JP2002541896A - 半撮影域のみをカバーする縮小サイズ検出器を利用するコンピュータ断層撮影システムに用いる装置及び方法 - Google Patents
半撮影域のみをカバーする縮小サイズ検出器を利用するコンピュータ断層撮影システムに用いる装置及び方法Info
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Abstract
Description
ーチファクトを増加させずに(あるいは、実質的に増加させずに)面積型検出器
(area detector) のサイズ及びコストを低減することを可能とした縮小サイズの
面積型検出器を利用する立体的コンピュータ断層撮影(volumetric computed to
mography:VCT)システムで用いられる方法及び装置に関するものである。
身体の一部分のディジタルX線投影データを収集すること、並びにこのディジタ
ルX線投影データを処理及び逆投影し、次いでCTシステムの表示モニタ上に画
像を表示することが必要である。CTシステムは、典型的には、ガントリと、テ
ーブルと、X線管と、X線検出器アレイと、コンピュータと、表示モニタとを備
えている。コンピュータはガントリの制御装置に指令を送り、ガントリによりX
線管及び/または検出器アレイをある特定の回転速度で回転させる。
されているガントリと患者身体との間の相対的な回転運動が生じる。この相対的
回転運動が生じるに伴い、コンピュータはX線管及び検出器アレイにより実行さ
れるデータ収集プロセスを制御してディジタルX線写真を収集する。次いで、コ
ンピュータは、再構成アルゴリズムを実行することによりディジタルX線写真デ
ータを処理し逆投影させ、さらに再構成されたCT画像を表示モニタ上に表示す
る。
利用しており、通常、この単一行検出器のことを、検出器素子の線形アレイと呼
んでいる。さらに改良されたCTシステムでは、検出器からなる2〜4行の線形
アレイを使用して複数行検出器を製作している。この両検出器配置は共にヘリカ
ル・スキャン・プロトコルで使用可能である。しかし、複数行検出器では、検出
器アレイのヘリカル・ピッチを大きくすることにより患者に対する指定した軸方
向カバー範囲をより短時間でスキャンできるので、患者のスキャンが容易になる
。ヘリカル・ピッチは、典型的には、患者を支持しているテーブルのガントリ1
回転中の変位の、検出器ピッチに対する比として定義される。例えば、ヘリカル
・ピッチが1であるとは、CTシステムのCTガントリの1回転中に、患者テー
ブルが検出器ピッチに等しい量だけ並進することを意味する。
線ファンビームに対する全撮影域がカバーされる。換言すると、スキャンを受け
ている被検体(患者である場合と患者でない場合がある)を透過した、あるいは
被検体のその領域を照射したX線は、検出器アレイにより吸収される。
ることが望ましく、また場合によっては、検出器アレイのサイズを小さくするこ
とが必要である。例えば、CT技術の最近の発展においては、CTデータ収集の
ために、多数行の線形検出器アレイにより構成されている面積型検出器アレイが
使用されている。現在のところ、全撮影域、すなわち画像化している患者の全範
囲をカバーする検出器パネルは、未だ利用可能ではない。さらに、線形検出器ア
レイを使用するシステムの幾つかでは、スキャンを受けている患者に比して極め
て広い撮影域を提供している。この状況の場合でもまた、その検出器アレイのサ
イズ及びコストを低減することが望ましい。
り小さくしその幅の半分とした検出器アレイを並進させることである。例えば、
患者の所望の撮影域をカバーするために必要となる検出器アレイの本来のサイズ
が80cmであるとする。本来の検出器幅の半分に等しい幅(この場合では40
cm)を有するような、より小さな検出器を使用することができる。この検出器
は、CTイメージング・システムの撮影域の概ね半分をカバーするようにして、
検出器幅の半分(この例では20cm)だけ偏位させる。この例によれば、患者
の同じ撮影域を、本来の値の半分に等しい幅を有する検出器により収集すること
ができる。
可能である。通常は、CTイメージング・システムの回転中心の投影は、検出器
パネルの中心に一致している。CTイメージングの回転中心とは、その周りでX
線源及び検出器アレイを回転させている点の物理的位置のことである。しかし、
その検出器を本来の位置を基準にして検出器幅の半分だけ偏位させることにより
、システムの撮影域(FOV)を拡大することができる。イメージング・システ
ムの回転中心の投影は、シフトさせた線形または複数行の検出器のエッジの近傍
にある。しかしながら、この検出器によりイメージング・システムの物理的回転
中心(すなわち、アイソセンタの位置)を通過するX線からの投影データを依然
として測定できている。一方、この配置により、イメージング・システムの撮影
域は本来の構成の事実上2倍となり、これにより、イメージング・システムの撮
影域を大幅に拡大することができる。検出器をその幅の半分だけシフトさせるシ
ステム構成のことを、典型的には、半検出器シフトと呼んでいる。
た形状をしたX線をある角度アパーチャで放出するCTシステムであるファンビ
ームCTシステムでは、CTガントリの全回転の一部分に対する投影データを収
集する必要がある。具体的には、180度にファン角度を加えた値に等しいある
角度領域だけガントリが患者の周りを回転する間、投影データを収集する必要が
ある。繰り返すと、ファン角度は、イメージング・システムのアキシャル面内で
検出器アレイのみを照射するようなX線の角度アパーチャの尺度である。投影の
測定は、必ずしもガントリを患者の周りを360度の全回転させている間中行う
