と内輪の外周面に形成された内輪軌道との間に転動自
在に設けられた複数個の転動体と、上記回転輪又はこの
回転輪と共に回転する部分に支持されてこの回転輪と共
に回転する回転部材と、この回転部材の一部に上記回転
輪と同心に配置され、円周方向に関して特性を交互に変
化させた被検出部と、上記固定輪又はこの固定輪に支持
された固定側支持部材の外周面にその内周面を突き当て
た状態で保持されたセンサユニットとを備える。そし
て、このセンサユニットは、上記固定輪又は固定側支持
部材の周方向に関する内周面の形状が、180度以下の
中心角を持った部分円筒形であるセンサホルダと、この
センサホルダの一部で周方向に関して互いに離れた部分
にそれぞれ支持された温度センサと回転速度センサとを
備えたものである。そして、上記センサユニットを上記
固定輪又は固定側支持部材の外周面に保持した状態で、
上記回転速度センサの検出部が上記被検出部に対向して
いる。
【0017】又、請求項2に記載したセンサ付回転支持
装置の場合には、上記センサホルダの少なくとも上記温
度センサを支持した部分が、熱伝導性が良好な材料によ
り造られている。更に、請求項3に記載したセンサ付回
転支持装置の場合には、上記センサホルダの一部で上記
温度センサと離れた部分に、振動センサを支持してい
る。
【0018】
【作用】上述の様に構成する本発明のセンサ付回転支持
装置の場合には、複数のセンサの取り付けスペースを小
さくできると共に、これら複数のセンサの取り付け作業
及び点検・修理作業を容易に行なえる。又、センサホル
ダの内周面の形状を、180度以下の中心角を持った部
分円筒形としている為、センサユニットを固定輪又は固
定側支持部材の外周面に、径方向に関して外側から内側
に移動させて取り付ける事ができる。この為、取り付け
作業の途中で、上記センサユニットを取り付けるべき部
分よりも軸方向に外れた空間に、このセンサユニットを
配置できない場合でも、このセンサユニットを取り付け
るべき部分の周囲に存在する部品の構造を変更する事な
く、このセンサユニットを容易に取り付ける事ができ
る。又、温度センサと回転速度センサとを、円周方向に
離れた位置に設ける為、このうちの温度センサを、上記
固定輪のうちで温度が最も上昇し易い部分若しくはその
付近に設けると共に、回転速度センサを、上記固定輪の
うちで温度が上昇しにくい部分若しくはその付近に設け
る事ができる。この為、上記温度センサによる軸受部分
の異常検出の精度向上を図れると共に、上記回転速度セ
ンサの耐熱性を特に高くしなくても、この回転速度セン
サの良好な性能を長期間に亙り維持できる。又、温度セ
ンサと回転速度センサとを、センサホルダの一部で円周
方向に関して互いに離れた部分に設けている為、上記セ
ンサホルダの一部で上記各センサを支持した部分の容積
を小さくできる。この為、上記センサユニットの周囲の
部品の従来品との共通化を図り易くなる。又、上記各セ
ンサから出力信号を取り出す為のケーブルやハーネスの
取り回しを容易に行なえると共に、このケーブルやハー
ネスの耐久性を十分に確保できる。
【0019】又、請求項2に記載したセンサ付回転支持
装置によれば、温度センサによる軸受部分の異常検出の
精度を更に向上させる事ができる。更に、請求項3に記
載したセンサ付回転支持装置によれば、軸受部分の異常
検出の精度向上を図れると共に、振動センサの性能を長
期間に亙って良好に維持できる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1〜6は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。図示しない車輪を支持固定した
状態で使用時に回転する回転軸である車軸1は、使用時
にも回転しない鞍状部材33の下側に、複列円すいころ
軸受3により回転自在に支持している。この複列円すい
ころ軸受3は、互いに同心に配置した外輪4及び1対の
内輪5、5と、それぞれが転動体である複数個の円すい
ころ6、6とを備える。このうちの外輪4は、全体を円
筒状に造っており、内周面に複列の外輪軌道7、7を有
する。これら各外輪軌道7、7は、それぞれが円すい凹
面状で、上記外輪4の軸方向端部に向かう程内径が大き
くなる方向に、互いに逆方向に傾斜している。
【0021】又、上記1対の内輪5、5は、それぞれ略
短円筒状に造っており、それぞれの外周面に、円すい凸
面状の内輪軌道8を形成している。これら各内輪5、5
は、互いの小径側の端面同士を対向させると共にこれら
両端面同士の間に短円筒状の間座11を挟持した状態
で、上記外輪4の内径側に、この外輪4と同心に配置し
ている。更に、上記各円すいころ6、6は、上記各外輪
軌道7、7と上記各内輪軌道8、8との間に、それぞれ
複数個ずつ、保持器9、9により保持した状態で転動自
在に設けている。
【0022】上述の様な複列円すいころ軸受3のうち、
上記外輪4の上半部は、上記鞍状部材33の下側に内嵌
している。軸受ハウジングであるこの鞍状部材33は、
全体を半円筒状に形成している。そして、この鞍状部材
33の軸方向両端部の内周面に、それぞれが全周に亙り
内径側に突出する1対の内向鍔部34、34を形成して
いる。又、上記鞍状部材33の上面と、この鞍状部材3
3の上方に設けた図示しない台車の下面との間に、半円
筒形の軸ゴム35を設けている。この台車は、図示しな
い車体の下方に設けている。上記軸ゴム35は、上記車
軸1に生じる振動を吸収する役目を果たす。又、上記台
車の下面で上記軸ゴム35の軸方向両端部に位置する部
分に、それぞれが略半円形である1対の抑え金36、3
6を固定しており、これら両抑え金36、36により、
上記軸ゴム35が上記台車に対し軸方向(図1の左右方
向)に変位するのを防止している。そして、本例の場合
には、鉄道車両の車体から上記外輪4に、上記軸ゴム3
5、鞍状部材33等を介して十分に大きい荷重が加わっ
て、この鞍状部材33の内周面と上記外輪4の外周面と
の間に十分に大きい摩擦力が作用する為、この外輪4が
上記鞍状部材33に対して回転する事が防止される。
又、本例の場合には、上記外輪4の上端部から上記各内
