JP2003004913A - 光学用フィルム及び積層体 - Google Patents

光学用フィルム及び積層体

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JP2003004913A
JP2003004913A JP2001190091A JP2001190091A JP2003004913A JP 2003004913 A JP2003004913 A JP 2003004913A JP 2001190091 A JP2001190091 A JP 2001190091A JP 2001190091 A JP2001190091 A JP 2001190091A JP 2003004913 A JP2003004913 A JP 2003004913A
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laminate
optical film
optical
phase
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JP2001190091A
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Yoshiaki Takegawa
善紀 武川
Katsuya Ito
勝也 伊藤
Keiji Mori
啓冶 森
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 梨地加工様またはヘアーライン加工様外観を
有するフィルム及び積層体に好適に用いられる光学性フ
ィルムを一般の単層フィルム並に容易に作製でき、必要
に応じて、光散乱ビーム方向の異方性が高く、場合によ
っては優れた引裂き直進性を有するなどの特性も付与し
ようとするものである。 【解決手段】 相分離構造を有する透明フィルムを用い
ることを特徴とする光学用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、外部から
視認しうる金属等の構造物の表面に積層することによ
り、該構造物に梨地加工様またはヘアーライン加工など
の機械加工をすることなく、梨地加工またはヘアーライ
ン加工様の表面を得ることができ、意匠性に優れたもの
とすることが可能なフィルムを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】ニ軸延伸ポリエステルフィルムは耐久
性、防湿性、力学的強度、耐熱性、耐油性に優れてお
り、チューブラー法、フラット式同時ニ軸延伸法、フラ
ット式逐次ニ軸延伸法などを用いて製造したニ軸延伸ポ
リエステルフィルムが食品包装分野および工業材料分野
に於いて幅広く使用されている。ニ軸延伸ポリエステル
フィルムには様々な光学的特性を有するものがある。大
まかに分けて、透明性を重要視するものと不透明性を重
要視するものがある。不透明性を重要視するものはに表
面に用いられた場合、より下層の材料を光線から遮断
し、より上層の材料の下地材として機能する。例えば白
色フィルム、合成紙等がある。
【0003】一方透明性を重視するものは応用形態とし
て主に表面に用いられ、より下層の部分を透視する目的
で用いられる。この時、光はフィルムの内部を透過する
ため、構成する材料の様々な光学的性質が現れることと
なる。透過、吸収、反射、偏光、屈折、複屈折、回折、
干渉、旋光性、散乱、等の光学特性を利用して、例えば
カラーフィルター、プリズムフィルム、レンズフィル
ム、偏光フィルム、回折格子フィルム、選択透過性フィ
ルム、ハーフミラー、ホログラム、位相差フィルム、反
射防止フィルム、等が作られている。
【0004】特に透明タイプのフィルムは上記の機能を
持たせるために、延伸法、成形法、コーティング法、印
刷法、蒸着法、染色法、を適宜複合して用いて製造され
る。中でも光学フィルムはコーティングとくにオフライ
ンコート法にて機能付与し、作製されることが多いた
め、後加工工程が複雑となり、さらにコート用溶剤の蒸
散による環境問題を生じることがある。
【0005】光学フィルムには様々なものがある。一般
には、1方向入射の光ビームを微粒子で散乱させ、出射
光のンビーム方向をランダマイズするもの。散乱現象と
フィルムの複屈折を利用した偏光散乱タイプや回折現象
を利用したもの等があげられる。これらの光現象を利用
したフィルムは本来の機能、多様な工業部品の用途に都
合良く適合させなければならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解決しようとするものであり、例えば、梨地加
