JP2003004063A - 等速ジョイント用ブーツ - Google Patents

等速ジョイント用ブーツ

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JP2003004063A
JP2003004063A JP2002050243A JP2002050243A JP2003004063A JP 2003004063 A JP2003004063 A JP 2003004063A JP 2002050243 A JP2002050243 A JP 2002050243A JP 2002050243 A JP2002050243 A JP 2002050243A JP 2003004063 A JP2003004063 A JP 2003004063A
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JP
Japan
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diameter
valley
crest
bellows
constant velocity
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JP2002050243A
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Kenji Miyamoto
賢二 宮本
Kazunari Watanabe
一成 渡辺
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Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J3/00Diaphragms; Bellows; Bellows pistons
    • F16J3/04Bellows
    • F16J3/041Non-metallic bellows
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D3/00Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive
    • F16D3/84Shrouds, e.g. casings, covers; Sealing means specially adapted therefor
    • F16D3/843Shrouds, e.g. casings, covers; Sealing means specially adapted therefor enclosed covers
    • F16D3/845Shrouds, e.g. casings, covers; Sealing means specially adapted therefor enclosed covers allowing relative movement of joint parts due to the flexing of the cover

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Sealing Devices (AREA)
  • Diaphragms And Bellows (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】回転時の異音の抑制と形状のコンパクト化とい
う背反事象を解決する。 【解決手段】少なくとも蛇腹部は、水が介在したときの
動摩擦係数が 0.6未満の熱可塑性エラストマーから形成
され、中心軸を含む断面において大径筒部に隣接する山
部の頂点と小径筒部に隣接する山部の頂点を結ぶ直線に
対して他の山部の頂点が内径側に位置している。ウェッ
ト時の動摩擦係数を 0.6未満とすることで水が介在した
ときの異音が防止され、かつ上記形状とすることでコン
パクト化が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前輪駆動車のドラ
イブシャフト用ジョイントなどに不可欠な等速ジョイン
トに被覆され、等速ジョイントのジョイント部への水や
埃の侵入を阻止するブーツに関する。
【0002】
【従来の技術】等速ジョイントのジョイント部は従来よ
り蛇腹形状のブーツで覆われ、水や埃の侵入を阻止する
ことによって大角度で滑らかな回転が維持されている。
この等速ジョイント用ブーツは、ジョイントアウターレ
ースなどに保持される大径の大径筒部と、大径筒部より
小径でシャフトに保持される小径筒部と、大径筒部と小
径筒部を一体的に連結する略円錐台形状の蛇腹部とから
構成されている。そして使用時には、ジョイントアウタ
ーレースなどとシャフトのなす角度(ジョイント角)の
変化に応じて蛇腹部が変形するため、その角度が大きく
なってもブーツによってジョイント部を確実にシールす
ることができる。
【0003】また従来の等速ジョイント用ブーツの蛇腹
部は、山部と谷部が交互に形成され、それぞれの山部及
び谷部は相似形状に形成されるのが通常であった。
【0004】ところで上記ブーツを等速ジョイントに装
着して使用している時には、等速ジョイントが高角度で
屈曲して回転すると、蛇腹部の隣接する山部どうしの側
面が強く圧接して異常なスリップ音(以下、異音とい
う)が発生する場合がある。
【0005】この異音の発生原因は次のように考えられ
