JP2003009484A - 自己始動リラクタンスモータの回転子 - Google Patents

自己始動リラクタンスモータの回転子

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JP2003009484A JP2001188697A JP2001188697A JP2003009484A JP 2003009484 A JP2003009484 A JP 2003009484A JP 2001188697 A JP2001188697 A JP 2001188697A JP 2001188697 A JP2001188697 A JP 2001188697A JP 2003009484 A JP2003009484 A JP 2003009484A
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正哉 井上
Satoru Fujimura
哲 藤村
Kunio Mori
邦雄 森
Michio Nakamoto
道夫 中本
Norihiro Achiwa
典弘 阿知和
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の課題を解決可能な自己始動リラクタン
スモータを得る。 【解決手段】 36個のスロット2が形成され4極の進
行磁界を発生する固定子1に対向して設けられ、1極に
対して5層のフラックスバリアスリット4が設けられ、
フラックスバリアスリット4内に非磁性導電性材料が注
入されて2次導体5が形成されており、回転子3の断面
形状は、回転子3の外周部が全周を44等分割され1極
に対して11となる位置おいて、5層のフラックスバリ
アスリット4のうち4層のフラックスバリアスリット4
は、11の位置の外側どうしの2位置を順次結ぶように
形成されるとともに、磁気的に非突極方向でかつ外周側
に形成された残る1層のフラックスバリアスリット4
は、11の位置の中央の3位置を結合するように形成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リラクタンストル
クを利用した同期電動機であり、特に回転子に始動用2
次導体(フラックスバリア)を設けることで自己始動可
能としたリラクタンスモータに関し、特に種々の課題を
解決可能な自己始動リラクタンスモータの回転子の構造
に関するするものである。
【0002】
【従来の技術】回転子に磁気的な突極構造を持ち、固定
子の進行磁界に同期して回転するいわゆるリラクタンス
モータは、反作用モータ、あるいは同期リラクタンスモ
ータとして一般に知られている。そして、近年は磁気的
な突極を極限にまで高めるために回転子に多層のスリッ
ト構造をもたせることで、誘導電動機を上回る高効率モ
ータとして注目されている。
【0003】しかし、このような構造のリラクタンスモ
ータは同期モータであるために回転子位置に応じて固定
子巻き線の電流位相を制御することが必要であり、一般
にインバータによって駆動される。一方、インバータ以
外の始動方法として、例えば特開平11−146615
号公報に記載されるモータのように、回転子に誘導のた
めの始動用2次導体を設ける方法が提案されている。
【0004】さらには、これとは別に従来のリラクタン
スモータにおける課題としてスリットの配置を適当に選
ばない場合には、同期運転時におけるトルクリップルが
発生して、これが負荷と共振するなどして振動騒音の要
因となる問題があった。この点に関しては、上述の従来
例においては、回転子スキューを施してトルクリップル
を低減する方法が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ファン、ポンプ、コン
プレッサなど従来誘導モータが用いられてきた一般産業
用モータに、このような構造のリラクタンスモータを適
用する為には、回転子位置に応じて電圧を制御するイン
バータを用いる方法が一般的である。しかし、インバー
タを用いるとコストが増加するだけでなくインバータ損
失の発生によって総合効率が低下してしまう問題があ
る。したがって、このような構造のリラクタンスモータ
においても、誘導電動機と同様に、インバータを使用し
ないでも定格速度で運転できることが望ましく、商用電
源にて同期速度まで加速して同期運転できることが望ま
しい。
【0006】これに対して、上述の従来例である特開平
11−146615号公報には、棒状導体をスリット部
の外周付近に配置する方法が提案されている。このよう
にして、誘導始動を可能とするリラクタンスモータが提
案されているが、このような棒状導体をスリット部の外
周付近に配置する方法では、負荷と慣性によって同期引
き入れができない領域があるので問題であった。同期引
き入れせずに非同期で運転されるリラクタンスモータは
振動が大きくて効率が低く一般産業用途に適さない。
【0007】そして、特に、このような多層スリット構
造のリラクタンスモータは、回転子の磁気的な突極性が
高いために慣性の大きな負荷に対しては引き入れ能力が
低下してしまう問題がある。さらには、誘導電動機と同
一枠番で自己始動リラクタンスモータを構成すると負荷
の慣性が回転子慣性と同程度を超えると定格トルク負荷
に対する同期引き入れが困難になる問題がある。
【0008】これらの課題から単純に棒状導体をスリッ
ト部の外周付近に配置したとしても、その適用範囲は比
較的慣性の小さな用途に限られるために、商用電源にて
直接駆動するモータとして一般産業用に広く適用するこ
とは困難であるという課題があった。
【0009】また、このような多層スリット構造のリラ
クタンスモータを一般作業用モータとして適用すること
を考えた場合のさらなる課題として、量産性と低振動の
両立がある。
【0010】すなわち、量産を考えた場合には、コスト
面から、回転子に設ける始動用の2次導体をアルミダイ
キャストによって作成することが望ましい。そして、ダ
イキャスト時の生産性を考えた場合には、微小なスリッ
ト幅とすると溶融アルミを回転子に流動させる際の圧損
が大きくなり量産性が低下する。したがって現実的に
は、回転子に配置できるスリットの数は少なく配置する
ことが望ましい。
【0011】しかし、スリット数が少ないと固定子スロ
ットと回転子の間の磁気的な相互作用によってトルクリ
ップルが大きくなって振動騒音を発生する。これを避け
る案として、上述の従来例においては、回転子にスキュ
ーを採用する方法が開示されているが、回転子の磁気的
な突極性が低下すること、さらには回転子表面部分を周
方向に渡って流れる渦電流による損失いわゆる横流損失
が生じるなどしてモータの効率・力率が低下する問題が
あり、そのため、量産性と振動と効率・力率すべてを兼
ね備えた誘導始動するリラクタンスモータを得ることは
従来困難であった。
【0012】この発明は、このような課題を解決するた
めになされたもので、誘導電動機と同じサイズで作製し
た場合においても、回転子慣性より大きな慣性を有する
負荷に対しても商用電源直入れによって自己始動が可能
であると同時に、同一サイズで作成した誘導電動機より
も高い効率を有し、さらにトルクリップルが小さいとい
う全てのを得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係る自己始動
リラクタンスモータの回転子は、36個のスロットが形
成された固定子鉄心、及び固定子鉄心に3相巻きに巻回
された巻き線を有し、4極の進行磁界を発生する固定子
に対向して設けられ、ロータ中央方向に対して凸形をな
す形状の1極に対して5層のフラックスバリアスリット
が設けられ、フラックスバリアスリット内に非磁性導電
性材料が注入されて2次導体が形成されている自己始動
リラクタンスモータの回転子であって、回転子の断面形
状は、回転子の外周部が全周を44等分割され1極に対
して11となる位置おいて、5層のフラックスバリアス
リットのうち回転子中央軸側に位置する4層のフラック
スバリアスリットは、11の位置の外側どうしの2位置
を順次結ぶように形成されるとともに、磁気的に非突極
方向でかつ外周側に形成された残る1層のフラックスバ
リアスリットは、11の位置の中央の3位置を結合する
ように形成され、結合されたフラックスバリアスリット
の極弧幅角が所定の角度以上である。
【0014】また、この発明に係る自己始動リラクタン
スモータの回転子は、48個のスロットが形成された固
定子鉄心、及び固定子鉄心に3相巻きに巻回された巻き
線を有し、4極の進行磁界を発生する固定子に対向して
設けられ、ロータ中央方向に対して凸形をなす形状の1
極に対して6層のフラックスバリアスリットが設けら
れ、フラックスバリアスリット内に非磁性導電性材料が
注入されて2次導体が形成されている自己始動リラクタ
ンスモータの回転子であって、回転子の断面形状は、回
