JP2002518523A - Hiv感染および免疫疾患の予防および治療のペプチド組成物 - Google Patents

Hiv感染および免疫疾患の予防および治療のペプチド組成物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヘルパーT細胞エピトープに共有結合し、そして必要に応じてさらに他の免疫刺激配列に共有結合した、CD4のCDR2様ドメインの一部分に対して相同的である配列を含んでなるペプチドを提供する。本発明は、CD4表面複合体に対して特異的である、高い力価のポリクローナル自己抗体の哺乳動物における産生を誘発する免疫原として、このようなペプチドを使用することを提供する。これらの自己抗体は、CD4+細胞に対するHIVウイルス粒子の結合を妨害する。ペプチドは、HIV感染に対する免疫療法を提供し、HIV感染に対して防御するために、医薬組成物において有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、免疫原としてペプチド組成物を使用することに関する。ペプチド組
成物中に含有される各ペプチドは、HIVの宿主細胞レセプター/コレセプター複
合体に対する抗体により認識されるターゲット抗原部位を含んでなる。複合体は
ケモカインレセプタードメインと結合したCD4を含んでなる。ターゲット抗原部
位は、(1)化学的カップリングを通して担体タンパク質に、または好ましくは
(2)化学的カップリングにより、より好ましくは直接的合成により、ペプチド
ヘルパーT細胞エピトープおよび他の免疫刺激ペプチド配列に、線状にかつ縦列
で共有結合されている環状形態である。さらに詳しくは、本発明は、HIV 1型(
HIV−1)のすべての分岐群からの一次分離株およびHIV 2型(HIV−2)に対して
広い中和活性を有する、高い力価の抗体の、ヒトを包含する健康な哺乳動物にお
ける産生を誘発する免疫原として、このようなペプチドを使用することに関する
。本発明は、また、免疫不全ウイルスの感染の予防および治療ならびに望ましく
ない免疫応答、例えば、移植拒絶反応、および自己免疫疾患、例えば、慢性関節
リウマチ、全身性エリテマトーデス、および乾癬の治療のための免疫原として、
前記ペプチド組成物を使用することに関する。
【0002】 発明の背景 HIVの発見および特性決定以来14年におけるワクチンについての集中的研究に
かかわらず、HIVワクチンおよび免疫療法の進展について主要な障害物が残って
いる。これらの障害物は、HIV−1の変動性、ウイルス構造の理解の欠如、および
HIV感染の予防に必要な免疫応答の理解の欠如を包含する。下記の文献を参照の
こと:D. BurtonおよびJ. Moore、Nature Medicine、1998、4:495−48。米
国政府のAIDSワクチン研究委員会は、1998年2月1日に、身体の免疫系が働く方法
について非常に多過ぎることが未知であるので、AIDSを予防するための安全なワ
クチンは試験からなお十年より多くを要するであろうと述べた(http://cnn.co
m/HEALTH/ 9802/01/aids.vaccine.search)。
【0003】 いくつかの臨床試験からのワクチン接種された人の血清がin vitroにおいてHI
V−1の実験室の分離株を中和できることが示されると、有効な組換えHIV−1エン
ベロープサブユニットのワクチン(例えば、gp120およびgp160ワクチン製品)に
ついて初期の楽天主義が存在した(Belshe他、J. Amer. Med. Assoc.、1994
、272:475;Keefer他、AIDS Res. Hum. Retroviruses、1994、10:1713)。
ワクチン接種された人の血清がHIV−1一次患者の分離株の中和において無効であ
ることが見出されたとき、この楽天主義は衝撃を受けた(Hanson、AIDS Res.
Hum. Retroviruses、1994、10:645;Mascola他、J. Infect. Derm.、1996、
173:340)。これらの失望させる発見により、1994年6月に、NIHはHIVサブユニ
ットのワクチンをベースとする、いくつかの組換えエンベロープタンパク質の費
用のかかる大規模の効能試験を延期することを決定した。
【0004】 現在、HIVワクチンの研究は、普通に使用される実験室の株よりも、ヒトの感
染の原因となるHIV株にいっそう密接に類似すると考えられる一次分離株に集中
されている(Sawyer他、J. Virol.、1994、68:1342;Wrin他、J. Virol.、19
95、69:39)。患者のPBMCsまたは血漿を非感染PBMCsとともに制限培養すること
によって、HIV−1の一次分離株は得られる。後述するように、ヒトTリンパ球様
細胞系統において経時的に継代培養され、これらのT細胞系統における成長によ
く適合するようにされた、T細胞系統適合(TCLA)ウイルス、例えば、IIIb/LAI
、SF2、およびMNからの表現型により、一次分離株は容易に区別することができ
る: (1)TCLAウイルスと異なり、大部分の一次分離株はT細胞系統中で容易に成長
しない。 (2)すべてのシンシチウム誘導性であるTCLAウイルスと異なり、一次分離株
はPBMC培養物におけるシンシチウム形成を誘導するシンシチウム誘導性(SI)分
離株および非シンシチウム誘導性(NSI)分離株の両方を包含する。SI一次分離
株の中で、大部分は特にHIV感受性T細胞系統MT2中で複製するが、わずかはTCLA
分離株の培養に普通に使用されている許容性が低いT細胞系統、例えば、CEMまた
はH9中で複製することができる。非シンシチウム誘導性(NSI)一次分離株は一
次T細胞中でのみ複製する。 (3)一次分離株は、匹敵する中和のためにTCLA株よりも200〜2700倍多いウイ
ルスレセプタータンパク質CD4(rsCD4)を必要とする、rsCD4の組換え可溶性形
態によるin vitro中和に対して高度に耐性である(Daar他、PNAS USA、1990、
87:6574−6578)。 (4)一次分離株は、また、gp120(エンベロープ)ワクチンの使用により誘発
される中和抗体に対して耐性である。対照的に、TCLA株は、ウイルスエンベロー
プに対する特異性を有する抗体による中和に対して感受性である(Sawyer他、J.
Virol.、1994、68:1342;およびMascola他、1996)。
【0005】 一次分離株のこれらの表現型の特性は、HIVの構造的特徴がよく理解されてい
ないためであり、特に抗env抗体に関してウイルスエンベロープのアクセス不可
能な品質のためである(D. BurtonおよびJ. Moore、Nature Medicine、1998
、4:495−498)。ウイルスの変異性、すなわち、遺伝子型の特性は、また、世
界的な効能のHIVワクチンの開発の障害物のままである(Mascola他、1996)。こ
れらの因子は、総合すると、成長容易なTCLAホモ型株に対して開発された、ウイ
ルス特異的AIDSワクチンの予期せざる失敗を説明する。HIVワクチンの開発に対
する別のアプローチは、宿主細胞のHIVレセプターに関与し、これによりHIVが感
受性細胞に結合するか、あるいはそれらと融合することを妨害することによって
感染をブロックすることであろう。細胞特異的アプローチは、HIVエンベロープ
および表現型の超可変性を克服する方法を提供する。
【0006】 抗細胞抗体が感染からの保護に大きく寄与することを示すSIVアカゲザルのモ
デルにおける活性および受動免疫化により、HIV感染から保護する細胞特異的ア
プローチは示唆された(Stott、Nature、1991、353:393)。さらに、CD4、MHC
クラスII分子のT細胞レセプターおよびHIV結合の一次レセプターに対して向けら
れたモノクローナル抗体は、CD4エピトープに依存するが、ウイルス株に依存し
ない方法で、HIV−1中和アッセイにおいて感染をブロックすることが長い間知ら
れてきている(Sattentau他、Science、1986;234:1120)。免疫予防に対する
このアプローチにおいて、抗CD4モノクローナル抗体は、一次分離株による細胞
の感染のブロックにおいて有効であることが見出された(Daar他、Proc. Natl.
Acad. Sci. USA、1990;87:6574;およびHasunuma他、J. Immunol.、1992
;148:1841)。
【0007】 他の潜在的に有効な細胞特異的アプローチは、最近HIVのコレセプターとして
同定されたケモカインレセプターCXCR4、CCR5、CCR2b、およびCCR3をターゲッテ
ィングすることを包含する(Feng他、Science、1996;272:872;およびDoranz
他、Cell、1996;85:1149)。これらのコレセプターは、CD4と一緒に、ウイル
スエンベロープの糖タンパク質と宿主細胞膜との間の相互作用を開始する機能を
し、そしてレトロウイルス複製のエントリー後の段階において機能する(Chacke
rian他、J. Virol.、1997;71:3932)。
【0008】 効率よいHIV結合および融合のためにCD4およびコレセプターの両方が必要であ
ることは、これらの分子のいずれかまたは両方が感染を阻止する細胞特異的戦略
のためのすぐれたターゲットでありうることを示唆する。宿主細胞CD4/コレセ
プター複合体に対して向けられた抗体は、HIV感染の結合および結合後の段階に
影響を与えることが示された(Wang、WO97/46697号)。これらの抗体は、HIVの
シンシチウム誘導性(SI)株および非SI(NSI)の両方のウイルス対細胞または
細胞対細胞の伝達を中和した。
【0009】 CCR5に結合するケモカインアンタゴニストは、また、SIウイルスおよびNSIウ
イルスの両方による感染を防止するとき有効であることが示された(Simmons他
、Science、1997;276:276)。NSI株は大部分のHIV伝染を担うと考えられ、そ
してTCLA分離株を中和する抗HIV抗体に対してしばしば耐性であるので、NSI分離
株の中和は特に意味がある(Fauci、1996)。HIVの細胞レセプターをターゲット
とする因子は、多様な表現型およびウイルスエンベロープの超可変性と対決する
必要性を回避し、さらに、HIV−2およびSIVに対して潜在的中和活性を提供する
(Chen他、J. Virol.、1997;71:2705;Pleakoff他、J. Virol.、1997;71:
3259;WO97/46697号)。
【0010】 CD4と、ヘルパーT細胞に対するウイルスの結合およびそれらのT細胞の中への
ウイルスの侵入を促進する、宿主T細胞表面上のケモカインコレセプターとを含
んでなる宿主細胞レセプター/コレセプター複合体は、同時継続特許出願(WO97
/46697号)において中和抗体のための有効なターゲットであると報告された。そ
の出願において、本発明者は、発生した抗体がこの細胞表面の抗原複合体に対し
て特異的に向けられることを証明した。HPB−ALL細胞中和HIV−1一次分離株上の
細胞表面の抗原に対して、他の抗細胞抗体は発生しない。その出願に記載されて
いる所望の性質を有する抗体は、SIVによるサルの感染、マウス中で再構成され
たヒト免疫系のin vivo HIV−1感染,多様な表現型および遺伝子型のHIV−1一
次分離株によるヒト細胞のin vitro感染をブロックし、そしてHIV−2によるヒ
ト細胞の感染をブロックすることができる。ケモカインコレセプターと結合した
CD4レセプター(CD4/コレセプター複合体)を含んでなる、Thエピトープ細胞表
面の抗原複合体は、防御抗細胞抗体のターゲットとして作用する。
【0011】 CD4/コレセプター複合体に対する抗細胞抗体は、ウイルスエンベロープに対
して向けられた抗ウイルス抗体よりも、関係するHIV株に対するいっそう有効な
中和パターンを表示する。同時継続特許出願(WO97/46697号)に示されているよ
うに、HPB−ALLに対して産生されたモノクローナル抗体(MAb B4)は、組換え
可溶性CD4(rsCD4)タンパク質に対して中程度に反応性であり、HPB−ALL細胞に
強く結合する。CD4/コレセプター細胞表面複合体に対する特異性は、HIV−1の
中和性一次分離株において高度に有効であるが、中和性TCLA株において低い有効
性を有することが見出された。対照的に、抗env抗体はTCLA株の優先的中和の逆
パターンを表示する。
【0012】 MAb B4はin vitroミクロプラークアッセイにおいて<10μg/mlの濃度でHIV
一次分離株を中和することが見出された。対照的に、組換え可溶性CD4(rsCD4)
に対して高い力価(>5log10)特異性を有するポリクローナル抗体は、強いT細
胞結合活性を有するにかかわらず、HIV一次分離株に対する中和活性を表示でき
なかった。こうして、一次分離株は、純粋なCD4特異性を有する抗体に比較して
、細胞表面のCD4/コレセプター抗原複合体に対する特異性を有する抗体に対し
て優先的に感受性であるように見える。抗CD4/コレセプター複合体抗体によるH
IV中和の広範な特性決定は、MAb B4およびその相同体MAb M2およびMAb B13を
包含する(WO97/46697号)。 CD4/コレセプター複合体に対する抗体の広い中和活性のメカニズムは、HIV感
染の結合および結合後の両方の段階に影響を与える前記抗体の能力により示され
るように、HIV感染の仲介における前記細胞表面複合体の多様な役割のために、
不明瞭である。CD4/コレセプター細胞表面複合体は、HIV感染および病原性にお
いて二重の役割を演ずることができる:(1)HIV結合のT細胞表面レセプターと
して、HIVによる細胞の融合およびエントリー;または(2)HIV抑制因子として
。 しかしながら、これらの因子はHIV感染の阻止に有効であってさえ、上記細
胞特異的アンタゴニストを予防ワクチンとして使用することができない。従来記
載された細胞特異的アンタゴニストまたは抗体(WO97/46697号)は免疫原性では
なく、予防ワクチンとして使用することができない。それらは受動免疫化のため
の因子である。それらの効能は低く、レセプターを完全に占有することにより十
分な血清濃度を維持するために、これらの因子を頻繁に投与しなくてはならない
。活性免疫化によりCD4/コレセプター複合体に対して活性な抗自己抗体応答を
誘導するワクチンは、防御免疫のために好ましいであろう。このようなワクチン
は、開発することができる場合、有効な長期間の感染に対する保護を提供するが
、なお少量の免疫原の頻繁でない、好都合な投与を必要とするであろう。
【0013】 効能のために、このようなワクチンの免疫原性成分はB細胞エピトープ、すな
わち、宿主細胞レセプター/コレセプター複合体上の関係する部位を含んでなる
か、あるいはそれを模擬し、交差阻害性抗体を誘発するために十分な忠実度をも
つと同時に、悪い免疫抑制を回避するために十分な部位特異性を保持しなくては
ならない。中和活性を有する抗CD4抗体を包含する、HIVを中和する抗細胞抗体は
入手可能となってさえ、合成抗原によるこのような模擬のための部位は現時点に
おいて容易には同定することができない。中和性であることが報告された抗CD4
モノクローナル抗体(Burkly他、J. Immunol.、1992;149:1779)およびWang
(WO97/46697号)が報告した広く中和性の抗CD4/コレセプターモノクローナル
抗体は、容易な複製が不可能である、CD4上の不連続なコンフォメーション部位
を認識する。受攻部位の正確な知識は存在しないので、有効な宿主細胞の抗原タ
ーゲットとして長い組換え免疫原から選択することおよびその再生は非常に困難
である。CD4を使用する免疫化により発生した大部分の抗体は有効な特異性を欠
如する(Davis他、Nature、1992;358:76)。例えば、rsCD4に対する高い力価
の超免疫抗血清はHIVの一次分離株に対する中和活性を欠如した(WO97/46697号
)。そのうえ、T細胞抗原の広範な領域に対して広い反応性を有する抗体は過度
に免疫抑制性であることが期待される(Reimann他、AIDS Res. Hum. Retrovi
ruses、1997;13:933)。
【0014】 さらに、CD4の広範なマッピング研究はその分子についての構造機能地図を生
じた(Sattentau他、Science、1986、234:1120;PetersonおよびSeed、Cell、1
988、54:65;Jameson他、Science、1988、240:1335;Sattentau他、J. Exp.
