JP2006017291A - 監視装置及び監視方法 - Google Patents

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Masahito Taniguchi
雅人 谷口
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泰之 武藤
Masanobu Yamazoe
正信 山添
Juntaro Sawara
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Abstract

【課題】
迅速かつ正確に転動体を用いた装置を監視できる監視方法、加えて小型化や低コスト化が可能な監視装置を提供する。
【解決手段】
軸受5の運転状態が良好なら、転動体3も安定して回転するが、例えば転動体が軌道面の荒れた部分上を転動した等の影響で転動体の振動が大きくなる。したがって、測定している転動体の通過振動の振幅値が大きくなれば、例えば転動体が軌道面の荒れた部分上を転動したことを意味するため、その運転状態不良の異常を検知できることになる。潤滑不良の状態が続くと摩耗や破損などの大きな異常に発展するので、この段階で、潤滑剤の補充などの処置を行えば、異常などの被害を未然に防ぐことが可能となるとともに摩耗防止や長寿命化にも繁がる。本発明によれば、簡素な構成で転動体を用いた装置の状態を分解することなく監視でき、転動体の運転状態が不良であることを、運転状態不良に基づく損傷が発生する以前に検知できることとなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば減速機や電動機ならびに鉄道車両用の車軸支持装置であって、弾性流体潤滑下で用いられる転動体を有する装置の監視装置及び監視方法に関し、特に、上記装置を分解することなく異常を検出可能な監視装置及び監視方法に関するものである。
モータ等の回転装置の軸受部に対する異常診断技術としては、従来様々な方法が提案されている(特許文献1〜5)。最も一般的なものとしては、例えば特許文献3に開示されているように、軸受部に加速度計を設置し、該軸受部の振動加速度を計測し、更にこの信号にFFT(高速フーリエ変換)処理を行って特定周波数成分の信号を抽出し、その値から軸振動を検知して軸受診断を行う技術が知られている。
特開2003−232674号公報 特開2000−146762号公報 特開2002−22617号公報 特開2003−202276号公報 特開2001−33469号公報
ここで、特許文献3に開示された異常診断技術では、周期的な現象である傷の有無や位置を軸受の寸法諸元と回転速度の条件から演算によって特定しているが、周期的ではない現象である運転状態の不良(例えば、潤滑不良、予圧のかかり具合や軸受の取付状態の不具合等)を診断するには新たな装置が必要となるという問題があった。
更に、特許文献4に開示された技術について説明する。図6は、特許文献4の図3に相当する図である。特許文献4によれば、転がり軸受の振動を測定することによって、図6に示す特定周波数成分を求め、それに基づいて内輪、外輪、転動体、保持器のいずれに異常が発生したかを特定できる。より具体的には、図6におけるSbは転動体の自転に基づく周波数成分であり、Scは保持器の回転に基づく周波数成分である。従って、Sbが大きくなっていれば、転動体に異常が生じたものと判断でき、Scが大きくなっていれば、保持器に異常が生じたものと判断できる。しかしながら、異常診断のためには複数の振動成分を解析しなくてはならず、処理が複雑となる。
一方、特許文献5に開示された技術によれば、弾性流体潤滑下にある転がり軸受における転動体は、転がり軸受の動作時に転がり運動と滑り運動との複合運動を行っており、この際の滑りの割合を公転滑り率と定義し、滑り率が大きくなったときに、転がり軸受に異常が発生したと判断するものである。しかしながら、この滑り率を求めるためには、保持器は非磁性体でなくてはならず、また環境における磁場の大きさによっては、常に精度良い測定ができるとは限らないという問題がある。
本発明は、かかる従来技術に問題点に鑑み、従来とは異なる新規な発想に基づき、迅速かつ正確に転動体を用いた装置を監視できる監視方法、加えて小型化や低コスト化が可能な監視装置を提供することを目的とする。
第1の本発明の監視装置は、
潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視装置において、
少なくとも前記転動体の通過振動を検出するセンサと、
前記センサが検出した前記転動体の通過振動に基づいて、その振幅値を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した前記転動体の通過振動の振幅値と、基準値とに基づいて、前記回転装置に異常が発生したと判断する判断手段とを有することを特徴とする。
第2の本発明の監視装置は、
潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視装置において、
少なくとも前記転動体の通過振動を検出するセンサと、
前記センサが検出した前記転動体の通過振動に基づいて、その周期変動を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した前記転動体の周期変動と、基準周期とに基づいて、前記回転装置に異常が発生したと判断する判断手段とを有することを特徴とする。
第3の本発明の監視装置は、
潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視装置において、
少なくとも前記転動体の通過振動を検出するセンサと、
前記センサが検出した前記転動体の通過振動に基づいて、その周期変動を抽出する抽出手段と、
前記回転体の回転速度を検出する検出手段と、
