JP2003011281A - 表面保護シート - Google Patents

表面保護シート

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JP2003011281A
JP2003011281A JP2001197644A JP2001197644A JP2003011281A JP 2003011281 A JP2003011281 A JP 2003011281A JP 2001197644 A JP2001197644 A JP 2001197644A JP 2001197644 A JP2001197644 A JP 2001197644A JP 2003011281 A JP2003011281 A JP 2003011281A
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ultraviolet
resin
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protective sheet
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JP2001197644A
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Koji Tachiki
宏治 立木
Teruo Onuma
輝雄 大沼
Susumu Kurishima
進 栗嶋
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Kimoto Co Ltd
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Kimoto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面保護シートとしての紫外線吸収性に優れ
ると共に、透明高分子フィルムと表面保護層との接着性
に優れ、且つ表面保護層のハードコート性に優れる表面
保護シートを得る。 【解決手段】 透明高分子フィルムの表面に透明な表面
保護層を有するものであって、この表面保護層として紫
外線吸収性樹脂と紫外線硬化型樹脂とを含有してなるも
のを採用する。特に紫外線硬化型樹脂を紫外線硬化塗料
に光重合開始剤を併用して紫外線の照射により硬化する
ことによって形成されてなるものとし、該光重合開始剤
を紫外線吸収性樹脂の吸収波長域のピークと少なくとも
20nm以上異なる位置に吸収波長域のピークを有する
ものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、案内板、広告、看
板、標識、ポスター、表札、銘板等の表示板の表面を保
護するのに好適な表面保護シートであって、特に表示さ
れている文字等の画像の耐光性を向上させる表面保護シ
ートに関する。
【0001】
【従来の技術】従来、案内板、広告、看板、標識等の表
示板の表面を保護するために表面保護シートが利用され
ている。
【0002】このような表面保護シートとしては、その
表面に傷が付き難いという性質や、表示板の表示内容で
ある画像等が紫外線等の影響で変色したり退色したりす
ることの無いようにする性質が求められている。
【0003】ここで、高分子フィルム表面に傷付き防止
性を発揮させる表面保護層を設ける手段としては、表面
保護層形成時における高分子フィルムの耐熱性の低さの
問題から、一般に紫外線硬化型樹脂を用いることがなさ
れている。
【0004】一方、表面保護シートに、表示板の表示内
容である画像等が紫外線等の影響で変色したり退色した
りすることの無いようにする性質を付与するためには、
紫外線吸収剤を用いることが一般的であり、その利用方
法としては、紫外線吸収剤を練り込んだ高分子フィルム
表面にハードコート性を有する表面保護層を設けたり、
ハードコート性を有する表面保護層と高分子フィルムと
の間に紫外線吸収剤を含有させた下引層を設けたりする
ことが行われている。
【0005】しかし、紫外線吸収剤を練り込んだ高分子
フィルムでは、コスト的に高価なものとなってしまった
り、紫外線吸収剤のブリーディング(内部から界面に移
行する現象)によって表面保護層との界面接着に悪影響
を及ぼしたりするなどの問題点を有する。又、紫外線吸
収剤を含有させた下引層では、そもそも表面保護層のハ
ードコート性を低下させないために厚みを薄くしなけれ
ばならず、そのような薄い厚みにおいては基材と表面保
護層との接着性を十分なものとさせると共に紫外線吸収
性を十分なものとさせることは極めて困難であるという
問題点を有する。また、どちらの方法も表面保護層自体
の紫外線劣化による耐久性の低下を改善できるものでは
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
とするところは、表面保護シートとしての紫外線吸収性
に優れると共に、上述のような高分子フィルムと表面保
護層との接着性に優れ、且つ表面保護層のハードコート
性及びその耐久性に優れる表面保護シートを得るところ
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
表面保護層としての単層に上述のような紫外線吸収性及
