JP2003011014A - カッターヘッド、曲面加工方法、v溝加工方法、光学部品及び光学部品用金型 - Google Patents

カッターヘッド、曲面加工方法、v溝加工方法、光学部品及び光学部品用金型

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JP2003011014A
JP2003011014A JP2001200396A JP2001200396A JP2003011014A JP 2003011014 A JP2003011014 A JP 2003011014A JP 2001200396 A JP2001200396 A JP 2001200396A JP 2001200396 A JP2001200396 A JP 2001200396A JP 2003011014 A JP2003011014 A JP 2003011014A
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cutting
cutter head
tool
rotating body
radius
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JP2001200396A
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Hidetoshi Sakae
英利 寒河江
Hisashi Inada
久 稲田
Kenichi Ichikawa
憲一 市川
Hiroyuki Endo
弘之 遠藤
Susumu Cho
軍 張
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は高精度で高能率に光学部品やその金型
を加工するカッターヘッド、曲面加工方法、V溝加工方
法、光学部品及び光学部品用金型を提供する。 【解決手段】カッタヘッド1は、外周部の相対向する位
置に仕上げ用Rバイト2と荒仕上げ用Rバイト3が配設
され、仕上げ用Rバイト2には単結晶ダイヤモンドバイ
トの仕上げ用バイトチップ2aが、荒仕上げ用Rバイト
3には焼結ダイヤモンドバイトの荒仕上げ用バイトチッ
プ3aが取り付けられている。仕上げ用及び荒仕上げ用
Rバイト2、3は、それぞれスライドボックス4、5内
に収納され、仕上げ用バイトチップ2aの回転半径r1
と荒仕上げ用バイトチップ3aの回転半径r2は、r1
>r2の関係にある。カッターヘッド1は、仕上げ用バ
イトチップ2aと荒仕上げ用バイトチップ3aで同時に
加工を行い、大きい回転半径の仕上げ用バイトチップ2
aで仕上げ加工を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カッターヘッド、
曲面加工方法、V溝加工方法、光学部品及び光学部品用
金型に関し、詳細には、レーザビームプリンタのポリゴ
ンスキャナ光学系等に用いられる走査用レンズ等の光学
部品またはその金型の加工を高精度かつ効率的に行うカ
ッターヘッド、曲面加工方法、V溝加工方法、光学部品
及び光学部品用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】光学面としてのトーリック形状でその母
線が、放物線、双曲線、または、高次の多項式で表され
る様な曲線をとり、非円弧となる様な面形状(以下、非
球面トーリックという。)の加工においては、特開平8
−336701号公報に記載されているように、一つの
ダイヤモンドバイトを回転軸に取り付けて回転駆動し、
所定の切り込みを与えた後に工具を加工面に対して相対
的に移動させるフライカット方式が一般に用いられてい
る。
【0003】一方、レーザプリンタに用いられる走査レ
ンズ用のトーリック面は、光学的有効域の縦横の長さ比
が大きく、1:20〜1:40程度の形状を持つものが
多い。そのため、フライカット方式で走査レンズを加工
する場合、工具の走査方向が、工具回転軸と平行に送る
様式と、工具回転軸と直交する方向への送りをかける様
式に大別される。そして、上記特開平8−336701
号公報の実施例では、工具回転軸と平行な方向へ送る方
式が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術にあっては、工具回転軸と平行な方向と直交す
る方向のいずれの方向に送る加工様式においても、一回
の送りで加工することのできる加工溝を所定のピッチだ
けずらして加工溝を重ね合わせてゆくことで、曲面とし
ての加工を進行させてゆくこととなる。このピッチ量
は、加工面の表面粗さと相関があるため、鏡面仕上げ加
工の場合には、十分小さい値をとる必要がある。したが
って、加工面全面を加工するためには、工具送りの延べ
長さは、エアカット分を除いても数m以上になる場合が
ほとんどである。また、工具送り速度としては、光学的
な形状精度と表面粗さを確保する上では、500mm/
minを越えるような大きな送り速度を採用することが
できず、結果として走査レンズのレンズ面を1回加工す
るために、数時間を要しているのが現状である。
【0005】そして、光学面の加工に用いられる単結晶
ダイヤバイトは、鋭利な切れ刃稜線という利点を持つ反
面、その切れ刃稜線は、もろくて非常にチッピングを生
じやすいという欠点を有している。そのため、一回の切
り込み深さを大きくとることができず、ほとんどの場
合、数μmといった微小切り込みで用いられることが多
い。
【0006】非球面トーリックレンズの金型加工におい
ては、前工程の設定によって厳密には異なるが、仕上げ
加工前のブランクの形状誤差は、10〜20μm程度で