前記抽出手段が抽出した前記転動体の公転速度と、前記検出手段が検出した前記回転体の回転速度との比を、所定値と比較することで、前記回転装置に異常が発生したと判断する判断手段とを有することを特徴とする。
第4の本発明の監視方法は、
潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視方法において、
少なくとも前記転動体の通過振動を検出するステップと、
検出された前記転動体の通過振動に基づいて、その振幅値を抽出するステップと、
抽出された前記転動体の通過振動の振幅値と、基準値とに基づいて、前記回転装置に異常が発生したと判断するステップとを有することを特徴とする。
第5の本発明の監視方法は、
潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視方法において、
少なくとも前記転動体の通過振動を検出するステップと、
検出された前記転動体の通過振動に基づいて、その周期変動を抽出するステップと、
抽出された前記転動体の周期変動と、基準周期とに基づいて、前記回転装置に異常が発生したと判断するステップとを有することを特徴とする。
第6の本発明の監視方法は、
潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視方法において、
少なくとも前記転動体の通過振動を検出するステップと、
前記転動体の通過振動に基づいて、その周期変動を抽出するステップと、
前記回転体の回転速度を検出するステップと、
前記転動体の公転速度と、前記回転体の回転速度との比を、所定値と比較することで、前記回転装置に異常が発生したと判断するステップとを有することを特徴とする。
第1の本発明の監視装置によれば、潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視装置において、少なくとも前記転動体の通過振動を検出するセンサと、前記センサが検出した前記転動体の通過振動に基づいて、その振幅値を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した前記転動体の通過振動の振幅値と、基準値とに基づいて、前記回転装置に異常が発生したと判断する判断手段とを有するので、前記転動体の通過振動の振幅値を監視するのみで異常判断を容易に且つ確実に行うことができる。
なお、ここで転動体の通過振動とは、負荷域にある各転動体の位置によって荷重の分担が変化し、転動体が転動する部材(例えば回転軸)の変位量と変位の方向が微小に変化するために発生する振動であり、転動体の通過振動数(fc)は以下の式で表される。
fc=(fr/2)(1−(Da/dm)・cosα) [Hz]・・(1)
ここで、fr:内輪回転速度(Hz)、Da:転動体直径(mm)、dm:ピッチ円直径(mm)、α:接触角である。
もし、転動体を用いた装置の運転状態が良好なら、転動体も安定して回転するが、例えば転動体が軌道面の荒れた部分上を転動した等の影響で転動体の振動が大きくなる。したがって、測定している転動体の通過振動の振幅値が大きくなれば、例えば転動体が軌道面の荒れた部分上を転動したことを意味するため、その運転状態不良の異常を検知できることになる。潤滑不良の状態が続くと摩耗や破損などの大きな異常に発展するので、この段階で、潤滑剤の補充などの処置を行えば、異常などの被害を未然に防ぐことが可能となるとともに摩耗防止や長寿命化にも繁がる。本発明によれば、簡素な構成で転動体を用いた装置の状態を分解することなく監視でき、転動体の運転状態が不良であることを、運転状態不良に基づく損傷が発生する以前に検知できることとなる。尚、「転動体を用いた装置」とは、転がり軸受、ボールねじ機構、リニアガイド等を含む。
前記基準値とは、前記回転装置が正常に動作しているときに、前記センサが検出した前記転動体の通過振動に基づいて抽出される、その振幅値であり、前記判断手段は、前記転動体の通過振動の振幅値と、前記基準値との差が所定値を超えていた場合に、前記回転装置に異常が発生したと判断すると好ましい。
前記基準値とは、前記回転装置が正常に動作しているときに、前記センサが検出した前記転動体の通過振動に基づいて抽出される、その振幅値であり、前記判断手段は、前記転動体の通過振動の振幅値と、前記基準値との比が所定値を超えていた場合に、前記回転装置に異常が発生したと判断すると好ましい。
第2の本発明の監視装置は、潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視装置において、少なくとも前記転動体の通過振動を検出するセンサと、前記センサが検出した前記転動体の通過振動に基づいて、その周期変動を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した前記転動体の周期変動と、基準周期とに基づいて、前記回転装置に異常が発生したと判断する判断手段とを有するので、前記転動体の通過振動の周期変動を監視するのみで異常判断を容易に且つ確実に行うことができる。
もし、転動体を用いた装置の運転状態が良好なら、転動体も安定して回転するが、運転状態不良が生じると部分的にすべり摩擦が大きくなる等の影響で転動体の回転が不安定になる。したがって、測定している転動体の通過振動の周期が大きくなれば、例えば転動体が軌道面上を滑るようになったことを意味するため、その運転状態不良の異常を検知できることになる。
前記基準周期とは、前記回転装置が正常に動作しているときに、前記センサが検出した前記転動体の通過振動に基づいて抽出される、その周期であり、前記判断手段は、前記転動体の通過振動の周期変動と、前記基準周期との差が所定値を超えていた場合に、前記回転装置に異常が発生したと判断すると好ましい。
