JP2002523864A - 高オレイン酸油組成物及びそれを含有する電気デバイス - Google Patents

高オレイン酸油組成物及びそれを含有する電気デバイス

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JP2002523864A
JP2002523864A JP2000566858A JP2000566858A JP2002523864A JP 2002523864 A JP2002523864 A JP 2002523864A JP 2000566858 A JP2000566858 A JP 2000566858A JP 2000566858 A JP2000566858 A JP 2000566858A JP 2002523864 A JP2002523864 A JP 2002523864A
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electrical
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fatty acid
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JP2000566858A
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オーメン,トタチ・ブイ
クレイボーン,シー・クレア
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エイビービー・パワー・テイ・アンド・デイ・カンパニー・インコーポレーテツド
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    • H01B3/00Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties
    • H01B3/18Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties mainly consisting of organic substances
    • H01B3/20Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties mainly consisting of organic substances liquids, e.g. oils

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Abstract

(57)【要約】 少なくとも75%のオレイン酸、10%未満の二不飽和脂肪酸成分;3%未満の三不飽和脂肪酸成分;及び8%未満の飽和脂肪酸成分という脂肪酸成分を含み;少なくとも35KV/100ミルギャップの耐電圧、25℃において0.05%未満の誘電正接、0.03mg KOH/g未満の酸性度、25℃において1pS/m未満の導電率、少なくとも250℃の引火点及び少なくとも−15℃の流動点という性質を有する高オレイン酸トリグリセリド組成物を開示する。トリグリセリド組成物を含む電気絶縁流体を開示する。トリグリセリド組成物及び添加剤の組合わせを含む電気絶縁流体を開示する。電気絶縁流体を含む電気装置及び電気装置において絶縁を与えるための電気絶縁流体の使用を開示する。高オレイン酸トリグリセリド組成物の調製法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【関連出願へのクロス・リファレンス】
本出願は1996年6月18日に申請され、放棄された出願番号08/665
,721の一部継続出願である1997年1月6日に申請され、係属中の出願番
号08/778,608の一部継続出願であり、これらの出願の両方は、引用す
ることによりその記載事項が本明細書の内容となる。
【0002】
【発明の分野】
本発明は電気絶縁流体として有用な高オレイン酸油組成物(high ole
ic oil composition)、それを含む電気絶縁流体組成物及び
電気装置に関する。本発明の高オレイン油組成物は、電気部品における絶縁流体
としてそれらを十分に適したものとする電気的性質を有している。
【0003】
【発明の背景】
電気産業は、容易に入手でき、且つ原価効率の良い多様な絶縁流体を用いてい
る。例は、変圧器、電力ケーブル及びコンデンサーで用いられる鉱油、シリコー
ン液及び合成炭化水素油である。そのような流体の例には、1978年4月4日
にLinkに与えられた米国特許第4,082,866号、1980年6月3日
にRinehartに与えられた米国特許第4,206,066号、1986年
11月4日にSato et al.に与えられた米国特許第4,621,30
2号、1991年5月21日にSato et al.に与えられた米国特許第
5,017,733号、1993年10月5日にShubkin et al.
に与えられた米国特許第5,250,750号及び1994年8月9日にNak
agamiに与えられた米国特許第5,336,847号に記載されているもの
が含まれ、これらの特許は引用することによりその記載事項が本明細書の内容と
なる。
【0004】 これらの流体の多くは、合理的な時間枠内で生分解性であるとは思われない。
いくつかはそれらを最適に満たない電気的性質を有している。近年、規制機関(
regulatory agencies)が土壌及び他の地域を汚染し得るこ
ぼれ油についてますます関心を持つようになってきた。人口の多い地域及びショ
ッピングセンターで用いられる変圧器のような電気装置のためには、生分解性油
が望ましいであろう。
【0005】 植物油は完全に生分解性であるが、市場で現在入手可能な油は電気絶縁銘柄で
はない。なたね油及びひまし油のようないくつかの植物油が限られた量で、ほと
んどコンデンサーにおいて用いられてきたが、これらはオレイン酸エステルでは
ない。
【0006】 完全に生分解性の電気的流体(electrical fluid)に対する
必要性がある。そのような油を含む電気装置に対する必要性がある。植物油を電
気絶縁銘柄に加工する方法に対する必要性がある。
【0007】
【発明の概略】
本発明は、少なくとも75%のオレイン酸、10%未満の二不飽和脂肪酸成分
;3%未満の三不飽和脂肪酸成分;及び8%未満の飽和脂肪酸成分という脂肪酸
成分を含み;さらに少なくとも35KV/100ミル(2.5mm)ギャップの
絶縁耐力、25℃において0.05%未満の誘電正接、0.03mg KOH/
g未満の酸性度、25℃において1pS/m未満の電気導電率、少なくとも25
0℃の引火点及び少なくとも−15℃の流動点という性質により特徴付けられる
高オレイン酸トリグリセリド組成物に関する。
【0008】 本発明は、少なくとも75%のオレイン酸、10%未満の二不飽和脂肪酸成分
;3%未満の三不飽和脂肪酸成分;及び8%未満の飽和脂肪酸成分という脂肪酸
成分を含み;さらに少なくとも35KV/100ミルギャップの絶縁耐力、25
℃において0.05%未満の誘電正接、0.03mg KOH/g未満の酸性度
、25℃において1pS/m未満の電気導電率、少なくとも250℃の引火点及
び少なくとも−15℃の流動点という性質により特徴付けられる高オレイン酸ト
リグリセリド組成物を少なくとも75%、ならびに酸化防止添加剤、流動点降下
添加剤及び銅奪活剤の群から選ばれる1種もしくはそれより多い添加剤を含む電
気絶縁流体に関する。
【0009】 いくつかの好ましい実施態様の場合、電気絶縁流体は流動点降下添加剤を含み
、それはいくつかの実施態様においてはポリメタクリレートである。
【0010】 いくつかの好ましい実施態様の場合、電気絶縁流体は酸化防止添加剤の組合わ
せを含む。いくつかの好ましい実施態様においては、電気絶縁流体はIRGAN
OX L−57酸化防止剤及びIRGANOX L−109酸化防止剤の組合わ
せを含む。
【0011】 いくつかの好ましい実施態様の場合、電気絶縁流体は銅奪活剤を含む。いくつ
かの好ましい実施態様においては、銅奪活剤はIRGAMET 30金属奪活剤
である。
【0012】 いくつかの好ましい実施態様の場合、その酸化防止添加剤及び銅奪活剤は電気
絶縁流体の約0.2〜2.0%を構成する。添加剤がIRGANOX L−57
酸化防止剤、IRGANOX L−109酸化防止剤及びIRGAMET−30
金属不活化剤の組合わせを含むのが好ましい。約1部のIRGANOX L−5
7酸化防止剤対2〜4部のIRGANOX L−109酸化防止剤対約1部のI
RGAMET金属奪活剤の比率で組合わせが与えられるのが好ましい。
【0013】 いくつかの好ましい実施態様の場合、電気絶縁流体は少なくとも94%の高オ
レイン酸トリグリセリド組成物を含む。いくつかの好ましい実施態様においては
、電気絶縁流体は:少なくとも75%のオレイン酸、10%未満のリノール酸、
3%未満のリノレン酸、4%未満のステアリン酸及び4%未満のパルミチン酸と
いう脂肪酸成分を含む。いくつかの好ましい実施態様では、電気絶縁流体は:少
なくとも40KV/100ミルギャップの絶縁耐力、25℃において0.02%
未満の誘電正接、0.02mg KOH/g未満の酸性度、25℃において0.
