JP2002525120A - ペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼ - Google Patents

ペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼ

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JP2002525120A JP2000572381A JP2000572381A JP2002525120A JP 2002525120 A JP2002525120 A JP 2002525120A JP 2000572381 A JP2000572381 A JP 2000572381A JP 2000572381 A JP2000572381 A JP 2000572381A JP 2002525120 A JP2002525120 A JP 2002525120A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、宿主細胞中で分泌可能なポリペプチドを産生するための方法、およびこのような方法に有用なA.niger由来の新規なペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼを提供する。上記の方法は、この宿主細胞中にペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼを過剰発現させ、それによりこの分泌されたポリペプチドの収率を増大させる工程を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、新規な酵素に関する。特に、本発明は、新規なシクロフィリン様ペ
プチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼに関する。
【0002】 ほとんどのタンパク質過剰産生ストラテジーでは、非常に高レベルの転写を指
向し得る強力なプロモーターが、異種タンパク質および同種タンパク質をコード
する遺伝子を過剰発現させるために使用される。タンパク質分泌における制限は
、翻訳レベルおよび翻訳後レベルでの狭い通路に起因するようである(Tsuc
hiya,K.ら、(1992)Applied Microbiology
38:109〜114)。タンパク質の適切な折り畳みは、搬出受容能に必要と
される。過剰発現した異種タンパク質は、不適切に折り畳まれ得、次いで分泌経
路を通じてのタンパク質輸送の間に分解され得る。従って、折り畳み欠損の補正
が、タンパク質分泌を増強するために所望され得る。
【0003】 タンパク質の折り畳みは、多数の因子により触媒される。この多数の因子には
、2つのイソメラーゼファミリー、すなわち、ジスルフィド結合形成を触媒する
タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、およびXaaプロリン結合の異性化を触
媒するペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼが挙げられる。
【0004】 S.cerebvisiaeにおけるタンパク質ジスルフィドイソメラーゼの
過剰発現は、ヒト血小板由来増殖因子の分泌の増大を生じる(Robinson
ら、1994)。しかし、A.nigerタンパク質ジスルフィド結合イソメラ
ーゼの過剰発現は、鶏卵白リゾチーム(HEWL)またはグルコアミラーゼの分
泌における増大を生じなかった(Ngiam C.、Jeenes,D.J.J
.、Punt,P.J.van den Hondel,C.A.M.J.J.
、Archer,D.A.(1998);Characterisation
of a foldase,PDIA,in the protein sec
retory pathway of Aspergillus niger;
提出済)。
【0005】 タンパク質の折り畳みにおいて最も遅い工程のうちの1つは、Xaaプロリン
結合のシス−トランス異性化である。この異性化は、ペプチジルプロリルシス−
トランスイソメラーゼが存在する場合に著しく加速される。異なる生物由来のシ
クロフィリンファミリーのペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼは、
インビトロでフォルダーゼ(foldase)活性を保有することが示されてい
る(Schonebrunner E.R.、Mayer S.、Tropsc
hug M.、Fischer G.、Takahashi N.、Schmi
d,F.(1991);Catalysis of protein fold
ing by cyclophilins from diferent sp
ecies.J.Biol.Chem.266:3630〜3635)。これら
のイソメラーゼは、免疫抑制薬物であるシクロスポリンAによって阻害される。
しかし、ペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼの過剰発現による異種
ペプチドの分泌に対する効果は、当該分野において公知ではない。
【0006】 E.R.中で活性なタンパク質は、4アミノ酸のカルボキシ末端伸長によって
この区画に標的化される。A.nigerにおいて、HDELおよびKDELは
、E.R.保持シグナルとして機能することが報告されている(Jeenes
D.J.ら、(1997)Gene 193:151〜156)。
【0007】 (発明の要旨) 本発明の第1の局面において、宿主細胞中に分泌可能なポリペプチドを産生す
るための方法が、提供され、この方法は、この細胞中にペプチジルプロリルシス
−トランスイソメラーゼを過剰発現させ、それによりこの分泌されたポリペプチ
ドの収率を増大させる工程を包含する。
【0008】 第2の局面において、本発明は、ポリペプチド中のプロリン残基のN末端上の
ペプチド結合のシス−トランス異性化を触媒する能力を有することによって特徴
付けられる、フォルダーゼ活性を保有するポリペプチドであって、このポリペプ
チドがN末端にシグナル配列およびC末端に小胞体保持シグナルを、ならびに2
0.7kDaの分子量および6.27の推定等電点を有するポリペプチドに関す
る。
【0009】 第3の局面において、本発明は、ポリペプチドにおけるプロリン残基のN末端
側鎖上のペプチド結合のシス−トランス異性化を触媒する能力により特徴付けら
れる、フォルダーゼ活性を有するポリペプチドであって、低い、中程度または高
いストリンジェンシー条件下でSEQ ID NO:1に由来する17塩基のオ
リゴヌクレオチドとハイブリダイズし得る核酸によってコードされるポリペプチ
ド。に関する 第4の局面において、本発明は、ポリペプチドにおけるプロリン残基のN末端
側鎖上のペプチド結合のシス−トランス異性化を触媒する能力により特徴付けら
れる、フォルダーゼ活性を有するポリペプチドであって、低い、中程度または高
いストリンジェンシー条件下でSEQ ID NO:2に由来する20塩基のオ
リゴヌクレオチドとハイブリダイズし得る核酸によってコードされるポリペプチ
ドに関する。
【0010】 第5の局面において、本発明は、ポリペプチドにおけるプロリン残基のN末端
側鎖上のペプチド結合のシス−トランス異性化を触媒する能力により特徴付けら
れる、フォルダーゼ活性を有するポリペプチドであって、SEQ ID NO:
2に少なくとも40%相同性であるポリペプチドに関する。
【0011】 (発明の詳細な説明) 本発明は、異なる宿主から分泌されたポリペプチドの発現を増大させるペプチ
ジルプロリルシス−トランスイソメラーゼ(PPI)の過剰発現に関する。細胞
中のPPIレベルの増大は、この細胞からのポリペプチドの分泌を促進するに効
果的であることが示されている。PPIは、その誤った折り畳みのレベルを減少
させることによって、ER中のポリペプチド産物の保持、およびその後の分解を
防ぐと考えられる。従って、本発明は、細胞から分泌されたポリペプチドの収率
を増大させるために特に適切である。
【0012】 本明細書中で使用される用語「ペプチジルプロリルシス−トランスイソメラー
ゼ」ポリペプチド(PPI)は、ポリペプチド中のプロリン残基のN末端上のペ
プチド結合のシス−トランス異性化を触媒し得る酵素を示すために使用される。
PPIは、遍在性であり、そしていくつかの例が当該分野において公知である。
例としては、シクロフィリン(例えば、Bergsmaら(1996)J.Bi
ol.Chem.266:23204〜23214を参照のこと)、パルブリン
(parvulin)、SurA(RouviereおよびGross、(19
96)Genes Dev.10:3170〜3182)ならびにFK506結
合タンパク質であるFKBP51およびFKBP52が挙げられる。PPIは、
ポリペプチド中のペプチジル−プロリル結合のシス−トランス異性化を担い、そ
れにより正確な折り畳みを促進する。本発明は、PPI活性を有する任意のポリ
ペプチドを含む。これには、PPI活性を保有し得るシャペロンポリペプチド、
またはそのフラグメントが挙げられる(WangおよびTsou、(1998)
FEBS lett.425:382〜384)。好ましくは、本発明は、シク
ロフィリンファミリーのPPIポリペプチドに関する。
【0013】 有利なことに、この宿主細胞は、異種遺伝子産物を発現する、形質転換された
宿主細胞である。特に、この異種遺伝子産物が過剰発現される場合に、得られた
ポリペプチドが誤って折り畳まれ、それにより上記に示されたER中で分解され
る傾向が、増大される。従って、これらの環境下では、本発明に従うPPIの過
剰発現は、非常に有利である。
【0014】 しかし、本発明はまた、宿主細胞における異種ポリペプチドの産生を増大させ
るために使用され得る。例えば、本発明は、天然の生物学的プロセスによってか
、または遺伝子の転写を上方制御し得る薬剤の投与によって引き起こされる、細
胞活性における増大の結果として、相同的なポリペプチドの転写が増大される場
合に有用である。さらに、細胞は、内因性遺伝子の情報制御を生じ得る発現系(
例えば、内因性プロモーターに対して活性である転写因子をコードする発現系)
で形質転換され得る。
【0015】 同様に、PPI発現の上方制御は、内因性PPIの発現の増大によってか、ま
たは上昇したレベルでPPIを産生し得るコード配列で宿主細胞を形質転換する
ことによって達成され得る。有利なことに、宿主細胞は、PPIをコードする配
列で形質転換される。
【0016】 従って、好ましい実施態様では、本発明は、宿主細胞において分泌可能なポリ
ペプチドを産生するための方法に関与し、この方法は、ポリペプチドをコードす
る第1のコード配列およびペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼをコ
