JP2002513421A - 橋かけしたハフノセン類の生産性向上 - Google Patents

橋かけしたハフノセン類の生産性向上

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JP2002513421A JP50499299A JP50499299A JP2002513421A JP 2002513421 A JP2002513421 A JP 2002513421A JP 50499299 A JP50499299 A JP 50499299A JP 50499299 A JP50499299 A JP 50499299A JP 2002513421 A JP2002513421 A JP 2002513421A
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アルベマール・コーポレーシヨン
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    • C07F17/00Metallocenes

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  • Organic Chemistry (AREA)

Abstract

(57)【要約】 四ハロゲン化ハフニウム−ジアミン付加体と金属含有ビス(シクロペンタジエニル部分含有)配位子の間の反応はラセミ型ハフノセンを製造する方法として大いに有望ではあるが、数多くの複雑さを伴う。上記反応で一般的に用いられている溶媒/希釈剤であるテトラヒドロフランは、それを反応体および/または反応生成物(類)が入っている液状反応媒体中に実質的な割合で存在させると、キラリティーを持つハフノセンの収率が実質的に低下することを確認した。THFを実質的な量で存在させると、明らかに、望ましくないメソ異性体の生成量の増大が引き起こされるか或は少なくともそのような結果が生じ、タール状物の生成が引き起こされるか或は結果として起こる傾向があり、かつ濾過性が劣る生成物がもたらされる。従って、THFを反応槽に多量に供給した場合には反応体(類)をパージしてTHFの量を適切に低いレベルにして、それの代わりに液状の芳香族炭化水素を用い、次にその反応混合物をより高い温度にまで加熱する。反応混合物に液状のパラフィンおよび遊離ジアミンを多量に存在させるとまたこれも反応中にタール状物が生じる一因になりかつキラリティーを持つハフノセンの収率が低くなる一因にもなる。従って、反応混合物中に存在するそのような材料の量を最小限に保つ。四ハロゲン化ハフニウムのジアミン付加体と金属含有ビス(シクロペンタジエニル部分含有)配位子からキラリティーを持つハフノセンを合成する時、そのような工程修飾を行うと、キラリティーを持つハフノセンの収率が高くなり、メソ異性体の生成量が低くなり、かつタール状物の生成量が顕著に低下し得る。更に、そのようにして生じさせたハフノセン反応生成物は有意に向上した濾過特性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】 橋かけしたハフノセン類の生産性向上 技術分野 本発明は、向上した濾過特性(filterability charact eristics)を示す所望のラセミ型ハフノセン類(racemic ha fnocenes)がより高い収率で生成することを可能にする高効率の方法を 用いてハフノセン類を製造することに関する。 背景 4族金属(Ti、Zr、Hf)を含んでいてキラリティーを持つメタロセン類 (chiral metallocenes)はポリオレフィンの合成で用いる に有用である。ラセミ形態のそのようなメタロセン類は立体規則的ポリ(アルフ ァ−オレフィン)類を与える。加うるに、ラセミ型のそのようなメタロセン類は メソ形態(アタクティックポリマーのみをもたらす)に比べて触媒としてかなり 高い活性を示す。キラリティーを持つメタロセン類およびそれをイソタクティッ クオレフィンポリマー類(isotactic olefin polymer s)の製造で触媒として用いることは、例えば米国特許第4,794,096、 5,017,714、5,036,035、5,036,034、5,145, 819、5,296,434、5,324,800、5,329,033及び5 ,455,366に記述されている。 ハフノセン類の合成は一般にジルコノセン類およびチタノセン類の合成とは異 なることを確認した。このように、ジルコノセン類の合成で好結果をもたらすこ とが分かっている工程技術に類似した工程技術を用いてハフノセン類の製造を行 ったが、ハフノセンの収率は比較的低く(例 えば25から30%の範囲)かつハフノセン生成物の濾過は困難であることを確 認した。