必要がないため、投影データのうちのあるものが冗長であることは明らかである
。
てデータが収集される。ガントリの各ビュー角度において、投影データの半分の
みが測定される。ガントリの他のビューからのデータは、所与のビュー角度に対
する投影データを完成させるために使用される。このプロセスを実施するための
方式は、当技術分野においては周知である。しかし、イメージング・システムの
撮影域の半分をカバーしている測定投影データをガントリの他のビューがもたら
したデータと組み合わせる場合、得られる投影データは投影データの中心の近傍
では十分にマッチングしないことがある。これらのミスマッチングは、低減させ
たり除去したりしないと、望ましくないアーチファクトを再構成画像内に生じさ
せることがある。
るために使用されている技法の1つでは、重み関数を利用して移行領域内でのデ
ータの不連続を平滑化している。この技法では、検出器は、その検出器上へのイ
メージング・システムの回転中心の投影を越えて延びる幾らかの追加の検出器素
子を有している必要がある。ガントリが患者の周りを360度回転する際に、シ
フトさせた検出器パネルのうち、検出器上への回転中心の投影を若干越えて両方
向に延びている領域を、移行領域と呼んでいる。実際のデータは、検出器により
移行領域の半分において測定される。また移行領域の第2の半分内においては、
ガントリの別のビューからデータを作成することができる。移行領域内のデータ
は不連続を平滑化するための重み係数と乗算される。一般に、移行領域が大きい
と画質が良くなるが、このシステム構成の撮影域は半検出器シフト構成でもたら
される領域と比べて若干小さくなるためシステムのコストの増加にもつながる。
作成されたデータとの積算を改良する必要がある。
テムの撮影域の半分内で投影データを測定する一方、投影放射線写真の残りの半
分を反対方向の射線(ray) から作成する必要がある。しかしながら、CTガント
リの別の投影角度で測定された投影データは、本来の幅の2倍であり且つ偏位(
オフセット)をもたせていない検出器で測定する場合の射線と同じ方位を有して
いない。したがって、半検出器シフト構成で面積型検出器を利用し、かつその恩
恵を実現させると共に、上記の問題点を克服させたVCTシステムが必要である
。
タ断層撮影(CT)システムである。検出器は、検出器上へのCTシステムの回
転中心の投影に対応する中心位置に対してその幅の半分だけシフトされている。
本発明の方法によれば、各投影ビューごとに、CTシステムのアイソセンタの最
も近傍にある検出器素子から1つの検出器素子の値Vaが選定される。次いで、
この選定した検出器素子に対して、反対方向からまたは同じ方向の順方向投影か
ら、その検出器素子の値Vbを推定する。次いで、VaとVbの間の違いを除去
できる平滑化関数を選択する。次いで、この平滑化関数を適用してVaとVbの
間の違いを除去する。次いで、重み関数を適用し、真の投影データと推定した投
影データを組み合わせときの段差をなだらかにして、平滑な移行領域を生成する
。
Tシステムについての概括的考察を示すことにする。図1は、本発明の方法及び
装置を実現させるのに適した立体的CTスキャン・システムのブロック図である
。この立体的CTスキャン・システムは、患者の解剖学的特徴に対する画像の再
構成に使用することに関して検討することにするが、本発明は任意の特定の対象
を画像化することに限定されるものではないことを理解されたい。さらに、当業
者であれば理解するように、本発明は工業用プロセスのために使用することもで
きる。さらに、本発明は、医用CT装置に限定されるものではなく、X線源及び
検出器の幾何学構成が固定しており、被検体の方がスキャン時間の間に回転する
ような工業用システムも包含している。
を回転し、投影データが収集される。コンピュータ1は、この立体的CTスキャ
ン・システムの動作を制御している。本明細書において、ガントリの回転という
場合、この語句によりX線管2の回転及び/または検出器3(好ましくは、高分
解能の面積型検出器)の回転を表すことを意図したものである。X線管2及び面
積型検出器3はガントリに含まれている。制御装置4A及び4Bは、立体的CT
スキャン・システムのコンピュータ1により制御されると共に、それぞれX線管
2と検出器3に結合されている。制御装置4A及び4Bにより、X線管2及び/
または検出器3に対して適切な相対的回転運動が与えられる。制御装置は必ずし
も個々に必要ではない。単一の制御装置コンポーネントを使用してガントリを回
転させることもできる。またコンピュータ1は、本発明の方法を実現するために
、画像スキャン時間の変動、画像分解能及び/または軸方向カバー範囲を制御し
ていることにも留意されたい。
を指示し、かつガントリの速度を制御することによって、そのデータ収集プロセ
スを制御する。その上、コンピュータ1は、データ収集システム6に指示して面
積型検出器3により得られる放射線写真の分解能を設定させ、これによりシステ
ムの分解能を変更することが可能となる。データ収集システム6は、図示するよ
うに読み出し電子回路を備えている。
る。各検出器素子は、その検出器素子上に入射するX線エネルギーの量に関連す
る、それぞれの素子に対応した強度値を測定する。本発明の装置及び方法を立体
的CTスキャン・システムに取り入れることにより、新規の立体的CTスキャン
・システムが創り出される。したがって、本発明により新規の立体的CTスキャ
ン・システムを提供することができる。
特定のコンピュータに限定されるものではないことに留意されたい。本明細書で
使用する場合において、この「コンピュータ」という用語によって、本発明によ
る処理を実行するために必要な算出(calculation) や計算(computation) を実行