工様またはヘアーライン加工様外観を有するフィルム及
び積層体に好適に用いられる光学性フィルムを一般の単
層フィルム並に容易に作製でき、必要に応じて、光散乱
ビーム方向の異方性が高く、場合によっては優れた引裂
き直進性を有するなどの特性も付与しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明者らはこのような課
題を解決する為に鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明の要旨は、相分離構造を有する透
明フィルムを用いることを特徴とする光学用フィルムで
ある。この場合において、前記フィルムの相分離構造が
フィルム面内方向に異方性の無いことが好適である。ま
たこの場合において、前記フィルムの相分離構造がフィ
ルム面内方向に異方性の有る糸引き島状であることが好
適である。さらにまた、この場合において、前記フィル
ムに金属箔又は金属蒸着層又はメタリック印刷層を積層
した光学用フィルム積層体が好ましい使用形態である。
さらにまた、この場合において、前記フィルムあるいは
フィルム積層体が熱収縮性及びまたは熱接着性及びまた
は粘着性及びまたは引裂き直進性を有することが好適で
ある。さらにまた、この場合において、前記フィルムを
他の構造物に積層したことを特徴とする積層体が好まし
い使用形態である。さらにまた、この場合において、前
記フィルムが、フィルムがポリエステル系高分子、ポリ
アミド系高分子、ポリオレフィン系高分子、又はポリカ
ーボネート系高分子を連続相としていることが好適であ
る。さらにまた、この場合において、前記フィルムにお
ける連続相がテレフタル酸を80mol%以上含有する結
晶性ポリエステル樹脂(A)からなることが好適であ
る。さらにまた、この場合において、前記フィルムに於
ける相分離構造の島状相が融点170℃以上の結晶セグ
メント及び融点又は軟化点が100℃以下、分子量が4
00〜8000の軟質重合体からなるブロック共重合ポ
リエステル(B)及び又はポリブチレンテレフタレート
であることが好適である。さらにまた、この場合におい
て、前記フィルムがテレフタル酸を80mol%以上含有
する結晶性ポリエステル樹脂(A)90〜70wt%。融
点170℃以上の結晶セグメント及び融点又は軟化点が
100℃以下、分子量が400〜8000の軟質重合体
からなるブロック共重合ポリエステル(B)及び又はポ
リブチレンテレフタレート10〜30wt%という2また
は3種樹脂の混合物からなることが好適である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の光学用フィルムは原料選
択、フィルム特有の製造工程の条件の制御により、相分
離構造を有し、さらには異方性を調整しすることに製造
することが出来る。相分離構造を作るためには、一つの
方法として2種以上の樹脂を溶融混合する方法がある。
この方法では、フィルムの原料として、マトリックスと
なる樹脂は、フィルムに用いられる代表的な樹脂、例え
ばポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、又はポリカーボネ
ート系樹脂などを用いることが出来る。なかでも工業用
途として汎用性があり、安価であるポリエステル系樹脂
の場合について説明を行う。本発明における結晶性ポリ
エステル(A)はエチレンテレフタレートを主たる繰り
返し単位とするポリエステルであり、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)が最適であるが、PETとポリブ
チレンテレフタレート(PBT)、PETとポリエチレ
ンナフタレート(PEN)などとの共重合体、或いはこ
れらの混合物を用いることができる。該ポリエステルと
しては極限粘度0.60dl/g以上のものが好ましく、さ
らには0.62dl/g以上0.90dl/g以下のものが適当
である。極限粘度が0.62dl/g未満のものを用いた場
合、衝撃強度、引き裂き直進性ともに優れない。極限粘
度が0.90dl/gより大きなものを用いた場合押し出し
成形性に劣る。結晶性ポリエステル(A)の重合方法は
特に限定されないが、極限粘度を好適な範囲にするため
に固相重合法を併用することが出来る。
【0009】さらにこれら海状成分に混合する樹脂とし
ては島状相分離構造を形成するものであれば特に限定は
ないが、海状成分との可視光領域での屈折率差が大きい
程良い。
【0010】本発明におけるブロック共重合ポリエステ