上記工程を修飾してハフノセンの収率および濾過性を向上させる試みを 繰り返し行ったが、向上が全くもたらされないか或はある場合には収率が更に失 われかつ濾過特性が更に悪化することで、失敗に終わっていた。また、反応マス (mass)はラセミ型およびメソ型ジアステレオマー類の混合物に加えて他の 未同定副生成物およびタール状物(tars)も含有する傾向があった。 発明 この上に示した状況を鑑み、我々の目的は、可能ならば、キラリティーを持つ ハフノセンをより高い効率およびより高い収率で製造する方法を見付け出すこと と、また可能ならば、より良好な濾過特性を示すハフノセン類を製造することで あった。本発明は上記目的を果したと判断する。 四ハロゲン化ハフニウム−ジアミン付加体と金属含有(metallated )ビス(シクロペンタジエニル部分含有)配位子の間の反応はラセミ型ハフノセ ンを製造する方法として大いに有望ではあるが数多くの複雑さを伴うことを確認 した。我々は、例えば、テトラヒドロフランを四ハロゲン化ハフニウムまたは四 ハロゲン化ハフニウム−ジアミン付加体および金属含有ビス(シクロペンタジエ ニル部分含有)配位子および/またはそれらが一緒に反応することで生じた生成 物(類)が入っている液状反応媒体中に実質的な割合で存在させると、驚くべき ことに、キラリティーを持つハフノセンの収率が実質的に低下する傾向があるこ とを確認した。このような異常な挙動の理由を完全には理解していないが、テト ラヒドロフランを実質的な量で存在させるとハフノセンの望ま しくないメソ異性体の生成量の増大が引き起こされるか或は少なくともそのよう な結果が生じ、その結果として、生じた生成物がラセミ異性体とメソ異性体の混 合物を含有すると思われる。また、テトラヒドロフランを系中に実質的な量で存 在させるとタール状物(これは勿論最も望ましくない)が生成する原因になるか 或はそれが結果として生じる傾向がある。他方、テトラヒドロフランを金属含有 シクロペンタジエニル配位子と一緒に用いることは通常のことで、他の多くの面 で望ましいことである。例えば、金属含有シクロペンタジエニル配位子、例えば ジリチウム[1,1’−ジメチルシラニレンビス(インデニド)]などを固体形 態で取り扱うのは、そのような材料は発火性であるか或は少なくとも非常に高い 引火性を示す傾向があることから有害であり得る。 また、キラリティーを持つハフノセンを合成している操作中に温度を調節して 管理すると所望のラセミ型生成物の収率が有意に向上し、ある場合には非常に予 想外な様式で向上し得ることも見い出した。 従って、四ハロゲン化ハフニウムのジアミン付加体と金属含有ビス(シクロペ ンタジエニル部分含有)配位子からキラリティーを持つハフノセンを合成する時 に本発明を用いるとキラリティーを持っハフノセンの収率が高くなり、メソ異性 体の生成量が低くなり、かつタール状物の生成量が顕著に低下し得る。更に、本 方法で生じさせたハフノセン反応生成物は有意に向上した濾過特性を示す。 本発明に従い、(a)反応槽が固体状粒子を伴う連続液相を含有するように反 応槽に(i)固体状粒子の形態または実質的に無水の有機液溶媒または希釈剤に 入っている溶液または懸濁液またはスラリーの形態の金属含有ビス(シクロペン タジエニル部分含有)配位子[この配位子が 上記溶液または懸濁液またはスラリー中に存在する時、上記配位子が存在する化 学形態または形態類は如何なる化学形態または形態類であってもよい(the ligand is present therein in whateve r chemical form or forms such ligand exists when in such solution or sus pension or slurry)]、(ii)固体状粒子の形態または実 質的に無水の有機液溶媒または希釈剤に入っている溶液または懸濁液またはスラ リーの形態の四ハロゲン化ハフニウムのキレート(chelate)ジアミン付 加体[この付加体が上記溶液または懸濁液またはスラリー中に存在する時、上記 付加体が存在する化学形態または形態類は如何なる化学形態または形態類であっ てもよい]および(iii)場合により個別の実質的に無水の有機液溶媒または 希釈剤を同時または任意順で供給しそして(b)該液相の温度を少なくとも約1 0℃の1つ以上の反応温度に維持しながら該反応槽の内容物を向上した濾過性を 示すキラリティーを持つハフノセンを含んで成るスラリーが生じるに充分な時間 撹拌することを含むが但し(1)供給材料(i)および(ii)の一方または両 方がテトラヒドロフランまたは他の環状エーテルを実質的な異性化および/また は副生成物の生成が該反応槽内で起こるのを促すような量で含む場合および/ま