する能力がある任意の装置を表そうとする意図である。したがって、本発明によ
る制御アルゴリズム10を実行するために利用するコンピュータは、必要な処理
を実行する能力がある任意の装置とすることができる。
るために追加の検出器素子を使用する必要はないことが分かっている。さらに、
代替方法の1つでは反復アルゴリズムを利用して、全撮影域をカバーするような
大きな検出器アレイを使用してデータを収集したと仮定した場合に測定されるは
ずの投影データを推定している。移行領域内の誤差は同様の方式で取り扱われる
ため、この2つの方式は同じコンテクストの範囲内で以下に考察することにする
。
投影すること、または1組の反対方向の射線から取得した冗長検出器データを補
間することのいずれかにより、1組のX線投影{Pa }を形成する。ここで反対
方向の射線では{Pa }と逆方向の投影データの別の1組が形成される。順方向
投影する技法は、射線を仮想のX線源から放出するプロセスであり、これらの射
線は個々の検出器素子に向かって再構成されたボリュームを横切る。この射線に
沿って再構成された値の線減衰値は射線に沿って合算され、これを線減衰係数の
線積分という。
錐角に対応する(すなわち、VCTシステムで使用するような)投影データを作
成するのに適しており、一方、冗長投影データを補間する技法(PDTという)
は、中間面により近い位置(すなわち、アイソセンタにより近い位置)の投影デ
ータに対してより適している。ファン角度と同様に、円錐角も、X線源からファ
ン角度方向と直角の方向に放出されるX線の角度範囲を指している。FPTまた
はPDTのいずれかを用いて取得される検出器の推定値と、データを実際に測定
した場合に得られるはずの本来の値との間の違いのために、アイソセンタの近傍
の画像で歪みを生じることがある。
。平滑化関数については、図3を参照しながら、以下のように記載することがで
きる。
おける投影データの不連続性の量を、d=Va−Vbとする。一例として、この
違いを段階的に平滑化するために使用できる平滑化関数の1つは、次式で規定さ
れる指数関数とすることが可能である。
対値であり、aはこの平滑化関数に関する曲線の傾きを制御するための係数であ
る。この指数関数は、中心射線位置(検出器上へのイメージング・システムの回
転中心の投影に対応する検出器位置)の一方の側に位置する投影値に対して加算
(減算)されてより低い(高い)推定値を上昇(低下)させると共に、この指数
関数は中心射線位置の別の側の投影値に対して加算(減算)されてより高い(低
い)本来の値を低下(上昇)させている。換言すると、真の投影データと推定し
た投影データを組み合わせることにより、中心射線の位置での投影データの不一
致を低減する方法を提供できる。したがって、このプロセスにより、アーチファ
クトを低減または除去させた平滑なデータ移行領域を提供することができる(2
5)。
出器を半検出器シフト構成で使用する方法は知られていない。VCTシステム、
並びに移行領域を作成することによりイメージング・システムの撮影域内で投影
データの不連続を除去するための様々な既知の技法について上記において説明し
たので、ここで、本発明の別の面を説明することにする。
及び反対方向の射線(角度方位が同じで横切る方向が反対の射線)の信号強度を
それぞれ表している2つの関数を表現することにする。
はfθ ′(N2 )と全く同じであるはずである。しかし、以下の理由によりこ
うしたことは起こり得ない。
定すると、d(θ)が完全にランダムである場合には、再構成画像に導入される
誤差は、恐らくCTのその他のランダム誤差に関連する量子ノイズにより覆い隠
されてしまうはずである。しかし、その誤差がある程度体系的である場合には、
再構成画像内に明らかなアーチファクトが導入されることになる。この理由によ
り、移行領域において平滑化プロセスを利用する必要がある。換言すると、この
平滑化関数は、fθ 及びfθ ′のステップ状誤差を検出器素子N2 で表される
中心射線位置の周りでより小さくするように開発されている。
ことにする。W及びW’を導き出す際には、当業者は理解するようなある種の基
準を考慮する必要がある。さらに、この目的のためには、本明細書に具体的に掲
げたもの以外に、以下の例のような多様な平滑化関数が適していることは、当業
者であれば理解するであろう。
算子である。さらに、この種の用途に関する従来の平滑化関数は、一般にフェザ
リング関数(feathering function) としても知られていることに留意されたい。
W及びW’を用いて順方向と反対方向の射線の間の移行領域を発見している。平
滑化関数を正しく作用させるためには、Δnはゼロを超える整数でなければなら
ないことに留意されたい。実際に、Δnが大きいほど、その平滑化関数はより良
好に作用する。しかし、Δnを大きくし過ぎると中心射線位置の検出器素子であ
るN2 を超えて延びるように追加の検出器素子を用いることが必要となる。した
がって、Δnの選択では、Δnが十分に大きいが、移行領域に対して追加の検出
器素子の付加を要する程に大きくはないようにする必要がある。こうしたことか
ら、fθ 及びfθ ′は次式の限界を有している。
) fθ ′(n)=0 (1<n<N2−Δnの場合) (式7
)
ング誤差の多くが除去される傾向があるため、各半撮影域(FOV)投影データ
に対して反対方向の射線を構成する必要がないことにさらに留意されたい。換言
すると、各半FOVデータ(及び追加のΔnの検出器の各値)にゼロを埋め込み
長さがNの検出器データを取得し、続いて従来のフィルタ補正投影手順を実行す
る。補間は必要でない。
加の検出器素子が(行数のΔn倍)より多くなることが動機付けとなって、Δn
