JP2003007985A - オンザフライでピン留めされる軟らかいリファレンス層のためのクラッディングされた読出し−書込み導体 - Google Patents

オンザフライでピン留めされる軟らかいリファレンス層のためのクラッディングされた読出し−書込み導体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒ゜ン留めされた磁化の向きを必要としないリファレン
ス層を有する磁気メモリセルの提供。 【解決手段】オンサ゛フライでヒ゜ン留めされる軟らかい強磁性テ゛
ータ層用の高透磁率の軟らかい磁性材料で完全にクラッテ゛ィンク
゛された読出し−書込み導体を有する磁気メモリセル(10)。磁
気メモリセル(10)は強磁性テ゛ータ層(11)、その強磁性テ゛ータ層(1
1)上に形成された中間層(13)、及び中間層(13)上に形成
されたヒ゜ン留めされない磁化の向き(M1)を有する軟らか
い強磁性リファレンス層(17)を含む。軟らかい強磁性リファレンス層
(17)は、読出し−書込み導体(19)、及びクラッテ゛ィンク゛され
た読出し−書込み導体を形成するために読出し−書込み
導体(19)を完全に包囲する強磁性クラッテ゛ィンク゛(21)を含
む。読出し磁界(HR)は強磁性クラッテ゛ィンク゛(21)を飽和せ
ず、クラッテ゛ィンク゛(21)内に概ね閉じこめられ、磁化の向き
(M1)を所望の方向に動的にヒ゜ン留めする。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、概してピン留めさ
れない磁化の向きおよび完全にクラッディング(被覆)
された読出し−書込み導体を含む軟らかい強磁性リファ
レンス層(soft ferromagnetic layer)を有する磁気メ
モリセルに関する。より具体的には、本発明は、ピン留
めされない磁化の向きを有し、読出し−書込み導体内を
流れる電流によって生成される読出し磁界が飽和せず、
強磁性クラッディング内に概ね閉じ込められ、メモリセ
ルへの読出し動作中に磁化の向きが動的にオンザフライ
でピン留め(pinned-on-the-fly)されるようにし、か
つ読出し−書込み導体内を流れる電流によって生成され
る書込み磁界が強磁性クラッディングを飽和させ、強磁
性クラッディングの外側に延在し、メモリセルへの書込
み動作中にデータ層と相互作用するように、強磁性クラ
ッディングによって完全に包囲される読出し−書込み導
体を含む軟らかい強磁性リファレンス層を有する磁気メ
モリセルに関する。 【0002】 【従来の技術】磁気ランダムアクセスメモリ(MRA
M)のような磁気メモリは、DRAM、SRAM、フラ
ッシュメモリおよびハードディスクドライブのような従
来のデータ記憶装置が用いられている応用形態におい
て、代替のデータ記憶デバイスと見なされている不揮発
性タイプのメモリである。MRAMは典型的には、磁気
メモリセルのアレイを含む。たとえば、従来の磁気メモ
リセルは、データ層(記憶層あるいはビット層とも呼ば
れる)と、リファレンス層と、データ層とリファレンス
層との間の中間層とを含む、トンネリング磁気抵抗メモ
リセル(TMR)、巨大磁気抵抗メモリセル(GM
R)、あるいは超巨大磁気抵抗メモリセル(colossal m
agnetoresistance:CMR)とすることができる。デー
タ層、リファレンス層、および中間層は、材料の1つあ
るいは複数の層から形成されることができる。データ層
は通常、データのビットを、外部磁界を加えるのに応じ
て変更され得る磁化の向きとして格納する、磁性材料か
らなる層あるいは薄膜である。したがって、データ層の
磁化の向き(すなわち、その論理状態)は、論理「0」
を表すことができる第1の磁化の向きから、論理「1」
を表すことができる第2の磁化の向きに、あるいはその
逆に回転する(すなわち、切り替える)ことができる。
一方、リファレンス層は通常、磁化の向きが所定の方向
に「ピン留め」(すなわち、固定)された、磁性材料か
らなる層である。所定の向きは、磁気メモリセルを製造
するために用いられるマイクロエレクトロニクス処理ス
テップによって決定される。 【0003】典型的には、磁気メモリセルの論理状態
(すなわち、「0」あるいは「1」)は、データ層およ
びリファレンス層内の磁化の相対的な向きに依存する。
たとえば、トンネリング磁気抵抗メモリセル(トンネル
接合メモリセル)では、データ層とリファレンス層との
間に電位バイアスが印加されるとき、電子は、中間層
(通常、トンネル障壁層と呼ばれる薄い誘電体層)を介
して、データ層とリファレンス層との間を移動する。障
壁層を介した電子の移動を生じる現象は、量子学的トン
ネル効果あるいはスピントンネル効果と呼ばれる場合が
ある。論理状態は、メモリセルの抵抗を測定することに
より判定することができる。たとえば、データ記憶層内
の全体的な磁化の向きがリファレンス層のピン留めされ
た磁化の向きに平行である場合には、磁気メモリセルは
低抵抗の状態にある。逆に、データ記憶層内の全体的な
磁化の向きがリファレンス層のピン留めされた磁化の向
きに逆平行である場合には、トンネル接合メモリセルは
高抵抗の状態にある。上記のように、磁気メモリセルに
格納されるビットの論理状態は、データ層の全体的な磁
化の向きを変更する外部磁界をかけることにより書き込
まれる。その外部磁界は、高抵抗状態と低抵抗状態との
間で磁気メモリセルを切り替える、切替え磁界と呼ばれ
る場合がある。 【0004】図1は、データ層110と、リファレンス
層112と、データ層110とリファレンス層112と
の間に配置される絶縁障壁層114とを備える従来のト
ンネル接合メモリセル100を示す。さらに、メモリセ
ル100は、データ層110と接続される第1の導電ノ
ード116と、リファレンス層112と接続される第2
の導電ノード118とを備えることができる。外部から
供給される電流は、第1および第2の導電ノード(11
6、118)を通って流れ、上記の外部磁界を生成する
ことができる。第1および第2の導電ノード(116、
118)は、図4aおよび図4bに関して以下に説明さ
れるように、複数のメモリセル100を含むメモリアレ
イ内の行導体および列導体とすることができる。また、
そのノードを用いて、メモリセル100の抵抗を測定
し、その論理状態を判定することもできる。リファレン
ス層112は、左向きの矢印によって示されるような所
定の方向にピン留めされる磁化の向きM1を有する。デ
ータ層110は、両方向に向いた矢印によって示される
ように、変更可能な磁化の向きM2を有する。 【0005】図2aでは、データ層110の磁化の向き
M2は、リファレンス層112の磁化の向きM1に平行
であり(すなわち、矢印が同じ向きを指し)、結果とし
て、メモリセル100が低抵抗状態になる。一方、図2
bでは、データ層110の磁化の向きM2は、リファレ
ンス層112の磁化の向きM1に逆平行であり(すなわ
ち、矢印が反対方向を指し)、結果としてメモリセル1
00は高抵抗状態になる。 【0006】データ層110およびリファレンス層11
2は、互いに非常に接近して配置される強磁性材料から
形成されるので、リファレンス層112のピン留めされ
た磁化の向きM1は、図2cに示されるように、リファ
レンス層112のエッジ領域からデータ層110まで延
びる消磁界Dを生成する。図2dは、データ層110の
磁化の向きM2に対する消磁界Dの影響を示す。理想的
には、データ層110の磁化の向きは、ピン留めされた
磁化の向きM1に対して平行か、または逆平行かのいず
れかである配向を有する。しかしながら、消磁界Dのた
め、理想的な磁化の向きM2’(破線矢印で示される)
と、実際の磁化の向きM2(実線矢印で示される)との
間に小さな角変位θが存在する。角変位θに起因して、
高状態と低状態(すなわち、平行か、あるいは逆平行)
との間の磁気抵抗変化の大きさΔR/Rの減少となる。
データ層110内のビットの状態を容易に検出できるよ
うに、磁気抵抗の変化の大きさΔR/Rはできる限り大
きいことが望ましい。基本的には、ΔR/Rは、信号対
雑音比(S/N)のようなものである。読出し動作中
に、S/Nがより高ければ、データ層110内のビット
の状態を判定するために、より強い信号を検出すること
ができることになる。したがって、従来のトンネル接合
メモリセル100の1つの短所は、角変位θに起因す
る、磁気抵抗の変化の大きさΔR/Rの減少(すなわ
ち、読出し動作中の低いS/N)である。 【0007】従来のトンネル接合メモリセル100の別
の短所は、リファレンス層112の磁化の向きM1をピ
ン留めすることが、多くの場合に、そのピン留めを達成
するために材料の2つ以上の層を必要とすることであ
る。たとえば、図3aでは、従来のトンネル接合メモリ
セル200が、上記のデータ層210と、第1および第
2の導電ノード(216、218)とを含み、さらに、
異なる材料のサンドイッチ状の構造である複合リファレ
ンス層212、212aおよび212bも含む。層21
2は、反強磁性体層(ピン留め層)と呼ばれ、層212
aはピン留めされたリファレンス層と呼ばれる。ピン留
め層212は、リファレンス層212aの磁化の向きM
1を所望の方向に磁化する。層212bはシード(see
d)層である。ピン留め層212、リファレンス層21
2aおよびシード層212bのために用いられる材料の
例には、ピン留め層212の場合にはFeMn、IrM
n、NiMnあるいはPtMnがあり、リファレンス層
212aの場合にはNiFe、NiFeCoあるいはC
oFeがあり、シード層212bの場合にはNiFeあ
るいはNiFeCoがある。 【0008】代案として、図3aに示されるものより複
雑なピン留め層312を有する従来のトンネル接合メモ
リセル300が図3bに示される。従来のトンネル接合
メモリセル300は、上記のデータ層310と、第1お
よび第2の導電ノード(316、318)とを含み、さ
らに、異なる材料からなる複雑なサンドイッチ状の構造
である複合リファレンス層312、312a、312b