たは(2)供給材料(iii)がテトラヒドロフランまたは他の環状エーテルで あるか或はそれらを実質的な異性化および/または副生成物の生成が該反応槽内 で起こるのを促すような量で含む場合には供給中の該反応槽内の液相の温度を過 剰な異性化および/または副生成物の生成が起こらないに充分なほど低い温度に 保持しそしてb)を実施する 前に該テトラヒドロフランおよび/または上記他の環状エーテルを真空下約30 ℃以下の温度で該反応槽から除去することで該テトラヒドロフランおよび/また は上記他の環状エーテルの量を実質的な異性化および/または副生成物の生成が 起こるのを促す量よりも少ない量にまで低下させることの全部を条件とする方法 を用いて、キラリティーを持つハフノセンを製造する。 言及を容易にする目的で本明細書では以降時には金属含有ビス(シクロペンタ ジエニル部分含有)配位子を簡単に配位子と呼ぶ。同様に、本明細書では以降時 には四ハロゲン化ハフニウムのキレートジアミン付加体を単に付加体と呼ぶ。 本分野の技術者が容易に理解および評価するであろうように、上記操作は不活 性な雰囲気、例えば乾燥窒素または他の乾燥不活性ガス、例えばアルゴン、ネオ ンまたはクリプトンなど中の実質的に無水の環境下で実施されるべきである。 本発明の更に別の特徴は、反応中の反応混合物にパラフィン系炭化水素を実質 的な量(例えばヘキサンをトルエンに25重量%の量)で存在させるとそのよう な炭化水素は反応中にタール状物の生成を助長し、反応生成物の濾過をより困難 にしかつ所望のキラリティーを持つハフノセンの収率を低くする傾向があること から有害であり得ることを見い出したことにある。 以下に行う説明および添付請求の範囲から本発明の上記および他の特徴および 態様が更に明らかになるであろう。 キラリティーを持つハフノセン類、例えば本発明に従って生じさせるキラリテ ィーを持つハフノセン類は、対称面を持たないラセミ型ジアス テレオマー類の混合物である。メソ異性体(本発明で生成を抑える)は、環と環 の間に位置するハフニウム原子を貫く対称面を持ち、従ってキラリティーを持た ない(achiral)化合物である。本発明に従って製造することができるラ セミ型ハフノセン類のいくつかの例には下記が含まれる: [1,1’−ジメチルシラニレンビス(メチルシクロペンタジエニル)]ハフニ ウムジクロライド、 [1,1’−ジメチルシラニレンビス(インデニル)]ハフニウムジクロライド 、 [1,1’ −ジメチルシラニレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデ ニル)]ハフニウムジクロライド、 [1,1’−(1,1,2,2−テトラメチルジシラニレン)ビス(メチルシク ロペンタジエニル)]ハフニウムジクロライド、 [1,1’−(1,1,2,2−テトラメチルジシラニレン)ビス(4,5,6 ,7−テトラヒドロインデニル)]ハフニウムジクロライド、 [1,1’−ジメチルシラニレンビス(トリメチルシラニルシクロペンタジエニ ル)]ハフニウムジクロライド、 [1,1’−(1,1,2,2−テトラメチルジシラニレン)ビス(トリメチル シラニルシクロペンタジエニル)]ハフニウムジクロライド、 [1,1’−(1,1,3,3−テトラメチルジシラニレン)ビス(4,5,6 ,7−テトラヒドロインデニル)]ハフニウムジクロライド、 [1,1’−(1,1,4,4−テトラメチル−1,4−ジシラニルブチレン) ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)]ハフニウムジクロライド、 [1,1’−(2,2−ジメチル−2−シラプロピレン)ビス(メチルシクロペ ンタジエニル)]ハフニウムジクロライド、 [1,2−エチレンビス(エチルシクロペンタジエニル)]ハフニウムジクロラ イド、および [1,2−エチレンビス(インデニル)]ハフニウムジクロライド。 本発明の方法で用いる配位子は、単離された純粋な形態において、好適には、 式 [式中、Cp1およびCp2は、独立して、環置換基Mを有するシクロペンタジエ ニル部分含有基であり、Mは、アルカリ金属原子またはモノハロマグネシウム基 であり、そしてQは、Cp基をつなげている橋渡し基を表す] で表される化合物である。金属を含有させる前のシクロペンタジエニル部分含有 基は、シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、またはハフニウム原 子にπ結合し得る関連基、またはそれらのヒドロカルビル(例えばアルキル、シ クロアルキル、アリール、アラルキルまたはアルケニル)、シラニルまたはヒド ロカルビルメタロイド置換誘導体である。Cp基のいずれかまたは両方がそれに 縮合したヒドロカルビル環系を1つ以上持っていてもよい。