を最小にすることができる方法及び装置を考案することにより従来の方式を改良
することが必要である。
るシミュレーションによれば、これと同等のアーチファクト・レベルを達成する
には、従来の平滑化方法ではΔnを概ね20とする必要があることが示されてい
る。面積型検出器の移行領域で必要となる検出器素子数が、線形アレイで必要と
なる素子数と比べオーダーにして3桁多いVCT用途では、この利点はさらに重
要となる。
には、体系的誤差が存在する可能性がある。fθ (N2 )とfθ ′(N2 )の
間の差を検出することによりステップ状誤差を測定することができる。ここで、
d(θ)=fθ (N2 )−fθ ′(N2 )すると、d(θ)は、fθ (N2
)とfθ ′(N2 )の間のステップ状誤差(ここで、θはX線源の角度位置で
ある)として観測される。
御するための制御係数である)を用いてステップ状誤差を平滑化する。順方向の
射線及び反対方向の射線の関数、fθ (n)及びfθ ′(n)は、次式で示す
それぞれ別の2つの関数、gθ (n)及びgθ ′(n)に変換される。
8) gθ′(n)=fθ′(n)+pθ(n−N2) (式
9) (式8)及び(式9)からgθ (N2 )=gθ ′(N2 )となる。
V投影データを取得する。 2.反対方向の射線の組fθ ′(n)を取得し、(式3)に従ってゼロを埋
め込む。 3.(式8)及び(式9)に従い、ステップ状誤差d(θ)に基づいて平滑化
関数を適用する(ここでd(θ)=fθ(N2)−fθ ′(N2))。 4.gθ (n)及びgθ ′(n)を積算しN個の検出器データからなる1つ
の組、すなわち、hθ (n)を形成する。ここで、N2 <n<Nのときは、 hθ(n)=gθ(n)であり、1<n<N2 のときは、hθ(n)=g
θ ′(n)である。 5.hθ(n)に対して従来のフィルタ補正逆投影を適用する。 6.すべての投影角度に対してステップ1〜5を繰り返す。
対方向の射線を取得することができるような任意のCTスキャナに対して有効で
ある。別の半FOVのデータを常に冗長ファンビーム投影データから概ね算出す
ることができるような2Dファンビームの場合は、その完全な場合となる。この
技法を3D−VCTに拡張する場合には、円軌道を使用している場合の中間面上
でのみ完全な補間を生じさせることができる。
法を適用する場合、この技法は、±1.5度の範囲内の円錐角に対して(中心射
線の位置を超えて20個の追加の検出器を使用している)従来の平滑化技法と比
べて動作がより優れていることが示されている。しかし、このことは大きな円錐
角度に関しては当てはまらない。反対方向の射線のもつ角度方位が完全な検出器
を使用する場合に測定されるばすのデータと相当に違っているためである。この
状況に対処するため、画質を改善するような繰り返し手法を利用することができ
る。その手順を以下に示す。
て、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、検討した3
つの事例により、上記のパラメータのトレードオフ関係を利用してVCTシステ
ムの適正な動作モードを取得することができるような方式のすべてを網羅してい
ることを意味するものではない。これらの事例は、本発明の概念、並びに適正な
スキャン・プロトコルを達成するためにはこれらの基礎的パラメータがトレード
オフの関係にあるような方式を例証するために検討したものである。さらに、こ
のトレードオフ関係は1つのスキャン・プロトコルに限定されるものではない、
すなわちトレードオフ関係は(スキャン中に患者テーブルを移動させない)アキ
シャル・スキャン・プロトコルとヘリカル・スキャン・プロトコルとの双方に適
用することができる。これらの概念を利用し拡張して、特定の用途に対して有用
な別の面積型検出器スキャン・プロトコルを実現することを可能とする方式につ
いては、当業者であれば理解するであろう。
投影データを取得するための方法であって、 X線源からX線を被検体に投射するステップと、 検出器の各投影ビューにおいて投射されたX線をCTシステムの検出器で受け
取るステップであって、前記検出器は複数の検出器素子より構成されると共に、
検出器上に入射するX線に応答して電気信号を発生する、ステップと、 前記電気信号をディジタル化するステップと、 各投影ビューごとに、CTシステムの検出器上の中心射線の位置に最も近い検 出器素子の検出器素子値Va を選定するステップと、 前記選定した検出器素子値Vaに関連した検出器素子に対して、反対方向から 収集した投影データの補間によって、または同じ方向での再構成データの順方向 投影によって、該検出器素子に対する検出器素子値Vbを推定するステップと 、 VaとVbの間の違いを除去することができる平滑化関数を選択するステップ であって、各々の投影ビューにおいて、検出器素子値Vaは測定投影データに対 応し、且つ検出器素子値Vbは推定投影データに対応している、ステップと、 平滑化関数に重み付けするステップと、 この重み付けした平滑化関数を利用して、測定投影データと推定投影データと を組み合わせたときの差を低減して、平滑な移行領域を生成するステップと 、 を含む方法。
ーチファクトを増加させずに(あるいは、実質的に増加させずに)面積型検出器
(area detector) のサイズ及びコストを低減することを可能とした縮小サイズの
面積型検出器を利用する立体的コンピュータ断層撮影(volumetric computed to
mography:VCT)システムで用いられる方法及び装置に関するものである。
身体の一部分のディジタルX線投影データを収集すること、並びにこのディジタ
ルX線投影データを処理及び逆投影し、次いでCTシステムの表示モニタ上に画
