JP2003011304A - プラスチックカードおよびプラスチックカードの製造方法 - Google Patents

プラスチックカードおよびプラスチックカードの製造方法

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JP2003011304A
JP2003011304A JP2001203482A JP2001203482A JP2003011304A JP 2003011304 A JP2003011304 A JP 2003011304A JP 2001203482 A JP2001203482 A JP 2001203482A JP 2001203482 A JP2001203482 A JP 2001203482A JP 2003011304 A JP2003011304 A JP 2003011304A
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plastic card
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resin
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Seiichi Kakisako
誠一 垣迫
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IDEMITSU PLASTIC KK
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IDEMITSU PLASTIC KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境に配慮したプラスチックカードおよびプラ
スチックカードの製造方法を提供することにある。 【解決手段】本発明のプラスチックカードの製造方法
は、ポリプロピレン系樹脂またはポリエチレンテレフタ
レート系樹脂からなるコア層の表面上に、第一接着層を
形成する第一接着層形成工程と、前記第一接着層形成工
程後、前記第一接着層上に印刷を施し、印刷層を形成す
る印刷工程と、前記印刷工程後、前記印刷層上に第二接
着層を形成する第二接着層形成工程と、その後、前記第
二接着層上にコート層が形成されるコート形成工程から
なる。このプラスチックカードの製造方法により、表面
上に文字20が印刷されているプラスチックカード1が
製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックカー
ドおよびプラスチックカードの製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、クレジットカード、キャッシュ
カード、IDカードは、電子決済のシステムの広がりに
より、広範に用いられている。これら各種のカードは、
塩化ビニル樹脂を原料とした基材の表面に、認識用のバ
ーコード、磁気テープやICチップが設けられ、その
後、基材等が傷がつかないようにするために、コーティ
ングが施されているものが、一般的である。この基材を
製造するにあたって、塩化ビニルを用いる利点として
は、成形性がよい、印刷がしやすい、コストが安いなど
が挙げられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この塩
化ビニル樹脂を原料とした各種カードは、一人当たりの
カードの消費量が増大する現在においては、廃棄される
量も増大し、廃棄された塩化ビニル樹脂製のカードが与
える環境への問題も指摘されている。
【0004】本発明の目的は、環境に配慮したプラスチ
ックカードおよびプラスチックカードの製造方法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達するため
に、本発明のプラスチックカードは、ポリプロピレン系
樹脂またはポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる
コア層と、このコア層の上に順に第一接着層、印刷が施
された印刷層、第二接着層、およびコート層を備えるこ
とを特徴とする。
【0006】ここで、コア層のポリプロピレン系樹脂
は、公知の方法、例えば、チーグラー‐ナッタ重合で得
ることができるものを採用できる。また、ポリプロピレ
ン系樹脂は、特に制限はなく、プロピレンの単独重合
体、プロピレンとエチレン、ブテン−1、4−メチル−
ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などのα−
オレフィンの少なくとも一種との共重合体を挙げること
ができる。成形性、コストの観点から、プロピレンの単
独重合体が特に好ましい。
【0007】コア層のポリエチレンテレフタレート系樹
脂は、テレフタル酸とエチレングリコールとの重縮合に
よって得られる公知のポリエチレンテレフタレートを例
示でき、また、リサイクルしたポリエチレンテレフタレ
ートを使用しても良い。また、コア層の成形方法として
