JP2002537422A - 新しい生体材料 - Google Patents

新しい生体材料

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JP2002537422A JP2000599794A JP2000599794A JP2002537422A JP 2002537422 A JP2002537422 A JP 2002537422A JP 2000599794 A JP2000599794 A JP 2000599794A JP 2000599794 A JP2000599794 A JP 2000599794A JP 2002537422 A JP2002537422 A JP 2002537422A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アクリル酸又はメタクリル酸ジヒドロペルフルオロアルキルなどを組み込む多孔性ポリマー及びその製造に関する。本発明はまた、哺乳動物細胞及び組織の接着及び増殖のための基体としての、多孔性及び無孔性型両方の、アクリル酸及びメタクリル酸ジヒドロペルフルオロアルキルなどの化合物から誘導されるポリマーの使用に関する。本発明はまた、体内埋入装置を含む、医用装置及びプロテーゼの構成要素としての、アクリル酸及びメタクリル酸ジヒドロペルフルオロアルキルから誘導されるポリマーの使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、アクリル酸又はメタクリル酸ジヒドロペルフルオロアルキルなどを
組み込む多孔性ポリマー及びその製造に関する。本発明はまた、哺乳動物の細胞
及び組織の付着及び増殖(growth)のための基体としての、多孔性及び無孔性型
両方の、アクリル酸又はメタクリル酸ジヒドロペルフルオロアルキルなどの化合
物から誘導されるポリマーの使用に関する。本発明はまた、体内埋入装置を含む
、医用装置及びプロテーゼの構成要素としての、アクリル酸又はメタクリル酸ジ
ヒドロペルフルオロアルキルから誘導されるポリマーの使用に関する。多くの応
用において、ポリマーは、多孔性の方が有利であることが見い出されている。必
要な多孔度は、その応用に依存する。例えば、膜濾過は、種々の材料の分離を果
たすために、微孔性ポリマーの使用に依存する;化学抵抗性ポリマーのマクロ孔
性シートは、電気分解又は蓄電用の電池における分割板としての、広範な用途を
見い出す。更に多孔性は、組織に埋入される医用装置及びプロテーゼにおいて使
用される合成ポリマーにおいて、しばしば有利である。これは、インプラントの
血管新生が、好ましいか、又は必要である場合であり、この場合多孔性は、血管
の内殖を増強する。また、角膜アンレーの場合のような、非血管組織へのある種
のインプラントに関する場合である。US-A-5,713,957は、上角膜固着術において
、栄養分の透過が、健常な上皮の維持に重要な因子であることを教示している。
内科又は外科におけるポリマーの多くの他の応用もまた、多孔性を必要とするか
、又は基体が多孔性であるときに最適である。これらは、人工皮膚、薬物送達リ
ザーバー、及び軟部組織インプラントを含む。
【0002】 多孔性ポリマーが、透明で、かつ汚損及び沈着に対して抵抗性であることは、
しばしば有用である。これは、透明性によって膜の完全性を点検できる、ある種
の工業的膜応用に関する場合である。合成ポリマー又は多孔性ポリマーの透明性
はまた、例えば、材料の透明性によって、包帯を除去する必要なく創傷治癒の進
行をモニターできる創傷包帯の場合、又は眼内インプラントを一例とする体内埋
入材料の幾つかの場合を含む、ある種の医用生体材料応用にも有利でありうる。
【0003】 合成医用生体材料の細胞及び組織定着に関する先行技術の多くは、疎水性ポリ
マー基体への細胞の接着には、細胞の接着及び増殖を促進するために、合成ポリ
マーの表面化学を特別に修飾することが必要であることを教示している。1種以
上の細胞接着性分子(例えば、フィブロネクチン、ビトロネクチン又はコラーゲ
ン)若しくはその断片の、吸着又は共有結合を介する細胞付着の刺激も利用され
ている。
【0004】 WO 96/31548は、多孔性及び無孔性型の両方で、細胞増殖基体として作用でき
、かつ生体材料として、特に眼内適用における使用に適している、ペルフルオロ
アルキルポリエーテルマクロモノマーに基づくある種の材料を開示している。WO
96/31548はまた、少量のアクリル酸ジヒドロペルフルオロオクチルを含むコモ
ノマーと共重合しているペルフルオロアルキルポリエーテル含有組成物を開示し
ている。ペルフルオロポリエーテル類は、一般分類の材料として多くの利点を有
するが、コストと精製の困難さに関して制限を受けている。細胞増殖に関して、
及び/又は清澄性を維持しながら多孔性を持たせて加工することに関して有利な
性質を有する、容易に利用できる単純なモノマーを見い出すことができれば有用
であろう。本発明者は今や、ペルフルオロアルキルポリエーテル単位を欠いてい
るが、フッ素含有アルコールとアミンから誘導される残基を含むラジカル重合性
モノマーに基づくポリマー及びコポリマーが、これらの性質を有しており、かつ
生体材料、人工角膜基体として、並びに他の細胞増殖及び膜応用における使用に
特に適していることを見い出した。
【0005】 本発明の1つの側面によれば、 (i)式(1): Q−X−A (1) 〔式中、Qは、式(2):
【0006】
【化6】
【0007】 で示されるラジカルであり、 Q1は、式(3a)又は(3b):
【0008】
【化7】
【0009】 で示されるラジカルであり、 (alk)は、直鎖状又は分岐状のC2−C12−アルキレンであり、 (alk′)は、直鎖状又は分岐状のC1−C12−アルキレンであり、 Rは、更に置換されていてもよい、2〜24個の炭素原子を有するオレフィン
性不飽和の共重合性ラジカルであり、 s及びtのそれぞれは、他と独立に、0又は1の数であり、 Xは、基:−O−、−S−又は−NR1−であり、かつR1は、水素、C1−C4 −アルキル又はラジカルAであり、そして Aは、式(4): −〔(CH2a−(Y)z−(CHF)b−(CF2c〕−R2 (4
) (式中、R2は、水素又はフッ素であり、Yは、基:−N(R3)SO2−、−O
SO2−、−OC(O)−又は−N(R3)C(O)−であり、R3は、水素又は
1−C4−アルキルであり、zは、0又は1の整数であり、aは、1〜15の整
数であり、bは、0〜6の整数であり、そしてcは、1〜20の整数である)で
示されるラジカルであるか、あるいは Aは、部分的又は全体的にフッ素化されているC4−C8−シクロアルキルであ
る〕で示されるラジカル重合性不飽和モノマー、並びに場合により (ii)コモノマー及び/又は (iii)架橋剤 を含むことを特徴とする重合性成分を重合することにより得られる、多孔性ポリ
マー(ここで、この多孔性ポリマーは、完全に水に膨潤するとき、従来条件下で
重合される同じポリマーよりも高い含水量を有する)が提供される。
【0010】 オレフィンC2−C24ラジカルR上の適切な置換基は、例えば、C1−C4アル
コキシ、ハロゲン、フェニル又はカルボキシである。Rは、例えば、式(5):
【0011】
【化8】
【0012】 〔式中、lは、0又は1の数であり、R4は、水素、C1−C4−アルキル又はハ
ロゲンであり、R5及びR6のそれぞれは、他と独立に、水素、C1−C4−アルキ
ル、フェニル、カルボキシ又はハロゲンであり、そしてR7は、直鎖状又は分岐
状のC1−C12−アルキレン、あるいは非置換か、又はC1−C4−アルキル−若
しくはC1−C4−アルコキシ−置換フェニレン又はC7−C12−アラルキレンで
ある〕で示されるラジカルである。
【0013】 R7が、フェニレンラジカルであるとき、これは、例えば、非置換又はメチル
−若しくはメトキシ−置換1,2−、1,3−又は1,4−フェニレンである。
好ましくは、フェニレンラジカルとしてのR7は、1,3−又は1,4−フェニ
レンである。
【0014】 R7が、アラルキレンラジカルであるとき、これは、例えば、非置換又はメチ