25pS/m未満の電気導電率、少なくとも300℃の引火点、及び少なくとも
−20℃、そしていくつかの実施態様では少なくとも−40℃の流動点という性
質により特徴付けられる。いくつかの好ましい実施態様の場合、電気絶縁流体は
0.5〜1.0%、いくつかの実施態様では0.5%のIRGANOX L−5
7酸化防止剤、IRGANOX L−109酸化防止剤及びIRGAMET−3
0金属奪活剤の組合わせを含む。いくつかの好ましい実施態様では、IRGAN
OX L−57酸化防止剤、IRGANOX L−109酸化防止剤及びIRG
AMET−30金属奪活剤の組合わせは、約1部のIRGANOX L−57酸
化防止剤対約3部のIRGANOX L−109酸化防止剤対約1部のIRGA
MET−30金属奪活剤の比率を有する。
【0014】 本発明は、電気絶縁流体を含む電気装置に関する。
【0015】 本発明は、電気装置において絶縁を与えるための電気絶縁流体の使用に関する
【0016】 本発明は、精製され、漂白され、且つ脱臭された高オレイン酸トリグリセリド
をクレーと合わせて混合物を形成し、混合物を濾過してクレーを除去する段階を
含む、高オレイン酸トリグリセリド組成物の調製法に関する。
【0017】 (発明の詳細な説明) 本発明によれば、電気絶縁用の流体としての高オレフィン酸含量をもつ植物油
の新規用途が提供される。植物油は通常飽和および不飽和の有機酸のトリグリセ
リドエステルを高い割合で含んでいる。これらの酸が飽和である場合、トリグリ
セリドは半固体または高い凝固点をもった液体である。不飽和酸は凝固点の低い
油を生じる。しかしモノ不飽和酸は二不飽和酸および三不飽和酸に比べて好適で
ある。何故ならば後の二つは酸素と交叉結合するために空気中で速く硬化(dr
y)する傾向があるからである。二不飽和酸および三不飽和酸の量が増加すると
、油は酸化を受け易くなり、飽和度が増加すると流動点が高くなる。理想的には
、モノ不飽和酸の含量が高い程、油は電気絶縁用流体として良好な性質を示す。
【0018】 オレイン酸は多くの天然産の油、例えばヒマワリ油、オリーブ油およびベニバ
ナ油の中に比較的高い割合(60%以上)でトリグリセリドエステルとして見出
だされるモノ不飽和酸である。高いオレイン酸含量とは通常全部の酸の含量の7
5%以上である。遺伝子操作および育種法により80%を越えるオレイン酸含量
が達成されている。現在米国において入手できる高いオレイン酸含量および低い
飽和度をもつ2種の油はヒマワリ油およびキャノーラ(canola)油である
。これらの油は高品質の潤滑油を製造するのには有用であるが、電気絶縁用流体
の製造には使用されていない。
【0019】 高オレイン酸含量をもつ油は遺伝子操作によって変性(modify)して高
オレイン含量をもつようにしたヒマワリおよびキャノーラのような植物の種子か
ら誘導することができる。純粋な油は炭素原子数が16〜22の範囲にある或る
種の脂肪酸のトリグリセリドである。炭素鎖が全く二重結合をもっていないなら
ば、これは飽和の油であり、Cn:0で表される。ここでnは炭素原子の数であ
る。炭素鎖が1個の二重結合をもっている場合はCn;1で、2個の二重結合を
もっている時はCn:2で、また3個の二重結合をもっている時はCn3で表さ
れる。オレイン酸はC18:1の酸であり、エルカ酸はC22:1の酸である。
これらの酸はトリグリセリドとして結合した状態にあり、油を加水分解すると、
酸成分およびグリセリン成分に分離する。高オレイン酸含量の油は75%より多
いオレイン酸(グリセリンと結合した状態)を含み、残りは主としてC18:0
、C18:2およびC18:3の酸(やはりグリセリンと結合した状態)から成
っている。これらの酸はステアリン酸、リノール酸およびリノレン酸として知ら
れている。二重結合および三重結合による不飽和基を高い割合で含む油は、空気
と反応して酸化生成物を生じるから、電気的な用途には不適当である。オレイン
酸エステルのようなモノ不飽和油も空気と反応することができるが、その速度は
はるかに遅く、酸化防止剤で安定化させることができる。
【0020】 典型的な高オレイン酸含量が85%の油は次のような近似的な組成をもってい
る。
【0021】 飽和油 3〜5% モノ不飽和油 84〜85% 二不飽和油 3〜7% 三不飽和油 1〜3% 本発明は植物油の使用法を提供するが、本発明では植物から分離されたこれら
の油と同じ組成特性を有する合成油を使用することができる。植物から誘導され
た材料は殆どすべての用途に適しているが、合成材料はある種の用途において望
ましい代替品と成ることができる。
【0022】 本発明に従えば、電気絶縁用流体に対して有用な物理的特性をもった油組成物
の製造原料として高オレイン酸含量をもつ油を使用する。本発明によれば、特殊
な構造的および物理的特性および性質をもった処理された油、このような組成物
を製造する方法、該組成物を含む電気絶縁用流体、該電気絶縁用流体を含む電気
装置、および該流体を使用して電気装置を絶縁する方法が提供される。
【0023】 本発明によれば、電気絶縁用流体として、特に電気絶縁用流体の成分をなす材
料として有用なオレイン酸トリグリセリド含量が高い組成物が提供される。トリ
グリセリド組成物ではグリセリンの主骨格に3個の脂肪酸分子が結合している。
本発明のトリグリセリド組成物は少なくとも75%のオレイン酸を含む脂肪酸成
分から成っている。残りの脂肪酸成分は二不飽和脂肪酸成分が10%よりも少な
く、三不飽和酸成分が3%より少なく、飽和酸成分が8%よりも少ない。
【0024】 本発明のトリグリセリド組成物は少なくとも80%のオレイン酸を含む脂肪酸
成分から成っていることが好ましい。さらに好ましくは本発明のトリグリセリド
組成物は少なくとも85%のオレイン酸を含む脂肪酸成分から成っている。或る
具体化例においては、本発明のトリグリセリド成分は90%のオレイン酸を含む
