JP2002521357A - 1,4−ビス[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−5,8−ジヒドロキシアントラセン−9,10−ジオンの調製方法 - Google Patents

1,4−ビス[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−5,8−ジヒドロキシアントラセン−9,10−ジオンの調製方法

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JP2002521357A
JP2002521357A JP2000561151A JP2000561151A JP2002521357A JP 2002521357 A JP2002521357 A JP 2002521357A JP 2000561151 A JP2000561151 A JP 2000561151A JP 2000561151 A JP2000561151 A JP 2000561151A JP 2002521357 A JP2002521357 A JP 2002521357A
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デニー,ウィリアム・アレキサンダー
リー,ホー・ホア
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C221/00Preparation of compounds containing amino groups and doubly-bound oxygen atoms bound to the same carbon skeleton

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 以下の式(3): 【化1】 の化合物AQ4又はその塩或いはそのN−酸化物を調製するための、以下の工程(21−9): 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、癌の治療に価値を有するビス−生体還元剤である、AQ4及びAQ
4Nを含むその誘導体の調製の方法に関する。
【0002】 AQ4Nは、アントラキノンであり、そして通常以下のAQ4(3)の酸化に
よって合成される:
【0003】
【化3】
【0004】 AQ4Nは、実際にはプロドラッグであり、そしてin vivoで逆反応が
起こり、低酸素性細胞中の還元性代謝によって、活性剤であるAQ4をそのプロ
トン化された形で与える。このプロドラッグは非毒性であり、所望する大量の合
成を可能にする。
【0005】 AQ4は、以前から以下のスキーム1:
【0006】
【化4】
【0007】 スキーム1 i: NaOH/Na2S2O4/H2O/70-100℃. ii: Me2N(CH2)2NH2/EtOH/50-60℃/21時間、次いで空気酸化 の方法(J.Chem.Soc.1937,254;J.Med.Chem.1
979,22;Synth.Comm.1995,25,1893)で調製され
てきた。
【0008】 別の方法として、1,8−ジアミノ−4,5−ジヒドロキシアントラキノン(
14米ドル/1g:Aldrich Chemical Co.,Gillin
gham,England)でスキーム1の1を置き換えることができる。更に
3をスキーム1に示した経路で調製し、そしてロイコ化合物2が低純度で形成さ
れるが、しかし精製するには不安定すぎることが見出した。その後これを直接使
用して、不純な3を得て、結晶化に充分な純度の物質を得るために何度ものカラ
ムクロマトグラフィーを必要とした。1に対する3の全体収率は、1回のカラム
クロマトグラフィー/結晶化後、33%(90−97%純度)、そして2回目の
カラムクロマトグラフィー/結晶化後、25%(98%純度)であった。出発物
質1の費用及びクロマトグラフィーの困難さ(3が不溶性のために多くの時間と
大量の溶媒を必要とする)により、これは、必要な純度の化合物を得るための真
に実行可能な大規模合成法とはならない。
【0009】 この経路を使用して、5gの量の3を製造した。3を約97%の純度(不純物
の概観;少量の数種の未知の産物)で、25%の全体収率で得るには、非常な努
力が必要であった。1kgのAQ4Nを製造するための出発物質1(4kg)の
