JP2003002750A - 低温焼成セラミック基板の製造方法 - Google Patents

低温焼成セラミック基板の製造方法

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JP2003002750A JP2001187501A JP2001187501A JP2003002750A JP 2003002750 A JP2003002750 A JP 2003002750A JP 2001187501 A JP2001187501 A JP 2001187501A JP 2001187501 A JP2001187501 A JP 2001187501A JP 2003002750 A JP2003002750 A JP 2003002750A
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green
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Junzo Fukuda
順三 福田
Satoshi Adachi
聡 足立
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 拘束焼成する低温焼成セラミック基板の絶縁
性、強度、平坦性を共に向上させる。 【解決手段】 低温焼成セラミック生基板11の両面
に、該生基板11の焼結温度では焼結しない拘束用グリ
ーンシート12を積層して800〜1000℃で拘束焼
成し、拘束焼成後に該拘束用グリーンシート12を除去
する。拘束用グリーンシート12のバインダーは、生基
板11のバインダーよりも熱分解温度が低い樹脂を用い
る。これにより、焼成開始後に生基板11のバインダー
が熱分解し始める前に、拘束用グリーンシート12のバ
インダーが熱分解し始めて、拘束用グリーンシート12
が多孔質化し始める。このため、拘束焼成時に基板11
のバインダー熱分解ガスが多孔質化した拘束用グリーン
シート12を通り抜けて外部に排出されるようになり、
基板11内部に熱分解ガスが閉じ込められることが防止
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼成前の低温焼成
セラミック基板(生基板)の両面に拘束用グリーンシー
トを積層して拘束焼成する低温焼成セラミック基板の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、低温焼成セラミック基板を焼成す
る際に、基板の面方向の焼成収縮を小さくして基板寸法
精度を向上させる焼成法として、拘束焼成法が開発され
ている。この拘束焼成法は、焼成前の低温焼成セラミッ
ク多層基板(生基板)の両面に、低温焼成セラミックの
焼結温度(800〜1000℃)では焼結しない拘束用
グリーンシート(一般にはアルミナグリーンシートが用
いられる)を積層し、この状態で、生基板を加圧しなが
ら又は加圧せずに、800〜1000℃で焼成した後、
焼成基板の両面から拘束用グリーンシートの残存物をブ
ラスト処理等で取り除いて低温焼成セラミック基板を製
造するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、生基板(グ
リーンシート積層体)や拘束用グリーンシートには、生
強度を確保するためにバインダー(樹脂)が含まれてい
るため、拘束焼成開始後に拘束用グリーンシートや生基
板の温度がバインダーの熱分解温度を越えると、バイン
ダーが熱分解して飛散する“脱バインダー”が始まる。
この際、生基板のバインダーの熱分解ガスが生基板内に
残留した状態で焼成が進むと、焼成基板の内部に多数の
ボイドが形成されたり、焼成基板内に多くの炭素成分が
残留してしまい、その結果、焼成基板の絶縁性や強度が
低下したり、基板表面に膨れが生じて基板表面の平坦性
が悪くなる不具合が発生する。従って、拘束焼成工程で
は、生基板のバインダーの熱分解ガスが基板内部に閉じ
込められないようにすることが望ましい。
【0004】しかし、拘束焼成工程では、生基板を2枚
の拘束用グリーンシート間に挟み込んで焼成するため、
生基板のバインダーの熱分解ガスを外部に排出するに
は、生基板のバインダーの熱分解ガスが拘束用グリーン
シートを通り抜けていく必要がある。そのためには、生
基板のバインダーが熱分解する時期に、拘束用グリーン