脂肪酸成分から成っている。或る具体化例においては、本発明のトリグリセリド
成分はオレイン酸を90%よりも多く含む脂肪酸成分から成っている。
【0025】 該トリグリセリドの中に存在する二不飽和、三不飽和および飽和脂肪酸成分は
C16〜C22であることが好ましい。残りの脂肪酸成分の80%より多くがC
18−二不飽和、三不飽和および飽和脂肪酸、即ちそれぞれリノール酸、リノレ
ン酸およびステアリン酸であることが好ましい。或る具体化例においては、二不
飽和、三不飽和および飽和脂肪酸成分は少なくとも75%のオレイン酸、3%よ
り少ないリノール酸、4%より少ないステアリン酸、4%より少ないパルミチン
酸(飽和C16)を含んでいる。
【0026】 本発明のトリグリセリド組成物は電気的用途に使用できるクラスのものである
。即ちこれらは電気絶縁用流体として使用するのに特に適した物理的性質をもっ
ている。本発明のトリグリセリド組成物の耐電圧は100ミル(2.5mm)の
間隙で少なくとも35KV、誘電正接は25℃で0.05%より小さく、酸性度
は0.03mgKOH/gより小さく、導電率は25℃において1pS/mより
小さく、引火点は少なくとも250℃であり、流動点は少なくとも−15℃であ
る。
【0027】 耐電圧、誘電正接、酸性度、導電率、引火点および流動点はそれぞれ米国フィ
ラデルフィア州19428、100 Barr Harbor Drive W
est ConshohockenのAmerican Society fo
r Testing Materials(ASTM)発行のAnnual B
ook of ASTM Standards(第5巻および10巻)記載の刊
行された標準法を用いて測定した。この文献は参考のために添付されている。耐
電圧はASTM試験法D877を用いて決定する。誘電正接はASTM試験法D
924を用いて決定する。酸性度はASTM試験法D974を用いて決定する。
導電率はASTM試験法D2624を用いて決定する。引火点はASTM試験法
D92を用いて決定する。流動点はASTM試験法D97を用いて決定する。
【0028】 耐電圧は100〜150mlの油の試料を試験室の中に採り、特定の間隙で分
離された試験用電極の間に電圧をかけて測定する。試験は5回行い、平均値を計
算することが好ましい。本発明のトリグリセリド組成物の誘電強度は100ミル
(2.5mm)の間隙を置いて少なくとも35KVである。或る好適な具体化例
においては、この値は40/間隙100ミル(2.5mm)であった。
【0029】 誘電正接は導電種による電気的損失の目安であり、キャパシタンス・ブリッジ
を用い試験室の中の流体のキャパシタンスを測定することによって試験する。本
発明のトリグリセリド組成物の誘電正接は25℃において0.05%よりも小さ
い。或る好適な具体化例においては0.02%よりも小さい。また或る好適な具
体化例においては0.01%よりも小さい。
【0030】 酸性度は、容積既知の油をKOHアルコール溶液で滴定して中和点を求めるこ
とにより測定する。1mgのKOH当たりの油のg単位の重量を酸価または中和
価として相互に交換して用いることもできる。本発明のトリグリセリド組成物の
酸性度は0.03mgKOH/gよりも小さい。或る好適な具体化例においては
この値は0.02mgKOH/gよりも小さい。
【0031】 導電率はEmceeメーターのような導電率計を使用して測定する。本発明の
トリグリセリド組成物の導電率は25℃において1pS/mよりも小さい。或る
好適な具体化例においてはこの値は0.25pS/mよりも小さい。
【0032】 引火点は油の試料を引火点試験器の中に入れ、油が燃焼する温度を決定するこ
とによって決定する。本発明のトリグリセリド組成物の引火点は少なくとも25
0℃である。或る好適な具体化例においてはこの値は少なくとも300℃である
【0033】 流動点は、油の試料をドライアイス/アセトンで冷却し、液体が半固体になる
温度を決定することによって決定する。本発明のトリグリセリド組成物の流動点
は−15℃以下である。或る好適な具体化例においてこの値は−20℃以下であ
る。また或る好適な具体化例においてこの値は−40℃以下である。
【0034】 下記の性質によって高オレイン酸油は誘電性流体として特に有用になる。高オ
レイン酸油は有利な酸化安定性をもった電気絶縁用流体を製造する良好な原料と
なる。高オレイン酸油は有利なガス化傾向(gassing tendency
)をもっている。ガス化傾向を測定し、約1.4μL/分で或ることが見出ださ
れた。これはガスの吸収および放出のいずれも行わない「中性」の領域である。
特に或る種の配電用変圧器に対してはガスを吸収するかまたは非常に僅かしか放
出しない油が望ましい。この性質によって高オレイン酸油は変圧器の電気絶縁用
流体として特に有利に使用される。高オレイン酸油を試験し、25℃において約
0.57cal/(g/K)の比熱をもつことが見出された。これは25℃にお
ける比熱が25℃において約0.47cal/(g/K)比熱をもつ標準的な変
圧器用の油に十分匹敵する。比熱が高いことは高オレイン酸油が速く加熱できて
温度が僅かに高くなるだけで装置を動作させることができるので、望ましい性質
である。熱伝導度を測定し、これも標準的な変圧器の油に十分匹敵することが見
出だされた。高オレイン酸油を試験し、熱伝導度は0.17W/(mK)であっ
たが、これは熱伝導度が25℃において0.12W/(mK)の標準的な変圧器
に対比することができる。熱伝導度が高いことは、熱源から熱が一層効率的に伝
わることを示している。高オレイン酸油を試験し、熱膨張係数として100℃で
6.86×10-4/℃および200℃において7.35×10-4/℃の測定値を
得た。標準的な変圧器の油の熱膨張係数は7.7×10-4/℃である。高オレイ