費用は、カタログ価格で約5000英ポンドであった。費用は恐らく受容可能で
あるが、この経路は、大規模な合成には操作上適していない。
【0010】 1,4−ジフルオロ化合物4からの3の別の合成方法が報告されている(スキ
ーム2;J.Med.Chem.1991,34,2373)。この報告の結果
を確認し、78%の収率で3を得た(再結晶前で94%純度、目立った不純物を
含まず)。この反応は規模拡大に適しており、そして再結晶化により充分な純度
の物質を得ることができそうに見受けられる。類似のジクロロ化合物5は、痕跡
量のみの3(スキーム2)を与え、そして保護されたジベンジルエーテルも良好
ではなく、4の使用がこの経路ではよいことが示された。
【0011】
【化5】
【0012】 スキーム2 i: Me2N(CH2)2NH2/ピリジン/20℃/48時間. ii: Me2N(CH2)2NH2/各種. 従って鍵となる中間体4の合成について調査した。1,4−ジクロロアントラ
キノン7(7から8;スキーム3)に対する好結果なハロゲン置換が報告されて
いるが(Synth.Comm.1985,15,907)、しかしこれは必要
な類似体5又は6(スキーム3)には好結果ではなかった。
【0013】
【化6】
【0014】 スキーム3 i: KF/245℃/25時間. もう一つの報告されている4の合成は、無水ジフルオロフタル酸9を経由する
ものであり(Synth.Comm.1995,20,2139)、そしてこの
合成を検証し、89%収率で純粋な4を得た(スキーム4)。
【0015】
【化7】
【0016】 スキーム4 i: AlCl3/220℃/1.5時間. 操作上はこれは最良の方法であるが、しかし出発物質9(2kg)の費用が、
極端に高い(この量が入手可能な場合、カタログ価格で230,000米ドル)
。これの合成もまた考慮されている。二つの合成法が報告されている。以下のス
キーム5:
【0017】
【化8】
【0018】 スキーム5 i: HNEt2. ii: BuLi、次いでCO2. iii: H2SO4水溶液. iv: 昇華又はAc2O. において(Synth.Comm.1990,20,2139)、酸塩化物10
(24米ドル/5g:Aldrich Chemical Co.)からの9の
全体収率は40%である。全体収率は良好であるが、しかし10の費用(9より
かなり安いが)は、なお高く、そして4工程の合成、特にBuLi工程は、費用
がかさむ。出発物質10(5kg)の費用は極端に高い(この量で入手可能な場
合、カタログ価格で24,000米ドル)。
【0019】 以下のスキーム6:
【0020】
【化9】
【0021】 スキーム6 i: NaN3/HCl, 次いでHBF3. ii: HNO3/-10℃. iii: Fe/NH4Cl水溶液/還流/6時間. iv: 15% HNO3/190-200℃(オートクレーブ)/3時間. は、安価な2,3−ジメチルアニリン14(53米ドル/500g:Aldri
ch Chemical Co.)からの合成の概要である。フッ素化、それに
続く硝化により16を得る(J.Chem.Soc.1963,5554)。こ
れを、17に、そして次いで第2のフッ素化で18に、引き続き硝酸による酸化
で前記の13(スキーム5参照)に転換する。
【0022】 スキーム6の出発物質の低価格は、報告されたかなり低い全体収率(8%)で
恐らく相殺されるであろう。これは、主として17から18への転換における低
い収率(30%)による。
【0023】 別種の報告(Syn.Lett.1990,339;J.Org.Chem.
1993,58,261;Het.Chem.1995,32,907)の研究
は、別の合成法を提案している(スキーム7)。
【0024】
【化10】
【0025】 スキーム7 i: Zn(5重量%)/NaOH/70-80℃/6時間. ii: Zn(10重量%)/NaOH/95-100℃/5時間. iii: トルエン, 蒸留/共沸. iv: KF/NaF/250-270℃/2時間. 無水テトラクロロフタル酸(19)は、安価(63米ドル/3000g:Al
drich Chemical Co.)であり、そして2回の連続した反応で
脱塩素化して、無水ジクロロフタル酸21を45−60%の全体収率で得ること
ができる。記載した充分に定義にされた条件は、それぞれの場合の純粋な産物を
得るために必要である。19から21を1工程で行うのは、別個の脱塩素の異な