ードする第2のコード配列をこの細胞に共トランスフェクトする工程を包含する
【0017】 有利なことに、本発明は、宿主細胞中で分泌可能なポリペプチドを発現させる
ための方法に関し、この方法は、以下の工程: a)本発明に従うペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼを発現する
コード配列で細胞を形質転換する工程; b)所望のポリペプチドを発現するコード配列でこの細胞を形質転換する工程
;および c)この細胞を培養してポリペプチドを産生する工程、 を包含する。
【0018】 本明細書中で使用される場合、トランスフェクションおよび形質転換は、等価
であるとみなされ、そしてDNAの細胞中への挿入の任意の形態(ウイルス形質
導入技術、エレクトロポレーション技術、および従来のトランスフェクション技
術を含む)を含む。ペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼおよび所望
のポリペプチドをコードするコード配列は、ベクター上で、または独立して裸と
して細胞に挿入され得る。ベクターの使用が好ましい。ペプチジルプロリルシス
−トランスイソメラーゼおよび所望のポリペプチドが、別々のベクター上に存在
する場合、別々のベクターのうちのいずれか一方が、他方よりも前にこの宿主中
に挿入され得る。挿入の順番は、増大したレベルのペプチジルプロリルシス−ト
ランスイソメラーゼがこの所望のポリペプチドの発現の間に宿主細胞中で得られ
る限り重要ではない。
【0019】 有利なことに、ペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼおよび所望の
ポリペプチドは、同じベクターに存在し得る。
【0020】 好ましくは、宿主細胞は、ペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼを
発現するコード配列がこの宿主細胞およびゲノム中に組み込まれるように構築さ
れ得る。このことは、上記のコード配列で細胞を形質転換するために組み込み発
現ベクターを使用して達成され得る。
【0021】 上記のように、ペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼを発現するコ
ード配列は、好ましくは、適切なベクター中に組み込まれる。本明細書中で使用
する場合、ベクター(またはプラスミド)とは、異種DNAの発現または複製の
いずれかのために、細胞中に異種DNAを導入するために使用される分離したエ
レメントをいう。このようなビヒクルの選択および使用は、当業者に周知である
。多くのベクターが利用可能であり、そして適切なベクターの選択は、ベクター
およびこのベクターで形質転換される宿主の意図される使用に依存する。各々の
ベクターは、その機能および適合性である宿主細胞に依存する種々の成分を含む
。このベクター成分は、一般に、1以上の以下のもの:複製起点、1以上のマー
カー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、転写終結配列およびシグ
ナル配列を含むがこれらに限定されない。
【0022】 ほとんどの発現ベクターは、シャトルベクターであり、すなわち、それらは、
少なくとも1つのクラスの生物中で複製し得るが、発現のために別のクラスの生
物中にトランスフェクトされ得る。例えば、ベクターは、E.coli中にクロ
ーニングされ得、次いで、この同じベクターが、この宿主細胞の染色体から独立
して複製し得ない場合でも酵母または他の真菌細胞中にトランスフェクトされ得
る。DNAはまた、例えば、PCRによって増幅され得、そして任意の複製成分
なしに宿主細胞中に直接トランスフェクトされ得る。
【0023】 有利には、発現ベクターは、選択遺伝子(選択マーカーともいわれる)を含み
得る。この遺伝子は、選択培養培地中で増殖される、形質転換された宿主細胞の
生存または増殖に必要なタンパク質をコードする。選択遺伝子を含むベクターを
用いて形質転換されない宿主細胞は、この培養培地中で生存しない。代表的な選
択遺伝子は、抗生物質および他の毒素(例えば、アンピシリン、ネオマイシン、
メトトレキサートまたはテトラサイクリン)に対して抵抗性を付与するタンパク
質をコードするか、栄養素要求性欠損を補足するか、あるいは複合培地から利用
可能でない、重要な栄養素を供給する。
【0024】 酵母および他の真菌生物に適切な選択遺伝子マーカーに関して、マーカー遺伝
子の表現型発現に起因して、形質転換体についての選択を容易にする任意のマー
カー遺伝子が、使用され得る。酵母のための適切なマーカーは、例えば、抗生物
質G418、ハイグロマイシンまたはブレオマイシンに対して抵抗性を付与する
マーカーであるか、または栄養素要求性酵母変異体(例えば、URA3遺伝子、
LEU2遺伝子、LYS2遺伝子、TRP1遺伝子またはHIS3遺伝子)にお
いて原栄養体を提供する。
【0025】 ベクターの複製がE.coliにおいて都合良くなされるので、E.coli
遺伝子マーカーおよびE.coli複製起点は、有利に含まれる。これらは、E
.coliプラスミド(例えば、pBR322、Bluescript(C)ベ
クターまたはpUCプラスミド(例えば、pUC18もしくはpUC19))か
ら得られ得る。このE.coliプラスミドは、E.coli複製起点および抗
生物質(例えば、アンピシリン)に対する抵抗性を付与するE.coli遺伝子
マーカーの両方を含む。
【0026】 発現ベクターおよびクローニングベクターは、通常、宿主細胞によって認識さ
れるプライマーを含み、そしてペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼ
をコードする核酸に作動可能に連結される。このようなプロモーターは、誘導性
であるか、または構成的であり得る。プロモーターは、制限酵素消化による供給
源DNAからのプロモーターの除去、および単離されたプロモーター配列のベク
ターへの挿入によって、ペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼをコー
ドするDNAに作動可能に連結される。ネイティブプロモーター配列および多く
の異種プロモーターの両方を使用して、ペプチジルプロリルシス−トランスイソ
メラーゼコード配列の増幅および/または発現を指向し得る。用語「作動可能に
連結される」は、記載される成分が、意図される様式でそれらが機能することを
許容する関係にある近位をいう。コード配列に「作動可能に連結される」コント
ロール配列は、コード配列の発現がコントロール配列と適合する条件下で達成さ
れる方法で連結される。
【0027】 酵母宿主を用いる使用のための適切な促進配列は、調節され得るか、または構
成的であり、そして好ましくは、高度に発現される真菌遺伝子由来である。真菌
のプロモーターは、文献において公知である(例えば、Gurrら(1987)
The structure and organisation of nu
clear genes of filamentous fungiを参照の
こと。Kinghorn,J.R.(編)においては、Gene Struct
ure in Eukaryotic Microbes,IRL Press
,Oxford、93〜139頁)。酵母プロモーター(例えば、酵母TRP1
遺伝子、ADHI遺伝子、ADHII遺伝子、酸ホスファターゼ(PH05)遺
伝子のプロモーター、a−因子またはα−因子をコードする酵母交配フェロモン
遺伝子のプロモーターあるいはグリコール酸酵素をコードする遺伝子由来のプロ
モーター(例えば、エノラーゼ、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナー
ゼ(GAP)、3−ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)、ヘキソキナーゼ、
ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リ
ン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、ト
リオ−スリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼまたはグルコキナ
ーゼ遺伝子のプロモーター)、S.cerevisiae GAL 4遺伝子、
S.pombe nmt I遺伝子、またはTATA結合タンパク質(TBP)
遺伝子からのプロモーター)もまた、使用され得る。さらに、1つの酵母遺伝子
の上流活性化配列(UAS)および別の酵母遺伝子の機能的TATAボックスを
含む下流プロモーターエレメントを含む、ハイブリッドプロモーター(例えば、
酵母PH05遺伝子のUASおよび酵母GAP遺伝子の機能的TATAボックス
を含む下流プロモーターエレメントを含む、ハイブリッドプロモーター(PH0
5−GAPハイブリッドプロモーター)を使用することが、可能である。適切な
構成的PHO5プロモーターは、例えば、PH05遺伝子のヌクレオチド−17
3で始まり、そしてヌクレオチド−9で終結するPH05(−173)プロモー
ターエレメントのような上流調節エレメント(UAS)を除く短縮型酸ホスファ
ターゼPH05プロモーターである。
【0028】 本発明に関連して、例えば、バイオテクノロジー産業において使用される真菌
生物(例えば、糸状真菌);好ましくはAspergillus、Tricho
derma、Neurospora、MucorまたはPenicillium
の使用が、好ましい。より具体的には、好ましい宿主生物には、A.nidul
ans、A.tubigensis、A.sojae、A.awamori、A
.oryzae、A.japonicus、A.aculeatus、N.cr
assa、T.reeseiおよびT.virideが挙げられる。本発明の核
酸構築物の発現のためおよび/または本発明に従う異種ポリペプチドの調製のた
めに好ましい宿主生物は、Aspergillus属の生物であり、有利には、
Aspergillus nigerである。この点に関して、本発明に従うト
ランスジェニックAspergillusは、以下の教示に従って調製され得る
:Rambosek,J.およびLeach,J.1987(Recombin
ant DNA in filamentous fungi:Progres
s and Prospests. CRC Crit.Rev.Biotec
hnol.6:357〜393)、Davis R.W.1994(Heter
ologous gene expression and protein
secretion in Aspergillus.:Martinelli
S.D.、Kinghorn J.R.(編)Aspergillus:50