Med.、1989,170:1319;Hasunuma他、J. Immunol.、1992、148:1841;Burk
ly他、J. Immunol.、1992、149:1779;Davis他、Nature、1992、358:76)が
、このマッピングは合成ペプチドとして複製できる受攻エフェクター部位を予測
するための十分に正確な構造モデルを提供しない。CD4の入手可能なモデルは、
有効なCD4をベースとする免疫原を開示しない。
【0015】 適当な部位特異性に加えて、有効なHIVワクチンのレセプター/コレセプター
免疫原は保護のために十分なレベルの抗体応答を誘発するために高度に免疫刺激
性でなくてはならない。これらの免疫原は、また、自己分子に向かって示された
強い耐性を克服するように設計しなくてはならない。こうして、十分な免疫効力
を有する免疫原がまた必要とされている。
【0016】 本発明の目的は、HIV感染の予防のための免疫原として、所望の部位特異性お
よび免疫効力を有する、ペプチド組成物を提供することである。 本発明の有効合成ペプチド免疫原に対する改良された免疫原性および適当な特
異性は、合成ペプチド免疫原を同定および設計する1集合の方法を組込むことに
よって達成することができる。これらの方法は下記のものを包含する:(1)有
効な高いアフィニティーのターゲットエピトープを同定する有効な手順;(2)
自然分子に対する交差反応性を最大とするように、環の拘束を導入することによ
って合成ペプチド上のターゲット部位のコンフォメーション特徴を安定化する手
段;(3)広く反応性のプロミスカスTヘルパー細胞(Th)エピトープを含んでな
る部位とB細胞ターゲットエピトープを組合わせることによって、B細胞ターゲッ
トエピトープの免疫原性を増強する手段;および(4)コンビナトリアルペプチ
ド化学の適用によりT細胞エピトープのレパートリーを拡大し、これにより異系
交配集団の変動性免疫応答を収容する手段。
【0017】 新しいワクチンおよび診断法を開発するタンパク質表面上の免疫優性決定因子
またはエピトープを同定する「エピトープマッピング」のために、合成ペプチド
が使用されてきている。エピトープマッピングにおいて、抗体−免疫原性決定因
子の相互作用に参加する部位を同定するために、問題のタンパク質上の領域に対
応する1系列のオーバーラッピングペプチドを使用する。普通に、エピトープマ
ッピングは、線状決定因子を正確に検出するために、比較的短い長さのペプチド
を使用する。商標「PEPSCAN」で知られているエピトープマッピングの速い方法
は、固体の支持体にカップリングされた、数百の8〜14アミノ酸長さのオーバー
ラッピンググペプチドを同時に合成することに基づく。カップリングされたペプ
チドを抗体に結合する能力について試験する。PEPSCANアプローチは線状決定因
子の局在化において有効であるが、不連続のエフェクター部位、例えば、HIVレ
セプター/コレセプター結合部位の模擬に必要なエピトープの同定において有効
でない(Meloen他、Ann. Biol. Clin.、1991;49:231−242)。別法は1組
の15〜60残基の範囲の多数の長さを有するネステッドおよびオーバーラッピング
ペプチドに頼る方法である。これらの長いペプチドは、急速な、同時のPEPSCAN
合成法よりむしろ、1系列の独立の固相ペプチド合成により信頼性をもってかつ
労力を要して合成することができる。次いで生ずる組の長いネステッドおよびオ
ーバーラッピングペプチドを、実験的免疫化および自然感染のような系における
抗体結合の分析において使用して、簡単な不連続エピトープを包含する、免疫優
性決定因子を最もよく表す長いペプチドを同定することができる。この方法は、
HTLV I/II(米国特許第5,476,765号)およびHCV(米国特許第5,106,726号)か
らの免疫優性部位のマッピングについてのWangの研究により例示される。それは
HIV中和性エピトープを最適に提示するgp120配列上の正確な位置を選択するため
に使用された(Wang他、Science、1991;245:285−288)。
【0018】 ペプチドの免疫原は一般にタンパク質よりも柔軟性であり、好ましい構造を保
持する傾向がない。したがって、環の拘束の導入により、ペプチドの免疫原を安
定化することは有効である。正しく環化されたペプチドの免疫原はターゲッテッ
ドエピトープのコンフォメーションを模擬し、保存することができ、これにより
真性分子上の部位と交差反応性の抗体を誘導することができる。例えば、好都合
に配置されたシステイン残基を付加し、次いでスルフヒドリルモルモットを通し
て環化することによって、真性エピトープ上に存在するループ構造を合成ペプチ
ド上に正確に複製することができる(Moore、Chapter 2、Synthetic Peptides
:A User's Guide、Grant編、WH Freeman and Company:New York、1992
、pp. 63−67)。
【0019】 レセプター/コレセプター複合体に由来するペプチドの免疫原性に影響を与え
る他の重要な因子は、宿主のTヘルパー細胞レセプターおよびクラスII MHC分子
と反応するTヘルパー細胞エピトープによる免疫系に対するこのペプチドの提示
である(Babbitt他、Nature、1985;317:359−361)。Tヘルパーエピトープ(T
h)はしばしば担体タンパク質により提供されるが、よく規定されたペプチド−
担体複合体の製造の困難、担体に対する大部分の抗体応答の誤った方向づけ、お
よび担体誘導エピトープ抑制による欠点が伴う(Cease、Intern. Rev. Immuno
l.、1990;7:85−107;Schutze他、J. Immunol.、1985;135:2319−2322)。
あるいは、Tヘルパー細胞エピトープは、また、Th部位を含んでなる合成ペプチ
ドにより刺激されることができる。こうして、プロミスカスThと命名するクラス
II Thエピトープは効率よいT細胞ヘルパーを誘導し、そしてそれら自体免疫原
性が低過ぎて効力があるペプチドの免疫原を発生できない合成B細胞エピトープ
と組合わせることができる(米国特許第5,759,551号)。よく設計されたプロミ
スカスTh/B細胞エピトープキメラペプチドはThの応答を誘発することができ、
そして生ずる抗体応答は多様なMHCハプロタイプを発現する遺伝的に多様な集団
の大部分のメンバーにおけるB細胞部位をターゲットする。プロミスカスThは、
タンパク質外来抗原、例えば、麻疹ウイルスFタンパク質、B型肝炎ウイルス表面
抗原、およびトラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis)主要外膜タンパ
ク質(MOMP)に由来する特異的配列により提供されることができる。多数の既知
のプロミスカスThは、デカペプチドホルモンLHRHに対応する低い免疫原性のペプ
チドを強化するとき有効であることが示された(米国特許第5,759,551号)。
【0020】 プロミスカスThエピトープは約15〜約40アミノ酸残基長さの範囲であり(米国
特許第5,759,551号)、しばしば普通の構造的特徴を共有し、特異的ランドマー
ク配列を含有することがある。例えば、普通の特徴は両親媒性らせんであり、こ
れらのらせんはらせんの1つの面を支配する疎水性アミノ酸残基と、取り囲む面
を支配する帯電した極性残基とを有するアルファ−らせん構造である(Cease他
、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、1987;84:4249−4253)。Thエピトープは
しばしば追加の主要なアミノ酸パターン、例えば、Glyまたは帯電した残基およ
び引き続く2〜3つの疎水性残基、引き続いて帯電したまたは極性の残基を含有す
る。このパターンはロトバード(Rothbard)配列と呼ぶものを定める。また、Th
エピトープはしばしば1、4、5、8ルールに従い、ここで正に帯電した残基に引き
続いて帯電した残基後に疎水性残基が第4、第5および第8位置に存在し、同一面
に位置する位置1、4、5、および8を有する両親媒性らせんと一致する。これらの
構造のすべては、普通の疎水性の、帯電した、極性アミノ酸残基から構成され、
各構造は単一のThエピトープ内に同時に存在することができる(Partidos他、J.
Gen. Virol.、1991;72:1293−99;Alexander他、Immunity、1994;1:751
−761)。プロミスカスT細胞エピトープのすべてではなく、大部分は、前述の周
期性の少なくとも1つを含有する。これらの特徴を「理想化された人工的Th部位
」の設計の中に組込むことができる。
【0021】 外来病原体に由来するプロミスカスThエピトープは下記のものを包含するが、
これらに限定されない:B型肝炎の表面およびコアの抗原ヘルパーT細胞エピトー
プ(HBs ThおよびHBc Th)、百日咳トキシンヘルパーT細胞エピトープ(PT T
h)、破傷風トキシンヘルパーT細胞エピトープ(TT Th)、麻疹ウイルFタンパ
ク質ヘルパーT細胞エピトープ(MVF Th)、トラコーマクラミジア(Chlamydia
trachomatis)主要外膜タンパク質ヘルパーT細胞エピトープ(CT Th)、ジフテ
リアトキシンヘルパーT細胞エピトープ(DT Th)、熱帯熱マラリア原虫(Plasm
odium falciparum)サーカムスポロゾイト(circumsporozoite)ヘルパーT細胞
エピトープ(PF Th)、シストソマ・マンソニ(Schistosoma mansoni)トリオ
ースリン酸イソメラーゼヘルパーT細胞エピトープ(SM Th)、および大腸菌(E
scherichia coli)TratヘルパーT細胞エピトープ(TraT Th)。病原体に由来
するThは米国特許第5,759,551号の中に配列番号2〜9および42〜52として;クラ
ミジア(Chlamydia)ヘルパー部位P11として、Stagg他、Immunology、1993;79
:1−9に;そしてHBcペプチド50〜69として、Ferrari他、J. Clin. Invest.、
1991;88:214−222に列挙された。
【0022】 有用なTh部位は、また、理想化されたTh部位の設計の中に選択されたデジェネ
レイト部位を組込む、組合わせThを包含することができる。Wang他(WO95/11998
号)において、組合わせのエピトープの特定のクラスは「構造化合成抗原ライブ
ラリー」またはSSALとして表示された。SSALエピトープとして構築されたThは、
不変残基の構造的フレームワークの回りに体制化された位置置換から構成されて
いる。プロミスカスThの主要なアミノ酸配列を整列し、Thペプチドのユニーク構
造の原因となる位置に比較的不変の残基を保持させ、そして多様なMHC制限因子
の認識に関連する位置に縮重を提供することによって、SSALの配列は決定される
。不変および可変の位置および好ましいアミノ酸のリストはMHC結合モチーフの
ために入手可能である(Meister他、Vaccine、1995;13:581−591;Alexander
他、Immunity、1994;1:751−761)。
【0023】 SSALのすべてのメンバーは、単一の固相ペプチド合成において、ターゲッテッ
ドB細胞エピトープおよび他の配列と縦列で同時に産生される。Thライブラリー
配列はプロミスカスThの結合モチーフを維持し、より広い範囲のハプロタイプに
対する反応性を収容する。例えば、SSAL1TH1として記載される縮重エピトープは
、プロミスカスエピトープを麻疹ウイルのFタンパク質から取った後、モデル化
された(Partidos他、1991)。SSAL1TH1はLHRHターゲットペプチドと縦列で使用
するように設計された。麻疹エピトープと同様に、SSAL1TH1はロトバード(Roth
bard)配列および1、4、5、8ルールに従う:
【化1】
【0024】 帯電した残基GluまたはAspを位置1に付加して、Thの疎水性面を取り囲む電荷
を増加させる。次いで両親媒性らせんの疎水性面は2、5、8、9、10、13および16
における疎水性残基により維持され、2、5、8、9、10、13および16における変動
性は広い範囲のMHC制限因子に対する結合能力を有する見かけを提供する。SSAL
の特徴の正味の効果は、人工的Thに対する免疫応答性の範囲を拡大することであ
る(WO95/11998号)。
【0025】 本発明によれば、正確なエピトープマッピング、環の拘束、プロミスカスThエ
ピトープまたは理想化プロミスカスThの組込み、および理想化SSAL Thエピトー
プを使用して、HIVに対して有効なペプチド免疫原が設計された。このようなペ
プチドは安全でありかつ有効であるので、好ましい。本発明のペプチド免疫原は
、正確な位置決定および環化および広く反応性のTh応答性エピトープの使用によ
り最適化された、HIVレセプター/コレセプター結合部位を有効に提示するので
、免疫効力を提供すると考えられる。
【0026】 発明の要約 本発明のペプチド組成物は、前述したように設計された1またはそれ以上のペ
プチド免疫原を含んでなる。ペプチド組成物は、HIV感染および免疫疾患を有効
に予防および治療するためのワクチンの基剤である。本発明の成分のペプチドは
、CD4のCDR2様ドメインからの中和性レセプター/コレセプターエフェクター部
位を提示するために好ましい。これらのペプチドは、(1)CDR2様ドメインの正
確なエピトープマッピングおよびCDR2のコンフォメーションを考慮した選択的環
化を介して得られた、最適化された特異性を有し、そして(2)広く反応性のTh
応答性を有することによって、有効な抗体応答を誘発する。
【0027】 本発明によれば、ペプチドの各々がCD4のCDR2ドメイン上に位置するエフェク
ター部位に対応する2つのペプチド配列、またはそれらの免疫学的に機能的なア
ナローグを含んでなる、1またはそれ以上のペプチドが提供される。
【0028】 さらに、本発明のペプチドのターゲット部位は、化学的カップリングによる担
体タンパク質に対する共有結合を介して、より好ましくは化学的カップリングま
たはより好ましくは直接的ペプチド合成により、合成免疫刺激因子(例えば、プ
ロミスカスThエピトープ)に対する共有結合を介して、いっそう免疫原性とされ
る。担体タンパク質および免疫刺激因子、例えば、キーホールリンペットヘモシ
アニン(KLH)担体、修飾された百日咳エンテロトキシンA(PEA)、Thエピトー
プ(例えば、配列番号6)、および一般的免疫刺激性ペプチド(例えば、エルシ
ニア(Yersinia)(配列番号7)のインベーシンペプチド(Inv))が提供される