は、キャスティング法、溶融押出法、カレンダ法等、公
知の方法を採用できる。
【0008】さらに、コア層の厚さは、クレジットカー
ドのJIS規格の厚さになるように、プラスチックカー
ドの厚さを考慮すると、0.25〜0.35mmの範囲
内であることが好ましい。
【0009】第一接着層の原料としては、エポキシやイ
ソシアナート系の樹脂からなるもの、エチレン‐酢酸ビ
ニル共重合体、ポリアミド、ポリエステルなどを主剤と
するもの、等が挙げられる。また、第一接着層の形成方
法としては、前述の原料を塗布することにより行われる
方法を採用できる。
【0010】さらに、第一接着層の厚さは、クレジット
カードのJIS規格の厚さになるように、プラスチック
カードの厚さを考慮すると、0.0005〜0.002
0mmの範囲内であることが好ましい。
【0011】コア層と第一接着層の間には、コロナ放電
処理を施しておくことが好ましい。このコロナ放電処理
は、表面処理方法として用いられ、ポリプロピレン等か
らなるシートの表面にカルボニル基やカルボキシル基を
生じることにより、シート表面を極性化し、シート表面
の接着力を大きくすることができる。コロナ放電処理
は、具体的には、例えば、高電圧発生機に接続した電極
と、ポリエステルフィルム、ハイパロン、EPラバーな
どで被覆した金属ロールの間に0.5〜0.6mm程度
の間隙を設け、数百KC/Sの高周波で数千〜数万Vの
高電圧をかけると、この間隙に高圧コロナを発生する。
この間隙に、例えば、ポリプロピレンシートを一定の速
度で走らせると、シート表面にコロナを生成したオゾ
ン、酸化窒素が反応してカルボニル基などが生じて極性
化する。この処理の程度は、間隙、電圧、消費電流、被
覆厚、シートの通過速度で決定される。
【0012】印刷層の厚さは、クレジットカードのJI
S規格の厚さになるように、プラスチックカードの厚さ
を考慮すると、0.0005〜0.0020mmの範囲
内であることが好ましい。第二接着層の原料、厚さ、成
形方法等は、第一接着層と同様である。
【0013】コート層は、ポリウレタン系樹脂やワニス
等を原料とした層であり、厚さは1〜2μm程度が好ま
しい。コート層を備えることにより、プラスチックカー
ド表面の傷つきを防止することができる。したがって、
ポリエチレンテレフタレート系樹脂のように元々固い樹
脂を用いる場合は、コート層はなくとも良い。
【0014】このような本発明によれば、プラスチック
カードは、ポリプロピレン系樹脂またはポリエチレンテ
レフタレート系樹脂からなるコア層を備えることによ
り、塩化ビニル樹脂からなるプラスチックカードと比較
して、廃棄・焼却された場合のダイオキシン等の発生の
心配がないので、環境に配慮したプラスチックカードと
することができる。さらに、ポリエチレンテレフタレー
ト系樹脂は、リサイクルしたポリエチレンテレフタレー
トも使用できるので、省資源に寄与することができる。
【0015】また、印刷層を備えることにより、模様や
記号を表現することができるので、装飾性が高く、様々
な情報を表現したプラスチックカードとすることができ
る。さらに、コート層を備えることにより、プラスチッ
クカードの表面の傷つきを防止することができる。
【0016】本発明のプラスチックカードでは、前記第
二接着層と前記コート層の間に、さらにオーバーシート
層を備えることが好ましく、このオーバーシート層が前
記コア層と同一の材質であることがより好ましい。
【0017】オーバーシート層は、コア層と同一材質で
あり、オーバーシート層とコア層の違いは、主にその厚
さであり、オーバーシート層は、コア層よりずっと薄
い。オーバーシート層の厚さは、クレジットカードのJ
IS規格の厚さになるように、プラスチックカードの厚
さを考慮すると、0.050〜0.15mmの範囲内で
あることが好ましい。
【0018】これによれば、第二接着層とコート層の間
に、さらにオーバーシート層を備えることにより、オー
バーシート層は、コア層と同一材質で、かつ、ずっと薄
いので、印刷層の模様を可視できるとともに、印刷層を
より一層保護することができる。
【0019】本発明のプラスチックカードでは、前記コ
ア層の樹脂中には、フィラーが添加されていることが好
ましく、フィラーは、炭酸カルシウム、タルク、珪藻土
等無機系のフィラーの中から選択される1種以上である
ことがより好ましい。
【0020】ここで、フィラーとは、プラスチックの成
形品、または塗料、接着剤、シーリング材などの不定形
品に混入して増量したり、剛性等、各種性能を改善する
粉末のことをいい、本発明では、炭酸カルシウム、タル
ク、珪藻土等を採用できる。従来のクレジットカード等
の重さ等と変わらないようにするためには、このコア層
の樹脂中への添加の際には、コア層中の30〜60質量
%とすることが好ましい。添加量が、30質量%未満で
は、プラスチックカードの剛性がなく、軟らかすぎる場
合があり、60質量%を越えると、プラスチックカード
が割れやすくなる場合がある。
【0021】ここで、炭酸カルシウムは、公知のものを
採用できる。炭酸カルシウムは、密度が2.72〜2.