像を表示することが必要である。CTシステムは、典型的には、ガントリと、テ
ーブルと、X線管と、X線検出器アレイと、コンピュータと、表示モニタとを備
えている。コンピュータはガントリの制御装置に指令を送り、ガントリによりX
線管及び/または検出器アレイをある特定の回転速度で回転させる。
されているガントリと患者身体との間の相対的な回転運動が生じる。この相対的
回転運動が生じるに伴い、コンピュータはX線管及び検出器アレイにより実行さ
れるデータ収集プロセスを制御してディジタルX線写真を収集する。次いで、コ
ンピュータは、再構成アルゴリズムを実行することによりディジタルX線写真デ
ータを処理し逆投影させ、さらに再構成されたCT画像を表示モニタ上に表示す
る。
利用しており、通常、この単一行検出器のことを、検出器素子の線形アレイと呼
んでいる。さらに改良されたCTシステムでは、検出器からなる2〜4行の線形
アレイを使用して複数行検出器を製作している。この両検出器配置は共にヘリカ
ル・スキャン・プロトコルで使用可能である。しかし、複数行検出器では、CT システム のヘリカル・ピッチを大きくすることにより患者に対する指定した軸方
向カバー範囲をより短時間でスキャンできるので、患者のスキャンが容易になる
。ヘリカル・ピッチは、典型的には、患者を支持しているテーブルのガントリ1
回転中の変位の、検出器ピッチに対する比として定義される。例えば、ヘリカル
・ピッチが1であるとは、CTシステムのCTガントリの1回転中に、患者テー
ブルが検出器ピッチに等しい量だけ並進することを意味する。
線ファンビームに対する全撮影域がカバーされる。換言すると、スキャンを受け
ている被検体(患者である場合と患者でない場合がある)を透過した、あるいは
被検体のその領域を照射したX線は、検出器アレイにより吸収される。
ることが望ましく、また場合によっては、検出器アレイのサイズを小さくするこ
とが必要である。例えば、CT技術の最近の発展においては、CTデータ収集の
ために、多数行の線形検出器アレイにより構成されている面積型検出器アレイが
使用されている。現在のところ、全撮影域、すなわち画像化している患者の全範
囲をカバーする検出器パネルは、未だ利用可能ではない。さらに、線形検出器ア
レイを使用するシステムの幾つかでは、スキャンを受けている患者に比して極め
て広い撮影域を提供している。この状況の場合でもまた、その検出器アレイのサ
イズ及びコストを低減することが望ましい。
り小さくしその幅の半分とした検出器アレイを並進させることである。例えば、 検出器アレイの本来のサイズが、患者の所望の撮影域をカバーするために80c mに等しい幅を有しているとする。 本来の検出器幅の半分に等しい幅(この場合
では40cm)を有するような、より小さな検出器を使用することができる。こ
の検出器は、CTイメージング・システムの撮影域の概ね半分をカバーするよう
にして、検出器幅の半分(この例では20cm)だけ偏位させる。この例によれ
ば、患者の同じ撮影域を、本来の値の半分に等しい幅を有する検出器により収集
することができる。
可能である。通常は、CTイメージング・システムの回転中心の投影は、検出器
パネルの中心に一致している。CTイメージングの回転中心とは、その周りでX
線源及び検出器アレイを回転させている点の物理的位置のことである。しかし、
その検出器を本来の位置を基準にして検出器幅の半分だけ偏位させることにより
、システムの撮影域(FOV)を拡大することができる。イメージング・システ
ムの回転中心の検出器への投影が、シフトさせた線形、複数行または面積型検出 器 のエッジの近傍にある。しかしながら、この検出器によりイメージング・シス
テムの物理的回転中心(すなわち、アイソセンタの位置)を通過するX線からの
投影データを依然として測定できている。一方、この配置により、イメージング
・システムの撮影域は本来の構成の事実上2倍となり、これにより、イメージン
グ・システムの撮影域を大幅に拡大することができる。検出器をその幅の半分だ
けシフトさせるシステム構成のことを、典型的には、半検出器シフトと呼んでい
る。
た形状をしたX線をある角度アパーチャで放出するCTシステムであるファンビ
ームCTシステムでは、CTガントリの全回転の一部分に対する投影データを収
集する必要がある。具体的には、ガントリが180度にファン角度を加えた値に 等しい角度間隔にわたって患者の周りの円形軌道で回転している間の、投影デー タを収集する必要がある。 繰り返すと、ファン角度は、イメージング・システム
のアキシャル面内で検出器アレイのみを照射するようなX線の角度アパーチャの
尺度である。投影の測定は、必ずしもガントリを患者の周りを360度の全回転
させている間中行う必要がないため、投影データのうちのあるものが冗長である
ことは明らかである。
てデータが収集される。ガントリの各ビュー角度において、投影データの半分の
みが測定される。ガントリの他のビューからのデータは、所与のビュー角度に対
する投影データを完成させるために使用される。このプロセスを線形検出器アレ イに対して実施するための方式は、当技術分野においては周知である。 しかし、
イメージング・システムの撮影域の半分をカバーしている測定投影データをガン
トリの他のビューがもたらしたデータと組み合わせる場合、得られる投影データ
は投影データの中心の近傍では十分にマッチングしないことがある。これらのミ
スマッチングは、低減させたり除去したりしないと、望ましくないアーチファク
トを再構成画像内に生じさせることがある。
るために使用されている技法の1つでは、重み関数を利用して移行領域内でのデ
ータの不連続を平滑化している。この技法では、検出器は、その検出器上へのイ