転子の外周部が全周を56等分割され1極に対して14
となる位置おいて、6層のフラックスバリアスリットの
うち回転子中央軸側に位置する5層のフラックスバリア
スリットは、14の位置のうち外側どうしの2位置を順
次結ぶように形成されるとともに、磁気的に非突極方向
でかつ外周側に形成された残る1層のフラックスバリア
スリットは、14の位置のうち中央の4位置を結合する
ように形成され、結合されたフラックスバリアスリット
の極弧幅角が所定の角度以上である。
【0015】また、この発明に係る自己始動リラクタン
スモータの回転子は、48個のスロットが形成された固
定子鉄心、及び固定子鉄心に3相巻きに巻回された巻き
線を有し、4極の進行磁界を発生する固定子に対向して
設けられ、ロータ中央方向に対して凸形をなす形状の1
極に対して7層のフラックスバリアスリットが設けら
れ、フラックスバリアスリット内に非磁性導電性材料が
注入されて2次導体が形成されている自己始動リラクタ
ンスモータの回転子であって、回転子の断面形状は、回
転子の外周部が全周を56等分割され1極に対して14
となる位置おいて、7層のフラックスバリアスリットの
うち回転子中央軸側に位置する6層のフラックスバリア
スリットは、14の位置のうち外側どうしの2位置を順
次結ぶように形成されるとともに、磁気的に非突極方向
でかつ外周側に形成された残る1層のフラックスバリア
スリットは、14の位置のうち中央の2位置を結合する
ように形成され、結合されたフラックスバリアスリット
の極弧幅角が所定の角度以上である。
【0016】また、この発明に係る自己始動リラクタン
スモータの回転子は、24個のスロットが形成された固
定子鉄心、及び固定子鉄心に3相巻きに巻回された巻き
線を有し、2極の進行磁界を発生する固定子に対向して
設けられ、ロータ中央方向に対して凹形をなす形状の1
極に対して4層のフラックスバリアスリットが設けら
れ、フラックスバリアスリット内に非磁性導電性材料が
注入されて2次導体が形成されている自己始動リラクタ
ンスモータの回転子であって、回転子の断面形状は、回
転子の外周部が全周を20等分割され1極に対して10
となる位置おいて、4層のフラックスバリアスリットの
うち回転子中央軸側に位置する3層のフラックスバリア
スリットは、10の位置のうち外側どうしの2位置を順
次結ぶように形成されるとともに、磁気的に非突極方向
でかつ外周側に形成された残る1層のフラックスバリア
スリットは、10の位置のうち中央の4位置を結合する
ように形成され、結合されたフラックスバリアスリット
の極弧幅角が所定の角度以上である。
【0017】また、この発明に係る自己始動リラクタン
スモータの回転子は、36個のスロットが形成された固
定子鉄心、及び固定子鉄心に3相巻きに巻回された巻き
線を有し、2極の進行磁界を発生する固定子に対向して
設けられ、ロータ中央方向に対して凹形をなす形状の1
極に対して5層のフラックスバリアスリットが設けら
れ、フラックスバリアスリット内に非磁性導電性材料が
注入されて2次導体が形成されている自己始動リラクタ
ンスモータの回転子であって、回転子の断面形状は、回
転子の外周部が全周を32等分割され1極に対して16
となる位置おいて、5層のフラックスバリアスリットの
うち回転子中央軸側に位置する4層のフラックスバリア
スリットは、16の位置のうち外側どうしの2位置を順
次結ぶように形成されるとともに、磁気的に非突極方向
でかつ外周側に形成された残る1層のフラックスバリア
スリットは、16の位置のうち中央の8位置を結合する
ように形成され、結合されたフラックスバリアスリット
の極弧幅角が所定の角度以上である。
【0018】また、2次導体はアルミ導体であり、また
フラックスバリアスリットの端部と回転子の外周部との
間の距離は0.35mm以上0.5mm以下である。
【0019】さらに、磁気的に非突極方向でかつ外周側
に形成され複数の位置を結合するように形成されたフラ
ックスバリアスリットは、断面形状において、結合部分
が回転子外周に対して凹形に後退している。
【0020】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明の実
施の形態1にかかる自己始動リラクタンスモータの固定
子鉄心を示す断面図である。図2は自己始動リラクタン
スモータの回転子を示す断面図である。図1において、
このリラクタンスモータの固定子1の固定子鉄心1aに
は、36個の固定子スロット2が周方向に等間隔に形成
されている。各スロット2には図示しない3相4極の巻
き線が巻回されている。
【0021】図1に示すモータの固定子スロット2の数
をNs、極対数をPで表現するとNs=36,P=2で
ある。一方、図2に示す回転子3のスリットの層数は6
層となっている。ここで、リラクタンスモータとして最
適なスリット数の組み合わせを選択する条件として以下
にしめす(条件1)から(条件4)の4つの条件を満足
する必要があることを発見した。
【0022】空隙中に発生する磁束密度の空間高調波の
次数は、固定子1が発生する基本波の次数を1とすると
誘導電動機の同様の構造であるので公知の回転機理論に
よって
【0023】
【数1】
【0024】となる。 これに対して同期リラクタンス
モータ特有の回転子3によって生じる高調波成分は以下
のように求められる。
【0025】本発明における回転子3の軸方向に対して
垂直な面での断面図を図2に示す。図2に示す回転子3
は、フラックスバリアスリットとしての円弧状のスリッ
ト4が形成された薄板電磁鋼板を複数枚積層し、その
後、各スリット4にアルミをダイキャストすることによ
って始動用のフラックスバリアすなわち2次導体5を形
成する。
【0026】尚、図示しないが一般的な誘導電動機と同
様に2次導体5はエンドリングによって短絡されてい
る。ここでスリット4によって空隙中に生じる磁気的な
凸凹が回転子3の外周1周あたりにNr個発生するとし
た場合には、固定子1が発生する基本波の次数を1とす
ると空隙中に発生する空間高調波の次数は
【0027】
【数2】
【0028】となる。このとき、MとNの最小公倍数が
大きいほど固定子・回転子間の磁気的な相互作用によっ
て生じるリップル成分が小さくなる。逆に最小公倍数が
もっとも小さな1の場合、すなわち高調波M=Nとなる
組み合わせがあった場合にはトルクリップルが大きくな
る。これらから (条件1):MとNの最小公倍数は極力大きく選ぶこと
が望ましい。
【0029】次の条件として、Nrは1極ごとの構造が
同一であることが非対称性による振動を除く上で望まし
い、そのため、スリット数は極数の倍数でなくてはなら
ない。このことから (条件2):Nr/2Pは整数である。
【0030】次の条件として、スリット4の層数が増え
ると、隣接するスリット4間どうしの間隔が短くなる。
そのため、固定子1のスロット2によって発生する空間
高調波磁束が回転子3の導体に鎖交しやすく、高調波2
次銅損が大きくなる。またスリット2の数の増加は、鉄
心1aをプレス打ち抜きで作成する場合にプレス打ち抜
き部の総沿面長の増加を招くことから、プレス機に求め
られるプレス圧力が高くなるか、あるいは順送プレス機
においてはプレスの加工段数が増えることから、モータ
生産設備が大規模になってしまう。さらには、その後、
アルミダイキャストによって始動用2次導体5を作成す
る場合における特有の課題としてスリット4の幅が狭い
とアルミをダイキャストする際の圧損が大きくダイキャ
ストに要する圧力が増加するなどして、生産性が著しく
低下する。これらから、 (条件3):スリット数は極力少ない方が望ましい。
【0031】次の条件として、フラックスバリアスリッ
トとしてのスリット4の層数を以下に述べる。図3にお
ける曲線6がスリット4の層数とモータの効率の定性的
な関係を示したものである。一般にはスリット4の総面
積を一定条件でスリット4の層数を増やしていった場合
はジグザグもれ磁束など不要な磁束成分が低減されるた
めに無効な電流が減ってモータの効率特性は改善してい
く傾向がある。層数を増やすほどその漏れ磁束低減効果
は大きいのであるが、実用的にはある程度以上の層数
で、もれ磁束は十分に低減されるので十分となる。数k
Wクラスの産業用モータでは、およそ5層程度以上とす
ることで、同一サイズで作成した誘導電動機を上回るよ
うな高い効率を確保出来る。
【0032】次に、スリット4の数とNrの関係を考え
る。図4に1極分でのモデルを示す。図4に示すように
スリット4を一層設けた場合を考えると、その両端部に
おいて外周部に磁気的な凸凹7を1極あたり2箇所生じ
て高調波の要因となる。このことからスリット4の外周
位置での配置が周方向に等間隔に配置された場合におけ
る、回転子に起因するNr次の高調波磁束とスリットの
層数Lとの関係は式3および式4に示される。
【0033】Nr/2Pが偶数においては、図4に示す
