JP2002166502A - 耐光性を有するハードコートフィルム - Google Patents

耐光性を有するハードコートフィルム

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JP2002166502A
JP2002166502A JP2000297860A JP2000297860A JP2002166502A JP 2002166502 A JP2002166502 A JP 2002166502A JP 2000297860 A JP2000297860 A JP 2000297860A JP 2000297860 A JP2000297860 A JP 2000297860A JP 2002166502 A JP2002166502 A JP 2002166502A
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hard coat
coat film
ionizing radiation
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curable resin
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JP2000297860A
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English (en)
Inventor
Masahiro Harada
正裕 原田
Takehisa Kimura
剛久 木村
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Kimoto Co Ltd
Original Assignee
Kimoto Co Ltd
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電離放射線硬化型樹脂層からなる耐擦傷性
を有する層との接着性を阻害せず、且つ耐光性に優れる
ハードコートフィルムを提供する。 【解決手段】 透明高分子フィルムの少なくとも一方
の表面に下引き層及び電離放射線硬化型樹脂層をこの順
に積層してなるハードコートフィルムであって、下引き
層を、モノマー成分として、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾ
トリアゾールと、(メタ)アクリル酸エステルとしてブ
チルアクリレート、ブチルメタクリレート及び2−エチ
ルヘキシルアクリレートのいずれか1種又は2種以上と
を含む共重合体である、紫外線吸収性アクリル樹脂を含
有するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードコートフィ
ルムに関し、特にベースフィルム上に電離放射線硬化型
樹脂層からなる耐擦傷性を有する層が設けられたハード
コートフィルムの耐光性の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気製品等のメンブレンスイッチ
やキャッシュディスペンサー等のタッチパネルなどに、
電離放射線硬化型樹脂層からなる耐擦傷性を有する層を
直接或いは下引き層を介してベースフィルムの表面に処
理する等したハードコートフィルムが使用されており、
近年、屋外等においても使用頻度が高い携帯情報端末等
への利用も進められている。
【0003】しかし、このような屋外等で使用されるハ
ードコートフィルムとしては、何らかの方法で耐光性を
向上させる手段をとらないと短期間で劣化してしまい、
ハードコートフィルムとしての性能を維持できないもの
になってしまう。
【0004】そこで、電離放射線硬化型樹脂層や電離放
射線硬化型樹脂層とベースフィルムとの間の下引き層
に、低分子量の紫外線吸収剤を含有させる方法が検討さ
れている。しかし、電離放射線硬化型樹脂層に紫外線吸
収剤を含有させると、紫外線吸収剤が硬化障害となり、
耐擦傷性等の性能が十分に発揮するまで硬化しないとい
う問題がある。また、下引き層に紫外線吸収剤を含有さ
せると、紫外線吸収剤が経時的にブリーディングするこ
とにより電離放射線硬化型樹脂層との接着性を阻害し、
電離放射線硬化型樹脂層が下引き層から剥れ易くなっ
て、耐擦傷性が失われるという問題を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、電
離放射線硬化型樹脂層からなる耐擦傷性を有する層との
接着性を阻害せず、且つ耐光性に優れるハードコートフ
ィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の耐光性を有する
ハードコートフィルムは、透明高分子フィルムの少なく
とも一方の表面に下引き層及び電離放射線硬化型樹脂層
をこの順に積層してなるものであって、前記下引き層が
紫外線吸収性樹脂を含有することを特徴とするものであ
る。
【0007】また、本発明の耐光性を有するハードコー
トフィルムは、紫外線吸収性樹脂が、紫外線吸収性アク
リル樹脂であることを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の耐光性を有するハードコー
トフィルムは、紫外線吸収性アクリル樹脂が、紫外線吸
収基を有するモノマー成分として2−(2’−ヒドロキ
シ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベ
ンゾトリアゾールを含むことを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の耐光性を有するハードコー
トフィルムは、紫外線吸収性アクリル樹脂が、炭素数が
2〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エス
テルをモノマー成分として含むことを特徴とするもので
ある。
【0010】また、本発明の耐光性を有するハードコー
トフィルムは、(メタ)アクリル酸エステルとして、ブ
チルアクリレート、ブチルメタクリレート及び2−エチ
ルヘキシルアクリレートのいずれか1種又は2種以上を
用いていることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の耐光性を有するハ
ードコートフィルムについて、詳細に説明する。
【0012】本発明のハードコートフィルムは、透明高
分子フィルムの少なくとも一方の表面に下引き層及び電
離放射線硬化型樹脂層をこの順に積層してなるものであ
る。
【0013】ここで透明高分子フィルムとしては、ポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ア
クリル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド等の透
明性を阻害しないものが使用でき、延伸加工、特に二軸
延伸加工されたポリエステルフィルムは、機械的強度、
寸法安定性が向上されるので好ましい。厚みは適用され
る材料によって適宜選択することができるが、一般には
25〜500μmであり、好ましくは50〜200μm
である。
【0014】下引き層は電離放射線硬化型樹脂層との接
着性を高めると共にハードコートフィルムの耐光性を向
上させる層であり、紫外線吸収性樹脂を含有する。紫外
線吸収性樹脂としては、具体的には紫外線吸収性アクリ
ル樹脂が挙げられ、下式で表されるベンゾトリアゾール
と、(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が好適で
ある。
【0015】
【化1】
【0016】上記ベンゾトリアゾールは、樹脂に紫外線
吸収性を付与する化合物で、樹脂の80重量%以下、好
適には60重量%以下、より好適には55重量%以下と
する。
【0017】(メタ)アクリル酸エステルとしては、具
体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げ
られ、これらは1種又は2種以上を用いることができ
る。
【0018】これら(メタ)アクリル酸エステルのう
ち、特に炭素数2〜12のアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸エステルを1種以上含むことが好ましい。
【0019】炭素数2〜12のアルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸エステルを含有せしめることにより、電
離放射線硬化型樹脂層との接着性を高めることができ
る。このような(メタ)アクリル酸エステルとして、具
体的にはブチルアクリレート、ブチルメタクリレート及
び2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。
【0020】炭素数2〜12のアルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸エステルが、モノマーに占める割合は特
に限定されないが、電離放射線硬化型樹脂層との接着性
を向上させるために5重量%以上含有せしめることが好
ましい。但し、ブチルアクリレートのように比較的ホモ
ポリマーのガラス転移温度(Tg)が低いモノマーの場
合には、単独では下引き層のガラス転移温度が低くなり
塗膜にブロッキング等が発生する場合があるので、ガラ
ス転移温度を高めることができる他のモノマーと併用す
ることが好ましい。また、得られる紫外線吸収性アクリ
ル樹脂としては、そのガラス転移温度が、下限として−
20℃以上、好ましくは0℃以上であり、上限としては
65℃以下、好ましくは50℃以下であるこのとが望ま
しい。このような範囲にすることにより、下引き層のブ
ロッキングの発生を抑制し、透明高分子フィルム及び電
離放射線硬化型樹脂層との接着性を高めることができ
る。
【0021】また、(メタ)アクリル酸エステルは、一
部カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アセトアセトキ
シエチル基、エポキシ基等の官能基を有するものであっ
てもよい。このような官能基を有するモノマーとして
は、例えば(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチル
アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、アミノメチル
(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
レート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、グリシジール(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0022】このような官能基含有モノマーを加えるこ
とにより、塗膜の凝集力を向上させ或いは架橋点を付与
することができる。
【0023】さらに透明高分子フィルムとの接着性向上
等のために、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニル
エーテル、スチレン、(メタ)アクリロニトリル等のモ
ノマーを加えてもよい。その他、塗膜の凝集力の向上、
架橋点付与等のため添加可能なモノマーとして、イタコ
ン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカ
ルボキシル基を含有するモノマー、アリルアルコール等
の水酸基を含有するモノマー、ビニルピリジン等のアミ
ノ基を含有するモノマー等を挙げることができる。
【0024】本発明の下引き層に用いる上記紫外線吸収
性アクリル樹脂は、290〜400nmの光に対し吸収
特性を有し、アクリル樹脂に紫外線吸収基が導入されて
いることからブリーディングが起こらず、電離放射線硬
化型樹脂層との接着性を阻害することがない。
【0025】上述の紫外線吸収性アクリル樹脂は、透明
高分子フィルムがアクリル系樹脂である場合には、それ
らとの接着性が良好であり、単独で用いることができる
が、透明高分子フィルムとしてアクリル系樹脂以外の合
成樹脂を用いる場合には、透明高分子フィルムとの接着
性を高めるために、透明高分子フィルムに対し接着性の
良好な樹脂との併用が好ましい。このような樹脂として
は、例えば透明高分子フィルムがポリエステル樹脂の場
合、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられ
る。
【0026】下引き層は、これら透明高分子フィルムと
の接着性の良好な樹脂及び紫外線吸収性アクリル樹脂の
他、これらの効果を阻害しない範囲で、熱可塑性のアク
リル、熱硬化性のポリウレタン等の樹脂を含有せしめる
ことができる。但し、上述の紫外線吸収性アクリル樹脂
は、下引き層を構成する樹脂の5重量%以上とする。好
適には50重量%以上、より好適には80重量%以上含
有せしめる。また透明高分子フィルムとの接着性を高め
る樹脂は、下引き層を構成する樹脂の95重量%以下、
好適には20重量%以下含有せしめる。このような範囲
とすることにより、耐光性を付与するのみならず、電離
放射線硬化型樹脂層との接着性と透明高分子フィルムと
の接着性を共に高めつつ、電離放射線硬化型樹脂層の耐
擦傷性を低下させることがない。
【0027】以上のような下引き層の膜厚は、下引き層
としての機能を損なわない範囲であれば特に限定される
ものではないが、ハードコートフィルムの耐光性を向上
させつつ、電離放射線硬化型樹脂層を積層した際の電離
放射線硬化型樹脂層の耐擦傷性を低下させることがない
ようにする観点から、下限としては0.2μm以上、好
ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上で
あり、上限としては15μm以下、好ましくは10μm
以下、より好ましくは5μm以下であることが望まし
い。
【0028】電離放射線硬化型樹脂層は、本発明のハー
ドコートフィルムの表面に存在し、電離放射線(紫外線
若しくは電子線)の照射によって架橋硬化することがで
きる塗料から形成される表面硬度が高い耐擦傷性に優れ
る樹脂層であって、1層又は2層以上の多層から構成さ
れるものである。特に、下引き層との密着性を重視した
第一電離放射線硬化型樹脂層と表面硬度を重視した第二
電離放射線硬化型樹脂層との積層等のように、多層の電
離放射線硬化型樹脂層とすることが有効である。
【0029】このような電離放射線硬化型樹脂層を形成
する電離放射線硬化塗料としては、光重合性プレポリマ
ー若しくは光重合性モノマーなどの1種又は2種以上を
混合したものを使用することができる。
【0030】この光重合性プレポリマーとしては、1分
子中に2個以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化する
ことにより3次元網目構造となるアクリル系プレポリマ
ーが特に好ましく使用される。このアクリル系プレポリ
マーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルア
クリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレ
ート等が使用できる。
【0031】光重合性モノマーとしては、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペン
タアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、トリプロピレングリコールトリアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、1,6−へキサンジ
オールジアクリレート等の多官能モノマーが挙げられ
る。
【0032】また、このような電離放射線硬化塗料に
は、種々の添加剤を加えることができ、特に硬化の際に
紫外線を用いる場合には、架橋硬化性、架橋硬化塗膜の
硬度をより向上させるために、光重合開始剤、紫外線増
感剤等を加えることが好ましい。
【0033】光重合開始剤としては、アセトフェノン、
ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジ
ルメチルケタール、ベンゾインベンゾエート、α−アシ
ロキシムエステル、チオキサンソン類等が挙げられ、紫
外線増感剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルア
ミン、トリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
【0034】以上のような電離放射線硬化型樹脂層の膜
厚は、電離放射線硬化型樹脂層としての機能を損なわな
い範囲であれば特に限定されるものではないが、電離放
射線硬化型樹脂層に十分な耐擦傷性を付与しつつ、極端
な塗膜収縮によるカールを防止する観点から、下限とし
ては1μm以上、好ましくは2μm以上、より好ましく
は3μ以上で、上限としては20μm以下、好ましくは
15μm以下、より好ましくは10μm以下であること
が望ましい。
【0035】また、以上のような下引き層や電離放射線