第3の本発明の監視装置は、潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視装置において、少なくとも前記転動体の通過振動を検出するセンサと、前記センサが検出した前記転動体の通過振動に基づいて、その周期変動を抽出する抽出手段と、前記回転体の回転速度を検出する検出手段と、前記抽出手段が抽出した前記転動体の公転速度と、前記検出手段が検出した前記回転体の回転速度との比を、所定値と比較することで、前記回転装置に異常が発生したと判断する判断手段とを有するので、前記回転装置の異常判断を容易に且つ確実に行うことができる。
例えば、前記回転装置が軸受であり、且つ外輪が固定され内輪が回転する回転体である場合、転動体の周期変動は、正常な運転時には保持器の回転速度に対応する。保持器の回転速度は、fc=(fr/2)(1−(Da/dm)・cosα)で求まる。ここで、内輪の速度が一定であるにもかかわらず、転動体の周期変動が変化した場合、軌道面に荒れなどが生じて滑り率が変化したためであり、それに基づき前記回転装置の異常判断を容易に且つ確実に行うことができる。
前記センサは、加速度センサを含むと好ましい。
前記センサは、歪みゲージを含むと好ましい。
第4の本発明の監視方法は、潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視方法において、少なくとも前記転動体の通過振動を検出するステップと、検出された前記転動体の通過振動に基づいて、その振幅値を抽出するステップと、抽出された前記転動体の通過振動の振幅値と、基準値とに基づいて、前記回転装置に異常が発生したと判断するステップとを有するので、前記回転装置の異常判断を容易に且つ確実に行うことができる。
前記基準値とは、前記回転装置が正常に動作しているときに、検出された前記転動体の通過振動に基づいて抽出される、その振幅値であり、前記転動体の通過振動の振幅値と、前記基準値との差が所定値を超えていた場合に、前記回転装置に異常が発生したと判断すると好ましい。
前記基準値とは、前記回転装置が正常に動作しているときに、検出された前記転動体の通過振動に基づいて抽出される、その振幅値であり、前記転動体の通過振動の振幅値と、前記基準値との比が所定値を超えていた場合に、前記回転装置に異常が発生したと判断すると好ましい。
第5の本発明の監視方法は、潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視方法において、少なくとも前記転動体の通過振動を検出するステップと、検出された前記転動体の通過振動に基づいて、その周期変動を抽出するステップと、抽出された前記転動体の周期変動と、基準周期とに基づいて、前記回転装置に異常が発生したと判断するステップとを有するので、前記回転装置の異常判断を容易に且つ確実に行うことができる。
前記基準周期とは、前記回転装置が正常に動作しているときに、検出された前記転動体の通過振動に基づいて抽出される、その周期であり、前記判断手段は、前記転動体の通過振動の周期変動と、前記基準周期との差が所定値を超えていた場合に、前記回転装置に異常が発生したと判断すると好ましい。
第6の本発明の監視方法は、潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視方法において、少なくとも前記転動体の通過振動を検出するステップと、前記転動体の通過振動に基づいて、その周期変動を抽出するステップと、前記回転体の回転速度を検出するステップと、前記転動体の公転速度と、前記回転体の回転速度との比を、所定値と比較することで、前記回転装置に異常が発生したと判断するステップとを有するので、前記回転装置の異常判断を容易に且つ確実に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる監視装置の概略構成図である。図1において、監視装置10は、内輪1と外輪2と両輪間を転動するボール3と保持器4とからなる軸受5を回転装置として、その異常を検出するものである。尚、ここでは外輪2が固定され、内輪1が不図示の回転軸に嵌合されて回転する回転体となっており、ボール3が転動体を構成する。
図1において転動体通過振動を検出するための加速度センサ11が固定輪である外輪2に固定されている、センサ11の固定方法は、ボルト固定、接着、ボルト固定と接着やモールド材による埋め込み、ボルト固定時には回り止め機能を装着した方法が適用できる。このようにセンサ11をモールドすると水分の浸入を防止することができ、さらに外部からの加振に対する防振性が向上するため、センサ自体の信頼性を飛躍的に向上することができる
なお、ここでは、転動体通過振動を検出するセンサとして、加速度センサを示したが、ほかに、AE(Acoustic Emission)センサ、超音波センサ、ショックパルスセンサなど、あるいは速度、ひずみ、応力、変位型など、振動を電気信号化できるものであればいかなるセンサを用いても良く、ノイズが多いような機械に取り付ける時には、絶縁型を使用したほうがノイズの影響を受けることが少ないので好ましい。また、転動体通過時におけるひずみの変化を利用して、その転動体通過周期を求めても良い。また、圧電素子など振動検出素子をプラスチックなどにモールドして転動体通過振動検出センサの形にしても良い。
センサ11から出力された信号は、抽出手段である信号処理器12に入力され、ここで転動体の通過振動の振幅値或いは周期が抽出された後、それは判断手段である制御装置13に入力される。転動体の通過振動の振幅値或いは周期に基づいて軸受異常と判断した場合、制御装置13は、出力装置(モニタ、警報機等)14にアラーム信号を送信し、軸受5の異常を示す表示等を行って、ユーザーの注意を喚起するようになっている。尚、信号処理器12と制御装置13とを統合して、制御器15と呼ぶこととする。
次に、監視装置10の具体的動作について説明する。まず、制御装置13は、初期状態での転動体の通過振動の振幅値或いは周期を基準値として記憶する。図2(a)は、正常な状態でのセンサ11から出力される信号を示すグラフであり、図2(b)は、異常な状態でのセンサ11から出力される信号を示すグラフである。正常な状態では、転動体通過振動成分Aは、110Hz前後にピークとして現れる。