ように1極に1層設けるごとに、磁気的な凸凹を2箇所
生じるので
【0034】
【数3】
【0035】となる。
【0036】Nr/2Pが奇数においては、図2のスリ
ット4で最も外周に位置する断面円状のスリット4よう
にスリット4の半分のみが外周部近傍に配置されて磁気
的な凸凹となるスリット4を1つ含んでいることにな
り、その場合は
【0037】
【数4】
【0038】となる。
【0039】ここで、図3グラフで示したモータの効率
が誘導電動機を上回る範囲を満足するように、L≧5を
確保すると (条件4−1):Nr/2Pが偶数においては、Nr≧
20P (条件4−2):Nr/2Pが奇数においては、Nr≧
18P が求められる。
【0040】以上の(条件1)〜(条件4)の制約の中
で、図1に示す固定子を例にして、(式1),(式2)
のMとNの最小公倍数が大きい組み合わせの実施の形態
として以下に示す。
【0041】まず、図1に示すモータでは、Ns=3
6,P=2であるので、固定子スロットによって19
次,17次の高調波成分を有する。そこでMとNが等し
くならず最小公倍数を大きくするNrとしては44と2
8が考えられる。しかし、28は条件4を満足しないこ
とからNrとしては44が選択される。つまり回転子の
外周部を44等分した位置付近にスリット4に端部を配
置した基本構造とするとトルクリップルを低減したモー
タが得られる。
【0042】したがって、回転子の構造を(条件4−
1)もしくは(条件4−2)とする手段によって、ポン
プ、コンプレッサなどの一般産業用としてはスキューせ
ずともトルクリップルが低減できるという作用があるた
め、スキューによって増加する損失が無しに低トルクリ
ップルと高効率が両立したモータにできるという効果が
得られる。もちろん効率を犠牲にすれば、本発明の構造
にスキューを併せて施すことで更なるトルクリップル低
減効果があることはいうまでもない。
【0043】具体的な回転子構造としてNr=44を満
足するような形状を考えると、多層スリットの回転子構
造として図2に示すような構造が考えられる。しかし、
この図2の構造とするのみでは同期引き入れ能力が不足
するので、産業用モータとして広く適用するには、この
同期引き入れ能力の改善が必要である。これを以下に説
明する。
【0044】図2に示すようなスリット4にダイキャス
トして作成した2次導体5を固定子1と組み合わせて始
動する際に、始動時においては突極構造の回転子3が固
定子1の進行磁界に対して非同期状態にある。このとき
回転子3を通過する磁束は磁気的な突極部と非突極部に
おいて大きさが変化するために、回転子3の2次導体5
を流れる電流の大きさが変化する。このことから回転子
3の2次導体5を流れる電流は逆相と正相の2成分を有
するようになる。
【0045】この逆相成分による影響は、誘導電動機の
現象としてよく知られているゲルゲス現象と同様に、す
べり0.5以上では正、0.5以下では負のトルクを生
じる。したがって、すべりが0.1程度の小さな同期引
き入れ直前の状態においては、この逆相成分による負の
トルクは同期引き入れの阻害要因となる。また固定子1
の巻き線を流れる電流波形もこの回転子の突極構造に起
因して図5に示されるように回転子位置に応じて電流の
振幅値が変化する。
【0046】一方、正相成分は、回転子がすべることに
よって通常の誘導電動機と同様に正の誘導トルクを発生
する。
【0047】ここで、本発明の説明のためにモータの発
生する始動時におけるトルクを、上述した正相成分の誘
導トルクと逆相成分によるトルクに便宜的に分離して定
性的な傾向として示したものを図6に示す。図6中の曲
線8が回転子3の2次導体5が誘導電動機として作用す
る平均トルク、図6中の曲線9はゲルゲス現象と同様の
メカニズムで生じるトルク成分ですべり0.5以上では
負のトルクとなるために、加速を妨げる要因となる。こ
れらの合力が加速トルク10となって負荷トルクと釣り
合うすべりsにまで加速される。
【0048】その後、モータに接続される負荷の慣性J
によって、同期可能なすべりS0(J)とすべりsの関
係がS0(J)>s範囲にあれば、そのまま同期状態に
引き込まれる。(図中では同期時のトルクは図示してい
ない)。同期可能なすべりS0はモータに接続される負
荷の慣性によって異なる。同期引き入れ可能な負荷トル
クと負荷慣性の関係を定性的な傾向として示したものが
図7である。図7の斜線部の領域11に示されるように
負荷の慣性モーメントが大きくなると適用可能な負荷ト
ルクが低くなってしまう。
【0049】ここで、旧来の反作用モータなどとして知
られる誘導始動を行う小型の突極型のモータに比べて本
発明の多層スリット構造のリラクタンスモータは著しく
磁気的な突極性が高い。したがって、逆相成分によって
生じる電流脈動もより大きくなるため、すべりが0.5
以上の領域で生じる負のトルク分が大きくなり、図8に
示すように変化する。そのため、負荷トルクTとつりあ
うすべりsはs'とおおきくなってしまい、S0(J)
<s'となることから同期引き入れできない。このた
め、図7における破線12に示すように引き入れ出来な
い領域は広く、同期時の特性は旧来の反作用モータより
優れるものの商用直入れで運転する場合には同期引き入
れが困難なため一般産業用途への適用範囲が狭くなる。
【0050】本発明においてこの引き入れを回避する方
法を以下に示す。まず、回転子側の2次抵抗を極力低減
することで、誘導電動機の比例推移則によって図8の曲
線8に示す誘導トルクの特性を、図9に示すようにトル
クのピークを低すべり側に推移させる。これにより、負
荷トルクと誘導トルクがつりあうようすべりがs'から
s''と小さくなって、S0(J)>s''となり回転子速
度が同期速度に近づくことで同期引き入れ特性が改善さ
れ、回転子と同程度以上の大きな慣性をもった負荷が定
格負荷トルクを要求しても同期引き入れが可能となる。
【0051】以上に示した定性的な傾向から回転子3の
2次抵抗を低減すれば引き入れは改善されることがわか
る。しかし、実機の回転子の形状設計において2次抵抗
の低減を実機回転子構造で実現する場合においては、2
次抵抗低減のために2次導体5の断面積をひろげること
が必要になる。すなわち、本発明で提案するスリット4
にアルミをダイキャストして2次導体5を形成する自己
始動リラクタンスモータの回転子においては、スリット
4部分の面積を大きくすることが必要である。
【0052】しかし、スリット4部分の面積を大きくす
ることは、一方で磁路断面積を小さくすることになるた
め極端にスリット4を大きくすると同期時における突極
を通過する磁路の磁束密度が高くなり磁気飽和してしま
いモータの効率・力率が低下してしまう。このことか
ら、同期引き入れ範囲の拡大とモータ効率は回転子形状
の設計において相反する設計制約となるためにその両立
が困難という課題が生じる。
【0053】そこで、本実施の形態においては、回転子
スリット4と磁気回路の配置を両立する構造として図1
0を提案している。図10に示すように回転子3の磁束
が通過しやすい磁気的な突極方向をd軸方向、逆にフラ
ックスバリアによって磁束が通過しにくい非突極方向を
q軸方向と定義する。回転子3の中で電磁気的な役割分
担に着目すると磁束密度はd軸付近で振幅最大位相、q
軸で振幅最小の正弦波状に変化するために、d軸近傍で
は回転子鉄心の磁束密度が高い。逆にq軸付近を通過す
る回転子鉄心磁束密度は低くなる。一方、各スリットを
鎖交する磁束を考えた場合には、q軸でかつ回転子の外
周側位置するスリットほど鎖交磁束量が多い。
【0054】そこで本実施の形態においては、図2に示
す回転子3の構造から、さらに、このエリアのスリット
5A、5Bを結合して、その間の磁路を始動用の電流路
が流れるように工夫して回転子の誘導電流の電流路断面
積を拡大した図10の5cようなスリット形状とするこ
とを考案している。図10に示す回転子3の構造のよう
にq軸方向のスリットを結合して2次導体断面積をひろ
げることは誘導トルクに寄与する導体部分の抵抗を下げ
る作用がある。また、このことでq軸方向の磁路幅は小
さくなるが、もともと磁束量が少なく磁気飽和の影響が
少ないため同期運転時の効率低下はほとんどない。さら
にはq軸付近の磁束密度は十分小さいので、回転子の磁
気的な脈動の振幅も小さく、振動を増加させることもな
い。
【0055】このため、図10の構造では同期時の効率
を低下させたり、振動を増加させたりすることなく、ひ
き入れ特性を改善できるという効果がある。このように
Nrを44とした構造をベースにq軸位置のスリット結
合によってひき入れと低振動を満足得ることが出来るこ
とを示したが、以上を一般化した設計範囲として以下に
提示する。
【0056】すなわち、本実施の形態ではトルクリップ
ルを低減する作用を得るためにNr=44を採用してい
る。そのため、各スリットの間隔は360/44=8.