および312cも含む。ピン留め層312は、図3aの
反強磁性体層212よりさらに複雑な構造を有する人工
反強磁性体312cの磁化の向きを設定する。人工反強
磁性体312cは、たとえばCo/Ru/Coあるいは
CoFe/Ru/CoFeのような材料のサンドイッチ
状の構造とすることができる。図3bでは、層312a
はピン留めされたリファレンス層であり、層312bは
シード層であり、層312は反強磁性体層(ピン留め
層)である。 【0009】したがって、従来のトンネル接合メモリの
1つの短所は、リファレンス層を形成するために、その
構造内に複数の層を必要とすることである。それらの層
を形成するために必要とされる余分な材料のため、従来
のトンネル接合メモリセル200および300を製造す
るために、余分なマイクロエレクトロニクス処理ステッ
プが必要とされる。それらの余分なステップの結果とし
て、メモリが製造時に欠陥を生じる、またはそのメモリ
を組み込んだ製品において後に故障するかもしれない、
欠陥の可能性がトンネル接合メモリに導入されることに
なる。欠陥を低減し、歩留まりを向上させるために、複
雑な構造、それゆえメモリを製造するために必要とされ
る処理ステップの数を最小にすることが望ましい。さら
に、リファレンス層を形成するために必要な材料自体
が、製造の難しい材料である。磁気メモリを量産する場
合、製造プロセスが簡略化され、製造コストが削減され
るように、容易に形成できる材料を用いることが望まし
い。 【0010】従来のトンネル接合メモリのさらなる短所
は、リファレンス層が、アニーリングステップの高い温
度で加熱されなければならないことである。アニーリン
グには時間がかかり(1時間以上)、一定の磁界の下
で、磁気メモリが200〜300℃の範囲の温度にさら
される必要がある。磁化の向きを設定することは、磁界
内でアニーリングすることを必要とするので、磁気メモ
リが後に高温にさらされる場合には、リファレンス層の
ピン留めが「安定しなく」なり、その磁化の向きを保持
できなくなる可能性がある。磁化の向きを再設定するた
めに、別のアニーリングステップが必要とされるであろ
う。 【0011】従来のトンネル接合メモリセル100の別
の短所が、図4a、図4bおよび図4cに示される。図
4aでは、磁気メモリ150は、交点のアレイで構成さ
れる複数のメモリセル100を含む。第1の導電ノード
116は、メモリセル100を横切る行導体(行1およ
び行2)を形成するために複製され(replicated)、第
2の導電ノード118は、同様にメモリセル100を横
切る列導体(列1、列2および列3)を形成するために
複製される(すなわち、メモリセル100は、行導体と
列導体との交差点に配置される)。行2および列3の交
差点に配置されたメモリセル100aは、読出し動作の
ために電源Vを行2に接続することにより選択され、行
1は浮動状態のままである。列1および列2はグランド
に接続され、列3は、仮想グランドに接続されるセンス
増幅器Sに接続される。結果として、電流経路が形成さ
れ、電流Iが行2の導電ノード116に流れ込む。電流
Iの一部は、IGによって示されるように、グランドに
流れる。しかしながら、電流Iの別の部分は、センス増
幅器Sによって検出される読出し電流IRを構成する。
Rの大きさは、メモリセル100aに格納されるデー
タのビットの磁化の向きを示すが、IRの大きさは、読
出し動作中にデータ層の磁化の向きを回転させるには不
十分である。 【0012】図4bには、選択されたメモリセル100
aがさらに詳細に示される。電流I Rは、右手の法則に
したがって磁界HRを生成する。各導体から外側に放射
状に延び(すなわち、フリンジ磁界)、アレイ内の隣接
するメモリセル100と相互作用する磁界HRから不都
合が生じる。メモリセル100の互いに対する近さ、お
よび電流IRの大きさに応じて、そのフリンジ磁界は、
読出し動作のために選択されていない近くのメモリセル
100のデータ層110に格納されるデータビットを破
損する可能性がある。 【0013】同様に、行1と列3との交差点に配置され
るメモリセル100bは、列3を介して電流Ixを流
し、行1を介して電流Iyを流すことにより、書込み動
作に対して選択される。電流IxおよびIyは、データ
層と協働し、変更可能な磁化の向きを回転させ、それに
よりデータの新しいビットを書き込む磁界を生成する。 【0014】図4cでは、選択されたメモリセル100
bが、より詳細に示される。電流Iyは、右手の法則に
したがって磁界Hxを生成する。同様に、電流Ixは、
右手の法則にしたがって磁界Hyを生成する。それらの
各導体から外側に放射状に延び(すなわち、フリンジ磁
界)、選択されたメモリセル100bへの書込み動作中
にそのアレイ内の隣接するメモリセル100と相互作用
する、それらの磁界から不都合が生じる。互いに対する
メモリセル100の近さ、および電流IxおよびIyの
大きさに応じて、それらのフリンジ磁界は、書込み動作
のために選択されていない近くのメモリセル100のデ
ータ層110に格納されるデータビットを破損する可能
性がある。電流IxおよびIyの大きさが、読出し動作
よりも書込み動作の場合に大きいので、データを破損す
る可能性は、結果として生成される磁界が、磁化の向き
を回転させるためにデータ層まで延びなければならない
書込み動作中にさらに大きくなる。 【0015】さらに、従来のトンネル接合メモリセル1
00の別の短所は、選択されたメモリセル100へデー
タを読出す、および/または書込むために必要な読出し
電流IRおよび書込み電流IxとIyの大きさがかなり大
きくなる可能性がある(通常、書込み電流は読出し電流
よりも大きい)。これらの電流の結果として、不要な廃
熱が生じ、その廃熱を除去するために、冷却ファン等の
ような熱管理システムが必要になる可能性がある。熱管
理システムは、メモリ150を組み込む電子システムの
コスト、サイズ、重量および雑音を増加させる可能性が
ある。電源としてバッテリに依存するポータブル電子シ
ステムの場合、あるいはエネルギーを効率的にするよう
に設計された電子システムの場合、上記の電流は電力消
費を増加させ、それによりバッテリの使用時間を減少さ
せ、あるいは電力負担を増加させ、それによりエネルギ
ー効率を低下させる可能性がある。 【0016】上記の短所は、トンネル接合メモリセル
(すなわち、TMRメモリセル)に集中しているが、そ
れらの短所は前述のGMRおよびCMRメモリセルのよ
うな他のタイプの磁気メモリセルにも当てはまる。たと
えば、当業者にはよく理解されているように、GMRメ
モリアレイ(図示せず)の場合、交差点アレイは、GM
Rメモリセルを電気的に絶縁するゲートトランジスタ
(すなわちFET)と置き換えられる。FETは、読出
し動作のための特定のGMRセルを選択するために、電
気的にオンあるいはオフに切り替えられる。選択された
メモリセルを流れる読出し電流は、センス増幅器等によ
って検出され得る。 【0017】 【発明が解決しようとする課題】したがって、データ層
に格納されたデータのビットを読み出すために、ピン留
めされた磁化の向きを必要としないリファレンス層を有
する磁気メモリセルが必要とされている。また、リファ
レンス層を形成するために必要とされる材料の層の数を
低減することも必要とされている。さらに、近くのメモ
リセルとの干渉を十分に低減するように、読出しおよび
書込み動作中に生成されるフリンジ磁界が、リファレン
ス層に概ね閉じ込められる磁気メモリセルが必要とされ
ている。さらに、読出しまたは書込み動作を達成するた
めに必要な電流の大きさを低減し、電力消費および電力
損失を低減する磁気メモリセルが必要とされている。最
後に、読出し動作中の磁気抵抗の変化が大きくなるよう
に、データ層の磁化の向きの角変位が十分に低減または
除去される磁気メモリセルが必要とされている。 【0018】 【課題を解決するための手段】本発明は、トンネリング
磁気抵抗メモリセル(TMR)、巨大磁気抵抗メモリセ
ル(GMR)、およびそれらのタイプの磁気メモリセル
を組み込むメモリのような磁気メモリセルの設計におけ
る改善である。さらに、本発明は、磁気メモリセルのリ
ファレンス層に用いられる材料、および磁気メモリセル
の読出し−書込み導体に用いられる構造の改善を含む。 【0019】概して、本発明は、変更可能な磁化の向き
としてデータのビットを格納するための強磁性データ層
と、強磁性データ層と電気的に通じる第1の導体と、強
磁性データ層と接触する中間層と、軟らかい強磁性リフ
ァレンス層とを含む磁気メモリセルにおいて具現化さ
れ、その軟らかい強磁性リファレンス層は、中間層と接
触し、読出し−書込み導体と、クラッディングされた読
出し−書込み導体を形成するために読出し−書込み導体
を完全に包囲する強磁性クラッディング(ferromagneti
c cladding)とを含む。強磁性クラッディングは、中間
層と接触している強磁性クラッディングの部分に沿った
薄い部分と、中間層と接触していない強磁性クラッディ
ングの部分に沿った厚い部分とを含む、調整された厚み
を含む(すなわち、ある領域において厚く、別の領域に
おいて薄い断面厚を有する)。軟らかい強磁性リファレ
ンス層は、ピン留めされない磁化の向きを有する(すな
わち、磁化の向きは、所定の方向に設定されない)。 【0020】読出し動作中、外部から供給される電流は
読出し−書込み導体を流れ、読出し−書込み導体は、そ
の電流に応じて、読出し磁界を生成する。強磁性クラッ
ディングは、その読出し磁界によって飽和されず、読出
し磁界は強磁性クラッディング(薄い部分を含む)内に
概ね閉じ込められる。読出し磁界の結果として、軟らか
い強磁性リファレンス層の磁化の向きは、所望の方向に
オンザフライでピン留めされる。強磁性データ層に格納
されたデータのビットは、軟らかい強磁性リファレンス
層と第1の導体との間の抵抗を測定することにより読み
出される。 【0021】逆に、書込み動作中、第1の書込み電流が
読出し−書込み導体に流され、薄い部分に沿って強磁性
クラッディングを飽和させ、強磁性データ層に向かう方