ここで、軸受5に、例えば異常なモーメント荷重がかかった場合、予圧やすきまなどに影響し、軸受の運転状態が不良になる。また、潤滑状態が不良である場合には、部分的にすべり摩擦が大きくなるため、転動体の回転が不安定になり転動体通過振動の振幅変動が大きくなる(振幅値は大きく変動する)。
より具体的には、正常な状態での転動体通過振動成分Aに対して、転動体の滑りが大きくなると、転動体の通過振動の周期は遅くなるから、異常な状態での転動体通過振動成分Aのピークは左にずれることとなる。又、軌道面が荒れていたりした場合、正常な状態での転動体通過振動成分Aに対して、異常な状態での転動体通過振動成分Aのピークは増大することとなる。
これを利用し、制御装置13は、安定期(正常運転時)の転動体通過振動の振幅(基準値)Aと現在の転動体通過振動の振幅Aとの差の比(|A−A|/A)を求めて、その値が設定値(0.1)を上回った場合(|A−A|/A>0.1)に、軸受5が潤滑不良の状態にあると判定し、出力装置14によりアラーム信号を送信することができる。
なお、本実施の形態では、設定値を0.1としたが、この値は運転状態やアプリケーションに応じて任意に設定・変更(好ましくは0.1〜0.3)が可能である。
また、別な例としては、制御装置13は、安定期(正常運転時)の転動体違過振動の振幅Aと現在の転動体通過振動の振幅Aとの比(A/A)が許容範囲(0.9〜1.1)から外れた場合(A/A<0.9、1.1<A/A)に、軸受5の運転状態が不良であると判定し、出力装置14にアラーム信号を送信することができる。なお、本実施の形態では、許容範囲を(0.9〜1.1)としたが、この範囲は運転状態やアプリケーションに応じて任意に設定・変更(好ましくは(0.7〜1.3の任意の範囲)が可能である。
また、転動体通過振動の発生周期に着目した場合も、設定値又は許容範囲を回転装置の運転状態やアプリケーションに応じて決定することで、上記と同様の方法で対応できる。
更に、制御装置13は、転動体の通過振動に基づいて、その周期変動を抽出し、内外輪の回転速度差より保持器4の回転速度を求め、それらの比を所定値と比較することで、軸受5に異常が発生したと判断することもできる。
なお、ここでは、転動体通過振動の振幅や発生周期として、振幅や周期の瞬時値(ピーク値)を用いて比較を行ったが、所定の時間内における自乗平均値などの平均値やオーバーオールなどの計算値を用いてもよい。
また、異常値を示した部位やその順序を記憶する記憶手段を制御装置等に設けることによって、異常部位の特定を容易に行うことができ修理や交換等などの処置を迅速に行うことが可能となる。
なお、回転装置などによっては、運転中に局部的に潤滑不良の状態が出現して、僅かな時間の後に復旧する場合もある、このため、制御装置13が潤滑不良と判定した瞬間に運転を停止させたり警報を発したりすると、回転装置の緊急停止等が必要以上に行われる可能性がある。そこで、潤滑不良の状態が所定時間(数秒)継続して検出された場合にのみ、回転装置の停止させたり警報を発させたりすることもできる。
制御装置13はマイコン等を利用すれば、ユニット化が可能となり、小型化やモジュール化が図れるのでなお良い。なお、信号処理器12,制御装置13及び出力装置14を設置する場所は、軸受装置に内蔵するようにしてもよいし、機械設備内に監視システムとして設置することができる。かかる場合、監視装置は1つでも良いが、軸受に対応して複数設けても良い。
以下、監視装置を含む監視システムについて、図面を参照して詳細に説明する。図3は、かかる機械設備の監視システムの概略構成図である。この機械設備の監視システム100は、鉄道車両の車軸を支承する転がり軸受5に対して、転がり軸受5の各構成部品の摩耗や破損による異常の発生を検出するものである。
本実施形態の場合、軸受5は、軸受の通過振動を検出して電気信号として出力するセンサ11を、軸受の構成部品である外輪に組み付けたセンサ付軸受である。一つの車両には、複数個のセンサ付軸受5が使用される。
本実施形態の機械設備の監視システム100は、軸受5毎に装備された検出器としての複数個のセンサ11と、各センサ11の出力を所定の演算処理によって分析し、分析結果を予め用意しておいた基準値等と比較して軸受5における異常の有無を判定する抽出手段及び判断手段としての信号処理部20と、この信号処理部20の分析結果や判定結果を所定の表示形態で表示したり、前記判定結果に応じた制御信号を鉄道車両の制御系にフィードバックしたりする制御処理部30とを備えている。
上述した実施の形態と同様に、センサ11は、軸受5の回転状態に応じて変化する物理量として、転動体の通過振動を検出し、電気信号に変換して信号処理部20へと送信する。
信号処理部20は、例えば専用に開発された1チップマイクロコンピュータ、又は1ボードマイクロコンピュータであり、図3に示すように、各センサ11からマイコン16を介して送信された検出データを一時的に蓄積すると共に、蓄積したデータをそのデータの種類に応じて装備された分析部23、24に分配するデータ収集・分配機能部21と、軸受5の諸元(転動体の数等)及び軸受5の正常時の振動等の各種の物理量を基準値として蓄積している内部メモリ26と、各分析部23、24における分析結果を内部メモリ26に蓄積されている基準値等と比較することによって、異常の有無の判定及び異常部位の特定を行う判断部である比較判定機能部25とを備え、各分析部23、24における分析結果及び比較判定機能部25における判定結果を制御処理部30に出力する。
本実施形態の場合、分析部23は振動情報の分析用であり、振動に含まれる周波数スぺクトルを求める。分析部24は回転速度情報の分析用で軸受の回転速度を求める。各分析部23、24は、入力情報を、基準値との比較が可能なように、不要部分(ノイズ)のカットや必要部分の明確化等を含めた規定の分析処理を行う。