メージング・システムの回転中心の投影を越えて延びる幾らかの追加の検出器素
子を有している必要がある。ガントリが患者の周りを360度回転する際に、シ
フトさせた検出器パネルのうち、検出器上への回転中心の投影を若干越えて両方
向に延びている領域を「移行領域」と呼んでいる。実際のデータは、検出器によ
り移行領域の半分において測定される。また移行領域の第2の半分内においては
、ガントリの別のビューからデータを作成することができる。移行領域内の測定 されて合成されたデータが、データ相互間の 不連続を平滑化するための重み係数
と乗算される。一般に、移行領域が大きいと画質が良くなるが、このシステム構
成の撮影域は半検出器シフト構成でもたらされる撮影域と比べて若干小さくなる
ためシステムのコストの増加にもつながる。この代替では、検出器上へのイメー ジング・システムの回転中心の投影を越えて延びる幾らかの追加の検出器素子を 有している必要があり、これはシステムのコストを一層高くする。
れたデータとの積算を改良する必要がある。
ング・システムの撮影域の半分内で投影データを測定する一方、投影データの残 りの半分を反対方向の射線(すなわち、撮影している物体の線減衰係数の同様な 線積分データを提供するガントリの角度位置から取得される射線(ray) )から作 成又は合成する必要がある。 しかしながら、CTガントリの別の投影角度で測定
された投影データは、本来の幅の2倍であり且つ偏位(オフセット)をもたせて
いない検出器で測定する場合の射線と同じ方位を有していない。これは、線源か ら放出されるX線が半径方向角度(すなわち、軸方向の平面内の射線の方位)及 び仰角(すなわち、軸方向の平面の外の射線の方位)の両方を有するためである 。 したがって、半検出器シフト構成で面積型検出器を利用し、かつその恩恵を実
現させると共に、上記の問題点を克服させたVCTシステムが必要である。
は、検出器上へのCTシステムの回転中心の投影に対応する中心位置に対してそ
の幅の半分だけシフトされている。本発明の方法によれば、各投影ビューごとに
、被検体を通して線源と検出器素子とを結ぶ射線の線減衰値の線積分を表す処理 済みの検出器素子値であって、この信号の位置として、検出器上へのイメージン グ・システム(CTシステム)の回転中心の投影位置に最も近い検出器素子から の信号であることを表している処理済みの検出器素子値Vaが選定される。 次い
で、この選定した検出器素子に対して、反対方向から、または同じ方向の順方向
投影から、検出器素子値Vbを推定する。次いで、VaとVbの間の違いを除去
できる平滑化関数を選択する。次いで、この平滑化関数を適用することにより、 VaとVbの間の違いを除去する。
Tシステムについての概括的考察を示すことにする。図1は、本発明の方法及び
装置を実現させるのに適した立体的CTスキャン・システムのブロック図である
。この立体的CTスキャン・システムは、患者の解剖学的特徴に対する画像の再
構成に使用することに関して検討することにするが、本発明は任意の特定の対象
を画像化することに限定されるものではないことを理解されたい。さらに、当業
者であれば理解するように、本発明は工業用プロセスのために使用することもで
きる。さらに、本発明は、医用CT装置に限定されるものではなく、X線源及び
検出器の幾何学構成が固定しており、被検体の方がスキャン時間の間に回転する
ような工業用システムも包含している。
を回転し、投影データが収集される。コンピュータ1は、この立体的CTスキャ
ン・システムの動作を制御している。本明細書において、ガントリの回転という
場合、この語句によりX線管2の回転及び/または検出器3(好ましくは、高分
解能の面積型検出器)の回転を表すことを意図したものである。X線管2及び面
積型検出器3はガントリに含まれている。制御装置4A及び4Bは、立体的CT
スキャン・システムのコンピュータ1により制御されると共に、それぞれX線管
2と検出器3に結合されている。制御装置4A及び4Bにより、X線管2及び/
または検出器3に対して適切な相対的回転運動が与えられる。制御装置は必ずし
も個々に必要ではない。単一の制御装置コンポーネントを使用してガントリを回
転させることもできる。またコンピュータ1は、本発明の方法を実現するために
、画像スキャン時間の変動、画像分解能及び/または軸方向カバー範囲を制御し
ていることにも留意されたい。
を指示し、かつガントリの速度を制御することによって、そのデータ収集プロセ
スを制御する。その上、コンピュータ1は、データ収集システム6に指示して面
積型検出器3により得られる放射線写真の分解能を設定させ、これによりシステ
ムの分解能を変更することが可能となる。データ収集システム6は、図示するよ
うに読み出し電子回路を備えている。
る。各検出器素子は、その検出器素子上に入射するX線エネルギーの量に関連す
る、それぞれの素子に対応した強度値を測定する。本発明の装置及び方法を立体
的CTスキャン・システムに取り入れることにより、新規の立体的CTスキャン
・システムが創り出される。したがって、本発明により新規の立体的CTスキャ
ン・システムを提供することができる。
特定のコンピュータに限定されるものではないことに留意されたい。本明細書で
使用する場合において、この「コンピュータ」という用語によって、本発明によ
る処理を実行するために必要な算出(calculation) や計算(computation) を実行
する能力がある任意の装置を表そうとする意図である。したがって、本発明によ
る制御アルゴリズム10を実行するために利用するコンピュータは、必要な処理
を実行する能力がある任意の装置とすることができる。
ンテクストの範囲内で以下に考察することにする。
方向投影すること、または1組の反対方向の射線から取得した冗長検出器データ