向に強磁性クラッディングの外側に延在する第1の書込
み磁界が生成され、かつ第2の書込み電流が第1の導体
に流され、強磁性データ層まで延在する第2の書込み磁
界も生成される。第1および第2の書込み磁界は、強磁
性データ層と協働し、変更可能な磁化の向きを回転さ
せ、それにより強磁性データ層にデータの新しいビット
を書き込む。書込み動作中、第1の書込み磁界は、強磁
性クラッディングの厚い部分を飽和させることはない。 【0022】本発明のクラッディングされた読出し−書
込み導体のさらなる利点は、読出し−書込み導体からの
読出し磁界が、読出し動作中に強磁性クラッディング内
に概ね閉じ込められ、書込み動作中に、第1の書込み磁
界が強磁性クラッディングに概ね向かう方向に導かれる
ことができ、近くのメモリセルと相互作用できるフリン
ジ磁界が書込み動作中に十分に低減されるように、強磁
性クラッディングの厚みが調整され得るので、フリンジ
磁界が十分に低減されることである。 【0023】読出し動作中、本発明の強磁性クラッデイ
ンングは、読出し磁界のための閉じた磁束通路(磁束閉
じこめ構造(flux closure))を提供する。結果とし
て、従来の磁気メモリセルの消磁界が十分に低減され
る、または除去され、読出し動作中の角変位が最小にさ
れ、磁気抵抗の変化の大きさがより大きくなる。 【0024】従来のピン留めされるリファレンス層の短
所は、本発明の軟らかい強磁性リファレンス層によって
解決される。なぜなら、読出し動作が、軟らかい強磁性
リファレンス層の磁化の向きがピン留めされることを必
要としないためである。代わりに、読出し動作を達成す
るために、本発明の軟らかい強磁性リファレンス層の磁
化の向きは、読出し−書込み導体に所定の大きさおよび
方向の電流を流すことにより、所望の方向に動的にピン
留めされる(すなわち、オンザフライでピン留めされ
る)。結果として、前述の付加的な材料層、それらの材
料層の複雑性、およびそれらの材料層を形成するために
必要なマイクロエレクトロニクス処理ステップが低減さ
れる。本発明の軟らかい強磁性リファレンス層によっ
て、磁界内でリファレンス層をアニールする必要はなく
なる。さらに、メモリが熱にさらされる場合に、リファ
レンス層の磁化の向きを「再設定」しなければならない
可能性は、その磁化の向きが動的にオンザフライでピン
留めされるので、本発明の軟らかい強磁性リファレンス
層によって実際的な意味を失う。 【0025】本発明の磁気メモリセルの別の利点は、読
出しまたは書込み動作を達成するために必要な電流の大
きさが低減され、そのため電力損失(廃熱)および電力
消費が低減されることである。読出しまたは書込み動作
のための電流は、静的なDC電流、あるいは動的な電流
パルスとすることができる。先に言及したように、特に
ポータブルバッテリ駆動式のシステムおよびエネルギー
効率のよいシステムでは、電力消費および廃熱の発生を
最小にすることが望ましい。 【0026】本発明の一実施形態では、磁気メモリセル
は、強磁性クラッディングと中間層との間に配置され、
強磁性クラッディングと磁気的に結合される強磁性キャ
ップ層を含む。読出し動作中、読出し磁界は強磁性キャ
ップ層および強磁性クラッディングを飽和させることは
なく、強磁性キャップ層および強磁性クラッディング内
に概ね閉じ込められる。書込み動作中、第1の書込み磁
界は強磁性クラッディングの薄い部分と、強磁性キャッ
プ層とを飽和させ、強磁性データ層に向かう方向に外側
に延びる。しかしながら、第1の書込み磁界は、強磁性
クラッディングの厚い部分を飽和させることはない。 【0027】本発明の別の実施形態では、強磁性データ
層、強磁性キャップ層および強磁性クラッディングは、
高透磁率の軟らかい磁性材料から形成することができ
る。本発明のさらに別の実施形態では、強磁性データ
層、強磁性キャップ層および強磁性クラッディングは、
同じ高透磁率の軟らかい磁性材料から形成される。 【0028】本発明の一実施形態では、強磁性データ
層、強磁性キャップ層および強磁性クラッディングは、
低い飽和保磁力の材料から形成されることができる。 【0029】本発明の代替の実施形態では、磁気メモリ
セルは、トンネリング磁気抵抗メモリセルまたは巨大磁
気抵抗メモリセルとすることができる。 【0030】本発明の他の態様および利点は、本発明の
原理を一例として示す、添付の図面に関連してなされ
る、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。 【0031】 【発明の実施の形態】以下の詳細な説明、および図面の
うちのいくつかにおいて、同様の要素は、同様の参照番
号で識別される。 【0032】例示の目的で図面に示されるように、本発
明は、変更可能な磁化の向きとしてデータのビットを格
納するための強磁性データ層と、強磁性データ層と電気
的に通じる第一の導体と、強磁性データ層と接触する中
間層と、軟らかい強磁性リファレンス層とを備える磁気
メモリセルにおいて具現化され、その軟らかい強磁性リ
ファレンス層は、中間層と接触し、読出し−書込み導体
と、クラッディングされた読出し−書込み導体を形成す
るために読出し−書込み導体を完全に包囲する強磁性ク
ラッディングとを含む。軟らかい強磁性リファレンス層
は、所定の向きにピン留めされない磁化の向きを有す
る。これ以降、軟らかい強磁性リファレンス層のその特
徴を、「ピン留めされない磁化の向き」と呼ぶことにす
る。 【0033】読出し−書込み導体は、外部から供給され
る読出し電流に応答して、読出し磁界を生成し、強磁性
クラッディングは、強磁性クラッディング内に読出し磁
界を概ね閉じ込める。基本的に、強磁性クラッディング
は、読出し−書込み導体の周囲に、閉じた磁気通路(磁
束閉じこめ構造)を提供する。読出し−書込み導体に所
定の大きさおよび方向の電流を流すことにより、結果と
して生成される読出し磁界は、軟らかい強磁性リファレ
ンス層において既知の方向に磁化の向きを確立し、磁化
の向きが動的にピン留めされる(すなわち、磁化の向き
がオンザフライでピン留めされる)ようにするだけの十
分な強さである。しかしながら、読出し磁界は、軟らか
い強磁性リファレンス層の強磁性クラッディングを飽和
させ、読出し磁界が強磁性クラッディングの概ね外側に
延在し、強磁性データ層に格納されたデータのビットと
潜在的に干渉するか、またはそのビットを上書きするほ
ど強くはない。また、強磁性クラッディングは、近くの
メモリセルの強磁性データ層に格納されたデータと干渉
するか、またはそのデータを破損する可能性があるフリ
ンジ磁界を十分に減衰させる。データのビットは、軟ら
かい強磁性リファレンス層と第1の導体との間の抵抗を
測定することにより読み出すことができる。強磁性クラ
ッディングおよび強磁性データ層は、高透磁率の軟らか
い磁性材料から形成されることができる。強磁性クラッ
ディングは、読出し磁界が強磁性クラッディング内に概
ね閉じ込められることを確実にするように設計される、
調整された厚みを有する。しかしながら、調整された厚
みは、中間層と接触している強磁性クラッディングの部
分に沿った薄い部分を含み、書込み動作中に、第1の書
込み電流が読出し−書込み導体に流され、強磁性データ
層にデータの新しいビットを書き込むために、その薄い
部分に沿った強磁性クラッディングを飽和させ、強磁性
データ層に向かう方向に強磁性クラッディングの外側に
延びる第1の書込み磁界が生成される。さらに、強磁性
クラッディングの先に言及した調整された厚みは、中間
層と接触していない強磁性クラッディングの部分に沿っ
た厚い部分も含む。 【0034】必要に応じて、本発明の磁気メモリセル
は、中間層と強磁性クラッディングとの間に配置される
強磁性キャップ層を含むことができる。強磁性キャップ
層は、読出し動作中に、読出し磁界が強磁性クラッディ
ングおよび強磁性キャップ層内に概ね閉じ込められるよ
うに、強磁性クラッディングと磁気的に結合される。基
本的に、強磁性クラッディングおよび強磁性キャップ層
は、磁気的に1つのものとしてなり、強磁性クラッディ
ングおよび強磁性キャップ層はともに、読出し−書込み
導体の周囲に閉じた磁気通路(磁束閉じこめ構造)を提
供する。 【0035】一方、第1の書込み磁界は、強磁性キャッ
プ層と接触している強磁性クラッディングの薄い部分を
飽和させる。その飽和の結果として、第1の書込み磁界
は、書込み動作中に強磁性データ層にデータの新しいビ
ットを書き込むために、強磁性クラッディングの薄い部
分およびキャップ層の外側に、かつ強磁性データ層に向
かう方向に延びる。先に言及したように、強磁性クラッ
ディングは、強磁性キャップ層と接触していない厚い部
分を有する。 【0036】本発明の軟らかい強磁性リファレンス層
は、磁化の向きの方向が、外部から供給される電流によ
って既知の方向に動的に設定される(すなわち、動的に
ピン留めされる)ことができるので、「リファレンス
層」と呼ばれる。用いられる磁性材料は磁気的に軟らか
く、通常の硬いピン留めされる材料(たとえば、NiF
e/IrMn等のような反強磁性系)ではないので、
「軟らかい」と呼ばれる。 【0037】本発明の磁気メモリセルの利点は、読出し
動作中に、軟らかい強磁性リファレンス層の強磁性クラ
ッディング内の読出し−書込み導体によって生成される
読出し磁界を概ね閉じ込めることにより、フリンジ磁界
の問題を解決するクラッディングされた読出し−書込み
導体を含み、それにより、近くの磁気メモリセルに格納
されたデータが浮遊磁界によって破損されないように
し、歩留まりを低下させ、製造コストを上昇させること
になる付随する複雑な材料の層と、付加的な製造ステッ
プとを用いてピン留めされたリファレンス層を形成する
必要性が、軟らかい強磁性リファレンス層によって排除
され、磁気メモリセルをアニールする必要性が排除さ
れ、さらに、データのビットの読出しまたは書込みのた
めに必要な電流(すなわち、DC電流、またはパルス電
流)の大きさが低減され、それに伴って電力損失および