ル−若しくはメトキシ−置換ベンジレンである。好ましくは、アラルキレンラジ
カルとしてのR7は、1,3−又は1,4−フェニレン−メチレンラジカルであ
る。
【0015】 R7は、好ましくは、非置換又はメチル−若しくはメトキシ−置換フェニレン
又はフェニレン−メチレンあるいはC1−C12アルキレンであり、更に好ましく
は、1,3−若しくは1,4−フェニレン又はC1−C6アルキレン、特にC1
2アルキレンであり、そして最も好ましくはメチレンである。
【0016】 lは、1という数であるか、又は好ましくは0という数である。R4は、好ま
しくは、水素、メチル又は塩素であり、そして最も好ましくは、水素又はメチル
である。
【0017】 R5及びR6のそれぞれは、他と独立に、好ましくは、水素、カルボキシ、塩素
、メチル又はフェニルである。本発明の好ましい実施態様では、R5は、水素、
塩素、メチル又はフェニルであり、そしてR6は、水素又はカルボキシである。
最も好ましくは、R5及びR6は、それぞれ水素である。
【0018】 適切なラジカルRの例は、ビニル、1−メチルビニル、2−プロペニル、アリ
ル、2−ブテニル、o−、m−又はp−ビニルフェニル、スチリル、2−カルボ
キシビニル、2−クロロ−2−カルボキシビニル、1,2−ジクロロ−2−カル
ボキシビニル、1,2−ジメチル−2−カルボキシビニル及び2−メチル−2−
カルボキシビニルである。
【0019】 特に好ましいラジカルRは、式(5)〔ここで、lは、0であり、R4は、水
素又はメチルであり、R5は、水素、メチル、塩素又はフェニルであり、特に水
素であり、そしてR6は、カルボキシ又は特に水素である〕に対応する。
【0020】 他の特に好ましいラジカルRは、上記式(5)〔ここで、lは、1であり、R7 は、1,3−若しくは1,4−フェニレン又はC1−C6−アルキレン、特にC1 −C2−アルキレンであり、R4は、水素又はメチルであり、そしてR5及びR6
、それぞれ水素である〕に対応する。
【0021】 (alk)は、好ましくはC2−C6−アルキレン、更に好ましくはC2−C4
アルキレン、そして特にエチレンである。(alk′)は、好ましくはC1−C4 −アルキレン、特にメチレン又は1,1−ジメチルメチレンである。
【0022】 1群の適切なラジカルQは、上記式(2)〔ここで、sは、0であり、そして
1は、上記式(3a)(ここで、tは、0であり、Rに関しては、上記の意味
と優先が適用される)のラジカルである〕に対応する。第2群の適切なラジカル
Qは、上記式(2)〔ここで、sは、1であり、そしてQ1は、上記式(3a)
(ここで、tは、0であり、Rに関しては、上記の意味と優先が適用される)の
ラジカルである〕に対応する。別の群の適切なラジカルQは、上記式(2)〔こ
こで、sは、1であり、そしてQ1は、上記式(3a)(ここで、tは、1であ
り、R及び(alk)それぞれに関しては、上記の意味と優先が適用される)の
ラジカルである〕に対応する。更に別の群の適切なラジカルQは、上記式(2)
〔ここで、sは、0であり、そしてQ1は、上記式(3b)(ここで、R及び(
alk′)それぞれに関しては、上記の意味と優先が適用される)のラジカルで
ある〕に対応する。
【0023】 特に好ましいラジカル−Qは、下記式:
【0024】
【化9】
【0025】 又は特に下記式:
【0026】
【化10】
【0027】 に対応する。
【0028】 Xは、好ましくは基:−O−又は−NR1−、更に好ましくは−O−、−NH
−、−N(C1−C2−アルキル)−又は−N−A〔ここで、上記及び下記の意味
と優先が、Aに関して適用される〕であり、そして最も好ましくは−O−、−N
H−又は−N(C1−C2−アルキル)−、特に−O−である。
【0029】 フッ素化シクロアルキルとしての可変基Aは、好ましくは部分的又は全体的に
フッ素化されており、そして更には置換されていないか、又はメチル若しくはモ
ノ−、ジ−若しくはトリフルオロメチルにより置換されている、5員又は好まし
くは6員脂環式の環を意味する。可変基Aは、好ましくは、更には置換されてい
ない、部分的又は全体的にフッ素化されているシクロヘキシルを意味する。特に
好ましいフッ素化シクロアルキルラジカルの一例は、ペルフルオロシクロヘキシ
ルである。
【0030】 式(4)中のR2は、好ましくはフッ素を意味する。R3は、好ましくはC1
4−アルキル、そして更に好ましくはメチル又はエチルである。
【0031】 Yに関する上記の意味は、左側の結合が、一般にCH2基に向いており、そし
て右側の結合が、CHF又はCF2基に向いていると理解すべきである。Yは、
好ましくは−N(R3)SO2−基(ここで、上記の意味と優先が、R3に関して
適用される)である。変数zは、好ましくは整数の0である。
【0032】 変数aは、好ましくは1〜4の整数、更に好ましくは1又は2、そして特に1
である。変数bは、好ましくは0〜4の整数、そして特に0である。変数cは、
好ましくは1〜15、更に好ましくは1〜10、そして特に6〜10の整数であ
る。
【0033】 可変基Aは、好ましくは上記式(4)のラジカル、そして特に式(4a): −(CH2a−(CF2c−R2 (4a) 〔式中、R2は、水素又はフッ素であり、aは、1又は2の整数であり、そして
cは、1〜20、好ましくは1〜15、そして特に1〜10の整数である〕で示
されるラジカルである。本発明の特に好ましい実施態様では、Aは、上記式(4
a)〔ここで、R2は、フッ素であり、aは、1の整数であり、そしてcは、1
〜20、好ましくは1〜15、更に好ましくは1〜10、そして特に6〜10の
整数である〕のラジカルである。
【0034】 好ましくは、フッ素含有残基Aは、50%を超える水素に対するフッ素の比率
を含む。更に好ましくは、Aは、高度にフッ素化されている。即ち、水素に対す
るフッ素の比が70%を超える。
【0035】 特に好ましい式(1)の化合物の例は、アクリル酸及びメタクリル酸ジヒドロ
ペルフルオロオクチル、アクリル酸及びメタクリル酸テトラヒドロペルフルオロ
オクチル、アクリル酸及びメタクリル酸ジヒドロペルフルオロヘキシル、N−ジ
ヒドロペルフルオロオクチルアクリルアミド及びメタクリルアミド、N,N−ビ
ス(ジヒドロペルフルオロオクチル)アクリルアミド及びメタクリルアミド、N
−メチル−N−ジヒドロペルフルオロオクチルアクリルアミドである。涙液膜と
類似した屈折率を有する材料を得るために、過フッ素化鎖の長さは、6〜10個
の炭素長であることが好ましい。しかしこれは、涙液膜と類似した屈折率を有す
る材料が生じる、異なる長さ、即ち、6個未満と10個を超える過フッ素化鎖の
組合せの使用、又は処方中の他の添加剤の高い屈折率を打ち消すための10個の
炭素を超える過フッ素化鎖の使用を除外しない。また幾つかの非眼内への適用で
は、涙液膜への材料の屈折率の整合は重要とはいえず、このことから、過フッ素
化鎖の長さは、好ましい範囲の外側であってもよい。
【0036】 本発明のポリマーの基礎になる重合性成分は1種又は異なる2種以上の式(1
)のモノマー、好ましくは1種の式(1)のモノマーを含む。重合性成分中に使
用される式(1)のモノマーの量は、例えば、20〜100%の範囲、好ましく
は45〜100%の範囲、更に好ましくは60〜100%の範囲、更に好ましく
は80〜99.9%の範囲、そして特に好ましくは90〜99.5%の範囲であ
る(各ケースにおいて全重合性成分の重量%による)。
【0037】 式(1)のモノマーに加えて、1種以上のエチレン性不飽和基を含むことを特
徴とする更に別のコモノマーを、本発明のコポリマーを形成するための反応に加
えることができる重合性成分中に、組み込んでもよい。エチレン性不飽和基は、
アクリロイル、メタクリロイル、スチリル、アクリルアミド、アクリルアミドア
ルキル、若しくはウレタンメタクリラート、又はその任意の置換誘導体よりなる
群から選択されることが好ましい。
【0038】 重合性成分中に存在するコモノマーは、親水性若しくは疎水性であるか、又は
その混合物であってよい。適切なコモノマーは、特に、コンタクトレンズ及び生
物医学的材料の製造において通常使用されるものである。疎水性コモノマーは、