を補間することのいずれかにより、1組のX線投影{Pa }を形成する。ここで
反対方向の射線では{Pa }と逆方向の投影データの別の1組が形成される。前 に述べたように、順方向投影の技法は、 射線を仮想のX線源から放出するプロセ
スであり、これらの射線は個々の検出器素子に向かって再構成されたボリューム
を横切る。この射線に沿って再構成された値の線減衰値は射線に沿って合算され
、これを線減衰係数の線積分という。順方向投影処理を実現するために周知のい くつかの技法を利用しうる。
きな円錐角に対応する(すなわち、VCTシステムで使用するような)投影デー
タを作成するのに適しており、一方、冗長投影データを補間する技法(RPDT という)は、中間面(すなわち、ゼロ度の円錐角を持つ平面)により近い位置の 投影データ に対してより適している。ファン角度と同様に、円錐角も、X線源か
らファン角度方向と直角の方向に放出されるX線の角度範囲を指している。これ はX線の仰角と呼ぶことが出来る。IFPTまたはRPDT のいずれかを用いて
取得される検出器の推定値と、データを実際に測定した場合に得られるはずの本
来の値との間の違いのために、検出器上へのCTシステムの回転中心の投影(位 置)に近い画像内に歪みを生じることがある。説明を簡潔にするために、検出器 上へのCTシステムの回転中心の投影の位置を、中心射線位置と称する。 RPDT技法は面積型検出器又は複数行型検出器の中心行に対して有用であり 、またIFPT技法はRPDT技法が有効でない円錐角において面積型検出器又 は複数行型検出器内の各行に対して有用である。
のように記載することができる。
おける投影データの不連続性の量を、d=Va−Vbとする。一例として、この
違いを段階的に平滑化するために使用できる平滑化関数の1つは、次式で規定さ
れる指数関数とすることが可能である。
対値であり、aはこの平滑化関数に関する曲線の傾きを制御するための係数であ
る。重み付けした指数関数は、中心射線位置(検出器上へのイメージング・シス
テムの回転中心の投影に対応する検出器位置)の一方の側に位置する投影値に対
して加算(減算)されてより低い(高い)推定値を上昇(低下)させると共に、
この指数関数は中心射線位置の別の側の投影値に対して加算(減算)されてより
高い(低い)本来の値を低下(上昇)させている。換言すると、真の投影データ
と推定した投影データを組み合わせることにより、中心射線の位置での投影デー
タの不一致を低減する方法を提供できる。したがって、このプロセスにより、ア
ーチファクトを低減または除去させた平滑なデータ移行領域を提供することがで
きる(25)。 上述した方法を用いて、中心射線位置での検出器のオーバーラップの量を最小 限にして、コスト効率の良い設計を提供することが出来る。
出器を半検出器シフト構成で使用する方法は知られていない。VCTシステム、
並びに移行領域を作成することによりイメージング・システムの撮影域内で投影
データの不連続を除去するための様々な既知の技法について上記において説明し
たので、ここで、本発明の別の面を説明することにする。従って、上述した記載 は抽象化して一般的な態様に作成できる。
及び反対方向の射線(角度方位が同じで横切る方向が反対の射線)の信号強度を
それぞれ表している2つの関数を表現することにする。
とは起こり得ない。
定すると、d(θ)が完全にランダムである場合には、再構成画像に導入される
誤差は、恐らくCTのその他のランダム誤差に関連する量子ノイズにより覆い隠
されてしまうはずである。しかし、その誤差がある程度体系的である場合には、
再構成画像内に明らかなアーチファクトが導入されることになる。この理由によ
り、移行領域において平滑化プロセスを利用する必要がある。換言すると、この
平滑化関数は、fθ 及びfθ ′のステップ状誤差を検出器素子N2 で表される
中心射線位置の周りでより小さくするように開発されている。
ことにする。W及びW’を導き出す際には、当業者は理解するようなある種の基
準を考慮する必要がある。さらに、この目的のためには、本明細書に具体的に掲
げたもの以外に、以下の例のような多様な平滑化関数が適していることは、当業
者であれば理解するであろう。
算子である。さらに、この種の用途に関する従来の平滑化関数は、一般にフェザ
リング関数(feathering function) としても知られていることに留意されたい。
W及びW’を用いて順方向と反対方向の射線の間の移行領域を発見している。平
滑化関数を正しく作用させるためには、Δnはゼロを超える整数でなければなら
ないことに留意されたい。実際に、Δnが大きいほど、その平滑化関数はより良
好に作用する。しかし、Δnを大きくし過ぎると中心射線位置の検出器素子であ
るN2 を超えて延びるように追加の検出器素子を用いることが必要となる。した
がって、Δnの選択では、Δnが十分に大きいが、移行領域に対して追加の検出
器素子の付加を要する程に大きくはないようにする必要がある。こうしたことか
ら、fθ 及びfθ ′は次式の限界を有している。
) fθ ′(n)=0 (1<n<N2−Δnの場合) (式7
)
ング誤差の多くが除去される傾向があるため、各半撮影域(FOV)投影データ
に対して反対方向の射線を構成する必要がないことにさらに留意されたい。換言
すると、各半FOVデータ(及び追加のΔnの検出器の各値)にゼロを埋め込み
長さがNの検出器データを取得し、続いて従来のフィルタ補正投影手順を実行す
る。補間は必要でない。
加の検出器素子が(行数のΔn倍)より多くなることが動機付けとなって、Δn
を最小にすることができる方法及び装置を考案することにより従来の方式を改良
することが必要である。