ている。等速ジョイントが屈曲したまま回転すると、蛇
腹部表面の摩擦抵抗が大きい場合には接触した山部どう
しが密着した状態で回転を始める。しかし隣接する山部
どうしの周長が異なるために、周方向にずれが生じ、回
転が進むにつれてずれが大きくなる。そして、ずれによ
る反力が密着力より大きくなった時点で山部どうしが離
れて応力が解消される。この繰り返しによって蛇腹部の
表面が周期的に変動し、それが周囲の空気の振動となっ
て異音が発生する。
【0006】実際には蛇腹部表面に水が存在している場
合には、水の介在によって摩擦抵抗がきわめて小さくな
る。しかし水が存在する部分と水が存在しない部分が必
然的に共存するため、摩擦抵抗が局部的に大きく変動
し、蛇腹部の振動がより大きくなるため異音が発生す
る。
【0007】したがって、この異音の発生を防止するに
は、蛇腹部全体の摩擦係数を小さくするのが有効であ
り、ワックスあるいはオイルなどを含有する熱可塑性エ
ラストマーから少なくとも蛇腹部を形成することが考え
られる。しかし効果的に異音を抑制するためには、ワッ
クスあるいはオイルなどを多量に含ませる必要があり、
そうすると耐疲労性が低下したり成形性が悪化するなど
の不具合があり、また水の介在による異音発生の問題は
解決されない。
【0008】そこで例えば特開平11−130952号公報に
は、ポリエステルブロック共重合体に対してポリエーテ
ル及び無変性ポリオレフィンから選ばれる少なくとも一
種の化合物を配合してなる熱可塑性ポリエステルエラス
トマーから形成された等速ジョイント用ブーツが開示さ
れている。このような特殊な樹脂から蛇腹部を形成すれ
ば、配合された化合物が蛇腹部表面に滲出することによ
って、水が介在した状態での異音の発生を抑制できる。
またこの化合物は水との親和性がよいので、山部どうし
の接触面圧によって表面の水が完全に排除されることが
なくなり、全体に水が介在した状態となるので異音の発
生が防止される。
【0009】また形状的に異音を低減するには、山部の
形状を大きくしたり、隣接する山部どうしの周長差を小
さくすることも好ましい手段である。このようにすれば
接触面圧を小さくすることができ、かつ回転時の周方向
のずれが低減されるため、異音を抑制することができ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年、自動車
の軽量化が求められ、車体サイズのコンパクト化に伴っ
て等速ジョイント用ブーツにも形状のコンパクト化が求
められている。
【0011】等速ジョイント用ブーツのコンパクト化に
は、蛇腹部の外径を縮小することが必要不可欠である。
そして蛇腹部の外径を縮小するとその分山部の膜長が短
くなるため、蛇腹部の変位量と発生する応力を従来と同
等に維持するには、谷部の深さを大きくする必要があ
る。しかしながら単に谷部の深さを大きくすると、ジョ
イントアウターレースなどの中心軸とシャフトの中心軸
とのなす角度が大きくなったときに、大径筒部側から数
えて二つめの第2谷部がジョイントアウターレースとシ
ャフトの間に噛み込まれる場合があった。このように谷
部が噛み込まれると谷部に大きな力が作用し、これが繰
り返されると谷部の損傷によりシール性が損なわれる。
したがってブーツを頻繁に交換せざるを得ず、寿命が短
いという問題が生じる。
【0012】さらに、蛇腹部の外径を全体的に縮小する
ことは、回転時に接触する山部どうしの接触面圧が大き
くなるために、異音の抑制には逆効果である。
【0013】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、回転時の異音の抑制と形状のコンパクト化
という背反事象を解決することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の等速ジョイント用ブーツの特徴は、シャフトに保持
される小径筒部と、小径筒部と離間して同軸的に配置さ
れ小径筒部より大径の大径筒部と、小径筒部と大径筒部
を一体的に連結する略円錐台形状の蛇腹部と、よりなる
等速ジョイント用ブーツにおいて、少なくとも蛇腹部は
水が介在したときの動摩擦係数が 0.6未満の熱可塑性エ
ラストマーから形成され、蛇腹部は中心軸を含む断面に
おいて大径筒部に隣接する山部の頂点と小径筒部に隣接
する山部の頂点を結ぶ直線に対して他の山部の頂点が内
径側に位置していることにある。
【0015】少なくとも蛇腹部は、水との親和性が高く
摩擦係数が小さな化合物を含みその化合物が表面に滲出
可能な熱可塑性エラストマーから形成されていることが
望ましい。
【0016】また大径筒部に隣接する山部の外径をS1
し次の山部の外径をS2としたとき、S2/S1で表される二
山コンパクト比が0.77≦S2/S1≦0.85であることが望ま
しい。
【0017】さらに、蛇腹部を軸を含む平面で切断した
ときの各山部の頂点を結ぶ線は、R100〜R200mmの円弧状
をなすことが望ましい。
【0018】そして蛇腹部は大径筒部側から順に第1谷
部、第1山部、第2谷部、第2山部、第3谷部、第3山
部・・・と複数の山部及び谷部が交互に連続してなり、
第1山部の外径は大径筒部の外径と略同一であって、中
心軸を含む平面で切断した断面における第1山部の頂点
から第2谷部を通過して第2山部の頂点を結ぶ線の長さ
は第2山部の頂点から第3谷部を通過して第3山部の頂
点を結ぶ線の長さとほぼ等しく、第2谷部の深さ(h)
は第3谷部の深さ(H)に対してH/1.3 ≦h≦H/1.