輪5、5の上端部に大きいラジアル荷重が作用し、この
上端部が前記複列円すいころ軸受3の負荷圏となる為、
上記外輪4の上端部が、この外輪4のうちで使用時に温
度が最も上昇し易い部分になる。
【0023】一方、上記各内輪5、5及びこれら両内輪
5、5同士の間に挟持した上記間座11は、上記車軸1
の一端(図1の左端)寄り部分に外嵌固定している。上
記各内輪5、5及び間座11を上記車軸1の端部に固定
する為に、上記車軸1の端部には、軸方向に離隔させ
た、それぞれが油切りと称される環状部材12a、12
aを外嵌している。このうち、上記車軸1の軸方向内寄
り部分(図1の右端寄り部分)に外嵌した環状部材12
aは、この車軸1の軸方向内端寄り部分に形成した段部
37に突き当てる状態で固定した、別の環状部材12b
の端面に突き当てて、上記車軸1の軸方向内側(図1の
右側)への変位を阻止している。これに対してこの車軸
1の軸方向外寄り部分(図1の左端寄り部分)に外嵌し
た環状部材12aは、この車軸1の端面にボルト38、
38により固定した、請求項1に記載した回転部材に相
当する、エンドキャップ39により抑え付けて、上記車
軸1から抜け出る方向への変位を阻止している。上記エ
ンドキャップ39は、全体を鋼材等の磁性金属材料によ
り形成している。そして、上記各内輪5、5及び間座1
1は、上述の様にして上記車軸1の端部に固定した1対
の環状部材12a、12aにより軸方向両側から挟持し
て、上記車軸1の端部に固定している。
【0024】一方、上記外輪4の軸方向両端部には、そ
れぞれ軟鋼板等の金属板を断面クランク形で全体を略円
筒状に形成して成る1対のシールケース17a、17b
の端部を、締り嵌めにより内嵌固定している。そして、
これら両シールケース17a、17bの内周面と上記各
環状部材12a、12aの外周面との間にオイルシール
18、18を、それぞれ設ける事により、前記複数個の
円すいころ6、6を設置した内部空間40の両端開口部
を塞いでいる。即ち、上記各オイルシール18、18
は、それぞれが軟鋼板を断面L字形で全体を円環状に形
成して成る1対の支持環41a、41bを有する。又、
これら1対の支持環41a、41bのうち、一方の支持
環41aの内周縁部に弾性材42を、全周に亙り添設し
ている。そして、これら各弾性材42の先端縁を上記各
環状部材12a、12aの外周面に摺接させている。こ
の構成により、上記内部空間40内に封入した潤滑用の
グリースが外部に漏洩するのを防止すると共に、外部か
らこの内部空間40内に雨水や塵芥等の異物が進入する
のを防止している。
【0025】又、上記エンドキャップ39の先端面で、
上記1対のシールケース17a、17bのうち、外側
(図1の左側)のシールケース17aの周囲空間に対向
する部分に、車輪の回転速度を検出する為の被検出部4
3を設けている。本例の場合には、この被検出部43を
構成する為に、上記エンドキャップ39の先端面に、複
数の凹部と凸部とを、円周方向に関して交互に且つ等間
隔で形成して、この先端面部分の磁気特性を、円周方向
に関して交互に且つ等間隔で変化させている。尚、上記
エンドキャップ39の先端面に凹部と凸部とを形成せ
ず、その代わりに、円環状に形成したゴム磁石を、上記
エンドキャップ39の先端部に固定して、このゴム磁石
の側面を回転速度検出の為の被検出部とする事もでき
る。この場合、このゴム磁石は、軸方向に着磁すると共
に着磁方向を円周方向に関して交互に且つ等間隔で変え
る事により、その側面にS極とN極とを交互に且つ等間
隔で配置する。又、上記エンドキャップ39の先端部
に、全体を円環状に形成した磁性金属板を固定すると共
に、この磁性金属板の側面に複数の通孔や切り欠きを、
円周方向に関して等間隔で形成して、この磁性金属板の
側面の磁気特性を円周方向に関して交互に且つ等間隔で
変化させる事もできる。この場合には、この磁性金属板
の側面が、回転速度検出の為の被検出部となる。但し、
本例の様に、エンドキャップ39の先端面に設けた凹部
と凸部とにより、回転速度検出の為の被検出部43を構
成する場合には、センサ付回転支持装置のコスト低減と
小型・軽量化とを図れる。
【0026】特に、本発明の場合には、前記外側のシー
ルケース17aの外周面で前記外輪4の外端面から突出
した部分の一部に、センサユニット44を支持固定して
いる。このセンサユニット44は、全体を円弧状に形成
したセンサホルダ55と、このセンサホルダ55にそれ
ぞれ支持した、温度センサ45と、回転速度センサ46
と、振動センサ(加速度センサ)47とを備える。この
うちのセンサホルダ55は、本体部分48と、この本体
部分48の基端部両側に設けた、互いの長さが大きく異
なる1対の支持腕部49a、49bとから成る。そし
て、これら各支持腕部49a、49bの厚さを、必要と
する最小限の強度を確保しつつ、十分に小さくしてい
る。又、これら各支持腕部49a、49bと上記本体部
分48とから成る上記センサホルダ55の、円周方向に
関する内周面の形状を、上記シールケース17aの外周
面と同じ曲率を有し、180度以下(図示の例の場合は
約170度)の中心角θ(図5)を持った、単一の部分
円筒状としている。そして、上記センサホルダ55の内
周面を、上記外側のシールケース17aの外周面の一部
に密接自在としている。又、図6に示す様に、上記1対
の支持腕部49a、49bのうち、長い方の支持腕部4
9aの内周面の幅方向片側(図1、3、4、6の左側、
図2、5の表側)に溝部54を、上記支持腕部49aの
円周方向に関し、ほぼ全長に亙り形成している。尚、本
例の場合には、上記外側のシールケース17aが、請求
項に記載した固定側支持部材に相当する。
【0027】上記本体部分48には、上記回転速度セン
サ46及び振動センサ47を、それぞれ包埋支持してい
る。このうちの回転速度センサ46は、従来から一般的
に知られているものと同様に、磁気抵抗素子、ホール素
子、永久磁石と磁気コイルとの組み合わせ等、磁束の密
度或は方向の変化に対応して出力を変化させるものを使
用する。この様な回転速度センサ46は、上記本体部分
48の基端寄り部分に包埋支持し、その検出面を上記本
体部分48の外側(図1、3の左側)に向けている。こ