各Cpが含む非水素 原子の数は約75以下であり得る。Qは、Cp基をつなげる目的で用いられる如 何なる橋渡し基であってもよく、そのような橋渡し基には、例えばシラニレン( −SiR2−)、シラアルキレン、オキサシラニレン、オキサシラアルキレン、 ベンゾ6(C4H<)もしくは置換ベンゾ、メチレン(−CH2−) もしくは置換メチレン、エチレン(−CH2CH2−)もしくは置換エチレンブリ ッジ(bridges)が含まれる。メチレンブリッジおよびエチレンブリッジ が好適であり、シラニレンブリッジ、例えばジメチルシラニレン、ジエチルシラ ニレン、エチルメチルシラニレン、ジプロピル−シラニレンおよびジブチルシラ ニレンなどの如きブリッジを有する配位子がより好適である。 このような配位子を生じさせる時、金属を含有していない橋状ビス(シクロペ ンタジエニル部分含有)化合物に適切な金属化剤(metallating a gent)、例えばアルカリ金属、アルカリ金属の水素化物またはグリニヤール 試薬などを用いた脱プロトン化(deprotonating)を受けさせるこ とによる公知様式で、金属化(metallation)を達成する。脱プロト ン化剤の例には、ナトリウム分散液、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素 化カリウム、グリニヤール試薬および有機アルカリ金属化合物RM[ここで、R はC1からC10のヒドロカルビル基(アルキル、アリールまたはシクロアルキル )でありそしてMはアルカリ金属である]が含まれる。リチウムアルキル類、例 えばメチルリチウム、エチルリチウムおよびブチルリチウムなどが好適である。 金属化を典型的には適切な無水の不活性反応媒体、例えば乾燥した液状炭化水素 中などで達成する。 ハロゲン原子が17以上の原子番号を有する(即ち塩素、臭素および/または ヨウ素原子である)四ハロゲン化ハフニウムとそれと一緒にキレート化合物を形 成する、即ちそれと一緒に錯体を形成して付加体を生じ得るジアミンから上記付 加体を生じさせる。そのようなジアミンの例にはN,N,N’,N’−テトラメ チル−1,2−エタンジアミン、N, N,N’,N’−テトラメチル−1,2−プロパンジアミン、N,N,N’,N ’−テトラメチル−2,3−ブタンジアミンおよびN,N,N’,N’−テトラ メチルメタンジアミンが含まれる。四塩化ハフニウムから生じさせた付加体が最 も好適であり、特に四塩化ハフニウムとN,N,N’,N’−テトラメチル−1 ,2−エタンジアミンから作られた付加体および四塩化ハフニウムとN,N,N ’,N’−テトラメチルメタンジアミンから作られた付加体が最も好適である。 上記配位子および付加体を反応槽に仕込む時、これらの形態は固体状粒子の形 態または実質的に無水の有機液溶媒または希釈剤に入っている溶液または懸濁液 またはスラリーの形態であってもよい。それを混ぜ物なしの粒子形態で仕込む場 合、反応混合物が連続液相を有していてその中に反応体(類)がいくらか溶解し ているが一方または両方の反応体の溶解していない粒子が懸濁しているか或はス ラリー状態(slurried)であるように、無水の液状有機溶媒または希釈 剤の個別仕込みを用いる。この用いる液体が上記配位子の全部および上記付加体 の全部を溶かし得る場合、これは望ましいことではあるが、今日までのところ、 そのような溶媒を見付け出してはいない。適切な溶媒または希釈剤には不活性な 液状の炭化水素、液状のシリコン類、液状のパーフルオロカーボン類、液状のモ ノエーテル類、液状のポリエーテル類およびそれらの混合物が含まれる。 化学者が周知しているように、キレート化合物または付加体が溶液または懸濁 液またはスラリーの状態の時のそれの化学形態は全体または部分的にそれが溶媒 和、錯形成、解離または他の様式の変換を起こすことで変化する可能性があり、 その結果として、その時には、それの化学構 造はそれを溶液、懸濁液および/またはスラリーの形態にする直前に存在してい た様式と完全には同じでない。上記溶液、懸濁液および/またはスラリーを生じ させる時にそのような何らかの変化が起こったとしても、上記溶液、懸濁液およ び/またはスラリーを生じさせる時の液状媒体の選択で化学者に通常の技術およ び常識を用いる限り、それらは本発明の範囲内である。 反応槽に仕込むジアミン−四ハロゲン化ハフニウム付加体と橋状配位子のモル 比を典型的には付加体が配位子1モル当たり0.7から1.3モル(好適には0 .8から1.2、より好適には0.9から1.1モル)であるような範囲にする 。特に好適なモル比は、付加体が配位子1モル当たり1.00から1.05モル の範囲であるようなモル比である、と言うのは、このような範囲が最も費用効果 的な範囲でありかつ触媒材料として用いる適した高純度のラセミ型生成物を単離 する時の処理および精製手順が簡単になるからである。 