びハードコート性を付与しつつ、且つ高分子フィルムに
対する接着性に優れるようにすることはできないかと鋭
意研究した結果、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明の表面保護シートは、透明高
分子フィルムの表面に透明な表面保護層を有する表面保
護シートであって、前記表面保護層が、紫外線吸収性樹
脂と紫外線硬化型樹脂とが含有されてなるものであるこ
とを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の表面保護シートは、前記紫
外線吸収性樹脂が、紫外線吸収基を有するモノマー成分
として2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシ
エチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを含む紫
外線吸収性アクリル樹脂であることを特徴とするもので
ある。
【0010】また、本発明の表面保護シートは、前記紫
外線硬化型樹脂が、光重合性プレポリマー若しくは光重
合性モノマーの1種又は2種以上を混合した紫外線硬化
塗料に光重合開始剤を併用して紫外線の照射により硬化
することによって形成されてなるものであることを特徴
とするものである。
【0011】また、本発明の表面保護シートは、前記光
重合開始剤が、前記紫外線吸収性樹脂の吸収波長域のピ
ークと少なくとも20nm以上異なる位置に吸収波長域
のピークを有するものであることを特徴とするものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の表面保護シートに
ついて、詳細に説明する。
【0013】本発明の表面保護シートは、透明高分子フ
ィルムの表面に透明な表面保護層を有するものであっ
て、この表面保護層として紫外線吸収性樹脂と紫外線硬
化型樹脂とを含有してなるものを採用する。このように
紫外線吸収性樹脂と紫外線硬化型樹脂とを含有してなる
透明な表面保護層を透明高分子フィルムの表面に有する
ようにすることにより、耐熱性の低い高分子フィルムに
対しても優れた接着性を有すると共にハードコート性及
びその耐久性に優れる表面保護層を形成することがで
き、且つ、表面保護シートとして優れた紫外線吸収機能
を付与することが可能となる。
【0014】ここで透明高分子フィルムとしては、この
高分子フィルムを通して保護される表示板の画像が視認
可能な程度に透明性を有するものであれば特に限定され
るものではなく、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリ
ル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアク
リレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エ
ポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、
アセタール系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フ
ェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂など
の1種若しくは2種以上を混合した透明高分子フィルム
を用いることができる。
【0015】ここで透明高分子フィルムの厚みとして
は、取り扱う上で支障のない厚みを有するものであれば
特に限定されるものではないが、特に加工適性の観点か
らは、100〜500μm程度のポリエチレンテレフタ
レートやポリカーボネートなどのポリエステルフィルム
を好適に用いることができる。
【0016】次に表面保護層としては、表面保護シート
によって保護される表示板の画像が視認可能な程度に透
明性を有するものであって、紫外線吸収性樹脂と紫外線
硬化型樹脂とを含有してなるものである。
【0017】ここで紫外線吸収性樹脂としては、具体的
には紫外線吸収性アクリル樹脂が挙げられ、下式で表さ
れる2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエ
チルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを含み、こ
れとラジカル重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有
するモノマーとの共重合体が好適である。これにより、
本発明に用いる紫外線吸収性アクリル樹脂は、290〜
400nmの光に対し吸収特性を有する。
【0018】
【化1】
【0019】上記ベンゾトリアゾールは、樹脂に紫外線
吸収性を付与する化合物で、紫外線吸収性樹脂の上限と
しては80重量%以下、好適には60重量%以下、より
好適には55重量%以下とし、下限としては5重量%以
上とする。
【0020】ラジカル重合可能なエチレン性不飽和二重
結合を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エ
ステル、特に炭素数1〜12のアルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸エステルを1種以上含むことが好まし