った要求からうまくいかない。産物(19、20、21)は、TLCでは識別で
きず、純度を測定するためにNMRが必要となる。21もまた商業的に入手可能
であるが、高価(59米ドル/1g:Aldrich Chemical Co
.)であり、そして上記の方法で製造するほうが恐らく安価である。ジクロロ化
合物21は、所望のジフルオロ類似体9に、KFを使用して約60%の収率で転
換されると報告されている(Bergmann等;J.Chem.Soc.19
64,1194)が、しかし詳細はわずかしか与えられていない。然しながら、
概略だけの報告された条件を使用して反応を繰り返すことは、無水物21の25
0℃での昇華のために困難である。溶媒を使用した別の方法は、非常に低い収率
しか得られない。この経路を実行可能にするにはこの問題が解決されなければな
らない。
【0026】 Synth.Comm.,1990,20,2139は、無水ジフルオロフタ
ル酸9を使用しているが、しかしBergmann等の論文(J.Chem.S
oc.1964,1194)については言及していない。その代わり、これは“
[無水3,6−ジフルオロフタル酸]の実用的合成法の開発(developm
ent of a practical synthesis of[3,6−
difluorophthalic anhydride])”と記載している
。これは、前記のBergmann等の方法が、実用的でなかったことを意味し
ている。次いで彼等は、この化合物の全く異なった(しかし長い)経路を開発し
ている(上記スキーム5)。
【0027】 それ以前の論文(Synth Comm 1985,15,907)で、同じ
著者は、Bergmann等の論文について具体的に言及している。次いで彼等
は、合成法の次の化合物(上記化合物4)への二つの別の経路の開発に進み、無
水3,6−ジフルオロフタル酸を製造する必要性を避けている。このことは再度
Bergmann等の方法がこの化合物の製造に実用的でないことを意味してい
る。
【0028】 本発明者らは、窒素雰囲気を使用し、そして昇華物を繰り返し再融解して、有
用な結果を得ることによって、この問題を解決した。 従って、本発明は、以下の式3:
【0029】
【化11】
【0030】 の化合物AQ4、又はその塩或いはそのN−酸化物の、以下の工程:
【0031】
【化12】
【0032】 を含む調製方法を提供する。 好ましくはこの反応は、窒素雰囲気を使用して行われる。 均一な加熱並びに21の溶融物及び無機フッ化物間の最大の接触を確保するた
めに、反応物のいかなる混合方法を使用してもよい。然しながら、好ましくは反
応混合物は、昇華物の反応混合物へ戻る頻繁な再溶融を伴なう固体の昇華を起こ
すために加熱される。内部を静かに撹拌することは反応を促進する。
【0033】 反応は、好ましくは粉末化した無水KF及び/又はNaFの層、そして更に好
ましくは無水KF及びNaFの混合物の層の上で行われる。好ましくはKF及び
NaFの混合物は、10%ないし60重量%のNaF及び90%ないし40重量
%のKF、そして更に好ましくは約17重量%のNaF及び約83重量%のKF
を含む。
【0034】 好ましくは反応混合物は: 5重量部の無水ジクロロフタル酸(21); 10ないし25、特に約20重量部のKF;及び 2ないし6、特に約4重量部のNaF; を含む。
【0035】 反応は好ましくは260−270℃の温度で行われる。 上記の反応工程は、重要な(critical)工程であり、そしてBerg
mann等(J.Chem.Soc.1964,1194)によって報告されて
いない条件に高く依存する。従って小さい規模(10g)において、245−2
50℃の浴温の方が、260−270℃よりよく反応し、より純粋な産物及びよ
り高い収率を与える。然しながら、100gの規模では、この温度範囲ではうま
く働かず、部分的にしか反応が進まない。反応が不均質(化合物21は溶融する
がKFはしない)であるために、効率的な熱の伝達が重要であり、そして不完全
な反応(260℃より低い)及び急速な分解(270℃より高い)間の余地が非
常に狭い。壁の厚いフラスコを使用するような簡単な何かが収率を大きく低下さ
せる。
【0036】 薄い壁のフラスコ、そして100gの21に対してKF(400g)及びNa
F(80g)の混合物を使用することにより、収率が改良されることが見出され