ある。ダイヤバイトを用いた仕上げ加工機で数μmの切
り込みを与えた場合、このブランク誤差によって、1サ
イクルの加工では前加工面全面に工具が当たりきらずに
加工を完了することができない。したがって、従来、仕
上げ加工を2〜3サイクル繰り返し行って、加工を完了
させることが行われており、金型の仕上げ加工時間は、
段取り時間を除いても十時間以上を必要とし、非常に非
効率な工程となっている。
【0007】また、被加工面が大きい場合には、1サイ
クルでの工具送りの延べ長さも増大するため、このよう
な加工処理を3サイクルも繰り返すと、最終サイクルで
は工具の摩耗が進行して、十分な加工精度を得ることが
できないといった問題も生じている。この問題に対する
対策としては、従来、仕上げ工程を、工具交換を前提と
した「荒仕上げ」、「本仕上げ」といった2つの工程に
分けることで、加工精度の確保は可能となるが、工具交
換に伴う段取り作業が大幅に増え、作業効率が大幅に低
下するという問題があった。
【0008】そこで、請求項1記載の発明は、回転体の
回転軸から被加工物の加工面方向に向かう径方向に対し
て平行な取付面を有する工具取付治具を、回転体の回転
軸を中心として少なくとも2つ以上前記回転体に配設
し、当該工具取付治具にそれぞれ切れ刃を有する工具を
取り付け、当該各工具の切れ刃を、その回転半径と回転
軸の軸方向の位置が切れ刃毎に独立して設定調整可能に
取り付けるとともに、複数の切れ刃を、回転体の回転方
向の配列順にその回転半径が大きくなる状態で取り付け
ることにより、加工前ブランクの形状誤差の大きい加工
物に対しても、従来技術では全面当たりをとる荒仕上
げ、面粗さを確保する仕上げといった2工程の作業工程
で行っていた工程処理を、仕上げ1工程での1サイクル
で加工処理を行い、大幅に作業効率を向上させるととも
に、例えば、単結晶バイトを用いたフライカット方式の
鏡面切削加工においても、数十μmといった大切り込み
を行えるようにして、より一層作業効率を向上させるこ
とのできるカッターヘッドを提供することを目的として
いる。
【0009】請求項2記載の発明は、複数の工具の切れ
刃のうち、最も回転半径の大きい切れ刃を、単結晶ダイ
ヤモンドバイトとし、その他の切れ刃を、焼結ダイヤモ
ンドバイトとすることにより、仕上げ加工における1回
の切り込みで110μmをも可能とするとともに、30
nmRy以下の表面粗さも可能とし、加工効率をより一
層向上させつつ、加工品質をより一層向上させることの
できるカッターヘッドを提供することを目的としてい
る。
【0010】請求項3記載の発明は、複数の工具の切れ
刃を、当該各切れ刃の回転半径の相互の相違量が1μm
から100μmの間に設定することにより、無電解ニッ
ケルメッキ、アルミ、銅、真鍮等の鏡面切削仕上げを、
一刃毎の切り込みを調整することで、ビビリのない良好
な鏡面加工を行い、加工効率を向上させつつ、加工品質
をより一層向上させることのできるカッターヘッドを提
供することを目的としている。
【0011】請求項4記載の発明は、各切れ刃として、
円弧輪郭を有するRバイトを用いることにより、従来の
オフセットアルゴリズムをそのまま用いて、自由鏡面加
工用のNCプログラムを作成することができ、より一層
効率的で安価なカッターヘッドを提供することを目的と
している。
【0012】請求項5記載の発明は、各切れ刃として、
その先端曲率半径が100μm以下の剣先バイトを用い
ることにより、先端のノーズRの小さい単結晶バイトほ
ど、チッピングを生じやすいという初期接触でのチッピ
ング問題を解消し、段取り作業を改善して、より一層効
率的なカッターヘッドを提供することを目的としてい
る。
【0013】請求項6記載の発明は、回転体の回転軸か
ら被加工物の加工面方向に向かう径方向に対して平行な
取付面を有する工具取付治具を、回転体の回転軸を中心
として少なくとも2つ以上回転体に配設し、当該工具取
付治具にそれぞれ切れ刃を有する工具を取り付け、当該
各工具の切れ刃を、その回転半径と回転軸の軸方向の位
置が切れ刃毎に独立して設定調整可能に取り付けるとと
もに、複数の切れ刃を、回転体の回転方向の配列順にそ
の回転半径が大きくなる状態で取り付けられたカッター
ヘッドを回転駆動して、被加工物に対して回転軸と平行
の方向または直交する方向に当該カッターヘッドを送り
動作させるとともに、切り込み方向の位置制御を行っ
て、被加工物の加工を行うことにより、従来の曲面切削
工法およびNCプログラムを変更することなく加工工程
処理を行えるようにし、仕上げ加工の作業効率をさらに
向上させることのできる曲面加工方法を提供することを
目的としている。
【0014】請求項7記載の発明は、回転体の回転軸か
ら被加工物の加工面方向に向かう径方向に対して平行な
取付面を有する工具取付治具を、回転体の回転軸を中心
として少なくとも2つ以上回転体に配設し、当該工具取
付治具にそれぞれ切れ刃を有する工具を取り付け、当該
各工具の切れ刃を、その回転半径と回転軸の軸方向の位
置が切れ刃毎に独立して設定調整可能に取り付けるとと
もに、複数の切れ刃を、回転体の回転方向の配列順にそ
の回転半径が大きくなる状態で取り付けられたカッター
ヘッドを回転駆動して、被加工物に対して回転軸と直交
する方向に当該カッターヘッドを送り動作させるととも
に、切り込み方向の位置制御を行って、被加工物の加工
を行うことにより、光学部品としてのV溝加工を高能率
に行い、加工コストを低減して製品としても、安価で良
質なものを得ることのできるV溝加工方法を提供するこ
とを目的としている。
【0015】請求項8記載の発明は、光学部品を、請求
項1から請求項5のいずれかに記載のカッターヘッドを