ン酸のこのような有利な熱膨張係数により、流体の膨張に必要なタンクの容積を
減少させることができよう。
【0035】 或る好適な具体化例において、本発明のトリグリセリド組成物は耐電圧が少な
くとも40KV/100ミル(2.5mm)で、誘電正接が25℃で0.02%
より小さく、酸性度は0.02mgKOH/gより小さく、導電率が25℃にお
いて0.25pS/mよりも小さく、引火点が少なくとも300℃であり、流動
点が−20℃以下である性質をもっていることを特徴としている。或る好適具体
化例において流動点は−40℃以下である。
【0036】 或る好適な具体化例においては、本発明のトリグリセリド組成物は脂肪酸成分
が少なくとも75%のオレイン酸を含み、リノレン酸成分を10%より少ない、
リノレン酸成分を3%より少ない、ステアリン酸成分を4%より少ない、パルミ
チン酸成分を4%より少ない割合で含み、耐電圧が少なくとも40KV/間隙1
00ミル(2.5mm)であり、誘電正接が25℃において0.02%より小さ
く、酸性度が0.02mgKOH/gより小さく、導電率が25℃で0.25p
S/mより小さく、引火点が少なくとも300℃であり、流動点が−40℃以下
である特性をもつことを特徴としている。
【0037】 高オレイン酸含量をもつトリグリセリドは1986年12月4日付けのFic
kの米国特許4,627,192号および1988年5月10日付けのFick
の同743、402号に記載されている。これらの油または本発明による同様な
脂肪酸組成をもつものは、処理して所望の物理的特性をもつ油にすることができ
る。高オレイン酸含量の植物油は市販業者からRBD油(精製し漂白し脱色した
油)として得ることができ、これをさらに本発明方法によって処理し電気絶縁用
流体組成物として有用な高オレイン酸油にすることができる。米国および海外に
おいて高オレイン酸含量のRBD油の市販業者はいくつかある。さらに処理する
ための原料として有用なRBD油は米国オハイオ州EastlakeのSVD
Speciality Productsおよびミネソタ州Minneapol
isのCargill Corp.から得ることができる。製油業者はRBD油
を得るために面倒な処理を行い、その間すべての非油性成分(ガム、燐脂質、顔
料等)を除去する。他の工程として飽和成分を除去するための冷却(winte
rization)および毒性のない添加物を用いる安定化を含ませることがで
きる。油をRBD油に変える方法はJohn Wiley & Sons 19
79年発行Bailey著、Industrial Oil and Fat
Products 第4版、第1、2および3巻、およびAOCC Press
1992年発行、H.B.W.Patterson著、Bleaching
and Purifying Fats and Oilsに記載されている。
この文献は参考のために添付されている。
【0038】 上記に定義した物理的性質をもつ油を得るために本発明方法によりRBD油を
さらに処理する。微量の極性化合物および酸性物質がなお油の中に残っており、
それにより電気絶縁用流体として不適当になるために、RBDとして入手したば
かりの油は精製が必要である。本発明の精製法では粘土処理が用いられ、これは
実質的には中性の粘土を使用する漂白法である。RBD油を10重量%の粘土と
結合させ、少なくとも20分の間混合する。油を約60〜80℃に加熱すると好
適である。また混合物を撹拌することが好適である。次にフィルター・プレスに
より粘土の粒子を除去する。この工程の間真空条件をかけるかまたは中性の雰囲
気(窒素による)によって酸化を防ぐ。僅かに安定化された油が好適である。工
程の終りにおいてさらに安定剤を加える。導電性、酸性度および誘電正接の測定
によって純度を監視する。脱イオン化法によりさらに処理を行うことができるが
、必須ではない。電気的性質を最も妨害する極性化合物は有機金属化合物、例え
ば金属石鹸、クロロフィル顔料等である。必要な精製度は測定された性質および
使用限度によって決定される。別の具体化例では粘土のカラムの中にRBD油を
通す。しかし粘土と撹拌する方が粘土のカラムに通すよりも好適である。好適な
具体化例においては、中性のアタパルジット粘土、典型的には30/60メッシ
ュの大きさのものを1〜10重量%の粘土の割合で使用する。或る好適具体化例
においては。中性のアタパルジット粘土はUltra Clear neutr
al Attapulgite clay(米国イリノイ州60611、Chi
cagoのOil Dri Corporation of America製
)である。或る具体化例においてはフィルター、好ましくは細孔の大きさが1〜
5μmの濾紙を用い粘土粒子を除去する。粘土を高温の油と混合し、数分間撹拌
した後、フィルターを用いて粘土を濾過することが好ましい。フィルターの分離
器を用いる場合には、紙または合成フィルターシートを用いることができる。フ
ィルターシートは周期的に交換する。
【0039】 本発明の電気絶縁用流体は本発明のトリグリセリド組成物から成り、さらに1
種またはそれ以上の添加物を含んでいることができる。添加物には酸化防止剤、
銅奪活剤および流動点低下剤が含まれる。
【0040】 酸化防止剤を油に加えることができる。酸化安定性が望ましいが、酸素が存在
しない密封したユニットの中では必ずしも必須ではない。通常使用される酸化防
止剤はブチル化したヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化したヒドロキシア
ニソール(BHA)、およびモノ−t−ブチルヒドロキノン(TBHQ)を含ん
でいる。或る具体化例においては酸化防止剤はBHAとBHTのような組合わせ
で使用される。酸化防止剤は0.1〜3.0%の濃度で存在することができる。
或る具体化例においては0.2%のTBHQを使用する。油の酸化安定性は当業