。 本発明の合成ペプチドは、下記式により表される: (A)n−(Th)m−(B)o−(CD4−CDR2抗原ペプチド)−X または (A)n−(CD4−CDR2抗原ペプチド)−(B)o−(Th)m−X または (CD4−CDR2抗原ペプチド)−(B)o−(Th)m−(A)n−X または (Th)m−(B)o−(CD4−CDR2抗原ペプチド)−(A)n−X 式中、 各Aは独立してアミノ酸または一般的免疫刺激性ペプチドであり、 各Bは独立してアミノ酸または他の化学的結合であり、 Xはアミノ酸のα−COOHまたはα−COONH2であり、 「CD4−CDR2抗原ペプチド」は、CD4表面複合体と反応する抗体を誘発するペプ
チド抗原であり、 nは0〜約10であり、 mは1〜約4であり、そして oは0〜約10である。
【0029】 本発明のペプチド組成物は、約30〜約115アミノ酸残基、好ましくは約40〜約9
0アミノ酸残基、より好ましくは約50〜約80アミノ酸残基のペプチド免疫原を含
んでなる。
【0030】 本発明の組成物は、必要に応じて、アジュバントおよび/または送出ベヒクル
、およびワクチン処方物に日常的に混入される他の成分をさらに含む。本発明は
、ターゲッテッドCD4−CDR2エフェクター部位に対して向けられた免疫療法上の
抗体を発生させるのような投与のために使用説明書を提供する。
【0031】 本発明は、最初に、多数の分岐群からのHIVの一次分離株による感染を防御す
る抗体を哺乳動物において誘発することができる合成ペプチドを提供する。
【0032】 本発明のペプチド組成物に対する抗体応答は、次のようにして宿主のHIV感染
に対する予防または療法を提供する:(1)CD4を発現する細胞に対するHIVの結
合をブロックする、(2)CD4を発現する細胞間のHIV誘導シンシチウム形成をブ
ロックする、(3)HIV 1型およびHIV 2型のすべての分岐群からの一次分離株
によるCD4陽性細胞のin vitro感染を有効に中和する、および(4)本発明のペ
プチド組成物を含んでなるワクチン処方物を宿主に投与したとき、HIVの一次分
離株による感染を防止する。
【0033】 ペプチド組成物は、HIV−1のすべての分岐群の一次分離株およびHIV−2の一次
分離株によるHIV感染の予防および治療、ならびに望ましくないCD4細胞仲介免疫
応答、例えば、移植拒絶反応、および自己免疫疾患、例えば、慢性関節リウマチ
、全身性エリテマトーデス、および乾癬の治療のために有用である。
【0034】 発明の詳細な説明 本明細書において使用するとき、「ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)の一
次分離株」は、ドナーからの末梢血単核細胞(PBMCs)の5継代培養の制限培養に
より得られる。一次分離株は、ヒトTリンパ系細胞系統において経時的に継代培
養されたT細胞系統適合(TCLA)ライブラリー株、例えば、IIIb/LAI、SF2およ
びMNと区別することができる。第1に、大部分の一次分離株はT細胞中で容易に成
長せず、そしてシンシチウム誘導表現型(SI)および非シンシチウム誘導表現型
(NSI)の両方を表示する。例えば、シンシチウム形成を誘導する多数のSI一次
分離株は特にHIV感受性MT2 T細胞系統中で複製するが、わずかは低い許容性のT
細胞系統、例えば、CEMまたはH9中で複製するであろう。NSI一次分離株は一次T
細胞中でのみ複製するであろう。第2に、それらはウイルスレセプタータンパク
質CD4(rsCD4)の組換え可溶性形態によるin vitro中和に対して感受性を有す
ることにおいてTCLAと異なる(Daar他、PNAS USA、1990、87:6574−6578)。
第3に、実験室適合株はウイルスエンベロープに対する特異性を有する抗体によ
る中和に対して感受性であるが、一次分離株は耐性である(Sawyer他、J. Viro
l.、1994、68:1342;Mascola、J. Infect. Dis.、1996,173:340)。
【0035】 本明細書において使用するとき、「CD4」は天然に存在するCD4遺伝子によりコ
ードされる任意のCD4タンパク質を意味する。CD4は最初にTヘルパーリンパ球の
細胞表面マーカーとして記載された。CD4は引き続いて単球、ランゲルハンス、
小グリア細胞、およびB細胞のサブセット上で別々に発現されることが見出され
た。CD4分子は、また、MHCクラスII分子のレセプターとしてのその機能により、
抗原特異的Tヘルパー細胞の活性化に直接参加することが見出された。1984年に
おいて、ヒトCD4はHIVのレセプターであることが見出された(Dalgleish他、Nat
ure、1984、312:763)。CD4へのHIVエンベロープ糖タンパク質、gp120の結合は
、ターゲット細胞の中へのウイルスのエントリーの初期段階を表す。ヒトCD4の
アミノ酸配列はMaddon他(Cell、1985;42:93;およびLittman他、Cell、1988
;55:541)からここに組込まれ、第1図および配列番号1として示されている。 本明細書において使用するとき、「組換え可溶性CD4」または「rsCD4」はヒト
CD4のAA1−AA375から成る組換え微生物または細胞により発現されるポリペプチ
ドである(第1図、配列番号1)。
【0036】 本明細書において使用するとき、「表面CD4複合体」または「CD4を含んでなる
表面複合体」は、任意の結合されたタンパク質と一緒におよび/またはそれらと
複合化された、哺乳動物細胞表面上の自然の関係において出現するとき、無傷の
自然CD4を意味する。
【0037】 本明細書において使用するとき、用語「免疫原」は、宿主に投与されたとき、
CD4のCDR2ドメイン(配列番号2および3)上に存在するターゲットエフェクター
部位に対する抗体を誘導し、HIV 1型(HIV−1)およびHIV 2型(HIV−2)のす
べての分岐群からの一次分離株に対して広い中和活性を有する高い力価の抗体に
導くことができるペプチド組成物を意味する。CDR2−CD4ターゲット部位には第1
図において下線が引かれており、これらは配列番号2および3として列挙されてい
る。
【0038】 「CD4−CDR2抗原ペプチド」は、本発明によれば、約25〜約50、好ましくは約3
0〜約46アミノ酸長さであり、28〜40アミノ酸残基の介在配列により分離された2
つのシステイン残基を含有する。介在配列は配列番号1の残基27〜66により表さ
れる配列の任意の隣接部分であるか、あるいは配列番号1の残基27〜66の免疫学
的に機能的な相同体であることができる。
【0039】 ペプチド複合体は、本明細書において使用するとき、分子の直接的ペプチド合
成以外の手段により、Thヘルパーエピトープペプチドに共有結合したCD4−CDR2
抗原ペプチドを含んでなる分子を意味する。CD4−CDR2抗原ペプチドをThエピト
ープペプチドと共有結合カップリングさせてペプチド複合体を形成する例は、チ
オール−ハロアセトアミドのカップリング、チオール−マレイミドのカップリン
グ、チオール−チオール鎖間ジサルファイド結合の形成、およびその他である。
【0040】 「ペプチド免疫原」は、本明細書において使用するとき、Thエピトープペプチ
ドに共有結合したCD4−CDR2抗原ペプチドを含んでなり、必要に応じてさらに一
般的免疫刺激ペプチド、リンカー、および本明細書においてさらに記載するスペ
ーサーを含んでなり、そしてCD4−CDR2抗原ペプチドに対する抗体を誘発する能
力を有する、ペプチドまたはペプチド複合体を意味する。
【0041】 用語「相同体」は、本明細書において使用するとき、本質的に同一のアミノ酸
配列を有し、アミノ酸の約10%までの保存的置換をもつ、ペプチドを意味する。
保存的置換は、ペプチドの性質を有意に変更しないで、1つのアミノ酸が他のア
ミノ酸、好ましくは同一クラスからのアミノ酸(例えば、疎水性、極性、帯電し
た、およびその他)で置換された置換である。相同体は、また、ペプチドの免疫
学的性質を有意に変更しないアミノ酸の挿入または欠失を有することができる。
相同体は人工的に得ることができるか、あるいは本明細書において提示するペプ
チド配列の天然に存在する変異型として見出すことができる。
【0042】 免疫学的に機能的な相同体は、免疫系から本質的に同一の反応、例えば、T細
胞応答性、B細胞応答性、または所定の抗原に対する抗体の誘導を誘導する相同
体である。
【0043】 本発明は、免疫原として新規なペプチド組成物を使用することに関する。免疫
原は、ヒトを包含する哺乳動物におけるCD4のCDR2ドメイン上のエフェクター部
位(配列番号2および3)に対して向けられた高い力価の抗体の、活性免疫化によ
る、発生に有用である。本発明の免疫原は、ヒト免疫不全ウイルスの感染の予防
および治療、ならびに望ましくないCD4細胞仲介免疫応答、例えば、移植拒絶反
応、および自己免疫疾患、例えば、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス
、および乾癬の治療のために有用である。
【0044】 特異的CD4反応性抗体の使用によるHIV感染および免疫疾患の予防および治療に
おいて使用されるこのような関与、すなわち、免疫療法の1種類は、CD4のCDR2様
ドメイン上の部位に対する「部位特異的」抗体を使用する予防的処理により、受
動的に達成することができる。より好ましくは、本明細書において記載するよう
に、本発明の1またはそれ以上のペプチド免疫原を含んでなる組成物を宿主に接
種することによって、活性免疫化により療法を実施することができる。これらの
免疫原はそれ自体の部位特異的CD4−CDR2反応性抗体の宿主による産生を誘発し
、これらの抗体はHIV 1型(HIV−1)およびHIV 2型(HIV−2)のすべての分岐
群からの一次分離株に対して広い中和活性を有する。活性免疫化は、受動免疫化
よりもいっそう有効な、より長く持続する形態を提供すると考えられる。
【0045】 ヒトCD4のCDR2様ドメイン(配列番号2および3)上のターゲット部位は、N−末
端およびC−末端(配列番号4および5)へのシステイン残基の付加により、コン
フォメーション的に制限されている。このようなターゲット部位は、また、配列
番号2および3のいずれかの末端から取った1〜5の追加のアミノ酸を含んでなる、
配列番号4および5の免疫学的相同体を包含することができるが、ただし単一ジサ
ルファイドループが保存される(例えば、配列番号10および11)。
【0046】 ターゲット部位は、また、担体タンパク質、例えば、キーホールリンペットヘ
モシアニン(KLH)および修飾された百日咳エンテロトキシンA(PEA)への化学
的カップリングにより、免疫原性CD4−CDR2抗原ペプチドに修飾される。このよ
うな「CD4−CDR2抗原ペプチド−担体タンパク質」をベースとするワクチンの欠
点は次の通りである:(1)ターゲット抗原部位の弱い免疫原性、ほとんどすべ
ての自己抗原に関連する固有の問題;(2)担体タンパク質に対して向けられた
非機能的抗体の大きい部分および(3)担体誘導エピトープ抑制の可能性。
【0047】 したがって、化学的カップリングまたは好ましくは直接的ペプチド合成を通し
て、化学的に規定されたプロミスカスThおよび/または他の免疫刺激ペプチドの
縦列付加により、ペプチドを免疫原性とすることが好ましい。本発明の好ましい
免疫原は、「ターゲット配列」に対していっそう集中された免疫応答を誘発する
無関係の抗体の発生を最小とする。所望の抗体は、HIV感染および免疫疾患を予
防および治療する免疫療法を複雑化することがある、望ましくない副作用を生成
しないで、CD4表面複合体に対する反応性を有する。そのうえ、プロミスカスTh
の使用により、遺伝的に多様な宿主集団において、所望の部位をターゲットとす
る部位特異的抗体をいっそう広く発生させることができる。これらの抗体応答は
、HIV 1型および2型のすべての分岐群からの一次分離株に対して広い中和活性
を有する、高い力価の抗体に導く。
【0048】 本発明は、また、免疫不全ウイルスの感染の予防および治療、ならびに望まし
くないCD4細胞仲介免疫応答、例えば、移植拒絶反応、および自己免疫疾患、例
えば、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、および乾癬の治療のための
免疫原として、前記ペプチド組成物を使用する方法に関する。
【0049】 宿主細胞表面のCD4を含んでなるレセプター/コレセプター複合体に対して特
異的な抗体は、rsCD4に対して特異的な抗体と区別され、多分いくつかの方法で
免疫系と相互作用する: 1.それらはCD4を発現するT細胞と他の活性化T細胞、B細胞、または単球との間
のCD4−クラスIIの相互作用をブロックすることができる; 2.それらはシグナルをT細胞に送出し、こうして正常のCD4+T細胞仲介免疫調
節機能を阻害することができる; 3.それらはT細胞レセプター分子の同時の結合により開始するとき、アポトー
シスによるCD4発現細胞の細胞死亡を誘導することができる;そして 4.それらは、HIV仲介免疫病理を阻害する、CD4とHIVとの間の相互作用をブロ
ックする。
【0050】 CD4を含んでなる表面複合体に対する抗体は、HIV感染およびAIDSを包含するHI
V関連疾患を予防および治療するためのすぐれた候補である。いっそう一般的レ
ベルで、表面CD4複合体に対する抗体は、CD4発現T細胞により仲介される望まし
くない免疫応答、例えば、移植拒絶反応、および自己免疫疾患、例えば、慢性関
節リウマチ、全身性エリテマトーデス、および乾癬の予防または治療するために
有効である。
【0051】 本発明のペプチド組成物により発生される抗体の性質は、実施例1〜5において
得られた結果に基づいて、ここに要約される: 1. ELISAアッセイにおいてrsCD4に結合する; 2. 免疫蛍光アッセイにおいてCD4発現細胞に結合する;および 3.in vitroミクロプラークアッセイにおいて中和耐性HIV一次分離株を中和す
る。
【0052】 これらの特徴を有する抗体は、CD4陽性細胞を主要なターゲットとする感染因
子により引き起こされる疾患をヒトにおいて予防および治療するとき特に有効で
ある。したがって、本発明は、CD4陽性細胞を主要なターゲットとする感染因子
により引き起こされるヒトにおける疾患、AIDSのすべての段階を包含するHIVに
関係する疾患を予防および治療するために特に有効である、免疫原として、ペプ
チド組成物を提供する。本発明は、また、これらの抗体組成物を使用する方法を
提供する。
【0053】 本発明のペプチド組成物は、CD4のCDR2様ドメイン(配列番号2および3)上に
位置するターゲットエフェクター部位に対応する2つのペプチド配列またはそれ