典型的には、水に不溶性であり、かつ10重量%未満の水しか吸収できないホモ
ポリマーを与えるモノマーを意味すると理解される。同様に、親水性コモノマー
は、典型的には、水溶性であるか、又は少なくとも10重量%の水を吸収できる
ホモポリマーを与えるモノマーを意味すると理解される。
【0039】 適切な疎水性コモノマーは、C1−C18−アルキル及びC3−C18−シクロアル
キルアクラート及びメタクリラート、C3−C18−アルキルアクリルアミド及び
−メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、C1−C18−ア
ルカン酸ビニル、C2−C18−アルケン、C2−C18−ハロアルケン、スチレン、
(C1−C8−アルキル)スチレン、フッ素化スチレン、C1−C8−アルキルビニ
ルエーテル、C3−C12−ペルフルオロアルキルエチルチオカルボニルアミノエ
チルアクリラート及びメタクリラート、アクリルオキシ−及びメタクリルオキシ
アルキルシロキサン、N−ビニルカルバゾール;マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、メサコン酸などのC1−C12−アルキルエステルであり、これらに限定さ
れない。
【0040】 好ましいものは、例えば、アクリロニトリル、3〜5個の炭素原子を有するビ
ニル不飽和カルボン酸のC1−C4−アルキルエステル又は5個までの炭素原子を
有するカルボン酸のビニルエステルである。
【0041】 適切な疎水性コモノマーの例は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸プロピル、アクリル酸ブチル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニ
ル、吉草酸ビニル、スチレン、ペルフルオロスチレン、クロロプレン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、1−ブテン、ブタジエン、メタクリロ
ニトリル、ビニルトルエン、ビニルエチルエーテル、メタクリル酸ペルフルオロ
ヘキシルエチルチオカルボニルアミノエチル、メタクリル酸イソボルニル、メタ
クリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、メタ
クリル酸ヘキサフルオロブチル、メタクリル酸トリストリメチルシリルオキシシ
リルプロピル(以降:トリス(Tris)メタクリラート)、アクリル酸トリストリ
メチルシリルオキシシリルプロピル(以降:トリスアクリラート)、3−メタク
リルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン及びビス(メタクリルオキシプロ
ピル)テトラメチルジシロキサンである。
【0042】 疎水性コモノマーの好ましい例は、メタクリル酸メチル、トリスアクリラート
、トリスメタクリラート及びアクリロニトリルである。
【0043】 適切な親水性コモノマーは、ヒドロキシル−又はアミノ−置換C1−C8−アル
キルアクリラート及びメタクリラート、アクリルアミド、メタクリルアミド、(
1−C8−アルキル)アクリルアミド及び−メタクリルアミド、エトキシ化アク
リラート及びメタクリラート、ヒドロキシル−、アミノ−又はスルホ−置換(C1 −C8−アルキル)アクリルアミド及び−メタクリルアミド、ヒドロキシル−置
換C1−C8−アルキルビニルエーテル、アクリル酸又はメタクリル酸、N−ビニ
ルピロール、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−ビニ
ル−4,4′−ジアルキルオキサゾリン−5−オン、2−及び4−ビニルピリジ
ン、アリルアルコール;アルキル残基に第4級アミノ基とスルホン酸基を含むこ
とを特徴とするN−アルキルアクリルアミド又はN−アルキルメタクリルアミド
のような両性イオン性モノマーなどであり、これは網羅的なリストではない。
【0044】 適切な親水性コモノマーの例は、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)
、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、メタクリ
ル酸N,N−ジメチルアミノエチル(DMAEMA)、トリメチルアンモニウム
−2−ヒドロキシプロピルメタクリラート塩酸塩、3−〔(2−アクリルアミド
−2−メチルプロピル)ジメチルアミノ〕プロパンスルホナート、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アリルアルコール、ビニ
ルピリジン、グリセリンメタクリラート、N−(1,1−ジメチル−3−オキソ
ブチル)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)などである。
【0045】 好ましい親水性コモノマーは、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、N,N−
ジメチルアクリルアミド、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、3−〔
(2−アクリルアミド−2−メチルプロピル)ジメチルアミノ〕プロパンスルホ
ナート及びN−ビニル−2−ピロリドンである。
【0046】 重合性成分への個々のコモノマーの添加の好ましい範囲は、全重合性成分の0
〜60重量%、そして最も好ましくは0〜40重量%である。本発明のポリマー
の1つの好ましい実施態様において、基礎になる重合性成分は、コモノマーを欠
いている。本発明のポリマーの別の好ましい実施態様において、基礎になる重合
性成分は、全重合性成分の1〜60重量%、又は特に1〜50重量%の、1種又
は異なる2種以上のコモノマーを含むことを特徴とする(ここで、上記の意味と
優先が適用される)。
【0047】 本発明のポリマーの調製のために使用しうる典型的な架橋剤の例は、(メタ)
アクリル酸アリル、モノ−、ジ−、トリ−若しくはテトラエチレングリコールジ
アクリラート若しくはジメタクリラート、モノ−、ジ−、トリ−若しくはテトラ
エチレングリコールジウレタンアクリラート若しくは−メタクリラート、C2
8−アルキレンジアクリラート若しくはジメタクリラート、ジビニルエーテル
、ジビニルスルホン、ジ−及びトリビニルベンゼン、トリメチロールプロパント
リアクリラート若しくはトリメタクリラート、ペンタエリトリトールテトラアク
リラート若しくはテトラメタクリラート、ビスフェノールAジアクリラート若し
くはジメタクリラート、メチレンビスアクリルアミド若しくは−ビスメタクリル
アミド、エチレンビスアクリルアミド若しくはエチレンビスメタクリルアミド、
フタル酸トリアリル、フタル酸ジアリル、又は2,2,3,3,4,4−ヘキサ
フルオロペンタンジオールジアクリラート若しくはメタクリラート又は2,2,
3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサンジオールジアクリラート若し
くはメタクリラートのような、例えば、式(6): H2C=CR8−C(O)O−H2C−(CF21-10−CH2−O(O)C
−CR8=CH2 (6) 〔式中、R8は、水素又はメチルである〕で示される、フッ素化アルキレンジア
クリラート若しくはメタクリラートのような、低分子量のジ−又はポリビニル系
架橋剤である。
【0048】 架橋剤は、有利には<1,000の、好ましくは≦750の、そして更に好ま
しくは≦500の重量平均分子量を有する低分子量架橋剤である。
【0049】 本発明のポリマーの好ましい架橋剤成分(iii)は、モノ−、ジ−、トリ−若
しくはテトラエチレングリコールジアクリラート若しくはジメタクリラート又は
上記式(6)のフッ素化化合物である。重合性成分は、1種又は異なる2種以上
の架橋剤、好ましくは1種の架橋剤を含んでよい。
【0050】 重合性成分が架橋剤を含むならば、使用される量は、例えば、0.05〜20
%の範囲、好ましくは0.1〜10%の範囲、そして更に好ましくは0.5〜5