years on.Progress in industrial mic
robiology 第29巻.Elsevier Amsterdam 19
94、525〜560頁)、Ballance,D.J.1991(Trans
formation systems for Filamentous Fu
ngi and an Overview of Fungal Gene s
tructure:Leong,S.A.,Berka R.M.(編)Mol
ecular Industrial Mycology.Systems a
nd Applications for Filamentous Fung
i.Marcel Dekker Inc.New York 1991,1〜
29頁)およびTurner G.1994(Vectors for gen
etic manipulation:Martinelli S.D.、Ki
nghorn J.R.(編)Aspergillus:50 years o
n.Progress in industrial microbiolog
y 第29巻.Elsevier Amsterdam 1994、641〜6
66頁)。以下の説明は、本発明に従ってトランスジェニックAspergil
lusを産生するための教示の要旨を提供する。
【0029】 トランスジェニックAspergillusを調製するために、発現構築物は
、糸状真菌における発現のために設計される構築物への異種ヌクレオチド配列(
例えば、アミラーゼ酵素をコードするヌクレオチド)の挿入によって調製される
【0030】 異種発現のために使用されるいくつかの型の構築物が、開発されている。この
構築物は、真菌において活性である、本発明に従うプロモーターを含む。異種ヌ
クレオチド配列は、分泌されるべき異種ヌクレオチド配列によりコードされるタ
ンパク質に指向する、シグナル配列に融合され得る。通常、真菌起源のシグナル
配列が使用される。真菌において活性なターミネーターもまた、使用され得る。
【0031】 別の型の発現系は、異種ヌクレオチド配列が安定なタンパク質をコードする真
菌遺伝子に融合される真菌において開発されている。これは、所望のポリペプチ
ドをコードする異種ヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質を安定化
し得る。このような系において、特定のプロテアーゼによって認識される切断部
位が、真菌タンパク質と、異種ヌクレオチド配列荷よりコードされるタンパク質
との間に導入され得、そのように生成された融合タンパク質は、特定のプロテア
ーゼによってこの位置で切断され得、それにより、異種ヌクレオチド配列によっ
てコードされるタンパク質を解放する。例示の目的によって、少なくともいくつ
かのAspergilliにおいて見出されるKEX−2様ペプチダーゼによっ
て認識される部位を導入し得る(Broekhuijsenら、1993、J
Biotecnol 31 135〜145)。このような融合は、発現された
生成物の保護を生じるインビボにおける切断を誘導し、そしてより大きな融合タ
ンパク質を誘導しない。
【0032】 Aspergillusにおける異種発現は、細菌タンパク質、真菌タンパク
質、脊椎動物タンパク質および植物タンパク質をコードするいくつかの遺伝子に
ついて報告されている。生成物の安定性および宿主株の改変に関して、いくつか
の異種タンパク質は、それらが真菌の培養液体へ分泌される場合にあまり安定で
はない。ほとんどの真菌は、異種タンパク質を分解するいくつかの細胞外プロテ
アーゼを生成する。この問題を回避するために、プロテアーゼ生成を減少する特
定の真菌株が、異種生成のための宿主として使用されている。
【0033】 糸状真菌の形質転換について、いくつかの形質転換プロトコルが、多くの糸状
真菌について開発されている(Ballance 1991 同書)。それらの
多くは、プロトプラストの調製ならびにPEGおよびCa2+イオンを使用する、
DNAのそのプロトプラストへの導入に基づく。次いで、形質転換されたプロト
プラストは再生され、そして形質転換された真菌は、種々の選択マーカーを使用
して選択される。形質転換のために使用されるマーカーは、多くの栄養素要求性
マーカー(例えば、argB、trpC、niaDおよびpyrG)、抗生物質
抵抗性マーカー(例えば、ベノミル抵抗性、ハイグロマイシン抵抗性およびフレ
オマイシン(phleomycin)抵抗性)である。共通に使用される形質転
換マーカーは、A.nidulansのamdS遺伝子(これは、高いコピ−数
において、唯一の窒素供給源としてアクリルアミドを用いて真菌を増殖し得る)
である。
【0034】 真菌生物によるペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼをコードする
DNAの転写は、ベクターへのエンハンサー配列の挿入によって増大され得る。
エンハンサーは、相対的に配向依存性および位置依存性である。
【0035】 発現ベクターは、このようなDNAを発現し得る調節配列(例えば、プロモー
ター領域)と作動可能に連結される、ペプチジルプロリルシス−トランスイソメ
ラーゼをコードする核酸を発現し得る任意のベクターである。従って、発現ベク
ターは、適切な宿主細胞への導入の際に、組換えDNA構築物または組換えRN
A構築物(例えば、プラスミド、ファージ、組換えウイルスまたは他のベクター
)をいい、クローン化されたDNAを生じる。適切な発現ベクターは当業者に周
知であり、そしてこれには、真核生物細胞および/もしくは原核生物細胞におい
て複製可能なベクターならびにエピソームを保持するベクターまたは宿主細胞ゲ
ノムへ組み込まれるベクターが挙げられる。
【0036】 本発明に従うベクターの構築は、従来の連結技術を使用する。単離されたプラ
スミドまたはDNAフラグメントは、必要とされるプラスミドを生成するために
所望される形態で切断、変更、および再連結される。所望であれば、構築された
プラスミド中の正確な配列を確認するための分析が、公知の形式で実施される。
発現ベクターの構築、インビトロ転写物の調製、宿主細胞へのDNAの導入、お
よびペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼ発現の評価のための適切な
方法は、当業者に公知である。遺伝子の提示、増幅および/または発現は、本明
細書中に提供される配列に基づき得る適切な標識されたプローブを使用して、サ
ンプル中で直接(例えば、従来のサザンブロッティング、mRNAの転写を定量
するためのノーザンブロッティング、ドットブロッティング(DNAもしくはR
NA分析)、またはインサイチュハイブリダイゼーションによって)測定され得
る。当業者は、所望であれば,どのようにこれらの方法が改変され得るかを容易
に予測する。
【0037】 同一または類似の考慮が、所望のポリペプチドをコードするベクターの設計に
適用される。必要ではないが、エピソームであろうと組込みであろうと、PPI
および所望のポリペプチドが、同じベクター上でコードされ、そしてそこから発
現されることが可能である。好ましくは、所望のポリペプチドは、宿主生物に由
来しない異種ヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドである。
【0038】 所望のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の代表的な例は、代謝プロ
セスおよび異化プロセスを改変するタンパク質および酵素をコードする配列を含
み得る。異種ヌクレオチド配列は、病原体抵抗性を導入するかまたは増大するた
めの因子をコードし得る。異種ヌクレオチド配列は、糸状真菌,好ましくはAs
pergillus属の非ネイティブタンパク質か、または動物もしくはヒトに
有利である化合物をコードし得る。本発明に従うヌクレオチド配列の例には、ペ
クチナーゼ、ペクチンデポリメラーゼ、ポリガラクトウロナーゼ、ペクチン酸リ
アーゼ、ペクチンリアーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、オキシドレダクターゼ、
リパーゼ、グルカンリアーゼ、ラムノガラクトウレアーゼ、ヘミセルラーゼ、エ
ンド−β−グルカナーゼ、アラビナーゼ、もしくはアセチルエステラーゼ、また
はそれらの組合せ、ならびにそれらのアンチセンス配列が挙げられる。所望のポ
リペプチドは、食品または作物に対する栄養的価値を与えるタンパク質であり得
る。代表的な例には、抗栄養性因子の形成を阻害し得る植物タンパク質、および
より望ましいアミノ酸組成(例えば、非トランスジェニック植物よりもより高い
リジン含量)を有する植物タンパク質が挙げられる。
【0039】 所望のポリペプチドは、食品加工において使用され得る酵素(例えば、キモシ
ン、タウマチンおよびα−ガラクトシダーゼ)であり得る。所望のポリペプチド
は、さらに、ペスト毒素、ADP−グルコースピロホスホリラーゼ(例えば、E
P−A−0455316を参照のこと)、グルカナーゼまたはゲノムβ−1,4
−エンドグルカナーゼのいずれかであり得る。
【0040】 異種ヌクレオチド配列は、特定のヌクレオチド配列のイントロンをコードし得
る。ここで、このイントロンは、センス配向またはアンチセンス配向であり得る
【0041】 異種ヌクレオチド配列は、PCT特許出願PCT/EP96/01009(本
明細書に参考として援用される)の対象であるアラビノフラノシダーゼ酵素をコ
ードするヌクレオチド配列であり得る。この異種ヌクレオチド配列は、PCT特
許出願PCT/EP94/01082(本明細書中に参考として援用される)の
主題であるADP−グルコースピロホスホリラーゼ酵素をコードする任意のヌク
レオチド配列であり得る。この異種ヌクレオチド配列は、PCT特許出願PCT
/EP94/03397(本明細書中に参考として援用される)に記載されるα
−グルカンリアーゼ酵素をコードする任意のヌクレオチド配列であり得る。この
異種ヌクレオチド配列は、PCT特許出願PCT/EP95/02607(本明
細書中に参考として援用される)に記載されるようなT.languinosu
sアミラーゼをコードする任意の配列であり得る。この異種ヌクレオチド配列は
、PCT特許出願PCT/EP96/01008(本明細書中に参考として援用
される)に記載されるグルカナーゼ酵素をコードする任意のヌクレオチド配列で
あり得る。
【0042】 本発明の好ましい局面において、PPIをコードする核酸はまた、それに作動
可能に連結される、ER保持シグナルを含む。好ましくは、このER保持シグナ
ルは、テトラペプチドであり、これは、有利にはHDEL、HEELまたはKD
ELである。このER保持シグナル標的は、ERに対してポリペプチドを標的と
し、そしてERをポリペプチドに保持させる。
【0043】 本発明の第2の局面に従って、フォルダーゼ(foldase)活性を保有し