界に公知のAOMまたはOSI法で決定することができる。AOM法では100
℃において空気により油を酸化し、過酸化物の生成を測定する。100ミリ当量
または他の限界に到達する時間を決定する。この値が高いほど油は安定である。
OSI法では伝導度を測定し工業的な期間(industral period
)に達する時間を決定する。
【0041】 電気的な環境においては銅が常に存在するから、他の型の添加剤は銅の奪活剤
である。ベンゾトリアゾール誘導体のような銅の奪活剤が市販されている。これ
を1%以下のような少量で使用すると、電気装置の中における銅の触媒活性を減
少させるのに有利である。或る具体化例においては電気絶縁用流体は1%より少
ない銅の奪活剤を含んでいる。或る具体化例においては銅の失活剤はベンゾトリ
アゾール誘導体である。
【0042】 本発明の或る好適な具体化例においては、高オレイン酸含量のトリグリセリド
組成物と組み合わせて使用して電気絶縁用流体をつくる場合、ここに記載された
添加物の組合せが特に効果的である。本発明の電気絶縁用流体に含まれる添加剤
の組合わせとしては3種の添加剤、即ちIRGANOX L−57酸化防止剤、
IRGANOX L−109酸化防止剤およびIRGAMET−30金属奪活剤
の組合せが含まれ、これらはいずれもCIBA−GEIGY社(米国ニューヨー
ク州Tarrytown)から市販されている。添加剤の組み合わせは全部を組
み合わせた量として流体中に0.2〜2%、好ましくは0.5〜1.0%存在す
る。或る具体化例においては添加剤の組み合わせは約0.5%の量で存在してい
る。
【0043】 この添加剤の組み合わせの中でIRGANOX L−57酸化防止剤は約1部
、IRGANOX L−109酸化防止剤は約2〜4部、IRGAMET−30
金属奪活剤は約1部の割合で存在している。或る具体化例においては、この添加
剤の組み合わせの中でIRGANOX L−57酸化防止剤は約1部、IRGA
NOX L−109酸化防止剤は約3部、IRGAMET−30金属奪活剤は約
1部の割合で存在している。
【0044】 IRGANOX L−57酸化防止剤はCIBA/GEIGY社から市販され
ており、アルキル化されたジフェニルアミンの液状混合物である。特定的に言え
ば、これはN−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルペンタンとの
反応生成物である。
【0045】 IRGANOX L−109酸化防止剤はCIBA/GEIGY社から市販さ
れており、高分子量のフェノール性酸化防止剤、ビス(3,5−ジ−t−ブチル
−ヒドロキシヒドロ桂皮酸)である。IRGANOX L−109はビス(2.
6−ジ−t−ブチルフェノール)誘導体である。
【0046】 IRGAMET−30金属奪活剤はCIBA/GEIGY社から市販されてお
り、トリアゾール誘導体のN,N−ビス(2−エチルヘキシル)−1H−1,2
,4−トリアゾール−1−メタンアミンである。
【0047】 IRGANOX L−57酸化防止剤およびIRGANOX L−109酸化
防止剤は酸化防止剤であり、IRGAMET−30金属奪活剤は銅の不動態化剤
(pasivator)である。電気装置の中で銅は導体として広く使用され、
また銅は油の酸化に触媒効果をもっている。酸化防止剤は遊離の酸素と反応し、
酸素が油を攻撃するのを防止する。
【0048】 低い流動点が必要な場合、流動点低下剤を加えこともできる。植物をベースに
した油に対し相溶性のある市販品を使用することができる。流動点を10〜15
℃低下させるには通常2%またはそれ以下程度の低い割合しか必要としない。或
る具体化例において流動点低下剤はポリメタクリレート(PMA)である。
【0049】 或る具体化例においては処理された油を冷却することにより流動点をさらに低
下させることができる。実質的には温度を0℃近くまたはそれ以下に低下させて
油を冷却し、固化した成分を除去する。冷却化工程は一連の温度低下操作の後に
種々の温度で固体分を除去するようにして行うことができる。或る具体化例にお
いてはは、数時間の間に温度を順次5℃、0℃および−12℃に低下させ、珪藻
土で固体分を濾過することにより冷却化工程を行う。
【0050】 或る具体化例においては、本発明の上記のトリグリセリド成分を少なくとも7
5%含む本発明の電気絶縁用流体はさらに約0.1〜5%の添加剤を含み、この
時さらに最高約25%の他の絶縁用流体、例えば鉱油、合成エステルおよび合成
炭化水素を含んでいる。或る具体化例において電気絶縁用流体は、鉱油、合成エ
ステル、合成炭化水素およびこれらの材料の2種またはそれ以上の組み合わせか
ら成る群から選ばれる絶縁用流体を1〜24%含んでいる。或る具体化例におい
て電気絶縁用流体は、鉱油、合成エステル、合成炭化水素およびこれらの材料の
2種またはそれ以上の組み合わせから成る群から選ばれる絶縁用流体を5〜15
%含んでいる。鉱油の例にはポリ−α−オレフィンが含まれる。本発明の一部と
して使用できる鉱油の例には、Cooper Power Fluid Sys
tems製のRTRempが含まれる。市販の合成エステルの例にはポリオール
エステルが含まれる。本発明の一部として使用できる合成エステルの例には、M
IDEL7131(英国ManchesterのThe Micanite a
nd Insukators Co.)、REOLEC138(英国Manch
esterのFMC)およびENVIROTEMP 200(Cooper P
ower Fluid Systems)の商品名で市販されているものが含ま
れる。或る好適な具体化例においては、電気絶縁用流体は本発明のトリグリセリ
ド組成物を少なくとも85%含んでいる。また或る好適な具体化例においては本
発明のトリグリセリド組成物を少なくとも95%含んでいる。