用いて、あるいは、請求項6記載の曲面加工方法または
請求項7記載のV溝加工方法で加工作成することによ
り、光学部品の加工を高精度にかつ高能率に行い、安価
で高品質な光学部品を提供することを目的としている。
【0016】請求項9記載の発明は、光学部品用金型
を、請求項1から請求項5のいずれかに記載のカッター
ヘッドを用いて、あるいは、請求項6記載の曲面加工方
法または請求項7記載のV溝加工方法で加工作成するこ
とにより、光学部品用金型の加工を高精度にかつ高能率
に行い、高品質な光学部品を安価に作成することのでき
る光学部品用金型を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のカ
ッターヘッドは、回転体の回転軸から被加工物の加工面
方向に向かう径方向に対して平行な取付面を有する工具
取付治具が、前記回転体の回転軸を中心として少なくと
も2つ以上前記回転体に配設され、当該工具取付治具に
それぞれ切れ刃を有する工具が取り付けられ、当該各工
具の切れ刃が、その回転半径と前記回転軸の軸方向の位
置が前記切れ刃毎に独立して設定調整可能に取り付けら
れているとともに、前記複数の切れ刃が、前記回転体の
回転方向の配列順にその回転半径が大きくなる状態で取
り付けられていることにより、上記目的を達成してい
る。
【0018】上記構成によれば、回転体の回転軸から被
加工物の加工面方向に向かう径方向に対して平行な取付
面を有する工具取付治具を、回転体の回転軸を中心とし
て少なくとも2つ以上前記回転体に配設し、当該工具取
付治具にそれぞれ切れ刃を有する工具を取り付け、当該
各工具の切れ刃を、その回転半径と回転軸の軸方向の位
置が切れ刃毎に独立して設定調整可能に取り付けるとと
もに、複数の切れ刃を、回転体の回転方向の配列順にそ
の回転半径が大きくなる状態で取り付けているので、加
工前ブランクの形状誤差の大きい加工物に対しても、従
来技術では全面当たりをとる荒仕上げ、面粗さを確保す
る仕上げといった2工程の作業工程で行っていた工程処
理を、仕上げ1工程での1サイクルで加工処理を行うこ
とができ、大幅に作業効率を向上させることができると
ともに、例えば、単結晶バイトを用いたフライカット方
式の鏡面切削加工においても、数十μmといった大切り
込みを行えるようにして、より一層作業効率を向上させ
ることができる。
【0019】この場合、例えば、請求項2に記載するよ
うに、前記複数の工具の切れ刃のうち、最も回転半径の
大きい切れ刃は、単結晶ダイヤモンドバイトであり、そ
の他の切れ刃は、焼結ダイヤモンドバイトであってもよ
い。
【0020】上記構成によれば、複数の工具の切れ刃の
うち、最も回転半径の大きい切れ刃を、単結晶ダイヤモ
ンドバイトとし、その他の切れ刃を、焼結ダイヤモンド
バイトとしているので、仕上げ加工における1回の切り
込みで110μmをも可能とすることができるととも
に、30nmRy以下の表面粗さも可能とすることがで
き、加工効率をより一層向上させることができるととも
に、加工品質をより一層向上させることができる。
【0021】また、例えば、請求項3に記載するよう
に、前記複数の工具の切れ刃は、当該各切れ刃の回転半
径の相互の相違量が1μmから100μmの間に設定さ
れていてもよい。
【0022】上記構成によれば、複数の工具の切れ刃
を、当該各切れ刃の回転半径の相互の相違量が1μmか
ら100μmの間に設定しているので、無電解ニッケル
メッキ、アルミ、銅、真鍮等の鏡面切削仕上げを、一刃
毎の切り込みを調整することで、ビビリのない良好な鏡
面加工を行うことができ、加工効率を向上させるとこが
できるとともに、加工品質をより一層向上させることが
できる。
【0023】さらに、例えば、請求項4に記載するよう
に、前記各切れ刃は、円弧輪郭を有するRバイトであっ
てもよい。
【0024】上記構成によれば、各切れ刃として、円弧
輪郭を有するRバイトを用いているので、従来のオフセ
ットアルゴリズムをそのまま用いて、自由鏡面加工用の
NCプログラムを作成することができ、カッターヘッド
をより一層効率的で安価なものとすることができる。
【0025】また、例えば、請求項5に記載するよう
に、前記各切れ刃は、その先端曲率半径が100μm以
下の剣先バイトであってもよい。
【0026】上記構成によれば、各切れ刃として、その
先端曲率半径が100μm以下の剣先バイトを用いてい
るので、先端のノーズRの小さい単結晶バイトほど、チ
ッピングを生じやすいという初期接触でのチッピング問
題を解消することができ、段取り作業を改善して、より
一層加工効率を向上させることができる。
【0027】請求項6記載の発明の曲面加工方法は、回
転体の回転軸から被加工物の加工面方向に向かう径方向
に対して平行な取付面を有する工具取付治具が、前記回
転体の回転軸を中心として少なくとも2つ以上前記回転
体に配設され、当該工具取付治具にそれぞれ切れ刃を有
する工具が取り付けられ、当該各工具の切れ刃が、その
回転半径と前記回転軸の軸方向の位置が前記切れ刃毎に
独立して設定調整可能に取り付けられているとともに、
前記複数の切れ刃が、前記回転体の回転方向の配列順に
その回転半径が大きくなる状態で取り付けられているカ
ッターヘッドを回転駆動して、前記被加工物に対して前
記回転軸と平行の方向または直交する方向に当該カッタ
ーヘッドを送り動作させるとともに、切り込み方向の位
置制御を行って、前記被加工物の加工を行うことによ
り、上記目的を達成している。
【0028】上記構成によれば、回転体の回転軸から被
加工物の加工面方向に向かう径方向に対して平行な取付
面を有する工具取付治具を、回転体の回転軸を中心とし