18度間隔となる。ここで内周側に位置する2層以上を
結合することで回転子外径部における結合した頂部位置
の間隔は図10における角度θでは2層分を結合したの
で8.18×2≒16度となり、これより大きな極弧角
を有する形状となる。
【0057】このようなことから、本実施の形態の自己
始動リラクタンスモータの回転子3においては、36個
のスロット2が形成された固定子鉄心1a及び固定子鉄
心1aに3相巻きに巻回された巻き線を有し、4極の進
行磁界を発生する固定子1に対向して設けられ、ロータ
中央方向に対して凸形をなす形状の1極に対して5層の
フラックスバリアスリット4が設けられ、フラックスバ
リアスリット4内に非磁性導電性材料が注入されて2次
導体5が形成されている自己始動リラクタンスモータの
回転子3であって、回転子3の断面形状は、回転子3の
外周部が全周を44等分割され1極に対して11となる
位置おいて、5層のフラックスバリアスリット4のうち
回転子3の中央軸側に位置する4層のフラックスバリア
スリット4は、11の位置の外側どうしの2位置を順次
結ぶように形成されるとともに、磁気的に非突極方向で
かつ外周側に形成された残る1層のフラックスバリアス
リット4は、11の位置の中央の3位置を結合するよう
に形成され、結合されたフラックスバリアスリットの極
弧幅角が概略16度以上であるので、生産性向上とトル
クリップル低減を両立できるという効果がある。
【0058】実施の形態2.残る課題として、図11に
示すように固定子1のスロット2によって生じた高調波
磁束が図11中の矢印13に示すように回転子3の始動
用2次導体5の一部に鎖交して生じる渦電流損失、いわ
ゆる高調波2次銅損が発生しこれがモータ効率を低下さ
せる一因となることにふれる。
【0059】この問題を解決する容易な手段としては、
図11に示したフラックスバリアスリット4の端部と回
転子3の外周部との間の距離である外周ブリッジ部δを
厚くして回転子内部に鎖交する磁束から遠ざけて回転子
表面の鉄心に迂回させる方法が考えられる。
【0060】しかし、一方で外周ブリッジ部δを厚くす
ることは、回転子3の外周部のもれ磁束、特にq軸成分
のもれ磁束が増加させてしまうためLqが大きくなる。
リラクタンスモータの力率をしめす指標として、一般
に、固定子1からみたd軸方向のインダクタンスLdと
q軸方向のインダクタンスの比率Ld/Lqを突極比と
呼ぶ。多層スリット構造のリラクタンスモータにおいて
誘導機を上回る性能を得るには、この突極比を5〜10
程度以上に大きくすることが求められる。
【0061】しかし、外周ブリッジ部δを厚くしてLq
値が増加した場合には、突極比は著しく低下する。その
ために力率が低下して固定子を流れる電流が増加し1次
銅損が増加して効率が低下してしまう。
【0062】したがって、ブリッジ部δの厚さに関して
は、高調波2次銅損の低減による損失低減と1次銅損低
下との相反する関係がある。この関係を図12に示す。
ブリッジ厚さと損失の傾向に関しては、図12中の曲線
13に示すような傾向であり、力率低下に関してはブリ
ッジ厚さδが小さい範囲ではブリッジ部が磁気飽和して
いることと、外周部の加工劣化による磁気特性劣化のた
めに0.3mm以下ではブリッジ厚さの増加による1次
銅損低下はあまりないが、およそ0.3mm程度以上か
らブリッジ厚さの増加とともに1次銅損が増加し0.5
〜0.6mmを超えると、汎用の3相誘導電動機を上回
る性能を得ることが難しくなる。
【0063】一方、高調波2次銅損に関しては図12中
の曲線14に示すようにブリッジ厚さの増加に応じて低
下する。損失は13+14であることから、ブリッジ厚
さが0.35〜0.48mmの範囲に最適値があり、こ
の範囲で設計すると高調波2次銅損の1次銅損の双方を
考慮して最少の損失が得られる。このブリッジ厚さは厳
密にはモータサイズで異なるが数kWクラスの産業用モ
ータにおいては、概略同様の値となる。
【0064】このことから、本実施の形態で提案する自
己始動リラクタンスモータの回転子3は、多層スリット
構造にアルミをダイキャストして製造する回転子構造に
おいて、外周部ブリッジ厚さを0.35〜0.48mm
程度とする。このことは、高調波で発生する損失を最小
にする作用があり、モータの効率を高くできるという効
果が得られる。
【0065】このように、本実施の形態の自己始動リラ
クタンスモータ回転子3においては、フラックスバリア
スリット4の端部と回転子3の外周部との間の距離δ
は、0.35mm以上0.5mm以下である。そのた
め、回転子3表面部を通過する漏れ磁束を増加させない
範囲で固定子1のスロット高調波磁束を鉄心で迂回させ
ることで鎖交量を抑制することで2次導体5の外周表面
部に鎖交して発生する高調波2次銅損を低減でき高効率
なモータとできる。
【0066】実施の形態3.本発明の実施の形態1に示
すように結合したスリット部5Cにおいては、図13に
示すように固定子スロット2によるもれ磁束15の鎖交
が大きくなることから高調波2次銅損が他のスリットよ
り大きくなり問題となる。
【0067】これに対し、本発明の実施の形態2に示す
ように外周部ブリッジ厚さδに関しては0.35mm〜
0.45mm程度すると磁束の鎖交量が低減して損失が
低減すると同時に、図14に示すように外周部スリット
で2ヶ所以上を0.35mm〜0.45mmの凸状と
し、各凸状を結合する結合部分5Daを凹状に内周側に
へこませて全体を5Dのような形状とすることでこの損
失を低減できる。
【0068】図15に5Dの形状を拡大して示す。凸状
の箇所を2ヶ所以上設けることは、図15中の矢印16
のような回転子表面の無効なもれ磁束成分が通過する磁
路に対して凸状付近の17に示す位置で鉄心が磁気飽和
するので、もれ磁束が通過しにくくなる。これは、もれ
磁束16を低減する作用があり、結合部分5Daを凹状
とすることは回転子2次導体5Dに鎖交する固定子スロ
ット2によるもれ磁束15を回転子表面の鉄心に迂回さ
せて2次導体に鎖交する磁束をできるだけ減らして高調
波2次銅損を減らす作用がある。その結果モータ効率を
限界まで高くできるという効果が得られる。
【0069】このように、本実施の形態の自己始動リラ
クタンスモータの回転子3においては、磁気的に非突極
方向でかつ外周側に形成され複数の位置を結合するよう
に形成されたフラックスバリアスリット5Dは、断面形
状において、結合部分5Daが回転子外周に対して凹形
に後退している。そのため、固定子1のスロット高調波
磁束の侵入する位置の2次導体5を一部分排除すること
で、2次導体外周表面部に鎖交して発生する高調波2次
銅損を低減でき高効率なモータとできる。この場合でも
残された凸部が磁気飽和しているために回転子表面部を
通過する漏れ磁束を増加させることがなく、漏れ磁束に
よって生じる力率低下も少ない。
【0070】実施の形態4.本発明の実施の形態1に示
す図2の回転子3のフラックスバリアの結合を3層分と
した構成を図16に示す。フラックスバリアの結合を3
層分として図16のに示す2次導体5Eを形成すること
は、2次導体の断面積をより大きくすることから、2層
を結合した図10あるいは図14の回転子構造よりさら
に回転子3の2次抵抗を低減せしめて、同期引き入れの
能力を高めることが出来る。その場合若干効率・力率は
低下するものの、ほぼ汎用三相電動機と同程度の効率で
ある。旧来の反作用モータなどと呼ばれるような簡易な
形状のリラクタンスモータは一台の制御装置でも群制御
などがしやすいために繊維機械用途などによく用いられ
てているが、誘導電動機よりかなり力率が劣り電源容量
が大きくなるという課題があったが、本発明の図16に
示すようなモータを適用することは、誘導電動機と同程
度のよりはるかに高い力率のリラクタンスモータを提供
することができるという効果がある。
【0071】実施の形態5.一方、数kWクラス程度の
4極の小型モータにおいては固定子スロット数Nsとし
て36もしくは48が一般的である。4極36スロット
の場合の構成例は既に上述にて説明したので48スロッ
トの場合の例を本実施の形態にて示す。図17に示す固
定子1は48スロット数であり、図示しない3相巻き線
が4極の進行磁界を発生するように巻回されている。本
実施の形態はNs=48,P=2であるので上述した固
定子スロットの空間周波数としては進行磁界の基本波成
分を1次とすると、M=ks(48/2±1)より23
次、25次の次数の空間高調波が発生する。
【0072】これと組み合わせて大きな最小公倍数を得