、そしてポリペプチド中のプロリン残基のN末端側に結合されるペプチドのシス
−トランスイソメラーゼ化を触媒する能力を有することによって特徴付けられる
ポリペプチドが、提供される。このポリペプチドは、N末端にシグナル配列およ
びC末端に小胞体保持シグナルを、そして20.7キロダルトンの分子量および
6.27の推定等電点を有する。有利には、本発明のこの局面に従う新規なPP
Iは、真菌生物(例えば、糸状真菌(例えば、バイオテクノロジー産業に使用さ
れる;好ましくはAspergillus、TrichodermaまたはPe
nicillium;好ましくはA.niger))から得ることができる。
【0044】 本発明に従うPPIの例は、配列番号2に示される。この配列において同定さ
れる分子は、Aspergillus nigerから得ることができ、そして
本明細書中でCYPBといわれる。上記に示される基準を満たすPPI酵素は、
一般に本明細書中で「CYPB」酵素といわれる。従って、好ましい局面におい
て、本発明は、配列番号2に示されるCYPB、またはその生物学的等価物(b
ioisostere)を提供する。
【0045】 本明細書中で使用される場合、用語「生物学的等価物(bioisoster
e)」は、当該分野において共通の慣習に従って使用され、すなわち、同様の(
しかし同じではない)かまたは異なる構造を有し、かつ同じ生物学的機能効果を
有する化合物をいう。
【0046】 有利には、本発明の生物学的等価物は、真菌生物(例えば、糸状真菌(例えば
、バイオテクノロジー産業に使用される;好ましくはAspergillus、
TrichodermaまたはPenicillium;好ましくはA.nig
er))から得ることができる。
【0047】 本発明のさらなる局面に従って、本発明に従う酵素をコードする核酸が、提供
される。組換えPPIタンパク質の生成について有用であることに加えて、これ
らの核酸はまた、プローブとして有用であり、従って、PPIまたはそのホモロ
グをコードする核酸を同定および/または単離することは当業者に容易に可能で
ある。この核酸は、標識されなくてもよいし、または検出可能な部分を用いて標
識されてもよい。さらに、本発明に従う核酸は、例えば、PPI特異的核酸の存
在を決定する方法において有用であり、上記方法は、PPIをコードする(かま
たは相補的な)DNA(またはRNA)を試験サンプル核酸にハイブリダイズす
る工程、およびPPIの存在を決定する工程を包含する。別の局面において、本
発明は、PPIまたはそのフラグメントをコードする核酸配列に相補的であるか
、またはPPIまたはそのフラグメントをコードする核酸配列にストリンジェン
トな条件下でハイブリダイズする、核酸を提供する。
【0048】 有利には、PPIをコードする核酸のフラグメントは、10ヌクレオチド長と
200ヌクレオチド長との間であり、好ましくは、15ヌクレオチド長と50ヌ
クレオチド長との間であり、そして最も好ましくは、約20ヌクレオチド長であ
る。
【0049】 本発明はまた、核酸試験サンプルを増幅するための方法を提供し、この方法は
、PPIをコードする(かまたは相補的である)核酸(DNAまたはRNA)を
用いて核酸ポリメラーゼ(連鎖)反応をプライムする工程を包含する。
【0050】 本発明のなお別の局面において、核酸は、DNAであり、そして複製ベクター
をさらに含む。この複製ベクターは、このベクターにより形質転換された宿主に
よって認識されるコントロール配列に作動可能に連結するPPIをコードする核
酸を含む。さらに、本発明は、このようなベクターを用いて形質転換された宿主
細胞、およびPPIをコードする核酸を使用してPPIの生成をもたらす方法を
提供し、この方法は、形質転換された宿主細胞の培養物中でPPIをコードする
核酸を発現する工程、そして所望であれば、この宿主細胞培養物からPPIを取
り出す工程を包含する。
【0051】 さらに、本発明は、上記の核酸によってコードされる単離されたPPIタンパ
ク質およびその生物学的等価物に関する。
【0052】 単離されたPPI核酸は、PPI核酸の天然供給源に通常随伴するかまたは粗
核酸調製物(例えば、DNAライブラリーなど)に随伴する、少なくとも1つの
夾雑核酸を含まない核酸を、含む。従って、単離された核酸は、天然に見出され
る形態または状況以外で存在する。しかし、単離された、PPIをコードする核
酸は、通常、PPI発現細胞中でPPI核酸を含み、ここで、この核酸は、天然
細胞の染色***置とは異なる染色***置にあるか、または天然において見出され
る配列とは異なるDNA配列によって隣接される。
【0053】 本発明に従って、配列番号2に示される配列を有するCYPBをコードする単
離された核酸(例えば、DNAまたはRNA)、またはそのフラグメントが、提
供される。特に、本発明は、配列番号2に示されるようなCYPBをコードする
DNA分子、またはそのフラグメントを提供する。定義によって、このようなD
NAは、コードシグナル鎖DNA、このコードDNAの二本鎖DNAおよびそれ
らの相補的DNA、またはこの相補的(一本鎖)DNA自体を含む。
【0054】 CYPBをコードする好ましい配列は、配列番号2のコード配列と実質的に同
じヌクレオチド配列を有する配列であり、配列番号2のコード配列と同じヌクレ
オチド配列を有する核酸が、最も好ましい。本明細書中で使用される場合、実質
的に同じであるヌクレオチド配列は、少なくとも約90%の同一性を共有する。
【0055】 本発明の核酸は、プローブとして使用されるか否かにかかわらず、好ましくは
、配列番号2に示されるようなCYPBの配列に実質的に相同である。「実質的
な相同」は、相同性が配列同一性を示す場合、直接的な配列アラインメントおよ
び配列比較によって判断されるときに、40%を超える配列同一性、好ましくは
45%を超える配列同一性、そして最も好ましくは50%以上の配列同一性を意
味する。
【0056】 実質的に相同なアミノ酸配列およびヌクレオチド配列が、75%より大きな相
同性(例えば、少なくとも80%の相同性、または少なくとも85%の相同性、
例えば少なくとも90%の相同性、またはさらに少なくとも95%の相同性、例
えば少なくとも97%の相同性)を有し得る。ヌクレオチド配列相同性が、My
ersおよびMillerの「整列」プログラム(「Optimal Alig
nments in Linear Space」、CABIOS 4、11−
17、1988、本明細書中に参考として援用される)(NCBIにおいて入手
可能)を使用して決定され得る。あるいは、またはさらに、例えば、ヌクレオチ
ド配列またはアミノ酸配列に関する用語「相同性」は、2つの配列間の相同性の
定量的測定値を示し得る。配列相同性パーセントは、(Nref−Ndif*100
/Nrefとして計算され得、ここで、Ndifは、整列された場合の2つの配列にお
ける全非同一残基数であり、ここで、Nrefは、これら配列の一方における残基
の数である。従って、DNA配列AGTCAGTCは、配列AATCAATC(
ref=8;Ndif=2)と75%の配列類似性を有する。あるいは、またはさら
に、配列に関する「相同性」とは、2つの配列のうち短い方のヌクレオチド数ま
たはアミノ酸数により除算される同一のヌクレオチドまたはアミノ酸を有する位
置の数に言及し得、ここで、その2つの配列のアラインメントが、Wilbur
and Lipmanアルゴリズム(WilburおよびLipman、19
83 PNAS USA 80:726、本明細書中に参考として援用される)
に従って、例えば、20ヌクレオチドのウインドウサイズ、4ヌクレオチドのワ
ード長、および4のギャップペナルティーを使用して決定され得、そしてアライ
ンメントを含む配列データのコンピューター補助分析および解釈が市販のプログ
ラムを使用して都合良く実施され得る(例えば、Intelligenetic
s(商標)Suite、Intellegenetics Inc.CA)。R
NA配列が、DNA配列と、類似するといわれるか、あるいはある程度の配列同
一性もしくは相同性を有する場合、DNA配列におけるチミジン(T)は、RN
A配列におけるウラシル(U)と等しいと見なされる。
【0057】 本発明の範囲内のRNA配列は、DNA配列におけるチミジン(T)をRNA
配列におけるウラシル(U)と等しいと見なすことにより、DNA配列から誘導
され得る。
【0058】 さらに、またはあるいは、アミノ酸配列の類似性または同一性または相同性が
、デフォルトパラメーターを有利に利用して、BlastPプログラム(Alt
schulら、Nucl.Acids Res.25、3389−3402、本
明細書中に参考として援用される)(NCBIにおいて入手可能)を使用して決
定され得る。以下の参考文献(それぞれ参考として本明細書中に援用される)は
、2つのタンパク質のアミノ酸残基の相対的な同一性または相同性を比較するた
めのアルゴリズムを提供し、そしてさらに、またはあるいは、前述に関して、こ
の参考文献における教示が、相同性パーセントまたは同一性パーセントを決定す
るために使用され得る:Needleman SBおよびWunsch CD,
「A general method applicable to the
search for similarities in the amino
acid sequences of two proteins」J.Mo
l.Biol.48:444−453(1970);Smith TFおよびW
aterman MS、「Comparison of Bio−sequen
ces」Advances in Applied Mathematics
2:482−489(1981);Smith TF、Waterman MS
およびSadler JR、「Statistical characteri
zation of nucleic acid sequence func
tional domains」Nucleic Acids Res.、11
:2205−2220(1983);Feng DFおよびDolittle
RF、「Progressive sequence alignment a
s a prerequisite to correct phylogen
etic trees」J.of molec.Evol.、25:351−3
60(1987);Higgins DGおよびSharp PM、「Fast
and sensitive multiple sequence ali
gnment on a microcomputer」CABIOS、5:1
51−153(1989);Thompson JD、Higgins DGお
よびGibson TJ、「ClusterW:improving the
sensitivity of progressive multiple
sequence alignment through sequence