電力消費も低減されることである。 【0038】本発明の磁気メモリセルのさらに別の利点
は、強磁性クラッディングが読出し動作中に磁束閉じこ
め構造を提供し、それにより、強磁性データ層において
磁化の向きの角変位を生じる消磁界が十分に低減され、
または排除されるようになることである。結果として、
読出し動作中、磁気抵抗の変化が大きくなり、それによ
り論理状態(すなわち、論理「0」または論理「1」)
との間の信号対雑音比(S/N)が高くなり、それらの
論理状態が検出しやすくなる。 【0039】本発明の磁気メモリセルのために本明細書
に記載される構造は、限定しないが、TMRまたはGM
Rを用いる磁気メモリセルを含むいくつかの形態の磁気
メモリに有効である。それらの形態の磁気メモリに用い
られる材料および構造は異なり、かつリファレンス層お
よび強磁性データ層の種々の状態(すなわち、平行また
は逆平行)を検出するために用いられる物理的な作用も
異なるが、それらの形態の磁気メモリの磁気設計は同じ
である。強磁性データ層の磁化の向きを回転させるため
に、少なくとも1対の導体が必要とされ、強磁性データ
層とリファレンス層との間の抵抗を測定するために読出
し−書込み導体が必要とされる限り、本発明の磁気メモ
リセルは、先に列挙されたものを含む種々の磁気メモリ
に関して、まさに同じように動作するであろう。本発明
の磁気メモリセルが、MRAMのようなデータ記憶デバ
イス(すなわち、メモリ)を形成するために、磁気メモ
リセルのアレイで実施できることは磁気メモリ技術の当
業者によって明らかに理解されるであろう。そのメモリ
アレイの構造は、メモリセルのタイプに依存する。たと
えば、交差点メモリ構造は、TMRメモリセルのアレイ
に非常に適している。 【0040】図5では、磁気メモリセル10は、変更可
能な磁化の向きM2としてデータのビットを格納するた
めの強磁性データ層11(磁気メモリセル技術では、強
磁性データ層11は記憶層またはビット層とも呼ばれ
る)と、強磁性データ層11と電気的に通じる第1の導
体29と、強磁性データ層11と接触する中間層13
と、中間層13と接触する強磁性キャップ層15と、軟
らかい強磁性リファレンス層17とを含み、その軟らか
い強磁性リファレンス層17は、強磁性キャップ層15
と接触し、ピン留めされない磁化の向きを有し、クラッ
ディングされた読出し−書込み導体を形成するために、
読出し−書込み導体19と、読出し−書込み導体19を
完全に包囲する強磁性クラッディング21(すなわち、
読出し−書込み導体19は、強磁性クラッディング21
によってその側面の全てに対して完全にクラッディング
される)とを含む。軟らかい強磁性リファレンス層17
は、破線矢印16によって示されるように、強磁性クラ
ッディング21の一部に沿って強磁性キャップ層15と
接触している(これ以降、強磁性クラッディング21
を、クラッディング21と呼び、強磁性キャップ層15
をキャップ層15と呼ぶことにする)。クラッディング
21およびキャップ層15は、図5に示されるように、
それらのエッジが互いに同一平面にある必要はない。た
とえば、一方のエッジが他方のエッジと重なり合う場合
や、他方のエッジから差し込まれる場合がある。 【0041】さらに、クラッディング21は、キャップ
層15と接触しているクラッディング21の部分に沿っ
た薄い部分(矢印16を参照)と、キャップ層15と接
触していないクラッディング21の部分に沿った厚い部
分とを含む調整された厚みを有する。さらに、軟らかい
強磁性リファレンス層17の磁化の向きはピン留めされ
ない、すなわち、軟らかい強磁性リファレンス層17
は、たとえば、磁界内でアニーリングするような従来の
プロセスを用いて、磁気メモリセル10の製造中に設定
される所定の磁化の向きを持たない。 【0042】代わりに、図6では、所定の大きさおよび
方向の、外部から供給される読出し電流IRが読出し−
書込み導体19に流れ、その結果、読出し磁界HRが生
成される。図6では、読出し電流IRは、「+」記号に
よって示されるように紙面の中に流れ込んでおり、読出
し磁界HRは、右手の法則にしたがって時計方向のベク
トルを有する。読出し磁界HRはクラッディング21内
に概ね閉じ込められる。読出し磁界HRの結果として、
軟らかい強磁性リファレンス層17は、動的にピン留め
され(すなわち、オンザフライでピン留めされ)、左側
を指す磁化の向きM1を有する。磁化の向きM1は、電
流IRが読出し−書込み導体19を流れ続ける限り、動
的にピン留めされたままである。読出し電流IRが流れ
ている間に、中間層13を介して、強磁性データ層11
と軟らかい強磁性リファレンス層17との間を流れる電
子に起因して、強磁性データ層11と軟らかい強磁性リ
ファレンス層17との間に抵抗が存在する。強磁性デー
タ層11に格納されるデータのビットの状態は、その抵
抗の大きさ、および/または変化を測定することにより
判定することができる。たとえば、その抵抗は、軟らか
い強磁性リファレンス層17と第1の導体29との間で
測定され得る。 【0043】図6では、磁気メモリセル10は、キャッ
プ層15を含まない(図5を参照)。しかしながら、図
8a〜図9bに関連して説明されるように、本発明の軟
らかい強磁性リファレンス層17に関して図6において
上述された原理は、磁気メモリセル10がキャップ層1
5を含むか、含まないかにかかわらず当てはまる。キャ
ップ層15は任意である。キャップ層15が存在すると
き(図8a〜図9b参照)、読出し磁界HRは、クラッ
ディング21およびキャップ層15内に概ね閉じ込めら
れる。なぜなら、クラッディング21およびキャップ層
15は、いずれも強磁性材料から形成されており、互い
に接触する際に、磁気的に1つものとしてなるためであ
る。 【0044】抵抗を生じる現象は、磁気メモリの分野に
おいてよく理解されており、TMR、GMRおよびCM
Rメモリセルに関してもよく理解されている。たとえ
ば、TMRを用いるメモリセルでは、その現象は、量子
力学トンネル効果またはスピン依存トンネル効果と呼ば
れる。TMRメモリセルでは、中間層13は、強磁性デ
ータ層11と軟らかい強磁性リファレンス層17との間
で電子が量子力学的に突き抜ける(すなわち、移動す
る)、誘電体材料からなる薄いトンネル障壁層である。
一方、GMRを用いるメモリセルでは、その現象は、電
子のスピン依存散乱であり、中間層13は、非磁性材料
からなる薄いスペーサ層である。どちらにしても、強磁
性データ層11と軟らかい強磁性リファレンス層17と
の間の抵抗は、M1およびM2の相対的な向きに応じて
変化し、それは、強磁性データ層11に格納されるデー
タのビットが論理「0」であるか、または論理「1」で
あるかを判定するために検出され得る、抵抗の変化であ
る。 【0045】したがって、強磁性データ層11に格納さ
れるデータのビットは、上述のように読出し−書込み導
体19に読出し電流IRを流し、その後、強磁性データ
層11と軟らかい強磁性リファレンス層17との間の抵
抗を測定することにより、磁気メモリセル10に対する
読出し動作中に読み出され得る。そのビットの論理状態
(すなわち、論理「0」または論理「1」)は、抵抗の
大きさを検出することにより判定され得る。ここで、ビ
ットの論理状態をM1およびM2の相対的な向きから如
何にして判定できるかという一例が、図8a〜図8bお
よび図9a〜図9bに関して説明される。 【0046】図8aでは、読出し磁界HRが時計方向の
ベクトルを有し、かつ軟らかい強磁性リファレンス層1
7のオンザフライでピン留めされる磁化の向きM1が、
強磁性データ層11の変更可能な磁化の向きM2に平行
である、すなわちM1およびM2が同じ方向を指すよう
に、読出し電流IRが、「+」記号によって示されるよ
うに紙面に流れ込んでいる。M1およびM2のその構成
は、論理「0」を表すために予め決定され得る、強磁性
データ層11と軟らかい強磁性リファレンス層17との
間の抵抗という結果になる。 【0047】一方、図8bでは、強磁性データ層11の
変更可能な磁化の向きM2は、軟らかい強磁性リファレ
ンス層17のオンザフライでピン留めされる磁化の向き
M1に逆平行である、すなわちM1およびM2が反対方
向を指している。したがって、M1およびM2のその構
成は、論理「1」を表すために予め決定され得る、強磁
性データ層11と軟らかい強磁性リファレンス層17と
の間の抵抗という結果になる。 【0048】さらなる例として、図9aでは、読出し電
流IRが「●」記号によって示されるように紙面から流
れ出しており、軟らかい強磁性リファレンス層17のオ
ンザフライでピン留めされる磁化の向きM1は、強磁性
データ層11の変更可能な磁化の向きM2に逆平行であ
る。さらに、読出し磁界HRは、M1が右側を指すよう
に、反時計方向のベクトルを有する。M1およびM2の
その構成は、論理「1」を表すために予め決定され得
る、強磁性データ層11と軟らかい強磁性リファレンス
層17との間の抵抗という結果となる。 【0049】逆に、図9bでは、強磁性データ層11の
変更可能な磁化の向きM2は、軟らかい強磁性リファレ
ンス層17のオンザフライでピン留めされる磁化の向き
M1に平行である。したがって、M1およびM2のその
構成は、論理「0」を表すために予め決定され得る、強
磁性データ層11と軟らかい強磁性リファレンス層17
との間の抵抗という結果となる。 【0050】先に言及したように、図8a〜図8bおよ
び図9a〜図9bに示される読出し動作の原理は、キャ
ップ層15が存在するか否かにかかわらず当てはまる。
キャップ層15を含むこと、または含まないことは、本
発明のメモリセル10を形成するための方法に関連し
て、以下に説明される。さらに、キャップ層15が存在
するとき、キャップ層15は、図8a〜図9bに示され
るように、読出し磁界H Rがキャップ層15内に延在す
るように、クラッディング21と磁気的に1つのようで
ある(すなわち、磁気的に結合される)。したがって、
図8a〜図9bに示されるようなキャップ層15は任意
である。キャップ層15を含まないことができるが、そ