らの免疫学的に機能的な相同体のいずれかを組込んだペプチド免疫原を含んでな
る。免疫原は、CD4のCDR2ドメインからのCD4/対応するエフェクター部位に対す
る中和抗体を誘発することによって特徴づけられる。免疫原は、(1)正確なエ
ピトープマッピング;(2)それらの自然コンフォメーションを考慮するときそ
れらのコンフォメーションを拘束する複合体;および(3)それらの広く反応性
のTh応答を介して得られた、それらの最適化された部位特異性により、防御抗体
応答を誘発する。
【0054】 詳しくは、ターゲット部位を自然ヒトCD4配列のCDR2様ドメインから取る。ヒ
トCD4のアミノ酸配列はMaddon他(Cell、1985;42:93;およびLittman他、Cell
、1988;55:541)からここに組込まれ、第1図および配列番号1として示されて
いる。CD4−CDR2ターゲット部位に第1図において下線が引かれており、これらは
配列番号2および3として列挙されている。本発明のペプチド組成物は、ターゲッ
ト部位(配列番号2および3)を含んでなる合成ペプチドとして産生されることが
好ましく、ここで環状ペプチド(例えば、配列番号4および5)の形成を促進する
ように、N−末端およびC−末端の両方にまたはそれらの付近にシステイン残基を
挿入することによって、ターゲットはそれらの自然配列から修飾されている。
【0055】 本発明のペプチド組成物は、また、配列番号4および5の免疫学的相同体を含ん
でなり、免疫学的相同体は配列番号2および3のいずれかの末端から取った1〜5つ
の追加のアミノ酸(例えば、配列番号10および11)を含んでなることができるが
、ただし単一のジサルファイドループは保存される。ターゲット部位は、また、
約25〜約50アミノ酸の範囲の環状ペプチドを含んでなり、配列番号2および3に由
来する隣接アミノ酸配列を有する免疫学的に機能的な相同体を包含することがで
きる。環状構造は本発明の必須因子である。なぜなら、ターゲット部位の線状対
応物を含んでなるペプチドはHIVの一次分離株に対する中和活性を有する抗体を
誘発しないからである。
【0056】 さらに、本発明のターゲット部位は、合成免疫刺激因子、例えば、病原性ウイ
ルスおよび細菌に由来するプロミスカスThエピトープ、人工的プロミスカスThエ
ピトープ、および一般的免疫刺激ペプチドへの担体タンパク質の共有結合を介し
て免疫原性とされる。担体タンパク質および免疫刺激因子の特定の例は、例えば
、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)担体タンパク質、修飾された百日
咳エンテロトキシンA(PEA)担体タンパク質、B型肝炎ウイルス表面抗原からのT
h(配列番号8)、人工的Th(例えば、配列番号6)、およびエルシニア(Yersini
a)からの一般的免疫刺激インベーシンペプチド(Inv)(配列番号7)である。 本発明の完全に合成のペプチドは、下記式により表すことができる: (A)n−(Th)m−(B)o−(CD4−CDR2抗原ペプチド)−X または (A)n(CD4−CDR2抗原ペプチド)−(B)o−(Th)m−X または (CD4−CDR2抗原ペプチド)−(B)o−(Th)m−(A)n−X または (Th)m−(B)o−(CD4−CDR2抗原ペプチド)−(A)n−X 式中、 各Aは独立してアミノ酸、α−NH2、または一般的免疫刺激性ペプチドであり、 各Bはアミノ酸、−NHCH(X)CH2SCH2CO−、−NHCH(X)CH2SCH2CO(ε−N)Ly
s−、−NHCH(X)CH2S−スクシニミジル(ε−N)Lys−、および−NHCH(X)CH2 S−(スクシニミジル)−から成る群から独立して選択され、 Xはアミノ酸のα−COOHまたはα−COONH2であり、 ThはヘルパーT細胞エピトープまたはその免疫増強アナローグまたはセグメン
トであり、 「CD4−CDR2抗原ペプチド」は上記において定義した通りであり、好ましくは
配列番号4または配列番号5、またはそれらの交差反応性、免疫学的に機能的な相
同体であり、 nは1〜約10であり、 mは1〜約4であり、そして oは0〜約10である。
【0057】 本発明のペプチド組成物は、約30〜約115アミノ酸残基、好ましくは約40〜約9
0アミノ酸残基、より好ましくは約50〜約80アミノ酸残基のペプチドの免疫原を
含んでなる。 Aがアミノ酸であるとき、それは任意の天然に存在するアミノ酸または任意の
天然に存在しないアミノ酸であることができる。天然に存在しないアミノ酸は下
記のものを包含するが、これらに限定されない:D−アミノ酸、β−アラニン、
オルニチン、ノルロイシン、ノルバリン、ヒドロキシプロリン、チロキシン、γ
−アミノ酪酸、ホモセリン、シトルリンおよびその他。そのうえ、mが2以上であ
りかつA基の2またはそれ以上がアミノ酸であるとき、各アミノ酸は独立して同一
であるか、あるいは異なることができる。
【0058】 Aがインベーシンドメインであるとき、それはエルシニア(Yersinia)種のイ
ンベーシンタンパク質からの免疫刺激性エピトープであることができる。この免
疫刺激性は、T細胞、特に活性化された免疫または記憶T細胞上に存在するβ1イ
ンテグリン分子と相互作用するこのインベーシンドメインの能力から生ずる。β
1インテグリンと相互作用することが見出されたインベーシンドメインの特定の
配列は、Brett他(Eur. J. Immunol.、1993;23:1608)により記載された。 プロミスカスThエピトープに対する結合についてのインベーシンドメイン(In
v)の好ましい態様は、以前に米国特許第5,759,551号(これは引用することによ
って本明細書の一部とされる)に記載された。Invドメインは、配列: Thr−Ala−Lys−Ser−Lys−Lys−Phe−Pro−Ser−Tyr−Thr−Ala−Thr−Tyr−Gl
n−Phe(配列番号7) を有するか、あるいは他のエルシニア(Yersinia)種のインベーシンタンパク質
中の対応する領域からのその免疫刺激性相同体である。このような相同体は、免
疫刺激性を保持するかぎり、細菌株毎の変動を収容するために、アミノ酸残基の
置換、欠失または挿入を含有することができる。インベーシンドメインは、好ま
しくはスペーサーを通して、Thペプチドに結合され、このスペーサーは追加のア
ミノ酸「A」により提供される。
【0059】 1つの態様において、nは3でありかつ(A)3は、下記の順序において、インベ
ーシンドメイン(Inv)、グリシンおよびグリシンである。 (B)0は任意のスペーサーであり、前述の天然に存在するか、あるいは天然に
存在しないアミノ酸であることができるアミノ酸を含んでなる。各Bは独立して
同一であるか、あるいは異なる。担体タンパク質はスペーサー(例えば、Lys−L
ys−Lys)を介して化学的カップリングによりペプチドに共有結合されている。
(B)0のアミノ酸は、また、効率よい抗体応答を誘発させるために、プロミスカ
スThエピトープとCD4−CDR2抗原ペプチド(例えば、配列番号4および5)との間
にスペーサー、例えば、Gly−GlyまたはεNLysを提供することができる。スペー
サー、例えば、Gly−Glyは、ThエピトープをB細胞エピトープ(例えば、配列番
号4および5)およびその免疫学的アナローグから物理的に分離することに加えて
、ThエピトープをCD4−CDR2抗原ペプチドと結合させ、これによりThおよび/ま
たはB細胞の応答間の干渉を排除することによって、つくられた人工的二次構造
を崩壊することができる。
【0060】 (B)0のアミノ酸配列は、また、ThおよびIgEドメインの分離を増強する柔軟
なヒンジとして作用するスペーサーを形成することができる。柔軟なヒンジを形
成する配列の例は、免疫グロブリン重鎖のヒンジ領域の中に見出される。柔軟な
ヒンジ配列はしばしばプロリンに富んでいる。1つの特に有効な柔軟なヒンジは
配列Pro−Pro−Xaa−Pro−Xaa−Pro(配列番号9)により提供され、ここでXaaは
任意のアミノ酸、好ましくはアスパラギン酸である。(B)0のアミノ酸により提
供されるコンフォメーションの分離は、提示されたペプチド免疫原と適当なTh細
胞およびB細胞との間の、いっそう効率よい相互作用を可能とし、こうして、Th
エピトープおよび抗体誘発エピトープおよびそれらの交差反応性および機能的免
疫学的アナローグに対する免疫応答を増強する。
【0061】 ThはThエピトープを含んでなるアミノ酸配列(自然または非自然のアミノ酸)
である。Thエピトープは連続的または非連続的エピトープから成ることができる
。それゆえ、Thのすべてのアミノ酸が必ずしもエピトープの一部分であるわけで
はない。Thエピトープの相同体およびセグメントを包含するエピトープは、CD4
−CDR2抗原ペプチド(例えば、配列番号4および5、およびそれらの免疫学的に機
能的な相同体)に対する免疫応答を増強または刺激することができる。免疫優性
およびプロミスカスであるThエピトープは、広く多彩なMHC型を有する動物およ
びヒトの集団において高度にかつ広く反応性である(Partidos他、1991;米国特
許第5,759,551号)。主題のペプチドのThドメインは、約10〜約50アミノ酸、好
ましくは約10〜約30アミノ酸を有する。多数のThエピトープが存在するとき(す
なわち、m≧2)、各Thエピトープは独立して同一であるか、あるいは異なる。セ
グメントは、CD4−CDR2抗原ペプチド(例えば、配列番号4および5)および/ま
たはその免疫学的に機能的なアナローグに対する免疫応答を増強または刺激する
ために十分であるThエピトープの連続的部分である。 本発明のエピトープは、外来病原体に由来するものを包含し、例えば、下記の
ものを包含するが、これらに限定されない:B型肝炎の表面およびコアの抗原ヘ
ルパーT細胞エピトープ(HBs ThおよびHBc Th)、百日咳トキシンヘルパーT細
胞エピトープ(PT Th)、破傷風トキシンヘルパーT細胞エピトープ(TT Th)
、麻疹ウイルFタンパク質ヘルパーT細胞エピトープ(MVF Th)、トラコーマク
ラミジア(Chlamydia trachomatis)主要外膜タンパク質ヘルパーT細胞エピトー
プ(CT Th)、ジフテリアトキシンヘルパーT細胞エピトープ(DT Th)、熱帯
熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)サーカムスポロゾイト(circumspor
ozoite)ヘルパーT細胞エピトープ(PF Th)、シストソマ・マンソニ(Schisto
soma mansoni)トリオースリン酸イソメラーゼヘルパーT細胞エピトープ(SM
Th)、および大腸菌(Escherichia coli)TratヘルパーT細胞エピトープ(TraT
Th)。米国特許第5,759,551号の中に配列番号2〜9および42〜52として;クラ
ミジア(Chlamydia)ヘルパー部位P11として、Stagg他、Immunology、1993;79
:1−9に;そしてHBcペプチド50〜69として、Ferrari他、J. Clin. Invest.、
1991;88:214−222に列挙された、病原体に由来するThは、配列番号8、13、38
〜58(表8)として他のものと一緒に、引用することによって本明細書の一部と
される。
【0062】 さらに、エピトープは、人工的理想化Th、例えば、配列番号6、12、36、59(
表9)、および免疫学的に機能的な相同体を包含する。機能的Th相同体は、これ
らのThエピトープの任意の免疫増強相同体、交差反応性相同体およびセグメント
を包含する。さらに、機能的Th相同体は、ThエピトープのTh刺激機能を本質的に
変更しないThエピトープ中の1〜約10アミノ酸残基の保存的置換、付加、欠失お
よび挿入を包含する。
【0063】 本発明のペプチド複合体は、また、担体タンパク質(例えば、キーホールリン
ペットヘモシアニン)にカップリングしたCD4−CDR2抗原ペプチド(例えば、配
列番号4または5)を包含する。
【0064】 本発明の好ましいペプチド免疫原は、CD4−CDR2抗原ペプチド(例えば、配列
番号4または5、またはそれらの免疫学的に機能的な相同体)およびThエピトープ
、および必要に応じて一般的免疫刺激部位、例えば、Inv(配列番号7)を含有す
るペプチドである。より好ましい態様において、ThエピトープはHBs Th、HBc
Th、MVF Th、PT Th、TT Th、CT Thまたは外来病原体に由来するHIV Thまた
は理想化人工的Th、またはそれらの機能的免疫原性相同体である。必要に応じて
、Aは一般的免疫刺激ペプチド、例えば、Inv(配列番号7)、好ましくはGly−Gl
yまたはεNLysスペーサーを介して結合したものである。
【0065】 修飾された部位の構造は、ヒトCD4のCDR2様ドメインから取ったペプチド配列
、または他の種からの相同的配列をベースとする。このCD4−CDR2ターゲット部
位は下記の修飾に付される: (1)N−末端付近のシステイン残基の付加または挿入、 (2)C−末端付近、好ましくは位置66または相同的位置またはその付近のシス
テイン残基の付加または挿入、および (3)環状構造を形成するように保持されたシステイン間のジサルファイド結
合の形成。
【0066】 ペプチド構造は、また、CD4の27〜66又は39〜66セグメントのいずれかの末端
から取った1〜5つの追加のアミノ酸を含んでなることができるが、ただし単一の
ジサルファイドループは保存されることを条件とする(例えば、配列番号10およ
び11)。好ましくは、環化のために使用することを意図しない自然配列中の介在
システインは、例えば、セリンで、保存的に置換されるであろう。
【0067】 例えば、ヒトCD4−CDR2ターゲット部位(配列番号2および3)は、N−末端およ
びC−末端(例えば、配列番号4および5)の両方またはそれらの付近に付加され
たシステインによるか、あるいはN−末端付近に付加されたシステインおよびC−
末端付近に付加されたシステイン(例えば、配列番号10および11を得るために、
位置67におけるPheをCysで置換する)により環化される。下記の配列:
【化2】 および
【化3】 を有する修飾された、環化された、およびオーバーラップするCD4−CDR2抗原ペ
プチドが1例として提供される。これらの例において、修飾された位置はボール
ドフェースのタイプにより示されている。
【0068】 本発明のCD4−CDR2抗原ペプチドを含んでなるペプチド免疫原により誘発され
る抗体は、CD4を含んでなる宿主細胞表面のレセプター/コレセプター複合体と
交差反応性であり、そしてHIV一次分離株を中和する。他の種の表面CD4の対応す