れに対して、上記振動センサ47は、上記本体部分48
の一部で、上記回転速度センサ46と干渉しない部分に
包埋支持している。要は、上記振動センサ47は、前記
センサユニット44を前記外側のシールケース17aの
一部に支持固定した状態で、前記外輪4から上記センサ
ユニット44に伝わる振動を検出できる位置に保持すれ
ば良い。尚、本例の場合には、上記振動センサ47の検
出方向を前記車軸1の径方向に一致させている。この
為、本例の場合には、この径方向の振動を効率良く(精
度良く)検出できる。又、本例の場合には、複列円すい
ころ軸受3を組み込んでおり、複数の円すいころ6、6
の転動面と外輪軌道7及び内輪軌道8とが所定の接触角
を持って接触している。この為、軸方向の振動が上記各
円すいころ6、6の動きに基づいて上記外輪4に、径方
向の振動を生じさせる。そして、この様にして外輪4に
伝わった振動も、本例でその検出方向をこの外輪4の径
方向に一致させた、上記振動センサ47により検出する
事ができる。又、本例の場合と異なり、上記振動センサ
47の検出方向を上記車軸1の軸方向に一致させた状態
で配置する事もできる。この場合には、上記外輪4の軸
方向の振動だけでなく、径方向の振動も、上記各円すい
ころ6、6の動きに基づいて、上記1個の振動センサ4
7により検出できる。又、この複列円すいころ軸受3の
軸方向及び径方向の振動をより精度良く検出する為に、
2個の振動センサを設けて、それぞれの検出方向を、上
記車軸1の径方向と軸方向とに一致させる事もできる。
更に、本発明の場合には、上記長い方の支持腕部49a
の先端寄り部分の内径側部分に、前記温度センサ45を
支持している。この温度センサ45は、例えば、銅とコ
ンスタンタンとの組み合わせから成る熱電対や、サーミ
スタ等、十分な耐熱性を有するものを使用する。更に、
上記1対の支持腕部49a、49bのうち、短い方の支
持腕部49bの中間部と、上記長い方の支持腕部49a
の長さ方向複数個所とに、それぞれ径方向に貫通する通
孔50、50を形成している。
【0028】そして、上記外側のシールケース17aの
円周方向複数個所に形成したねじ孔51、51と上記各
支持腕部49a、49bに設けた複数の通孔50、50
とを、それぞれ整合させた状態で、上記センサユニット
44の内周面を上記外側のシールケース17aの一部外
周面に密接させている。そして、この状態で、上記各支
持腕部49a、49bの外径側から上記各通孔50、5
0を挿通した複数のねじ52、52を上記各ねじ孔5
1、51に螺合し、更に緊締する事により、上記センサ
ユニット44を上記外側のシールケース17aに固定し
ている。
【0029】この状態で、上記一方の支持腕部49aの
先端部に支持した温度センサ45は、上記外側のシール
ケース17aの上端部付近に位置させている。即ち、上
記温度センサ45を、前記外輪4のうちで最も温度が上
昇し易い部分である、この外輪4の上端部付近に、図2
に示す様に支持している。一方、上記回転速度センサ4
6及び振動センサ47を包埋支持した本体部分48は、
上記外側のシールケース17aの中心軸を含む上下方向
の仮想平面α(図2)に関して片側(図2の左側)の下
端寄り部分に、上下方向に対し傾斜する方向に設けてい
る。そして、上記回転速度センサ46の検出面を、前記
エンドキャップ39の先端面部分に設けた前記被検出部
43に、微小隙間を介して近接対向させている。
【0030】又、上記温度センサ45には、この温度セ
ンサ45から出力信号を取り出すべく、フレキシブルプ
リント配線板53の導体の一端を接続している。そし
て、このフレキシブルプリント配線板53を上記溝部5
4の内周面に貼着している。このフレキシブルプリント
配線板53の導体の他端は、上記本体部分48内に設け
た導線56に接続すると共に、この導線56を、上記回
転速度センサ46及び振動センサ47からの出力信号を
取り出す為の導線(図示せず)と一緒に束ねて、上記本
体部分48の先端面から導出する1本のケーブル57と
している。そして、このケーブル57の端部を、図示し
ない制御器に接続している。上記各センサ45〜47か
らの出力信号は上記制御器に送られて、滑走制御や警報
を発する等の制御を行なう為に利用される。
【0031】尚、上記温度センサ45の出力信号を取り
出す為に、上述の様なフレキシブルプリント配線板では
なく、外側をエナメル等の絶縁材により被覆した被覆線
等を使用する事もできる。この場合、この被覆線等は、
上記一方の支持腕部49aの内周面に設けた凹溝内に配
設したり、この凹溝内に設けた状態で、エポキシ樹脂や
接着材等を充填して、上記凹溝内から上記被覆線等が外
れるのを防止する事が好ましい。但し、図示の例の様
に、フレキシブルプリント配線板53を使用した場合に
は、このフレキシブルプリント配線板53の厚さを十分
に小さくできる為、上記一方の支持腕部49aで必要と
する強度を確保しつつ、この一方の支持腕部49aの径
方向の厚さを十分に小さくできる。
【0032】又、上記温度センサ45の温度検出性能を
向上させる為には、上記センサユニット44を構成する
センサホルダ55の熱伝導率が良い事、及び、このセン
サホルダ55の温度が短時間で周囲温度に達する様にす
べく、このセンサホルダ55の熱容量が小さい事が必要
である。従って、このセンサホルダ55の材質として
は、熱伝導率が大きく、単位体積当たりの熱容量が小さ
いものが適している。具体的には、上記センサホルダ5
5の材質として、アルミニウム、マグネシウム、銅、亜
鉛等や、これらの合金を使用する事が望ましい。但し、
やや温度検出性能を劣化させるが、ステンレス鋼や合成
樹脂、ゴム等のうちから選択される、十分な耐熱性を有
する材料により造る事も可能である。但し、合成樹脂や
ゴムを使用する場合には、前記振動センサ47を上記セ
ンサホルダ55の内周面に近い部分に設置する等によ
り、前記外輪4とこの振動センサ47との間に介在す
る、合成樹脂やゴム等の剛性が低い材料を少なく抑え
て、上記外輪4の振動を上記振動センサ47に伝わり易
くする。
【0033】又、本例の場合には、前記外側のシールケ
ース17aの外周面の下半部で、径方向に関して互いに