の場合でも図8a〜図9bに関して説明された読出し動
作の原理は依然として当てはまる。 【0051】論理状態が、M1とM2との間で平行な関
係および逆平行な関係のどちらに割り当てられるかの決
定は、応用例に依存することができ、またはその決定は
所定の規約を介して行われることができる。たとえば、
その規約として、図8aおよび図8bに示される構成が
採用され、それにより、読出し電流IRは紙面の「+」
内に流れ込み、M1は、所望の向きにオンザフライでピ
ン留めされ(すなわち、左側を指し)、論理「0」のた
めの規約はM1およびM2が平行であり、論理「1」の
ための規約はM1およびM2が逆平行であるようにする
ことができる。 【0052】本明細書に記載される本発明の実施形態で
は、強磁性データ層11、キャップ層15およびクラッ
ディング21は、高い透磁率の軟らかい磁性材料から形
成されることができる。「軟らかい磁性材料」は、約1
000以上の高い比透磁率μ R(すなわち、透磁率μは
μ=μ0*μRであり、ここでμ0=4π*10-7H/
m、μ=(4π*10-7)*1000=1.257*1
-3H/m以上)と、約1000A/m以下の低い保磁
力(飽和保磁力)とを有し、ヒステリシス損失が小さい
材料を意味する。 【0053】クラッディング21のための高透磁率の軟
らかい磁性材料によって、M1の磁化の向きは、読出し
磁界HRがクラッディング21内に概ね閉じ込められる
ように、クラッディング21を飽和させない読出し磁界
Rの大きさでオンザフライでピン留めされることが可
能になる。さらに、クラッディング21から外側に延在
する読出し磁界HRの全ての(すなわち、クラッディン
グ21に閉じ込められない)部分は、強磁性データ層1
1内の変更可能な磁化の向きM2を回転させることはな
い(すなわち、読み出し磁界HRは、M2をその現在の
向きから切り替えない)。結果として、読出し磁界HR
を生成するために必要とされる読出し電流IRの大きさ
は、従来の磁気メモリセルに比べて低減される。同様
に、軟らかい強磁性リファレンス層17がキャップ層1
5を含む場合、クラッディング21およびキャップ層1
5の両方のための高透磁率の軟らかい磁性材料によっ
て、磁化の向きM1は、読出し磁界HRがクラッディン
グ21およびキャップ層15内に概ね閉じ込められ、ク
ラッディング21およびキャップ層15から外側に延在
する読出し磁界HRの任意の部分が強磁性データ層11
内の変更可能な磁化の向きM2を回転させないように、
クラッディング21およびキャップ層15を飽和させな
い読出し磁界HRの大きさでオンザフライでピン留めさ
れることが可能になる。 【0054】対照的に、クラッディング21のための高
透磁率の軟らかい磁性材料によって、読出し−書込み導
体19を流れる第1の書込み電流IW1によって生成され
る第1の書込み磁界HW1が、クラッディング21を飽和
させることが可能となり、そのため第1の書込み磁界H
W1がクラッディング21の外側に強磁性データ層11ま
で延びる。キャップ層15が存在する場合、第1の書込
み磁界HW1は、クラッディング21およびキャップ層1
5の両方を飽和させ、強磁性データ層11まで外側に延
びる。どちらにしても、クラッディング21の薄い部分
は、第1の書込み電流IW1の大きさが飽和する磁界、す
なわち第1の書込み磁界HW1を生成するほど十分である
書込み動作中に、クラッディングの飽和を支援するよう
に機能する。 【0055】本発明の一実施形態では、強磁性データ層
11、キャップ層15およびクラッディング21のうち
の任意の選択される1つあるいは複数の層のための高透
磁率の軟らかい磁性材料は、限定はしないが、以下の表
1に列挙される材料を含む材料から形成されることがで
きる。 【0056】 【表1】 【0057】本発明の別の実施形態では、強磁性データ
層11、キャップ層15およびクラッディング21は、
同じ高透磁率の軟らかい磁性材料から形成されることが
できる。同じ高透磁率の軟らかい磁性材料は、限定はし
ないが、上記の表1に記載される材料を含む。たとえ
ば、ニッケル鉄(NiFe)またはパーマロイ(PERMAL
LOY)(登録商標)を用いて、強磁性データ層11、キ
ャップ層15およびクラッディング21を形成すること
ができる。 【0058】本発明の一実施形態では、強磁性データ層
11、キャップ層15およびクラッディング21のうち
の任意の選択される1つあるいは複数の層は、約100
0より大きい比透磁率を有する。 【0059】本発明のさらに別の実施形態では、強磁性
データ層11、キャップ層15およびクラッディング2
1のうちの任意の選択される1つあるいは複数の層は、
約1000A/m以下の飽和保磁力を有する。 【0060】読出し−書込み導体19は、導電性材料か
ら形成されることができる。読出し−書込み導体19に
適した材料は、限定はしないが、以下の表2に列挙され
る材料を含む。 【0061】 【表2】 【0062】本発明の一実施形態では、中間層13は、
軟らかい強磁性リファレンス層17から強磁性データ層
11を分離し、かつ電気的に絶縁する絶縁材料(すなわ
ち、導電性ではない)材料から形成されるトンネル障壁
層である。限定はしないが、以下の表3に列挙される材
料を含む誘電体材料を、トンネル障壁層に用いることが
できる。トンネル障壁層は、約0.5nm〜約5.0n
mの厚み(図13のT 3参照)を有することができる。 【0063】 【表3】 【0064】本発明の別の実施形態では、中間層13は
非磁性材料から形成されるスペーサ層である。スペーサ
層のための非磁性材料は、3d、4dまたは5dの遷移
金属(元素の周期表から)とすることができる。限定は
しないが、以下の表4に列挙される材料を含む非磁性材
料を、スペーサ層に用いることができる。スペーサ層
は、約0.5nm〜約5.0nmの厚み(図13のT3
参照)を有することができる。 【0065】 【表4】 【0066】図11では、本発明の磁気メモリセル10
は、強磁性データ層11を横切り、強磁性データ層11
と電気的に通じる第1の導体29を含むことができる。
強磁性データ層11と第1の導体29との間の導通は、
第1の導体29と強磁性データ層11とが、互いに接触
することにより、またはバイア、導電性プラグ等(図示
せず)のような相互接続構造体によって達成され得る。
好適には、構成がコンパクトであり、相互接続構造体よ
りも複雑ではないため、第1の導体29は強磁性データ
層11と接触する。データのビットは、第1の導体29
と軟らかい強磁性リファレンス層17との間の抵抗を測
定することにより、上述のように読み出され得る。第1
の導体29は、概ね直交する方向に強磁性データ層11
を横切ることができ、または直交しない方向に強磁性デ
ータ層11を横切ることができる。マイクロエレクトロ
ニクスのレイアウトおよび配線ツールは、マイクロエレ
クトロニクスデバイスの直交レイアウトに対して修正で
き、ツールによっては直交しないレイアウトを許容しな
いため、典型的には、第1の導体29は強磁性データ層
11を直交する方向に横切る。第1の導体29は、限定
はしないが、上記の表2に記載された材料を含む導電性
材料から形成されることができる。 【0067】図7において、本発明の複数(ここでは3
つが示される)の磁気メモリセル10によってメモリ5
0が形成される。各磁気メモリセル10は、共通の軟ら
かい強磁性リファレンス層17と接触する、その各キャ
ップ層15(キャップ層15は任意である)を有し、各
磁気メモリセル10は、その各強磁性データ層11にデ
ータのビットを格納する。そのデータのビットは、強磁
性データ層11と軟らかい強磁性リファレンス層17と
の間の抵抗を測定することにより読み出され得る。さら
に、図11に関して先に説明されたように、各磁気メモ
リセル10は、その各強磁性データ層11と電気的に通
じる第1の導体29を含むことができる。同様に、デー
タのビットは、第1の導体29と軟らかい強磁性リファ
レンス層17との間の抵抗を測定することにより読み出
され得る。したがって、軟らかい強磁性リファレンス層
17および第1の導体29は、それぞれ行導体および列
導体、または列導体および行導体のような1対の導体と
することができる。その1対の導体は互いに交差し、磁
気メモリセル10は、図7に示されるように、その1対
の導体間の交差領域に配置され得る。その1対の導体
は、互いに直交する方向に交差する必要はない。 【0068】当分野においてよく理解されているよう
に、強磁性データ層11にデータのビットが書き込まれ
る書込み動作は、読出し−書込み導体19に第1の外部
供給電流IW1を流して、第1の書込み磁界HW1を生成
し、かつ第1の導体29に第2の外部供給電流IW2を流
して、第2の書込み磁界HW2を生成することにより達成
され得る。第1および第2の書込み磁界(HW1、W2
は、変更可能な磁化の向きM2を所望の向きに回転させ
るために、強磁性データ層11と協働する。たとえば、
強磁性データ層11が現時点で論理「0」を格納し、M
2が「左」を指している場合、第1および第2の書込み
磁界(HW1、W2)は、強磁性データ層11と協働し
て、M2を「右」に回転させ(すなわち、反転させ)、
強磁性データ層11に論理「1」が書き込まれるように
することができる。 【0069】図12において、本発明の複数(ここでは
3つが示される)の磁気メモリセル10によってメモリ
70が形成される。各磁気メモリセル10は、共通の軟
らかい強磁性リファレンス層17と接触する、その各キ
ャップ層15(キャップ層15は任意である)を有し、
その各強磁性データ層11は、強磁性データ層11を横
切る第1の導体29と電気的に通じる。 【0070】磁気メモリセル10のうちの選択された磁
気メモリセルに対する書込み動作は、以下のように達成
され得る。11aとして示される強磁性データ層を有す
る磁気メモリセル10は、読出し−書込み導体19に第
1の書込み電流IW1を流し、第1の導体29に第2の書
込み電流IW2を流すことにより、書込み動作に対して選