い。炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アク
リル酸エステルを含有せしめることにより、塗膜物性を
調節することができる。具体的には、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上を用いるこ
とができ、特にブチルアクリレート、ブチルメタクリレ
ート及び2−エチルヘキシルアクリレートが好ましく用
いられる。
【0021】また、塗膜の凝集力の向上、架橋点付与の
ために、(メタ)アクリル酸エステルは、一部にカルボ
キシル基、水酸基、アミノ基、アセトアセトキシエチル
基、エポキシ基等の官能基を有するものであってもよ
い。このような官能基を有するモノマーとしては、例え
ば(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、アミノメチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アク
リレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、グ
リシジール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0022】さらに高分子フィルムとの接着性、塗膜物
性などの向上のために、ラジカル重合可能なエチレン性
不飽和二重結合を有するモノマー成分として酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテル、スチレン、
(メタ)アクリロニトリル等のモノマーを加えてもよ
い。その他、架橋点付与等のため添加可能なモノマーと
して、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸等のカルボキシル基を含有するモノマー、アリル
アルコール等の水酸基を含有するモノマー、ビニルピリ
ジン等のアミノ基を含有するモノマー等を挙げることが
できる。
【0023】本発明に用いる上記紫外線吸収性アクリル
樹脂は、アクリル樹脂に紫外線吸収基が導入された高分
子樹脂となっているために、低分子量の紫外線吸収剤に
起こるようなブリーディングによって生じる界面接着が
低下するなどの問題を起こさなくすることができるよう
になる。従って、この紫外線吸収性アクリル樹脂を紫外
線硬化型樹脂と混合して表面保護層を形成することによ
って、透明高分子フィルムに対する接着性及びハードコ
ート性を阻害することのない表面保護層として紫外線吸
収性をも付与することができ、表面保護シートとして優
れた紫外線吸収機能を発揮させることができるようにな
る。
【0024】次に紫外線硬化型樹脂としては、光重合性
プレポリマー若しくは光重合性モノマーなどの1種又は
2種以上を混合した紫外線硬化塗料に光重合開始剤を併
用して紫外線の照射により硬化することによって形成さ
れてなるものを使用する。これにより耐熱性の低い高分
子フィルムにも優れたハードコート性を有する表面保護
層を形成することができる。
【0025】このような光重合性プレポリマーとして
は、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有し、架橋
硬化することにより3次元網目構造となるアクリル系プ
レポリマーが特に好ましく使用される。このアクリル系
プレポリマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエ
ステルアクリレート、エポキシアクリレート、メラミン
アクリレート等が使用できる。
【0026】光重合性モノマーとしては、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペン
タアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、トリプロピレングリコールトリアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、1,6−へキサンジ
オールジアクリレート等の多官能モノマーが挙げられ
る。
【0027】光重合開始剤としては、アセトフェノン、
ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジ
ルメチルケタール、ベンゾインベンゾエート、ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−
(4−(メチルチオ)フェニル)−2−(4−モルフォ
リニル)−1−プロパン、α−アシロキシムエステル、
チオキサンソン類等が挙げられる。この他にも紫外線の
照射による硬化に際しては、n−ブチルアミン、トリエ
チルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の紫外線増
感剤を併用することも好ましい。
【0028】ここで紫外線吸収性樹脂を混合した紫外線
硬化塗料の硬化を十分なものとするためには、光重合開
始剤として、紫外線吸収性樹脂の吸収波長域のピークと
少なくとも20nm以上異なる位置に吸収波長域のピー
クを有する光重合開始剤が好ましく採用される。このよ
うな吸収波長域のピークを有する光重合開始剤を用いる