て少なくとも2つ以上回転体に配設し、当該工具取付治
具にそれぞれ切れ刃を有する工具を取り付け、当該各工
具の切れ刃を、その回転半径と回転軸の軸方向の位置が
切れ刃毎に独立して設定調整可能に取り付けるととも
に、複数の切れ刃を、回転体の回転方向の配列順にその
回転半径が大きくなる状態で取り付けられたカッターヘ
ッドを回転駆動して、被加工物に対して回転軸と平行の
方向または直交する方向に当該カッターヘッドを送り動
作させるとともに、切り込み方向の位置制御を行って、
被加工物の加工を行うので、従来の曲面切削工法および
NCプログラムを変更することなく加工工程処理を行う
ことができ、仕上げ加工の作業効率を向上させることが
できる。
【0029】請求項7記載の発明のV溝加工方法は、回
転体の回転軸から被加工物の加工面方向に向かう径方向
に対して平行な取付面を有する工具取付治具が、前記回
転体の回転軸を中心として少なくとも2つ以上前記回転
体に配設され、当該工具取付治具にそれぞれ切れ刃を有
する工具が取り付けられ、当該各工具の切れ刃が、その
回転半径と前記回転軸の軸方向の位置が前記切れ刃毎に
独立して設定調整可能に取り付けられているとともに、
前記複数の切れ刃が、前記回転体の回転方向の配列順に
その回転半径が大きくなる状態で取り付けられているカ
ッターヘッドを回転駆動して、前記被加工物に対して前
記回転軸と直交する方向に当該カッターヘッドを送り動
作させるとともに、切り込み方向の位置制御を行って、
前記被加工物に前記切れ刃の輪郭を転写したV溝を加工
することにより、上記目的を達成している。
【0030】上記構成によれば、回転体の回転軸から被
加工物の加工面方向に向かう径方向に対して平行な取付
面を有する工具取付治具を、回転体の回転軸を中心とし
て少なくとも2つ以上回転体に配設し、当該工具取付治
具にそれぞれ切れ刃を有する工具を取り付け、当該各工
具の切れ刃を、その回転半径と回転軸の軸方向の位置が
切れ刃毎に独立して設定調整可能に取り付けるととも
に、複数の切れ刃を、回転体の回転方向の配列順にその
回転半径が大きくなる状態で取り付けられたカッターヘ
ッドを回転駆動して、被加工物に対して回転軸と直交す
る方向に当該カッターヘッドを送り動作させるととも
に、切り込み方向の位置制御を行って、被加工物の加工
を行うので、光学部品としてのV溝加工を高能率に行う
ことができ、加工コストを低減して製品としても、安価
で良質なものを得ることができる。
【0031】請求項8記載の発明の光学部品は、請求項
1から請求項5のいずれかに記載のカッターヘッドを用
いて、あるいは、請求項6記載の曲面加工方法または請
求項7記載のV溝加工方法で加工作成されることによ
り、上記目的を達成している。
【0032】上記構成によれば、光学部品を、請求項1
から請求項5のいずれかに記載のカッターヘッドを用い
て、あるいは、請求項6記載の曲面加工方法または請求
項7記載のV溝加工方法で加工作成しているので、光学
部品の加工を高精度にかつ高能率に行うことができ、光
学部品を安価で高品質なものとすることができる。
【0033】請求項9記載の発明の光学部品用金型は、
請求項1から請求項5のいずれかに記載のカッターヘッ
ドを用いて、あるいは、請求項6記載の曲面加工方法ま
たは請求項7記載のV溝加工方法で加工作成されること
により、上記目的を達成している。
【0034】上記構成によれば、光学部品用金型を、請
求項1から請求項5のいずれかに記載のカッターヘッド
を用いて、あるいは、請求項6記載の曲面加工方法また
は請求項7記載のV溝加工方法で加工作成しているの
で、光学部品用金型の加工を高精度にかつ高能率に行う
ことができ、高品質な光学部品を安価に作成することが
できる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0036】図1〜図6は、本発明のカッタヘッド、曲
面加工方法、V溝加工方法及び光学部品の第1の実施の
形態を示す図であり、図1は、本発明ののカッタヘッ
ド、曲面加工方法、V溝加工方法及び光学部品の第1の
実施の形態を適用したカッタヘッド1の平面図、図2
は、図1のカッタヘッド1の正面断面図である。
【0037】図1及び図2において、カッタヘッド1
は、所定幅の円盤形状に形成されており、カッターヘッ
ド1の外周部の相対向する位置には、工具として仕上げ
用Rバイト2と荒仕上げ用Rバイト3が取り付けられて
いる。仕上げ用Rバイト2には、仕上げ用バイトチップ
2aが取り付けられており、仕上げ用バイトチップ(切
れ刃)2aは、加工面の表面粗さに優れる材質である単
結晶ダイヤモンドバイトが用いられている。荒仕上げ用
Rバイト3には、荒仕上げ用バイトチップ(切れ刃)3
aが取り付けられており、荒仕上げ用バイトチップ3a
は、数十μmの切り込みを与えた際に切れ刃が容易に損
耗することのない、耐チッピング性、耐摩耗性に優れる
材質焼結ダイヤモンドバイトが用いられている。仕上げ
用バイトチップ2aのチップ切れ刃部の曲率半径は、R
4.5であり、荒仕上げ用バイトチップ3aのチップ切
れ刃部の曲率半径は、R5である。
【0038】仕上げ用Rバイト2及び荒仕上げ用Rバイ
ト3は、それぞれスライドボックス(工具取付治具)
4、5内に収納されており、仕上げ用Rバイト2及び荒
仕上げ用Rバイト3のそれぞれの柄部には、円錐型のく
ぼみが形成されている。仕上げ用Rバイト2及び荒仕上
げ用Rバイト3は、それぞれの円錐型のくぼみに円錐型
セットネジ6、7が差し込まれる状態で、スライドボッ
クス4、5に対して、回転運動(以下、アオリとい
う。)可能な状態で取り付けられ、さらに、シャンク固