硬化型樹脂層には、それぞれの機能を損なわない範囲
で、マット剤、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、滑剤、帯
電防止剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤などの種々の添加
剤を含有させることができる。
【0036】本発明のハードコートフィルムは、上述し
た下引き層を構成する樹脂、及び電離放射線硬化型樹脂
層を構成する電離放射線硬化塗料を、必要に応じて添加
剤や希釈溶剤などを用いて塗工液として調製し、従来公
知のコーティング方法によって透明高分子フィルムの少
なくとも一方の表面に塗布、乾燥、硬化することにより
形成することができる。尚、電離放射線硬化型樹脂層を
硬化する際には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀
灯、カーボンアーク、メタルハライドランプなどから発
せられる100〜400nm、好ましくは200〜40
0nmの波長領域の紫外線、又は走査型あるいはカーテ
ン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波
長領域の電子線等の電離放射線を照射することにより行
われる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
尚、「部」「%」は特記しない限り重量基準である。
【0038】[実施例1]厚み100μmのポリエステ
ルフィルム(コスモシャインA4100:東洋紡績社)の一
方の表面に、以下の組成の下引き層用塗工液を塗布し、
乾燥することにより、膜厚約3μmの下引き層を形成
し、この下引き層のポリエステルフィルムに対する接着
性を評価した。尚、ここで用いた紫外線吸収性アクリル
樹脂は、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロシ
キエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールと、メ
チルメタクリレートおよびブチルアクリレートの共重合
体である。
【0039】<下引き層用塗工液> ・紫外線吸収性アクリル樹脂(PUVA-50MBA-30T <固形分
30%>:大塚化学社> 8.0部 ・熱可塑性アクリル樹脂(アクリディックA-195 <固形
分40%>:大日本インキ化学工業社) 42.0部 ・ポリエステル樹脂(アクリットER20 <固形分40%
>:大成化工社> 12.0部 ・メチルエチルケトン 18.6部 ・シクロヘキサノン 43.4部
【0040】次いで以下の組成の電離放射線硬化型樹脂
層用塗工液を下引き層上に塗布、乾燥し、高圧水銀灯に
より紫外線を1〜2秒照射することにより硬化させ、膜
厚約7μmの電離放射線硬化型樹脂層を形成して、ハー
ドコートフィルムを製造し、この下引き層に対する電離
放射線硬化型樹脂層の接着性、及び電離放射線硬化型樹
脂層の表面の耐擦傷性について評価した。
【0041】<電離放射線硬化型樹脂層用塗工液> ・電離放射線硬化塗料(ダイヤビームUR6530:三菱レイ
ヨン社) 40.0部 ・光重合開始剤(イルガキュア651:チバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ社) 0.6部 ・メチルエチルケトン 40.0部 ・トルエン 40.0部
【0042】[接着性の評価]透明高分子フィルムに対
する下引き層、及び下引き層に対する電離放射線硬化型
樹脂層の接着性は、碁盤目テープ法(JIS-K5400)によ
り評価した。碁盤目テープ法による剥離試験の結果、碁
盤目部分の面積が30%以上剥離してしまったものを
「×」、碁盤目部分の一部が剥離したが剥離面積が30
%未満のものを「△」、碁盤目部分が全く剥離しなかっ
たものを「○」とした。結果を表1に示す。
【0043】[耐擦傷性の評価]150gの荷重におい
てスチールウール#0000で電離放射線硬化型樹脂層
の表面を10往復擦った後、その表面の傷の有無を目視
評価し、傷が付かなかったものを「○」、傷が付いたも
のを「×」として評価した。
【0044】更にこのハードコートフィルムについて、
以下のようにして耐光性の評価を行った。 [耐光性の評価]200時間の照射が屋外における紫外
線照射量1年分に相当する促進能を有する促進試験機
(紫外線フェードメーターFAL-5:スガ試験機社)を用
いて、600時間の紫外線照射を行って耐光性試験をし
た後、電離放射線硬化型樹脂層の接着性の評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】[実施例2〜4]紫外線吸収性アクリル樹
脂とポリエステル樹脂の使用量を表2に示すように変化
させて、それ以外は実施例1と同様にして下引き層を形
成して、ハードコートフィルムを製造した。この下引き
層及びハードコートフィルムについても実施例1と同様
にして、接着性、耐擦傷性、耐光性について評価した。
結果を表1に示す。
【0047】
【表2】
【0048】[比較例1]実施例1で用いた下引き層用
塗工液を以下の組成の下引き層用塗工液に変更した以外
は、実施例1と同様にして下引き層を形成して、ハード
コートフィルムを製造した。この下引き層及びハードコ
ートフィルムについても実施例1と同様にして、接着
性、耐擦傷性、耐光性について評価した。結果を表1に
示す。
【0049】<下引き層用塗工液> ・熱可塑性アクリル樹脂(アクリディックA-195 <固形
分40%>:大日本インキ化学工業社) 57.0部 ・ポリエステル樹脂(アクリットER20 <固形分40%
>:大成化工社> 3.0部 ・紫外線吸収剤(ケミソーブ79:ケミプロ化成社)2.