ほぼ反対側の2個所位置に1対の杆状部材58、58
を、それぞれ径方向外側に突出する状態で設けている。
尚、これら1対の杆状部材58、58のうち、一方(図
2の左方)の杆状部材58を設ける位置と整合する、上
記一方の支持腕部49aの一部には、図示しない切り欠
き又は通孔を形成している。そして、この切り欠き又は
通孔により、上記一方の杆状部材49aの基端部と上記
一方の支持腕部49aとの干渉を防止している。そし
て、上記外側のシールケース17aの端部を前記外輪4
の軸方向端部に内嵌固定した状態で、上記各杆状部材5
8、58の外周面の一部を前記鞍状部材33の軸方向一
端部(図1、3の左端部)の下端面に対向させている。
【0034】上述の様に構成する本発明のセンサ付回転
支持装置は、次の様にして、図示しない台車と車軸1と
の間に組み付ける。先ず、1対の車輪を固定した上記車
軸1の一端寄り部分に、複列円すいころ軸受3と、前記
各間座12a、12bと、各シールケース17a、17
bと、各オイルシール18、18とを装着する。次い
で、上記車軸1の端面に前記エンドキャップ39を、複
数のボルト38、38により結合固定する。そして、前
記各支持腕部49a、49bに設けた各通孔50、50
と上記外側のシールケース17aに設けた各ねじ孔5
1、51とを整合させた状態で、この外側のシールケー
ス17aの外周面の一部に前記センサユニット44を、
この外側のシールケース17aの径方向外側から内側に
変位させて突き当てる。そして、上記各通孔50、50
を通じて上記各ねじ孔51、51に複数のねじ52、5
2を螺合し、更に緊締して、上記一方のシールケース1
7aに上記センサユニット44を結合固定する。そし
て、この状態で、前記温度センサ45を前記外輪4の上
端部付近に、前記本体部分48を上記外輪4の下端寄り
部分付近に、それぞれ位置させる。次いで、円すいころ
軸受3を構成する外輪4の上半部に鞍状部材33を載
せ、更にこの鞍状部材33の上側に、軸ゴム35及び台
車を設置する。そして、この台車の上側に、鉄道車両の
車体を載せる。
【0035】上述の様に構成する本発明のセンサ付回転
支持装置の場合には、単一のセンサユニット44に温度
センサ45と回転速度センサ46と振動センサ47とを
保持している為、これら複数のセンサ45〜47の取り
付けスペースを小さくできると共に、これら複数のセン
サ45〜47の取り付け作業及び点検・修理作業を容易
にできる。又、これら各センサ45〜47の出力信号を
取り出す為の導線を一緒に束ねて、1本のケーブル57
とする事ができる為、このケーブル57の取り回しが容
易になる。
【0036】又、本発明の場合には、上記センサユニッ
ト44の内周面の形状を、180度以下の中心角θを持
った単一の部分円筒形としている為、このセンサユニッ
ト44を前記外側のシールケース17aの外周面に、径
方向外側の空間から径方向内側に変位させつつ取り付け
る事ができる。この為、取り付け作業の途中で、上記セ
ンサユニット44を取り付けるべき外側のシールケース
17aのよりも軸方向に外れた部分に、上記センサユニ
ット44を配置できる空間を確保できない場合でも、こ
のセンサユニット44を取り付けるべき部分の周囲に存
在する部品の構造を変更する事なく、このセンサユニッ
ト44を上記外側のシールケース17aに容易に取り付
ける事ができる。
【0037】又、本発明の場合には、センサホルダ55
の一部で、円周方向に関して互いに大きく離れた位置
に、温度センサ45と、回転速度センサ44及び振動セ
ンサ49とを、それぞれ支持している。この為、本例の
様に、上記温度センサ45を、上記外輪4のうちで温度
が最も上昇し易い、この外輪4の上端部付近に設けると
共に、上記回転速度センサ44及び振動センサ47を、
上記外輪4のうちで温度が上昇しにくい、この外輪4の
下端寄り部分の付近に設ける事ができる。従って、本発
明によれば、上記温度センサ45による複列円すいころ
軸受3の異常検出の精度向上を図れると共に、上記回転
速度センサ46及び振動センサ47に十分な耐熱性を有
するものを使用する事なく、これら各センサ46、47
の良好な性能を長期間に亙り維持できる。
【0038】又、上記温度センサ45以外の回転速度セ
ンサ46と振動センサ47とを、上記センサホルダ55
の一部で、このセンサホルダ55の長さ方向に関して上
記温度センサ45と大きく離れた部分に支持している
為、上記センサホルダ55の一部で、上記温度センサ4
5を支持する部分の容積を小さくできる。この為、上記
温度センサ45を支持する、一方の支持腕部49aの先
端部の厚さを小さくできて、鞍状部材33等、この先端
部の周囲に存在する部品の従来品との共通化を図り易く
なる。又、上記各センサ45〜47から出力信号を取り
出す為のケーブル57の端部を、外輪4の温度上昇の影
響を受けにくい、上記センサホルダ55の下端寄り部分
から導出している為、このケーブル57を熱劣化しにく
くして、このケーブル57の耐久性を十分に確保でき
る。
【0039】更に、本発明の場合には、上記センサユニ
ット44の内周面形状の中心角θを180度以下として
いる為、センサを支持した部材を円環状又は円環状に近
い形状にする、前述した従来構造の第2例の場合より
も、センサユニット44の材料費の低減を図れる。又、
本例の場合には、上記センサユニット44を構成する各
支持腕部49a、49bの厚さを、必要とする最小限の
強度を確保しつつ、十分に小さくしている。この為、こ
れら各支持腕部49a、49bを変形させるのに要する
力を小さくできて、前記外側のシールケース17aの外
周面に対する上記各支持腕部49a、49bの内周面の
密着性を向上できる。又、本例の場合には、センサユニ
ット44の全体を円弧状に形成すると共に、1対の支持
腕部49a、49bに設けた通孔50、50を挿通した
複数のねじ52、52により、上記センサユニット44
を前記外側のシールケース17aに固定している。この
為、この外側のシールケース17aに対する上記センサ
ユニット44の固定を確実に行なえると共に、使用時に
鉄道車両の走行に伴いこのセンサユニット44が振動し