具体的に説明すると、センサ11が検出した振動情報の場合は、データ収集・分配機能部21と分析部23との間に装備されたフィルタ処理機能部22によってノイズ成分の除去又は特定の周波数成分を抽出するフィルタ処理を受け、フィルタ処理後の振動信号が分析部23に入力される。
分析部23は、入力する振動信号に対して、絶対値処理又はエンべロープ処理及び周波数分析等の規定の分析処理を行って、入力した振動データを基準値との比較が可能な周波数領域のデータに変換する。
比較判定機能部25は、分析部23の分析結果によって得た振動周波数データと、内部メモリ26に格納されている基準値とを比較し、上述したようにして軸受5が異常か否かを判定する。
比較判定機能部25では、周波数成分の比較による判定等を行う際に、他の分析部24から入手する回転速度等、及び内部メモリ26に蓄積されている仕様諸元等の各種データを参照し、判定の正確性を期す。
なお、分析部23、24や比較判定機能部25における具体的な処理は、詳述しないが、上記の方法に限るものではなく、公知の種々の方法、或いは本願出願人が先に提案している各種の判定手法(特開2003−130763、特開2003−202276、特開2003−130724等)など、複数の方法を使用することができる。
制御処理部30は、信号処理部20の分析結果や判定結果を所定の表示形態で表示する表示手段としての結果出力部31と、軸受5が組み込まれている車両の駆動機構の動作を制御する制御系に前記比較判定機能部25の判定結果に応じた制御信号をフィードバックする制御器32とを備えている。
結果出力部31は、具体的には、モニターへの画像表示やプリンタヘの印刷出力によって、信号処理部20の分析結果や判定結果を通知する他、信号処理部20の判定結果が異常有りの場合には、警告灯の点滅や警報機の作動による通知を行う。なお、判定結果は、メモリやHDDなどの記憶媒体に保存されてもよく、結果出力部31を介してリアルタイムに表示されてもよい。
制御器32は、例えば、信号処理部20の判定結果が異常有りの場合に、異常の程度に応じて、車両の走行停止や減速等を示す制御信号を車両の走行制御器に送る。
以上に説明した本実施形態の機械設備の監視システムでは、転がり軸受5に組み込まれているセンサ11の出力を信号処理部20によって分析すると共に、その分析結果を予め用意しておいた基準値と比較することで、転がり軸受5の異常の有無を判定するため、転がり軸受5自体或いは転がり軸受5を含む鉄道車両自体を分解せずに通常の使用状態のままで判定することができるという利点がある。
従って、手間のかかる分解・組み立て作業の頻度を減少させて保守・管理コストを低減させることができる。また、規定の演算処理による分析や比較で機械的に判定を行うため、従来の目視検査と比較すると、検査担当者の熟練度や個人差によって判定がばらつく虞がなく、異常の有無の診断の信頼性を向上させることができる。
また、信号処理部20自体は、1チップ又は1ボードの小さな専用ユニットとすることができるため、情報処理装置として汎用のパーソナルコンピュータを使用する従来の監視システムと比較すると、システム全体を大幅にコンパクト化でき、装備に必要な占有スぺースが少なくて済むため、軸受を含む機械設備(即ち、鉄道車両等)への装備が容易になる。
図4は、本実施の形態にかかる監視装置を用いた潤滑剤補給装置を示す概略構成図である。図4に示すように、軸受5は、外輪2と、内輪1と、両輪1,2間に転動自在に配置された転動部材である複数のころ3と、ころ3を保持する保持器4とからなる。
軸受5の外径側は供給管6を介してポンプPに接続されている。ポンプPから押し出されるグリースは、供給管6を通じて軸受部5内部に挿入され、軸受部5の外輪2、内輪1の軌道面ところ3の接触面および外輪2と保持器4の接触面に付着して適宜潤滑を行うようになっている。転動体の通過振動を測定するセンサ11は、外輪2に配置されている。
軸受5に潤滑剤(ここではグリース)を補給する潤滑剤補給装置は、グリースが貯留されるグリースタンク7と、グリースタンク7から供給管6を介してグリースを軸受5へ送り出すポンプPと、ポンプPを駆動するモータMと、軸受5の転動体振動を測定するセンサ11と、センサ11から出力される信号を入力して、軸受5の異常の有無を判定する抽出手段及び判断手段を兼ねる制御部8とを有する。
予めグリースタンク7には、適切な量のグリースが貯留されている。グリースタンク7内に貯留されたグリースは、ポンプPの駆動によって供給管6に導かれるようになっている。供給管6は、一方がグリースタンク7に接続され、他方がポンプPを介して軸受5に接続されている。本実施の形態においては、ポンプPは、モータMの回転によって駆動するように構成されている。また、軸受5には、グリースをその内部空間から排出するための排出管(図示せず)があっても良い。
軸受5は、その内部空間に供給管6からグリースが補給されるように構成されている。ここでは、外輪2に設けられたグリース補給穴を介して、供給管6から供給されたグリースが軸受5の内部空間に補給されるように構成されている。
本実施の形態にかかる潤滑剤補給装置の動作について説明する。軸受5の運転開始した後、センサ11から出力された信号に基づいて、制御部8は振動の初期状態を把握する。更に運転が継続されたとき、センサ11から出力された信号に基づいて、制御部8は、例えば軌道面に面荒れが起きつつあるなど軸受5に異常が発生したか否かを判定し、異常と判断すれば、モータMを駆動制御し、ポンプPを動作させてグリースを供給管6を介して供給する。それにより、軸受5の寿命を長く保つことが可能となる。
図5は、センサ11を組み付けてなる、懸架装置に対し車輪を支持するハブユニット(回転装置)の断面図である。中空円筒状に形成したハブ114の外端部外周面に形成したフランジ110には、図示しない複数本のスタッドにより、車輪を構成するホイールと、制動装置を構成するディスクロータとが固定される。この様なハブ114の中間部外周面には外側の内輪軌道101aを形成し、内端部に形成した段部116には、外周面に内側の内輪軌道101aを有する内輪101を外嵌固定して、回転輪113を構成している。この様な回転輪113を構成する上記ハブ114の中心部に形成したスプライン孔117には、自動車への組み付け状態で、図示しない等速ジョイントに付属したスプライン軸を挿入する。