ル(B)において、融点170℃以上の結晶セグメント
は、その成分だけで重合体としたときに、融点が170
℃以上のものであるが、例えばテレフタル酸、イソフタ
ル酸、2・6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカ
ルボン酸の残基と、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ブタンジオール、ペンタメチレングリコー
ル、P−キシレングリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール等の脂肪族、芳香族、脂環族ジオールの残基とから
なるポリエステル等を用いることができるが、特にテレ
フタル酸残基が80mol%以上を占めることが望まし
い。
【0011】また、分子量400〜8000の軟質ポリ
エステルは、該セグメント構成成分だけで測定した場合
の融点或いは軟化点が100℃以下のものをいう。分子
量が400以下のものを用いた場合は、得られるブロッ
ク共重合ポリエステルは融点が低く粘着性が大であり、
フィルムへの配合加工性に困難となる。また、分子量が
8000を越える場合は、軟質重合体が層分離し、極め
て高い溶融粘度を示し、硬く脆い性質となり、共重合反
応後重合釜からの取り出しが困難となったり、また、こ
のブロック共重合ポリエステルをフィルム成形に用いた
場合、透明性が不良であったりして好ましくない。特に
好ましくは800〜4000の分子量のものが良い。
【0012】また、ブロック共重合ポリエステル中での
低融点軟質重合体の割合は1〜12mol%の範囲であ
る。1mol%未満の場合軟質重合体としての特性が得ら
れず、12mol%を越えた場合、結晶性ポリエステル
(A)との混合溶融時にブロック共重合ポリエステル
(B)の分散が大きくなり透明性が悪化し、引裂き直進
性も得られない。特に好ましくは3〜8mol%である。
このような低融点軟質重合体としては、ポリエチレンオ
キサイドグリコール、ポリテトラメチレンオキサイドグ
リコール、ポリプロピレンオキサイドグリコール、エチ
レンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合グリ
コール、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランとの
共重合グリコール等のポリエーテル、ポリネオペンチル
アゼレート、ポリネオペンチルアジペート、ポリネオペ
ンチルセパケート等の脂肪族ポリエステル、ポリ−ε−
カプロラクトン、ポリピバロラクトン等のポリラクトン
を示すことができる。好ましくはポリエチレンオキサイ
ドグリコール、ポリテトラメチレンオキサイドグリコー
ル等が実用的である。これらのブロック共重合ポリエス
テルは通常の縮合重合法によって製造することができ
る。
【0013】本発明において用いるブロック共重合体ポ
リエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレ
ート−ポリエチレンオキサイドブロック共重合体、ポリ
エチレンテレフタレート−ポリテトラメチレンオキサイ
ドブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレート−ポ
リエチレンオキサイドブロック共重合体、ポリブチレン
テレフタレート−ポリテトラメチレンオキサイドブロッ
ク共重合体、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレ
ンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドブロック共重
合体、ポリテトラメチレンテレフタレート・イソフタレ
ート−ポリテトラメチレンオキサイドブロック共重合
体、ポリエチレンテレフタレート−ポリ−ε−カプロラ
クトンブロック共重合体、ポリエチレンテレフタレート
−ポリネオペンチルセパケートブロック共重合体、ジ
(4−カルボキシフェノキシ)エタンとエチレングリコ
ールとからのポリエステルとポリエチレングリコールと
のブロック共重合体、ビス(N−パラカルボエトキシフ
ェニル)アジパミドとエチレングリコールとからのポリ
エステルとポリエチレングリコールとのブロック共重合
体などを上げることができる。
【0014】本発明に於いて結晶性ポリエステル(A)
とブロック共重合ポリエステル(B)との配合比は結晶
性ポリエステル(A)90〜70wt%に対してブロック
共重合ポリエステル(B)を10〜30wt%の割合で配
合することが必要であり、好ましくは結晶性ポリエステ