択される。他の磁気メモリセル10は書込み動作に対し
て選択されない。なぜなら、それらの各第1の導体29
に書込み電流が流れないためである。第1の書込み電流
W1は第1の書込み磁界HW1を生成し、第2の書込み電
流IW2は第2の書込み磁界HW2を生成する。第1および
第2の書込み磁界(HW1、HW2)は協働して、強磁性デ
ータ層11aの変更可能な磁化の向きM2を所望の向き
に回転させる。 【0071】さらに別の例として、同じ強磁性データ層
11aに対する読出し動作は、軟らかい強磁性リファレ
ンス層17の読出し−書込み導体19に、所定の大きさ
および方向の読出し電流IRを流すことにより達成され
得る。読出し電流IRは、クラッディング21内に概ね
閉じ込められる読出し磁界HRを生成し、読出し磁界HR
は、磁化の向きM1をオンザフライでピン留めするよう
に作用する。強磁性データ層11aに格納されるデータ
のビットは、軟らかい強磁性リファレンス層17と、強
磁性データ層11aの第1の導体29との間の抵抗を測
定することにより読み出され得る(図7を参照)。 【0072】図14aおよび図14bには、書込み動作
が、より詳細に示される。図14aでは、変更可能な磁
化の向きM2は、書込み動作の開始時に左側を指してい
る。第1および第2の書込み磁界(HW1、HW2)は、強
磁性データ層11まで延び、互いに作用しあって、M2
を回転させ始める。第1の書込み電流IW1の大きさ(破
線矢印を参照)は、第1の書込み磁界HW1がクラッディ
ング21およびキャップ層15(薄い部分に沿って)を
飽和させ、第1の書込み磁界HW1が強磁性データ層11
内に延びるようにする。次に、図14bでは、変更可能
な磁化の向きM2は回転し、第1および第2の書込み磁
界(HW1、HW2)の合成された磁力がM2に作用する結
果として右側を指している。M2が左側を指していると
きに、論理「0」を表していた場合、右側を指している
M2は論理「1」を表す。 【0073】本発明のクラッディングされた読出し−書
込み導体を形成するためのプロセスが、図10a〜図1
0fに示される。以下に記載される処理ステップの順序
は例示にすぎず、処理ステップの実際の順序は、以下に
記載されるのと同じ順序である必要はない。さらに、マ
イクロエレクトロニクスの分野の当業者によく知られて
いる他のプロセスを、ここに記載される処理ステップの
代わりに用いることができる。 【0074】最初に、図10aでは、誘電体層31が形
成され、たとえば、化学的機械的研磨(CMP)のよう
なプロセスによって平坦化される。クラッディング21
の一部を形成することになる高透磁率の軟らかい磁性材
料を堆積させる前に、誘電体層31においてトレンチ3
3がエッチングされる。誘電体層31の一部のみが図1
0aに示されているが、誘電体層31は、その中に形成
された複数のトレンチ33を有する誘電体層とすること
ができ、破線矢印eによって示されるように、図示され
る範囲を越えて延びることができる。 【0075】第2に、図10bでは、等方性プロセスを
用いて、クラッディング21aの一部がトレンチ33内
に堆積される(結果として、トレンチ33の側壁Sが、
トレンチ33の底面bと概ね同じ厚みにコーティングさ
れる)。クラッディング21aに用いられる材料は、磁
気的に軟らかい材料であり、すなわちその材料は、磁気
コアとして作用するだけの十分な透磁性を有し、とぎれ
ることなく、またはあまりに多くの空隙を生じることな
く、その断面を通して連続している。クラッディング2
1aの等方性堆積の結果として、トレンチ35が形成さ
れる。 【0076】第3に、図10cでは、電気めっき、また
は他の適切な堆積プロセスを用いて読出し−書込み導体
19を形成するために、トレンチ35は銅(Cu)のよ
うな導電性材料を充填される。その後、図10cに示さ
れる構造体を得るために、(たとえば、CMPを用い
て)全構造体が平坦化される。図10cでは、読出し−
書込み導体19は、未だ完全にクラッディングされてい
ないことに留意されたい。 【0077】第4に、図10dでは、磁束通路を閉じる
ために、別の高透磁率の軟らかい磁性材料21bが堆積
され、それにより完全にクラッディングされた読出し−
書込み導体19が形成される(すなわち、部分21aお
よび21bをクラッディングすることにより完全に包囲
される)。高透磁率の軟らかい磁性材料21bの厚み
は、クラッディング21aの底面bまたは側壁Sの厚み
とは異なるように形成され得る。21bの材料は、クラ
ッディング21aの材料と同じ材料、または異なる材料
とすることができる。その後、クラッディング21bは
パターン形成およびエッチングされ、次いで、磁気メモ
リセル10の残りの部分が図10dの構造体の上側に形
成される。さらに、図10dは、クラッディング21a
の最も外側のエッジを越えて延びる高透磁率の軟らかい
磁性材料21bを示すが、高透磁率の軟らかい磁性材料
21bはそれらのエッジと同一平面に存在し得る、また
は破線iによって示されるようにそれらのエッジから挿
入され得ることに留意されたい。高透磁率の軟らかい磁
性材料21bは、もはやクラッディング21aとの閉じ
た磁束通路を形成しなくなるほどまでiを挿入させるべ
きではない。 【0078】必要に応じて、図10eでは、キャップ層
15を形成するために、別の高透磁率の軟らかい磁性材
料がクラッディング21(先に21aおよび21bとし
て示された)上に堆積され得る。その後、中間層13が
キャップ層15上に堆積される。キャップ層15の包含
は、製造上の選択の問題である。たとえば、先に言及し
たように、その処理ステップは、ここに記載される順序
に従う必要はない。そのため、磁気メモリセル10は、
強磁性データ層11で開始して、その後中間層13が形
成されるなどにより製造されてもよい。中間層13に用
いられる材料によっては、中間層が堆積された後に、中
間層がさらされる環境と化学的に反応するのを防ぐよう
に、中間層13を仕上げる(すなわち、不動態化する)
ことが必要な場合がある。たとえば、中間層13が誘電
体トンネル障壁層である場合、クラッディング21の高
透磁率の軟らかい磁性材料と磁気的に適合することにな
る高透磁率の軟らかい磁性材料から形成されるキャップ
層15を堆積させることが望ましいかもしれない。キャ
ップ層15は、誘電体トンネル障壁層のための保護キャ
ップとして機能する。キャップ層15は、クラッディン
グ21と同じ材料から、またはクラッディング21と異
なる材料から形成され得る。 【0079】最後に、図10fでは、中間層13上に強
磁性データ層11が形成される。さらに、第1の導体2
9を形成するために、強磁性データ層11上に導電性材
料を堆積させることができる。 【0080】上記のプロセスは、本発明の完全にクラッ
ディングされた読出し−書込み導体(すなわち、19、
21aおよび21b)を形成するために用いられるCu
のダマクス象眼加工(Cu-damascene)プロセスの中のプ
ロセスを真似ている。そのようなプロセスによって製造
される平坦な構造体は、図10dの構造体を製造する際
に有用である(ただし、絶対的に不可欠ではない)。し
かしながら、マイクロエレクトロニクスの分野において
理解されている他のプロセスを用いて、図10dの構造
体を製造することもできる。さらに、図10a〜図10
fは、本発明の完全にクラッディングされた読出し−書
込み導体を製造するための1つの実現可能な方法を示し
ている。たとえば、図10a〜図10fに示されるもの
と逆の順序で製造することができる。製造は、強磁性デ
ータ層11から開始し、中間層13、必要に応じてキャ
ップ層15と続けられ、その後、クラッディングされた
読出し−書込み導体を形成することができる。 【0081】上述のプロセスでは、クラッディング2
1、キャップ層15、強磁性データ層11、読出し−書
込み導体19および中間層13の材料は、限定しない
が、表1、表2、表3および表4において先に記載され
た材料を含むことができる。 【0082】図13aでは、クラッディング21、中間
層13および強磁性データ層11の間の寸法の関係が示
される。先に言及したように、クラッディング21の軟
らかい磁性材料は、読出し−書込み導体19を流れる読
出し電流IRによって生成される読出し磁界HRが、軟ら
かい強磁性リファレンス層17の磁化の向きM1をオン
ザフライでピン留めするように選択される。さらに、結
果として生じる読出し磁界HRはクラッディング21を
飽和させず、読出し動作中に読出し磁界HRがクラッデ
ィング21内に概ね閉じ込められるようにする。クラッ
ディング21を越えて延びる読出し磁界HRの任意の部
分が、強磁性データ層11の変更可能な磁化の向きM2
を回転させることはない。対照的に、書込み動作中、第
1の書込み磁界HW1はクラッディング21を飽和させ、
強磁性データ層11に向かって延びる。したがって、ク
ラッディング21の相対的な厚みは、読出し動作中に読
出し磁界HRがクラッディング21に概ね閉じ込めら
れ、書込み動作中に第1の書込み磁界HW1がクラッディ
ング21を飽和させるように調整されなければならな
い。 【0083】図13aにおいて、中間層13に隣接する
クラッディング21の部分(すなわち、破線矢印18に
より示される薄い部分)は、クラッディング21内に読
出し磁界HRを概ね閉じ込めるのに十分な最小厚D1を有
するべきである(すなわち、磁束閉じこめ構造を提供す
るのに十分な厚さ)。クラッディング21の残りの部分
は、最小厚D1以上の厚みD2、D3およびD4を有するこ
とができる。それゆえ、D2、D3およびD4≧D1であ
る。D2、D3およびD4は、D1より厚いことが好まし
い。 【0084】書込み動作中、第1の書込み磁界HW1はク
ラッディング21を飽和させる。しかしながら、D2
3およびD4がD1より著しく厚くなるようにクラッデ
ィング21の厚みを調整し、第1の書込み磁界HW1が、
薄い部分に沿って、概ね強磁性データ層11に向かう方
向にクラッディング21を飽和させるようにすることが
望ましい場合がある。この結果、第1の書込み磁界HW1