95g/cm3であり、水に難溶の無色の結晶である。
また、炭酸カルシウムは、酸に溶けて二酸化炭素を発生
し、二酸化炭素を含む水には炭酸水素カルシウムとなっ
て溶け、熱すると約900℃で生石灰と二酸化炭素に分解
する。
【0022】なお、従来の塩化ビニルで製造されたカー
ド等は、密度が約1.30g/cm 3であり、ポリプロ
ピレン樹脂のみで製造した場合には、密度が約0.90
g/cm3であり、ポリプロピレン系樹脂中に炭酸カル
シウムが添加されているものを製造した場合には、密度
が約1.2g/cm3となる。
【0023】タルクは、滑石のことをいい、単斜晶系の
粘土鉱物であり、最もやわらかい鉱物で曲げることが容
易であるという性質がある。
【0024】珪藻土は、白色ないしクリーム色を呈し、
軟弱で真比重2.1〜2.3、見かけ比重0.32〜0.45の多孔質
(空隙率70〜90%)である。そのなかでも、緻密なものは
4倍の重量の水分を吸収保持でき、熱伝導率が低く、酸
に侵されにくいという性質がある。
【0025】これによれば、前記コア層の樹脂中には、
フィラーが添加されていることにより、フィラーは、密
度が、コア層の樹脂と比較して、大きいので、プラスチ
ックカードを増量したり、剛性等各種性能を改善するこ
とができ、従来のクレジットカード等と、重さ、強さ等
が、変わらないプラスチックカードとすることができ
る。このことから、ポリエチレンテレフタレート系樹脂
をコア層に用いる場合、ポリエチレンテレフタレート系
樹脂は、腰があり、固い樹脂であるから、フィラーの添
加は必ずしも必要としない。
【0026】本発明のプラスチックカードでは、前記コ
ア層の樹脂中には、さらに顔料が添加されていることが
好ましく、顔料は、酸化チタンであることがより好まし
い。前記顔料をコア層中の樹脂中に添加する場合、少な
くとも3質量%以上とすることが好ましい。3質量%未
満では、遮光性が劣る場合がある。
【0027】ここで、顔料は、水や油に溶けない着色用
粉末の総称であり、無機顔料(天然鉱物の粉や人造無機
化合物)と有機顔料に大別される。無機顔料は不透明で
濃度も十分でないが,日光に強く耐久力が大きい。有機
顔料は透明に近く濃度も高いが,日光に弱く耐久力に乏
しい欠点がある。無機顔料としては白色(亜鉛華,リト
ポン,チタン白,鉛白),黄色(クロムイエロー,カド
ミウムイエロー),赤色(弁柄,鉛丹,朱),青色(群
青,紺青),緑色(クロムグリーン,エメラルドグリー
ン),黒色(カーボンブラック)を例示できる。
【0028】酸化チタンは、二酸化チタンを採用でき、
二酸化チタンは、一般的には、隠蔽力(遮光性)の大き
い前述した白色顔料(チタンホワイト)として多量に用い
られているものである。
【0029】これによれば、コア層の樹脂中には、顔料
が添加されていることにより、顔料は、遮光性が大きい
ので、遮光性を備えたプラスチックカードとすることが
できる。さらに、遮光性を向上させることができるた
め、クレジットカード等に使用する場合にコード等の読
み取り性を向上させることができる。酸化チタンも前述
したような作用効果を得ることができる。
【0030】本発明のプラスチックカードの製造方法
は、ポリプロピレン系樹脂またはポリエチレンテレフタ
レート系樹脂からなるコア層の表面上に、第一接着層を
形成する第一接着層形成工程と、前記第一接着層形成工
程後、前記第一接着層上に印刷を施し、印刷層を形成す
る印刷工程と、前記印刷工程後、前記印刷層上に第二接
着層を形成する第二接着層形成工程と、その後、前記第
二接着層上にコート層が形成されるコート形成工程から
なることを特徴とする。
【0031】ここで、コア層のポリプロピレン系樹脂
は、公知の方法、例えば、チーグラー‐ナッタ重合で得
ることができるものを採用できる。ポリエチレンテレフ
タレート系樹脂は、公知のポリエチレンテレフタレート
または、リサイクルしたポリエチレンテレフタレートも
採用できる。
【0032】また、コア層の厚さは、クレジットカード
のJIS規格の厚さになるように、プラスチックカード
の厚さを考慮すると、0.25〜0.35mmの範囲内
であることが好ましい。さらに、コア層の成形方法とし
ては、キャスティング法、溶融押出法、カレンダ法等、
公知の方法を採用できる。
【0033】第一接着層形成工程における第一接着層の
原料としては、エポキシやイソシアネート系の樹脂から
なるもの、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、ポリアミ
ド、ポリエステルなどを主剤とするもの、等が挙げられ
る。また、接着層の形成方法としては、前述の原料を塗