ル(A)90〜75wt%、ブロック共重合ポリエステル
(B)10〜25wt%、さらに好ましくは結晶性ポリエ
ステル(A)90〜80wt%、ブロック共重合ポリエス
テル(B)10〜20wt%である。ブロック共重合ポリ
エステル(B)が10wt%未満の場合、光散乱性が低
い。また、ブロック共重合ポリエステル(B)が30wt
%を越えた場合、ニ軸延伸ポリエステルフィルムの引張
り強度が低下したり寸法安定性や剛性が低下したりさら
に透明性が低下する場合があり、使用に耐えない。
【0015】またブロック共重合ポリエステル(B)の
混合分の一部をポリブチレンテレフタレートに置き換え
ても良い。
【0016】本発明のニ軸延伸ポリエステルフィルムの
熱収縮率は150℃×30分の条件で機械の流れ方向
(MD方向)、巾方向(TD方向)共に3%以下である
ことが好ましい。熱収縮率が3%を越えると印刷適性、
蒸着適性が悪化するので好ましくない。
【0017】また、本発明のニ軸延伸フィルムの等方性
評価値はへアーライン様外観を必要とする場合、0.7
0以下であることが好ましく、0.60以下がより好ま
しい。更に0.30以下となるとポリエステル(B)が
19wt%のとき200mm引き裂いたときの反れ巾が±1
mm程度となり、極めて精緻なヘアーライン加工を行った
ような外観を呈した。等方性評価値が0.70を越える
と、梨地加工様外観を呈し、機械の流れ方向の引裂き直
進性は得られない。
【0018】フィルムの等方性評価値を0.80以下に
する方法としては、樹脂溶融押し出し工程に於いて、空
間的及び又は時間的なせん断速度の急峻に増加する工程
を設ける事、更にこの工程を押し出しの完了する時点の
近くに設ける事が有効である。これによって発生する糸
引き島状相分離構造の特徴又は痕跡を安定して形成する
ことが出来る。更に先に述べたポリエステル組成物を用
いる事、例えばポリエステル(B)を多目にする、二軸
延伸にて延伸、熱固定の温度を高目の範囲に設定する、
等も有効なことが解った。
【0019】本発明のフィルムの製膜方法としては、例
えば、結晶性ポリエステル(A)とブロック共重合ポリ
エステル(B)及び又はポリブチレンテレフタレートを
チップ状で混合したものを押出し機に投入し、加熱溶融
した後、Tダイのダイオリフィスからシート状に押出吐
出する。この際、ダイオリフィスでの樹脂のせん断速度
は200sec-1以上であることが好ましい。せん断速度
が200sec-1未満であるとフィルムの等方性評価値が
0.70より大きく、梨地加工様外観となり、直進カッ
ト性は得られない。
【0020】また、この樹脂溶融押し出しの完了する時
点の近くに空間的及び又は時間的なせん断速度の急峻に
増加する工程を設けるためには、例えば、シーティング
のフ゜ロファイルが急峻であるかまたは、階段的にリップ
を絞ったダイスを用いる事、ダイス入り口付近の溶融パ
イプラインをそれ以前のパイプ径より急峻に十分絞って
おく事、フィルターをダイスの近くに設ける事、等を必
要に応じ適宜組み合わせ実施されることが望ましい。次
にこの軟化状態にあるシートは、冷却ドラムに密着して
巻きつけられて冷却される。続いて、得られた未延伸シ
ートはそのままでも本発明のフィルムとして用いること
が出来るが、必要に応じ1軸または2軸に延伸して用い
ることが出来る。
【0021】例えば2軸延伸を行う場合、90〜110
℃の温度にて縦方向に3〜4倍の延伸倍率にて延伸す
る。続いて80〜110℃の温度にて横方向に3.5〜
4.5倍の延伸倍率にて延伸する。延伸倍率がそれぞれ
の温度未満の場合は均質な延伸フィルムを得ることがで
きない場合があり、また、それぞれの温度を越えた場合
は結晶性ポリエステル(A)の結晶化が促進されて透明
性が悪くなる場合がある。
【0022】ニ軸延伸されたフィルムは、続いて、21
0〜250℃の温度にて熱処理される。熱処理温度が2
10℃より低いとフィルムの収縮率が大きくなり、袋と
して使用した場合に変形する原因となる。また、250
℃より高い場合はフィルムが融解し製膜困難となる。
【0023】尚、ニ軸延伸方法としては特に限定されな
いが、ロールとテンターによる逐次ニ軸方式によるもの
が好ましい。本発明のフィルムを製造するにあたり、あ
らかじめ適当な酸化防止剤、アンチブロッキング剤、紫
外線吸収剤、滑剤、相溶化剤等の添加剤を添加しても支
障はない。本発明のフィルムには、コロナ放電処理、火
炎処理、表面硬化処理或いは各種のコーティングによる
表面処理を行うことができる。
【0024】本願発明のフィルムを工業製品の表面に用
いたとき、いわゆる梨地加工、ヘアーライン加工を実際