1 の範囲にあることが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の等速ジョイント用ブーツ
では、少なくとも蛇腹部は、水が介在したときの動摩擦
係数が 0.6未満の熱可塑性エラストマーから形成されて
いる。このような樹脂から形成することにより、水が介
在した場合の異音の発生が防止される。水が介在したと
きの動摩擦係数が 0.4未満の熱可塑性エラストマーから
形成することが特に好ましい。
【0020】また本発明の等速ジョイント用ブーツで
は、蛇腹部は中心軸を含む断面において大径筒部に隣接
する山部の頂点と小径筒部に隣接する山部の頂点を結ぶ
直線に対して他の山部の頂点が内径側に位置している。
したがって蛇腹部の形状がコンパクトであり、本発明の
等速ジョイント用ブーツによれば回転時の異音の抑制と
形状のコンパクト化という背反事象の両方が満足されて
いる。
【0021】少なくとも蛇腹部は、水との親和性が高く
摩擦係数が小さな化合物を含みその化合物が表面に滲出
可能な熱可塑性エラストマーから形成されていることが
望ましい。このような樹脂から形成することにより、配
合された化合物が蛇腹部表面に滲出する。したがって山
部どうしの接触面圧によって表面の水が完全に排除され
ることがなくなり、全体に水が介在した状態となるの
で、水が介在した状態での異音の発生を抑制することが
できる。
【0022】このような熱可塑性エラストマーとして
は、特開平11−130952号公報に開示された熱可塑性ポリ
エステルエラストマーが特に好ましい材料である。この
熱可塑性ポリエステルエラストマーを用いれば、配合さ
れたポリエーテル及び無変性ポリオレフィンの少なくと
も一種が表面に滲出し、これらは水との親和性が高いた
め、水が介在した状態での異音の発生を抑制できる。
【0023】そして本発明者らは、蛇腹部の形状と異常
なスリップ音の発生状況との関係を鋭意研究した結果、
隣接する二つの山部どうしが使用時に互いに圧接される
時の最大面圧(P)と山部どうしの圧接部の周長差
(L)との積(P×L)が、形状のコンパクト化及び異
音の発生状況の指標として最適であることを見出した。
すなわち、後述の実施例でも示すように、P×Lが大き
くなるほど隣接する二つの山部の径の比が大きくなって
コンパクトとなり、P×Lが小さくなるほど異音が発生
するまでに要する時間が長くなって異音の発生が防止さ
れることが明らかとなった。
【0024】そして水が介在したときの摩擦係数が 0.6
未満の熱可塑性エラストマーから蛇腹部を形成すること
により、P×Lを同一としても異音を発生するまでの時
間をさらに延長することが可能となった。したがってこ
の材料を用いて蛇腹部を形成し、かつ異音が発生するま
での時間の目標値を一定とすれば、P×Lを大きくして
も異音の発生程度を従来と同等とすることができ、設計
の自由度が大幅に向上する。
【0025】そこで本発明の等速ジョイント用ブーツで
は、大径筒部に隣接する山部の外径をS1とし次の山部の
外径をS2としたとき、S2/S1で表される二山コンパクト
比が0.77≦S2/S1≦0.85であることが望ましい。こうす
ることにより、異音を抑制しつつ蛇腹部の形状をさらに
コンパクトにできる。この二山コンパクト比S2/S1が0.