【0051】 本発明の或る好適な具体化例においては、電気絶縁用流体に有用な性質をもっ
た油組成物の製造原料として高オレイン酸含量の油を使用する。高オレイン酸含
量の油を酸化防止剤と金属奪活添加剤との好適な組合せと組み合わせて電気絶縁
用流体をつくる。本発明の或る好適な具体化例はこのような電気絶縁用流体、該
電気絶縁用流体を含む電気装置、および該流体を使用する電気装置の絶縁方法に
関する。
【0052】 或る具体化例においては、上記の本発明のトリグリセリド組成物を少なくとも
75%含む本発明の電気絶縁用流体は、さらに約0.1〜5%ので添加剤、好ま
しくはIRGANOX L−57酸化防止剤、IRGANOX L−109酸化
防止剤およびIRGAMET−30金属奪活剤の組合わせを0.5〜2.0%含
んでおり、この場合最高約24.5%の他の絶縁用流体、例えば鉱油、合成エス
テルおよび合成炭化水素を含んでいる。或る具体化例においては、電気絶縁用流
体は鉱油、合成エステル、合成炭化水素およびこれらの材料の2種またはそれ以
上の組み合わせから成る群から選ばれる絶縁用流体を3〜20%含んでいる。或
る具体化例においては、電気絶縁用流体は鉱油、合成エステル、合成炭化水素お
よびこれらの材料の2種またはそれ以上の組み合わせから成る群から選ばれる絶
縁用流体を5〜15%含んでいる。
【0053】 本発明はまた本発明の電気絶縁用流体を含む電気装置に関する。これらの電気
装置は電気変圧器、蓄電器または電力ケーブルであることができる。米国特許4
,082,866号には、タンク、芯とコイルを含む電気機素、および該タンク
の内部にあって該電気機素を覆う絶縁油から成る電気変圧器が記載され、米国特
許4,206,066号、同4,612,302号、同5,017,733号、
同5,250,750号、同5,336,847号には、本発明の電気絶縁用流
体を使用し得る電気絶縁用流体の用途が記載されている。これらの特許は参考の
ために添付されている。また1991年2月19日付けのGrimes等に対す
る米国特許4,993,141号、1989年12月26日付けのHillに対
する米国特許4,890,086号、1991年1月25日付けのAdkins
等に対する米国特許5,025,949号、1990年11月20日付けのGr
imes等に対する米国特許4,972,168号および1981年12月22
日付けのLanoue等に対する米国特許4,307,364号には、本発明の
電気絶縁用流体を使用し得る種々の電気装置に関する記載がある。これらの特許
は参考のために添付されている。或る好適な具体化例においては、本発明の電気
装置は電気変圧器、特に電力変圧器または配電用の変圧器である。
【0054】
【実施例】
実施例1 いくつかの高オレイン酸油(high oleic oils)を更に精製し
そして本発明に従って安定化させてそれらを電気的に適当なものとした。電気的
試験は、このような精製された油は、配電変圧器において最近使用されている高
温流体と同様な性質を有することを示した。表1は最近使用されている流体と本
発明の精製された油の性質を比較する。
【0055】
【表1】
【0056】 高オレイン酸油について列挙された性質は添加剤を含まない精製された油につ
いての性質である。
【0057】 実施例2 RBD油(精製され、漂白されそして脱臭された)と呼ばれる受け入れたまま
の油の精製が必要である。何故ならば、微量の極性化合物及び酸性物質が油中に
まだ残存していて、油を電気的流体として不適当にするからである。我々が試み
た精製は、下記のようなクレー処理を含んでいた。RBD油約1ガロンを10%
アタパルジヤイトクレーで処理した。1pS/mより少ない導電率(elect
rical conductivity)を有する油を製造した。アタパルジヤ
イト処理した油は0.25pS/mという低い導電率(conductivit
ies)を示した。商業的銘柄の油は1.5〜125pS/mの範囲の導電率を
有していた。1pS/m以下の導電率(又は1014オーム・センチメートル以上
の抵抗率)が電気的銘柄の油で所望される。純度の他の指標は誘電正接(dis
sipation factor)及び中和価(neutralization
number)(酸価)である。誘電正接は導電性種(conducting
species)、通常有機金属微量成分により引き起こされる導電による電
気損失の目安であり、そして室温で0.05%以下とするべきである。クレー処
理された油は0.02%の誘電正接を有していた。未処理RBD油は0.06%
〜2.0%の範囲のDFを有していた。より微細な銘柄のクレーでは、2%のク
レーで同じ結果を達成することができた。フィルター分離器がフィルターカラム
より好ましかった。
【0058】 実施例3 ASTM及びAOCS法を使用して処理された油サンプル及び未処理油サンプ
ルに関して酸化安定性試験を行った。未処理RBD油及び処理されたRBD油は
試験に不合格であった。酸化防止剤を油に加えそして試験を繰り返した。いくつ
かの酸化防止剤を試験した:油中の0.2重量%のBHT(ブチル化ヒドロキシ
トルエン)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)及びTBHQ(モノ−タ
ーシャリーブチルヒドロキノン)。使用したAOCS法(Cd12.57)では
、100mlのサンプルを100℃で空気により泡立て、そして過酸化物の形成
をいくつかの時間間隔で測定した。100ミリ当量の過酸化物に達するための時
間を書き留めた。銅は常に電気的環境中に存在するので、すべての油サンプルは
その中に銅線を入れられた。添加剤なしでは、限界に達するための時間は18時
間であり、添加剤あり(0.2%)では、時間はBHT+BHAで100時間で
あった。TBHQでは、400時間後ですら、過酸化物値は8.4ミリ当量にし