に行わなくても類似の表面を呈するように出来る。
【0025】さらにこの光学的散乱現象を利用して、面
状発光体分野への利用が考えられる。特に、液晶表示パ
ネルのバックライト部の反射フィルムや反射型液晶表示
パネルの反射フィルムに応用する事により、パネルの光
源からの距離に起因する明度斑、色調斑を解消すること
も期待できる。
【0026】本願発明のフィルムは光学的散乱現象を示
し、必要に応じ散乱光のビーム方向に高い異方性を付与
することができ、さらにフィルムのMD方向に極めて高
い引裂き直進性を付与することも可能であるので、これ
らの特性が必要とされる
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。尚、実施例及び比較例の測定方法は次の通りであ
る。
【0028】(測定方法) 1.還元粘度及び極限粘度 ウベローデ型粘度管を用い、フェノール/テトラクロル
エタンの重量比6/4の混合溶媒に、サンプルを溶液濃
度0.4g/dlで溶解し、温度30℃で測定した値から還
元粘度を求め、さらに必要に応じ極限粘度に換算する。
【0029】2.引裂き直進性 フィルムより、MD方向に200mm、TD方向に40mm
の短冊状のフィルム片を切りだし、このフィルム片の一
方の短辺の中央部に長さ5mmの切りこみを入れた試料を
10本作成する。次に、切り込みよりMD方向に手で引
裂き、引裂き伝播端が切り込みを入れた辺に向かい合う
短辺の中央部から2mm以内に到達したものを◎、2〜5
mm以内に到達したものを○、5mm以上にて到達したもの
を△、向かい合う短辺に到達しなかったものを×とし
た。(図1参照)
【0030】3.等方性評価 携帯形光電比色計(柴田化学機器工業社製、COLOR
IMETER MODEL C−2)を用い、サンプル
ホルダーを外し、受光用フォトダイオードの入力線を切
り離す。可視光用ブルーセンシティブフォトダイオード
(BS120)のセンサー面が、5mmφの比色計の入射
光絞りの中心から入射光軸の出射側に対し仰角60度、
距離21mmとなる位置に取り付け、その信号出力を比色
計のフォトダイオード入力を切り離したあとに接続す
る。漏光を完全に除去した後測定に移る。
【0031】入射光(白色光)を遮断した状態にてゼロ
調整ダイアルにてメーターの0%をあわせる。比色計の
5mmφ入射光絞りの上に試料フィルムを1〜10枚(標
準2〜5枚)、切り出した方向を揃え重ねて固定する。
このとき光軸とセンサーの中心を含む平面に試料フィル
ムのMD方向が垂直となるようにする。入射光を当て、
100%調整ダイアルにてメーターの100%をあわせ
る。次に試料フィルムを入射光絞りを中心に90度まわ
し、光軸とセンサーの中心を含む平面に試料フィルムの
TD方向が垂直になるようにし、メーターを読む(a
%)。さらに同じ向きにフィルムを90度まわしては1
00%あわせ、a%読みを5回繰り返す。最後にフィル
ムを取り外し、入射光を当てメーターを読む(B%)。
5回のa%読みの平均をA%とすると、等方性評価値
(I)は下記式 I=(A−B)/(100−B) 〔式1〕 で表される。異方性が大きい程Iは0に近い値をとる。
異方性が小さい程Iは1に近い値をとる。この評価法を
行う場合、光学的に等価であって感度が類似するもので
あれば機器の選択は上記に限定されない。
【0032】4.相分離構造評価 フィルムサンプルを切り出し、MD及びTD断面の切片
を作成するためにエポキシ樹脂に包埋した。これをトリ
ミングし、面出しした後にRuO4蒸気中で16時間染
色した。それぞれの染色されたブロックから、MD、T
D断面の超薄切片を作成してメッシュにとり、カーボン
蒸着を施して観察用試料とした。観察は日本電子製JE
M−2010透過型電子顕微鏡で、加速電圧200k
V、直接倍率10000倍で観察、写真撮影を行った。
MD断面の切片10μm平方の範囲に500nm以上の
長さの相分離構造が5本以上見出されるものを糸引き島
状相分離構造有りと判断した。
【0033】(実施例1)結晶性ポリエステル(A)と
して東洋紡績社製 RE553(極限粘度0.62dl/g)
を用い、ブロック共重合ポリエステル(B)として、
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100mol%、ジ
オール成分としてブタンジオール96.7mol%、ポリ
テトラメチレングリコール(分子量1000)3.3mo
l%からなるポリエステル(還元粘度1.33dl/g)を
88/15wt%の割合で混合したものを調製した。
【0034】これを90mmφ押出し機を使用して280