シートが多孔質(ポーラス)の状態になっている必要が
あるが、拘束用グリーンシートの脱バインダーが進むま
では、拘束用グリーンシート内のセラミック粒子間の空
隙がバインダーで塞がれているため、熱分解ガスが拘束
用グリーンシートを通り抜けにくくなっている。
【0005】従来の拘束焼成では、こうような事情が考
慮されていなかったため、生基板のバインダーが熱分解
する時期には、まだ拘束用グリーンシートの脱バインダ
ー(多孔質化)が十分に進んでおらず、熱分解ガスの通
りが悪い。このため、基板内部に熱分解ガスが閉じ込め
られて焼成基板の内部に多数のボイドが形成されたり、
焼成基板内に多くの炭素成分が残留してしまい、その結
果、焼成基板の絶縁性や強度が低下したり、基板表面に
膨れが生じて基板表面の平坦性が悪くなる不具合が発生
する可能性があった。
【0006】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、低温焼成セラミック
基板を拘束焼成する際に、該基板の脱バインダー性を向
上できて、焼成基板の絶縁性、強度、平坦性を共に向上
することができる低温焼成セラミック基板の製造方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1は、低温焼成セラミック基板を拘
束焼成する方法において、拘束用グリーンシートのバイ
ンダーは、焼成前の低温焼成セラミック基板(生基板)
のバインダーよりも熱分解温度が低い樹脂を用いるよう
にしたものである。このようにすれば、拘束焼成開始後
に、生基板のバインダーが熱分解し始める前に、拘束用
グリーンシートのバインダーが熱分解し始めて、拘束用
グリーンシートが多孔質化し始め、その後に生基板のバ
インダーが熱分解し始める。このため、拘束焼成時に基
板のバインダー熱分解ガスが多孔質化した拘束用グリー
ンシートを通り抜けて外部に排出されるようになり、基
板内部に熱分解ガスが閉じ込められることが防止され
る。これにより、焼成基板内部のボイドや残留炭素成分
が大幅に低減され、焼成基板の絶縁性、強度、平坦性が
共に向上する。
【0008】この場合、請求項2のように、拘束用グリ
ーンシートのバインダーとしてアクリル樹脂(メタクリ
ル酸ブチル共重合体)を用い、生基板のバインダーとし
てブチラール樹脂を用いることが望ましい。このように
すれば、拘束用グリーンシートのバインダー(アクリル
樹脂)の熱分解温度が370℃となるのに対し、生基板
のバインダー(ブチラール樹脂)の熱分解温度が440
℃となるため、両者の熱分解温度の差が70℃となる。
この熱分解温度の差(70℃)は、生基板のバインダー
が熱分解し始める前に、拘束用グリーンシートのバイン
ダーの熱分解を進行させて拘束用グリーンシートを多孔
質化するのに十分な時間を確保できる熱分解温度の差で
あり、基板の脱バインダー性をより確実に向上させるこ
とができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態におけ
る低温焼成セラミック基板の製造方法を図1に基づいて
説明する。
【0010】焼成時には、低温焼成セラミック生基板1
1の両面に拘束用グリーンシート12を積層圧着して、
800〜1000℃で拘束焼成する。この際、拘束用グ
リーンシート12の上から低温焼成セラミック生基板1
1を加圧しながら焼成しても良いし、加圧せずに焼成し
ても良い。
【0011】低温焼成セラミック生基板11は単層基板
でも良いが、グリーンシート積層法により複数枚のグリ
ーンシートを積層した多層基板でも良い。この低温焼成
セラミック生基板11を形成する低温焼成セラミック材
料としては、例えば、CaO−SiO2 −Al2 3
2 3 系ガラス:50〜65重量%(好ましくは60
重量%)とアルミナ:50〜35重量%(好ましくは4
0重量%)との混合物を用いると良い。この他、MgO
−SiO2 −Al2 3 −B2 3 系ガラスとアルミナ
粉末との混合物、SiO2 −B2 3 系ガラスとアルミ
ナとの混合物、PbO−SiO2 −B2 3 系ガラスと
アルミナとの混合物、コージェライト系結晶化ガラス等
の800〜1000℃で焼成できる低温焼成セラミック
材料を用いても良い。低温焼成セラミックのグリーンシ
ートは、上記の低温焼成セラミック粉末に、後述するバ
インダー、溶剤(例えばトルエン、キシレン、ブタノー