るターゲット抗原部位は、同様に、関係する種の相同的セグメントから誘導する
ことができる。 CD4−CDR2抗原ペプチド(配列番号4、5、10および11)の交差反応性、免疫学
的に機能的な相同体は、1〜約4アミノ酸残基の保存的置換、付加、欠失、または
挿入をさらに含むことができるが、ただしペプチド相同体はCD4−CDR2ペプチド
(配列番号2、3、4、および5)と交差反応性の免疫応答を誘発することができ、
そしてHIVの一次分離株に対する中和活性を有する。保存的置換、付加、および
挿入はこの分野において知られており、そして本明細書において定義した自然ま
たは非自然のアミノ酸を使用して容易に達成することができる。
【0069】 本発明の好ましいペプチド免疫原は、(1)本明細書においてCD4−CDR2抗原ペ
プチド(配列番号4、5、10および11)と呼ぶ環化修飾されたCD4−CDR2部位また
はそれらの免疫学的相同体および(2)Thエピトープペプチドを含有するペプチ
ドである。より好ましいペプチド免疫原は、環化されたCD4−CDR2抗原ペプチド
(配列番号4、5、10および11)またはそれらの交差反応性、免疫学的に機能的な
相同体;スペーサー(例えば、Gly−GlyまたはεNLys);HBs Th、HBc Th、MV
F Th、PT Th、TT Th、SMTh、HIVTh(例えば、配列番号8、38〜50、55)、人
工的Th(例えば、配列番号6、12、36、59)、またはその相同体;および必要に
応じてInvドメイン(配列番号7)またはそのアナローグを含有する縦列構築物で
ある。
【0070】 本発明のペプチド免疫原は、当業者によく知られている化学的合成法により製
造することができる。例えば、下記の文献を参照のこと:Fields他、Chapter 3
、Synthetic Peptides:A User's Guide、Grant、W. H.編、Freeman & C
o.,New York、NY、1992、p. 77。それゆえ、t−BocまたはFmoc化学により保
護されたα−NH2を用いる固相合成の自動化メリフィールド(Merrifield)技術
に従い、商業的に入手可能な側鎖保護アミノ酸を使用して、ペプチドを合成する
ことができる。ペプチド合成のために適当な計器の例は、アプライド・バイオシ
ステムス(Applied Biosystems)ペプチド合成装置430Aまたは431である。
【0071】 所望のペプチド免疫原が組立てが完結した後、標準的手順に従い樹脂を処理し
て樹脂からペプチドを切断し、アミノ酸側鎖上の官能基を脱ブロックする。遊離
ペプチドを、例えば、HPLCにより精製し、例えば、アミノ酸分析、質量分析、お
よび/または配列決定により生化学的に特性決定する。ペプチドを精製し、特性
決定する方法は当業者によく知られている。
【0072】 CD4およびTh部位を含有する本発明の合成ペプチド構築物を発生させる他の化
学的手段は、「チオエーテル」結合の形成によるハロアシル化およびシステイン
化ペプチドの結合を包含する。例えば、システインをTh含有ペプチドのC末端に
付加し、そしてシステインのチオール基を使用して、CD4−CH3ペプチドのN−末
端に結合した求電子性基(例えば、N−(クロロアセチル)またはリシン残基の
マレイミド誘導化α−またはε−NH2基)に対する共有結合を形成することがで
きる。この方法において、一般的免疫刺激部位を含むか、あるいは含まない、Th
−(B)0−(CD4−CDR2ドメイン抗原ペプチド)またはその逆方向(CD4−CDR2ド
メイン抗原ペプチド)−(B)0−Thを含んでなる構築物を得ることができる、こ
こでリンカー「B」の1つはGly−Gly、(ε−N)Lys、−NHCH(X)CH2SCH2CO−、
−NHCH(X)CH2SCH2CO(ε−N)Lys−、−NHCH(X)CH2S−スクシニミジル(ε
−N)Lys−、または−NHCH(X)CH2S−(スクシニミジル)−である。 主題の免疫原をまた重合することができる。重合は、日常的方法に従い、免疫
原を架橋剤と反応させることによって、例えば、グルタルアルデヒドをリシン残
基の−NH2基と反応させることによって達成することができる。
【0073】 他の方法に従い、免疫原のN−末端に付加した追加のシステインを利用するこ
とによって、合成ペプチド免疫原を重合または共重合することができる。ハロア
セチル修飾アミノ酸または分枝鎖状ポリ−リシルコア分子(例えば、K2K、K4K2K
、K8K4K2)のN末端に結合されたリシン残基のマレイミド誘導化α−NH2またはε
−NH2基と「チオエーテル」結合を形成するために、N末端のシステインのチオー
ル基を使用することができる。また、分枝鎖状ポリ−リシルコア樹脂上に直接的
に所望のペプチド構築物を合成することによって、分枝鎖状ポリマーとして、主
題の免疫原を重合することができる(Wang他、Science、1991;254:285−288)
【0074】 あるいは、より長い合成ペプチド免疫原をよく知られている組換えDNA技術に
より合成することができる。DNA技術に関する多数の標準的マニュアルは、組換
本発明のペプチドを製造する詳細なプロトコルを提供する。本発明のペプチド特
をコードする遺伝子を構築するために、好ましくは遺伝子が発現される生物につ
いて最適化されたコドンを使用して、アミノ酸配列を核酸配列に逆翻訳する。次
に、典型的にはペプチドをコードするオーバーラッピングオリゴヌクレオチドお
よび必要な調節因子を合成することによって、合成遺伝子を作る。合成遺伝子を
適当な発現ベクターの中に挿入し、組換え体を生成し、特性決定する。次いで選
択した発現系および宿主に適当なの条件下に、ペプチドを発現させる。標準的方
法により、ペプチドを精製し、特性決定する。
【0075】 前述の核酸はそれら自体いわゆる「DNAワクチン」の成分として有効である。
本発明のこの態様において、本発明の免疫原性ペプチドの発現は、好ましくはヒ
ト細胞における発現を最適化するコドンおよびプロモーターを使用して、ペプチ
ドをコードする核酸を細胞の中に導入することによって、患者自身の細胞におい
て誘導される。DNAワクチンを製造し、使用する方法は、下記の文献に記載され
ている:米国特許第5,580,859号、米国特許第5,589,466号、および米国特許第5,
703,055号;また、WO97/02840号およびW. McDonnellおよびF. Askari、New E
ngl. J. Med.、1996,334:2−45、これらすべては引用することによって本明
細書の一部とされる。このような本発明のペプチドおよびペプチド複合体を製造
し、使用する方法は、本発明の範囲内に包含される。
【0076】 本発明のペプチド組成物の効能は、実施例に詳細に記載されているように、動
物、例えば、モルモットに注射し、次いでCD4−CDR2ペプチドに対する体液性免
疫応答をHIVの一次単離物を中和する免疫血清の能力をモニターすることによっ
て、達成することができる。
【0077】 本発明の他の面は、薬学上許容される送出系中に免疫学的に有効量の本発明の
1またはそれ以上のペプチド免疫原を含んでなるワクチン組成物を提供する。こ
のような免疫原性組成物は、免疫不全ウイルスの感染の予防および治療のために
、ならびにCD4発現T細胞により仲介される望ましくない免疫応答、例えば、移植
拒絶反応、および自己免疫疾患、例えば、慢性関節リウマチ、全身性エリテマト
ーデス、および乾癬の治療のために使用される。
【0078】 したがって、本発明のペプチド組成物は、アジュバント、乳化剤、薬学上許容
される担体またはワクチン組成物において日常的に提供される他の成分を使用し
て、免疫原性組成物として処方することができる。本発明において使用すること
ができるアジュバントまたは乳化剤は、明礬、不完全フロインドアジュバント、
リポシン、サポニン、スクアレン、L121、エマルシゲン、モノホスホリル脂質A
(MAL)、QS21、ISA206、およびISA720、ならびに他の既知の有効なアジュバン
トおよび乳化剤を包含する。このような処方物は当業者により容易に決定され、
また、即時放出および/または持続放出のための処方物、および全身的免疫の誘
導および/または局在化粘膜免疫の誘導のための処方物を包含し、これらは、例
えば、免疫原の捕捉または微小粒子との同時投与により達成することができる。
本発明のワクチンは、皮下、経口、筋肉内、または他の非経口または腸内経路に
より投与することができる。同様に、免疫原は単一投与または多数回投与として
投与することができる。免疫化スケジュールは当業者により容易に決定される。
【0079】 本発明の免疫原性組成物は、有効量の1またはそれ以上の本発明のペプチド免
疫原と、薬学上許容される担体とを含有する。このような組成物は適当な投与単
位形態において一般に約0.5μg〜約1mgの免疫原/kg体重を含有する。多数回投
与で送出すとき、組成物は好都合には適当量/投与単位形態に分割することがで
きる。例えば、最初の投与量は、本発明のペプチド組成物として提供される、例
えば、0.2〜2.5mg,好ましくは1mgの免疫原を注射により、好ましくは筋肉内注
射として投与し、次いで反復(ブースター)投与する。投与は、ワクチンおよび
療法の分野においてよく知られているように、年齢、患者の体重および一般的健
康状態に依存するであろう。
【0080】 主題のペプチド免疫原と3またはそれ以上のThエピトープとの混合物を含有す
るワクチンは、より広い集団において免疫効能を増強することができ、こうして
CD4−CDR2抗原ペプチド(例えば、配列番号4および5)に対する免疫応答を改良
することができる。 O'Hagan他(Vaccine、1991;9:768)が記載する型の生物分解性微小粒子の中
にまたはその上に捕捉させる送出しにより、合成CD4−CDR2免疫原に対する免疫
応答を改良することができる。免疫原をアジュバントの存在または非存在下にカ
プセル化し、そしてこのような微小粒子は免疫刺激アジュバントを担持すること
ができる。微小粒子は、また、ペプチド免疫原と同時投与して、粘膜的に伝達さ
れるウイルス、例えば、HIVに特に適用可能である局在化粘膜免疫を包含する、
免疫応答を増強し、そして持続したまたは周期的応答、経口投与、および局所投
与のための時間調節的放出を提供することができる(O'Hagan他、1991;Eldridg
e他、Molec. Immunol.、1991;28:287)。
【0081】 本発明をよりよく理解できるように、下記の実施例を記載する。これらの実施
例は例示のみを目的とし、本発明をいかなる方法においても限定すると解釈すべ
きではない。
【0082】 実施例 これらの実施例のターゲット抗原部位のペプチドは、実施例1において概説す
る固相法により合成された。各ペプチドは式(A)n−(Th)m−(B)o−(CD4−
CDR2抗原ペプチド)または(A)n−(CD4−CDR2抗原ペプチド)−(B)o−(Th
)mにより表すことができるが、上に記載した他の式もまた本発明の範囲内に包
含される。CD4ターゲット抗原部位は配列番号4、5、10および11により例示され
る、環化されたペプチドであるが、約25〜約50アミノ酸の範囲の環状ペプチドを
含んでなり、配列番号2または3から誘導された隣接アミノ酸配列および環状構造
のN−末端またはC−末端に結合した追加の5までのアミノ酸配列を有する免疫学
的に機能的な相同体は本発明の範囲内に入ることを意図する。
【0083】 これらの実施例において使用される各ペプチドはThと修飾されたCD4−CDR2タ
ーゲット部位の免疫原性因子との間の(B)0スペーサーとしてGly−Glyまたは
NLysを有し、そしてあるものはInv−Gly−Glyを含んでなる任意の(A)3因子を
組込んでおり、ここでInv(配列番号7)は抗原ペプチド(例えば、配列番号32〜
35)にカップリングされているが、本発明のペプチドはまた他のスペーサー(例
えば、配列番号9、 NLys)をもつか、あるいはスペーサーをもたないことがで
きる。Thエピトープは、表8に例示されているように、外来ペプチド、例えば、B
型肝炎ウイルス表面およびコアおよび麻疹ウイルFタンパク質に由来するプロミ
スカスヘルパー部位、および表9に示すような人工的Th(例えば、配列番号6、12
、36、59)を包む。この実施例のペプチドは、また、任意の一般的免疫刺激部位
(例えば、配列番号7)を含む。さらに、本発明は追加の免疫刺激因子としてInv
に限定されない。
【0084】 実施例1 表面CD4/コレセプター複合体上の潜在的エフェクター部位の同定 A. ペプチドの設計 CC−CKR1、CC−CKR2b、CC−CKR3、CCKR5およびLESTRを包含する、ケモカイン
レセプターの4つの外部のドメインを表すコレセプター部位と一緒に、ヒトCD4の
すべての4つのドメイン内の部位をペプチドによる模擬のために選択した。MAb
B4(WO97/46697号)により認識される「エピトープ」は事実コンフォメーション
的であるので、上記レセプター/コレセプターに由来する線状ペプチドはMAb B
4と強く反応したが、WO97/46697号に示されるようにケモカインコレセプタード
メインに由来するある種のペプチドの存在下に、rsCD4とのMAb B4との反応性は
有意に増強された。
【0085】 MAb B4は任意の単一のCD4またはケモカインコレセプター由来ペプチドとの反
応性を欠如するにもかかわらず、CD4の種々の領域(AA1−A20、AA81−92、AA60
−AA109、AA118−AA165、AA235−251、AA297−AA351、またはAA361−AA375)に
由来するペプチドに対する弱いMAb B4の反応性が検出された。これにより、タ
ーゲット細胞のHIV感染を阻害するために、MAb B4により認識されるコンフォメ
ーション的なものに隣接する1またはそれ以上の部位と反応性である、高いアフ
ィニティーの抗体を誘発する合成ペプチドを設計することを目的とする種々のア
プローチが促進された。
【0086】 したがって、CD4のすべての4つのドメインおよび種々のケモカインコレセプタ
ーの外部のドメイン全体を通して散乱した、このような潜在的部位の配列がター
ゲットペプチドとして設計され、合成され、HBsAg(配列番号8)およびInv(配
列番号7)に由来するプロミスカスThが、表1および表2に示すように、ターゲッ
ト部位に結合された、ペプチドを構築することによって、免疫原にされた。表面
が暴露されたループのヒトCD4についてのブルックヘブン(Brookhaven)二次元
モデル(http:www.pdb.bnl.gov/pdb.bin/pdbids)による予測に基づく環化のた
めに、これらのドメイン内の特定のCD4部位を選択した。ターゲット抗原部位と