るNとしては20もしくは28が適当な値となり、これ
を実現するNrとしては40もしくは56を基本構造と
してもつ構造が振動低減に有利な構造である。したがっ
て、5層もしくは7層のフラックスバリアスリット数を
選ぶ。ここで5層構造でも相応の性能が得られるが、q
軸位置のスリットを結合することに鑑みて7層構造とし
た方がスリットの層数を多く取れるので望ましい。ここ
から、さらに引き入れ改善の作用を得るために2層のq
軸付近のスリットを結合した図17に示すような構造と
すれば引き入れと高い効率を両立することができる。
【0073】以上を一般化した設計範囲として以下に提
示する。本実施の形態にしめす図17の構造ではトルク
リップルを低減する作用を得るためにNr=56を採用
している。したがって各スリットの間隔は360/56
=6.42度間隔となる。ここで内周側に位置する2層
以上を結合することで回転子外径部における結合した頂
部位置の間隔は図17における角度θは、6.42×3
≒20度であるので、これより大きな極弧角を有する形
状となる。
【0074】このように、本実施の形態の自己始動リラ
クタンスモータの回転子3は、48個のスロット2が形
成された固定子鉄心1a、及び固定子鉄心1aに3相巻
きに巻回された巻き線を有し、4極の進行磁界を発生す
る固定子1に対向して設けられ、ロータ中央方向に対し
て凸形をなす形状の1極に対して6層のフラックスバリ
アスリット4が設けられ、フラックスバリアスリット4
内に非磁性導電性材料が注入されて2次導体5が形成さ
れている自己始動リラクタンスモータの回転子3であっ
て、回転子3の断面形状は、回転子3の外周部が全周を
56等分割され1極に対して14となる位置おいて、6
層のフラックスバリアスリット4のうち回転子3の中央
軸側に位置する5層のフラックスバリアスリット4は、
14の位置のうち外側どうしの2位置を順次結ぶように
形成されるとともに、磁気的に非突極方向でかつ外周側
に形成された残る1層のフラックスバリアスリットは、
14の位置のうち中央の4位置を結合するように形成さ
れ、結合されたフラックスバリアスリットの極弧幅角が
概略20度以上であるので、モータの高効率化とトルク
リップル低減を両立できるという効果があるとともに、
引き入れ能力を向上させることができ、さらに高調波で
発生する損失を最小にすることができる。
【0075】さらに、本実施の形態の変更例として、1
極に対して7層のフラックスバリアスリット4が設けら
れた場合を考えると、回転子3の断面形状は、回転子3
の外周部が全周を56等分割され1極に対して14とな
る位置おいて、7層のフラックスバリアスリット4のう
ち回転子3の中央軸側に位置する6層のフラックスバリ
アスリット4は、14の位置のうち外側どうしの2位置
を順次結ぶように形成されるとともに、磁気的に非突極
方向でかつ外周側に形成された残る1層のフラックスバ
リアスリット4は、14の位置のうち中央の2位置を結
合するように形成され、結合されたフラックスバリアス
リット4の極弧幅角が所定の6度以上であるので、モー
タの高効率化とトルクリップル低減を両立できるという
効果があるとともに、モータの力率が向上する。
【0076】実施の形態6.また、数kWクラス程度以
下の2極の小型の3相誘導モータにおいては固定子スロ
ット数Nsとして24もしくは36などが一般的であ
る。Nsが24の場合は、Ns=24,P=1であるの
で上述した固定子スロットの空間周波数としては進行磁
界の基本波成分を1次とすると、M=ks(24/1±
1)より23,25次の次数の空間高調波が発生する。
【0077】これと組み合わせて大きな最小公倍数を得
るNとしては20もしくは28が適当な値となり、これ
を実現するNrとしては20もしくは28を基本構造と
してもつ構造が振動低減に有利な構造である。したがっ
て、10層もしくは14層のフラックスバリアスリット
数を設けると振動が低減できる。
【0078】ここで、本発明の実施の形態1に示した条
件3からスリット数の少ない10層を選択し、ここから
さらに引き入れ改善のためにq軸付近のスリットを結合
した構造として図18を考案している。
【0079】以上を一般化した設計範囲として以下に提
示する。本実施の形態にしめす図18の構造ではトルク
リップルを低減する作用を得るためにNr=20を採用
している。したがって各スリットの間隔は360/20
=18度間隔となる。ここで内周側に位置する2層以上
を結合することで回転子外径部における結合する。した
がって頂部位置の間隔は図17における角度θは、18
×3=54度より大きな極弧角を有する形状となる。
【0080】また、本実施の形態の変更例として、1極
に対して5層のフラックスバリアスリット4が設けられ
た例を考えると、回転子3の断面形状は、回転子3の外
周部が全周を20等分割され1極に対して10となる位
置おいて、5層のフラックスバリアスリット4のうち回
転子3の中央軸側に位置する4層のフラックスバリアス
リット4は、10の位置のうち外側どうしの2位置を順
次結ぶように形成されるとともに、磁気的に非突極方向
でかつ外周側に形成された残る1層のフラックスバリア
スリット4は、10の位置のうち中央の2位置を結合す
るように形成され、結合されたフラックスバリアスリッ
トの極弧幅角が概略18度以上であるので、2極機のよ
うに回転数が高いモータにおいても高調波2次銅損の増
加を抑制することができ高効率なモータとすることがで
きる。
【0081】実施の形態7.さらに、数kWクラス程度
の2極の小型モータにおいては固定子スロット数Nsと
して24もしくは36が一般的である。Nsが36の場
合は、Ns=36,P=1であるので上述した固定子ス
ロットの空間周波数としては進行磁界の基本波成分を1
次とすると、M=ks(36/1±1)より35、37
次の次数の空間高調波が発生する。
【0082】これと組み合わせて大きな最小公倍数を得
るNとしては32もしくは40が適当な値となり、これ
を実現するNrとしては32もしくは40を基本構造と
してもつ構造が振動低減に有利な構造である。したがっ
て、16層もしくは20層のスリット数を設けると振動
が低減できる。
【0083】回転子の2次導体に対する固定子の鎖交磁
束を低減するには、回転子スリット数を固定子スリット
数の8割程度に低減することが望ましいので16層を選
択し、ここからさらに引き入れ改善のためにq軸付近の
スリットを結合した構造として図19が得られる。
【0084】以上を一般化した設計範囲として以下に提
示する。本実施の形態にしめす図18の構造ではトルク
リップルを低減する作用を得るためにNr=32を採用
している。したがって各スリットの間隔は360/32
=11.25度間隔となる。ここで内周側に位置する2
層以上を結合することで回転子外径部における結合す
る。したがって頂部位置の間隔は図18における角度θ
は11.25×3≒34度より大きな極弧角を有する形
状となる。なお図18では、スリット1極あたりに8層
確保することが困難であるので結合したフラックスバリ
アを含めて5層以上のスリット数を確保できれば誘導機
と同等の効率を得ることが出来るので、内周側の4層を
残して外側の8位置を結合したため角度θは11.25
×7≒79度となっている。
【0085】また、本実施の形態の変更例として、1極
に対して8層のフラックスバリアスリット4が設けられ
た例を考えると、回転子3の断面形状は、回転子3の外
周部が全周を32等分割され1極に対して16となる位
置おいて、8層のフラックスバリアスリット4のうち回
転子3の中央軸側に位置する7層のフラックスバリアス
リット4は、16の位置のうち外側どうしの2位置を順
次結ぶように形成されるとともに、磁気的に非突極方向
でかつ外周側に形成された残る1層のフラックスバリア
スリット4は、16の位置のうち中央の2位置を結合す
るように形成され、結合されたフラックスバリアスリッ
ト4の極弧幅角が概略11度以上であるので、生産性を
低下させることなく、モータの高効率化とトルクリップ
ル低減を両立できるという効果がある。
【0086】最後に本発明の自己始動リラクタンスモー
タの回転子に関しまとめると、上述の実施の形態1で
は、Ns=36を選択して説明した。生産性の見地から
はスロット数は極力少なくした方がよい。しかし、例え
ば4極機でこれ以上スロット数を減らす組み合わせとし
ては、Ns=24、P=2とすると、固定子高調波とし
ては11次、12次の高調波成分を有する。そこでMと
Nが等しくならず最小公倍数を大きくするNrとしては