ル等)及び可塑剤を配合して、十分に撹拌混合してスラ
リーを作製し、このスラリーを用いてドクターブレード
法等でテープ成形したものである。
【0012】低温焼成セラミック生基板11が多層基板
の場合には、各層のグリーンシートを積層する前に、各
層のグリーンシートにパンチング加工されたビアホール
に、Ag、Ag/Pd、Au、Ag/Pt、Cu等の低
融点金属の導体ペーストを充填し、内層に積層されるグ
リーンシートには、同種の低融点金属の導体ペーストを
使用して内層導体パターンをスクリーン印刷する。更
に、表層のグリーンシートには、表層導体パターンをA
g、Ag/Pd、Au、Ag/Pt、Cu等の低融点金
属の導体ペーストを用いて印刷する。この印刷工程後
に、各層のグリーンシートを積層して加熱圧着して一体
化して低温焼成セラミック生基板11を作製する。尚、
表層導体パターンの印刷は、拘束焼成後に行っても良
い。
【0013】一方、拘束用グリーンシート12は、低温
焼成セラミック生基板11の焼成温度(800〜100
0℃)では焼結しない高温焼結性セラミック粉末(例え
ばアルミナ粉末)を用い、この高温焼結性セラミック粉
末に、後述するバインダー、溶剤(例えばトルエン、キ
シレン、ブタノール等)及び可塑剤を配合して、十分に
撹拌混合してスラリーを作製し、このスラリーを用いて
ドクターブレード法等で拘束用グリーンシート12をテ
ープ成形したものである。
【0014】この拘束用グリーンシート12のバインダ
ーは、低温焼成セラミックグリーンシート(低温焼成セ
ラミック生基板11)のバインダーよりも熱分解温度が
低い樹脂を用いる。例えば、拘束用グリーンシート12
のバインダーとしてアクリル樹脂(熱分解温度:370
℃)を用い、低温焼成セラミックグリーンシート(低温
焼成セラミック生基板11)のバインダーとしてブチラ
ール樹脂(熱分解温度:440℃)を用いると良い。
【0015】この拘束用グリーンシート12を用いて低
温焼成セラミック生基板11を拘束焼成する場合には、
低温焼成セラミック生基板11の表裏両面に拘束用グリ
ーンシート12を積層し、この積層体を、例えば80〜
150℃、500〜2500N/cm2 の条件で熱圧着
する。この後は、次の2通りの焼成法のいずれかで焼成
する。
【0016】[無加圧焼成法]低温焼成セラミック生基
板11と拘束用グリーンシート12との圧着体を加圧せ
ずに低温焼成セラミック生基板11の焼成温度である8
00〜1000℃で焼成する。
【0017】[加圧焼成法]図1に示すように、低温焼
成セラミック生基板11と拘束用グリーンシート12と
の圧着体を、アルミナ等で形成した多孔質セッター板1
3間に挟み込んで、20〜200N/cm2 の圧力で加
圧しながら、低温焼成セラミック生基板11の焼結温度
である800〜1000℃で焼成する。
【0018】無加圧焼成法、加圧焼成法のいずれの場合
も、焼成開始後は、拘束用グリーンシート12と低温焼
成セラミック生基板11の脱バインダーを十分に行うた
めに、5〜20℃/分の比較的緩やかな昇温速度で80
0〜1000℃まで昇温する。本実施形態では、拘束用
グリーンシート12のバインダーの熱分解温度が低温焼
成セラミック生基板11のバインダーの熱分解温度より
も低いため、拘束焼成開始後の昇温過程で、低温焼成セ
ラミック生基板11のバインダーが熱分解し始める前
に、拘束用グリーンシート12のバインダーが熱分解し
始めて、拘束用グリーンシート12が多孔質化し始め、
その後に、低温焼成セラミック生基板11のバインダー
が熱分解し始める。このため、拘束焼成時に低温焼成セ
ラミック生基板11のバインダー熱分解ガスが多孔質化
した拘束用グリーンシート12を通り抜けて外部に排出
されるようになり、基板11の内部に熱分解ガスが閉じ
込められることが防止される。これにより、焼成基板内
部のボイドや残留炭素成分が低減され、焼成基板の絶縁
性、強度、平坦性が共に向上する。
【0019】ここで、低温焼成セラミック生基板11と
拘束用グリーンシート12のバインダーの熱分解温度の
差をA(℃)、焼成開始後の昇温速度をB(℃/分)と
すると、拘束用グリーンシート12のバインダーが熱分
解し始めてから、低温焼成セラミック生基板11のバイ
ンダーが熱分解し始めるまでの遅れ時間はA/B(分)
となる。従って、低温焼成セラミック生基板11のバイ
ンダーが熱分解し始める前に、拘束用グリーンシート1