布することにより行われる方法を採用できる。さらに、
接着層の厚さは、クレジットカードのJIS規格の厚さ
になるように、プラスチックカードの厚さを考慮する
と、0.0005〜0.0020mmの範囲内であるこ
とが好ましい。
【0034】印刷工程における印刷層を形成するための
印刷方法としては、オフセット印刷、シルクスクリーン
印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等を採用することが
できる。この中でも、インクを厚く盛れるため色調や画
線が強調することができることから、シルクスクリーン
印刷が好ましく、コストが安く、カラー印刷もできるこ
とからオフセット印刷がより好ましい。使用するインク
は、ポリアミド、環化ゴム等の固形バインダ、溶剤等、
公知のものを採用できる。また、印刷層の厚さは、クレ
ジットカードのJIS規格の厚さになるように、プラス
チックカードの厚さを考慮すると、0.0005〜0.
0020mmの範囲内であることが好ましい。
【0035】第二接着層形成工程における第二接着層
は、原料、形成方法、厚さは、第一接着層形成工程にお
ける第一接着層と同様の条件である。
【0036】コート形成工程におけるコート層は、ウレ
タン系樹脂またはニス系樹脂の単独または混合物を原料
として採用できる。コート層とコア層の違いは、主にそ
の厚さであり、コート層は、コア層よりずっと薄い。コ
ート層の厚さは、クレジットカードのJIS規格の厚さ
になるように、プラスチックカードの厚さを考慮する
と、0.050〜0.15mmの範囲内であることが好
ましい。また、第二接着層上に、前述のコア層の樹脂を
積層してもよく、シート状に形成されたコア層の樹脂の
シートを延伸等の加工を施したものを積層してもよい。
【0037】以上の各工程において、コア層と第一接着
層との間、第二接着層とコート層との間に、コロナ放電
処理を行うことが好ましい。コロナ放電処理は、表面処
理方法として用いられている公知の方法を採用できる。
コロナ放電処理により、ポリプロピレン等からなるシー
トの表面にカルボニル基やカルボキシル基を生じること
により、シート表面を極性化し、シート表面の接着力を
大きくすることができる。
【0038】本発明によれば、ポリプロピレン系樹脂ま
たはポリエチレンテレフタレート系樹脂からなるコア層
を備えることにより、ポリプロピレン系樹脂は、塩化ビ
ニル樹脂からなるプラスチックカードと比較して、廃棄
・焼却された場合のダイオキシン等の発生の心配がない
ので、環境に配慮したプラスチックカードとすることが
できる。さらに、ポリエチレンテレフタレート系樹脂
は、リサイクルしたポリエチレンテレフタレートも使用
できるので、省資源に寄与することができるプラスチッ
クカードを製造することができる。
【0039】また、印刷層を形成する印刷工程を備える
ことにより、模様や記号を表現することができるので、
装飾性が高く、様々な情報を表現したプラスチックカー
ドを製造することができる。さらに、コート層が形成さ
れるコート形成工程を備えることにより、コート層はウ
レタン系樹脂またはニス系樹脂の単独または混合物から
なることから、ウレタン系樹脂やニス系樹脂は、耐水性
や耐酸性を備えるので、耐水性や耐酸性を備えるプラス
チックカードを製造することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に
係るプラスチックカード1が示されている。このプラス
チックカード1の表面上には、文字20が印刷されてい
る。図2、図3は、プラスチックカード1の製造方法の
工程図を示している。コア層10は、図2(A)に示す
ように、顔料として二酸化チタンおよびフィラーとして
炭酸カルシウムが添加されたプロピレンの単独重合体か
らなる。この際、炭酸カルシウムの添加量は、全体の約
40質量%とする。また、コア層10の厚さは、0.2
5〜0.35mmの範囲内であり、コア層10の成形
は、公知の溶融押出法で行う。
【0041】図2(B)に示すように、このコア層10
の表面上に、コロナ放電処理を行う(コロナ放電処理工
程)。
【0042】第一接着層11は、図2(C)に示すよう
に、コロナ放電処理を施されたコア層10表面上に形成
される。第一接着層11の原料としては、エポキシやイ
ソシアナート系の樹脂からなるもの、エチレン‐酢酸ビ
ニル共重合体、ポリアミド、ポリエステルなどを主剤と
するもの、等が挙げられる。また、第一接着層11の形
成方法としては、前述の原料を塗布することにより行わ
れる方法を採用できる。さらに、接着層の厚さは、0.