28と20が考えられるが,双方とも条件4を満足しな
い。したがって上で説明したNs=36が4極機用とし
ては生産性とトルクリップル低減を両立できるという効
果がある。
【0087】また、Ns=48を選択した場合にはNs
=36に比べてスロット数が増えることから生産性は若
干落ちるものの、より効率を追求する場合には回転子の
層数が増えた分だけ効率が微増する。これより多い組み
合わせとしてはNs=60が考えられる。しかし、通常
は数kWクラスのモータの空隙直径は100mm前後で
ある。したがって、ここでNs=60とするとスロット
ピッチは5mm程度となりスロット開口幅が2mm程度
となってしまう。スロット開口幅に関しては巻き線挿入
時の作業性を考慮すると2〜3mm程度以上ないと著し
く低下する。以上から4極機用としては、Ns=48と
することは生産性を維持した中で高効率とトルクリップ
ル低減を両立できるという効果がある。
【0088】一方、2極機は商用電源直結で運転した場
合4極機に比べて回転数が高いために固定子のスロット
高調波で回転子表面での損失が4極機に比べて多く発生
する。特に、本発明のモータでは回転子スリット部に2
次導体を充填しているために回転子導体に対して固定子
高調波が鎖交することで損失を多く発生する。この損失
を主眼に設計する場合にはNs>Nrであることが望ま
しい。ここでNs=18とすると、固定子高調波として
は17次、19次の高調波成分を有する。そこでMとN
が等しくならず最小公倍数を大きくするNrとしては1
4と22が考えられるが、Ns>Nrを満足できない。
したがって、Nsを24とすることは2極機のように回
転数が高いモータでも高調波2次銅損の増加は抑制でき
高効率なモータにできるという効果がある。
【0089】さらに、Nsを24とした場合には、24
は4と6の倍数であるので、比較的生産量の多い4極
機、6極機と固定子製造に必要な生産設備を共用にする
ことが可能になり、より生産性に優れたモータが得られ
るという効果が得られる。
【0090】Ns=24よりさらに効率を追求する場合
には回転子のスリット数を増やすべくNsを増やすこと
が考えられる。そこで4極機と6極機と生産設備の共有
できる24の次に大きNsとしてはNs=36、48が
ある。
【0091】しかし、Ns=48を選択した場合には、
Nr=40スリット数を20層設ける方法が考えられる
が、数kW程度のモータの回転子径が100mm前後で
あり、かつ中央に軸が貫通する構造の場合には、20層
のスリットの配置を実現するにはかなり微細な加工が必
要となり実用的ではない。したがってNs=36が生産
性を維持した中で最も高効率とトルクリップル低減を両
立できるという効果がある。
【0092】
【発明の効果】このようなことから、本発明の回転子構
造を有する自己始動リラクタンスモータは、ブリッジ厚
さと多層スリットの構造を工夫したことで高い突極比を
得ることができると同時に固定子スロットによって生じ
る高調波磁束によって始動用の導体の回転子に発生する
2次銅損も少なくしたので従来の一般産業用途において
汎用3相誘導電動機を上回る高い効率を得ることができ
るという効果がある。
【0093】また、高い突極比を有するリラクタンスモ
ータ特有の同期引き入れ能力の低下を最小限に抑えるこ
とで回転子と同程度以上の慣性を有する負荷であって
も、商用電源直入れで始動できることから従来のように
効果なインバータなどの周波数変換装置を不要に出来る
という効果がある。
【0094】また、トルクリップルが小さくできるため
にトルクリップルに起因する振動等の問題も少ないとい
う効果がある。
【0095】さらには、これらの効果をすべて兼ね備え
ることで従来困難であった一般産業用途に対しても同一
サイズの汎用三相誘導電動機よりも高効率なモータとし
て広く適用が可能になるという効果がある。
【0096】そして、この発明に係る自己始動リラクタ
ンスモータの回転子は、36個のスロットが形成された
固定子鉄心、及び固定子鉄心に3相巻きに巻回された巻
き線を有し、4極の進行磁界を発生する固定子に対向し
て設けられ、ロータ中央方向に対して凸形をなす形状の
1極に対して5層のフラックスバリアスリットが設けら
れ、フラックスバリアスリット内に非磁性導電性材料が
注入されて2次導体が形成されている自己始動リラクタ
ンスモータの回転子であって、回転子の断面形状は、回
転子の外周部が全周を44等分割され1極に対して11
となる位置おいて、5層のフラックスバリアスリットの
うち回転子中央軸側に位置する4層のフラックスバリア
スリットは、11の位置の外側どうしの2位置を順次結
ぶように形成されるとともに、磁気的に非突極方向でか
つ外周側に形成された残る1層のフラックスバリアスリ
ットは、11の位置の中央の3位置を結合するように形
成され、結合されたフラックスバリアスリットの極弧幅
角が所定の角度以上である。そのため、以下の効果を有
する。すなわち、 (1) 中小型の4極汎用三相誘導モータ(〜3kWク
ラス)として一般的に良く用いられる36スロットの固
定子に対して用いることで、生産設備を汎用三相誘導モ
ータと共用できるために生産性に優れる。そしてさらに
以下の特徴を全て併せもつ自己始動リラクタンスモータ
が得られる。 (2) 高い効率を維持できる範囲で極力回転子のスリ
ット数が少なくし、鉄心プレス時や2次導体ダイキャス
ト時の生産性を向上できる。 (3) 回転子スリットの数を最適に選択したのでトル
クリップルが低減できる。 (4) スリット結合位置を最適に選択した2次導体の
断面積と磁路の双方を確保でき効率・力率を低下させる
こと無く同期引き入れ可能な負荷トルク範囲を拡大でき
るという効果がある。
【0097】また、この発明に係る自己始動リラクタン
スモータの回転子は、48個のスロットが形成された固
定子鉄心、及び固定子鉄心に3相巻きに巻回された巻き
線を有し、4極の進行磁界を発生する固定子に対向して
設けられ、ロータ中央方向に対して凸形をなす形状の1
極に対して6層のフラックスバリアスリットが設けら
れ、フラックスバリアスリット内に非磁性導電性材料が
注入されて2次導体が形成されている自己始動リラクタ
ンスモータの回転子であって、回転子の断面形状は、回
転子の外周部が全周を56等分割され1極に対して14
となる位置おいて、6層のフラックスバリアスリットの
うち回転子中央軸側に位置する5層のフラックスバリア
スリットは、14の位置のうち外側どうしの2位置を順
次結ぶように形成されるとともに、磁気的に非突極方向
でかつ外周側に形成された残る1層のフラックスバリア
スリットは、14の位置のうち中央の4位置を結合する
ように形成され、結合されたフラックスバリアスリット
の極弧幅角が所定の角度以上である。そのため、以下の
効果を有する。すなわち、 (1) 中小型の4極汎用三相誘導モータ(〜11kW
クラス)として一般的に良く用いられる48スロットの
固定子を用いることで、生産設備を汎用三相誘導モータ
と共用できるために生産性に優れる。そして以下の特徴
を全て併せもつ自己始動リラクタンスモータが得られ
る。 (2) 高い効率を維持できる範囲で極力回転子のスリ
ット数が少なくし、鉄心プレス時や2次導体ダイキャス
ト時の生産性を向上できる。 (3) 回転子スリットの数を最適に選択したのでトル
クリップルが低減できる。 (4) 固定子のスロット高調波によって回転子非磁性
導体部分に生じる渦電流損失を低減にできる。(固定子
スロット数>回転子バリア×2) (5) スリット結合位置を最適に選択した2次導体の
断面積と磁路の双方を確保でき効率・力率を低下させる
こと無く同期引き入れ可能な負荷トルク範囲を拡大でき
るという効果がある。
【0098】また、この発明に係る自己始動リラクタン
スモータの回転子は、48個のスロットが形成された固
定子鉄心、及び固定子鉄心に3相巻きに巻回された巻き
線を有し、4極の進行磁界を発生する固定子に対向して
設けられ、ロータ中央方向に対して凸形をなす形状の1
極に対して7層のフラックスバリアスリットが設けら
れ、フラックスバリアスリット内に非磁性導電性材料が
注入されて2次導体が形成されている自己始動リラクタ
ンスモータの回転子であって、回転子の断面形状は、回
転子の外周部が全周を56等分割され1極に対して14
となる位置おいて、7層のフラックスバリアスリットの
うち回転子中央軸側に位置する6層のフラックスバリア
スリットは、14の位置のうち外側どうしの2位置を順
次結ぶように形成されるとともに、磁気的に非突極方向
でかつ外周側に形成された残る1層のフラックスバリア