%の範囲である(各ケースにおいて全重合性成分の重量%による)。
【0051】 本発明の1つの好ましい実施態様は、上記式(1)の1種又は異なる2種以上
のモノマーだけからなる重合性成分を重合することにより得られる多孔性ポリマ
ーに関する。本発明の別の好ましい実施態様は、式(1)の1種又は異なる2種
以上のモノマー及び架橋剤からなる重合性成分を重合することにより得られる多
孔性ポリマーに関する(ここで、上記の意味と優先が各ケースにおいて適用され
る)。本発明の更に別の好ましい実施態様は、上記式(1)の1種又は異なる2
種以上のモノマー、1種又は異なる2種以上のコモノマー及び架橋剤からなる重
合性成分を重合することにより得られる多孔性ポリマーに関する(ここで、上記
の意味と優先が各ケースにおいて適用される)。
【0052】 本発明の重合性成分から、従来法で、例えば、適切な開始剤の存在下で透明ポ
リマーを得るように、式(1)の1種以上のモノマー、並びに場合により1種以
上のコモノマー、架橋剤及び/又は更に別の添加剤を(共)重合することにより
、無孔性ポリマーを得ることができる。重合を遂行するために、当該分野におい
て周知の標準法を利用することができるが、ラジカル重合が好ましい。ラジカル
重合は、適切な容器又は器中で、ベンゾインメチルエーテルのような光開始剤を
含む重合性成分を(紫外線を使用して)照射することにより、簡単に実施できる
。混合物は、モノマー間の重合を起こすのに十分な時間、照射される。あるいは
、レドックス開始、又はアゾビスイソブチロニトリルのような熱開始剤を使用す
る熱開始を利用することができる。
【0053】 ダロキュア(Darocure)1173(チバ・ガイギー社(Ciba-Geigy AG)の登
録商標)のような光開始剤を使用するモノマー混合物の光化学的開始は、好まし
い重合法である。
【0054】 本発明のポリマーは、好ましくは多孔性型に製造される。多孔性は、例えば、
US-A-5,244,799、US-A-5,238,613、US-A-4,799,931又はPCT出願WO 90/07575若し
くはWO 91/07687に開示されるような、当該分野における任意の既知の手段によ
り導入される。
【0055】 本発明の重合性成分から製造される多孔性ポリマーの本質的に示差的特徴の1
つは、これらが、完全に水に膨潤するとき、従来条件下で重合される同じポリマ
ーよりも高い含水量を有することである。本発明の多孔性ポリマーの含水量は、
完全に水に膨潤するとき、例えば、5〜60重量%、好ましくは10〜60重量
%、更に好ましくは20〜55重量%、そして特に好ましくは25〜50重量%
である。機械的穿孔又はエッチング工程のような、重合工程に続く何らの機械的
プロセスの存在なしに、特許請求される多孔性ポリマーは、その多孔性を有して
おり、それにより高い含水量を有しているため、多孔性ポリマーに関する上記定
義は、本発明に関連して理解すべきである。「従来条件」は、該条件が最も好ま
しくは任意の多孔性促進条件を除くこと、一方、多孔性促進条件が、本発明の多
孔性ポリマーを製造するために選択されることを、理解すべきである。
【0056】 このような多孔性促進条件は、本質的には、式(1)のモノマー、並びに場合
により更に別のコモノマー及び架橋剤を含むことを特徴とする重合性成分の、開
始剤又は他の添加剤の存在下での重合中のポロゲン(porogens)の使用である。
重合後、抽出により、又は化学分解とそれに続く抽出により、ポロゲンは除去さ
れる。ポロゲンは、マイクロエマルション系、エマルション系、ポリエチレング
リコール(PEG)又はポリプロピレングリコール(PPG)のような巨大分子
、デキストラン、相分離(溶媒/非溶媒系)、ゲル化剤、自己集合構造、崩壊性
ネットワーク、及び二連続(bicontinuous)マイクロエマルション系から作り出
すことができるが、これらに限定されない。
【0057】 しかしながら、高度にフッ素化されたモノマーが、他の物質とのその相互作用
において異常な特徴を有することは認識されよう。異常に低い表面エネルギーは
、このような特徴の1つである。別の特徴は、多くの溶媒、特に水中への低い溶
解度である。表面エネルギーが低いこと、並びに多くの普通の材料を吸着及び溶
解する傾向が低いことは、汚損及び劣化に対するその顕著な抵抗性、並びに非粘
着性及び汚染抵抗性の応用におけるフルオロポリマーの有用性の原因の一部にな
っている。フルオロケミカルの低い表面積及び溶解度の結果は、水及び他の普通
の媒体中の安定なエマルション及びマイクロエマルションを達成するのが難しい
ということである。例えば、当該分野において周知の標準的界面活性剤は、高い
比率のフルオロアクリラートを含む水性マイクロエマルションを安定化するのに
、一般に無効である。
【0058】 本発明の別の側面により、我々は今や、本明細書に記載される多孔性ポリマー
の製造に特に適しているプロセスを見い出した。本プロセスは、 a)重合性成分及び有機溶媒を含むことを特徴とする混合物を形成する工程(
ここで、重合性成分は、化合物(i)、並びに場合により上記の(ii)又は(ii
i)を含むことを特徴とする); b)該混合物を重合する工程(ここで、該混合物の重合直後に、少なくとも実
質的比率の該有機溶媒が、離散相の形にあり、そして該離散有機溶媒相が、混合
物全体に相互貫通ネットワークを形成するか、又は混合物全体に分散される);
並びに c)離散有機溶媒相を除去する工程 を含むことを特徴とする。
【0059】 重合性成分に関して、上記の意味と優先が適用される。
【0060】 有機溶媒は、好ましくは短鎖アルコール、アミン又はエーテルよりなる群から
選択される。短鎖アルコール、アミン又はエーテルは、環状、分岐状又は直鎖状
であってよい。分岐鎖化合物は、特に好ましい。短鎖化合物内の炭素原子の数は
、1〜12であってよい;しかしその数は2〜8であることが好ましい。好まし
い有機溶媒の例は、1−プロパノール、イソプロパノール、ジイソプロピルエー
テル、2−又は3−ヘキサノール、シクロペンタノール、3−ヘキシルアミン及
びイソプロピルアミンである。C2−C8−アルコールの使用が特に好ましい。
【0061】 重合性成分は、有機溶媒及び他のオプションの成分と任意の便利な手段により
混合してもよい。例えば、重合性成分は、有機溶媒及び他の任意の成分と、振盪
又は撹拌により混合してもよい。成分を加える順序は、厳密に重要ではない。重
合性成分を作り出す種々の成分は、混合物に組み込む前に合わせる必要はない。
混合物は、均質な溶液の形であるか、又は分散液、マイクロエマルション若しく
は好ましくは共連続的な(co-continuous)マイクロエマルションの形のように
、別個の相として有機溶媒を含んでいてもよい。多孔性ポリマーの形態を制御す
るのは、重合中の混合物の形であるため、重合前の混合物の形は、厳密に重要で
はない。
【0062】 少量の改質成分を、場合により重合前に混合物に加えてもよい。例えば、孔径
及び形態を制御するために、他の溶媒を加えてもよい。適切な溶媒は、酢酸エチ
ル、ジメチルホルムアミド、水及びフッ素化アルコールを包含する。
【0063】 界面活性剤、好ましくはフッ素化界面活性剤を、混合物に組み込んでもよい。
界面活性剤の使用は、孔の径と密度を制御する有効な手段である。フッ素を含む
非イオン性界面活性剤が好ましい。特に好ましい界面活性剤は、ゾニル(Zonyl
)(デュポン(DuPont))及びフルオラッド(Fluorad)(3M)のような市販
のフッ素化界面活性剤を包含する。過フッ素化疎水性テール部及び親水性ポリ(
エチレンオキシド)のヘッド基から構成されるゾニルFS300(デュポン)は
、本プロセスにおける使用のために特に好ましい界面活性剤である。
【0064】 当該分野に既知の重合性界面活性剤及び2−アクリロイルオキシエチルホスホ
リルコリン、10−メタクリロイルオキシデシルホスホリルコリンなどのような
両性イオン性化合物もまた、湿潤性及び形態の制御のための好ましい添加剤であ
る。
【0065】 混合物は、一般に重合性成分の開始に関して上述されるような任意の便利な方