4部 ・メチルエチルケトン 18.6部 ・シクロヘキサノン 43.4部
【0050】[比較例2]比較例1の下引き層用塗工液
から紫外線吸収剤を除いた下引き層用塗工液を用いて下
引き層を形成し、次いで実施例1の電離放射線硬化型樹
脂層用塗工液の代わりに以下の組成の電離放射線硬化型
樹脂層用塗工液を用いて電離放射線硬化型樹脂層を形成
した以外、実施例1と同様にしてハードコートフィルム
を製造した。この下引き層及びハードコートフィルムに
ついても実施例1と同様にして、接着性、耐擦傷性、耐
光性について評価した。結果を表1に示す。
【0051】<電離放射線硬化型樹脂層用塗工液> ・電離放射線硬化塗料(ダイヤビームUR6530:三菱レイ
ヨン社) 40.0部 ・光重合開始剤(イルガキュア651:チバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ社) 0.6部 ・紫外線吸収剤(ケミソーブ79:ケミプロ化成社)4.
0部 ・メチルエチルケトン 40.0部 ・トルエン 40.0部
【0052】[比較例3]比較例1の下引き層用塗工液
から紫外線吸収剤を除いた下引き層用塗工液を用いて下
引き層を形成した以外、比較例1と同様にして下引き層
を形成して、ハードコートフィルムを製造した。この下
引き層及びハードコートフィルムについても実施例1と
同様にして、接着性、耐擦傷性、耐光性について評価し
た。結果を表1に示す。
【0053】表1に示す結果からも明らかなように、本
発明の各実施例のハードコートフィルムは、優れた耐光
性を示した。また、下引き層の樹脂として紫外線吸収性
アクリル樹脂のみを用いた場合には(実施例4)、ポリ
エステルフィルムとの接着性が若干低下し、ポリエステ
ル樹脂との併用が好適であることが示された。
【0054】一方、比較例1のハードコートフィルム
は、下引き層に低分子量の紫外線吸収剤を用いたために
紫外線吸収剤がブリーディングして、下引き層と透明高
分子フィルムとの接着性及び電離放射線硬化型樹脂層と
下引き層との接着性が低下すると共に、耐光性試験後の
接着性についても劣るものであった。
【0055】また、比較例2のハードコートフィルム
は、電離放射線硬化型樹脂層に紫外線吸収剤を含有する
ため、電離放射線硬化型樹脂層が短時間では殆ど硬化せ
ず、極めて耐擦傷性に劣るものとなってしまうと共に、
耐光性試験後の接着性についても劣るものであった。
【0056】また、比較例3のハードコートフィルム
は、紫外線吸収性を有する材料を全く使用していないた
め、初期において備わっていた接着性が耐光性試験後に
おいて全く失われてしまい、極めて耐光性に劣るもので
あった。
【0057】[実施例5〜19] 1.紫外線吸収性樹脂の製造 攪拌機、コンデンサー、温度計および窒素導入管を備え
た反応容器に酢酸エチル9部、メチルエチルケトン12
部、トルエン9部を加え、窒素を通じながら攪拌し、8
0℃に加熱した。
【0058】一方、表3に示すモノマー成分のうちベン
ゾトリアゾール成分以外の成分(表3に示す重量部)
と、酢酸エチル6部、メチルエチルケトン8部、トルエ
ン6部、α,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)
0.15部を別の容器で混合し、この混合溶液を1時間
30分かけて上記反応容器に滴下した。
【0059】混合溶液の滴下中に、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−
ベンゾトリアゾールの粉体を10分おきに10回に分け
て反応容器内に添加した。この間に、反応溶液を80℃
に保ち攪拌し続けた。その後さらに6時間30分反応溶
液を80℃に保ち攪拌しながら反応させ、反応を完結さ
せた。
【0060】これに酢酸エチル55部、メチルエチルケ
トン73部、トルエン55部を加え、固形分30%に調
整し、表3に示す紫外線吸収性アクリル樹脂A〜Oを得
た。これら紫外線吸収性アクリル樹脂A〜Oの重量平均
分子量をGPC(ポリスチレン換算)で測定したとこ
ろ、30万〜60万の範囲であった。
【0061】なお、表中、BAはブチルアクリレート、
BMAはブチルメタクリレート、2−EHAは2−エチ
ルヘキシルアクリレート、MMAはメチルメタクリレー
ト、VAcは酢酸ビニルを表す。樹脂Hは、実施例1〜
4で用いた紫外線吸収性アクリル樹脂と同じモノマー組