定用イモビス8、9で各々の仕上げ用Rバイト2及び荒
仕上げ用Rバイト3をスライドボックス4、5に強固に
固定して、回転運動を規制している。そして、シャンク
固定用イモビス8、9を緩めた状態であれば、アオリ調
整用イモビス10、11を進退させることにより、仕上
げ用Rバイト2部分の要部拡大斜視図である図3にA回
転方向で示す方向に、仕上げ用Rバイト2及び荒仕上げ
用Rバイト3の微小なアオリ調整を行うことができる。
【0039】スライドボックス4及びスライドボックス
5は、それぞれ、カッターヘッド1本体の矩形状の切り
欠き1a、1bに、填め込まれる形で配置されており、
スライドボックス固定用イモビス12、13でカッタヘ
ッド本体1に対して強固に固定されている。また、スラ
イドボックス4及びスライドボックス5は、スライドボ
ックス固定用イモビス12、13をゆるめた状態で、ス
ライドボックス位置決め用イモビス14、15の進退に
よって、バイト2、3、すなわち、バイトチップ2a、
3aを、図3に示すR方向に微小な位置決めを行うこと
ができる。
【0040】図4は、仕上げ用バイトチップ2aと荒仕
上げ用バイトチップ3aの旋回中心に対する位置関係を
示しており、それぞれの回転半径が、r1とr2で示さ
れている。
【0041】仕上げ用バイトチップ2aと荒仕上げ用バ
イトチップ3aの回転半径の大きさは、r1>r2とな
るように位置調整されている。
【0042】図5は、仕上げ用バイトチップで2a形成
される切削痕21と荒仕上げ用バイトチップ3aで形成
される切削痕22の位値関係を示しており、仕上げ用バ
イトチップ2aと荒仕上げ用バイトチップ3aは、仕上
げ用バイトチップで2a形成される切削痕21と荒仕上
げ用バイトチップ3aで形成される切削痕22の幅方向
において、加工痕の最も深くなる位置が一致するよう
に、図3のA回転方向のアオリ調整を行うことで、調整
されている。
【0043】図5において、仕上げ用バイトチップ2a
による仕上げ加工での切り込みがδ2であり、荒仕上げ
用バイトチップ3aによる荒仕上げでの切り込みがδ1
である。切り込みδ1は、カッタヘッド1の取り付けら
れる加工装置の備えている位置決め機構によって設定さ
れ、切り込みδ2は、仕上げ用バイトチップ2aと荒仕
上げ用バイトチップ3aとの位置関係できまる回転半径
r1、r2の差によって与えられる。
【0044】切り込みδ1は、次式の関係を有してい
る。
【0045】δ1=r1−r2 そして、切り込みδ1及び切り込みδ2は、アルミや銅
に代表される軟質金属の加工に対しては、例えば、δ1
=10μm、δ2=100μmに設定するのが最適であ
る。
【0046】次に、本実施の形態の作用を説明する。本
実施の形態のカッタヘッド1は、加工装置のスピンドル
等に取り付けられ、レーザビームプリンタのポリゴンス
キャナ光学系の走査レンズや走査レンズの金型の加工に
使用される。
【0047】そして、カッタヘッド1は、円盤形状に形
成され、その外周部の相対向する位置に仕上げ用Rバイ
ト2と荒仕上げ用Rバイト3が配設されており、仕上げ
用Rバイト2には、単結晶ダイヤモンドバイトの仕上げ
用バイトチップ2aが、荒仕上げ用Rバイト3には、焼
結ダイヤモンドバイトの荒仕上げ用バイトチップ3aが
それぞれ取り付けられている。
【0048】仕上げ用Rバイト2及び荒仕上げ用Rバイ
ト3は、それぞれスライドボックス4、5内に収納され
ており、円錐型セットネジ6、7で、スライドボックス
4、5に対して、アオリ可能な状態で取り付けられて微
少なアオリ調整が行われた後、シャンク固定用イモビス
8、9でスライドボックス4、5に強固に固定される。
【0049】また、スライドボックス4及びスライドボ
ックス5は、それぞれ、カッターヘッド1の本体の矩形
状の切り欠き1a、1bに、填め込まれる形で配置され
ており、スライドボックス位置決め用イモビス14、1
5の進退によって、位置調整された後、スライドボック
ス固定用イモビス12、13でカッタヘッド本体1に対
して強固に固定される。
【0050】そして、仕上げ用バイトチップ2aの回転
半径r1と荒仕上げ用バイトチップ3aの回転半径r2
は、r1>r2の関係となるように位置調整されてお
り、例えば、仕上げ用バイトチップ2aと荒仕上げ用バ
イトチップ3aの回転半径を数μmから数十μmだけ異
なる状態で配置する。
【0051】この状態で、走査レンズやその金型等の加
工物の加工を行うと、仕上げ用Rバイト2の仕上げ用バ
イトチップ2aと荒仕上げ用Rバイト3の荒仕上げ用バ
イトチップ3aで同時に加工を行い、大きい回転半径を
有する仕上げ用バイトチップ2aで仕上げ加工を行うこ
とができる。
【0052】すなわち、図5に示したように、仕上げ用
バイトチップ2aと荒仕上げ用バイトチップ3aを、仕
上げ用バイトチップで2a形成される切削痕21と荒仕
上げ用バイトチップ3aで形成される切削痕22の幅方
向において、加工痕の最も深くなる位置が一致するよう
に、図3のA回転方向のアオリ調整を行うことで、調整
する。
【0053】したがって、加工前ブランクの形状誤差の
大きい加工物に対して、従来では全面当たりをとる荒仕
上げ、面粗さを確保する仕上げといった2工程とってい
た加工工程を、仕上げ1工程での1サイクルで加工完了
を実現することができ、高精度に加工を行うことができ
るとともに、作業効率を大幅に向上させることができ
る。
【0054】また、本実施の形態のカッタヘッド1は、
仕上げ用バイトチップ2aとして、加工面の表面粗さに
優れる材質である単結晶ダイヤモンドバイトが用い、荒
仕上げ用バイトチップ3aとして、数十μmの切り込み
を与えた際に切れ刃が容易に損耗することのない、耐チ