た場合でも、このセンサユニット44を上記外側のシー
ルケース17aから外れる事を十分に防止できる。
【0040】尚、本例の場合と異なり、上記外側のシー
ルケース17aに上記センサユニット44を固定する為
に複数のねじ52、52を使用せず、これら両部材17
a、44同士を接着剤により結合する事もできる。又、
これら両部材17a、44同士を接着剤により結合した
上で、更に、本例と同様に複数のねじ52、52をねじ
孔51、51に螺合・緊締する事により、これら両部材
17a、44同士をより確実に結合する事もできる。
又、前記温度センサ45や、この温度センサ45の付近
に位置するセンサホルダ55の一部内周面と、上記外側
のシールケース17aの外周面との間に、良好な熱伝導
性を有するペースト材を介在させる事で、上記温度セン
サ45により前記外輪4の温度を、上記外側のシールケ
ース17aを介して、より検出し易くする事もできる。
【0041】尚、本例の場合には、上記外側のシールケ
ース17aの外周面の下半部の2個所位置に1対の杆状
部材58、58を突出する状態で設けると共に、これら
各杆状部材58、58の外周面の一部を前記鞍状部材3
3の軸方向一端部の下端面に対向させている。従って、
本例のセンサ付回転支持装置の使用時に、上記外輪4と
外側のシールケース17aとのうちの一方又は双方が、
上記鞍状部材33の内側で、万が一、回転する傾向とな
った場合でも、上記各杆状部材58、58の何れかが上
記鞍状部材33の一部に当接する事により、上記シール
ケース17aがそれ以上回転するのを防止できる。この
為、この外側のシールケース17aに固定したセンサユ
ニット44に接続したケーブル57に無理な力が加わっ
て、このケーブル57が破損したり、切断するのを防止
できる。
【0042】本発明のセンサ付回転支持装置の構造は上
述の通りであるが、本発明ではセンサとして、回転速度
センサ46だけでなく、温度センサ45及び振動センサ
47も設けている為、本発明のセンサ付回転支持装置と
コンパレータ(比較手段)及び閾値設定回路(閾値設定
手段)とを組み合わせる事により、運転速度が低速から
高速まで頻繁に変化する、前記複列円すいころ軸受3の
異常検出を、高い信頼性で行なえる。次に、この異常検
出の有無を判定する為の判定回路の5例に就いて説明す
る。
【0043】先ず、図7に示す判定回路の第1例は、回
転速度センサ46の検出信号により得られる、複列円す
いころ軸受3に支持された車軸1(図1〜3)の回転速
度と、温度センサ45の検出信号により得られる上記複
列円すいころ軸受3の温度とから、この複列円すいころ
軸受3の異常の有無を判定するものである。この第1例
では、上記回転速度センサ46の検出信号を処理する回
転速度検出回路59で得られた、上記車軸1の回転速度
に関する値を表す速度信号によって、閾値設定回路60
により異常検出用の閾値を決定する。そして、この閾値
と、上記温度センサ45から送られてくる温度信号とを
コンパレータ61により比較し、この比較の結果を表す
信号を軸受異常判定回路62により判定して、上記複列
円すいころ軸受3の異常の有無を判定する。そして、異
常がある場合には、ブザー、警告灯等の警報器63に信
号を送って、この警報器63を作動させ、運転者や作業
者等に異常発生を知らせる警報を発する。この様な第1
例の判定回路の場合には、上記回転速度センサ46の検
出信号により求められる、上記車軸1の回転速度の変化
に従って、異常検出用の温度の閾値を順次変更できる事
により、高速回転時だけでなく、低速回転時に発生する
複列円すいころ軸受3の異常を検出する事が可能とな
る。
【0044】即ち、一般に複列円すいころ軸受3を含む
転がり軸受ユニットの運転時の温度は、回転速度が高い
程上昇する。この為、温度センサの検出信号のみで上記
複列円すいころ軸受3等の転がり軸受ユニットの異常の
有無を判定しようとした場合には、予想される最高回転
数時での温度に合わせて、異常検出用の閾値を設定する
必要がある。この為、低速回転時に於ける上記複列円す
いころ軸受3等の転がり軸受ユニットの異常の検知が難
しかった。これに対して本例の判定回路を使用すれば、
その時の回転速度に合わせて異常検出用の閾値を順次変
更する事ができるので、温度による異常検出を高い信頼
性で行なえる。尚、上述の図7に示した様な判定回路に
於いて、上記回転速度検出回路59、閾値設定回路6
0、コンパレータ61、軸受異常判定回路62等は、A
/Dコンバータやマイクロプロセッサ、DSP(デジタ
ルシグナルプロセッサ)等を使用した回路により、ソフ
トウェア処理する事も可能である。
【0045】次に、図8に示す判定回路の第2例は、回
転速度センサ46の検出信号により得られる、複列円す
いころ軸受3に支持された車軸1の回転速度と、振動セ
ンサ47の検出信号により得られるこの複列円すいころ
軸受3の振動とから、この複列円すいころ軸受3の異常
の有無を判定するものである。この第2例の判定回路の
場合には、上記振動に関する異常検出用の閾値を、上記
回転速度センサ46の検出信号に基づいて得られる速度
信号に応じて設定し、この閾値と上記振動センサ47か
らの信号をコンパレータ61aで比較して、上記複列円
すいころ軸受3の異常の有無を判定する様に構成してい
る。この様な本例の判定回路の場合には、上記車軸1の
回転速度の変化に伴って、上記振動に関する異常検出の
閾値を順次変更する事により、低速回転時に於ける上記
複列円すいころ軸受3の異常振動を検出する事が可能と
なり、この複列円すいころ軸受3内部の転がり接触面に
生じた僅かな剥離も早期に検出する事ができる。
【0046】即ち、一般に複列円すいころ軸受3を含む
転がり軸受ユニットの運転時に発生する振動の大きさ
は、回転速度が速い程大きくなる。この為、振動センサ
47の検出信号のみで上記複列円すいころ軸受3等の転
がり軸受ユニットの異常の有無を判定しようとした場合
には、予想される最高回転数時に発生する振動値に合わ
せて、異常検出用の閾値を設定する必要がある。この
為、低速回転時に於ける上記複列円すいころ軸受3等の
転がり軸受ユニットの異常の検知が難しかった。これに
対して本例の判定回路を使用すれば、その時の回転速度