℃の樹脂温度にてフィルターを通し、ダイ部への入り口
径10mmφ及びリップ出口を2mmから階段状に1mmに絞
ったTダイより溶融押出しし、25℃に調温されたキャ
ストロールに密着急冷し、厚さ約200μmの未延伸シ
ートを得た。このときのリップ先端でのせん断速度は約
500sec-1であった。次いで、得られた未延伸シート
をロール式縦延伸機で100℃にて3.7倍、テンター
式横延伸機で105℃にて4.5倍に延伸した後、24
0℃で熱処理を行い、室温まで冷却し、厚さ12μmの
ニ軸延伸フィルムを得た。得られたニ軸延伸フィルムの
外観、等方性評価及び引裂き直進性を測定し、結果を表
1に示した。
【0035】(実施例2)実施例1と同様にして得られ
た未延伸シートをテンター式横延伸機で105℃にて
4.5倍に延伸し、ロール式縦延伸機で100℃にて
3.7倍延伸した後、240℃で熱処理を行い、室温ま
で冷却し、厚さ12μmのニ軸延伸フィルムを得た。
【0036】(実施例3)実施例1に於いて、ダイ部へ
の入り口径30mmφ及びリップ出口を2mmのままとした
Tダイより溶融押出しした以外実施例1と同様の工程に
てニ軸延伸フィルムを得た。
【0037】(実施例4)実施例2に於いて、ダイ部へ
の入り口径30mmφ及びリップ出口を2mmのままとした
Tダイより溶融押出しした以外実施例1と同様の工程に
てニ軸延伸フィルムを得た。
【0038】(実施例5)実施例1と同様にして得られ
た未延伸シートを同時2軸延伸法を用い100℃にて機
械の流れ方向に4.1倍、巾方向に4.1倍延伸した、
240℃で熱処理を行い、室温まで冷却し、厚さ12μ
mのニ軸延伸フィルムを得た。
【0039】(実施例6)ブロック共重合ポリエステル
(B)の配合量を19wt%とした以外は実施例1と同
様にしてニ軸延伸フィルムを得た。
【0040】(実施例7)ブロック共重合ポリエステル
(B)の配合量を19wt%とした以外は実施例2と同
様にしてニ軸延伸フィルムを得た。
【0041】(実施例8)結晶性ポリエステル(A)と
して東洋紡績社製 RE553(極限粘度0.62dl/g)
を82wt%用い、ブロック共重合ポリエステルBとし
てジカルボン酸成分としてテレフタル酸100mol%、
ジオール成分としてブタンジオール93.3mol%、ポ
リテトラメチレングリコール6.7mol%からなるポリ
エステル(還元粘度1.50dl/g)9wt%、ポリブチレ
ンテレフタレート9wt%、の割合でペレット同時混合し
たものを用いた以外は実施例1と同様にニ軸延伸フィル
ムを得た。
【0042】(実施例9)結晶性ポリエステル(A)と
して東洋紡績社製 RE553(極限粘度0.62dl/g)
を82wt%用い、ブロック共重合ポリエステルBとし
てジカルボン酸成分としてテレフタル酸100mol%、
ジオール成分としてブタンジオール93.3mol%、ポ
リテトラメチレングリコール6.7mol%からなるポリ
エステル(還元粘度1.50dl/g)9wt%、ポリブチレ
ンテレフタレート9wt%、の割合でペレット同時混合し
たものを用いた以外は実施例2と同様にニ軸延伸フィル
ムを得た。
【0043】(実施例10)実施例8に於いて、ダイ部
への入り口径30mmφ及びリップ出口を2mmのままとし
たTダイより溶融押出しした以外実施例1と同様の工程
にてニ軸延伸フィルムを得た。
【0044】(実施例11)実施例9に於いて、ダイ部
への入り口径30mmφ及びリップ出口を2mmのままとし
たTダイより溶融押出しした以外実施例1と同様の工程
にてニ軸延伸フィルムを得た。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、光学的散乱現象を示す
フィルムを容易に作製する事が出来、必要に応じ散乱光
のビーム方向に高い異方性を付与することが出来る。さ
らにフィルムのMD方向に極めて高い引裂き直進性を付
与することも出来るため、このフィルムを工業製品の表
面に用いたとき、いわゆる梨地加工、ヘアーライン加工