85を超えるとコンパクト化が困難となり、0.77未満では
P×Lが大きくなって異音が発生しやすくなる。
【0026】蛇腹部を軸を含む平面で切断したときの各
山部の頂点を結ぶ線は、R100〜R200mmの円弧状をなすこ
とが望ましい。このように構成することで各山部どうし
のP×Lを容易に満足させることができる。各山部の頂
点を結ぶ線がR100mmより小さい円弧状であると、隣接す
る二つの山部どうしの径の差が大きくなり、P×Lの目
標値を満足できない。またR200mmより大きい円弧状であ
ると、コンパクト化が困難となる。
【0027】なお谷部の頂点を結ぶ線も、R100〜R200mm
の円弧状をなすことが望ましい。R100mmより小さいと高
角度の際にシャフトと谷部との面圧が急激に上昇し、摩
耗のおそれがある。またR200mmより大きくなると蛇腹部
の中央部の膜長が短くなって、耐疲労性が低下したり高
角度の際に山部に窪みが生じる場合がある。
【0028】しかしP×Lを大きくするためにLを大き
くすると、山部全体の膜長が短くなるため、蛇腹部の変
位量と発生する応力を従来と同等に維持するには、谷部
の深さを大きくする必要がある。しかしながら単に谷部
の深さを大きくすると、上記したように噛み込みの問題
が発生する。
【0029】そこで蛇腹部は大径筒部側から順に第1谷
部、第1山部、第2谷部、第2山部、第3谷部、第3山
部・・・と複数の山部及び谷部が交互に連続してなり、
第1山部の外径は大径筒部の外径と略同一であって、中
心軸を含む平面で切断した断面における第1山部の頂点
から第2谷部を通過して第2山部の頂点を結ぶ線の長さ
は第2山部の頂点から第3谷部を通過して第3山部の頂
点を結ぶ線の長さとほぼ等しく、第2谷部の深さ(h)
は第3谷部の深さ(H)に対してH/1.3 ≦h≦H/1.
1 の範囲にあることが望ましい。
【0030】第1山部の外径は大径筒部の外径と略同一
である。第2山部以降は第1山部から順に径が小さくな
り、全体として略円錐台形状となっている。そして、中
心軸を含む平面で切断した断面における第1山部の頂点
から第2谷部を通過して第2山部の頂点を結ぶ線の長さ
は第2山部の頂点から第3谷部を通過して第3山部の頂
点を結ぶ線の長さとほぼ等しくされている。すなわち第
1山部と第2山部の間の膜長は、第2山部と第3山部の
間の膜長とほぼ等しい。これにより等速ジョイント用ブ
ーツとして大きく変形される第1山部−第2谷部−第2
山部−第3谷部−第3山部の間で十分な変形量を確保す
ることができる。なお任意の隣接する山部の間の膜長を
それぞれ等しくすることも好ましい。膜長が部分的に短
い部分があると、大きく変位したときにその部分に大き
な応力が作用するために、耐疲労性が低下するという不
具合が生じる。ただ小径筒部に隣接する最小径の山部近
傍の膜長は、変形量が小さい部位であるのでこの限りで
はない。
【0031】さらにこの等速ジョイント用ブーツでは、
第2谷部の深さ(h)は第3谷部の深さ(H)に対して
H/1.3 ≦h≦H/1.1 の範囲にある。変形時に最も噛
み込みが生じやすい第2谷部の深さをこの範囲とするこ
とにより、ジョイント角が50゜程度まで大きくなっても
第2谷部の噛み込みを防止することが可能となる。例え
ばh=H/1.2 の時には、ジョイント角が52゜程度まで
大きくなっても第2谷部の噛み込みを防止することがで
きる。第2谷部の深さ(h)がH/1.3 未満では、第2
谷部の膜長が短くなり過ぎるため変形量の確保が困難と
なり、耐疲労性が低下する。また第2谷部の深さ(h)
がH/1.1 を超えると、第2谷部の噛み込みが発生する
ようになる。
【0032】なお、第1山部−第2谷部−第2山部の間
の膜長は、第2山部−第3谷部−第3山部の間の膜長と
ほぼ等しい。しかし第2谷部の深さhは第3谷部の深さ
Hより小さいのであるから、第2谷部の角度は必然的に
第3谷部の角度より大きくなっている。
【0033】そして第2谷部の噛み込みが防止されてい
れば、第3谷部以降の噛み込みは発生しないので、本発
明の等速ジョイント用ブーツはジョイント角が50゜程度
まで大きくなっても噛み込みが生じず、損傷によるシー
ル性の低下が確実に阻止されている。したがってきわめ
て長寿命のブーツとなる。
【0034】また上記構成に加えて、蛇腹部表面にシボ
模様などを形成することも好ましい。このようにすれ
ば、接触面積が低下するため異音の発生をさらに防止す
ることができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。
【0036】(実施例)図1に本実施例の等速ジョイン
ト用ブーツの断面図を、図2に図1の要部拡大図を示