法により重合することができる。適切な重合条件は、当業者には明らかとなろう
。温度は、−100〜350℃の範囲であり、圧力は、大気圧未満から大気圧を
超えるまでの範囲であってよい。無酸素条件を利用することができる。
【0066】 重合直後に、実質的比率の有機溶媒は、離散相の形にあることが必須である。
離散有機溶媒相は、重合された成分全体にわたる相互貫通ネットワークの形にあ
るか、又は重合された成分全体に液滴として分散される。
【0067】 実質的比率の有機溶媒が離散相の形にあるということにより、有機溶媒相の相
互貫通ネットワーク又は有機溶媒相の分散液のいずれかを形成するのに十分な、
有機溶媒相が存在することを意味すると理解されたい。当業者には、重合成分及
び有機溶媒に応じて、ある比率の有機溶媒が、重合成分に、そして最後には多孔
性ポリマーに吸着され、又は保持されることが理解されよう。典型的には、60
%を超える有機溶媒が、重合直後に離散相の形にある。80%を超える有機溶媒
が離散相の形にあることが好ましく、95%を超える有機溶媒が離散相の形にあ
ることが更に好ましい。
【0068】 有機溶媒相が重合成分中に相互貫通ネットワークを形成することにより、網状
の孔形態を有する多孔性ポリマーが生成されることが特に好ましい。網状の孔形
態は、相互連結したポリマー球形粒子よりなる連続気泡のスポンジ様構造であっ
ても、又は相互連結した一般に球状孔のアレイを伴う連続気泡構造を有していて
もよい。
【0069】 別の好ましい実施態様において、多孔性ポリマーは、ポリマー全体に分散され
た離散孔を伴う独立気泡構造の形にあってもよい。
【0070】 有機溶媒は、任意の便利な手段により多孔性ポリマーから除去してよい。溶媒
の除去のための適切な手段は、蒸発、イソプロピルアルコール及び続いて水のよ
うな他の溶媒との交換を含むか、又は溶媒は、水のような適切な溶媒で多孔性ポ
リマーから単純に洗い出してもよい。
【0071】 本発明のプロセスは、種々の孔径及び形態の材料を生成するのに有用である。
個々の孔の平均孔径の上限は、約5ミクロンであり、100ナノメートルが典型
的であるが、径が約10ナノメートルの孔も得られる。孔は相互貫通ネットワー
クを形成してもよい。これらの形態を、確定した分子量の分子に対する浸透性に
関して性状解析することは更に有用である。これは実施例に記述される。
【0072】 多孔性ポリマーの形態及び多孔性は、モノマーに対する有機溶媒の比を変更す
ることにより制御しうる。高い比の有機溶媒では、相互連絡したポリマー球形粒
子よりなる連続気泡のスポンジ様構造が得られる。もっと低い比では、孔の網状
ネットワークが得られる。更に低い比では、独立気泡の形態が得られる。
【0073】 本方法の特に有用な実施態様は、連続的相互貫通ネットワーク構造の形で有機
溶媒相を有するものであり、これは容易に抽出されて、多孔性ポリマーを通して
の流体及び径の小さい粒子の容易な通過を許す、孔の網状ネットワークを有する
多孔性過フッ素化ポリマー材料を後に残すことができる。孔の大きさ及び密度は
、有機溶媒に対する重合性成分の比により制御することができる。本明細書に上
述される界面活性剤の使用により、小さな変更を行うことができる。少ない比率
の水の添加も、多孔性を上昇させる。
【0074】 適切な選択により、生じるコポリマーは、光学的に透明であり、水性媒体、組
織及び細胞物質との良好な調和を提供する屈折率を有する。結果として、本発明
のコポリマーは、角膜アンレー又はインプラントのような、眼科用装置又は眼用
プロテーゼとしての使用のために理想的である。
【0075】 本発明の更に別の実施態様は、成形品、特に生物医学的成形品の製造のための
本発明の無孔性及び多孔性ポリマーの使用に関する。適切な成形品は、本発明の
ポリマーを含むことを特徴とする、例えば、生物医学的装置、例えば、コンタク
トレンズ、眼内レンズ又は人工角膜のような眼科用装置である。本発明の多孔性
ポリマーからの成形品が、特に好ましく、そして本発明の更に別の実施態様に相
当する。
【0076】 本発明により製造されるポリマーは、当該分野において周知であるように、成
形及び加工の従来法を使用して、他の有用な物品に形成してもよい。本発明のポ
リマーの視覚的透明性を前提とすれば、これらは、組織培養装置、光学器械、顕
微鏡スライドなどにおいて、その用途を見い出すことができる。
【0077】 本発明の更に別の側面は、膜又はフィルターとして、フィルム又はシートの形
で本発明の多孔性ポリマーを使用することである。このようなポリマーフィルム
は、別の支持フィルムと積層して複合材料を形成することができる。このような
応用には、気体又は液体に対する透過性を包含する。
【0078】 本発明の多孔性ポリマーは、工業用膜、蓄電器、家庭内逆浸透、体内埋入グル
コースモニター、カプセル化生物学的インプラント、例えば、膵島(ランゲルハ
ンス島)、薬物送達パッチ、浸透圧を使用する膜蒸留、活性化合物の徐放、バイ
オリアクター又はバイオセンサーにおいて使用するための固定化リガンドを含む
、種々の応用を有する膜としての用途に適している。他の応用は、創傷治癒包帯
;代用血管、薬物送達パッチ、活性化合物の徐放用材料、及び食品、乳製品、ジ
ュース、低アルコールビール工業における限外濾過を含む、バイオテクノロジー
及び生物医学的応用を含む。
【0079】 本発明のポリマーは、多孔性であれ無孔性であれ、一般に細胞に対して生体適
合性であり、そして化学的に安定な性質であるため、これらのポリマーは、ポリ
マーの表面に表面コーティングを適用することにより、特定の応用に強化するこ
とができる。このような表面コーティングは、浸漬コーティング工程により、又
はRFガスプラズマ沈着法若しくは特定の化学種若しくは分子の共有結合により
適用される親水性コーティングであってよい;あるいは、このようなコーティン
グは、多孔性ポリマーの表面に適用されるゲルであってもよい。ポリマーの細胞
増殖性を更に強化する目的のこのようなコーティングは、フィブロネクチン、ビ
トロネクチン、ラミニン、トロンボスポンジン、若しくはそのペプチド配列断片
のような分子の共有結合又は吸着、あるいはこれらのタンパク質を含む(または
含有する)ゲルの共有結合又は吸着であってよい。
【0080】 本発明のポリマーは、多孔性であれ無孔性であれ、インビボ又はインビトロの
ヒト又は動物細胞の付着及び増殖のための材料、医用インプラント(例えば、体
内埋入可能な半透膜材料、美容外科における組織インプラント、膵島細胞のよう
なホルモン分泌細胞を含むインプラント、***インプラント、人工関節など)と
して、人工臓器、組織培養装置(例えば、瓶、トレイ、皿など)において、生物
学的反応器(例えば、細胞培養による有用タンパク質及び他の成分の産生におい
て使用されるもの)において、医用装置の作成用の材料として、あるいは代用血
管、カテーテル、人工膵臓などのコーティングのような、生物医学的又は医用生
体材料の装置又は適用のためのコーティングとして、あるいはコンタクトレンズ
、眼内レンズ若しくは人工角膜のような眼科用装置、又は角膜インプラントのよ
うな眼用プロテーゼのための材料として特に有用である。
【0081】 角膜インプラントのような眼用プロテーゼは、鋳型の中の重合性成分の共重合
により作ることができ、そして場合により生じるコポリマーは、所望のコンフォ
メーションに作成又は加工することができる。眼用プロテーゼは、それ自体当業
者に周知である他の方法により作ることができる。多孔性は、上述のように与え
られる。
【0082】 角膜インプラントは、従来の手術法により、角膜上皮組織の下、内又は全体に
、あるいは角膜ストロマ内又は角膜の他の組織層内に配置される。このようなイ
ンプラントは、角膜の光学的性質を変化させる(例えば、視覚の欠乏を矯正する
ため)か、かつ/又は瞳孔の色のような目の外観を変化させる。角膜インプラン
トは、体内に埋入されると瞳孔を覆って視力を与える光軸領域、及び光軸領域の
周縁部を囲む透明度が低い領域を含むことを特徴とする。あるいはインプラント
は、その寸法にわたって同じ視力であってもよい。
【0083】 角膜インプラントを通過する、即ち、上皮細胞と、ストローマ細胞、更には内