0005〜0.0020mmの範囲内である(第一接着
層形成工程)。
【0043】印刷層12は、図2(D)に示すように、
第一接着層11上に形成される。印刷層12を形成する
ための印刷方法は、オフセット印刷である。使用するイ
ンクは、ポリアミドからなる固形バインダと、アロマテ
ィックアルコールからなる溶剤とから構成される。ま
た、印刷層12の厚さは、0.0005〜0.0020
mmの範囲内である(印刷工程)。
【0044】第二接着層13は、図3(E)に示すよう
に、印刷層12上に形成される。第二接着層13は、第
一接着層11と同様の条件で形成される(第二接着層形
成工程)。
【0045】コート層14は、図3(F)に示すよう
に、第二接着層13上に形成される。コート層14の形
成は、ウレタン系樹脂を用いて行われ、その厚さは、1
〜2μmの範囲内である(コート形成工程)。
【0046】図3(G)に示すように、コート層14の
反対側にあたるコア層10の表面上に接着層15が形成
される。この接着層15は、前述した第一接着層11お
よび第二接着層13と同様の条件で形成される。
【0047】次に、プラスチックカード基板3が、図3
(H)に示すように、コア層10の表面上に形成された
接着層15に、同様に、並行して製造されていた図3
(F)におけるコア層10側が接着されることにより、
完成する。図1のプラスチックカード1は、図示しない
が、プラスチックカード基板3を所定の大きさに切り抜
く切断装置によって切断されることにより、完成する。
また、用途に応じて、プラスチックカード1の表面は、
コーティングされたり、磁気テープ、ICチップが設け
られたりすることができる。
【0048】上述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。 (1)コア層10がプロピレン単独重合体からなること
により、プロピレン単独重合体は、処分する際に、有害
な物質を発生しないので、環境に配慮したプラスチック
カード1を製造することができる。 (2)コロナ放電処理工程を備えることにより、コロナ
放電処理により、プロピレン単独重合体からなるコア層
10の表面にカルボニル基やカルボキシル基を生じ、コ
ア層10表面を極性化することができるので、コア層1
0の表面の接着性を向上させることができる。 (3)コート形成工程を備えることにより、無色透明の
プロピレン単独重合体からなるコート層14を印刷層1
2よりも上に形成できるので、印刷層12の印刷模様が
そのまま可視でき、さらに印刷層12の上を保護する働
きをするので、印刷層12のインクがはげ落ちることも
ない。 (4)コア層のプロピレン単独重合体中には、顔料とし
て二酸化チタンが添加されていることにより、二酸化チ
タンは、遮光性が大きいので、遮光性を備えたプラスチ
ックカード1とすることができる。 (5)コア層のプロピレン単独重合体中には、フィラー
として炭酸カルシウムが添加されていることにより、フ
ィラーは、密度が、コア層の樹脂と比較して、大きいの
で、プラスチックカード1を増量することができ、従来
のクレジットカード等と、重さが、変わらないプラスチ
ックカード1とすることができる。また、炭酸カルシウ
ムは、熱した場合に、生石灰と二酸化炭素に分解するか
ら、有害な物質が発生しないので、環境に配慮したプラ
スチックカード1とすることができる。
【0049】なお、本発明は前記各実施形態に限定され
るものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、コ
ート層14の成形方法としては、前記実施形態では、第
二接着層13上に、プロピレン単独重合体を積層して行
う方法を採用していたが、これに限られず、シート状に
形成されたポリプロピレン系樹脂のシートを延伸等の加
工を施したものを積層してもよい。また、コア層10
は、図3(H)に示すように二層構造としたが、これに
限られず、図4に示すように、一層でも良く、この場
合、層の厚さは、0.5〜0.7mmの範囲内とするの
が好ましい。
【0050】その他、本発明を実施する際の具体的な構
造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲内で
他の構造等としてもよい。
【0051】
【発明の効果】本発明のプラスチックカードは、ポリプ
ロピレン系樹脂またはポリエチレンテレフタレート系樹
脂からなるコア層を備えることにより、塩化ビニル樹脂
からなるプラスチックカードと比較して、廃棄・焼却さ
れた場合のダイオキシン等の発生の心配がないので、環
境に配慮したプラスチックカードとすることができる。
さらに、ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、リサイ
クルしたポリエチレンテレフタレートも使用できるの
で、省資源に寄与することができる。
【0052】また、本発明のプラスチックカードの製造
方法は、コア層がポリプロピレン系樹脂またはポリエチ