成である。
【0062】
【表3】
【0063】2.ハードコートフィルムの製造 上記紫外線吸収性アクリル樹脂A〜Oを用いて以下の組
成の下引き層用塗工液を調整し、これらの下引き層用塗
工液を実施例1で用いた下引き層用塗工液に代えて用い
た以外は、実施例1と同様にして下引き層を形成して、
ハードコートフィルムを製造した。この下引き層及びハ
ードコートフィルムについても実施例1と同様にして、
接着性、耐擦傷性、耐光性について評価した。結果を表
3に示す。
【0064】<下引き層用塗工液> ・紫外線吸収性アクリル樹脂(固形分30%)72.0
部 ・ポリエステル樹脂(アクリットER20 <固形分40%
>:大成化工社> 6.0部 ・メチルエチルケトン 18.6部 ・シクロヘキサノン 43.4部
【0065】表3の結果からも明らかなように、ベンゾ
トリアゾールと(メタ)アクリル酸エステルの割合を種
々に変化させた場合にも、透明高分子フィルムとの接着
性、電離放射線硬化型樹脂層との接着性、耐擦傷性及び
耐光性に優れる下引き層が得られた。また(メタ)アク
リル酸エステルとしてブチルアクリレート、ブチルメタ
クリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートを用い
た場合には、特に電離放射線硬化型樹脂層との接着性に
優れていた。
【0066】
【発明の効果】本発明のハードコートフィルムによれ
ば、透明高分子フィルムの少なくとも一方の表面に、紫
外線吸収性樹脂を含有する下引き層及び電離放射線硬化
型樹脂層をこの順に積層することにより、耐光性に優れ
るハードコートフィルムを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA02 AA12 AA15 AA17 AA22 AA35 AA36 AA38 AA39 AB24 BA02 BA03 CA08 DA04 EA03 4F100 AK01A AK01B AK01C AK25B AK25J AK25K AK41A AK41B AL01B AL05B BA03 BA10A BA10C BA15 CA30C CC00C GB41 JB14C JD14B JK12C JK14 JL09 JN01A 4J100 AL03Q AL04Q AL08P BA03P BC43P BC75P CA01 CA04 DA61 DA65 JA43

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明高分子フィルムの少なくとも一方の表
    面に下引き層及び電離放射線硬化型樹脂層をこの順に積
    層してなるハードコートフィルムであって、前記下引き
    層が紫外線吸収性樹脂を含有することを特徴とする耐光
    性を有するハードコートフィルム。
  2. 【請求項2】前記紫外線吸収性樹脂が、紫外線吸収性ア
    クリル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の耐光
    性を有するハードコートフィルム。
  3. 【請求項3】前記紫外線吸収性アクリル樹脂が、紫外線
    吸収基を有するモノマー成分として2−(2’−ヒドロ
    キシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−
    ベンゾトリアゾールを含むことを特徴とする請求項2記
    載の耐光性を有するハードコートフィルム。
  4. 【請求項4】前記紫外線吸収性アクリル樹脂が、炭素数
    が2〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エ
    ステルをモノマー成分として含むことを特徴とする請求
    項2記載の耐光性を有するハードコートフィルム。
  5. 【請求項5】前記(メタ)アクリル酸エステルとして、
    ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート及び2−エ
    チルヘキシルアクリレートのいずれか1種又は2種以上
    を用いていることを特徴とする請求項4記載の耐光性を
    有するハードコートフィルム。
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