weighing、positons−specific gap penal
ties and weight matrix choice」Nuclei
c Acid Res.、22:4673−480(1994);およびDev
ereux J、Haeberlie PおよびSmithies O、「A
comprehensive set of sequence analys
is program for the VAX」Nucl.Acids Re
s.、12:387−395(1984)。
【0059】 好ましくは、本発明に従う核酸は、CYPBをコードする配列のフラグメント
である。長さにおいて数ヌクレオチド、好ましくは、長さにおいて5〜150ヌ
クレオチドの核酸配列のフラグメントは、特にプローブとして有用である。
【0060】 あるいは、模範的な核酸が、CYPBタンパク質をコードし、そして配列番号
2に記載のDNA配列またはそのDNA配列のフラグメントにハイブリダイズす
るヌクレオチド配列として特徴付けられ得る。配列番号2の配列または上記で定
義されるようなそのフラグメントに高ストリンジェンシーな条件下においてハイ
ブリダイズするCYPBをコードする配列が好ましい。
【0061】 ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーとは、ポリ核酸ハイブリッドが
安定である条件のことを言う。そのような条件は、当業者に対して明白である。
当業者に公知であるように、ハイブリッドの安定性はそのハイブリッドの融解温
度(Tm)(配列相同性が1%減少する毎におよそ1〜1.5℃減少する)に反
映される。一般的に、ハイブリッドの安定性は、ナトリウムイオン濃度および温
度の関数である。代表的に、ハイブリダイゼーション反応は、より高いストリン
ジェンシーな条件下で実施され、次に種々のストリンンジェンシーな条件で洗浄
される。
【0062】 本明細書中で使用される場合、高ストリンジェンシーとは、1M Na+また
は等しい塩濃度で、65〜68℃において安定なハイブリッドを形成する核酸配
列のみのハイブリダイゼーションを可能にする条件を言う。例えば、高ストリン
ジェンシーな条件が、6×SSC、5×Denhart、1%SDS(ドデシル
硫酸ナトリウム)、0.1Na+ピロリン酸および0.1mg/ml変性サケ精
子DNA(非特異的競合物)を含む水溶液中でのハイブリダイゼーションにより
提供され得る。ハイブリダイゼーションの後、高ストリンジェンシーな洗浄が、
0.2〜0.1×SSC、0.1%SDS中でのハイブリダイゼーション温度に
おける最終洗浄(約30分)とともにいくつかの工程においてなされ得る。
【0063】 中程度のストリンジェンシーとは、約60〜62℃で行うこと以外は、上記溶
液中のハイブリダイゼーションと等しい条件を言う。その場合、最終洗浄は、1
×SSC、0.1%SDS中でハイブリダイゼーション温度において実施される
【0064】 低ストリンジェンシーとは、約52〜56℃で行うこと以外は、上記溶液中の
ハイブリダイゼーションと等しい条件を言う。その場合、最終洗浄は、4×SS
C、0.1%SDS中でハイブリダイゼーション温度において実施される。
【0065】 これらの条件は、種々の緩衝液(例えば、ホルムアミドを基にした緩衝液)お
よび温度を使用して適用され、かつ再現され得ることが理解される。Denha
rdt溶液およびSSCは、他の適切なハイブリダイゼーション緩衝液と同様に
、当業者に周知である(例えば、Sambrookら、編。(1989)Mol
ecular Cloning:A Laboratory Manual、C
old Spring Harbor Laboratory Press、N
ew YorkまたはAusubelら、編。(1990)Current P
rotocols in Molecular Biology、John W
iley&Sons、Inc.を参照のこと)。プローブの長さおよびGC含量
もまた役割を果たすので、最適なハイブリダイセーション条件は、経験的に決定
されなければならない。
【0066】 本発明のCYPBタンパク質は、ER保持シグナルを含む。従って、本発明の
好ましい局面において、ポリペプチド内のプロリン残基のN末端側のペプチド結
合のシス−トランス異性化反応を触媒する能力を有することにより特徴づけられ
るホルダーゼ(foldase)活性を有するポリペプチドが提供され、このポ
リペプチドは、低、中、または高ストリンジェンシーな条件下で、配列番号1由
来の17塩基オリゴヌクレオチドとハイブリダイズし得る核酸によりコードされ
る。好ましくは、低ストリンジェンシーな条件が使用される。
【0067】 配列番号1は、ER保持シグナルをコードする変性された配列を表す。このシ
グナルは、ER内に位置する任意のCYPBタンパク質上に位置するようなので
、この配列の存在を有利に使用し、本発明に従って、CYPBポリペプチドを特
徴付け、そして単離し得る。
【0068】 本明細書中に提供されるガイダンスが与えられているので、本発明の核酸は、
当該分野で周知の方法に従って入手可能である。例えば、化学合成によりポリメ
ラ−ゼ連鎖反応(PCR)を使用するか、またはCYPBを所有し、かつ検出可
能なレベルでそれを発現すると考えられている供給源より調製されるゲノムライ
ブラリーもしくは適切なcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより
、本発明のDNAは、入手可能である。
【0069】 目的の核酸の合成についての化学的方法は、当該分野に公知であり、そしてそ
の方法にはトリエステル法、亜リン酸塩法、ホスホラミダイト法およびH−ホス
ホネート法、PCRおよび他の自動プライマー法ならびに固体支持体上にオリゴ
ヌクレオチド合成が挙げられる。これらの方法は、この核酸の核酸配列全体が公
知であるか、またはコード鎖に相補的な核酸の配列が入手可能である場合、使用
され得る。あるいは、標的アミノ酸配列が公知の場合、各アミノ酸残基について
公知かつ好ましいコード残基を使用して、可能性のある核酸配列を推論し得る。
【0070】 本発明に従うPPIをコードする遺伝子を単離する代替的な手段は、Samb
rookら、1989のセクション14に記載されるPCR技術を使用すること
である。この方法は、PPI核酸にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプロ
ーブの使用を要求する。オリゴヌクレオチドの選択のためのストラテジーは以下
に記載される。
【0071】 目的の遺伝子またはそれによりコードされるタンパク質を同定するために設計
されたプローブまたは分析手段とともにライブラリーをスクリーニングする。c
DNA発現ライブラリーについて、適切な手段としては、CYPB;同種または
異種由来の、既知のCYPBcDNAもしくは疑わしいCYPBcDNAをコー
ドする約20〜80塩基長のオリゴヌクレオチド;および/または同じ遺伝子ま
たはハイブリダイズする遺伝子をコードする相補的もしくは相同的なcDNAま
たはそのフラグメントを認識し、かつ特異的に結合するモノクローナル抗体また
はポリクローナル抗体が挙げられる。ゲノムDNAライブラリーをスクリーニン
グするための適切なプローブには、同じDNAまたはハイブリダイズするDNA
をコードするオリゴヌクレオチド、cDNAまたはそのフラグメント;および/
または相同的なゲノムDNAまたはそのフラグメントが挙げられるが、それらに
限定されない。
【0072】 CYBPをコードする核酸を、プローブ(すなわち、配列番号2に記載される
配列から誘導可能なオリゴヌクレオチドを含む本明細書中に開示される核酸)と
ともに適切なハイブリダイゼーション条件下で、適切なcDNAライブラリーま
たはゲノムライブラリーをスクリーニングすることにより単離し得る。適切なラ
イブラリーは市販されているか、または例えば、細胞株、組織試料などから調製
され得る。
【0073】 本明細書中で使用される場合、プローブは、例えば、一本鎖DNAまたはRN
Aであり、これは、配列番号2に記載される、等しい数か、もしくはより大きな
数の連続した塩基と同じ(あるいはその相補体である)10と50との間の連続
した塩基、好ましくは15と30との間の連続した塩基、最も好ましくは少なく
とも約20の連続した塩基を含むヌクレオチドの配列を有する。プローブとして
選択されるこの核酸配列は、偽陽性結果を最小にするために十分な長さでかつ十
分に明確なものであるべきである。このヌクレオチド配列は、通常、CYPBの
保存された、もしくは高度に相同的なヌクレオチド配列または領域に基づいてい
る。プローブとして使用されるこの核酸は、1つ以上の位置において縮重であり
得る。種における優先コドンの使用が未知であるその種からのライブラリーがス
クリーニングされる場合、縮重オリゴヌクレオチドの使用は特に重要であり得る
【0074】 5’および/または3’コード配列、リガンド結合部位をコードするものと推
定される配列などを含むプローブを構築するための領域が好ましい。例えば、本
明細書中に開示される全長cDNAクローンまたはそのフラグメントのいずれか
がプローブとして使用され得る。好ましくは、本発明の核酸プローブは、ハイブ
リダイゼーションにおいてすぐ検出できるように、適切な標識手段で標識される
。例えば、適切な標識手段は放射性同位元素標識である。DNAフラグメントを
標識する好ましい方法は、当該分野において周知であるように、ランダムプライ
ミング反応(random priming reaction)におけるDN
AポリメラーゼのKlenowフラグメントを用いてα32P ATPを組み込む
ことによるものである。通常、オリゴヌクレオチドは、γ32P標識化ATPおよ
びポリヌクレオチドキナーゼで末端標識される。しかし、他の方法(例えば、非
放射性)をも使用し、フラグメントまたはオリゴヌクレオチドを標識し得、その
方法としては、酵素標識、適切な発蛍光団での蛍光標識およびビオチン化が挙げ
られる。
【0075】 実質的に全体のCYPBコード配列を含むDNAの一部または前記DNAの一
部に基づく適切なオリゴヌクレオチドを用いて、ライブラリーをスクリーニング
した後、ハイブリダイゼーションシグナルを検出することにより陽性クローンが
同定される;同定されたクローンは制限酵素地図作成および/またはDNA配列
分析により特徴づけられ、次いで、例えば本明細書中に述べられる配列と比較す
ることにより検査され、それらが完全CYPBをコードするDNAを含むか否か
(すなわち、それらが翻訳開始コドンおよび翻訳終結コドンを含むかどうか)を
確かめる。選択されたクローンが不完全である場合、それらを使用し、重複クロ
ーンを得るために同じライブラリーまたは異なるライブラリーを再スクリーニン
グし得る。そのライブラリーがゲノムライブラリーである場合、その重複クロー