自然CD4分子との間の交差反応性を最小とするように、特定した環の拘束をこれ
らのペプチド中にインストールした。
【0087】 したがって、自然配列の中に見出されないシステインを導入して、ブルックヘ
ブン(Brookhaven)モデルにより予測されるループ構造の模擬するジサルファイ
ド結合を形成して、表1および表2の合成構築物のいくつかを合成した。ある場合
において、天然に存在するシステインをセリンと置換して、モデルが好まないコ
ンフォメーションの形成を防止した。ケモカインコレセプター由来ペプチドにつ
いて、それらの自然構造を模擬して、それぞれのドメイン中の天然に存在するシ
ステイン残基を介して、表2の一番右に示す、外部のドメイン2および3のペプチ
ド間の架橋を作った。
【0088】 特定した環化を使用して、表1の説明欄において*でマークする部位をそのよ
うに設計した。表1および表2の形態欄において「a」で標識するペプチドは、CD4
またはCCKRターゲット抗原部位単独を表す。ペプチドをベースとするELISAのた
めの基質抗原として、これらを使用した。「b」でマークするペプチドは、示す
ようにHBs Th部位(配列番号8)と縦列でターゲット抗原部位として合成した。
「c」でマークするペプチドは、表1および表2に示すように、Invドメインの免疫
刺激ペプチド(配列番号7)と縦列で合成された「b」構築物の変異型である。「
d」と表示するペプチドは、Gly−Glyリンカーを通してN−末端に結合した第2Th
ペプチド、CT P11 Th(配列番号13)と縦列で合成された「b」構築物の変異型
であった。構築物のC−末端に位置するTh部位およびN−末端に位置するTh部位を
使用して、「e」でマークするペプチドを「b」の逆に合成した。「g」でマーク
するペプチドは、合成をポリリシルコア樹脂上に直接実施した、分枝鎖状四量体
ペプチドを表す。「x」でマークするペプチドは、それぞれの鎖上に存在する天
然に存在するシステイン残基を介して相互のジサルファイド結合により結合され
た2つの鎖を含んでなるペプチドを表す。
【0089】 表1および表2に示されているが、ここに示されていない、実験において使用し
た他のTh部位は、人工的Th部位「1、4、9 PALINDROMIC」(配列番号6)および
「Syn Th(1、2、4)」(配列番号12)を使用した。また、C−末端に位置するI
nv部位、およびN−末端に位置するCD4−CDR2抗原を有するペプチド(CD4−CDR2
抗原ペプチド−GG−Th−GG−Inv)を製造したが、示されていない。
【0090】 ターゲット抗原部位をThから分離し、かつInvをInvからまたはaを第2Th免疫刺
激部位から分離するためにGly−Glyスペーサーを使用して、表1および表2の研究
に使用した「b」、「c」、「d」、「e」、「x」、および「他の」Th免疫原性ペ
プチドをまた合成した。免疫化された宿主において下記の性質を有する抗体を誘
導する能力について、候補のターゲット抗原部位として、生ずるペプチド免疫原
をスクリーニングした: 1. ELISAアッセイにおいてターゲット抗原部位に結合する; 2.CD4由来抗原ペプチドの場合において、ELISAアッセイにおいてrsCD4に結合
する; 3.免疫蛍光アッセイにおいてCD4を含んでなる細胞表面のレセプター/コレセ
プター複合体を発現するT細胞に結合する;そして 4.in vitroミクロプラークアッセイにおいて中和耐性HIV一次分離株を中和す
る。
【0091】 B. 候補のターゲット抗原ペプチドのスクリーニング: 1. CD4由来およびケモカインレセプター由来ターゲット抗原ペプチドの合成 アプライド・バイオシステムス自動化ペプチド合成装置(430、431および433A
型)によるメリフィールド固相合成技術に従いFmoc化学を使用して、対応する「
a」、「b」、「c」、「d」、「e」、または「x」型の表1および表2列挙するペプ
チドを個々に合成した。所定の可変位置におけるカップリングのために択一的ア
ミノ酸の混合物を、配列番号6の設計において特定した適当な比で準備すること
によって、人工的T細胞エピトープ「(1、4、9 PALINDROMIC)Th」(配列番号6
)の構造化合成抗原ライブラリー(SSAL)を含んでなるペプチド免疫原を製造し
た。同様な方法において、B細胞ターゲット抗原部位または他のSSAL Th部位に
ついてのライブラリー設計を有するSSALペプチドを合成することができる。所望
のペプチドの組立てが完結した後、標準的手順に従いトリフルオロ酢酸を使用し
て樹脂を処理してペプチドを樹脂から切断し、アミノ酸側鎖上の保護基を脱ブロ
ックした。環状ペプチドについて、切断したペプチドを水中の15%のDMSO中に48
時間放置して、システイン間の鎖間ジサルファイド結合の形成を促進した。切断
し、抽出し、洗浄したペプチドをHPLCにより精製し、質量分析および逆相HPLCに
より特性決定した。
【0092】 1. 機能的効能および評価のためのCD4およびケモカインレセプター由来ターゲ
ット抗原部位特異的免疫血清の発生 下に概説する実験的免疫化および引き続く抗体応答の血清学的アッセイにより
、ペプチド組成物の免疫原の効能を特定したように評価した。
【0093】 標準的実験の設計: 免疫原: (1)個々のペプチド免疫原;または (2)各プロトコルにおいて特定した等モル比のペプチド免疫原を含んでな
る混合物。 投与量: 特記しない限り、0.5ml中の100μg/免疫化。 経路: 特記しない限り、筋肉内。 アジュバント: (1)フロインド完全アジュバント(CFA)/不完全アジュバント(IFA); (2)0.4%の明礬(水酸化アルミニウム);または (3)特定した他のアジュバント。1アジュバント/免疫原/グループ。 投与スケジュール: 第0、2、および4週;または第0、3、および6週;またはそうでなければ特記す
るように。CFA/IFAグループに第0週にCFAを投与し、そしてIFAを引き続く週に
投与した。明礬または他の特定したアジュバントのグループにすべての投与につ
いて同一処方物を投与した。 放血スケジュール: 第0、3、6および8週;またはそうでなければ特記するように。 種: ダンカン・ハートレイ(Duncan Hartley)モルモット グループの大きさ: 3匹のモルモット/グループ アッセイ: 各免疫血清抗ペプチド活性について特定のELISA。固相基質はターゲット抗原
ペプチドの対応する「a」型であった(例えば、CD4ターゲット抗原ペプチド、ケ
モカインレセプター由来ペプチド、およびその他)。 血液を収集し、血清にプロセシングし、貯蔵した後、ターゲット抗原ペプチド
を使用するELISAにより力価を測定した。
【0094】 2. 血清および抗体 いくつかの血清学的アッセイにおける評価のために、下記の試薬、モルモット
、またはネズミに由来する血清またはヒト化モノクローナル抗体を使用した。前
述したように、免疫化後の種々の時点において、rsCD4、CD4由来およびケモカイ
ンコレセプター由来ターゲット抗原部位に対して向けられたすべてのモルモット
血清を得た。以前の研究を通してまたは記載されているように外部源から、他の
血清学的試薬を得た。これらは比較の目的で時々組込んだ。
【0095】 例えば、gp抗gp120 V3 MN(抗V3 MN)は、HIV−1 MNからのgp120の超可変
V3ドメインに対応する合成ペプチド抗原で超免疫化されたモルモットからプール
した血清である(Wang他、Science、1991、254:285−288)。GP抗gp120 V3ラ
イブラリー血清は、ほぼ1013の可能なHIV−1 V3配列のSSAL(抗V3 SSAL)を表
すペプチドの複雑な混合物で超免疫化された3匹のモルモットからプールした抗
血清である。モルモットの免疫化に使用したV3 MNおよびV3 SSAL免疫原は、Wa
lfield他(Chapter 18、AIDS Research Reviews、Koff他、編、Marcel Dekk
er:New York、1993、pp. 355−360)に記載されているように、HIV−1のいく
つかの実験室の株に対する中和活性を有するポリクローナル抗体を発生させるた
めに使用した、多分枝鎖状V3合成ペプチドの免疫原であった。
【0096】 他の抗gp120抗体は、CD4のgp120結合部位に対する特異性を有するIgG1 b12と
表示する組換えヒトモノクローナル抗体(抗gp120 CD4−BS)であった(Burton
他、Science、1994、266:1024−1027)。長期間無症候性HIV−1血清反応陽性ド
ナーの骨髄から調製された抗体−ファージ表示ライブラリーからFabフラグメン
トとしてIgG1 b12を発生させ、そして組換えDNA IgG1発現ベクターの中にクロ
ーニングすることによって全ヒト抗体に変換した。それは多様なHIV一次分離株
の中和のための抗体の「ゴールド標準」として見なされる(Burton他、supra)
【0097】 3. 抗ペプチドELISA 免疫吸着剤として「a」型の対応するターゲット抗原部位のペプチドで被覆し
た96ウェルの平底マイクロタイタープレートを使用するELISA(酵素結合イムノ
アッセイ)により、抗ペプチド抗体活性を測定した。5μg/mlの濃度のターゲッ
ト抗原ペプチド溶液のアリコート(100μl)を37℃において1時間インキュベー
トした。3%のゼラチン/PBS溶液と37℃において1時間インキュベートすること
によって、プレートをブロックした。次いでブロックしたプレートを乾燥し、ア
ッセイに使用した。被験免疫血清のアリコート(100μl)を、試料希釈結合中で
1:100希釈で開始し、その後10倍の連続希釈で、ペプチド被覆プレートに添加し
た。プレートを37℃において1時間インキュベートした。
【0098】 プレートを0.05%のPBS/TWEENR緩衝液で6回洗浄した。100μlのセイヨウワサ
ビペルオキシダーゼ標識化ヤギ抗種特異的抗体を、複合体希釈緩衝液(0.5MのNa
Cl、および正常ヤギ血清を含有するリン酸塩緩衝液)中で適当に希釈して添加し
た。プレートを37℃において1時間インキュベートした後、前述したように洗浄
した。次いでo−フェニレンジアミン基質溶液のアリコート(100μl)を添加し
た。色を5〜15分間発生させた後、50μlの2N H2SO4の添加により、酵素の色反
応を停止させた。希釈逆数のlog10として示すELISA力価を、0.5に設定したカッ
トオフA492で、吸収の線形回帰分析に基づいて計算した。各アッセイで実験した
希釈した正常モルモット対照試料についての値は0.15より低いので、このカット
オフ値は厳格である。
【0099】 4. rsCD4およびCD4発現細胞との抗体反応性の測定 a. rsCD4 ELISAによる抗CD4反応性の測定 商業的源(American Bio−Technologies,Inc.、マサチュセッツ州ケンブリ
ッジ)およびNIH(USA)AIDS Research and Reference Reagent Programか
ら、精製された組換え可溶性CD4(rsCD4)を得た。10mMのNaHCO3緩衝液、pH9.5
中の100μl/ウェルを使用して0.25μg/mlにおいてrsCD4と4℃で一夜インキュ
ベートして96ウェルのマイクロタイタープレートを被覆することによって、rsCD
4 ELISAを実施した。rsCD4被覆したウェルを250μlのPBS中の3重量%のゼラチ
ンと37℃において1時間インキュベートして非特異的タンパク質結合部位をブロ
ックし、0.05容量%のTWEEN 20を含有するPBSで3回洗浄し、次いで乾燥した。
【0100】 20容量%の正常ヤギ血清、1重量%のゼラチンおよび0.05容量%のTWEEN 20を
含有するPBSで、特記しない限り、1:20容量/容量の希釈で、免疫血清またはモ
ノクローナル抗体を連続希釈した。100μlの希釈した試料を各ウェルに添加し、
37℃において1時間反応させた。次いでウェルをPBS中の0.05容量%のTWEEN 20で
6回洗浄して、非結合標識化抗体を除去した。PBS中の1容量%の正常ヤギ血清、0
.05容量%のTWEEN 20中で1:1000の希釈で100μlのセイヨウワサビペルオキシダ
ーゼ標識化ヤギ抗マウスIgGまたはヤギ抗モルモットIgGを各ウェルに添加し、37
℃において15分間インキュベートした。ウェルをPBS中の0.05容量%のTWEEN 20
で6回洗浄して、非結合標識化抗体複合体を除去し、100μlのクエン酸ナトリウ
ム緩衝液pH5.0中に0.04重量%のo−フェニレンジアミン(OPD)および0.12容量
%の過酸化水素を含有する基質混合物と15分間反応させた。100μlの1.0MのH2SO 4 の添加により反応を停止させ、492nmにおける吸収(A492)を測定した。抗ペプ
チドELISAについて記載したように、線形回帰により補間して、各被験試料の終
点反応性について、逆数のlog10抗体力価を計算した。
【0101】 a. 間接的免疫蛍光染色によるCD4発現細胞に対する反応性の測定 1%のBSAを含有するPBS中で0.5×106/ウェルのCD4発現細胞(例えば、HPB−A
LL、MT2またはSUP−T1細胞系統の細胞)を2回洗浄した後、各実験について決定
された最適濃度において、表示した免疫血清またはモノクローナル抗体と室温に
おいて45分間インキュベートした。細胞を最初の染色抗体とインキュベートした
後、細胞を同一洗浄緩衝液中でさらに2回洗浄し、二次フルオレセインイソチオ
シアネート(FITC)複合化ヤギマウスIgGまたは(FITC)複合化ヤギ種特異的IgG
試薬と適当な希釈(Cappel、ペンシルベニア州マルベルン)においてさらに45分
間インキュベートした。染色された細胞を再び同一洗浄緩衝液中で洗浄し、染色
された細胞の百分率および染色強度を測定する、サイトフルオログラフおよび/
または免疫蛍光顕微鏡検査による蛍光分析のために細胞をプロセシングした。
【0102】 b. 間接的免疫蛍光阻害アッセイ 間接的免疫蛍光染色技術を用いる競合「ビオチニル化モノクローナル抗体B4−
T細胞」結合阻害アッセイのために、細胞をまず妨害試薬または適当に希釈した
免疫血清とインキュベートし、同一洗浄緩衝液中で2回洗浄した後、ビオチニル
化モノクローナル抗体B4を添加した。引き続いて適当に希釈したFITC−アビジン
とインキュベートしてCD4発現T細胞の染色を完結し、次いで3回洗浄した後、サ
イトフルオログラフまたは高分解能の蛍光顕微鏡により分析した。
【0103】 5. 抗体によるウイルス中和の測定 a. 細胞 以前に記載されているように15%の胎仔ウシ血清を補充したダルベッコ変性イ
ーグル培地中で、ヒトT細胞系統MT−2(ATCC 237)を維持した(Hanson他、J.