この上に述べたように、上記付加体および配位子を固体としてか或は溶液また はスラリーとして反応槽に供給する。好適には、少なくとも上記配位子を適切な 液状媒体、最も好適には1種以上の液状芳香族炭化水素または1種以上の液状芳 香族炭化水素と1種以上の液状環状もしくは非環状エーテルの混合物または1種 以上の液状環状もしくは非環状エーテル中の溶液またはスラリーとして仕込む。 テトラヒドロフランを使用で選択する場合には、それが反応スラリーに入ってい る濃度を比較的低く(例えば15重量%)、好適にはそれより低い濃度にさえ保 持する注意を払うべきである。このように、一般的には、THFの量を少なくす ればするほど良好になる。実際、反応体の一方または両方が運び混む可 能性がある痕跡量を除いて反応混合物がテトラヒドロフランを含まないように保 つのが最も好適である。他の環状エーテル類、例えばアルキルテトラヒドロフラ ンまたは1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロピランなどがテトラヒドロフラ ンを用いた時に経験する問題と同様な問題を引き起こすか否かは確認していない 。従って、そのような他の環状エーテルを使用で選択する場合には、意図する濃 度、温度および反応時間でそのような環状エーテルが所望の反応を過度に害する ことも回収操作、例えば濾過などを過度に複雑にすることもないことを確保する ためのパイロット実験をいくつか実施すべきである。 反応時間の実質的な部分中、典型的には、反応混合物の温度を25から60℃ の範囲に維持する。好適な範囲は30から50℃であり、35から40℃の範囲 が特に好適である、と言うのは、このようにすると生じるキラリティーを持つハ フノセンの収率が最大になる傾向があるからである。 この上に述べたように、反応中の反応混合物に液状のパラフィンおよび遊離ジ アミンを多量に存在させると、また、タール状物の生成およびキラリティーを持 つハフノセンの収率低下の一因になる。このように、そのような材料が反応混合 物中に存在する量を最小限に保つべきである。従って、反応中の液状反応溶媒ま たは希釈剤がパラフィン炭化水素をいくらか含む場合でもそれ自身の量を溶媒/ 希釈剤の全重量の約5%未満に保つべきである。 対照例A 四塩化ハフニウムまたは四塩化ハフニウムジ(テトラヒドロフラネート)錯体 を、トルエンおよびジエチルエーテル中にジリチウム[1,1 ’−ジメチルシラニレン−ビス−(インデニド)]モノ(ジエチルエーテラート )を含むスラリに乾燥窒素下において加え、反応原料を約等モル量で含むスラリ をつくる。得られたスラリを約25℃において12〜16時間の範囲の間撹拌す る。ラセミ体の[1,1’−ジメチルシラニレンビス(インデニル)]ハフニウ ムジクロリドの収率は反応器に装入したジリチウム[1,1’−ジメチルシラニ レンビス−(インデニド)]モノ(ジエチルエーテラート)に関し25〜30% の範囲であった。反応生成物の濾過は遅く、労力がかかり困難であった。 対照例B 等モル量のジリチウム[1,1’−ジメチルシラニレンビス−(インデニド) ]モノ(ジエチルエーテラート)および四塩化ハフニウムをトルエン中に含む橙 色のスラリを室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過すると、淡黄色の固体と橙 色の濾液が得られた。固体を二塩化メチレン中に抽出し、純粋なラセミ体の[1 ,1’−ジメチルシラニレンビス(インデニル)]ハフニウムジクロリドを単離 収率30%で得た。反応スラリの30〜40mLを濾過するのに1時間以上かか った。濾液を1H NMRで検査し、ラセミ体およびメソ体のジアステレオマー 並びに他の同定できない副成物およびオリゴマーの混合物が存在することが示さ れた。 対照例C 対照例Bを繰り返したが、状況を改善できることを期待して、反応時間の終わ りに反応スラリに等容積のテトラヒドロフランを加えた。この添加を行なうと、 固体の大部分が消失し、暗橙色の溶液が生成した。1 H NMRで濾液を検査した結果、ラセミ体およびメソ体の混合物が 存在することが分かった。 対照例D 対照例Bの方法を再び繰り返したが、乾燥した固体の形の反応原料を−78℃ において一緒に混合し、またトルエンを−78℃で加えて反応スラリをつくった 。回収処理後対照例Bと同じ結果が得られた。 対照例E 対照例Bの方法を改善するための他の試みとして、同じ方法で反応を行なうが 橙色の反応混合物を16時間還流させた。回収処理後実質的に同じ結果が得られ たが、ラセミ体の[1,1’−ジメチルシラニレンビス(インデニル)]ハフニ ウムジクロリドの生成量は幾分少なかった。 