ことにより、紫外線硬化塗料に対する光重合開始剤の添
加量を少なくしても、紫外線硬化塗料の硬化を十分なも
のとすることができ、表面保護層に極めて優れたハード
コート性を経済的に発揮させることができるようにな
る。具体的に、本発明で用いる上記ベンゾトリアゾール
をモノマー成分として含む紫外線吸収性アクリル樹脂と
の組み合わせにおいては、その吸収波長域のピーク(3
05nm、345nm)から少なくとも20nm以上異
なる位置に吸収波長域のピーク(特に285nm以下の
吸収波長域のピーク)を有するベンゾイン、ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン、α−アシロキシムエス
テル、チオキサンソン類等を用いることが好ましい。
【0029】紫外線吸収性樹脂と紫外線硬化型樹脂との
配合割合は、紫外線硬化型樹脂100重量部に対して、
紫外線吸収性樹脂が5〜60重量部、好ましくは10〜
40重量部である。5重量部以上とすることにより表面
保護層の紫外線吸収性を十分なものとし、60重量部以
下とすることにより表面保護層のハードコート性を十分
なものとすることができるようになる。
【0030】また、以上のような表面保護層には、それ
ぞれの機能を損なわない範囲で、他の樹脂、マット剤、
可塑剤、酸化防止剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、難燃
剤、抗菌剤、防カビ剤などの種々の添加剤を含有させる
ことができる。
【0031】そして、以上のような表面保護シートは、
上述した紫外線吸収性樹脂、紫外線硬化塗料、光重合開
始剤を混合したものに必要に応じて添加剤や希釈溶剤な
どを加えて塗工液として調整し、従来公知のコーティン
グ方法によって透明高分子フィルムの表面に塗布、乾
燥、硬化することによって形成することができる。尚、
紫外線硬化塗料を硬化する際には、超高圧水銀灯、高圧
水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライド
ランプなどから発せられる100〜400nm、好まし
くは200〜400nmの波長領域の紫外線を照射する
ことにより行われる。
【0032】以上のような表面保護層の厚みとしては、
十分な紫外線吸収性及びハードコート性を発揮できれば
特に限定されるものではない。例えば、上記コーティン
グ法によって設ける場合の表面保護層の厚みとしては、
2〜20μm、好ましくは3〜15μm、より好ましく
は5〜10μmが採用される。
【0033】また、以上のような表面保護シートは、透
明高分子フィルムと表面保護層との間にその接着性を更
に向上させるような易接着層や下引層などの他の層を有
するものであってもよいし、表面保護層とは反対の面に
表示板への貼着を可能にする接着層や印刷画像などを設
けたものであってもよい。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
尚、「部」「%」は特記しない限り重量基準である。
【0035】1.紫外線吸収性アクリル樹脂の合成 攪拌機、コンデンサー、温度計および窒素導入管を備え
た反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテル
90部、メチルメタクリレートモノマー60部、ブチル
アクリレートモノマー20部、2−(2’−ヒドロキシ
−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベン
ゾトリアゾールモノマー20部、α,α’−アゾビス
(イソブチロニトリル)0.2部を加え、窒素を通じて
攪拌しながら80℃に加熱し、この反応溶液を6時間3
0分80℃に保ちながら攪拌し続けて反応を完結させ
て、紫外線吸収性アクリル樹脂を合成した。これにプロ
ピレングリコールモノメチルエーテルを加えて固形分2
5%に調整して、紫外線吸収性アクリル樹脂溶液Aを得
た。
【0036】2.表面保護シートの作製 [実施例1]厚み188μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(コスモシャインA4300:東洋紡績社)の
一方の表面に、下記の組成の表面保護層用塗工液Bを塗
布、乾燥し、高圧水銀灯により紫外線照射を行って硬化
させることにより、膜厚約5μmの表面保護層を形成し
て、本発明の表面保護シートを作製した。
【0037】<表面保護層用塗工液B> ・紫外線吸収性アクリル樹脂溶液A 20部 ・紫外線硬化塗料(ユニディック17-806 <固形分80 %>:大日本インキ化学工業社) 25部 ・2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)− 2−(4−モルフォリニル)−1−プロパン(イルガ キュア907 <吸収波長域のピークλ=305nm>:チバ ・スペシャリティ・ケミカルズ社) 1.2部 ・プロピレングリコールモノメチルエーテル 80部
【0038】[実施例2]厚み300μmのポリカーボ
ネートフィルム(パンライト:帝人化成社)の一方の表
面に、下記の組成の表面保護層用塗工液Cを塗布、乾燥
し、高圧水銀灯により紫外線照射を行って硬化させるこ
とにより、膜厚約5μmの表面保護層を形成して、本発
明の表面保護シートを作製した。