皮細胞層及びそれ以上の間を通過する、タンパク質及び糖タンパク質(例えば、
成長因子、ペプチド及びタンパク質ホルモン、並びに必須金属の輸送に関連する
タンパク質)などのような高分子量組織液成分の流動が、長期の維持管理並びに
角膜インプラント前方及び後方組織の生存にとって重要であることが見い出され
た。したがって角膜インプラントは、有利には約10,000ダルトンを超える
分子量を有する組織液成分の通過を許すのに十分な多孔性を備えられ、そのこと
により、低分子量栄養分(例えば、グルコース、脂肪及びアミノ酸)及びインプ
ラント前方細胞と後方細胞の間の呼吸ガスに加えて、組織液成分の流動を可能に
している。
【0084】 好ましくは角膜インプラントは、10,000ダルトンまでの、及び10,0
00〜1,000,000ダルトンのようなこれを超える分子量のタンパク質及
び他の生物学的高分子の流入を許すのに十分であるが、角膜アンレーの光軸領域
への細胞及び組織侵入を許すには十分でない多孔性を有する。インプラントの多
孔性が、孔により提供される場合、光軸領域は、複数の孔(その数は、何ら限定
されないが、インプラントの前方及び後方領域の間の組織成分の流動を与えるの
に十分な数である)を含む。好ましくは、光軸領域内に形成される孔は、視覚矯
正に関して何らかの問題を引き起こす程度までの可視光の屈折を生じない。孔と
いう用語は、規則的形態であっても不規則的形態であってもよい孔の性質に何ら
幾何学的制限を設けないことを理解されたい。全ての孔が同じ直径であるとは限
らないことを、認識すべきである。
【0085】 光軸領域の外側で、角膜インプラントは、光軸領域と同じ多孔性を有してもよ
い。あるいは、光軸領域の周縁部を囲むインプラントのこの領域(スカートと呼
んでもよい)は、角膜の細胞の内殖を許すことで、眼へのインプラントの定着を
助けてもよい。
【0086】 スカートにおける多孔性は、スカートが形成される材料に固有の特色であって
よい。この点に関して、スカートは光軸領域と同じ材料から形成されて、それと
一体でありうることを認識されたい。この状況で、異なる直径の孔を、光軸領域
及びスカートにおいて形成してもよい。あるいは、スカートは、光軸領域とは異
なる材料から形成してもよく、そしてこの材料は、この組織の内殖を許すように
、光軸領域よりも多孔性の高いものである。好ましくはスカートは、光軸領域と
同様に光学的に透明なポリマーからなってよいか、又はスカートは、光学的に不
透明な材料からなるか、若しくは光学的に透明でない多孔性材料から作られてい
てもよい。
【0087】 本明細書及び続く請求の範囲を通じて、他に状況が要求しなければ、「含む(
comprise)」、又はその異形(例えば、「comprises」又は「comprising」)は
、述べられる完全体又は完全体の群の包括を意味するが、任意の他の完全体又は
完全体の群の排除を意味するものではないことを理解されたい。
【0088】 本発明は、以下の非限定的な実施例において更に記述される。他に記載がなけ
れば、全ての部は重量部である。温度は摂氏度である。モノマー又はポリマーの
分子量は、他に明記されなければ、数平均分子量である。
【0089】 実施例1:(アクリル酸1,1−ジヒドロペルフルオロオクチルの合成):トリ
クロロトリフルオロエタン(50ml)中の新たに蒸留した塩化アクリロイル(2
.2ml、27.5mmol)の溶液を、トリクロロトリフルオロエタン(100ml)
中の1,1−ジヒドロペルフルオロオクタン−1−オール(10.0g、25.
0mmol)及び無水トリエチルアミン(4.2ml、30.0mmol)の氷***液に滴
下した。混合物を0℃でアルゴン雰囲気下に3時間撹拌した。混合物を濾過して
、残留物をトリクロロトリフルオロエタン(3×30ml)で抽出した。合わせた
濾液を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(50ml)及び塩化ナトリウムの飽和
水溶液(50ml)で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥した。混合物を濾過し
て、ヒドロキノン(200mg)を加え、次いで溶媒を減圧下に室温で除去した。
減圧下での蒸留(沸点50℃/0.6mmHg)により、アクリル酸1,1−ジヒド
ロペルフルオロオクチル(7.86g、収率70%、純度>92%)を無色の油
状物として得た。1H−NMR(CDCl3)d 4.66、br t、J 13
.5Hz、OCH2;5.92−6.26、m、2H、及び6.46−6.60、
m、1H、CH2=C。
【0090】 実施例2〜11:アクリル酸1,1−ジヒドロペルフルオロオクチル(50部)
、表1の溶媒(50部)及びエチレングリコールジメタクリラート(2.5部)
の混合物を、ポリプロピレン平押し金型中で、ラジカル開始剤のダロキュア(1
.5部)の存在下で3時間照射した。
【0091】 抽出の標準的手順: 成形品取り出し後、得られた平円板を室温で過フッ素化溶媒(例えば、PF5
060、ミネソタマイニングアンドマニュファクチュアリング社(Minnesota Mi
ning and Manufacturing Company)(3M)又はバートレル(Vertrel)XF、
デュポン)中で24時間抽出し、次に酢酸イソプロピル(IPAc)中に24時
間、次にイソプロピルアルコール(IPA)中に24時間、次にエタノール中に
24時間、次に75:25のエタノール/水中に24時間、次に50:50のエ
タノール/水中に24時間、次に25:75のエタノール/水中に24時間、次
に水中に24時間、そして次に新鮮な水中に更に3時間置いた。
【0092】 ウシ血清アルブミンに対するポリマーの多孔性測定の手順: 平らな直径20mmのポリマーディスク(上述のように水との交換により「水和
」されている)を、2つのチャンバー(一方は、リン酸緩衝化生理食塩水(PB
S)中のウシ血清アルブミン(BSA)の8mg/ml溶液を含み、そしてもう一方
のチャンバーは、PBSだけを充填されている)の間にクランプで取り付けた。
24時間後、試料をPBSチャンバーから取り出して、紫外線吸光度を280nm
(A280)で測定することにより、BSAが少しでも中央に固定された膜を通
って拡散したかどうかを決定した。吸光度の読みが高いほど、BSA拡散の速度
が大きいことを示し、したがって相対的に大きな孔径及び/又は大きな孔密度を
有する構造を示している。結果を表1に示した:
【0093】
【表1】
【0094】 データは、実施例2〜11のポリマーが、分子量67,000ダルトンの球形
タンパク質であるウシ血清アルブミンの分子量までの大きさの分子に対して、そ
れぞれ有効に多孔性であることを示した。
【0095】 実施例12〜30:下記表2に略述される組成物を、各ケースでポリプロピレン
平押し金型(0.2mm厚)に入れて、365nmUV灯からの照射下で3時間重合
した。表中の略語は、以下の意味である:Darocure=ダロキュア(登録商標)1
173(光開始剤、チバ・ガイギー);DHPFOA=アクリル酸ジヒドロペル
フルオロオクチル;DHPFEA=アクリル酸ジヒドロペルフルオロエチル;D
HPFBA=アクリル酸ジヒドロヘプタフルオロブチル;THPFOA=アクリ
ル酸テトラヒドロペルフルオロオクチル;EGDMA=エチレングリコールジメ
タクリラート;EGDA=エチレングリコールジアクリラート;TEGDMA=
テトラエチレングリコールジメタクリラート;TEGDA=テトラエチレングリ
コールジアクリラート;HEMA=メタクリル酸2−ヒドロキシエチル;DMA
=N,N−ジメチルアクリルアミド;DMAEMA=メタクリル酸N,N−ジメ
チルアミノエチル;AMPPS=3−〔(2−アクリルアミド−2−メチルプロ
ピル)ジメチルアミノ〕プロパンスルホナート;プロパノール(Propanol)=n
−プロパノール;IPAc=酢酸イソプロピル;ZonylFSN=ゾニルFSN1
00(非イオン性フッ素化界面活性剤〔デュポン〕);ZonylFSO=ゾニルF
SO100(非イオン性フッ素化界面活性剤〔デュポン〕)。