対照例F ジリチウム[1,1’−ジメチルシラニレンビス−(インデニド)]モノ(ジ エチルエーテラート)をテトラヒドロフランに溶解し、次に溶媒を蒸発させて乾 燥し、粘着性のある残渣を得た。等モル量の四塩化ハフニウムとトルエンから成 る希釈剤をこの残渣に加え、対照例Bと同様に反応を行なった。この場合ラセミ 体の[1,1’−ジメチルシラニレンビス(インデニル)]ハフニウムジクロリ ドの収率は僅かに15%であった。 対照例G テトラヒドロフラン中にジリチウム[1,1’−ジメチルシラニレンビス−( インデニド)]モノ(ジエチルエーテラート)を含む31重量%の溶液を、トル エン中に四塩化ハフニウム−N,N,N’,N’−テトラメチルエタンジアミン (TMEDA)付加物(HfCl4・TMEDA)を含む液に約−5℃において 加えた。ほぼ等モル量で反応原料を 装入した。非常に暗い色をしたワインレッドの溶液が生成したが、この中で暗色 の油状の物質しか単離できなかった。 実施例1 対照例Gを繰り返したが、約−5℃において配位子を付加物に加える代わりに 、配位子−THFの濃厚(31%)溶液を付加物−トルエンのスラリーに周囲の 室温(約25℃)において加えた。この方法で反応を行なうと、驚くべきことに は反応混合物は遥かに明るい色のスラリーになり、反応混合物中のTHFの量が 過剰ではなく、且つ適当に短い反応時間の間に−5℃より十分高い温度で反応す るように反応原料の反応の開始を促進すれば、THFが使用できることが示され た。 実施例2 実施例1の方法を繰り返したが、反応器中の初期反応混合物スラリーからでき るだけ速くテトラヒドロフランを追い出し、必要に応じ同様な量のトルエンまた は他の液体芳香族炭化水素希釈剤で置き換える。この場合反応時間は、生成物が 所望の収率で得られるのに必要なだけ長くすることができる。テトラヒドロフラ ンの追い出しは減圧において行なうので、この操作には蒸溜装置は必要ない。こ の一般的な方法で比較的大規模に(21gのHfCl4を使用)行なった反応で は、配位子−THFの濃厚溶液を付加物−トルエンのスラリーに供給した後、2 0℃、20mmHgにおいて追い出しを行ない、THFを1.3時間で除去する ことに成功した。ラセミ体の[1,1’−ジメチルシラニレンビス(インデニル )]ハフニウムジクロリドの収率は66%に達した。 実施例3 トルエン10g中に四塩化ハフニウム(3.2g、10ミリモル)お よびN,N,N’,N’−テトラメチルエタンジアミン(TMEDA)(1.2 g、10.3ミリモル)を含む液を90℃で1時間撹拌してHfCl4・TME DA付加物を製造する。付加物−トルエン混合物を25℃より低い温度に冷却し た後、ジリチウム[1,1’−ジメチルシラニレンビス−(インデニド)]モノ (ジエチルエーテラート)(3.74g、9.72ミリモル、NMRによる純度 97.2%)および5gのトルエンを撹拌しながら加えた。添加中撹拌混合物の 温度は反応熱のために約28℃に上昇した。次いでスラリを35〜40℃に加熱 し、約35℃において22時間撹拌する。次に反応混合物を徐々に室温に冷却し 、さらに濾過し易くした。4gの新しいトルエンでフィルター・ケーキを洗滌す る。この一般的な方法で行なわれる操作において乾燥した粗製フィルター・ケー キ(塩化リチウムを含む)4.38gが回収された。この生成物を内部標準を用 いてNMRで検査し、このものは純粋なラセミ体の[1,1’−ジメチルシラニ レンビス(インデニル)]ハフニウムジクロリドを73.7重量%含んでいるこ とが示された。従って収率はジリチウム[1,1’−ジメチルシラニレンビス− (インデニド)]モノ(ジエチルエーテラート)に関し61.8%であった。濾 過工程は困難なく行なわれた。 実施例4 実施例3を繰り返したが、反応混合物を周囲の室温において72時間撹拌した 。この一般的な方法で行なわれた操作において、内部標準を用いてNMRにより 測定された収率は反応器に加えたジリチウム[1,1’−ジメチルシラニレンビ ス−(インデニド)]モノ(ジエチルエーテラート)に関し60.4%であった 。濾過工程は困難なく行なわれたが、 実施例1よりは遅かった。 実施例5 実施例3と同じ一般的は方法を使用したが、反応混合物を周囲の室温(約25℃ )において22時間撹拌した。この方法で行なわれた実験においては、濾過はさ らに遅かったが、特に困難ではなかった。NMR(内部標準なし)によれば規格 化した期待収率は約54%であった。内部標準を用いたNMRによる収率は35 %であった。 実施例6 磁気撹拌機の棒を装着した100mLのフラスコに、HfCl4(6.22g 、19.4ミリモル)および17gのトルエンを装入する。