か達しなかった。TBHQは3つの内最善の酸化防止剤であることが証明された
。酸化防止剤なしでは、油は酸化により過酸化を生成し、この過酸化物は次いで
酸、アルコール、エステル、アルデヒド、ケトン及びポリマー構造物に転換され
る。流体絶縁物を使用する大抵の電気的装置は低酸素又は酸素不含有雰囲気中で
操作され、そのため酸化に対する心配はあまり大きくない。
【0059】 実施例4 処理された油の流動点は典型的には−25℃であった。流動点を更に低下させ
るために、処理された油を5°、0°及び−12℃で数時間ウインターライズ処
理し(winterized)、そして分離した固体をけいそう土でろ過した。
これまでに達成された最も低い流動点は−38℃であり、これは変圧器油の場合
の−40℃の規定された値に近い。更なる低下は延長したウインターライズ処理
により可能である。他の方法は鉱油のために使用されてきたPMA(ポリメタク
リレート)の如き流動点降下剤の使用による。
【0060】 実施例5 OSI(油安定性指標(Oil Stability Index)法、AO
CS Cd 12b−92を使用して、実験室酸化安定性試験を行った。添加剤
は、高オレイン酸植物油(high oleic vegetable oil
)及び変圧器で使用されるレギュラー鉱油の両方においていくつかの濃度で1:
3:1の割合で使用した。OSI法では、油50mlを導電率セルに取り、そし
て110℃に保たれた浴に入れる。2.5ml/分で空気をそれに吹き込む。揮
発性脂肪酸を含む流出空気(effluent air)を脱イオン水を入れた
容器に通す。水の導電率を時間の関数として監視する。酸化防止剤が消耗される
と、導電率の突然の上昇が観察される。これは終点と見なされる。時間数を11
0℃におけるOSI値として書き留める。これらの値を、他の油安定性試験、A
OM(活性酸素法(Active Oxygen Method))、A.O.
C.S.Cd 12−57において使用される温度に対応するようにこれらの値
を97.8℃のOSI値に転換するのが普通である。
【0061】 表2は試験結果を要約する。
【0062】
【表2】
【0063】 油中の0.5%濃度で添加剤を含んで成る組成物はレギュラー変圧器油と同様
に有効であり、そして或る変圧器油において使用される高温鉱油(high t
emperature mineral oil)より有効である。添加剤の組
み合わせの他の優れた点は、0.2%TBHQを有する油の場合の4.5pS/
mに比べて、0.5%濃度での油導電率は2pS/m以下であるということであ
る。
【0064】 実施例6 組成物と他の流体との混合は流動点の低下をもたらすことができる。例えば、
電気的絶縁流体をレギュラー鉱油(−50℃又はそれ以下の流動点)と混合し、
そして混合物中の5%濃度で(即ち、最終電気絶縁流体(final elec
trical insulator fluid)は5%鉱油を含む)、流動点
は−40℃に減少した。他の態様では、電気絶縁流体を合成エステルReole
c 138と混合し、そして混合物中の10%濃度で(即ち、最終電気絶縁流体
は10%合成エステルを含む)、流動点は−42℃に減少した。上記流体は、例
えばレギュラー鉱油と混合することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 91/00 C08L 91/00 C10M 101/02 C10M 101/02 101/04 101/04 105/32 105/32 107/02 107/02 129/10 129/10 129/14 129/14 129/16 129/16 133/38 133/38 145/14 145/14 169/04 169/04 C11C 3/00 C11C 3/00 // C10N 20:00 C10N 20:00 A Z 30:02 30:02 30:10 30:10 30:14 30:14 40:16 40:16 Fターム(参考) 4H059 BA33 BB03 BB06 DA02 DA04 DA30 4H104 BA07A BB05C BB06C BB08C BB31A BE26C CA01A DA02A DA06A EA04A EA13A EA14A EB05 EB09 EB11 LA01 LA05 LA07 PA12 4J002 AE052 BG051 EH046 EU177 FD070 FD206 FD207 GQ01 5G305 AA03 AB19 AB21 BA05 CB08 CD09 CD11 CD20

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸成分の少なくとも75%がオレイン酸である高オレイ
    ン酸トリグリセリド組成物であって、 ここでさらに: 少なくとも35KV/100ミルギャップの絶縁耐力、 25℃において0.05%未満の誘電正接、及び 25℃において1pS/m未満の電気導電率 という性質により特徴付けられる高オレイン酸トリグリセリド組成物。
  2. 【請求項2】 さらに 10%未満の二不飽和脂肪酸成分C16−C22; 3%未満の三不飽和脂肪酸C16−C22成分;及び 8%未満の飽和脂肪酸成分C16−C22 である脂肪酸成分を含んで成る請求項1記載の高オレイン酸トリグリセリド組成
    物。
  3. 【請求項3】 少なくとも75%のオレイン酸、 10%未満のリノール酸、 3%未満のリノレン酸、 4%未満のステアリン酸及び 4%未満のパルミチン酸 の脂肪酸成分を含んで成る請求項1記載の高オレイン酸トリグリセリド組成物。
  4. 【請求項4】 該組成物がさらに: 少なくとも40KV/100ミルギャップの絶縁耐力、 25℃において0.02%未満の誘電正接、 0.02mg KOH/g未満の酸性度、 25℃において0.25pS/m未満の電気導電率、 少なくとも300℃の引火点、及び 少なくとも−20℃の流動点 という性質により特徴付けられる請求項1記載の高オレイン酸トリグリセリド組