に合わせて異常検出用の閾値を順次変更する事ができる
ので、振動の大きさに基づいて、剥離等の異常検出を高
い信頼性で行なえる。尚、上述の図8に示した様な判定
回路に於いても、上記回転速度検出回路59、閾値設定
回路60、コンパレータ61a、軸受異常判定回路62
等は、A/Dコンバータやマイクロプロセッサ、DSP
(デジタルシグナルプロセッサ)等を使用した回路によ
り、ソフトウェア処理する事も可能である。
【0047】次に、図9に示す判定回路の第3例は、回
転速度センサ46の検出信号により得られる、複列円す
いころ軸受3に支持された車軸1の回転速度と、振動セ
ンサ47の検出信号により得られるこの複列円すいころ
軸受3の振動とから、この複列円すいころ軸受3の異常
の有無を判定するものである。特に、本例の場合には、
振動センサ47から送り出される、上記複列円すいころ
軸受3の振動を表す信号を、可変フィルタ64に通す。
この可変フィルタ64は、上記回転速度センサ46の検
出信号から求められる、上記複列円すいころ軸受3の回
転速度を表す信号に基づいて、除去又は減衰させる周波
数を変化させる。そして、この可変フィルタ64によっ
て、上記複列円すいころ軸受3の回転数成分を除去又は
減衰させた後の振動値と、上述した第2例と同様にして
得た異常検出用の閾値とを、コンパレータ61aにより
比較して、上記複列円すいころ軸受3の異常の有無を判
定する様にしている。
【0048】複列円すいころ軸受3等の転がり軸受ユニ
ットの回転時に発生する振動は一般的に、回転数に同期
した回転数成分の振動の値が最も大きいが、上記複列円
すいころ軸受3等の転がり軸受ユニットの内部に剥離等
の損傷が発生した場合は、上記回転数に同期しない周波
数成分の振動値が大きくなる。そこで本例の場合は、上
記回転速度センサ46の信号を元にして除去又は減衰さ
せる周波数を変化させる、上記可変フィルタ64に振動
センサ47から送り出される信号を通す事により、回転
数成分に対応する周波数の振動値を除去又は減衰させ
る。従って、上記可変フィルタ64を通過後の信号が表
す振動には、通常時でも現れる周波数成分がないか、あ
っても僅かであり、その分だけ、異常に伴って発生する
振動の成分が顕在化するので、複列円すいころ軸受3等
の転がり軸受ユニットの異常の有無に関する検出精度を
高める事ができる。この為、この複列円すいころ軸受3
内部の転がり接触部分で剥離が発生し始めた初期段階
で、この複列円すいころ軸受3の異常を検出する事がで
き、この複列円すいころ軸受3に焼き付き等の重大な損
傷が発生する事を未然に防止する事ができる。尚、上述
の図9に示した様な判定回路に於いても、上記回転速度
検出回路59、可変フィルタ64、閾値設定回路60、
コンパレータ61a、軸受異常判定回路62等は、A/
Dコンバータやマイクロプロセッサ、DSP(デジタル
シグナルプロセッサ)等を使用した回路により、ソフト
ウェア処理する事も可能である。
【0049】次に、図10に示す判定回路の第4例は、
回転速度センサ46の検出信号により得られる、複列円
すいころ軸受3に支持された車軸1の回転速度と、振動
センサ47の検出信号により得られるこの複列円すいこ
ろ軸受3の振動とから、この複列円すいころ軸受3の異
常の有無を判定するものである。特に、本例の場合に
は、上記振動センサ47が検出した振動の波形を、周期
分析回路65で分析してから、上記複列円すいころ軸受
3の異常の有無を判定する様にしている。この為に本例
の場合には軸受異常判定回路62aで、上記回転速度セ
ンサ46の検出信号から求められる、上記複列円すいこ
ろ軸受3の回転速度を表す回転速度信号に基づいて、こ
の複列円すいころ軸受3から発生する各種振動の周期T
1 、T2 、T3 の計算と、この複列円すいころ軸受3の
異常の有無の判定とを行なっている。尚、これら各周期
1 、T2 、T3 とは、上記複列円すいころ軸受3が内
輪回転の場合で、T1 は外輪4の内周面に形成した外輪
軌道7に剥離が生じた場合の振動周期を、T2 は、内輪
5の外周面に形成した内輪軌道8に剥離が発生した場合
の振動周期を、T3 は、転動体である円すいころ6の転
動面に剥離が発生した場合の振動周期を、それぞれ表し
ている。上記回転速度信号を利用して、上記振動センサ
47からの信号の周期を分析する事により、上記複列円
すいころ軸受3に剥離に基づく損傷が発生しているか否
かの判定を行なえるだけでなく、この複列円すいころ軸
受3の何れの部分に剥離が発生しているかを特定する事
もできる。
【0050】例えば、上記複列円すいころ軸受3が内輪
回転で使用される場合は、静止側である外輪4の内周面
に形成した外輪軌道7に剥離が生じた場合、下記の式で
表される周波数の振動が発生する。 f1 =z・fc 但し、z:転動体数、fc:保持器回転周波数 そして、この振動の周期T1 は、次式で表される。 T1 =1/f1 =1/(z・fc) これに対して、回転側である内輪5の外周面に形成した
内輪軌道8に剥離が発生した場合には、下記の式で表さ
れる周波数の振動が発生する。 f2 =z・(fr−fc) 但し、z:転動体数、fr:内輪回転周波数、fc:保
持器回転周波数そして、この振動の周期T2 は、次式で
表される。 T2 =1/f2 =1/{z・(fr−fc)} 更に、転動体である円すいころ6の転動面に剥離が発生
した場合には、次の式で表される周波数の振動が発生す
る。 f3 =2・fb 但し、fb:転動体の自転周波数 そして、この振動の周期T3 は、次式で表される。 T3 =1/f3 =1/(2・fb) これらの場合に、fc、fr、fb等の周波数は、複列
円すいころ軸受3等の転がり軸受ユニットの諸元及びそ
の回転数が分かれば計算できるので、振動波形の周期を
分析する事により、上記複列円すいころ軸受3の何れの
部位に剥離が発生したかを特定できる。
【0051】例えば、上記各周期T1 、T2 、T3 以外
の周期を有する振動成分が増加している場合は、複列円
すいころ軸受3の転がり接触面以外の部位に異常が発生
している事になる。従って、本例の様に、周期分析回路
65により振動センサ47の検出信号の周期分析を行な