一方、回転輪113の周囲には、内周面に複列の外輪軌道102a、102aを、外周面に取付部102bを、それぞれ形成した静止輪である外輪102を、回転輪113と同心に配置している。このうちの取付部102bは、ナックル等の図示しない懸架装置に対し外輪102を支持固定する為に使用される。又、各外輪軌道102a、102aと上記各内輪軌道101a、101aとの間に、それぞれが転動体である玉103、103を複数個ずつ設けて、懸架装置に固定する外輪102の内径側に、ホイールを含む車輪を固定する回転輪113を、回転自在に支持できる様にしている。尚、重量の嵩む自動車用の転がり軸受ユニットの場合には、上記各転動体として、図示の様な玉103、103に代えて、円すいころを使用する場合もある。又、外側の内輪軌道101aを、ハブ114の外周面に直接形成するのに代えて、別体の内輪の外周面に形成する場合もある。
又、外輪102の両端部内周面と、ハブ114の中間部外周面及び内輪101の内端部外周面との間には、それぞれシールリング111、111を装着して、複数の玉103、103を設けた空間112の両端開口部を塞いでいる。そして、この空間112内に封入したグリースが外部に漏洩したり、外部に浮遊する異物がこの空間112内に侵入する事を防止している。
一方、外輪102の軸方向中間部のボス102dに、取付孔102cを外輪102の外周面から内周面にまで貫通する状態で形成している。そして、この取付孔102cにセンサ11を含むセンサユニット118を取り付けている。センサユニット118は、上述した実施の形態のように振動を検出するセンサ11と、回転速度センサ119とからなる。センサ11の出力信号は、抽出手段である信号処理器12に入力され、ここでハブユニット105の転動体の通過振動の振幅値或いは周期が抽出された後、それは判断手段である制御装置13に入力される。転動体の通過振動の振幅値或いは周期に基づいて軸受異常と判断した場合、制御装置13は、出力装置(モニタ、警報機等)にアラーム信号を送信し、ハブユニット105の異常を示す表示等を行って、ドライバーやユーザーの注意を喚起することができるようになっている。
センサ11の信号より求まる転動体通過振動の測定値と、回転速度センサ119の信号とを用いて、理論速度比fct/frに基づき閾値THを設定し、実測速度比fc/frを閾値THと比較して、それを超えた場合に異常があると判定できる(図7参照)。尚、fctは、理論上の保持器回転速度(転動体通過振動に等しい)であり、frは、内輪回転速度であり、fcは、実測した保持器回転速度である。これらは、上述した(1)式(図6参照)により求まるものである。
図8は、変形例にかかるハブユニットの断面図である。図8に示す実施の形態は、図5に示す実施の形態に対し、センサユニット118’において、センサ11及び回転速度センサ119の他に、加速度検出用のセンサ11aを設けている。加速度検出用のセンサ11aは、自動車のABS用センサや鉄道車両のCTS用センサとしての機能を有し、転動体通過振動の測定用のセンサ11及び回転速度センサ119と連動して、車両の速度制御及び異常検知の精度を向上させることができる。この場合、転動体通過振動の測定用のセンサ11及び加速道検出用のセンサ11aは2方向を測定可能な一体のセンサを用いることができる。また、信号処理を工夫することにより、1個の進行方向の加速度検出用のセンサを、速度制御用のセンサと共に異常検出用センサとして用いることができる。
ところで、上述の実施の形態においては、加速度センサを軸受近傍に取り付け軸受の異常振動を検知して軸受診断を行っている。しかしながら、加速度センサによる異常診断では、軸受軌道面の剥離等によってできた傷による周期的な振動を主として検知するために、潤滑不良によって生じる油膜切れや公転滑りによる摩耗の発生等を早期に検知するためには、更に工夫が必要となる。そこで、以下の実施の形態では、振動センサによる異常診断法に加え、歪みゲージを用いて転動体の公転速度を計測することにより高精度の異常診断を可能としている。
図9は、第2の実施の形態にかかる監視装置の概略構成図である。図9において、監視装置210は、回転軸Sに固定された内輪201と、ハウジングHに固定された外輪202と、両輪間を転動するボール(転動体)203と、保持器204とからなる転がり軸受205を回転装置として、その異常を検出するものである。
図9において、外輪202の外周面には切欠202aが形成され、ここに歪みゲージ211を接着剤などで貼り付けるようになっている。センサとしての歪みゲージ211は、外輪202に生じた歪みに応じて変形したときに、内部導線の抵抗変化に対応する電気信号を出力するものであり、従って、かかる電気信号を取り出すためのブリッジボックス212に接続されている。
ブリッジボックス212から出力された電気信号は、ストレインアンプ213及びDCアンプ214で増幅されてDC電圧に変換され、更にフィルタ215を通過することでノイズが処理され、その後コンパレータ216で基準電圧と比較されることで、ボール203通過時の外輪202の通過歪みが抽出され、単位時間当たりの通過歪みをカウントすることで、保持器回転速度(即ち転動体通過振動)fcを求めることができる。求められた保持器回転速度は、判定器217より、デジタル処理部218へと送信される。
一方、外輪202の半径方向外側であって、ハウジングHの外周面に、振動センサ241が取り付けられている。振動センサ241から出力された信号は、アンプ242で増幅され、フィルタ243を通過してノイズ処理され、A/D変換器244でA/D変換が行われるようになっている。求められた振動Vは、A/D変換器244からデジタル処理部218へと送信される。