このスラリーを周囲 の室温において2.36gのTMEDAで処理し、次いで45分間80〜90℃ に加熱した後、室温で4日間撹拌する。得られたトルエン中にHfCl4・TM EDA付加物を含む液を、配位子との反応を行なうために保存する。ジリチウム [1,1’−ジメチルシラニレンビス−(インデニド)]モノ(ジエチルエーテ ラート)溶液(THF中31重量%溶液23.55g)を撹拌棒を含む他のフラ スコに装入する。これに26.5gのトルエンを加える。この混合物を撹拌しな がら、真空中で溶媒を抜き取る(THFとトルエンの1:2混合物29.5g) 。溶媒を追い出した混合物に新しいトルエン6.0gを加えて曇った配位子混合 物を生成させ、これを前記のHfCl4・TMEDA付加物−トルエン混合物に 2分間にわたって加える。さらに4gのトルエンを用いて配位子混合物を洗滌し て付加物−トルエン混合物中に加える。さらに数分間撹拌し、6gの溶媒(TH Fとトルエンの1:2混合物)を真空下で抜き取る。次いで反応混合物を30〜 35℃において16時 間撹拌した後、3時間の間に室温まで冷却する。この一般的な方法で行なわれた 操作において、最終生成物の液相の試料は8.5%のTHFを含み、残りはトル エンであることが見出された。中程度の多孔度をもつガラスのフリットを用いて 反応生成物の混合物を吸引濾過した。濾過は非常に迅速であった。固体分をトル エンで洗滌し、フリット上で真空に引いて乾燥させた。粗製物の乾燥重量は8. 2gであり、74%のラセミ体の[1,1’−ジメチルシラニレンビス(インデ ニル)]ハフニウムジクロリドを含んでいた。従ってラセミ体の[1,1’−ジ メチルシラニレンビス(インデニル)]ハフニウムジクロリドの収率は58%に 達した。 実施例7 窒素雰囲気中において3.60gのTMEDA(30.9ミリモル)をトルエ ン(30g)中でスラリーとなっている9.60gのHfCl4(ミリモル)に 周囲の室温で加えた。良く混合しながら、スラリーを加熱(約35℃から)して 約90℃トシ、その温度において1時間撹拌を行なう。次に11.22gのジリ チウム[1,1’−ジメチルシラニレンビス−(インデニド)]モノ(ジエチル エーテラート)の固体(約97%、29.1ミリモル)および15gのトルエン をHfCl4・TMEDA付加物のスラリーに周囲の室温において窒素雰囲気中 で加えた。得られたスラリーを約36〜38℃に加熱しこの温度に約22時間保 つ。徐々に冷却した後、ドライボックス中でスラリーを濾過する。湿ったフィル ターケーキを9gのトルエンで洗滌し乾燥して生成物を得たが、この生成物は典 型的には約77重量%のラセミ体の[1,1’−ジメチルシラニレンビス(イン デニル)]ハフニウムジクロリドを含み、内部標準 を用いたNMRによってメソ異性体は検出されなかった。この方法で行なわれた 実験の単離収率は74.2%であった。 実施例8 6.41gのHfCl4(20ミリモル)を38.7gのトルエンに加える。 HfCl4のスラリーを周囲の室温で撹拌しながら、10〜15分の間に2.4 6gのTMEDA(21.2ミリモル)を加えた。このスラリーを1時間約80 ℃に加熱し、次いで−5℃に冷却する。このスラリーに15分の間に亙り23. 96g(19.85ミリモル)のジリチウム[1,1’−ジメチルシラニレンビ ス−(インデニド)]モノ(ジエチルエーテラート)をテトラヒドロフランの3 1重量%溶液として加える。真空に引き、反応混合物を加温する。11〜18℃ において約85%の溶媒を抜き取る。反応混合物を30〜35℃に加熱しながら 、トルエン6.4gを加える。反応混合物を16時間撹拌した後、周囲の室温で 濾過する。20gのトルエンと5.4gのジエチルエーテルでフィルターケーキ を洗滌する。乾燥生成物は約80重量%のラセミ体の[1,1’−ジメチルシラ ニレンビス(インデニル)]ハフニウムジクロリドを含み、HfCl4・TME DA付加物は1重量%よりも少なかった。この方法で行なわれた実験の収率は約 65%であった。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年6月4日(1999.6.4) 【補正内容】 明細書 橋かけしたハフノセン類の生産性向上 技術分野 本発明は、向上した濾過特性(filterability characte ristics)を有し、所望のラセミ型ハフノセン類(racemic ha fnocenes)がより高い収率で生成することを可能にする高効率の方法を 用いてハフノセン類を製造することに関する。 背景 4族金属(Ti、Zr、Hf)を含んでいてキラリティーを持つメタロセン類 (chiral metallocenes)はポリオレフィンの合成で用いる に有用である。