【0039】<表面保護層用塗工液C> ・紫外線吸収性アクリル樹脂溶液A 20部 ・紫外線硬化塗料(ユニディック17-806 <固形分80 %>:大日本インキ化学工業社) 25部 ・ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキ ュア184 <吸収波長域のピークλ=240nm>:チバ・ スペシャリティ・ケミカルズ社) 0.6部 ・プロピレングリコールモノメチルエーテル 80部
【0040】[比較例1]実施例1で用いたポリエチレ
ンテレフタレートフィルムの一方の表面に、下記の組成
の表面保護層用塗工液Dを塗布、乾燥し、高圧水銀灯に
より紫外線照射を行って硬化させることにより、膜厚約
5μmの表面保護層を形成して、表面保護シートを作製
した。
【0041】<表面保護層用塗工液D> ・紫外線硬化塗料(ユニディック17-806 <固形分80 %>:大日本インキ化学工業社) 25部 ・2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)− 2−(4−モルフォリニル)−1−プロパン(イルガ キュア907 <吸収波長域のピークλ=305nm>:チバ ・スペシャリティ・ケミカルズ社) 1.2部 ・プロピレングリコールモノメチルエーテル 75部
【0042】[比較例2]実施例1で用いたポリエチレ
ンテレフタレートフィルムの一方の表面に、下記の組成
の表面保護層用塗工液Eを塗布、乾燥し、高圧水銀灯に
より紫外線照射を行って硬化させることにより、膜厚約
5μmの表面保護層を形成して、表面保護シートを作製
した。
【0043】<表面保護層用塗工液E> ・紫外線吸収剤(ケミソーブ79:ケミプロ化成社)1部 ・紫外線硬化塗料(ユニディック17-806 <固形分80 %>:大日本インキ化学工業社) 25部 ・2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)− 2−(4−モルフォリニル)−1−プロパン(イルガ キュア907 <吸収波長域のピークλ=305nm>:チバ ・スペシャリティ・ケミカルズ社) 1.2部 ・プロピレングリコールモノメチルエーテル 75部
【0044】[比較例3]比較例1において、表面保護
層を形成する前に、フィルムの表面に、下記の組成の下
引層用塗工液Fを塗布し、乾燥することにより、膜厚約
1μmの下引層を形成した後、当該下引層上に比較例1
の表面保護層を形成した以外、比較例1と同様にして表
面保護シートを作製した。
【0045】<下引層用塗工液F> ・紫外線吸収剤(ケミソーブ79:ケミプロ化成社)5部 ・熱可塑性アクリル樹脂(アクリディックA-195 <固形 分40%>:大日本インキ化学工業社) 32部 ・プロピレングリコールモノメチルエーテル 48部
【0046】3.表示板への表面保護シートの貼着 プラスチックシートの一方の表面に紫外線硬化型インキ
(FDOR:成東インキ社)を用いて画像を印刷した表示板
を用意し、実施例及び比較例の表面保護シートの表面保
護層を有する面の反対面とその表示板の印刷面とを接着
剤を介して貼り合わせた。
【0047】4.表示板に貼着した表面保護シートの評
価 以上のようにして表示板に貼着した表面保護シートにつ
いて、以下のようにしてその表示板の耐光性の評価、表
面保護層のハードコート性の評価、表面保護層と透明高
分子フィルムとの接着性の評価を行った。
【0048】[表示板の耐光性の評価]200時間の照
射が屋外における紫外線照射量1年分に相当する促進能
を有する促進試験機(紫外線フェードメーターFAL-5:
スガ試験機社)を用いて、表面保護層側から、600時
間の紫外線照射を行った後、表示板の印刷画像の変色・
退色について目視評価し、殆ど変色・退色していなかっ
たものを「○」、変色・退色が激しかったものをものを
「×」として評価した。評価結果を表1に示す。
【0049】[表面保護層のハードコート性の評価]表
面保護層の表面について150gの荷重においてスチー
ルウール#0000で10往復擦った後、その表面の傷
の有無を目視評価し、全く傷が付かなかったものを
「◎」、殆ど傷が付かなかったものを「○」、目視でか
なり確認できる傷が付いたものを「△」、傷だらけにな
ったものを「×」として評価した。尚、評価は耐光性促
進試験を行う前と後の両方で行った。評価結果を表1に
示す。
【0050】[表面保護層と透明高分子フィルムとの接
着性の評価]表面保護層と透明高分子フィルムとの接着
性は、碁盤目テープ法(JIS-K5400)により評価した。
碁盤目部分の面積が30%以上剥離してしまったものを
「×」、碁盤目部分の一部が剥離したが剥離面積が30
%未満のものを「△」、碁盤目部分が全く剥離しなかっ
たものを「○」とした。尚、評価は耐光性促進試験を行
う前と後の両方で行った。評価結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1の結果からも明らかなように、実施例
の表面保護シートは、耐光性、ハードコート性、接着性
の全てにおいて、特に耐光性促進試験後の評価において
顕著に、優れた評価となった。
【0053】特に実施例2の表面保護シートは、表面保
護層に紫外線吸収性樹脂の紫外線吸収波長域のピーク
(305nm、345nm)と少なくとも20nm以上
異なる位置に吸収波長域のピーク(240nm)を有す