ンはエキソンおよびイントロンを含み得る。そのライブラリーがcDNAライブ
ラリーである場合、その重複クローンはオープンリーディングフレームを含む。
両方の場合において、完全クローンが、本明細書中に提供されるDNAおよび推
定アミノ酸配列との比較により同定され得る。
【0076】 内因性CYPBのいかなる異常性をも検出するために、ハイブリダイゼーショ
ンプローブとして本発明のヌクレオチド配列を使用して遺伝子スクリーニングが
実行され得る。また、所望される場合、本明細書中に提供される核酸配列に基づ
いて、CYPBの発現を減少させるアンチセンスタイプ因子が設計され得る。
【0077】 ヌクレオチド置換、ヌクレオチド欠失、ヌクレオチド挿入またはヌクレオチド
範囲の逆位およびそれらの任意の組合せにより、本発明の核酸を容易に改変し得
ることが予想される。例えば、そのような変異体を使用し、天然に見出されるC
YPB配列と異なるアミノ酸配列を有するCYPB変異体を産生し得る。変異誘
発は予め決定され得るか、またはランダムであり得る。サイレント変異ではない
変異生成は、リーディングフレームの外に配列を配置してはならない、好ましく
は、この変異は、mRNAの二次構造(例えば、ループまたはヘアピン)を産生
するようにハイブリダイズし得る相補的領域を生成しない。
【0078】 以下の実施例において、説明だけの目的のために、本発明を以下に記載する: (実施例1) Aspergillus niger cDNAライブラリーの構築 λZAP−A.nigerN402 cDNAライブラリーを、Strata
geneのZAP−cDNA合成キットを使用することにより(製造業者により
提供される説明書を利用して)A.niger cDNAから構築する。
【0079】 (実施例2) Aspergillus niger cDNAライブラリーのスクリーニン
グ およそ2×50,000pfuを以下の培地(1リットルあたり)を含む大(
22×22cm)NZYプレートにプレーティングする:5g NaCl、2g MgSO4・7H2O、5g酵母抽出物、10gカゼイン加水分解物、15gア
ガー、NaOHでpHを7.5に調整する。この培地をオートクレーブ処理し、
約65℃まで冷却し、プレートに注ぎ込む。1プレートあたり240mlの培地
を使用する。
【0080】 接種されたNZYプレートを37℃で一晩インキュベートし、そのプレートの
プラークリフト(lifts)を行う。Hybond N(Amersham)
フィルター上に各プレートについて2つのリフトを行う。DNAを4分間のUV
放射を使用して固定する。そしてそのフィルターを、プローブとして、以下の手
順に従ってTerminal Transferase(Boehringer
Mannheim)を使用して32P−dCTPで標識された縮重オリゴヌクレ
オチドを使用して以下に記載されるようにハイブリダイズさせる。
【0081】 500pmolの縮重オリゴヌクレオチドを使用する。Terminal T
ransferase反応緩衝液(Boehringer Mannheim)
における94℃でのインキュベーションを3分間した後、その混合物を氷上で冷
却し、4μlの32P−dCTPを添加する。標識反応を10単位のTermin
al Transferase(Boehringer Mannheim)を
添加することにより開始させる。37℃、30分でインキュベーションした後、
その酵素を70℃での5分のインキュベーションにより熱不活性化する。放射標
識されたオリゴヌクレオチドをNAP5カラムで精製する(Pharmacia
−Sephadex G−25培地を含有)。
【0082】 このフィルターを、50mlのプレハイブリダイゼーション緩衝液(20×S
SC12.5ml(0.3M クエン酸Na3、3M NaCl)、100×D
enhard2.5ml、10%SDS2.5mlおよび水32.5ml)中で
56℃で4時間プレハイブリダイズさせる。使用直前に、10mg/ml変性サ
ケ***DNA300μlをプレハイブリダイゼーション緩衝液に添加する。プレ
ハイブリダイゼーション後、放射標識されたオリゴヌクレオチドを添加し、そし
て56℃で一晩フィルターをハイブリダイズさせる。次の日、そのフィルターを
56℃30分間で4×SSC+0.1%SDSにより2回洗浄する。
【0083】 このフィルターを16時間、オートラジオグラフィーにかけ、陽性クローンを
単離する。NZYプレートの両方のプラークリフト上にハイブリダイゼーション
シグナルが存在する場合にのみ、陽性としてクローンを計数する。
【0084】 6つの推定クローンを単離し、小さなぺトリ皿上にプレーティングすることに
より精製する。この後、本質的に上記のように、そのクローンを二次スクリーニ
ングに供する。結局、4つのクローンを、Rapid Excision Ki
t(Stratagene)を使用して、プラスミドに転換するために選択する
【0085】 リバース(Reverse)配列プライマーおよびユニバーサル(Unive
rsal)配列プライマーを用いて、得られたプラスミドの配列決定をする。シ
クロフィリン様ペプチジルプロリルシストランスイソメラーゼBをコードするc
ypB遺伝子を含むプラスミドをpPD23と称する。
【0086】 (実施例3) (cypB遺伝子を含むpPD23プラスミドの特徴づけ) クローンの制限酵素地図を作製する。フラグメントを、pBluescrip
t SK+のEcoRIおよびXhoIサイトにクローン化する。pPD23の
構造を示す制限酵素地図を図1に示す。遺伝子をサイクルシーケンシング法(c
ycle sequencing method)を用いて配列決定する。完全
な配列を配列番号2に示す。配列をすべての構築物に対して両鎖において決定す
る。
【0087】 推定されるアミノ酸配列を、三つのサイクロフィリン様のペプチジルプロリル
cis−transイソメラーゼBとともにClustalWプログラムを用い
て整列する。整列を図2に示す。上記の整列は、CYPBが、他の既知のCYP
B配列に相同性であることを示す。
【0088】 SWISS−PROTデータベースにおける検索を実施し、そしてこの検索は
、整列(図2)に示される配列よりも高い相同性を有するいずれの配列をも示さ
なかった。最も高い相同性を有する配列は、Orpinomyces種由来のサ
イクロフィリン様のペプチジルプロリルcis−transイソメラーゼに対す
る前駆体であり、その相同性は、63%であることが見出されている(図3)。
【0089】 残基1〜23は、シグナル配列として認識され、20.7kDaの推定分子量
および6.27の推定等電点(pI)を有する186アミノ酸の成熟タンパク質
が続く。CYPBタンパク質は、そのC末端(209〜212位)において推定
される小胞体貯留シグナルを含む。一つの推定N−グルコシル化部位は、CYP
Bにおいて139〜142位に見出される。サイクロフィリン型ペプチジルプロ
リルcis−transイソメラーゼにおいて保存されたモチーフは、79〜9
6位に存在する。
【0090】 (実施例4) (E.coliにおけるcypBの発現) 成熟したCYPBタンパク質をコードする遺伝子の一部を含むフラグメントを
、以下に示すプライマーを用いたPCRによって生成する: 上流プライマー: 5’ ccc ata tgg aag atg ctc agc ccc g
gg gcc cca aga 3’(配列番号3) 下流プライマー: 5’ cga agc tta gtg gtg gtg gtg gtg g
tg gct gct acc ttt ttc t 3’(配列番号4) pfuポリメラーゼを用いて52℃でPCRを実施する。この構築物から小胞
体標的配列を取り除く。さらに、HISタグを用いてタンパク質のC末端部位を
伸長する。このフラグメントを、E.coli中への遺伝子の発現を可能にする
pET−24a(+)プラスミド(Novagen社)中に引き続いてクローン
化する。この構築物を、E.coli株BL21(DE3)pLysSへ形質転
換する。cypBの発現は、光学濃度600(OD600)=1の培養液に加えら
れる1mMIPTGによって誘導する。
【0091】 E.coliに発現したタンパク質を、固定した金属アフィニティクロマトグ
ラフィー(Ni−NTAレジン、Qiagen)およびゲル濾過(Superd
ex 75,Pharmacia)によって精製する。精製したCYPBタンパ
ク質の見かけの分子量は、SDS−PAGEゲル上でおよそ21kDaと決定さ
れた。正確な分子質量は、MALDI−TOF分析によって決定され、2110
0.6Daの分子量を示す。N末端配列決定は、成熟した配列の最初から10ア
ミノ酸を示す(EDAQPRGPK(配列番号2に示す残基24〜32))。
【0092】 α−ケモトリプシン(Boehringer Mannheim)による基質
suc−Ala−Ala−Pro−Phe−pNA(Sigma)の立体特異的
な分解に基づくアッセイを、CYPBの活性を決定するためにセットアップする
。この基質のtrans異性体は、α−ケモトリプシンによって急速に分解され
る。水中では、基質の88%がtrans異性体そして12%がcis異性体と
して存在する。cis異性体からtrans異性体への転換は、速度が制限され
ており、ペプチジルプロリルcis−transイソメラーゼによって触媒され
る。
【0093】 CYPBを、50μMの基質および25μMのα−ケモトリプシンを含む50
mM HEPES緩衝液 pH7.8中で25℃においてアッセイする。0.5
nM CYPBタンパク質を、その混合物に加え、そして380nmにおける吸
光度を、0.5秒ごとに測定する。CYPBタンパク質の添加は、基質のより速
い分解を明白に導き、その折り畳み酵素(foldase)の活性を、提供する
【0094】 (実施例5) (CYPBおよびトリアシルグリセロールリパーゼの同時発現) (リパーゼ発現プラスミドおよびCypBプラスミド) pLIP4プラスミド(図4)は、lipA遺伝子の全体のゲノム配列を含む
。この配列を、配列番号4に示す。図5および6に個々に示されるように、CY
PBは、ppd23d14またはppd23d13のいずれかから発現する。p
pd23d14は、glaAプロモーターの制御下にCypB配列を含み(一般
的に利用可能な;例えば、Wardら(1995) Biotechnolog
y 13:498−503を参照)、これは誘導性である。ppd23d13は
、A.nidulans glaAプロモーターの制御下にCypB配列を含み
(Puntら(1991) J.Biotechnol. 17:19−34)
、これは構成的に活性的である。いずれの場合においても、CypB遺伝子には
、A.nidulans trpCターミネーターが続く。
【0095】 抗菌性の耐性を、gpdAプロモーターの制御下におけるハイグロマイシン耐
性遺伝子(Streptomyces hygroscopicusおよびE.