た。これにより反応が完結した後によりゆるい反応“ケーキ”が得られ、昇華(
140℃ないし170℃、0.3mmHgで)による、より急速な産物の除去が
可能となる。同様にこれにより昇華中の分解がより少なく、そしてより純粋な産
物が得られる。
【0037】 試薬の比も又重要であり、半分の量のKF/NaFのみを使用した場合、本質
的に反応は起こらない。 この反応は、以下のAQ4(3)又はそのN−酸化物であるAQ4N:
【0038】
【化13】
【0039】 の調製に使用してもよい。 スキーム7によって中間体9を製造する場合、この方法は、操作的には受容可
能である(3工程の合成、全体収率約35%)。出発物質19(4kg)の費用
は平凡である(カタログ価格で100米ドル)。AQ4Nへの最良(恐らく唯一
経済的に実行可能な)の経路は、以下のようなもの(スキーム8)であると信じ
られる。安価(63米ドル/3kg:Aldrich Chemical Co
.)で、そして容易に入手可能な出発物質からの、この5工程の合成法は、一回
の簡単なクロマトグラフィーによる濾過工程を必要とするのみである(最終段階
で、類似な無水モノクロロ22から得られた数パーセントのモノクロロ化合物2
3を除去する)。
【0040】
【化14】
【0041】 スキーム8 i: Zn(5重量%)/NaOH/70-80℃/6時間. ii: Zn(10重量%)/NaOH/95-100℃/5時間. iii: KF/NaF/260-270℃/2-3時間. iv: ヒドロキノン/AlCl3/200±5℃/2時間. v: N,N-ジメチルエチレンジアミン/20℃/45時間. これは全体収率15%(グラム/グラム基準で22%)で、97%以上の純度
で、カラムから直接AQ4が得られる(1種類の約1%の未知の主要不純物を含
む)。全ての工程は、少なくとも100gの規模で行われ、そして更に規模拡大
の可能性がある。
【0042】 例えばDavis試薬を使用したAQ4産物の酸化は、ビス−N−酸化物AQ
4Nを与える。この経路は、酸化の起こる程度を制限して、モノ−N−酸化物2
4を製造するように改変してもよい。
【0043】
【化15】
【0044】 合成の詳細 3,4,6−トリクロロフタル酸(20)。この化合物を、Syn.Lett
.,1990,339の文献の方法の改変によって調製した。水(1000mL
)中の、無水3,4,5,6−テトラクロロフタル酸(19)(Aldrich
Chemical Co.、100g、0.35mmol)及びNaOH(5
0.0g、1.25mmol)の混合物を、50−60℃(浴)で45分間、窒
素雰囲気下で撹拌した。次いで亜鉛粉末(Zinc dust)(70.0g、
1.07mmol)を10分間にわたって分割して加え、そして混合物を70−
80℃で更に6時間撹拌した。反応物を室温まで冷却し、そしてCeliteの
床を通して濾過し、そしてフィルター及び残渣を、0.1NのNaOH(2×1
00mL)及びH2O(2×100mL)で連続的に洗浄した。混合した濾液を
濃HClでpH1以下に酸性化し、そして無色の沈殿物を濾過により収集し、そ
して0.1NのHCl(3×100mL)で洗浄した。湿った固体をEtOAc
(600mL)と撹拌し、そして全ての固体が溶解するまで濃HClで酸性化し
た。EtOAc層を分離し、そして水性部分を更に同一溶媒(2×100mL)
で抽出した。混合したEtOAc溶液を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、そして
減圧下で蒸発して、3,4,6−トリクロロフタル酸(20)(83.5g、8
9%)を無色の固体として得た;融点(再結晶化せずに)151−153℃(融
点の文献値150−153℃)。1H NMRは、文献と同一であった。
【0045】 無水3,6−ジクロロフタル酸(21)。この化合物を、J.Het.Che
m.,1995,32,907の文献の方法の改変によって調製した。亜鉛粉末
(165g、2.52mmol)を、水(1200mL)中の、20(118g
、0.437mmol)及びNaOH(120g)の、90℃(浴)で窒素雰囲
気下で撹拌されている均質な混合物に、分割して加えた(15分にわたって)。
得られた不均質な混合物を、95−100℃で5時間更に撹拌し、次いで室温ま
で冷却し、そしてCeliteの床を通して濾過した。フィルター及び残渣を水
(3×100mL)で洗浄し、そして混合した濾液を濃HCl(250mL)で