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】 材料は、各ケースで実施例2〜11に略述される標準的手順により抽出した。
材料は光学的に清澄であった。
【0099】 多孔性測定のための標準的手順: 厚さ既知(普通0.1又は0.2mm厚)のポリマーの平円板を2つのチャンバ
ーの間にクランプで取り付けた。一方のチャンバーは、PBS緩衝液を充填し、
もう一方は、典型的にはウシ血清アルブミン、リゾチーム、又はトリプトファン
のいずれかであるタンパク質溶液(8mg/ml)を充填した。試料は、6時間又は
24時間撹拌した。次に当初緩衝液が入っていたチャンバー内の溶液を取り出し
、そのUVスペクトルを測定した。280nmの吸光度を記録した。このタンパク
質は280nmに最大吸光度を有するため、観測される280nmの吸光度は、膜を
透過したタンパク質の量に比例する。
【0100】
【表4】
【0101】 データは、実施例14、27及び28のポリマーを除く全てのポリマーが、分
子量67,000ダルトンの球形タンパク質であるウシ血清アルブミンの分子量
までの大きさの分子に対して多孔性であることを示した。実施例27及び28の
ポリマーは、ウシ血清アルブミン、リゾチーム又はトリプトファンのいずれにも
有効に多孔性ではなかった。
【0102】 細胞付着及び増殖測定法の標準的手順 継代数2〜4の間の培養ウシ角膜上皮細胞(BCEp)を使用して、各コポリ
マーの相対的な細胞付着及び増殖性能を測定した。試験ポリマーは、滅菌生検用
パンチを用いて、直径6mmのディスクに切り出した(各試料は三重に調製した)
。反復試験片を、96ウェル形式組織培養用ポリスチレン(TCPS)トレイの
個々のウェルに移し、120μg/mlペニシリン及び200μg/mlストレプトマイ
シンを含むリン酸緩衝化生理食塩水中に、室温で一晩放置した。
【0103】 細胞を、TCPS単独上の反復試験片を含め、各試料表面に5×103細胞/
ウェルの密度で接種し、ウシ胎仔血清(20%(v/v)の濃度のFBS)、60
μg/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシンを補足したダルベッコー
最少必須培地/ハム(Ham′s)F12(50:50、v/v)を含む培地中で7日
間培養し、そして37℃で空気中、CO25%の加湿雰囲気で維持した。培地を
、2日に1回交換した。
【0104】 各試料で7日目に存在する相対的細胞数を測定するために、細胞をMTT(生
存細胞中のデヒドロゲナーゼ酵素により、着色した不溶性の紫色染料に変換する
、水溶性テトラゾリウム塩)の0.5mg/ml溶液中で4時間インキュベートした
。着色した最終生成物をDMSOで可溶化し、プレートリーダー(波長595nm
)で吸光度値を測定して、標準陽性対照(組織培養において使用するために処理
されている市販のポリスチレン(TCPS))の表面で増殖した細胞で得られた
吸光度値の百分率(±標準偏差)として表した。
【0105】 角膜組織増殖(outgrowth)検定法の標準的手順 各ポリマー試料の直径20mmの反復試験片を、6ウェル組織培養用ポリスチレ
ン(TCPS)トレイの個々のウェルに移し、120μg/mlペニシリン及び20
0μg/mlストレプトマイシンを含むリン酸緩衝化生理食塩水中に、室温で一晩放
置した。各処方を、三重測定で評価した。
【0106】 角膜は、新たに摘出したウシの眼から切り出し、宝石商鉗子を用いて内皮を注
意深く除去した。次に大部分のストロマを除去して、約10%のストロマがなお
付着している無損傷の上皮層を残した。直径6mmの組織外植片のディスクを、滅
菌生検用パンチで残留上皮層から切り出して、各1個を反復試験片ポリマーディ
スクの中央に上皮を上に向けて置いた。外植片を、5μg/mlインスリン、5μg/
mlトランスフェリン、5ng/ml亜セレン酸、60μg/mlペニシリン及び100μg
/mlストレプトマイシンを補足したダルベッコー最少必須培地/ハムF12から
なる培地中で、血清の非存在下で培養した。外植片は、37℃で空気中、CO2
5%の加湿雰囲気で8日間培養し、培地は、3日目と6日目に交換した。8日目
に、外植片をメチレンブルー(ホウ酸緩衝液pH8.4中1%(w/v))で染色
し、増殖面積を画像解析(クァンティメット(Quantimet)570、ライカ・ケ
ンブリッジ(Leica Cambridge))により測定した。平均(±標準偏差)組織増
殖指数(MI)は、各外植片の最終展開面積をその初期組織面積で割ることによ
り計算した。1.00の組織増殖(outgrowth)指数(MI)は、ゼロ増殖を意
味し、材料の表面が組織増殖を支持しなかったことを示している。
【0107】
【表5】
【0108】 データは、本ポリマーが哺乳動物細胞の付着及び増殖を支持することを示した
。本ポリマーはまた、ポリマーの表面上での上皮組織の増殖をも支持した。これ
らの結果は両方とも、本ポリマーが一般に細胞及び組織に対して生体適合性であ
ることをも示した。
【0109】
【表6】
【0110】 データは、本ポリマーが哺乳動物細胞の付着及び増殖を支持することを示した
。本ポリマーはまた、ポリマーの表面上での上皮組織の増殖をも支持した。これ
らの結果は両方とも、本ポリマーが一般に細胞及び組織に対して生体適合性であ
ることをも示した。
【0111】
【表7】
【0112】 データは、実施例25のポリマーが、陽性対照材料(TCPS)と同等程度ま
で、哺乳動物細胞の付着及び増殖を支持することを示した。
【0113】
【表8】
【0114】 データは、実施例26のポリマーがポリマーの表面上での上皮組織の増殖を支
持することを示した。これらの結果は両方とも、本ポリマーが一般に細胞及び組
織に対して生体適合性であることをも示した。
【0115】
【表9】
【0116】 データは、本ポリマーが哺乳動物細胞の付着及び増殖を支持することを示した
。本ポリマーはまた、ポリマーの表面上での上皮組織の増殖をも支持した。これ
らの結果は両方とも、本ポリマーが一般に細胞及び組織に対して生体適合性であ
ることをも示した。
【0117】
【表10】
【0118】
【表11】
【0119】
【表12】
【0120】 データは、実施例28〜30のポリマーが全てポリマーの表面上での上皮組織
の増殖を支持することを示した。
【0121】 実施例31:(含水量(EWC)の測定) 1,3−プロパンスルトン(2.0
g)を、バートレルXF/メタノールの50:50溶液(10ml)に膨潤させた
、実施例18において調製された材料の3個の乾燥試料に加えた。混合物を、一
晩加熱還流した。次に改変試料を、実施例2〜11に概略を示された標準的手順
によって抽出した。3個の試料の平衡含水量(EWC)を測定して、32.1%
±0.6%であることが判った。
【0122】 更に、実施例18のポリマーの8個の試料のEWCを測定して、16.6%±
1.7%であることが判った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 20/10 C08J 5/00 CEY C08J 5/00 CEY G02B 1/04 G02B 1/04 G02C 7/04 G02C 7/04 C08L 33:00 // C08L 33:00 A61L 15/01 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オ ーガニゼーション COMMONWEALTH SCIENT IFIC AND INDUSTRIAL RESEARCH ORGANIZAT ION オーストラリア国 2601 オーストラリア ン キャピタル テリトリー キャンベル ライムストーン アベニュー 番地なし (72)発明者 ヒューズ,ティモシー チャールズ オーストラリア国 ビクトリア 3156 フ ァーンツリー ガリー クルーソー ドラ イブ 22 (72)発明者 メイジス,ゴルドン フランシス オーストラリア国 ビクトリア 3163 マ ランベナ ヘンティ ストリート 3 (72)発明者 チャオウク,ハッサン アメリカ合衆国 ジョージア 30329 ア トランタ リンカーン コート アベニュ ー 1331 (72)発明者 スティール,ジョン ジェラード オーストラリア国 ニューサウスウェール ズ 2151 ノース ロックス ザ キャリ ッジウェイ 7 (72)発明者 ジョンソン,グラハム オーストラリア国 ニューサウスウェール ズ 2210 ピークハースト ムーンバラ アベニュー 10 Fターム(参考) 2H006 BB06 4C081 AA02 AA12 AB21 AB22 CA13 CB04 CC05 DB03 4C097 AA24 AA25 DD01 EE06 FF05 SA10 4F071 AA33 AA35 AH02 AH12 AH19 BC01 4J100 AB02Q AB03Q AB10Q AC03Q AC04Q AE02Q AE64R AG02Q AG04Q AG71R AJ08Q AJ09Q AL03Q AL04Q AL08P AL08Q AL09Q AL63R AL66R AM02Q AM15Q AM17Q AM21P AM24R AP01R AS07Q BA03P BA08R BA12P BA34P BA55Q BA56R BA81Q BB10P BB12P BC02Q CA04 CA05 JA51