一方、転がり軸受の制御部240からは、回転軸Sの回転速度信号(即ち内輪回転速度)SPがデジタル処理部218へと送信されるようになっている。
本実施の形態によれば、図7を参照して、歪みゲージ211の信号より求まる転動体通過振動の測定値(fc)と、転がり軸受の制御部240から出力される回転軸Sの回転速度信号(SP=fr)とを用いて、予め決められた閾値と比較して、それを超えた場合に異常があると判定できる。尚、本実施の形態で、振動センサ241を用いているのは、転がり軸受205の振動を同時に検出してバックアップを行うためであり、万が一歪みゲージ211が断線したときなど、不適切信号が出力された場合には、振動センサ241からの信号を用いて転動体通過振動の測定値(fc)を求めることができる。
図10は、転がり軸受の外輪の外周面に形成した切欠の例を示す斜視図である。図10(a)に示す切欠202aは、外輪202の軸線方向全幅にわたって形成されており、切欠202aの底面は、外輪202の軸線を中心とした円筒面となっている。図10(b)に示す切欠202a’は、外輪202の軸線方向の中央のみに形成されており、切欠202a’の底面は、外輪202の軸線を中心とした円筒面となっている。図10(c)に示す切欠202a”は、外輪202の軸線方向全幅にわたって形成されており、切欠202a”の底面は、平面となっている。図10(d)に示す切欠202a’”は、外輪202の軸線方向の中央のみに形成されており、切欠202a’”の底面は、平面となっている。
図11は、歪みゲージからの配線例を示す転がり軸受の軸線直交方向断面図である。図11(a)に示す例では、切欠202aに貼り付けられた歪みゲージ211のリード線Wは、ハウジングHに形成された半径方向貫通孔Haを介して、その外周面に取り出され、不図示のブリッジ回路に接続されている。図11(b)に示す例では、切欠202aに貼り付けられた歪みゲージ211のリード線Wは、外輪202の軸線方向端面側に取り出され、不図示のブリッジ回路に接続されている。従って、切欠202aは、図10(a)又は図10(c)に示すタイプであると好ましいが、リード線Wの取り回し用の溝を外輪外周に形成しても良い。図11(c)に示す例では、切欠202aに貼り付けられた歪みゲージ211のリード線Wは、ハウジングHに形成された接線方向貫通孔Haを介して、その外周面に取り出され、不図示のブリッジ回路に接続されている。
図12は、歪みゲージを用いたブリッジ回路の構成例を示す図である。図12(a)に示す例の場合は、一つの歪みゲージを用いて、2線式の1アクティブゲージ法でブリッジ回路を組んでいる。図12(b)に示す例の場合は、一つの歪みゲージを用いているが、リード線の温度影響を消去するために、3線式の1アクティブゲージ法でブリッジ回路を組んでいるので、安定した出力が得られる。図12(c)に示す例の場合は、2つの歪みゲージを用いて、2線式の2アクティブゲージ法でブリッジ回路を組んでおり、それにより2倍の出力が得られる。図12(d)に示す例の場合は、2つの歪みゲージを用いて、3線式の対辺2アクティブゲージ法でブリッジ回路を組んでいるので、2倍の出力が得られると共に温度補償も行える。尚、歪みゲージを貼り付ける位置は、転動体の転走面上にゲージ部G(図10参照)が位置するように貼り付けるのが好ましい。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、その発明の範囲内で変更・改良が可能であることはもちろんである。
第1の実施の形態にかかる監視装置の概略構成図である。 図2(a)は、正常な状態でのセンサ11から出力される信号を示すグラフであり、図2(b)は、異常な状態でのセンサ11から出力される信号を示すグラフである。 監視装置を含む監視システムの概略構成図である。 監視装置を用いた潤滑剤補給装置を示す概略構成図である。 センサ11を組み付けてなる、懸架装置に対し車輪を支持するハブユニットの断面図である。 従来例を説明するための図である。 縦軸に速度比、横軸に時間をとって示すグラフである。 変形例にかかるハブユニットの断面図である。 第2の実施の形態にかかる監視装置の概略構成図である。 転がり軸受の外輪の外周面に形成した切欠の例を示す斜視図である。 歪みゲージからの配線例を示す転がり軸受の軸線直交方向断面図である。 歪みゲージを用いたブリッジ回路の構成例を示す図である。
符号の説明
1 内輪
2 外輪
3 ボール
4 保持器
5 軸受
6 供給管
7 グリースタンク
8 制御部
10 監視装置
11 センサ
11a 加速度検出用のセンサ
12 信号処理器
13 制御装置
14 出力装置
20 信号処理部
21 分配機能部
22 フィルタ処理機能部
23 分析部
23 各分析部
24 分析部
25 比較判定機能部
26 内部メモリ
30 制御処理部
31 結果出力部
32 制御器
100 監視システム
101 内輪
101a 内輪軌道
102 外輪
102a 外輪軌道
102b 取付部
102c 取付孔
103 玉
110 フランジ
111 シールリング
112 空間
113 回転輪
114 ハブ
116 段部
117 スプライン孔
118 センサユニット
119 回転速度センサ
201 内輪
202 外輪
202a 切欠
203 ボール
204 保持器
205 軸受
210 監視装置
211 ゲージ
212 ブリッジボックス
213 DCストレインアンプ
214 アンプ
215 フィルタ
216 コンパレータ
218 デジタル処理部
221 振動センサ
222 アンプ
223 フィルタ
224 変換器
240 制御部
G ゲージ部
H ハウジング
Ha 半径方向貫通孔
Ha 接線方向貫通孔
S 回転軸
V 振動
W リード線
M モータ
P ポンプ

Claims (14)

  1. 潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視装置において、