coliから単離された)の挿入によってプラスミドに組み込む。
【0096】 (Aspergillus tubigensis株3M pyrAのリパー
ゼ遺伝子を用いる形質転換) A.tubigensis株3M pyrA由来の胞子を、2%のグルコース
および10mMのウリジンを補充した最小限の培地を含む振盪フラスコ中におい
て、34℃で一昼夜培養する。菌糸を、回収し、そして溶解酵素をプラスした溶
解緩衝液中に再懸濁する。産生されたプロトプラストを、所望されるリコンビナ
ントを選択するためのpyrGおよび抗生剤耐性マーカーを用いた同時形質転換
によってppd23d14またはppd23d13とともにpLIP4と混合す
る。
【0097】 (形質転換したAspergillus株におけるリパーゼ産生のインサイチ
ュ検出) 超薄層等電点焦点化(ultrathin layer isoelectr
ic focusing)後の真菌リパーゼを可視化するために用いたスクリー
ニングの手順は、寒天板上で増殖したAspergillus形質転換体をスク
リーニングするために適応する。この手順は、形質転換したAspergill
us株を発現する工程および発現しない工程の初期解析において非常に便利であ
る。寒天プレート上のリパーゼ産生株のスクリーニングは、リパーゼプロモータ
ーのインデューサーとして同様、酵素(リパーゼ)の基質として2%オリーブオ
イルを用いて実施する。さらに、プレートは、蛍光色素ローダミンB(N−9−
(2−カルボキシフェニル)−6−(ジエチルアミノ)−3H−キサンチン−3
−イリデン−N−エチレエタナミニウム塩化物)を含む。オリーブオイル存在下
においては、形質転換体は、リパーゼの分泌を誘導する。寒天プレート中に分泌
されたリパーゼは、紫外照射(350nm)によって可視化されるオレンジ色の
蛍光コロニーの形成を生じさせるオリーブオイルを加水分解する。蛍光コロニー
の検出は、形質転換体に依存して、増殖約24時間後に観察される。増殖数日後
、リパーゼを産生する菌株は、目で可視のオレンジ色の蛍光菌株として同定され
得る。このプレートスクリーニングの条件下において、形質転換しなかった菌株
は、バックグラウンド蛍光を示さず、不透明なピンク色のコロニーとして出現す
る。しかし、オイル含有プレート上で急速に増殖し得る陽性の混入する酵母およ
び細菌株を意識するべきである。汚染は、抗生物質(アンピシリン)を組み込む
工程によって防止する。
【0098】 (リパーゼを分泌する形質転換体の特徴づけ) オレンジ色の蛍光の光輪を呈する16の形質転換体を、100mlの最小限の
培地プラス1%のオリーブオイル、0.5%の酵母抽出エキス、0.2%のカサ
ミノ(casanimo)酸を含む振盪フラスコ中で培養し、そして8日間増殖
する。分泌されたリパーゼの量は、無細胞の培養上清の10μlを、オリーブオ
イル−ローダミンB寒天プレートにあけられた穴へ適用する工程、およびプレー
トを、37℃において一昼夜インキュベートする工程によって定量化する。この
技術を用いて、もっとも強い蛍光を呈する5つの形質転換体から得た無細胞培養
上清を、クロマトグラフィーによってさらに分析する。
【0099】 (疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)によるリコンビナントリパー
ゼの精製) プレートスクリーニング法によって陽性と判定された5つの異なるリパーゼ分
泌形質転換体から得た培養上清を、NAP5カラム(Pharmacia:Se
phadex G−25メディウムを含む)を用いて脱塩し、そして1Mの(N
42SO4、50mMの酢酸ナトリウム pH5.5中に平衡化する。脱塩し
た培養上清を、Biogel Phenyl−5 PWカラム(Biorad社
)上で、疎水性相互作用クロマトグラフィーによって分画する。溶出は、1Mか
らゼロモル濃度の(NH42SO4の減少する塩濃度勾配、20mM酢酸ナトリ
ウム pH5.5によって実施する。単一の分散したタンパク質のピークを、分
画後観察する。タンパク質のピークの範囲を、異なる形質転換体を通じて計算し
、形質転換しない菌株と比較する。以下の表は、5つの形質転換体によって分泌
されたリパーゼのレベルを要約する。最も優れた形質転換体は、HIC分画後精
製されたリパーゼの量において62倍の増加を示す。表は、最適化していない小
スケールの振盪フラスコの条件下において増殖した6日後の、異なる形質転換体
によって産生するリパーゼの変動する量もまた示す。
【0100】
【表1】 (b.リコンビナントリパーゼの特徴づけ) (1.アミノ酸分析およびタンパク質決定) HICによる分画後の減少するタンパク質のピークを、凍結乾燥し、そして水
中に再撹拌する。精製リパーゼタンパク質のアミノ酸組成およびタンパク質濃度
を、280nmにおけるUV吸光度とタンパク質濃度との間の相関係数を得るこ
とによって決定する。これは、同種の標本におけるリパーゼ濃度の推定を可能に
する。
【0101】 リパーゼタンパク質は、カルボキシルメチル化しており、そして最初の15ア
ミノ酸の配列は、N末端アミノ酸配列決定によって決定される。組換えリパーゼ
の15アミノ酸配列は、正確なシグナル配列切断を示す天然のリパーゼと正確に
同じである。
【0102】 (2.SDS−PAGE電気泳動) HIC後に回収した異なるタンパク質分画を、12%トリス−グリシンSDS
ゲル上において分離する。銀染色は、一つのタンパク質バンドを示し、タンパク
質ピークの同一性を確認する。さらに、粗製抽出物は、真菌がオイルを含む培地
中で培養される時、非常に高い含量で培養上清中に蓄積する唯一のタンパク質バ
ンドである主要なリパーゼバンドを示す。
【0103】 (3.組換えリパーゼ中における共有結合性に連結するN−連結型オリゴ糖の
存在の検出) N−連結型オリゴ糖の検出を、Streptomyces由来の内在性N−ア
セチルグルコサミダーゼH(シグマ)を用いたリパーゼの消化によって達成する
。増殖培地中に分泌された組換えリパーゼの内在性H処理は、SDS−PAGE
上において観察されるバンドの移動度を変更し、そして約30kDaの分子質量
を有する単一種であるかのように電気泳動する。このことは、N−連結型糖鎖の
程度を示す。
【0104】 (4.レーザー脱離質量分光測定組換えリパーゼを助力する基質) MALDI−TOF質量分光測定を、70%のアセトニトリル、0.1%のト
リフルオロ酢酸(TFA)中にシナピン酸(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキ
シケイヒ酸)を含むマトリックス溶液とともに混合した、精製リパーゼを用いて
実施する。脱塩した組換えリパーゼから決定した分子質量は、32,237ダル
トンである。内在性グリコシダーゼHを用いた切断によって生成され、そしてM
aldi−MSによって直接分析された脱糖鎖結合リパーゼは、29.325D
aのポリペプチド骨格の推定分子量を示した。
【0105】 この分析を用いて、糖タンパク質におけるN−連結型オリゴ糖の存在およびお
およその数が、決定され得る。結論として、N−連結型オリゴ糖は、組換えリパ
ーゼの分子量の約10%とみなす。
【0106】 (リパーゼの質量分光測定)
【0107】
【表2】 (実施例6) (Aspergillus nigerにおけるcypBの過剰発現) Aspergillus株N592(cspA1、pyrA5)を、強力で構
成的なgpdAプロモーターの制御下においてcypBの発現を可能にするプラ
スミドとともに形質転換した。推定される形質転換体は、このプラスミドの存在
を確認するためにPCRによってスクリーニングする。この株(N592::p
PD23d13)における統合されたコピーの数およびcypBの発現レベルを
、サザン分析およびノーザン分析によって個々に決定する。
【0108】 サザン分析は、N592::pPD23d13株が、統合されたプラスミドp
PD23d13の複数のコピーを含むことを明確に示す。この株におけるcyp
Bの発現レベルは、野生型の発現レベルよりも約15倍高い。
【0109】 この株が、より多くのタンパク質の分泌を可能にするか否かを決定する目的で
、野生型株(N402)およびN592::pPD23d13が、2%(重量/
容積)のデンプン存在下において増殖される増殖実験を設定する。デンプンが、
グルコアミラーゼの発現のための特異的なインデューサーであることは公知であ
る。このため上清標本を、グルコアミラーゼ活性および分泌タンパク質の量に対
してアッセイした。
【0110】 グルコアミラーゼは、よく分泌されたタンパク質としてみなされ、そして困難
な標的タンパク質の分泌を助ける目的の融合タンパク質として一般的に用いられ
る。
【0111】 cypBの過剰発現は、グルコアミラーゼの産生レベルの増加を明白に導く。
グルコアミラーゼ活性のおおよそ2倍の増加が、誘導の72時間後に測定される
。新規のグルコアミラーゼの産生は、この時点ではみられず、これは誘導する炭
素源の枯渇の理由がもっとも可能性が高い。
【0112】 (実施例7) (CYPBの局在化) 真核生物性の細胞からのタンパク質の分泌は、複合した過程である。新たに合
成された分泌性および膜性タンパク質は、折り畳まれていない状態で小胞体(E
R)に入り、そして分泌経路へさらに輸送され得る前に、特異的な高次構造を手
に入れなければならない。多くのタンパク質が、ERの内腔中に見出される。こ
れらは、BiP(結合タンパク質、70kDaの熱ショックタンパク質の相同体
)、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)およびペプチジルプロリル
cis−transイソメラーゼ(PPI)を含む。これらの折り畳み酵素(f
oldase)は、折り畳まれていない状態から天然の状態へのタンパク質の折
り畳みを触媒する工程に関与する。ER中に残存し、それにより分泌タンパク質