る光重合開始剤を用いたため、紫外線硬化塗料の硬化を
十分なものとすることができ、表面保護層に極めて優れ
たハードコート性を発揮させることができた。
【0054】一方、比較例1の表面保護シートは、表面
保護層に紫外線吸収物質を含んでおらず、紫外線吸収機
能を有していないために、表示板の耐光性、特に耐光性
促進試験後の表面保護層のハードコート性及び接着性、
について極めて劣るものであった。
【0055】また、比較例2の表面保護シートは、表面
保護層に低分子量の紫外線吸収剤を含有しているため
に、表示板の耐光性においては問題なかったが、低分子
量の紫外線吸収剤が表面保護層の表面及び透明高分子フ
ィルムとの界面にブリーディングしたことが原因と考え
られるハードコート性及び接着性の低下が見られ、特に
耐光性促進試験後の経時においてブリーディングも促進
されてその低下が顕著に現れ、耐久性に劣るものであっ
た。
【0056】また、比較例3の表面保護シートは、低分
子量の紫外線吸収剤を含有した下引層を用いたため、表
示板の耐光性においては問題なかったが、低分子量の紫
外線吸収剤が下引層と透明高分子フィルム及び表面保護
層との界面にブリーディングしたことが原因と考えられ
る接着性の低下が見られ、特に耐光性促進試験後の経時
においてブリーディングが促進されてその低下が顕著に
現れ、耐久性に劣るものであった。また、十分な紫外線
吸収機能を発揮させるために設けた下引層約1μmの厚
みに起因すると考えられる表面保護層のハードコート性
の低下も見られると共に、比較例1と同様に表面保護層
中に紫外線吸収物質が含まれていないために、表面保護
層自体の耐光性が極めて低くて促進試験後の表面保護層
のハードコート性の耐久性に極めて劣るものであった。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、表面保護シートとして
の紫外線吸収性に優れると共に、透明高分子フィルムと
表面保護層との接着性に優れ、且つ表面保護層のハード
コート性に優れる表面保護シートを得ることができる。
特にこのような効果は、経時的に顕著に現れ、耐久性に
優れるものである。
【0058】また、紫外線吸収性樹脂の吸収波長域のピ
ークと少なくとも20nm以上異なる位置に吸収波長域
のピークを有する光重合開始剤を紫外線硬化塗料に併用
して、紫外線吸収性樹脂と混合した塗工液を透明高分子
フィルムに塗布して紫外線を照射することにより硬化さ
せた表面保護層を形成した表面保護シートは、紫外線硬
化塗料が十分に硬化していることによって、極めて優れ
たハードコート性を有する表面保護層を有するものとな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 3/02 G09F 3/02 B 15/00 15/00 E (72)発明者 栗嶋 進 埼玉県さいたま市鈴谷4丁目6番35号 株 式会社きもと技術開発センター内 Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01B AK25B AK42 AL05B AS00B CA02 CC02B EH46 EH462 EJ08 EJ082 EJ86 EJ862 GB90 JB14B JD09B JK12 JL08B JL11 JN01A JN01B 4J038 CG142 CH192 CJ132 FA111 FA251 FA261 FA281 JA32 JA55 JC02 JC04 KA03 KA12 NA11 NA12 NA19 PA17 PB14 PC08 4J100 AL03P AL03R AL08P AL08Q BA03P BA03Q BC43P BC43Q BC73P BC73Q CA03 JA01 JA32

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明高分子フィルムの表面に透明な表面保
    護層を有する表面保護シートであって、前記表面保護層
    が、紫外線吸収性樹脂と紫外線硬化型樹脂とが含有され
    てなるものであることを特徴とする表面保護シート。
  2. 【請求項2】前記紫外線吸収性樹脂が、紫外線吸収基を
    有するモノマー成分として2−(2’−ヒドロキシ−
    5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾ
    トリアゾールを含む紫外線吸収性アクリル樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の表面保護シート。
  3. 【請求項3】前記紫外線硬化型樹脂が、光重合性プレポ
    リマー若しくは光重合性モノマーの1種又は2種以上を
    混合した紫外線硬化塗料に光重合開始剤を併用して紫外
    線の照射により硬化することによって形成されてなるも
    のであることを特徴とする請求項1記載の表面保護シー
    ト。
  4. 【請求項4】前記光重合開始剤が、前記紫外線吸収性樹
    脂の吸収波長域のピークと少なくとも20nm以上異な
    る位置に吸収波長域のピークを有するものであることを
    特徴とする請求項3記載の表面保護シート。
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