す。この等速ジョイント用ブーツは、大径筒部1と、大
径筒部1より小径の小径筒部2と、大径筒部1と小径筒
部2を一体的に連結する略円錐台形状の蛇腹部3とから
構成され、大径筒部1と蛇腹部3は特開平11−130952号
公報に開示された熱可塑性ポリエステルエラストマーか
らブロー成形により形成され、小径筒部2は蛇腹部3と
同じ熱可塑性ポリエステルエラストマーから射出成形に
より蛇腹部3と一体的に製造されている。なお、蛇腹部
3の水が介在したときの動摩擦係数は0.33である。
【0037】蛇腹部3は、大径筒部1側から順に第1谷
部10、第1山部11、第2谷部12、第2山部13、第3谷部
14、第3山部15、第4谷部16、第4山部17、第5谷部1
8、第5山部19が形成され、山部及び谷部が交互に形成
され、軸を含む平面で切断したときの各山部の頂点を結
ぶ線及び各谷部の頂点を結ぶ線はそれぞれR 150mmの円
弧状となっている。すなわち中心軸を含む断面におい
て、第1山部11の頂点と第5山部19の頂点を結ぶ直線に
対して他の山部の頂点が内径側に位置している。なお第
2谷部12の頂点だけは、他の谷部より外径側に位置して
いる。
【0038】第1山部11の外径は、大径筒部1の最大外
径と同一に形成されている。そして中心軸を含む平面で
切断した断面における第1山部11の頂点(P1 )から第
2谷部12の底点(P2 )を通過して第2山部13の頂点
(P3 )を結ぶ線(P1 −P2−P3 )の長さは、第2
山部13の頂点(P3 )から第3谷部14の底点(P4 )を
通過して第3山部15の頂点(P5 )を結ぶ線(P3 −P
4 −P5 )の長さと等しくされている。すなわち第1山
部11−第2谷部12−第2山部13の間の膜長は、第2山部
13−第3谷部14−第3山部15の間の膜長と等しくされて
いる。なお、第4山部17−第5谷部18−第5山部19の間
の膜長を除いて、任意の山部から隣の山部までの間の膜
長とそれに隣接する同等部分の膜長とがほぼ同一となる
ように設計されている。
【0039】さらに第2谷部12の深さ(h)は、第3谷
部14の深さ(H)に対してh=H/1.2 の関係にあり、
第2谷部12は角度θ1 =約90゜と隣接する第1谷部10及
び第3谷部14の角度θ2 より大きな角度となっている。
【0040】蛇腹部3の第2山部13の径を種々変更した
こと以外は上記と同様にして、複数種類の実施例のブー
ツを製造した。
【0041】(比較例)比較例の等速ジョイント用ブー
ツは、成形材料として一般的な熱可塑性エラストマーを
用いたこと、及び図3に示すように、各山部の頂点を結
ぶ線及び各谷部の頂点を結ぶ線がそれぞれほぼ直線状と
なっていること以外は実施例と同様の構成である。なお
図3では、実施例と同一部位には図1と同一の番号を付
している。
【0042】蛇腹部3の第2山部13の寸法を種々変更し
たこと以外は上記と同様にして、複数種類の比較例のブ
ーツを製造した。
【0043】<評価>実施例の等速ジョイント用ブーツ
について、等速ジョイントが最大角度(52゜)で傾斜し
た状態の時の第1山部11と第2山部13間の最大面圧
(P)をそれぞれコンピュータ解析( CAE)にて測定す
るとともに第1山部11と第2山部13間の周長差(L)と
の積(P×L)を算出し、第1山部11の外径S1と第2山
部13の外径S2の比(S2/S1)を二山コンパクト比として
算出した。二山コンパクト比が大きいほど第2山部13の
外径が第1山11部の外径に近づいて大型化するので、コ
ンパクト化の指標として用いることができる。この二山
コンパクト比を横軸に、P×Lを縦軸にとってプロット
したものを図4に示す。
【0044】また実施例及び比較例の等速ジョイント用
ブーツについて、各山部の外径を第1山部から順にS1
S2,S3・・とし、隣接する各山部どうしの外径比を測定
した結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】図4より、二山コンパクト比が大きくなる
ほどP×Lが減少し、コンパクトになるほどP×Lが大
きくなることがわかる。なお比較例のブーツについても
同様に測定したところ、実施例と同様の結果であった。
また実施例及び比較例のブーツは、共に第2谷部12の噛
み込みが発生せず、耐疲労性に優れていた。
【0047】一方、実施例及び比較例のブーツをそれぞ
れ等速ジョイントに装着し、ジョイント角47゜、回転数
100rpmの条件にて、蛇腹部表面に水が付着した状態で回
転し、その際に回転開始から異音が発生するまでの時間
を測定した。異音が発生するまでの時間を横軸に、P×
Lを縦軸にとってプロットしたものを図5に示す。