の大部分の流れから迂回される目的で、折り畳み酵素は、特異的な貯留シグナル
および回収できるシグナルを有する。共通のC末端テトラペプチド(tetra
peptide)、HDELは、ERの内腔にタンパク質を保持し得るシグナル
として同定された。このテトラペプチドの除去は、タンパク質の分泌を導く(P
elham(1990) Trens Biochem.Sci.15,483
−486)。
【0113】 CYPBタンパク質は、シグナル配列および推定されるER貯留シグナルを含
み、これはタンパク質がERに標的されて、そしてERに残存されることを示す
。しかしこのタンパク質における貯留シグナルは、既知の貯留シグナルからわず
かに分岐する。CYPBタンパク質の3位(最後のアミノ酸残基から数えて)は
、グルタミン酸残基を含む。このHEEL配列は、ER貯留シグナルとして同定
されたものではない。この配列が、ERの内腔にCYPBを残存し得るかどうか
を調べる目的に、CYPBのシグナル配列およびCYPBのER貯留シグナルの
両方を含むGFP構築物が、作製された。この遺伝子の発現は、強力で構成的な
gpdAプロモーター(プラスミドpPD38d3;図7)によって駆動される
【0114】 Aspergillus niger株D15(prtT;pyrG;phm
A)の形質転換体を、GFP発現プラスミドの挿入についてPCRによってスク
リーニングする。発現構築物を含む株を、GFPの発現について分析する。
【0115】 D15::pPD38d3#5株を、液体培地中で一昼夜増殖し、そしてGF
Pが、細胞内において管状のネットワークとして検出されることを示す。A.n
idulansにおいて相当する構築物は、ERへGFPを標的することが、実
証されており、本発明者らの発見(Fernandez−Abalosら(19
98) Mol.Microbiol.27,121−130)と類似するネッ
トワークを光らせる。ER−Tracker DPX(Molecular P
robes社)を用いた菌糸の染色は、同じタイプの管状のネットワークを光ら
せる。
【0116】 最後にDIOC6(ミトコンドリアについて低濃度の株であり、高濃度におい
て適用されたときER染色に対してもまた効果的である株)は、DPXおよびG
FPに対して見られるのと同じ管状ネットワークを示す。しかしDIOC6は、
ERの外の染色の拡散によって妨害され、結果としてミトコンドリアの染色を生
じる。
【0117】 本発明者らの結果は、HEELが、ER内のGFP貯留に対して必要および十
分の両方であることを明確に示す。したがって、CYPBタンパク質は、ERを
標的とし、そしてER内に貯留されることが明白である。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、A.niger cypBをコードするプラスミドpPD23の 制限マップである。
【図2】 図2は、cypB遺伝子と、Orpinomyces、M.musculus
およびH.sapiensに由来するペプチジルプロリルシス−トランスイソメ
ラーゼとのアライメントを示す。
【図3】 図3は、cypB遺伝子とOrpinimyces PPI遺伝子との間で最
適化されたアライメントを示す。
【図4】 図4は、lipA遺伝子をコードするpLIP4の図である。
【図5】 図5は、ppd23d13の図である。
【図6】 図6は、ppd23d14の図である。
【図7】 図7は、ppd38d3の図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:685) C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU ,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA03 BA07 CA04 DA11 EA04 GA11 HA01 4B050 CC05 CC08 DD03 LL05 4B064 AG01 CA05 CA19 CC24 DA01 4B065 AA62X AA62Y AB01 AC14 BA02 BA10 BA25 CA27 CA41 CA44

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 宿主細胞中に分泌可能なポリペプチドを産生するための方法
    であって、該宿主細胞中にペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼを過
    剰発現させ、それにより該分泌されたポリペプチドの収率を増大させる工程を包
    含する、方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、前記ポリペプチドをコード
    する第1のコード配列およびペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼを
    コードする第2のコード配列を前記細胞に共トランスフェクトする工程を包含す
    る、方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリペプチドおよび前記ペプチジルプロリルシス−トラ
    ンスイソメラーゼが別々のベクターにコードされる、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼをコー
    ドするコード配列が、前記宿主細胞のゲノム中に組み込まれる、請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記細胞が真菌細胞である、請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 シクロフィリンペプチジルプロリルシス−トランスイソメラ
    ーゼが真菌起源である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ポリペプチドがER保持シグナルを含む、請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記ER保持シグナルが、H D E L、H E E L
    またはK D E Lである、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 フォルダーゼ活性を保有するポリペプチドであって、該フォ
    ルダーゼ活性は、ポリペプチド中のプロリン残基のN末端側鎖上のペプチド結合
    のシス−トランス異性化を触媒する能力を有することによって特徴付けられ、該
    ポリペプチドが該N末端にシグナル配列およびC末端に小胞体保持シグナルを、
    ならびに20.7kDaの分子量および6.27の推定等電点を有する、ポリペ
    プチド。
  10. 【請求項10】 真菌起源である、請求項9に記載のポリペプチド。
  11. 【請求項11】 Aspergillus属由来である、請求項10に記載
    のポリペプチド。
  12. 【請求項12】 Aspergillus niger由来である、請求項
    11に記載のポリペプチド。
  13. 【請求項13】 フォルダーゼ活性を保有するポリペプチドであって、該フ
    ォルダーゼ活性は、ポリペプチド中のプロリン残基のN末端側鎖上のペプチド結
    合のシス−トランス異性化を触媒する能力を有することによって特徴付けられ、
    低ストリンジェンシー条件下でSEQ ID NO:2に由来する20塩基のオ
    リゴヌクレオチドとハイブリダイズし得る核酸によってコードされる、ポリペプ
    チド。
  14. 【請求項14】 フォルダーゼ活性を保有するポリペプチドであって、該フ
    ォルダーゼ活性は、ポリペプチド中のプロリン残基のN末端側鎖上のペプチド結
    合のシス−トランス異性化を触媒する能力を有することによって特徴付けられ、
    低ストリンジェンシー条件下でSEQ ID NO:1に由来する17塩基のオ
    リゴヌクレオチドとハイブリダイズし得る核酸によってコードされる、ポリペプ
    チド。
  15. 【請求項15】 フォルダーゼ活性を保有するポリペプチドであって、該フ
    ォルダーゼ活性は、ポリペプチド中のプロリン残基のN末端側鎖上のペプチド結
    合のシス−トランス異性化を触媒する能力を有することによって特徴付けられ、
    SEQ ID NO:2に少なくとも40%相同性である、ポリペプチド。
  16. 【請求項16】 シクロフィリンペプチジルプロリルシス−トランスイソメ
    ラーゼが、請求項9〜15のいずれか1項に記載されるポリペプチドである、請
    求項1〜8のいずれか1項に記載される方法。
  17. 【請求項17】 請求項9〜15のいずれか1項に記載のポリペプチドをコ
    ードする核酸ベクター。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載のベクターで形質転換された宿主細胞。
  19. 【請求項19】 真菌宿主細胞である、請求項18に記載の宿主細胞。
  20. 【請求項20】 Aspergillus宿主細胞である、請求項19に記
    載の宿主細胞。
  21. 【請求項21】 フォルダーゼ活性を保有するポリペプチドを産生するため
    のプロセスであって、該フォルダーゼ活性は、ポリペプチド中のプロリン残基の
    N末端側鎖上のペプチド結合のシス−トランス異性化を触媒し得る能力を有する
    ことによって特徴付けられ、該プロセスが、請求項17に記載のベクターで宿主
    細胞を形質転換する工程を包含する、プロセス。
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