ッピング性、耐摩耗性に優れる材質である焼結ダイヤモ
ンドバイトが用いられている。
【0055】したがって、面粗さを確保する仕上げとい
った2工程とっていた加工工程を、仕上げ1工程での1
サイクルで加工完了を実現することができ、高精度に加
工を行うことができるとともに、作業効率を大幅に向上
させることができる。
【0056】なお、上記スライドボックス4、5をカッ
タヘッド1の矩形状の切り欠き1a、1bに、填め込む
際に、カッターヘッド1本体との間に、図6に仕上げ用
Rバイト2について示すように、しき板21をかませて
もよい。
【0057】この場合、しきり板31の厚さを調整する
ことで、図3にTで示す方向に仕上げ用バイトチップ2
aや荒仕上げ用バイトチップ3aの位置を微調整するこ
とができる。
【0058】このしきり板31をかませることによる仕
上げ用バイトチップ2aや荒仕上げ用バイトチップ3a
の調整は、仕上げ用バイトチップ2aや荒仕上げ用バイ
トチップ3aが被加工物の加工面に作用する際のすくい
角を変更することに相当し、本実施の形態のカッタヘッ
ド1のように仕上げ用Rバイト2や荒仕上げ用Rバイト
3を用いている場合には、ノーズRのわずかな増大、V
溝加工用の剣先バイトにおいては、V溝の開き角をわず
かに増大させる作用を持たせることができる。
【0059】
【実施例】図7に示すように、本実施の形態1のカッタ
ーヘッド1を、空気軸受スピンドル40にチャックし、
約10000rpmで旋回駆動して、被加工物50のト
ーリック面のフライカット加工を行った。
【0060】加工結果は、設計値に対して50μm程度
の形状誤差を有する前加工面に対して、切り込みδ2=
100μmとすることで、従来では、3サイクルの加工
で仕上げていた加工工程を、1サイクルの加工で、加工
面全面を仕上げ加工することができた。
【0061】したがって、段取りを除くと、加工時間
を、従来の加工処理に比較して、約1/3に短縮するこ
とができた。
【0062】図8は、本発明のカッタヘッド、曲面加工
方法、V溝加工方法及び光学部品の第2の実施の形態を
示す図であり、図8は、本発明ののカッタヘッド、曲面
加工方法、V溝加工方法及び光学部品の第2の実施の形
態を適用したカッタヘッド60の正面図である。
【0063】図8において、カッタヘッド60は、1本
の仕上げ用Rバイト61と2本の荒仕上げ用Rバイト6
2、63の合計3本のバイトを備えており、仕上げ用R
バイト61のバイトチップの回転半径r4と2本の荒仕
上げ用Rバイト62、63のバイトチップの回転半径r
5、r6は、r4>r6>r5となるように、位置調整
されている。
【0064】そして、仕上げ用Rバイト61のバイトチ
ップの回転半径r4とカッタヘッド60の回転方向直前
に位置する荒仕上げ用バイト62のバイトチップの回転
半径r5との差δ3(δ3=r4―r5)は、上記第1
の実施の形態の場合と同様に、仕上げ切り込みに相当す
る。このようにすると、より一層効率的に加工を行うこ
とができる。
【0065】図9は、本発明のカッタヘッド、曲面加工
方法、V溝加工方法及び光学部品の第3の実施の形態を
示す図であり、図9は、本発明ののカッタヘッド、曲面
加工方法、V溝加工方法及び光学部品の第3の実施の形
態を適用したカッタヘッド70の要部斜視図である。
【0066】なお、本実施の形態は、上記第1の実施の
形態のカッタヘッド1と同様のカッタヘッドに適用した
ものであり、第1の実施の形態のカッタヘッド1と同様
の構成部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を
省略する。
【0067】図9は、本実施の形態のカッタヘッド70
の仕上げ用Rバイト71部分の斜視図であり、仕上げ用
Rバイト71は、スライドボックス4内に収納されてい
る。仕上げ用Rバイト71は、V溝加工用であり、仕上
げ用バイトチップ71aが取り付けられている。
【0068】この仕上げ用Rバイト71の仕上げ用バイ
トチップ71aの回転半径、アオリ調整等は、上記第1
の実施の形態の場合と同様であり、また、図6に示した
しき板31を用いた調整と組み合わせることで、被加工
物への加工痕であるV溝の開き角を微妙に調整すること
ができる。
【0069】そして、上記各実施の形態のカッターヘッ
ド1、60、70を用いて、また、上記説明の曲面加工
方法やV溝加工方法で、走査レンズ等の光学部品を加工
処理行うことにより、光学部品の加工を高精度にかつ高
能率に行うことができ、安価で高品質な光学部品を加工
することができる。
【0070】また、上記各実施の形態のカッターヘッド
1、60、70を用いて、また、上記説明の曲面加工方
法やV溝加工方法で、走査レンズ等の光学部品用金型を
加工処理行うことにより、光学部品用金型の加工を高精
度にかつ高能率に行うことができ、高品質な光学部品を
安価に作成することができる。
【0071】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0072】
【発明の効果】請求項1記載の発明のカッタヘッドによ
れば、回転体の回転軸から被加工物の加工面方向に向か
う径方向に対して平行な取付面を有する工具取付治具
を、回転体の回転軸を中心として少なくとも2つ以上前
記回転体に配設し、当該工具取付治具にそれぞれ切れ刃
を有する工具を取り付け、当該各工具の切れ刃を、その
回転半径と回転軸の軸方向の位置が切れ刃毎に独立して
設定調整可能に取り付けるとともに、複数の切れ刃を、
回転体の回転方向の配列順にその回転半径が大きくなる
状態で取り付けているので、加工前ブランクの形状誤差
の大きい加工物に対しても、従来技術では全面当たりを