レンテレフタレート系樹脂からなることにより、ポリプ
ロピレン系樹脂は、処分する際に、有害な物質を発生し
ないので、環境に配慮したプラスチックカードを製造す
る製造方法とすることができる。さらに、コート形成工
程を備えることにより、無色透明のポリプロピレン樹脂
等からなるコート層を印刷層よりも上に形成できるの
で、印刷層の模様等がそのまま可視でき、さらに印刷層
の上を保護する働きをするので、印刷層のインクがはげ
落ちることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のプラスチックカードを示
す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るプラスチックカード
の製造方法の工程図((A)、(B)、(C)、(D)
)である。
【図3】本発明の一実施形態に係るプラスチックカード
の製造方法の工程図((E)、(F)、(G)、(H)
)である。
【図4】プラスチックカードの構成の変形例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 プラスチックカード 3 プラスチックカード基板 10 コア層 11 第一接着層 12 印刷層 13 第二接着層 14 コート層 15 接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA21 KA02 KA03 KA07 KA38 KA40 KA61 4F100 AA08A AA08D AA08H AA21A AA21D AA21H AC03A AC03D AC03H AC10A AC10D AC10H AK07A AK07D AK42A AK42D AR00B AR00C AR00E BA05 BA07 BA10A BA10E CA13A CA13D CA23A CA23D EC182 GB90 HB31C HB313 JK12E JL11B JL11E JL16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂またはポリエチレン
    テレフタレート系樹脂からなるコア層と、このコア層の
    上に順に第一接着層、印刷が施された印刷層、第二接着
    層、およびコート層を備えることを特徴とするプラスチ
    ックカード。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のプラスチックカードにお
    いて、 前記第二接着層と前記コート層の間に、さらにオーバー
    シート層を備えることを特徴とするプラスチックカー
    ド。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のプラスチックカードにお
    いて、 前記オーバーシート層が前記コア層と同一の材質である
    ことを特徴とするプラスチックカード。
  4. 【請求項4】請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    プラスチックカードにおいて、 前記コア層の樹脂中には、フィラーが添加されているこ
    とを特徴とするプラスチックカード。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のプラスチックカードにお
    いて、 前記フィラーは、炭酸カルシウム、タルク、珪藻土の中
    から選択される1種以上であることを特徴とするプラス
    チックカード。
  6. 【請求項6】請求項1から請求項5のいずれかに記載の
    プラスチックカードにおいて、 前記コア層の樹脂中には、顔料が添加されていることを
    特徴とするプラスチックカード。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のプラスチックカードにお
    いて、 前記顔料は、酸化チタンであることを特徴とするプラス
    チックカード。
  8. 【請求項8】ポリプロピレン系樹脂またはポリエチレン
    テレフタレート系樹脂からなるコア層の表面上に、第一
    接着層を形成する第一接着層形成工程と、 前記第一接着層形成工程後、前記第一接着層上に印刷を
    施し、印刷層を形成する印刷工程と、 前記印刷工程後、前記印刷層上に第二接着層を形成する
    第二接着層形成工程と、 その後、前記第二接着層上にコート層が形成されるコー
    ト形成工程からなることを特徴とするプラスチックカー
    ドの製造方法。
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JP7473692B2 (ja) 2020-06-25 2024-04-23 シーピーアイ・カード・グループ-コロラド,インク. 回収プラスチック・カード
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