は、強磁性データ層11に向かう方向に導かれ、厚みD
2、D3およびD4(すなわち、厚い部分)の方向のフリ
ンジ磁界は、クラッディング21を飽和させない、また
は少なくとも、D 2、D3およびD4においてクラッディ
ング21の厚みによって著しく減衰される。D2、D3
よびD4は、クラッディング21が飽和するのを防ぐよ
うに選択される厚みを有することが好ましい。 【0085】同様に、図13bでは、クラッディング2
1、キャップ層15、中間層13および強磁性データ層
11の間の寸法の関係が示される。先に言及したよう
に、クラッディング21およびキャップ層15のための
軟らかい磁性材料は、読出し−書込み導体19を流れる
読出し電流IRによって生成される読出し磁界HRが、軟
らかい強磁性リファレンス層17の磁化の向きM1をオ
ンザフライでピン留めするように選択される。さらに、
結果として生じる読出し磁界HRはクラッディング21
およびキャップ層15を飽和させず、読出し動作中に読
出し磁界HRがクラッディング21およびキャップ層1
5内に概ね閉じ込められるようにする(すなわち、クラ
ッディング21およびキャップ層15は、磁束閉じ込め
構造を提供する)。クラッディング21およびキャップ
層15を越えて延びる読出し磁界H Rの任意の部分が、
強磁性データ層11の変更可能な磁化の向きM2を回転
させることはない。逆に、書込み動作中、第1の書込み
磁界HW1はクラッディング21およびキャップ層15を
飽和させ、強磁性データ層11に向かって延びる。した
がって、クラッディング21の相対的な厚みは、読出し
動作中に読出し磁界H Rがクラッディング21に概ね閉
じ込められ、書込み動作中に第1の書込み磁界HW1がク
ラッディング21およびキャップ層15を飽和させるよ
うに調整されなければならない。 【0086】図13bでは、キャップ層15に隣接する
クラッディング21の部分(破線矢印19を参照)は、
クラッディング21およびキャップ層15内に読出し磁
界Hを概ね閉じ込めるのに十分な最小の組み合わせた厚
み(D1+T1)を有するべきである。クラッディング2
1の残りの部分は、最小の組み合わせた厚み(D1
1)以上の厚みD2、D3およびD4を有することができ
る。それゆえ、D2、D3およびD4≧(D1+T1)であ
る。D2、D3およびD4は、(D1+T1)より厚いこと
が好ましい。先に言及したように、D2、D3およびD4
は、(D1+T1)より著しく厚く形成されることがで
き、書込み動作中に、第1の書込み磁界HW1が、概ね強
磁性データ層11に向かう方向に、クラッディング21
およびキャップ層15を飽和させるようにすることがで
きる。 【0087】クラッディング21、キャップ層15、中
間層13および強磁性データ層11の厚みとその範囲
は、限定しないが、以下に記載される寸法を含む。 【0088】クラッディング21は、約3.0nm〜約
100.0nmの厚みD1を有し、キャップ層15は、
約1.0nmより大きい厚みT1を有することができ
る。D1およびT1の実際の厚みは、クラッディング21
およびキャップ層15のために選択される材料に依存す
るであろう。 【0089】中間層13は、約0.5nm〜約5.0n
mの厚みT3を有することができる。T3の実際の厚み
は、中間層13のために選択される材料、およびたとえ
ば、TMRメモリセルまたはGMRメモリセルのような
メモリセルのタイプに部分的に依存するであろう。 【0090】強磁性データ層11は、約1.0nmより
大きい厚みT5を有することができる。T5の実際の厚み
は、メモリセルのタイプおよび応用形態に依存するであ
ろう。 【0091】軟らかい強磁性リファレンス層17は、読
出し−書込み導体19のために選択される寸法、および
クラッディング21の厚みD1、D2、D3およびD4に部
分的に依存する幅Wおよび高さHを有することができ
る。したがって、WおよびHは、その最終的な寸法が、
クラッディング21および読出し−書込み導体19の寸
法を含む多くの変数に基づくことになるので、応用形態
の依存性が高い。 【0092】本発明のいくつかの実施形態が開示され、
説明されてきたが、本発明は、そのように記載および図
示される特定の形態または部品の構成に限定されない。
本発明は特許請求の範囲によってのみ制限される。 【0093】以下においては、本発明の種々の構成要件
の組み合わせからなる例示的な実施形態を示す。 1.磁気メモリセル(10)であって、変更可能な磁化の
向き(M2)としてデータのビットを格納するための強
磁性データ層(11)と、前記強磁性データ層(11)と電
気的に通じる第1の導体(29)と、前記強磁性データ層
(11)と接触する中間層(13)と、及びピン留めされな
い磁化の向き(M1)を有し、読出し−書込み導体(1
9)、及びその読出し−書込み導体(19)を完全に包囲
する強磁性クラッディング(21)を含む軟らかい強磁性
リファレンス層(17)であって、前記強磁性クラッディ
ング(21)が、前記中間層(13)に接触している前記強
磁性クラッディング(21)の部分に沿った薄い部分(D
1)、及び前記中間層(13)と接触していない前記強磁
性クラッディング(21)の部分に沿った厚い部分を含む
調整された厚みを有する、軟らかい強磁性リファレンス
層(17)とからなり、読出し動作中、前記軟らかい強磁
性リファレンス層(17)が、前記読出し−書込み導体
(19)を流れる読出し電流(IR)によって生成される
読出し磁界(HR)によって所望の向きにオンザフライ
でピン留めされ、前記読出し磁界(HR)が前記強磁性
クラッディング(21)を飽和させず、前記強磁性クラッ
ディング(21)内に概ね閉じ込められ、書込み動作中、
前記第1の導体(29)が、前記第1の導体(29)を流れ
る第1の書込み電流(IW1)に応答して第1の書込み磁
界(HW1)を生成するように機能し、前記第1の書込み
磁界(HW1)が前記強磁性クラッディング(21)の前記
薄い部分(D1)を飽和させ、前記強磁性データ層(1
1)まで外側に延びる、磁気メモリセル(10)。 2.前記強磁性データ層(11)および前記強磁性クラッ
ディング(21)のうちの任意の選択された1つあるいは
複数の層が、高透磁率の軟らかい磁性材料からなる、上
記1に記載の磁気メモリセル(10)。 3.前記高透磁率の軟らかい磁性材料が、ニッケル鉄、
ニッケル鉄の合金、ニッケル鉄コバルト、ニッケル鉄コ
バルトの合金、コバルト鉄、コバルト鉄の合金およびパ
ーマロイ(R)からなるグループから選択された材料で
ある、上記2に記載の磁気メモリセル(10)。 4.前記強磁性データ層(11)および前記強磁性クラッ
ディング(21)が、同じ高透磁率の軟らかい磁性材料か
ら形成される、上記1に記載の磁気メモリセル(10)。 5.前記強磁性データ層(11)および前記強磁性クラッ
ディング(21)のうちの任意の選択された1つあるいは
複数の層が、約1000より大きい比透磁率を有する、
上記1に記載の磁気メモリセル(10)。 6.前記強磁性データ層(11)および前記強磁性クラッ
ディング(21)のうちの任意の選択された1つあるいは
複数の層が、約1000A/m以下の飽和保磁力を有す
る、上記1に記載の磁気メモリセル(10)。 7.前記読出し−書込み導体(19)が、銅、銅の合金、
アルミニウム、アルミニウムの合金、アルミニウム銅、
アルミニウム銅の合金、タンタル、タンタルの合金、
金、金の合金、銀および銀の合金からなるグループから
選択された導電性材料である、上記1に記載の磁気メモ
リセル(10)。 8.前記強磁性クラッディング(21)の前記調整された
厚みが、前記中間層と接触していない前記強磁性クラッ
ディング(21)の部分に沿って、約3.0nm〜約10
0.0nmである、上記1に記載の磁気メモリセル(1
0)。 9.前記強磁性クラッディング(21)と前記中間層(1
3)との間に配置され、前記強磁性クラッディング(2
1)と磁気的に結合される強磁性キャップ層(15)をさ
らに備え、前記強磁性クラッディング(21)が、前記強
磁性キャップ層(15)と接触している前記強磁性クラッ
ディング(21)の部分に沿った薄い部分(D1)、及び
前記強磁性キャップ層(15)と接触していない前記強磁
性クラッディング(21)の部分に沿った厚い部分を含む
調整された厚みを有し、前記読出し動作中に、前記生成
された読出し磁界(HR)は、前記強磁性クラッディン
グ(21)および前記強磁性キャップ層(15)を飽和させ
ず、前記強磁性クラッディング(21)および前記強磁性
キャップ層(15)内に概ね閉じ込められ、書込み動作
中、前記第1の書込み磁界(HW1)は、前記強磁性クラ
ッディング(21)の前記薄い部分(D1)および前記強
磁性キャップ層(15)を飽和させ、前記強磁性データ層
(11)まで外側に延びる、上記1に記載の磁気メモリセ
ル(10)。 10.変更可能な磁化の向きとしてデータのビットを格
納するための強磁性データ層と、前記強磁性データ層と
電気的に通じている第1の導体と、既知の方向にピン留
めされる磁化の向きを有する強磁性リファレンス層と、
前記強磁性リファレンス層と電気的に通じている第2の
導体と、前記強磁性データ層と前記強磁性リファレンス
層との間の中間層とを含み、前記ビットが、前記第1の
導体と前記第2の導体との間の抵抗を測定することによ
り読み出され、前記第1および前記第2の導体に第1お
よび第2の電流を流し、前記強磁性データ層と協働する
第1および第2の書込み磁界を生成し、前記変更可能な
磁化の向きを回転させることにより、前記ビットが書き
込まれる磁気メモリセルにおいて、ピン留めされない磁
化の向き(M1)を有し、読出し−書込み導体(19)、
及びその読出し−書込み導体(19)を完全に包囲する強
磁性クラッディング(21)を含む軟らかい強磁性リファ
レンス層(17)を含み、前記強磁性クラッディング(2
1)が、前記中間層(13)に接触している前記強磁性ク
ラッディング(21)の部分に沿った薄い部分(D1)、
及び前記中間層(13)と接触していない前記強磁性クラ