う場合には、上記複列円すいころ軸受3及びその周囲部
分を含めた、回転支持部及びその周辺部分を含む部分の
異常を検知する事ができる。この場合に、例えば、回転
数の1次成分に相当する周期が特に大きくなっている場
合には、車輪の1個所に滑走による偏摩耗が発生してい
る事が推定される。尚、上述の図10に示した様な判定
回路に於いても、上記回転速度検出回路59、周期分析
回路65、軸受異常判定回路62a等は、A/Dコンバ
ータやマイクロプロセッサ、DSP(デジタルシグナル
プロセッサ)等を使用した回路により、ソフトウェア処
理する事も可能である。
【0052】次に、図11に示す判定回路の第5例は、
回転速度センサ46の検出信号により得られる複列円す
いころ軸受3に支持された車軸1の回転速度と、振動セ
ンサ47の検出信号により得られるこの複列円すいころ
軸受3の振動とから、この複列円すいころ軸受3の異常
の有無を判定するものである。特に、本例の場合には、
振動信号を、包絡線処理を施す為の包絡線処理回路66
に通し、その処理波形を使用して周波数分析をしてい
る。上記振動センサ47が検出した振動の波形そのもの
(生波形)を周波数分析すると上記複列円すいころ軸受
3の異常を分析できないが、この振動の生波形を包絡線
処理し、その処理波形を使用して周波数分析回路67に
より周波数分析を行なうと、上記複列円すいころ軸受3
等の転がり軸受ユニットの異常を分析する事が可能とな
り、転がり接触部分の剥離に基づいて発生する振動の周
波数f1 、f2 、f3 を検知する事ができる。尚、上述
の図11に示した様な判定回路に於いても、上記回転速
度検出回路59、包絡線処理回路66、周波数分析回路
67、軸受異常判定回路62b等は、A/Dコンバータ
やマイクロプロセッサ、DSP(デジタルシグナルプロ
セッサ)等を使用した回路により、ソフトウェア処理す
る事も可能である。
【0053】何れにしても、図7〜11にその5例を示
した判定回路で、複列円すいころ軸受3等の転がり軸受
部分の異常検出用の閾値の設定を回転速度の変化に伴っ
て順次変更したり分析する事で、従来は難しかった、刻
々と変化する複列円すいころ軸受3等の転がり軸受の状
態に応じた最適な閾値の設定が可能になる。そして、こ
の複列円すいころ軸受3等の転がり軸受の異常の有無の
判定精度を飛躍的に向上させる事ができる。尚、図1〜
6に示した第1例の回転支持装置の場合、温度センサ4
5、回転速度センサ46、振動センサ47の総てを設け
ているが、このうちの温度センサ45及び回転速度セン
サ46のみの組み合わせを使用して、複列円すいころ軸
受3等の転がり軸受の異常検出を、高い信頼性で行なう
事もできる。又、上記回転速度センサ46及び振動セン
サ47のみの組み合わせを使用して、上記転がり軸受の
異常検出を高い信頼性で行なう事もできる。
【0054】尚、回転速度センサ46以外に、振動セン
サ47及び温度センサ45を両方組み合わせた構成に於
いては、温度及び振動の両方の信号から複列円すいころ
軸受3の異常を検知できる事になり、グリースの劣化に
よる潤滑不良や異物噛み込み等による転がり接触面の剥
離等の異常を、幅広く検知する事が可能となる。以上に
述べた様な判定回路と組み合わせたセンサ付回転支持装
置によれば、上記複列円すいころ軸受3等の転がり軸受
の異常を早期に検知する事を可能にして、この複列円す
いころ軸受3等の転がり軸受に焼き付き等の重大な損傷
が発生する事を有効に防止する事が可能になる。
【0055】尚、図1〜6に示した第1例のセンサ付回
転支持装置に於いては、回転輪を内輪5、5とし、固定
輪を外輪4としている。但し、本発明は、この様な構造
に限定するものではなく、図12に示す、本発明の実施
の形態の第2例の様に、回転輪を外輪4とし、固定輪を
内輪5とした構造でも実施できる。即ち、この第2例で
は、車軸1が使用時にも回転しないのに対し、外輪4に
外嵌固定した図示しない円筒軸が使用時に回転する。図
示しない車輪は、この円筒軸に固定している。そして、
上記車軸1の端部に外嵌固定した環状部材12aの外周
面にセンサユニット44を、この環状部材12aの径方
向に関して外側から内側に向け取り付けている。又、図
示の例の場合には、上記外輪4の端部内周面にエンコー
ダ68を内嵌固定すると共に、このエンコーダ68に固
定した永久磁石69の側面に、上記センサユニット44
に設けた回転速度センサ46の検出面を近接対向させて
いる。この永久磁石69は、軸方向に着磁すると共に、
着磁方向を円周方向に関して交互に、且つ、等間隔で変
化させている。そして、この永久磁石69の側面を、回
転速度検出の為の被検出面としている。又、図示の例の
場合には、上記エンコーダ68を構成する芯金70に支
持した弾性材71の先端縁を、上記環状部材12aの外
周面に固定した別の芯金72の内周面に摺接させて、複
数の円すいころ6を設置した内部空間40を外部から遮
断している。この様な第2例の場合にも、上述した第1
例の場合と同様の作用を得られる。
【0056】又、上述した各例のセンサ付回転支持装置
は、複数個の転動体を円すいころ6とした複列円すいこ
ろ軸受3を使用した場合に就いて説明した。但し、本発
明は、この様な構造に限定するものではなく、複数個の
転動体を円筒ころとした円筒ころ軸受、或は複数個の転
動体を玉とした玉軸受等、各種の転がり軸受を使用した
ものに就いても実施する事ができる。尚、上述した各例
の場合、回転速度を検出する為に回転速度センサ46の
検出面と被検出部とを、センサ付回転支持装置の軸方向
に対向させているが、本発明では、これら検出面と被検
出部とを、センサ付回転支持装置の直径方向に対向させ
る事もできる。
【0057】
【発明の効果】本発明のセンサ付回転支持装置は、以上
に述べた通り構成され作用するので、複数のセンサの取
り付けスペースを小さくできると共に、これら複数のセ
ンサの取り付け作業及び点検・修理作業を容易に行なえ
る。更に、鉄道車両や自動車、或は各種産業機械等の回
転支持部の異常検出の信頼性を向上させて、これら回転
支持部を有する各種機械装置の運転時の安全性向上に寄
与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、図2のA