とる荒仕上げ、面粗さを確保する仕上げといった2工程
の作業工程で行っていた工程処理を、仕上げ1工程での
1サイクルで加工処理を行うことができ、大幅に作業効
率を向上させることができるとともに、例えば、単結晶
バイトを用いたフライカット方式の鏡面切削加工におい
ても、数十μmといった大切り込みを行えるようにし
て、より一層作業効率を向上させることができる。
【0073】請求項2記載の発明のカッタヘッドによれ
ば、複数の工具の切れ刃のうち、最も回転半径の大きい
切れ刃を、単結晶ダイヤモンドバイトとし、その他の切
れ刃を、焼結ダイヤモンドバイトとしているので、仕上
げ加工における1回の切り込みで110μmをも可能と
することができるとともに、30nmRy以下の表面粗
さも可能とすることができ、加工効率をより一層向上さ
せることができるとともに、加工品質をより一層向上さ
せることができる。
【0074】請求項3記載の発明のカッタヘッドによれ
ば、複数の工具の切れ刃を、当該各切れ刃の回転半径の
相互の相違量が1μmから100μmの間に設定してい
るので、無電解ニッケルメッキ、アルミ、銅、真鍮等の
鏡面切削仕上げを、一刃毎の切り込みを調整すること
で、ビビリのない良好な鏡面加工を行うことができ、加
工効率を向上させるとこができるとともに、加工品質を
より一層向上させることができる。
【0075】請求項4記載の発明のカッタヘッドによれ
ば、各切れ刃として、円弧輪郭を有するRバイトを用い
ているので、従来のオフセットアルゴリズムをそのまま
用いて、自由鏡面加工用のNCプログラムを作成するこ
とができ、カッターヘッドをより一層効率的で安価なも
のとすることができる。
【0076】請求項5記載の発明のカッタヘッドによれ
ば、各切れ刃として、その先端曲率半径が100μm以
下の剣先バイトを用いているので、先端のノーズRの小
さい単結晶バイトほど、チッピングを生じやすいという
初期接触でのチッピング問題を解消することができ、段
取り作業を改善して、より一層加工効率を向上させるこ
とができる。
【0077】請求項6記載の発明の曲面加工方法によれ
ば、回転体の回転軸から被加工物の加工面方向に向かう
径方向に対して平行な取付面を有する工具取付治具を、
回転体の回転軸を中心として少なくとも2つ以上回転体
に配設し、当該工具取付治具にそれぞれ切れ刃を有する
工具を取り付け、当該各工具の切れ刃を、その回転半径
と回転軸の軸方向の位置が切れ刃毎に独立して設定調整
可能に取り付けるとともに、複数の切れ刃を、回転体の
回転方向の配列順にその回転半径が大きくなる状態で取
り付けられたカッターヘッドを回転駆動して、被加工物
に対して回転軸と平行の方向または直交する方向に当該
カッターヘッドを送り動作させるとともに、切り込み方
向の位置制御を行って、被加工物の加工を行うので、従
来の曲面切削工法およびNCプログラムを変更すること
なく加工工程処理を行うことができ、仕上げ加工の作業
効率を向上させることができる。
【0078】請求項7記載の発明のV溝加工方法によれ
ば、回転体の回転軸から被加工物の加工面方向に向かう
径方向に対して平行な取付面を有する工具取付治具を、
回転体の回転軸を中心として少なくとも2つ以上回転体
に配設し、当該工具取付治具にそれぞれ切れ刃を有する
工具を取り付け、当該各工具の切れ刃を、その回転半径
と回転軸の軸方向の位置が切れ刃毎に独立して設定調整
可能に取り付けるとともに、複数の切れ刃を、回転体の
回転方向の配列順にその回転半径が大きくなる状態で取
り付けられたカッターヘッドを回転駆動して、被加工物
に対して回転軸と直交する方向に当該カッターヘッドを
送り動作させるとともに、切り込み方向の位置制御を行
って、被加工物の加工を行うので、光学部品としてのV
溝加工を高能率に行うことができ、加工コストを低減し
て製品としても、安価で良質なものを得ることができ
る。
【0079】請求項8記載の発明の光学部品によれば、
光学部品を、請求項1から請求項5のいずれかに記載の
カッターヘッドを用いて、あるいは、請求項6記載の曲
面加工方法または請求項7記載のV溝加工方法で加工作
成しているので、光学部品の加工を高精度にかつ高能率
に行うことができ、光学部品を安価で高品質なものとす
ることができる。
【0080】請求項9記載の発明の光学部品用金型によ
れば、光学部品用金型を、請求項1から請求項5のいず
れかに記載のカッターヘッドを用いて、あるいは、請求
項6記載の曲面加工方法または請求項7記載のV溝加工
方法で加工作成しているので、光学部品用金型の加工を
高精度にかつ高能率に行うことができ、高品質な光学部
品を安価に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカッターヘッド、曲面加工方法、V溝
加工方法、光学部品及び光学部品用金型の第1の実施の
形態を適用したカッタヘッドの平面図。
【図2】図1のカッタヘッドの正面断面図。
【図3】図1のカッタヘッドの仕上げ用Rバイト部分の
拡大斜視図。
【図4】図1のカッタヘッドの仕上げ用Rバイトと荒仕
上げ用Rバイトの回転半径の関係を示す図。
【図5】図1のカッタヘッドの仕上げ用バイトチップと
荒仕上げ用バイトチップによる被加工物への切削痕の位
置関係を示す要部断面図。
【図6】図1のカッタヘッドのスライドボックスとカッ
タヘッド本体との間に仕切り板を挿入している状態の要
部正面断面図。
【図7】図1のカッタヘッドを使用して被加工物を加工
している状態の実施例の斜視図。
【図8】本発明のカッターヘッド、曲面加工方法、V溝
加工方法、光学部品及び光学部品用金型の第2の実施の
形態を適用したカッタヘッドの概略平面図。