Clin. Microbiol.、1990、28:2030−2034)。HIV−1血清反応陰性ドナーの
末梢血モノクローナル抗体(PBMCs)を、フィコール−ハイパーク(Ficoll−Hyp
aque)勾配分離(Organon Teknika Corp.、ノースカロライナ州ダーハム)に
より新鮮なバッフィーコート単位から単離した。得られるPBMCsを0.5%のPHA−P
(Difco Laboratories、ミシガン州デトロイト)で刺激した。3〜4日後、PHA−
P含有培地を除去し、15%の胎仔ウシ血清、900μg/mlのグルタミン酸、抗生物
質、および5%のインターロイキン−2(Cellular Products,Inc.、ニューヨー
ク州バッファロー)を含有するRPMI中で細胞を維持した。
【0104】 b. ウイルス HIV−1 MNは、ナショナル・インスチチュート・オブ・ヘルス(National In
stitutes of Health、マリイランド州ベセスダ)(NIH AIDS Research and
Reference Reagent Program、カタログNo.402)からの持続的に感染したH9
細胞培養物として入手可能でありかつ維持したTCLA株であり、これから無細胞濃
縮系統を調製した。HIV−1の一次分離株を患者のPBMCsからPBMC培養により調製
した。PBMCsを通して3〜5以下の継代培養により一次分離株の保存培養物を調製
し、遠心により清澄化した(Sawyer他、J. Virol.、1994、68:1342−1349)。
それらはCarl Hanson(the California Department of Health Service、
カリフォルニア州バークレイ)により供給された。
【0105】 c. MT−2ミクロプラーク中和アッセイ HIV中和抗体力価の測定において、連続希釈した血清または抗体を固定量のHIV
と前インキュベートし、次いでHIV感受性MT−2細胞と感染させ、HIV誘導ミクロ
プラークを表示する細胞単層を形成する。結果をミクロプラークの定量により記
録する。ミクロプラークはHIV感染した細胞のフォーカスに融合するMT−2細胞に
より形成された巨大シンシチウムを表すので、TCLAまたは一次分離株であるかど
うかにかかわらず、このアッセイはSI分離株のみに適当である。シンシチウムの
形成の阻害はHIV粒子またはHIV感染細胞に対する抗体の作用から生ずるので、こ
のアッセイはウイルス対細胞および細胞対細胞の伝染の両方の阻害の評価に適当
である、すなわち、このアッセイはウイルス対細胞HIV誘導融合または細胞対細
胞HIV誘導融合を測定する。次いで1週後にヨウ化プロピジウム染色プラークの計
数により観測される、ミクロプラークの減少により、中和を観測する(Hanson他
、J. Clin. Microbiol.、1990、28:2030−2034参照)。このアッセイにおい
て、ウイルスおよび血清または抗体の両方を50%のプールし、脱フィブリンした
正常ヒト血漿中で希釈して、非特異的増強または阻害作用を無効にする。
【0106】 C. 結果: 免疫原性および予備的機能の研究に使用した候補のCD4由来またはケモカイン
コレセプター由来ターゲット抗原部位およびペプチドは、表1および表2に記載さ
れている。前述したように、モルモットは特記しない限り表3および表4における
「b」または「c」型のターゲット抗原部位で免疫化し、そして初期免疫化後6ま
たは8週に収集した免疫血清を手順において記載したように抗ペプチドELISAおよ
びrsCD4 ELISAにより分析した。
【0107】 ペプチドp1590b、p1699b、p1699cおよびp1700bを除外して、表3および表4に示
すように、CD4由来またはケモカインコレセプター由来ペプチド免疫原の大部分
は2.5〜>5log10の範囲の力価を有する抗ペプチド抗体を誘発したので、それら
は高度に免疫原性であった。いくつかの環化ターゲット部位と一緒にCD4レセプ
ター(例えば、p1612c、p1678b、p1678c、p1686b、p1697b、p1817b、p1889bおよ
び1901b)の長いセグメントを含んでなるCD4由来抗原部位は、抗rsCD4ELISAによ
るそれらの対応する>3.5log10力価により示されるように、rsCD4と高度に交差
反応性であった(表3、A2欄参照)。ペプチド構築物の各々についてのrsCD4との
交差反応性は予測不可能であった。さらに、このようなrsCD4交差反応性は宿主
細胞表面CD4に拡張しなかった。なぜなら、HPB-ALLまたはMT2細胞系統の細胞を
使用する間接的免疫蛍光染色により、高いrsCD4交差反応性を有するペプチド構
築物の中で、p1697bおよびp1901bのみがCD4発現T細胞と強く反応性ことが発見さ
れたからである(表3、B欄)。
【0108】 対照的に、環化構造を有するCD4ターゲット抗原部位のペプチド(例えば、p14
72b、p1472c)から、またはCDR2ドメイン(例えば、p1430b、p1471c)から誘導
された血清は、rsCD4と低い交差反応性を有するにかかわらず、CD4発現T細胞と
高度に反応性であった(表3、B欄)。ケモカインコレセプターについて、大部分
がコレセプターのドメイン1、3または4から配列をもつ、ペプチド構築物p1990、
p1999、p2028、p2047、p2048、p2049、p2087およびp2089から誘導された血清は
「表面レセプター/コレセプター複合体」と反応性であることが見出された(表
4、B欄)。
【0109】 上記の結果が示すように、rsCD4または表面レセプター/コレセプター複合体
との交差反応性は、複雑でありかつ予測不可能であり、実験的観測によってのみ
推定することができるコンフォメーションの特徴により影響を受ける。
【0110】 上記ペプチド構築物について得られた免疫血清(初期免疫化後6または8週)を
、また、前述したようにMT−2ミクロプラーク中和アッセイにより、分岐群BのHI
V−1一次分離株VL 135に対して中和活性についてスクリーニングした。免疫血
清のあるもの中にrsCD4または「表面CD4/コレセプター複合体」と高い力価で交
差反応性の抗体の存在にかかわらず、いずれもこのような中和抗体の有意なレベ
ルを表示しなかった(表3および表4、C欄)。
【0111】 CD4発現T細胞を使用して鮮やかな免疫蛍光染色パターンを有する免疫血清を、
MAb B4によりCD4発現T細胞への結合を阻害またはブロックする能力についてさ
らに評価して、MAb B4により認識されるコンフォメーションエピトープの不連
続部位に近接して潜在的エフェクター部位を突き止めた。このような実験から得
られた結果から、新しいペプチド免疫原の効果的に設計する手掛かりを得ること
ができる。「MAb B4−T細胞」結合の免疫蛍光染色の阻害を包含する実験により
、この評価は達成された。上に詳細な説明した手順に従い、CD4+ターゲットT細
胞(例えば、MT2 T細胞)を適当に希釈した(例えば、1:10)免疫血清と前イ
ンキュベートし、次いで細胞をビオチニル化MAb B4およびFITC複合化アビジン
とインキュベートした。
【0112】 評価したすべての免疫血清の中で、CD4−CDR2ドメインに由来するペプチドp14
71cを使用する免疫化により発生させた血清のみがMAb B4結合に対して阻害性で
あることが見出された(表5)。ケモカインコレセプター由来ペプチドを使用す
る免疫化から得られた血清のいずれも「MAb B4−T細胞」結合を妨害しなかった
。「MAb B4−T細胞」結合阻害のこの欠如は、一部分、潜在的エフェクター部位
に向かう抗体により表示される最適より低いアフィニティーに関係づけることが
でき、そしてMAb B4により認識される部位に対するターゲット抗原部位により
表される部位の空間的距離を主要な原因とするものではない。
【0113】 レセプターおよびコレセプターのペプチドに対して向けられた超免疫血清の1
つを除外してすべてはT細胞へのMAb B4の結合を阻害することができず、そして
いずれもHIV一次分離株に対する中和活性を表示しなかった。CD4配列中のp1471
の位置、すなわち、「MAb B4−T細胞結合」阻害により提供される手掛かりに基
づいて、表面CD4分子上の潜在的エフェクター部位を捕捉することを目的として
、新しいペプチド構築物を設計することをさらに試みた。
【0114】 さらに詳しくは、配列番号1のナンバリングシステムに従い20〜75のアミノ酸
残基をスパンするCD4−CDR2ドメインを取り囲むターゲット抗原部位を含んでな
るペプチドを再検査し、そして30〜45アミノ酸の範囲のループサイズをもつこの
CDR2領域に由来するペプチドのN−末端およびC−末端の両方にシステイン残基を
挿入することによって、この領域の二次元構造を保存することを特に強調して、
Thエピトープ領域をカバーする追加のペプチド構築物を再設計した。Thエピトー
プ領域に由来する代表的ペプチド構築物のアミノ酸配列を表6に示す。
【0115】 初期免疫化後6または8週に免疫血清を収集し、前のスクリーニングに記載する
免疫血清と同様にして評価した。評価した41のターゲット抗原部位の中で、p205
7、p2189、p2190、およびp2240(配列番号4、11、10、および5)は、「c」構造
物(配列番号32〜35)として、一次HIV−1分離株に対して向けられた中和抗体を
誘発することが見出された(表6)。分離株VL135(表6)(Sawyer他、J. Virol
.、1994、68:1342−1349)は、代表的な中和耐性一次分離株である。それは明
らかであるが、誤りに導く陽性を提供するために使用できる、非定型中和感受性
一次分離株ではない(D. BurtonおよびJ. Moore、Nature Medicine、1998、4
:495−48)。したがって、ここで観測されたウイルス中和は中和容易なウイル
スの不活性化ではなく、HIVのフィールド分離株によるチャレンジからの防御免
疫の証拠である。化学的に規定された免疫原がこの決定的HIV中和機能を有する
抗体を誘発するという観察は、AIDS研究の分野において存在しない。CD4−CDR2
ドメイン部位のペプチドに対するMAb B4の結合活性の欠如(WO95/11998号とし
て公告された同時継続特許出願に示されているように)にかかわらず、CD4−CDR
2ターゲット部位は、中和性モノクローナル抗体B4のための認識部位を構成する
、散乱した不連続エピトープに近接することがここで証明された。この認識部位
は、多分MAb B4により認識される、「CD4を含んでなる表面レセプター/コレセ
プター複合体」の湾曲した特質のために、CD4のすべての4つのドメインからのペ
プチド部位を含有するように思われる。この「表面CD4」は、rsCD4のよく知られ
ている拡張された三次元モデルと区別される。CD4−CDR2領域に由来するある種
のターゲット抗原部位のみ、すなわち、より拡張区域をスパンし、環状として提
示されるもの(例えば、p2057c、p2189c、p2190cおよびp2240c、配列番号32〜35
)は、このような中和抗体を誘発したことに注目することは価値がある。
【0116】 実施例2 ペプチドp2057cおよびp2240cにより発生した超免疫血清は複数の 分岐群の一次HIVに対する広く反応性の中和抗体を証明する 表7に示すように、ペプチド免疫原p2057cおよびp2240c(配列番号32および35
)の両方についての初期免疫化後15および12週に得られた放血に由来する超免疫
血清は、MAb B4が証明したものに対して平行なパターンで、複数の分岐群のHIV
一次単離物に対して有意な90%の中和抗体力価を証明した。中和抗体力価は増加
する順序で下記の範囲であった:p2057c(配列番号32)に対する免疫血清につい
て分岐群D、A、B(DH12)、E〜B(VL 135)および分岐群Cの一次分離株につい
て1:20〜1:185;p2240c(配列番号35)に対する免疫血清について分岐群D、B
(DH12)、A、E〜分岐群B(VL 135)の一次分離株について1:20〜1:324。同
等を決定する目的で、MAb B4の中和活性は下記の範囲であった:分岐群D、A、E
、C、B(DH12)〜分岐群BのHIV−1一次分離株について25.6μg/ml〜1.54μg/m
l。比較において、N−末端のgp120 V3ドメインに対して向けられたモルモット
血清およびHIV−1 MNのgp120 N−末端のV3ドメイン(MAb 50.1)または低い
可変性コンフォメーションのgp120 CD4結合部位(MAb IgG1 b12)に対して向
けられたモノクローナル抗体は、これらの中和耐性HIV一次単離物の存在するい
ずれをも中和することができなかった。表7に示すように、分岐群A〜EのHIV一次
単離物の90%の中和を提供する、抗p2057cおよび抗p2240c免疫血清の1:20〜1:
300の希釈は、同等の中和活性におけるMAb B4濃度および血清希釈の計算から約
300μg/mlの未希釈血清中のMAb B4濃度に近似する(すなわち、MAb B4濃度の
平均(μg/ml)×対応する分離株の各々に対する中和活性についての免疫血清
希釈係数)。
【0117】 実施例3 血清中の中和抗体力価とSIVmac251感染に対する アカゲザルにおける防御効能との相関 同時継続特許出願WO97/46697号において、SIVをもつアカゲザル、すなわち、
ヒトAIDSについて普通に使用されている動物モデルの実験的感染に対するMAb B
4のチャレンジ試験により、MAb B4の防御効能およびin vitro中和抗体力価に
対するその相関が評価された。
【0118】 その研究において、評価のために、アカゲザルにMAb B4を注入し、処置前、
チャレンジ前、およびチャレンジ後1時間の時点において血清を収集した。前も
って目盛定めしたMAb B4曲線に対するrsCD4イムノアッセイにより、MAb B4抗
体の血清レベルを測定し、5mg/kg体重の投与量を投与したすべての動物につい
て、血清レベルは30〜45μg/mlの範囲であることが見出された。この量のMAb
B4を投与した4匹の動物のうちの3匹は、モニターした1年の期間の間SIVmac251
対して保護された。チャレンジした動物中に存在する血清MAb B4のレベル(す
なわち、30〜45μg/ml)は、p2057cまたはp2240c(配列番号32および35)を含
んでなる免疫原性組成物で免疫化した宿主において発生した免疫血清中に存在し
た、抗(CD4−CDR2抗原ペプチド)抗体の推定レベル(約300μg/ml)よりもか
なり低い。
【0119】 したがって、配列番号4、5、10、および11またはその相同体を含んでなる本発
明のペプチド組成物で免疫化した宿主は、多数の分岐群の一次HIV分離株によるH
IV感染に対する防御免疫を有することを予測できる。
【0120】 実施例4 プロミスカス人工的Thエピトープを含んでなる免疫原性ペプチド組成物 設計(配列番号6)−Gly−Gly−(配列番号5)の人工的次いで/CD4−CDR2抗
原ペプチドを合成し、配列番号60と表示した。
【0121】 配列番号60のペプチドをISA206/DDA中で処方した。ISA206/DDAは、30mg/ml
のMONTANIDETMISA206が分散した水中油型エマルジョンである(MONTANIDETMISA2
06はSEPPIC Inc.、ニュージャージイ州フェアーフィールド、により供給される
油性代謝性溶液である)。次いで0.5mlの最後調製物において所望のペプチド組
成物の投与量を提供するようにペプチド含量を調節した水性ペプチド溶液中に、
油性懸濁液を1:1容量比で乳化する。