酸性化し、そしてEtOAc(2×300mL)で抽出した。混合したEtOA
c溶液を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、そして減圧下で蒸発して、粗3,6−
ジクロロフタル酸(100g)を得た。トルエン(1000mL)をこの固体に
加え、そしてこの混合物を、留出物が透明になるまで蒸留した(約600mLが
収集された後)。熱濃縮物を重力濾過し、そして残渣を熱トルエン(3×50m
L)で洗浄した。混合した濾液に種結晶を入れ(seeded)、そして冷却し
て、無水3,6−ジクロロフタル酸(21)を無色の固体(67.0g、72%
)として得た;融点187−190℃(融点の文献値188−191℃)。1
NMRは、文献と同一であった。
【0046】 無水3,6−ジフルオロフタル酸(9)。この化合物を、文献(Bergma
nn等、J.Chem.Soc.,1964,1194)中の条件無しで以前に
報告されたように調製し、そして充分に明確な条件及び実施方法を開発した。1
Lの丸底薄壁のフラスコに、21(100g、0.467mol)の層を、無水
KF(400g)/NaF(80g)の粉末状混合物の層の上に入れた。この充
填物を、乱さないようにして、真空オーブン中で140℃ないし170℃で、2
0mmHgで7時間乾燥した。フラスコを油浴に移し、油の液面を固体の層の約
1cm上にした。フラスコを水ポンプで再度真空にし、そして次いで窒素で満た
した。次いで浴を260−270℃に加熱し、そしてこの温度を維持した。約2
0分後、相当な量の固体が反応フラスコの頂部に昇華し、そしてフラスコを、油
浴中に油の液面がフラスコの首に達するまで静かに沈めた。全ての昇華した固体
が溶融し、そして固体の層に流れて戻った時に、フラスコを油浴の元の位置に戻
した。この操作を、2−3時間後にKF/NaFの淡褐色の層が認められるまで
、約20分の間隔で繰り返した。次いで反応混合物をKugelrohr装置中
で、140℃ないし170℃(3mmHg)で昇華して、主として無水3,6−
ジフルオロフタル酸(9)(NMRにより約90%)(64.8g、76%)を
含む固体の産物を得た;融点(トルエン)211−214℃(融点の文献値21
2℃[Bergmann等、J.Chem.Soc.,1964,1194];
206−207℃[J.Chem.Soc.,1963,3475])。1
NMRは、実物試料(Aldrich Chemical Co.)と同一であ
った。
【0047】 昇華した産物中に存在する唯一の有意な不純物(約5−10%)は、中間体無
水3−クロロ−6−フルオロフタル酸(22)であると考えられる。然しながら
、上記物質を更に精製せずに次の工程に使用した。
【0048】 1,4−ジフルオロ−5,8−ジヒドロキシアントラセン−9,10−ジオン
(4)。この化合物を、Synth.Comm.,1990,20,2139の
文献の方法の改変によって調製した。上記の反応からの昇華産物(9)(100
g、0.55モル)、ヒドロキノン(63.7g、0.58モル)、NaCl(
127g、2.22モル)及び粉末化した無水AlCl3(833g、6.26
モル)の混合物を、凝縮器を備えた5Lのフラスコに入れた。反応物を振盪して
充分に混合し、次いで1−2時間にわたって200±5℃(浴)で、窒素雰囲気
下で加熱した(加熱工程中非常に大量のガスの発生があった)。200±5℃で
更に2時間後、溶融物を氷の上に注ぎ、そして濃HCl(1.6L)を加えた。
混合物を室温で一晩撹拌し、そして赤褐色の沈殿物を収集し、H2Oで洗浄し、
そして乾燥して、粗1,4−ジフルオロ−5,8−ジヒドロキシアントラセン−
9,10−ジオン(4)(151g、98%)を得た;融点301−304℃(
融点の文献値318−319℃)。この粗産物は、実質上全ての溶媒に不溶であ
り、そしてただ一つの少量の不純物(恐らく1−クロロ−4−フルオロ−5,8
−ジヒドロキシアントラセン−9,10−ジオン)を示した(EtOAc/石油
エーテル1:3中のTLCによる)。1H NMRは、文献とよく一致した。こ
の物質を更に精製せずに次の工程に使用した。
【0049】 1,4−ビス[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−5,8−ジヒド
ロキシアントラセン−9,10−ジオン(3:AQ4)。これは、J.Med.