    少なくとも前記転動体の通過振動を検出するセンサと、
    前記センサが検出した前記転動体の通過振動に基づいて、その振幅値を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段が抽出した前記転動体の通過振動の振幅値と、基準値とに基づいて、前記回転装置に異常が発生したと判断する判断手段とを有することを特徴とする監視装置。
  2. 前記基準値とは、前記回転装置が正常に動作しているときに、前記センサが検出した前記転動体の通過振動に基づいて抽出される、その振幅値であり、前記判断手段は、前記転動体の通過振動の振幅値と、前記基準値との差が所定値を超えていた場合に、前記回転装置に異常が発生したと判断することを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
  3. 前記基準値とは、前記回転装置が正常に動作しているときに、前記センサが検出した前記転動体の通過振動に基づいて抽出される、その振幅値であり、前記判断手段は、前記転動体の通過振動の振幅値と、前記基準値との比が所定値を超えていた場合に、前記回転装置に異常が発生したと判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の監視装置。
  4. 潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視装置において、
    少なくとも前記転動体の通過振動を検出するセンサと、
    前記センサが検出した前記転動体の通過振動に基づいて、その周期変動を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段が抽出した前記転動体の周期変動と、基準周期とに基づいて、前記回転装置に異常が発生したと判断する判断手段とを有することを特徴とする監視装置。
  5. 前記基準周期とは、前記回転装置が正常に動作しているときに、前記センサが検出した前記転動体の通過振動に基づいて抽出される、その周期であり、前記判断手段は、前記転動体の通過振動の周期変動と、前記基準周期との差が所定値を超えていた場合に、前記回転装置に異常が発生したと判断することを特徴とする請求項4に記載の監視装置。
  6. 潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視装置において、
    少なくとも前記転動体の通過振動を検出するセンサと、
    前記センサが検出した前記転動体の通過振動に基づいて、その周期変動を抽出する抽出手段と、
    前記回転体の回転速度を検出する検出手段と、
    前記抽出手段が抽出した前記転動体の公転速度と、前記検出手段が検出した前記回転体の回転速度との比を、所定値と比較することで、前記回転装置に異常が発生したと判断する判断手段とを有することを特徴とする監視装置。
  7. 前記センサは、加速度センサを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の監視装置。
  8. 前記センサは、歪みゲージを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の監視装置。
  9. 潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視方法において、
    少なくとも前記転動体の通過振動を検出するステップと、
    検出された前記転動体の通過振動に基づいて、その振幅値を抽出するステップと、
    抽出された前記転動体の通過振動の振幅値と、基準値とに基づいて、前記回転装置に異常が発生したと判断するステップとを有することを特徴とする監視方法。
  10. 前記基準値とは、前記回転装置が正常に動作しているときに、検出された前記転動体の通過振動に基づいて抽出される、その振幅値であり、前記転動体の通過振動の振幅値と、前記基準値との差が所定値を超えていた場合に、前記回転装置に異常が発生したと判断することを特徴とする請求項9に記載の監視方法。
  11. 前記基準値とは、前記回転装置が正常に動作しているときに、検出された前記転動体の通過振動に基づいて抽出される、その振幅値であり、前記転動体の通過振動の振幅値と、前記基準値との比が所定値を超えていた場合に、前記回転装置に異常が発生したと判断することを特徴とする請求項9又は10に記載の監視方法。
  12. 潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視方法において、
    少なくとも前記転動体の通過振動を検出するステップと、
    検出された前記転動体の通過振動に基づいて、その周期変動を抽出するステップと、
    抽出された前記転動体の周期変動と、基準周期とに基づいて、前記回転装置に異常が発生したと判断するステップとを有することを特徴とする監視方法。
  13. 前記基準周期とは、前記回転装置が正常に動作しているときに、検出された前記転動体の通過振動に基づいて抽出される、その周期であり、前記判断手段は、前記転動体の通過振動の周期変動と、前記基準周期との差が所定値を超えていた場合に、前記回転装置に異常が発生したと判断することを特徴とする請求項12に記載の監視方法。
  14. 潤滑される転動体を用いて支持される回転体を有する回転装置を監視する監視方法において、
    少なくとも前記転動体の通過振動を検出するステップと、
    前記転動体の通過振動に基づいて、その周期変動を抽出するステップと、
    前記回転体の回転速度を検出するステップと、
    前記転動体の公転速度と、前記回転体の回転速度との比を、所定値と比較することで、前記回転装置に異常が発生したと判断するステップとを有することを特徴とする監視方法。

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