【0122】 第0、3および6週に100μg/投与を投与されたモルモットにおいて、上記処方
物における配列番号60の免疫原性は確立された。固相基質のために使用した環化
ターゲット抗原部位として配列番号5を用いる実施例1に記載する抗ペプチドELIS
Aにより、免疫原性を測定した。6匹のモルモットの6匹はELISA反応性に首尾よく
血清変換された。
【0123】 意味あることには、配列番号60はまた高度に免疫原性であり、大型動物におい
て機能的活性を有することが見出された。配列番号60を含んでなる免疫原性組成
物を不完全フロインドアジュバント(IFA)中で処方し、で300μg/投与におい
てブタに第0、3および6週に筋肉内注射した。ブタは血清変換され、第8週からの
血清をMT−2ミクロプラーク中和アッセイ(実施例1)により一次分離株HIV−1
VL135に対する中和活性について試験した。ブタ血清試料は1:249の希釈におい
てインプットウイルスの50%の中和、および1:97の希釈において90%の中和を
提供した。したがって、本発明のペプチド組成物を使用する免疫化は、大型動物
に、CD4を含んでなる宿主細胞レセプターに対する抗体およびHIVに対する中和活
性を包含する免疫応答を付与した。
【0124】 実施例5 本発明の代表的ペプチド構築物 表10に示す本発明の免疫原性ペプチドは、実施例1において概説する固相法に
より合成された、完全に合成の構築物である。この表中の各ペプチドは(A)n−
(Th)m−(B)o−(CD4−CDR2抗原)−Xにより表すことができるが、上に開示
する他の式のペプチドは本発明のペプチドの範囲内に包含されると理解すべきで
ある。CD4−CDR2抗原配列は配列番号4または5である。示された免疫原性ペプチ
ドは人工的Th部位を含んでなる(表9に示すように)。この実施例の各ペプチド
は免疫原性因子間にGly−Glyスペーサーを有するが、本発明のペプチドは他のス
ペーサー、例えば、εNLysをもつか、あるいはもたないことができる。
【0125】 材料および方法 表10中に列挙するような本発明の代表的ペプチド構築物(配列番号60、61およ
び62)を、実施例1に記載するように、合成し、切断し、環化し、精製した。ペ
プチド構築物を小型動物、例えば、モルモットの免疫化のために、または大型動
物、例えば、ブタまたはヒヒの免疫化のために処方して、それらの免疫原性につ
いて評価した。ペプチドを代表的乳化剤またはアジュバント、例えば、ISA51、I
SA720、DDAまたはモノホスホリル脂質A(MPL)を含有する0.5mlの体積で懸濁さ
せた。投与量はモルモットについて100μgまたはブタまたはヒヒについて300μg
であり、そして動物を筋肉内的に免疫化した。
【0126】 動物に表1中に特定したように第0、3および6週に注射した。初期免疫化後の5
、8週または他の特定した週からの被験放血を、実施例1に記載したように、rsCD
4 ELISAによりrsCD4に対する交差反応性について評価し、さらに、また、実施
例1に記載したようにHIV−1一次分離株を中和する能力について試験した。
【0127】 結果 3.5より大きい抗ヒトrsCD4 ELISAのlog10力価により示されるように、試験し
たすべてのペプチドは対応するrsCD4に対して強い部位特異的交差反応性を誘発
したので、代表的ペプチド構築物は関係する免疫原性を有した(表11)。HIV−1
一次分離株(例えば、VL135)の中和は、また、モルモット、ブタ、およびヒヒ
から得られた免疫血清について観測された。ヒヒ血清によるこの機能的交差反応
性は、ヒヒ血清によるヒトHIV一次分離株の中和がほとんどヒト系であるかぎり
、注目に値する。こうして、活性免疫化によるHIV感染の予防および/または免
疫療法ための因子として、本発明のペプチド構築物の効能は、霊長目モデルによ
り強く示される。
【0128】
【表1】
【0129】
【表2】
【0130】
【表3】
【0131】
【表4】
【0132】
【表5】
【0133】
【表6】
【0134】
【表7】
【0135】
【表8】
【0136】
【表9】
【0137】
【表10】
【0138】
【表11】
【0139】
【表12】
【0140】
【表13】
【0141】
【表14】
【0142】
【表15】
【0143】
【表16】
【0144】
【表17】
【0145】
【表18】
【0146】
【表19】
【0147】
【表20】
【0148】
【表21】
【0149】
【表22】
【0150】
【表23】
【0151】
【表24】
【0152】
【表25】
【0153】
【表26】
【0154】
【表27】
【0155】
【表28】
【0156】
【表29】
【0157】
【表30】
【0158】
【表31】
【0159】
【表32】
【0160】
【表33】
【0161】
【表34】
【0162】
【表35】
【0163】
【表36】
【0164】
【表37】
【0165】
【表38】
【0166】
【表39】
【0167】
【表40】
【0168】
【表41】
【0169】
【表42】
【0170】
【表43】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 核酸配列から推定された、ヒトCD4のアミノ酸配列(配列番号1)、宿主細胞抗
原CD4/コレセプター複合体の一部分を示す。アミノ酸は、次のように標準的単
一文字コードにより表される: Ala:A Cys:C His:H Met:M Thr:T Arg:R Gln:Q Ile:I Phe:F Trp:W Asn:N Glu:E Leu:L Pro:P Tyr:Y Asp:D Gly:G Lys:K Ser:S Val:V ナンバリングシステムはLittman他(Cell、1988、55:541)のそれである。下線
が引かれている領域(AA27−AA66)は、本発明のCD4−CDR2抗原ペプチドが由来
する領域である。
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月13日(2001.8.13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/04 C07K 14/705 C07K 14/705 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW Fターム(参考) 4C084 AA07 BA01 BA02 BA19 BA20 CA59 NA14 ZA892 ZA962 ZB082 ZB152 ZC552 4C085 AA13 AA14 CC23 DD62 4H045 AA10 AA11 BA10 BA41 CA40 DA50 EA22 FA74

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 約30〜約46アミノ酸長さを有し、28〜40アミノ酸残基の介在
    配列により分離された2つのシステイン残基を含有し、そして前記介在配列が配
    列番号1の残基27〜66により表される配列の連続部分であるか、あるいは配列番
    号1の残基27〜66の免疫学的に機能的な相同体である、CD4−CDR2抗原ペプチド。
  2. 【請求項2】 前記抗原ペプチドが配列番号4、配列番号5、配列番号10、配
    列番号11、およびそれらの免疫学的に機能的な相同体から成る群から選択される
    、請求項1に記載のCD4−CDR2抗原ペプチド。
  3. 【請求項3】 (a)ヘルパーT細胞(Th)エピトープ、 (b)請求項1に記載のCD4−CDR2抗原ペプチド、および (c)免疫刺激性インベーシンドメイン、 を含んでなる、約50〜約80アミノ酸の合成ペプチド。
  4. 【請求項4】 (a)ヘルパーT細胞(Th)エピトープ、 (b)請求項2に記載のCD4−CDR2抗原ペプチド、および (c)免疫刺激性インベーシンドメイン、 を含んでなる、約50〜約80アミノ酸の合成ペプチド。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のCD4−CDR2抗原ペプチドに共有結合したヘル
    パーT細胞エピトープ(Th)を含んでなるペプチドまたはペプチド複合体。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載のCD4−CDR2抗原ペプチドに共有結合したヘル
    パーT細胞エピトープ(Th)を含んでなるペプチドまたはペプチド複合体。
  7. 【請求項7】 式: (A)n−(CD4−CDR2抗原ペプチド)−(B)o−(Th)m−X または (A)n−(Th)m−(B)o−(CD4−CDR2抗原ペプチド)−X 式中、 各Aは独立してアミノ酸または一般的免疫刺激性配列であり、 各Bはアミノ酸、−NHCH(X)CH2SCH2CO−、−NHCH(X)CH2SCH2CO(ε−N)Ly
    s−、−NHCH(X)CH2S−スクシニミジル(ε−N)Lys−、および−NHCH(X)CH2 S−(スクシニミジル)−から成る群から選択され、 各Thは独立してヘルパーT細胞エピトープを含んでなるアミノ酸配列、または
    その免疫増強アナローグまたはセグメントであり、 CD4−CDR2抗原ペプチドは請求項1に記載の抗原ペプチドの配列を表し、 Xはアミノ酸のα−COOHまたはα−COONH2であり、 nは0〜約10であり、 mは1〜約4であり、そして oは0〜約10である、 により表されるペプチドまたはペプチド複合体。
  8. 【請求項8】 式: (CD4−CDR2抗原ペプチド)−(B)o−(Th)m−(A)n−X または (Th)m−(B)o−(CD4−CDR2抗原ペプチド)−(A)n−X 式中、 各Aは独立してアミノ酸または一般的免疫刺激性配列であり、 各Bはアミノ酸、−NHCH(X)CH2SCH2CO−、−NHCH(X)CH2SCH2CO(ε−N)Ly
    s−、−NHCH(X)CH2S−スクシニミジル(ε−N)Lys−、および−NHCH(X)CH2 S−(スクシニミジル)−から成る群から選択され、 各Thは独立してヘルパーT細胞エピトープを含んでなるアミノ酸配列、または
    その免疫増強アナローグまたはセグメントであり、 CD4−CDR2抗原は請求項1に記載のCD4−CDR2抗原ペプチドの配列を表し、 Xはアミノ酸のα−COOHまたはα−COONH2であり、 nは0〜約10であり、 mは1〜約4であり、そして oは0〜約10である、 により表されるペプチドまたはペプチド複合体。
  9. 【請求項9】 式: (A)n−(CD4−CDR2抗原ペプチド)−(B)o−(Th)m−X または (A)n−(Th)m−(B)o−(CD4−CDR2抗原ペプチド)−X 式中、 各Aは独立してアミノ酸または一般的免疫刺激性配列であり、 各Bはアミノ酸、−NHCH(X)CH2SCH2CO−、−NHCH(X)CH2SCH2CO(ε−N)Ly
    s−、−NHCH(X)CH2S−スクシニミジル(ε−N)Lys−、および−NHCH(X)CH2 S−(スクシニミジル)−から成る群から選択され、 各Thは独立してヘルパーT細胞エピトープを含んでなるアミノ酸配列、または
    その免疫増強アナローグまたはセグメントであり、 CD4−CDR2抗原ペプチドは請求項2に記載の抗原ペプチドの配列を表し、 Xはアミノ酸のα−COOHまたはα−COONH2であり、 nは0〜約10であり、 mは1〜約4であり、そして oは0〜約10である、 により表されるペプチドまたはペプチド複合体。
  10. 【請求項10】 式: (CD4−CDR2抗原ペプチド)−(B)o−(Th)m−(A)n−X または (Th)m−(B)o−(CD4−CDR2抗原ペプチド)−(A)n−X 式中、 各Aは独立してアミノ酸または一般的免疫刺激性配列であり、 各Bはアミノ酸、−NHCH(X)CH2SCH2CO−、−NHCH(X)CH2SCH2CO(ε−N)Ly
    s−、−NHCH(X)CH2S−スクシニミジル(ε−N)Lys−、および−NHCH(X)CH2 S−(スクシニミジル)−から成る群から選択され、 各Thは独立してヘルパーT細胞エピトープを含んでなるアミノ酸配列、または
    その免疫増強アナローグまたはセグメントであり、 CD4−CDR2抗原は請求項2に記載のCD4−CDR2抗原ペプチドの配列を表し、 Xはアミノ酸のα−COOHまたはα−COONH2であり、 nは0〜約10であり、 mは1〜約4であり、そして oは0〜約10である、 により表されるペプチドまたはペプチド複合体。
  11. 【請求項11】 前記Thが配列番号6、8、12、13、36、および38〜59から成
    る群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項3〜10のいずれか一項に記載
    のペプチドまたはペプチド複合体。
  12. 【請求項12】 前記Thが配列番号6および配列番号8から成る群から選択さ
    れるアミノ酸配列を有する、請求項11に記載のペプチドまたはペプチド複合体。
  13. 【請求項13】 nが3であり、そして(A)3が(インベーシンドメイン)−
    Gly−Glyである、請求項3〜10のいずれか一項に記載のペプチドまたはペプチド
    複合体。
  14. 【請求項14】 少なくとも1つの部分Aがインベーシンドメインである、請
    求項11に記載のペプチドまたはペプチド複合体。
  15. 【請求項15】 少なくとも1つの部分Aがインベーシンドメインである、請
    求項12に記載のペプチドまたはペプチド複合体。
  16. 【請求項16】 前記CD4−CDR2抗原ペプチドが配列番号4、5、10、および1
    1から成る群から選択される、請求項3〜10のいずれか一項に記載のペプチドまた
    はペプチド複合体。
  17. 【請求項17】 前記CD4−CDR2抗原ペプチドが配列番号4、5、10、および1
    1から成る群から選択される、請求項11に記載のペプチドまたはペプチド複合体
  18. 【請求項18】 前記CD4−CDR2抗原ペプチドが配列番号4、5、10、および1
    1から成る群から選択される、請求項12に記載のペプチドまたはペプチド複合体
  19. 【請求項19】 配列番号32、33、34、35、および60から成る群から選択さ
    れるアミノ酸配列を含んでなるペプチド。
  20. 【請求項20】 免疫学的に有効量の請求項3〜10または19のいずれか一項
    に記載のペプチドまたはペプチド複合体、およびさらに薬学上許容される担体と
    を含んでなる医薬組成物。
  21. 【請求項21】 前記ペプチドまたはペプチド複合体の前記免疫学的に有効
    量が約0.5μg〜約1mg/kg体重/投与である、請求項20に記載の医薬組成物。
  22. 【請求項22】 請求項20に記載の医薬組成物を哺乳動物に投与することを
    含んでなる、哺乳動物において表面CD4複合体に対する抗体の産生を誘導する方
    法。
  23. 【請求項23】 請求項21に記載の医薬組成物を哺乳動物に投与することを
    含んでなる、哺乳動物において表面CD4複合体に対する抗体の産生を誘導する方
    法。
  24. 【請求項24】 請求項20に記載の医薬組成物を哺乳動物に投与することを
    含んでなる、哺乳動物においてCD4+細胞に対するHIVの結合を阻害する方法。
  25. 【請求項25】 請求項21に記載の医薬組成物を哺乳動物に投与することを
    含んでなる、哺乳動物においてCD4+細胞に対するHIVの結合を阻害する方法。
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