るシミュレーションによれば、これと同等のアーチファクト・レベルを達成する
には、従来の平滑化方法ではΔnを概ね20とする必要があることが示されてい
る。面積型検出器の移行領域で必要となる検出器素子数が、線形アレイで必要と
なる素子数と比べオーダーにして3桁多いVCT用途では、この利点はさらに重
要となる。
には、体系的誤差が存在する可能性がある。fθ (N2 )とfθ ′(N2 )の
間の差を検出することによりステップ状誤差を測定することができる。ここで、
d(θ)=fθ (N2 )−fθ ′(N2 )すると、d(θ)は、fθ (N2
)とfθ ′(N2 )の間のステップ状誤差(ここで、θはX線源の角度位置で
ある)として観測される。
滑化を制御するための制御係数である)を用いてステップ状誤差を平滑化する。
順方向の射線及び反対方向の射線の関数、fθ (n)及びfθ ′(n)は、次
式で示す投影データgθ (n)に変換される。ここで、1<n<Nである。
8) N2<n<Nの場合 gθ(n)=fθ′(n)+pθ(n−N2) (式
9) (式8)及び(式9)からn=N2 において、gθ (n)は等しくなる。
V投影データを測定する。 2.反対方向の射線の組fθ ′(n)を取得し、(式3)に従ってゼロを埋
め込む。 3.(式8)及び(式9)に従い、ステップ状誤差d(θ)に基づいて平滑化
関数を適用する(ここでd(θ)=fθ(N2)−fθ ′(N2))。 4.gθ (n)を作成して、一組のN個の検出器データを形成する。 5.gθ (n)に対して従来のフィルタ補正逆投影を適用する。 6.すべての投影角度に対してステップ1〜5を繰り返す。
を補間することにより反対方向の射線を取得することができるような任意のCT
スキャナに対して有効である。別の半FOVのデータを常に冗長ファンビーム投
影データから概ね算出することができるような2次元ファンビームの場合は、そ
の完全な場合となる。この技法を3D−VCTに拡張する場合には、円軌道を使
用している場合の中間面(すなわち、仰角がゼロであるX線平面)上でのみ完全
な補間を生じさせることができる。
場合、この技法は、±1.5度の範囲内の円錐角または本書で用いる仰角に対し
て(中心射線の位置を超えて20個の追加の検出器を使用している)従来の平滑
化技法と比べて動作がより優れていることが示される。しかし、このことは大き
な円錐角度に関しては当てはまらない。反対方向の射線のもつ角度方位が完全な
検出器を使用する場合に測定されるばすのデータと相当に違っているためである
。このことを理解するために、CTスキャナの回転中心を通り且つ検出器の中間 面からはずれている射線、従って仰角がゼロでない射線を想定する。そこで、線 源と検出器の点を180度回転させる。明らかに、その場合の射線は、仮想の患 者の同じ領域を通過しない。 この状況に対処するため、画質を改善するような繰
り返し手法を利用することができる。その手順を以下に示す。
て、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、検討した平 滑化関数は、この目的に利用しうる種類の他の関数を排除することを意味してい るものではない。さらに、本方法は走査プロトコルに限定されない。すなわち、 本方法はアキシャル(軸方向)スキャン・プロトコル(患者テーブルがスキャン 期間中に移動しない)及びヘリカル(螺旋)スキャン・プロトコルの両方に適用 し得る。 これらの概念を利用し拡張して、特定の用途に対して有用な別の面積型
検出器スキャン・プロトコルを実現することを可能とする方式については、当業
者であれば理解するであろう。
Claims (2)
- 【請求項1】 被検体の投影データを取得するための立体的コンピュータ断
層撮影(VCT)システムであって、 被検体にX線を投射するX線源と、 X線源から投射されたX線を受け取って、入射するX線に応答して電気信号を
発生する検出器であって、当該検出器上へのCTシステムの回転中心の投影に対
応する中心位置を基準として、当該検出器の幅の半分だけシフトさせた検出器と
、 前記検出器から前記電気信号を読み出し、これをディジタル信号に変換するデ
ータ収集システムと、 データ収集コンポーネントから前記ディジタル信号を受け取り、再構成アルゴ
リズムを実行することができるコンピュータであって、該コンピュータは、デー
タ収集コンポーネントに前記ディジタル信号を処理させているときに、画像を再
構成する、コンピュータと、 を備える立体的コンピュータ断層撮影システム。 - 【請求項2】 コンピュータ断層撮影(CT)システムを使用して被検体の
投影データを取得するための方法であって、 X線源からX線を被検体に投射するステップと、 検出器の各投影ビューにおいて投射されたX線をCTシステムの検出器で受け
取るステップであって、前記検出器は複数の検出器素子より構成されると共に、
検出器上に入射するX線に応答して電気信号を発生する、ステップと、 前記電気信号をディジタル化するステップと、 各投影ビューごとに、CTシステムのアイソセンタの最も近くにある検出器素
子に対する検出器素子の値Vaを選定するステップと、 前記選定した検出器素子に対して、反対方向からの補間、または同じ方向の順
方向投影によって、該検出器素子に対する値Vbを推定するステップと、 VaとVbの間の違いを除去することができる平滑化関数を選択するステップ
と、 平滑化関数を適用してVaとVbの間の違いを除去するステップと、 重み関数を利用して、真の投影データと推定した投影データを組み合わせたと
きの段差をなだらかにして、平滑な移行領域を生成するステップと、 を含む方法。
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