2のバインダーを熱分解させて拘束用グリーンシート1
2を多孔質化するのに必要な時間を確保するためには、
熱分解温度の差A(℃)及び/又は昇温速度B(℃/
分)を調整すれば良い。
【0020】無加圧焼成法、加圧焼成法のいずれの場合
も、低温焼成セラミック生基板11両面に積層された拘
束用グリーンシート12(アルミナ等の高温焼結性セラ
ミック)は、1500℃以上に加熱しないと焼結しない
ので、800〜1000℃で焼成すれば、拘束用グリー
ンシート12は未焼結のまま残される。但し、焼成の過
程で、拘束用グリーンシート12中のバインダー等の有
機物が熱分解して飛散してセラミック粉体として残る。
【0021】焼成後、焼成基板の両面に付着した拘束用
グリーンシート12の残存物(セラミック粉体)をブラ
スト処理、バフ研磨等により除去する。これにより、低
温焼成セラミック基板の製造が完了する。
【0022】
【実施例】本発明者は、低温焼成セラミック生基板11
と拘束用グリーンシート12のバインダーの熱分解温度
の大小関係が焼成基板の絶縁性、強度、平坦性に及ぼす
影響を考察する試験を行ったので、その試験結果を次の
表1及び表2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】表1及び表2に示す実施例と比較例は、バ
インダーの種類を除いて、同じ組成の低温焼成セラミッ
クグリーンシート(生基板)と拘束用グリーンシートを
用いた。
【0026】実施例と比較例で用いた低温焼成セラミッ
クグリーンシートは、共に、CaO−SiO2 −Al2
3 −B2 3 系ガラス:60重量%とアルミナ:40
重量%との混合物からなる低温焼成セラミックグリーン
シートであり、バインダーの配合量は、セラミック:1
00重量部に対して15重量部である。
【0027】実施例と比較例で用いた拘束用グリーンシ
ートは、共に、アルミナグリーンシートであり、バイン
ダーの配合量は、セラミック:100重量部に対して1
5重量部である。
【0028】実施例では、拘束用グリーンシートのバイ
ンダーとしてアクリル樹脂(熱分解温度:370℃)を
用い、低温焼成セラミックグリーンシートのバインダー
としてブチラール樹脂(熱分解温度:440℃)を用い
た。従って、実施例では、拘束用グリーンシートのバイ
ンダーの熱分解温度が低温焼成セラミックグリーンシー
トのバインダーの熱分解温度よりも70℃低くなってい
る。
【0029】一方、比較例では、拘束用グリーンシート
のバインダーとしてブチラール樹脂(熱分解温度:44
0℃)を用い、低温焼成セラミックグリーンシートのバ
インダーとしてアクリル樹脂(熱分解温度:370℃)
を用いた。従って、比較例では、実施例とは反対に、拘
束用グリーンシートのバインダーの熱分解温度が低温焼
成セラミックグリーンシートのバインダーの熱分解温度
よりも70℃高くなっている。
【0030】実施例と比較例は、それぞれ、4枚の低温
焼成セラミックグリーンシートを積層して生基板を作製
し、この生基板の表裏両面に拘束用グリーンシートを積
層して、これを100℃、1000N/cm2 の条件で
熱圧着した後、この圧着体を多孔質セッター板間に挟み
込み、生基板の焼結温度である900℃まで2℃/分の
昇温速度で昇温させて、50N/cm2 の圧力で加圧し
ながら焼成した。
【0031】実施例では、拘束用グリーンシートのバイ
ンダーの熱分解温度が生基板のバインダーの熱分解温度
よりも70℃低くなっているため、焼成開始後の昇温過
程で、生基板のバインダーが熱分解し始める前に、拘束
用グリーンシートのバインダーが熱分解し始めて、拘束
用グリーンシートが多孔質化し始め、その後に、生基板
のバインダーが熱分解し始める。
【0032】この際、熱分解温度の差が70℃で、昇温
速度が2℃/分であるため、拘束用グリーンシートのバ
インダーが熱分解し始めてから、生基板のバインダーが
熱分解し始めるまでに、35分の遅れ時間があり、この
時間内に、拘束用グリーンシートのバインダーの熱分解
が十分に進行して拘束用グリーンシートが十分に多孔質
化し、拘束用グリーンシートを熱分解ガスが通り抜けや
すい状態となってから、生基板のバインダーが熱分解し
始める。このため、生基板のバインダー熱分解ガスは、
多孔質化した拘束用グリーンシートを通り抜けて外部に
排出され、基板内部に熱分解ガスが閉じ込められること
が防止され、焼成基板の内部にボイドが形成されること