スリットは、14の位置のうち中央の2位置を結合する
ように形成され、結合されたフラックスバリアスリット
の極弧幅角が所定の角度以上である。そのため、以下の
効果を有する。すなわち、 (1) 中小型の4極汎用三相誘導モータ(〜11kW
クラス)として一般的に良く用いられる48スロットの
固定子を用いることで、生産設備を汎用三相誘導モータ
と共用できるために生産性に優れる。そして以下の特徴
を全て併せもつ自己始動リラクタンスモータが得られ
る。 (2) 回転子スリットの数を最適に選択したのでトル
クリップルが低減できる。 (3) 回転子スリット数を増やすことによって漏れ磁
束を低減してモータの力率が向上する。このため定格時
の電流が少なく固定子の巻き線に発生するジュール損失
が小さくモータを高効率化できる。 (4) スリット結合位置を最適に選択した2次導体の
断面積と磁路の双方を確保でき効率・力率を低下させる
こと無く同期引き入れ可能な負荷トルク範囲を拡大でき
るという効果がある。
【0099】また、この発明に係る自己始動リラクタン
スモータの回転子は、24個のスロットが形成された固
定子鉄心、及び固定子鉄心に3相巻きに巻回された巻き
線を有し、2極の進行磁界を発生する固定子に対向して
設けられ、ロータ中央方向に対して凹形をなす形状の1
極に対して4層のフラックスバリアスリットが設けら
れ、フラックスバリアスリット内に非磁性導電性材料が
注入されて2次導体が形成されている自己始動リラクタ
ンスモータの回転子であって、回転子の断面形状は、回
転子の外周部が全周を20等分割され1極に対して10
となる位置おいて、4層のフラックスバリアスリットの
うち回転子中央軸側に位置する3層のフラックスバリア
スリットは、10の位置のうち外側どうしの2位置を順
次結ぶように形成されるとともに、磁気的に非突極方向
でかつ外周側に形成された残る1層のフラックスバリア
スリットは、10の位置のうち中央の4位置を結合する
ように形成され、結合されたフラックスバリアスリット
の極弧幅角が所定の角度以上である。そのため、以下の
効果を有する。すなわち、 (1) 中小型の2極汎用三相誘導モータ(〜3kWク
ラス)として一般的に良く用いられる24スロットの固
定子を用いることで,生産設備を汎用三相誘導モータと
共用できるために生産性に優れる。そして以下の特徴を
全て併せもつ自己始動リラクタンスモータが得られる。 (2) 高い効率を維持できる範囲で極力回転子のスリ
ット数が少なくし、鉄心プレス時や2次導体ダイキャス
ト時の生産性を向上できる。 (3) 固定子のスロット高調波によって回転子非磁性
導体部分に生じる渦電流損失を低減にできる。(固定子
スロット数>回転子バリア×2) (4) 回転子スリットの数を最適に選択したのでトル
クリップルが低減できる。 (5) スリット結合位置を最適に選択した2次導体の
断面積と磁路の双方を確保でき効率・力率を低下させる
こと無く同期引き入れ可能な負荷トルク範囲を拡大でき
るという効果がある。
【0100】また、この発明に係る自己始動リラクタン
スモータの回転子は、36個のスロットが形成された固
定子鉄心、及び固定子鉄心に3相巻きに巻回された巻き
線を有し、2極の進行磁界を発生する固定子に対向して
設けられ、ロータ中央方向に対して凹形をなす形状の1
極に対して5層のフラックスバリアスリットが設けら
れ、フラックスバリアスリット内に非磁性導電性材料が
注入されて2次導体が形成されている自己始動リラクタ
ンスモータの回転子であって、回転子の断面形状は、回
転子の外周部が全周を32等分割され1極に対して16
となる位置おいて、5層のフラックスバリアスリットの
うち回転子中央軸側に位置する4層のフラックスバリア
スリットは、16の位置のうち外側どうしの2位置を順
次結ぶように形成されるとともに、磁気的に非突極方向
でかつ外周側に形成された残る1層のフラックスバリア
スリットは、16の位置のうち中央の8位置を結合する
ように形成され、結合されたフラックスバリアスリット
の極弧幅角が所定の角度以上である。そのため、以下の
効果を有する。すなわち、 (1) 中小型の2極汎用三相誘導モータ(〜3kWク
ラス)として一般的に良く用いられる36スロットの固
定子を用いることで、生産設備を汎用三相誘導モータと
共用できるために生産性に優れる。そして以下の特徴を
全て併せもつ自己始動リラクタンスモータが得られる。 (2) 高い効率を維持できる範囲で極力回転子のスリ
ット数が少なくし、鉄心プレス時や2次導体ダイキャス
ト時の生産性を向上できる。 (3) 固定子のスロット高調波によって回転子非磁性
導体部分に生じる渦電流損失を低減にできる。(固定子
スロット数>回転子バリア×2) (4) 回転子スリットの数を最適に選択したのでトル
クリップルが低減できる。 (5) スリット結合位置を最適に選択した2次導体の
断面積と磁路の双方を確保でき効率・力率を低下させる
こと無く同期引き入れ可能な負荷トルク範囲を拡大でき
るという効果がある。
【0101】また、2次導体はアルミ導体であり、また
フラックスバリアスリットの端部と回転子の外周部との
間の距離は0.35mm以上0.5mm以下である。そ
のため、回転子表面部を通過する漏れ磁束を増加させな
い範囲で固定子のスロット高調波磁束を鉄心で迂回させ
ることで鎖交量を抑制することで2次導体外周表面部に
鎖交して発生する高調波2次銅損を低減でき高効率なモ
ータとできる。
【0102】さらに、磁気的に非突極方向でかつ外周側
に形成され複数の位置を結合するように形成されたフラ
ックスバリアスリットは、断面形状において、結合部分
が回転子外周に対して凹形に後退している。そのため、
固定子のスロット高調波磁束の侵入する位置の2次導体
を一部分排除することで、2次導体外周表面部に鎖交し
て発生する高調波2次銅損を低減でき高効率なモータと
できる。この場合でも残された凸部が磁気飽和している
ために回転子表面部を通過する漏れ磁束を増加させるこ
とがなく、漏れ磁束によって生じる力率低下も少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の自己始動リラクタン
スモータの固定子を示す断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1の自己始動リラクタン
スモータの回転子を示す断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1の自己始動リラクタン
スモータのフラックスバリアスリットの層数とモータ効
率の定性的傾向を示す説明図である。
【図4】 本発明の実施の形態1の自己始動リラクタン
スモータの回転子におけるフラックスバリアスリットと
このスリットの端部に発生する磁気的凸凹の関係を示す
説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態1の自己始動リラクタン
スモータの始動時における固定子の電流波形を示す説明
図である。
【図6】 本発明の実施の形態1の自己始動リラクタン
スモータの始動時におけるモータ内部のトルクの発生の
様子を説明する説明図である。
【図7】 本発明の実施の形態1の自己始動リラクタン
スモータの負荷慣性と負荷トルクに応じた引き入れ不可
能な範囲を定性的に示す説明図である。
【図8】 本発明の実施の形態1の自己始動リラクタン
スモータの始動時におけるモータ内部のトルクの発生の
様子を説明する説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態1の自己始動リラクタン
スモータの始動時におけるモータ内部のトルクの発生の
様子を説明する説明図である。
【図10】 本発明の実施の形態1の自己始動リラクタ
ンスモータの回転子を示す断面図である。
【図11】 本発明の実施の形態2の自己始動リラクタ
ンスモータの回転子表面の損失発生の様子を説明する説
明図である。
【図12】 本発明の実施の形態2の自己始動リラクタ
ンスモータの回転子のブリッジ厚さと損失の関係を示す
説明図である。
【図13】 本発明の実施の形態2の自己始動リラクタ
ンスモータの回転子表面の損失発生の様子を説明する説
明図である。
【図14】 本発明の実施の形態3の自己始動リラクタ
ンスモータの回転子を示す断面図である。
【図15】 本発明の実施の形態3の自己始動リラクタ
ンスモータの回転子表面の損失発生の様子を説明する説
明図である。
【図16】 本発明の実施の形態4の自己始動リラクタ