【図9】本発明のカッターヘッド、曲面加工方法、V溝
加工方法、光学部品及び光学部品用金型の第3の実施の
形態を適用したカッタヘッドの要部斜視図。
【符号の説明】
1 カッタヘッド 1a、1b 切り欠き 2 仕上げ用Rバイト 2a 仕上げ用バイトチップ 3 荒仕上げ用Rバイト 3a 荒仕上げ用バイトチップ 4、5 スライドボックス 6、7 円錐型セットネジ 8、9 シャンク固定用イモビス 10、11 アオリ調整用イモビス 12、13 スライドボックス固定用イモビス 14、15 スライドボックス位置決め用イモビス 21、22 切削痕 31 しきり板 70 カッタヘッド 71 仕上げ用Rバイト 71a 仕上げ用バイトチップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23C 5/20 B23C 5/20 5/24 5/24 // B23B 27/20 B23B 27/20 (72)発明者 遠藤 弘之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 張 軍 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 3C022 AA01 AA10 EE01 GG01 LL01 LL02 MM15 NN01 3C045 AA10 BA33 CA18 CA30 DA30 3C046 AA08 NN05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転体の回転軸から被加工物の加工面方向
    に向かう径方向に対して平行な取付面を有する工具取付
    治具が、前記回転体の回転軸を中心として少なくとも2
    つ以上前記回転体に配設され、当該工具取付治具にそれ
    ぞれ切れ刃を有する工具が取り付けられ、当該各工具の
    切れ刃が、その回転半径と前記回転軸の軸方向の位置が
    前記切れ刃毎に独立して設定調整可能に取り付けられて
    いるとともに、前記複数の切れ刃が、前記回転体の回転
    方向の配列順にその回転半径が大きくなる状態で取り付
    けられていることを特徴とするカッターヘッド。
  2. 【請求項2】前記複数の工具の切れ刃のうち、最も回転
    半径の大きい切れ刃は、単結晶ダイヤモンドバイトであ
    り、その他の切れ刃は、焼結ダイヤモンドバイトである
    ことを特徴とする請求項1記載のカッターヘッド。
  3. 【請求項3】前記複数の工具の切れ刃は、当該各切れ刃
    の回転半径の相互の相違量が1μmから100μmの間
    に設定されていることを特徴とする請求項1または請求
    項2記載のカッターヘッド。
  4. 【請求項4】前記各切れ刃は、円弧輪郭を有するRバイ
    トであることを特徴とする請求項1から請求項3のいず
    れかに記載のカッターヘッド。
  5. 【請求項5】前記各切れ刃は、その先端曲率半径が10
    0μm以下の剣先バイトであることを特徴とする請求項
    1から請求項4のいずれかに記載のカッターヘッド。
  6. 【請求項6】回転体の回転軸から被加工物の加工面方向
    に向かう径方向に対して平行な取付面を有する工具取付
    治具が、前記回転体の回転軸を中心として少なくとも2
    つ以上前記回転体に配設され、当該工具取付治具にそれ
    ぞれ切れ刃を有する工具が取り付けられ、当該各工具の
    切れ刃が、その回転半径と前記回転軸の軸方向の位置が
    前記切れ刃毎に独立して設定調整可能に取り付けられて
    いるとともに、前記複数の切れ刃が、前記回転体の回転
    方向の配列順にその回転半径が大きくなる状態で取り付
    けられているカッターヘッドを回転駆動して、前記被加
    工物に対して前記回転軸と平行の方向または直交する方
    向に当該カッターヘッドを送り動作させるとともに、切
    り込み方向の位置制御を行って、前記被加工物の加工を
    行うことを特徴とする曲面加工方法。
  7. 【請求項7】回転体の回転軸から被加工物の加工面方向
    に向かう径方向に対して平行な取付面を有する工具取付
    治具が、前記回転体の回転軸を中心として少なくとも2
    つ以上前記回転体に配設され、当該工具取付治具にそれ
    ぞれ切れ刃を有する工具が取り付けられ、当該各工具の
    切れ刃が、その回転半径と前記回転軸の軸方向の位置が
    前記切れ刃毎に独立して設定調整可能に取り付けられて
    いるとともに、前記複数の切れ刃が、前記回転体の回転
    方向の配列順にその回転半径が大きくなる状態で取り付
    けられているカッターヘッドを回転駆動して、前記被加
    工物に対して前記回転軸と直交する方向に当該カッター
    ヘッドを送り動作させるとともに、切り込み方向の位置
    制御を行って、前記被加工物に前記切れ刃の輪郭を転写
    したV溝を加工することを特徴とするV溝加工方法。
  8. 【請求項8】請求項1から請求項5のいずれかに記載の
    カッターヘッドを用いて、あるいは、請求項6記載の曲
    面加工方法または請求項7記載のV溝加工方法で加工作
    成されたことを特徴とする光学部品。
  9. 【請求項9】請求項1から請求項5のいずれかに記載の
    カッターヘッドを用いて、あるいは、請求項6記載の曲
    面加工方法または請求項7記載のV溝加工方法で加工作
    成されたことを特徴とする光学部品用金型。
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