【0048】異音が発生するまでの時間は長いほど異音
抑制効果があるといえるので、図5より、P×Lは小さ
いほど好ましいことが明らかである。しかし図4より、
P×Lが小さくなると二山コンパクト比が大きくなっ
て、ブーツが大型化してしまう。
【0049】そこで図5をみると、実施例のブーツは比
較例に比べて異音が発生するまでの時間が長いことがわ
かる。すなわち異音が発生するまでの目標時間をt以上
とし、そのときのP×Lを比較すると、実施例のブーツ
のP×L(A値)は比較例のブーツのP×L(B値)に
比べて大きい。
【0050】したがってA値及びB値を図4の縦軸に当
てはめると、二山コンパクト比は実施例のブーツの方が
大幅に小さくなり、きわめてコンパクト化できることが
明らかである。
【0051】なお、異音が発生するまでの時間を望まし
い範囲であるt秒以上とした場合には、P×Lの値は実
施例が比較例の2〜 4.5倍となるので、P×Lの値はこ
の範囲とすることが望ましいことも明らかである。
【0052】
【発明の効果】すなわち本発明の等速ジョイント用ブー
ツによれば、コンパクトな形状として異音の発生を防止
することができ、車両の軽量化と静粛性を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のブーツの断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】比較例のブーツの半部断面図である。
【図4】二山コンパクト比と積(P×L)の関係を示す
グラフである。
【図5】異音発生時間と積(P×L)の関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1:大径筒部 2:小径筒部 3:蛇腹
部 10:第1谷部 11:第1山部 12:第2
谷部 13:第2山部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトに保持される小径筒部と、該小
    径筒部と離間して同軸的に配置され該小径筒部より大径
    の大径筒部と、該小径筒部と該大径筒部を一体的に連結
    する略円錐台形状の蛇腹部と、よりなる等速ジョイント
    用ブーツにおいて、 少なくとも該蛇腹部は水が介在したときの動摩擦係数が
    0.6未満の熱可塑性エラストマーから形成され、該蛇腹
    部は中心軸を含む断面において該大径筒部に隣接する山
    部の頂点と該小径筒部に隣接する山部の頂点を結ぶ直線
    に対して他の山部の頂点が内径側に位置していることを
    特徴とする等速ジョイント用ブーツ。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記蛇腹部は、水との親和性
    が高く摩擦係数が小さな化合物を含み該化合物が表面に
    滲出可能な熱可塑性エラストマーから形成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の等速ジョイント用ブー
    ツ。
  3. 【請求項3】 前記大径筒部に隣接する山部の外径をS1
    とし次の山部の外径をS2としたとき、S2/S1で表される
    二山コンパクト比が0.77≦S2/S1≦0.85であることを特
    徴とする請求項1及び請求項2のいずれかに記載の等速
    ジョイント用ブーツ。
  4. 【請求項4】 前記蛇腹部を軸を含む平面で切断したと
    きの各山部の頂点を結ぶ線はR100〜R200mmの円弧状をな
    すことを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれかに
    記載の等速ジョイント用ブーツ。
  5. 【請求項5】 前記蛇腹部は前記大径筒部側から順に
    第1谷部、第1山部、第2谷部、第2山部、第3谷部、
    第3山部・・・と複数の山部及び谷部が交互に連続して
    なり、該第1山部の外径は該大径筒部の外径と略同一で
    あって、中心軸を含む平面で切断した断面における該第
    1山部の頂点から該第2谷部を通過して該第2山部の頂
    点を結ぶ線の長さは該第2山部の頂点から該第3谷部を
    通過して該第3山部の頂点を結ぶ線の長さとほぼ等し
    く、該第2谷部の深さ(h)は該第3谷部の深さ(H)
    に対してH/1.3 ≦h≦H/1.1 の範囲にあることを特
    徴とする請求項1及び請求項2のいずれかに記載の等速
    ジョイント用ブーツ。
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