が防止される。
【0033】一方、比較例では、実施例とは反対に、拘
束用グリーンシートのバインダーの熱分解温度が低温焼
成セラミックグリーンシートのバインダーの熱分解温度
よりも70℃高くなっているため、焼成開始後の昇温過
程で、生基板のバインダーが熱分解し始めてから、35
分遅れて、拘束用グリーンシートのバインダーが熱分解
し始める。このため、生基板のバインダーが熱分解する
時期には、まだ拘束用グリーンシートの脱バインダー
(多孔質化)が全く進んでおらず、熱分解ガスの通りが
悪い。その結果、基板内部に熱分解ガスが閉じ込められ
て焼成基板の内部に多数のボイドが形成される。
【0034】拘束焼成後、焼成基板のボイド発生量、比
重、抗折強度を測定したところ、前記表2に示すよう
に、実施例では、焼成基板中に直径5μm以上のボイド
は発生していなかったが、比較例では、焼成基板中に直
径5μm以上のボイドが多数発生していた。この試験結
果から、実施例は、比較例と比べて、焼成基板の比重が
大きくなり、抗折強度がかなり大きくなることが確認さ
れた。
【0035】つまり、焼成基板中のボイド量が多くなる
ほど、焼成基板の比重が小さくなり、抗折強度が低下す
るという関係があり、また、焼成基板中のボイド量が多
くなるほど、焼成基板の絶縁性と平坦性が低下するとい
う関係がある。従って、今回の試験結果から、実施例
は、比較例と比べて、焼成基板の絶縁性、強度、平坦性
が共に優れていることが分かる。
【0036】尚、拘束用グリーンシートは、アルミナグ
リーンシートに限定されず、窒化アルミニウム(Al
N)等の他の高温焼結性セラミックのグリーンシートを
用いるようにしても良い。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項1によれば、低温焼成セラミック基板を拘束焼
成する際に使用する拘束用グリーンシートのバインダー
の熱分解温度を生基板のバインダーの熱分解温度よりも
低くしたので、拘束焼成開始後に、生基板のバインダー
が熱分解し始める前に、拘束用グリーンシートのバイン
ダーが熱分解し始めて、拘束用グリーンシートが多孔質
化し始めるようになり、基板内部に熱分解ガスが閉じ込
められることを防止できて、焼成基板の絶縁性、強度、
平坦性を共に向上することができる。
【0038】また、請求項2では、拘束用グリーンシー
トのバインダーとしてアクリル樹脂を用い、生基板のバ
インダーとしてブチラール樹脂を用いるようにしたの
で、両者のバインダーの熱分解温度の差を70℃とする
ことができて、拘束用グリーンシートのバインダーが熱
分解し始めてから、生基板のバインダーが熱分解し始め
るまでの遅れ時間を十分に確保することができ、生基板
のバインダーが熱分解し始める前に、拘束用グリーンシ
ートをより確実に多孔質化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における低温焼成セラミッ
ク基板の拘束焼成時の状態を示す縦断面図
【符号の説明】
11…低温焼成セラミック生基板、12…拘束用グリー
ンシート、13…多孔質セッター板。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼成前の低温焼成セラミック基板の両面
    に、該低温焼成セラミック基板の焼結温度では焼結しな
    い拘束用グリーンシートを積層して加圧しながら又は加
    圧せずに拘束焼成し、拘束焼成後に該拘束用グリーンシ
    ートの残存物を除去して低温焼成セラミック基板を製造
    する方法において、 前記拘束用グリーンシートに含まれるバインダーは、前
    記焼成前の低温焼成セラミック基板に含まれるバインダ
    ーよりも熱分解温度が低い樹脂が用いられていることを
    特徴とする低温焼成セラミック基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記拘束用グリーンシートのバインダー
    としてアクリル樹脂を用い、前記焼成前の低温焼成セラ
    ミック基板のバインダーとしてブチラール樹脂を用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の低温焼成セラミック
    基板の製造方法。
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