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)式(1): Q−X−A (1) 〔式中、Qは、式(2): 【化1】 で示されるラジカルであり、 Q1は、式(3a)又は(3b): 【化2】 で示されるラジカルであり、 (alk)は、直鎖状又は分岐状のC2−C12−アルキレンであり、 (alk′)は、直鎖状又は分岐状のC1−C12−アルキレンであり、 Rは、更に置換されていてもよい、2〜24個の炭素原子を有するオレフィン
    性不飽和の共重合性ラジカルであり、 s及びtのそれぞれは、他と独立に、0又は1の数であり、 Xは、基:−O−、−S−又は−NR1−であり、かつR1は、水素、C1−C4 −アルキル又はラジカルAであり、そして Aは、式(4): −〔(CH2a−(Y)z−(CHF)b−(CF2c〕−R2 (4
    ) (式中、R2は、水素又はフッ素であり、Yは、基:−N(R3)SO2−、−O
    SO2−、−OC(O)−又は−N(R3)C(O)−であり、R3は、水素又は
    1−C4−アルキルであり、zは、0又は1の整数であり、aは、1〜15の整
    数であり、bは、0〜6の整数であり、そしてcは、1〜20の整数である)で
    示されるラジカルであるか、あるいは Aは、部分的又は全体的にフッ素化されているC4−C8−シクロアルキルであ
    る〕で示されるラジカル重合性不飽和モノマー、並びに場合により (ii)コモノマー及び/又は (iii)架橋剤 を含むことを特徴とする重合性成分を重合することにより得られる多孔性ポリマ
    ーで、水で完全に膨潤するとき、従来条件下で重合される同じポリマーよりも高
    い含水量を有する多孔性ポリマー。
  2. 【請求項2】 Qが、式(2)〔ここで、sが、0であり、Q1が、上記式
    (3a)のラジカルであり、tが、0であり、そしてRが、式(5): 【化3】 (式中、lは、0の数であり、R4は、水素、C1−C4−アルキル又はハロゲン
    であり、そしてR5及びR6のそれぞれは、他と独立に、水素、C1−C4−アルキ
    ル、フェニル、カルボキシ又はハロゲンであるで示されるラジカルである)〕に
    対応する請求項1記載の多孔性ポリマー。
  3. 【請求項3】 Qが、下記式: 【化4】 で示されるラジカルである、請求項1又は2記載の多孔性ポリマー。
  4. 【請求項4】 Xが、−O−、−NH−又は−N(C1−C2−アルキル)−
    である、請求項1〜3のいずれか1項記載の多孔性ポリマー。
  5. 【請求項5】 Aが、式(4)(ここで、R2は、水素又はフッ素であり、
    zは、0であり、aは、1〜4であり、bは、0〜4であり、そしてcは、1〜
    10である)のラジカルである、請求項1〜4のいずれか1項記載の多孔性ポリ
    マー。
  6. 【請求項6】 Aが、式(4a): −(CH2a−(CF2c−R2 (4a) で示されるラジカルであり、R2は、水素又はフッ素であり、aは、1又は2の
    整数であり、そしてcは、1〜10の整数である、請求項1〜5のいずれか1項
    記載の多孔性ポリマー。
  7. 【請求項7】 重合性成分が、式(1)〔ここで、Qは、下記式: 【化5】 で示されるラジカルであり、Xは、−O−、−NH−又は−N(C1−C2−アル
    キル)−であり、そしてAは、式(4a): −(CH2a−(CF2c−R2 (4a) (式中、R2は、水素又はフッ素であり、aは、1又は2の整数であり、そして
    cは、1〜10の整数である)で示されるラジカルである〕のモノマーを含むこ
    とを特徴とする、請求項1記載の多孔性ポリマー。
  8. 【請求項8】 重合性成分が、式(1)の1種又は異なる2種以上のモノマ
    ーからなる、請求項1〜7のいずれか1項記載の多孔性ポリマー。
  9. 【請求項9】 重合性成分が、式(1)の1種又は異なる2種以上のモノマ
    ー及び架橋剤からなる、請求項1〜7のいずれか1項記載の多孔性ポリマー。
  10. 【請求項10】 架橋剤が、モノ−、ジ−、トリ−若しくはテトラエチレン
    グリコールジアクリラート若しくはジメタクリラート又は式(6): H2C=CR8−C(O)O−H2C−(CF21-10−CH2−O(O)C
    −CR8=CH2 (6) 〔式中、R8は、水素又はメチルである〕で示されるフッ素化化合物である、請
    求項9記載の多孔性ポリマー。
  11. 【請求項11】 重合性成分が、式(1)の1種又は異なる2種以上のモノ
    マー、1種又は異なる2種以上の親水性コモノマー及び架橋剤からなる、請求項
    1〜7のいずれか1項記載の多孔性ポリマー。
  12. 【請求項12】 a)重合性成分及び有機溶媒を含むことを特徴とする混合
    物を形成する工程(ここで、重合性成分は、請求項1記載の式(1)のラジカル
    重合性不飽和モノマー、並びに場合により更に別のコモノマー及び/又は架橋剤
    を含むことを特徴とする); b)該混合物を重合する工程(ここで、該混合物の重合直後に、少なくとも実
    質的比率の該有機溶媒が、離散相の形にあり、そして該離散有機溶媒相が、混合
    物全体に相互貫通ネットワークを形成するか、又は混合物全体に分散される);
    並びに c)離散有機溶媒相を除去する工程 を含むことを特徴とする、請求項1記載の多孔性ポリマーの製造方法。
  13. 【請求項13】 有機溶媒が、C2−C8−アルコールである、請求項12記
    載の方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜11のいずれか1項記載の多孔性ポリマーを含
    むことを特徴とする成形品。
  15. 【請求項15】 生物医学的装置、特に眼科用装置である、請求項14記載
    の成形品。
  16. 【請求項16】 医用インプラントである、請求項14記載の成形品。
  17. 【請求項17】 眼用プロテーゼ、特に角膜インプラントである、請求項1
    4記載の成形品。
  18. 【請求項18】 創傷治癒包帯である、請求項14記載の成形品。
  19. 【請求項19】 細胞増殖材料としての、請求項1記載の重合性成分を重合
    することにより得られる無孔性又は多孔性ポリマーの使用。
  20. 【請求項20】 生物医学的又は生体材料の装置又は応用のための細胞増殖
    支持性コーティングとしての、請求項1記載の重合性成分を重合することにより
    得られる無孔性又は多孔性ポリマーの使用。
  21. 【請求項21】 移植可能な眼内レンズ又は人工角膜の製造のための、請求
    項1記載の重合性成分を重合することにより得られる無孔性又は多孔性ポリマー
    の使用。
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