ンスモータを示す断面図である。
【図17】 本発明の実施の形態5の自己始動リラクタ
ンスモータを示す断面図である。
【図18】 本発明の実施の形態6の自己始動リラクタ
ンスモータを示す断面図である。
【図19】 本発明の実施の形態7の自己始動リラクタ
ンスモータを示す断面図である。
【符号の説明】
1 固定子、1a 固定子鉄心、2 固定子スロット、
3 回転子、4 スリット(フラックスバリアスリッ
ト)、5,5A,5B,5C,5D,5E 2次導体、
6 効率特性曲線、7 磁気的凸凹箇所、8,9,10
トルク特性曲線、11,12 引き入れ不可能な範
囲、13,14 損失曲線、15,16 漏れ磁束、1
7 磁気飽和箇所。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 邦雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 中本 道夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 阿知和 典弘 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5H002 AA01 AA09 AB08 AE06 5H619 AA01 AA07 BB01 BB06 BB24 PP02 PP04 PP15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 36個のスロットが形成された固定子鉄
    心、及び該固定子鉄心に3相巻きに巻回された巻き線を
    有し、4極の進行磁界を発生する固定子に対向して設け
    られ、ロータ中央方向に対して凸形をなす形状の1極に
    対して5層のフラックスバリアスリットが設けられ、該
    フラックスバリアスリット内に非磁性導電性材料が注入
    されて2次導体が形成されている自己始動リラクタンス
    モータの回転子であって、 上記回転子の断面形状は、該回転子の外周部が全周を4
    4等分割され1極に対して11となる位置おいて、上記
    5層のフラックスバリアスリットのうち回転子中央軸側
    に位置する4層のフラックスバリアスリットは、上記1
    1の位置の外側どうしの2位置を順次結ぶように形成さ
    れるとともに、磁気的に非突極方向でかつ外周側に形成
    された残る1層のフラックスバリアスリットは、上記1
    1の位置の中央の3位置を結合するように形成され、該
    結合されたフラックスバリアスリットの極弧幅角が所定
    の角度以上であることを特徴とする自己始動リラクタン
    スモータの回転子。
  2. 【請求項2】 48個のスロットが形成された固定子鉄
    心、及び該固定子鉄心に3相巻きに巻回された巻き線を
    有し、4極の進行磁界を発生する固定子に対向して設け
    られ、ロータ中央方向に対して凸形をなす形状の1極に
    対して6層のフラックスバリアスリットが設けられ、該
    フラックスバリアスリット内に非磁性導電性材料が注入
    されて2次導体が形成されている自己始動リラクタンス
    モータの回転子であって、 上記回転子の断面形状は、該回転子の外周部が全周を5
    6等分割され1極に対して14となる位置おいて、上記
    6層のフラックスバリアスリットのうち回転子中央軸側
    に位置する5層のフラックスバリアスリットは、上記1
    4の位置のうち外側どうしの2位置を順次結ぶように形
    成されるとともに、磁気的に非突極方向でかつ外周側に
    形成された残る1層のフラックスバリアスリットは、上
    記14の位置のうち中央の4位置を結合するように形成
    され、該結合されたフラックスバリアスリットの極弧幅
    角が所定の角度以上であることを特徴とする自己始動リ
    ラクタンスモータの回転子。
  3. 【請求項3】 48個のスロットが形成された固定子鉄
    心、及び該固定子鉄心に3相巻きに巻回された巻き線を
    有し、4極の進行磁界を発生する固定子に対向して設け
    られ、ロータ中央方向に対して凸形をなす形状の1極に
    対して7層のフラックスバリアスリットが設けられ、該
    フラックスバリアスリット内に非磁性導電性材料が注入
    されて2次導体が形成されている自己始動リラクタンス
    モータの回転子であって、 上記回転子の断面形状は、該回転子の外周部が全周を5
    6等分割され1極に対して14となる位置おいて、上記
    7層のフラックスバリアスリットのうち回転子中央軸側
    に位置する6層のフラックスバリアスリットは、上記1
    4の位置のうち外側どうしの2位置を順次結ぶように形
    成されるとともに、磁気的に非突極方向でかつ外周側に
    形成された残る1層のフラックスバリアスリットは、上
    記14の位置のうち中央の2位置を結合するように形成
    され、該結合されたフラックスバリアスリットの極弧幅
    角が所定の角度以上であることを特徴とする自己始動リ
    ラクタンスモータの回転子。
  4. 【請求項4】 24個のスロットが形成された固定子鉄
    心、及び該固定子鉄心に3相巻きに巻回された巻き線を
    有し、2極の進行磁界を発生する固定子に対向して設け
    られ、ロータ中央方向に対して凹形をなす形状の1極に
    対して4層のフラックスバリアスリットが設けられ、該
    フラックスバリアスリット内に非磁性導電性材料が注入
    されて2次導体が形成されている自己始動リラクタンス
    モータの回転子であって、 上記回転子の断面形状は、該回転子の外周部が全周を2
    0等分割され1極に対して10となる位置おいて、上記
    4層のフラックスバリアスリットのうち回転子中央軸側
    に位置する3層のフラックスバリアスリットは、上記1
    0の位置のうち外側どうしの2位置を順次結ぶように形
    成されるとともに、磁気的に非突極方向でかつ外周側に
    形成された残る1層のフラックスバリアスリットは、上
    記10の位置のうち中央の4位置を結合するように形成
    され、該結合されたフラックスバリアスリットの極弧幅
    角が所定の角度以上であることを特徴とする自己始動リ
    ラクタンスモータの回転子。
  5. 【請求項5】 36個のスロットが形成された固定子鉄
    心、及び該固定子鉄心に3相巻きに巻回された巻き線を
    有し、2極の進行磁界を発生する固定子に対向して設け
    られ、ロータ中央方向に対して凹形をなす形状の1極に
    対して5層のフラックスバリアスリットが設けられ、該
    フラックスバリアスリット内に非磁性導電性材料が注入
    されて2次導体が形成されている自己始動リラクタンス
    モータの回転子であって、 上記回転子の断面形状は、該回転子の外周部が全周を3
    2等分割され1極に対して16となる位置おいて、上記
    5層のフラックスバリアスリットのうち回転子中央軸側
    に位置する4層のフラックスバリアスリットは、上記1
    6の位置のうち外側どうしの2位置を順次結ぶように形
    成されるとともに、磁気的に非突極方向でかつ外周側に
    形成された残る1層のフラックスバリアスリットは、上
    記16の位置のうち中央の8位置を結合するように形成
    され、該結合されたフラックスバリアスリットの極弧幅
    角が所定の角度以上であることを特徴とする自己始動リ
    ラクタンスモータの回転子。
  6. 【請求項6】 上記2次導体はアルミ導体であり、また
    上記フラックスバリアスリットの端部と上記回転子の外
    周部との間の距離は0.35mm以上0.5mm以下で
    あることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載
    の自己始動リラクタンスモータの回転子。
  7. 【請求項7】 磁気的に非突極方向でかつ外周側に形成
    され上記複数の位置を結合するように形成されたフラッ
    クスバリアスリットは、断面形状において、結合部分が
    回転子外周に対して凹形に後退していることを特徴とす
    る請求項1から5のいずれかに記載の自己始動リラクタ
    ンスモータの回転子。
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