を実際に行わなくても類似の表面を呈するように出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】引裂き直進性の測定方法を示した説明図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 啓冶 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東 洋紡績株式会社犬山工場内 Fターム(参考) 2H042 BA08 BA09 BA12 BA16 BA20 2K009 AA12 BB24 DD15 4F100 AB01B AB33B AK03A AK41A AK42A AK45A AK46A AL02A AL05A AT00A BA02 BA07 EH17 EH66B EJ38 HB00 HB31B JA03 JA04A JA07A JA11A JK13A JL12 JN01A JN30 YY00A 4F210 AE10 AF16 AG01 QA02 QA03 QC06 QG01 QG18 4J002 CF032 CF042 CF051 CF052 CF061 CF062 CF071 CF072 CF082 CF102 CF182 GP00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相分離構造を有する透明フィルムを用い
    ることを特徴とする光学用フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフィルムであって、該
    フィルムの相分離構造がフィルム面内方向に異方性の無
    いことを特徴とする光学用フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは2に記載のフィルムで
    あって、該フィルムの相分離構造がフィルム面内方向に
    異方性の有る糸引き島状であることを特徴とする光学用
    フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3のいずれかに記載のフ
    ィルムに金属箔又は金属蒸着層又はメタリック印刷層を
    積層した光学用フィルム積層体。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3、4のいずれかに記載
    のフィルムあるいはフィルム積層体であって、熱収縮性
    及びまたは熱接着性及びまたは粘着性及びまたは引裂き
    直進性を有することを特徴とする光学用フィルムあるい
    はフィルム積層体。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4、5のいずれかに
    記載のフィルムを他の構造物に積層したことを特徴とす
    る積層体
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5、6のいずれ
    かに記載のフィルムあるいはフィルム積層体であって、
    該フィルムがポリエステル系高分子、ポリアミド系高分
    子、ポリオレフィン系高分子、又はポリカーボネート系
    高分子を連続相としていることを特徴とする光学用フィ
    ルムあるいはフィルム積層体あるいは積層体。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のフィルムあるいはフィ
    ルム積層体あるいは積層体であって、該フィルムにおけ
    る連続相がテレフタル酸を80mol%以上含有する結晶
    性ポリエステル樹脂(A)からなることを特徴とする光
    学用フィルムあるいはフィルム積層体あるいは積層体。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載のフィルムあるいはフィ
    ルム積層体あるいは積層体であって、該フィルムに於け
    る相分離構造の島状相が融点170℃以上の結晶セグメ
    ント及び融点又は軟化点が100℃以下、分子量が40
    0〜8000の軟質重合体からなるブロック共重合ポリ
    エステル(B)及び又はポリブチレンテレフタレートで
    あることを特徴とする請求項7に記載の光学用フィルム
    あるいはフィルム積層体あるいは積層体。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載のフィルムあるいはフ
    ィルム積層体あるいは積層体であって、該フィルムがテ
    レフタル酸を80mol%以上含有する結晶性ポリエステ
    ル樹脂(A)90〜70wt%。融点170℃以上の結晶
    セグメント及び融点又は軟化点が100℃以下、分子量
    が400〜8000の軟質重合体からなるブロック共重
    合ポリエステル(B)及び又はポリブチレンテレフタレ
    ート10〜30wt%という2または3種樹脂の混合物か
    らなることを特徴とする光学用フィルムあるいはフィル
    ム積層体あるいは積層体。
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