    成物。
  5. 【請求項5】 さらに 少なくとも−40℃の流動点 により特徴付けられる請求項1記載の高オレイン酸トリグリセリド組成物。
  6. 【請求項6】 少なくとも75%の請求項1記載の高オレイン酸トリグリセ
    リド組成物、 0.1〜3%の酸化防止添加剤 を含んで成る電気絶縁流体。
  7. 【請求項7】 少なくとも94%の高オレイン酸トリグリセリド組成物を含
    んで成る請求項6記載の電気絶縁流体。
  8. 【請求項8】 さらに流動点降下添加剤を含む請求項6記載の電気絶縁流体
  9. 【請求項9】 該流動点降下剤がポリメタクリレートである請求項8記載の
    電気絶縁流体。
  10. 【請求項10】 さらに銅奪活添加剤を含み、該銅奪活剤を1%未満含む請
    求項6記載の電気絶縁流体。
  11. 【請求項11】 該銅奪活剤がベンゾトリアゾール誘導体である請求項6記
    載の電気絶縁流体。
  12. 【請求項12】 さらに最高で25%の鉱油、合成エステル類、合成炭化水
    素及びそれらの組合わせを含んで成る請求項6記載の電気絶縁流体。
  13. 【請求項13】 3〜20%の鉱油、合成エステル類及び/又は合成炭化水
    素を含む請求項12記載の電気絶縁流体。
  14. 【請求項14】 5〜15%の鉱油、合成エステル類及び/又は合成炭化水
    素を含んで成る請求項13記載の電気絶縁流体。
  15. 【請求項15】 5〜15%の合成エステル類及び/又は合成炭化水素を含
    んで成る請求項14記載の電気絶縁流体。
  16. 【請求項16】 請求項6記載の電気絶縁流体を含んで成る電気装置。
  17. 【請求項17】 該装置が電気変圧器、電気コンデンサー又は電力ケーブル
    である請求項16記載の電気装置。
  18. 【請求項18】 該装置が電気変圧器であり、ここで該電気変圧器はタンク
    、コア及びコイルを含んで成る電気部品、ならびに該タンク内にあって該電気部
    品を覆う該絶縁流体を含んで成る請求項16記載の電気装置。
  19. 【請求項19】 該タンク内に絶縁流体を保持して該タンク内の該電気部品
    のコア及びコイルを覆うことを含み、該絶縁流体が少なくとも75%の高オレイ
    ン酸トリグリセリド組成物を含んで成る、タンク及び電気部品を含んで成る電気
    変圧器の絶縁法。
  20. 【請求項20】 該絶縁流体が 0.1〜3%の酸化防止添加剤; 10%未満の二不飽和脂肪酸成分C16−C22; 3%未満の三不飽和脂肪酸C16−C22成分;及び 8%未満の飽和脂肪酸成分C16−C22 を含んで成る請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 該絶縁流体において該組成物が 少なくとも35KV/100ミルギャップの絶縁耐力、 25℃において0.05%未満の誘電正接、及び 25℃において1pS/m未満の電気導電率 という性質により特徴付けられる請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 該絶縁流体が 少なくとも75%のオレイン酸、 10%未満のリノール酸、 3%未満のリノレン酸、 4%未満のステアリン酸及び 4%未満のパルミチン酸 である脂肪酸成分を含んで成る請求項20記載の方法。
  23. 【請求項23】 該絶縁流体が: 少なくとも40KV/100ミルギャップの絶縁耐力、 25℃において0.02%未満の誘電正接、 0.02mg KOH/g未満の酸性度、 25℃において0.25pS/m未満の電気導電率、 少なくとも300℃の引火点、及び 少なくとも−20℃の流動点 であるという性質により特徴付けられる請求項20記載の方法。
  24. 【請求項24】 該電気絶縁体が少なくとも94%の高オレイン酸トリグリ
    セリド組成物及び0.1〜3%の酸化防止添加剤を含んで成る請求項20記載の
    方法。
  25. 【請求項25】 該電気絶縁体がさらに流動点降下添加剤を含む請求項20
    記載の方法。
  26. 【請求項26】 該電気絶縁流体がさらにポリメタリレートを含む請求項2
    0記載の方法。
  27. 【請求項27】 該電気絶縁流体がさらに銅奪活添加剤を含んで成り、該電
    気絶縁流体は1%未満の該銅奪活剤を含んで成る請求項20記載の方法。
  28. 【請求項28】 該電気絶縁流体がさらに銅奪活添加剤を含み、該電気絶縁
    流体は1%未満の該銅奪活剤を含んで成り、該銅奪活剤はベンゾトリアゾール誘
    導体である請求項20記載の方法。
  29. 【請求項29】 該電気絶縁流体がさらに最高で25%の鉱油、合成エステ
    ル類、合成炭化水素及びそれらの組合わせを含んで成る請求項20記載の方法。
  30. 【請求項30】 該電気絶縁流体がさらに3〜20%の鉱油、合成エステル
    類及び/又は合成炭化水素を含んで成る請求項20記載の方法。
  31. 【請求項31】 該電気絶縁流体がさらに5〜15%の鉱油、合成エステル
    類及び/又は合成炭化水素を含んで成る請求項20記載の方法。
  32. 【請求項32】 該電気絶縁流体がさらに5〜15%の合成エステル類及び
    /又は合成炭化水素を含んで成る請求項20記載の方法。
  33. 【請求項33】 タンク、コア及びコイルを含んで成る電気部品、ならびに
    該タンク内にあって該電気部品を覆う絶縁流体を含んで成る電気変圧器中におけ
    る絶縁流体としての、少なくとも75%の高オレイン酸トリグリセリド組成物を
    含む組成物の使用。
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