Chem.,1991,34,373の文献の方法の改変によって調製した。ピ
リジン(400mL)中の、粗産物4(29.6g、107mmol)及びN,
N−ジメチルエチレンジアミン(99.5mL、908mmol)の混合物を、
室温の窒素雰囲気下で45時間撹拌した。次いで混合物を食塩水(1600mL
)中に注ぎ、そして室温で30分間撹拌した。青色の沈殿物を濾過により収集し
、1NのNH4OH(1000mL)で洗浄し、そして減圧下でKOH/シリカ
で15時間乾燥した。この粗産物(21.5g)をCH2Cl2に溶解し、そして
シリカゲルのフラッシュカラムに移した。早く流出するピンク色の不純物をCH 2 Cl2中のMeOHの勾配(0.5、1及び2%)で溶出し、そしてこれを仮に
1−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−4−クロロアントラセン−
9,10−ジオン(3:一つのR=Cl)とした(1.6g、4%):融点(C
2Cl2)165−167℃;
【0050】
【化16】
【0051】 青色の層をカラムから抜き出し、そしてCH2Cl2/MeOH(10:1)及
びCH2Cl2/MeOH/Et3N(90:10:1)で連続して抽出した。混
合した抽出物を濾過し、そして蒸発して、1,4−ビス[[2−(ジメチルアミ
ノ)エチル]アミノ]−5,8−ジヒドロキシアントラセン−9,10−ジオン
(AQ4;3)(17.9g、41%)を得た:融点240−242℃(再結晶
化せずに)(融点の文献値236−238℃)。1H NMRは、実物試料と同
一であった。上記反応を100gの4を使用して、48時間繰り返した場合、3
の収率は36%であった。
【0052】 1,4−ビス[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−5,8−ジヒド
ロキシアントラセン−9,10−ジオン ビス−N−酸化物(AQ4N)。CH 2 Cl2/MeOH(5:1)(600mL)中の、3(17.75g、43.1
mmol)の撹拌された溶液を、CH2Cl2(200mL)中の、2−ベンゼン
スルホニル−3−フェニルオキサジリジン(Davis試薬:J.Org.Ch
em.1982,42,1775)(25.7g、98.2mmol)の溶液で
30分にわたって滴下により処理した。添加後、20℃の暗所で更に90分撹拌
した。次いでこれを減圧下の24−26℃(浴温)で、約100−200mLに
濃縮し、そして次いでEtOAc(400mL)及び石油エーテル(400mL
)で連続して希釈した。均質な混合物を20℃で15分間撹拌し、次いで−10
℃で2時間維持した。青色の沈殿物を濾過により収集し、EtOAc/石油エー
テル(1:1;4×100mL)で洗浄し、そして吸引しながら乾燥した。次い
でこれをMeOH(200mL)に溶解し、そして溶液を無水のHClガスで酸
性のままでいるまで(pH約2)処理した。−10℃で一晩保存した後、沈殿物
を濾過により収集し、そしてMeOH/EtOAc(1:1;5×30mL)及
びEtOAc(2×30mL)で連続的に洗浄し、そして真空下で乾燥して、A
Q4Nジヒドロ塩化物(17.7g、80%)、融点243−245℃を得た。
HPLCは、純度98.5%を示し、約0.5%のモノ−N−酸化物24(分解
産物)及び約1%の未知の不純物を示した。
【0053】 注記 1.AQ4Nは、昼光中の20℃のMeOH溶液中ではある程度不安定であり
、数多くの他の産物にゆっくりと分解することが見出された。
【0054】 2.固体のジヒドロ塩化物は、密封した容器で冷暗所(好ましくは冷凍庫)に
保存しなければならない。ジヒドロ塩化物(及びAQ4N)は、低温で特に急速
に湿気を吸収するために、このような容器を開封する前に、これらを室温まで温
めなければならない。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の式3: 【化1】 の化合物AQ4、又はその塩或いはそのN−酸化物の調製方法であって、以下の
    工程: 【化2】 を含む前記調製方法。
  2. 【請求項2】 前記反応が、窒素雰囲気を使用して行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記反応混合物が、固体の昇華を起こすために加熱され、前記昇華物の前記反
    応混合物への頻繁な再溶融を伴なう、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 前記反応が、粉末状の無水のKF及び/又はNaFの層の上で行われる、請求
    項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記反応が、無水のKF及びNaFの混合物上で行われる、請求項4に記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 前記KF及びNaFの混合物が、10%ないし60重量%のNaF及び90%
    ないし40重量%のKFを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記KF及びNaFの混合物が、約17重量%のNaF及び約83重量%のK
    Fを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記反応混合物が: 5重量部の無水ジクロロフタル酸(21); 10ないし25重量部のKF;及び 2ないし6重量部のNaF; を含む、請求項5に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記反応混合物が: 5重量部の無水ジクロロフタル酸(21); 約20重量部のKF;及び 約4重量部のNaF; を含む、請求項5に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記反応が、260−270℃の温度で行われる、請求項1ないし9のいずれ
    か1項に記載の方法。
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