−O−B断面図。
【図2】エンドキャップを取り外した状態で示す、図1
の左方から見た図。
【図3】図1の半部拡大断面図。
【図4】図3のC部拡大断面図。
【図5】センサユニットとケーブルの端部とを、図2と
同方向から見た状態で示す図。
【図6】図5のD−D拡大断面図。
【図7】転がり軸受ユニットの異常検出を行なう為の判
定回路の第1例を示すブロック図。
【図8】同第2例を示すブロック図。
【図9】同第3例を示すブロック図。
【図10】同第4例を示すブロック図。
【図11】同第5例を示すブロック図。
【図12】本発明の実施の形態の第2例を示す部分断面
図。
【図13】従来構造の1例を示す断面図。
【図14】図13の左方から見た半部端面図。 1 車軸 2 軸受箱 3 複列円すいころ軸受 4 外輪 5 内輪 6 円すいころ 7 外輪軌道 8 内輪軌道 9 保持器 10 段部 11 間座 12、12a、12b 環状部材 13 雄ねじ部 14 ナット 17a、17b シールケース 18 オイルシール 19 エンコーダ 20 ボルト 21 円輪部 22 カバー 23 円筒部 24 底板部 25 取付部 26 センサ取付孔 27 回転速度センサ 28 センサ取り付け用凹孔 29 温度センサ 30a、30b 取付フランジ 31a、31b ボルト 32a、32b ハーネス 33 鞍状部材 34 内向鍔部 35 軸ゴム 36 抑え金 37 段部 38 ボルト 39 エンドキャップ 40 内部空間 41a、41b 支持環 42 弾性材 43 被検出部 44 センサユニット 45 温度センサ 46 回転速度センサ 47 振動センサ 48 本体部分 49a、49b 支持腕部 50 通孔 51 ねじ孔 52 ねじ 53 フレキシブルプリント配線板 54 溝部 55 センサホルダ 56 導線 57 ケーブル 58 杆状部材 59 回転速度検出回路 60 閾値設定回路 61、61a コンパレータ 62、62a、62b 軸受異常判定回路 63 警報器 64 可変フィルタ 65 周期分析回路 66 包絡線処理回路 67 周波数分析回路 68 エンコーダ 69 永久磁石 70 芯金 71 弾性材 72 芯金
フロントページの続き (72)発明者 森田 耕一 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J101 AA16 AA25 AA32 AA42 AA54 AA62 FA22 FA23 FA24 GA03 GA60

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに相対回転する外輪と内輪とを有
    し、これら外輪と内輪とのうちの一方が回転輪であり他
    方が固定輪であって、これら外輪の内周面に形成された
    外輪軌道と内輪の外周面に形成された内輪軌道との間に
    転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記回転輪又
    はこの回転輪と共に回転する部分に支持されてこの回転
    輪と共に回転する回転部材と、この回転部材の一部に上
    記回転輪と同心に配置され、円周方向に関して特性を交
    互に変化させた被検出部と、上記固定輪又はこの固定輪
    に支持された固定側支持部材の外周面にその内周面を突
    き当てた状態で保持されたセンサユニットとを備え、こ
    のセンサユニットは、上記固定輪又は固定側支持部材の
    周方向に関する内周面の形状が、180度以下の中心角
    を持った部分円筒形であるセンサホルダと、このセンサ
    ホルダの一部で周方向に関して互いに離れた部分にそれ
    ぞれ支持された温度センサと回転速度センサとを備えた
    ものであり、上記センサユニットを上記固定輪又は固定
    側支持部材の外周面に保持した状態で、上記回転速度セ
    ンサの検出部が上記被検出部に対向しているセンサ付回
    転支持装置。
  2. 【請求項2】 センサホルダの少なくとも温度センサを
    支持した部分が、熱伝導性が良好な材料により造られて
    いる、請求項1に記載したセンサ付回転支持装置。
  3. 【請求項3】 センサホルダの一部で温度センサと離れ
    た部分に振動センサを支持している、請求項1又は請求
    項2に記載したセンサ付回転支持装置。
JP2001193475A 2001-06-26 2001-06-26 センサ付回転支持装置 Pending JP2003013948A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009069021A1 (en) * 2007-11-28 2009-06-04 Nxp B.V. Sensor device for detecting movement
WO2024085740A1 (ko) * 2022-10-21 2024-04-25 주식회사 일진글로벌 씰링부가 구비된 센서 조립체를 포함하는 차량용 휠베어링
WO2024085739A1 (ko) * 2022-10-21 2024-04-25 주식회사 일진글로벌 복수의 센싱부가 구비된 센서 조립체를 포함하는 차량용 휠베어링

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WO2009069021A1 (en) * 2007-11-28 2009-06-04 Nxp B.V. Sensor device for detecting movement
WO2024085740A1 (ko) * 2022-10-21 2024-04-25 주식회사 일진글로벌 씰링부가 구비된 센서 조립체를 포함하는 차량용 휠베어링
WO2024085739A1 (ko) * 2022-10-21 2024-04-25 주식회사 일진글로벌 복수의 센싱부가 구비된 센서 조립체를 포함하는 차량용 휠베어링

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