ッディング(21)の部分に沿った厚い部分を含む調整さ
れた厚みを有し、読出し動作中、前記軟らかい強磁性リ
ファレンス層(17)が、前記読出し−書込み導体(19)
を流れる読出し電流(IR)によって生成される読出し
磁界(HR)によって所望の向きにオンザフライでピン
留めされ、前記読出し磁界(HR)が前記強磁性クラッ
ディング(21)を飽和させず、前記強磁性クラッディン
グ(21)内に概ね閉じ込められ、書込み動作中、前記第
1の導体(29)が、前記第1の導体(29)を流れる第1
の書込み電流(IW1)に応答して第1の書込み磁界(H
W1)を生成するように機能し、前記第1の書込み磁界
(HW1)が前記強磁性クラッディング(21)の前記薄い
部分(D1)を飽和させ、前記強磁性データ層(11)ま
で外側に延びる、磁気メモリセル。 11.前記強磁性クラッディング(21)と前記中間層
(13)との間に配置され、前記強磁性クラッディング
(21)と磁気的に結合される強磁性キャップ層(15)を
さらに備え、前記強磁性クラッディング(21)が、前記
強磁性キャップ層(15)と接触している前記強磁性クラ
ッディング(21)の部分に沿った薄い部分(D 1)、及
び前記強磁性キャップ層(15)と接触していない前記強
磁性クラッディング(21)の部分に沿った厚い部分を含
む調整された厚みを有し、前記読出し動作中、前記生成
された読出し磁界(HR)が、前記強磁性クラッディン
グ(21)および前記強磁性キャップ層(15)を飽和させ
ず、前記強磁性クラッディング(21)および前記強磁性
キャップ層(15)内に概ね閉じ込められ、前記書込み動
作中、前記第1の書込み磁界(HW1)が、前記強磁性ク
ラッディング(21)の前記薄い部分(D1)および前記
強磁性キャップ層(15)を飽和させ、前記強磁性データ
層(11)まで外側に延びる、上記10に記載の磁気メモ
リセル。 【0094】 【発明の効果】上記のように、本発明によれば、データ
層に格納されたデータのビットを読み出すために、ピン
留めされた磁化の向きを必要としないリファレンス層を
有する磁気メモリセルを実現することができる。また、
リファレンス層を形成するために必要とされる材料の層
の数を低減することもできる。さらに、近くのメモリセ
ルとの干渉を十分に低減するように、読出しおよび書込
み動作中に生成されるフリンジ磁界が、リファレンス層
に概ね閉じ込められる磁気メモリセルを実現することが
できる。さらに、読出しまたは書込み動作を達成するた
めに必要な電流の大きさを低減し、電力消費および電力
損失を低減する磁気メモリセルを実現することができ
る。さらに、読出し動作中の磁気抵抗の変化が大きくな
るように、データ層の磁化の向きの角変位が十分に低減
または除去される磁気メモリセルを実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】ピン留めされた磁化の向きを有するリファレン
ス層を用いる従来の磁気メモリセルを示す図である。 【図2a】図1の従来の磁気メモリセルのリファレンス
層とデータ層との間の全体的に平行な磁化の向きを示す
図である。 【図2b】図1の従来の磁気メモリのリファレンス層と
データ層との間の全体的に逆平行の磁化の向きを示す図
である。 【図2c】従来の磁気メモリセルにおけるデータ層の磁
化の向きに対する消磁界の作用を示す図である。 【図2d】従来の磁気メモリセルにおけるデータ層の磁
化の向きに対する消磁界の作用を示す図である。 【図3a】ピン留め層とピン留めされる層とを含む多層
リファレンス層を用いる従来の磁気メモリセルを示す図
である。 【図3b】ピン留め層とピン留めされる層とを含む多層
リファレンス層を用いる従来の磁気メモリセルを示す図
である。 【図4a】従来の磁気メモリセルのアレイと、行および
列導体とを含む従来の磁気メモリセルの読出し動作およ
び書込み動作を示す図である。 【図4b】選択された従来の磁気メモリセルに対する読
出し動作と、行および列導体に流れる読出し電流によっ
て生成される磁界とを示す図である。 【図4c】選択された従来の磁気メモリセルに対する書
込み動作と、行および列導体に流れる電流によって生成
されるフリンジ磁界とを示す図である。 【図5】本発明による、軟らかい強磁性リファレンス層
と、全体的にクラッディングされた読出し−書込み導体
とを有する磁気メモリセルの図である。 【図6】本発明による、読出し動作中に強磁性クラッデ
ィング内に概ね閉じ込められる磁界の図である。 【図7】本発明による、軟らかい強磁性リファレンス層
および全体的にクラッディングされた読出し−書込み導
体を有する磁気メモリセルのアレイを含むメモリの図で
ある。 【図8a】本発明による、読出し動作中にオンザフライ
でピン留めされる軟らかい強磁性リファレンス層の図で
ある。 【図8b】本発明による、読出し動作中にオンザフライ
でピン留めされる軟らかい強磁性リファレンス層の図で
ある。 【図9a】本発明による、読出し動作中にオンザフライ
でピン留めされる軟らかい強磁性リファレンス層の図で
ある。 【図9b】本発明による、読出し動作中にオンザフライ
でピン留めされる軟らかい強磁性リファレンス層の図で
ある。 【図10a】本発明による、軟らかい強磁性リファレン
ス層と全体的にクラッディングされた読出し−書込み導
体とを有する磁気メモリセルを形成する方法を示す図で
ある。 【図10b】本発明による、軟らかい強磁性リファレン
ス層と全体的にクラッディングされた読出し−書込み導
体とを有する磁気メモリセルを形成する方法を示す図で
ある。 【図10c】本発明による、軟らかい強磁性リファレン
ス層と全体的にクラッディングされた読出し−書込み導
体とを有する磁気メモリセルを形成する方法を示す図で
ある。 【図10d】本発明による、軟らかい強磁性リファレン
ス層と全体的にクラッディングされた読出し−書込み導
体とを有する磁気メモリセルを形成する方法を示す図で
ある。 【図10e】本発明による、軟らかい強磁性リファレン
ス層と全体的にクラッディングされた読出し−書込み導
体とを有する磁気メモリセルを形成する方法を示す図で
ある。 【図10f】本発明による、軟らかい強磁性リファレン
ス層と全体的にクラッディングされた読出し−書込み導
体とを有する磁気メモリセルを形成する方法を示す図で
ある。 【図11】本発明による、軟らかい強磁性リファレンス
層を有し、強磁性データ層にデータのビットを書き込む
ための第1の導体を含む磁気メモリセルの図である。 【図12】本発明による、軟らかい強磁性リファレンス
層、および選択された磁気メモリセルの強磁性データ層
にデータのビットを書き込むための第1の導体を有する
磁気メモリセルのアレイを含むメモリの図である。 【図13a】本発明による、強磁性クラッディングを有
する軟らかい強磁性リファレンス層の相対的寸法を示す
図である。 【図13b】本発明による、強磁性クラッディングと強
磁性キャップ層とを有する軟らかい強磁性リファレンス
層の相対的寸法を示す図である。 【図14a】本発明による、書込み動作、および強磁性
データ層の変更可能な磁化の向きを回転させる切替え磁
界を示す図である。 【図14b】本発明による、書込み動作、および強磁性
データ層の変更可能な磁化の向きを回転させる切替え磁
界を示す図である。 【符号の説明】 10 磁気メモリセル 11 強磁性データ層 13 中間層 15 強磁性キャップ層 17 軟らかい強磁性リファレンス層 19 読出し−書込み導体 21 強磁性クラッディング 29 第1の導体 HW1 第1の書込み磁界 HR 読出し磁界 IW1 第1の書込み電流 IR 読出し電流
フロントページの続き (72)発明者 マニシュ・シャーマ アメリカ合衆国カリフォルニア州94087, サニーベイル,ロックスナート・ウェイ・ 160,アパートメント・16 Fターム(参考) 5F083 FZ10 GA05 JA02 JA06 JA19 JA36 JA37 JA38 JA39 JA60 KA01 KA05

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 磁気メモリセル(10)であって、 変更可能な磁化の向き(M2)としてデータのビットを
    格納するための強磁性データ層(11)と、 前記強磁性データ層(11)と電気的に通じる第1の導体
    (29)と、 前記強磁性データ層(11)と接触する中間層(13)と、
    及びピン留めされない磁化の向き(M1)を有し、読出
    し−書込み導体(19)、及びその読出し−書込み導体
    (19)を完全に包囲する強磁性クラッディング(21)を
    含む軟らかい強磁性リファレンス層(17)であって、前
    記強磁性クラッディング(21)が、前記中間層(13)に
    接触している前記強磁性クラッディング(21)の部分に
    沿った薄い部分(D1)、及び前記中間層(13)と接触
    していない前記強磁性クラッディング(21)の部分に沿
    った厚い部分を含む調整された厚みを有する、軟らかい
    強磁性リファレンス層(17)とからなり、 読出し動作中、前記軟らかい強磁性リファレンス層(1
    7)が、前記読出し−書込み導体(19)を流れる読出し
    電流(IR)によって生成される読出し磁界(HR)によ
    って所望の向きにオンザフライでピン留めされ、前記読
    出し磁界(HR)が前記強磁性クラッディング(21)を
    飽和させず、前記強磁性クラッディング(21)内に概ね
    閉じ込められ、 書込み動作中、前記第1の導体(29)が、前記第1の導
    体(29)を流れる第1の書込み電流(IW1)に応答して
    第1の書込み磁界(HW1)を生成するように機能し、前
    記第1の書込み磁界(HW1)が前記強磁性クラッディン
    グ(21)の前記薄い部分(D1)を飽和させ、前記強磁
    性データ層(11)まで外側に延びる、磁気メモリセル
    (10)。
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