ラセミ形態のそのようなメタロセン類は立体規則性ポリ(アルフ ァ−オレフィン)類を与える。加うるに、ラセミ型のそのようなメタロセン類は メソ形態(アタクティックポリマーのみをもたらす)に比べて触媒としてかなり 高い活性を示す。キラリティーを持つメタロセン類およびそれをイソタクティッ クオレフィンポリマー類(isotactic olefin polymer s)の製造で触媒として用いることは、例えば米国特許第4,794,096、 5,017,714、5,036,034、5,145,819、5,296, 434、5,324,800、5,329,033及び5,455,366に記 述されている。上記特許の中で、米国特許第4,794,096号の中の実施例 1および5,017,714号の中の実施例10および11にハフノセン類の製 造が開示されている。 米国特許第5,556,997号にはキラリティーを持つメタロセン類(ハフ ノセン類を包含)の製造方法が開示されており、その方法では、 不斉ビス(シクロペンタジエニル)部分含有配位子の塩を金属ハロゲン化物のキ レートジアミン付加体と有機溶媒中で反応させている。上記特許の実施例はジル コノセン類の製造に集中しており、そこでは、THFを溶媒(の一部)として用 いても生成物に対して負の影響が全く生じないと思われていることが分かるであ ろう。上記特許に従う方法で用いるに適切な溶媒の簡単な考察をコラム3の31 −42行に見ることができる。ヨーロッパ特許出願公開第0 709 393号 にはそれの参考実施例4にハフノセンが簡単ではあるが述べられている。しかし ながら、収率に関する詳細も異性体の分布に関する詳細も全く見られない。その ハフノセンの調製はTHFを溶媒の一部として用いて行われており、金属ハロゲ ン化物のアミン付加体は全く存在させていない。 1,1’−ジアルキルシラニレン橋渡しビスシクロペンタジエニルハフノセン 類の合成は一般にジルコノセン類およびチタノセン類の合成とは異なることを確 認した。このように、ジルコノセン類の合成で好結果をもたらすことが分かって いる工程技術に類似した工程技術を用いて上記ハフノセン類の製造を行ったが、 1,1’−ジアルキルシラニレン橋渡しビスシクロペンタジエニルハフノセンの 収率は比較的低く(例えば25−30%の範囲)かつハフノセン生成物の濾過は 困難であることを確認した。上記工程を改変してハフノセンの収率および濾過性 を向上させる試みを繰り返し行ったが、向上が全くもたらされないか或はある場 合には収率が更に失われかつ濾過特性が更に悪化することで、失敗に終わった。 また、反応マス(mass)はラセミ型およびメソ型ジアステレオマー類の混合 物に加えて他の未同定副生成物およびタール状物(tars)も含有する傾向が あった。 それとは対照的に、米国特許第4,794,096号には、その実施例1に、 −91℃に冷却したTHFにビス−インデニルエタンが入っている溶液にn−ブ チルリチウムをヘキサンに入れて添加するとエチレン橋渡しビス−インデニルハ フニウムジクロライド[Et(Ind)2HfCl2]が成功裏に生成することが 示されている。その溶液を50℃に温めて3時間撹拌した後、それを150℃の THFに入っているHfCl4/THF付加体溶液に滴下して加えてる。処理後 、明黄色の生成物を数グラム単離して精製している。 発明 この上に示した状況を鑑み、我々の目的は、可能ならば、キラリティーを持つ 1,1’−ジアルキルシラニレン橋渡しビスシクロペンタジエニルハフノセンを より高い効率およびより高い収率で製造する方法を見付け出すことと、また可能 ならば、より良好な濾過特性を示す上記ハフノセン類を製造することであった。 本発明は上記目的を果したと判断する。 四ハロゲン化ハフニウム−ジアミン付加体と金属含有(metallated )1,1’−ジアルキルシラニレン橋渡しビスシクロペンタジエニル部分含有配 位子の間の反応はラセミ型ハフノセンを製造する方法として大いに有望ではある が数多くの複雑さを伴うことを確認した。我々は、例えば、テトラヒドロフラン を四ハロゲン化ハフニウムまたは四ハロゲン化ハフニウム−ジアミン付加体およ び金属含有1,1’−ジアルキルシラニレン橋渡しビスシクロペンタジエニル部 分含有配位子および/またはそれらが一緒に反応することで生成した生成物(類 )が入っている液状反応媒体中に実質的な割合で存在させると、驚くべきことに 、 キラリティーを持つハフノセンの収率が実質的に低下する傾向があることを確認 した。このような異常な挙動の理由を完全には理解されていないが、テトラヒド ロフランを実質的な量で存在させるとハフノセンの望ましくないメソ異性体の生 成量の増大が引き起こされるか或は少なくともそのような結果が生じ、その結果 として、生成した生成物がラセミ異性体とメソ異性体の混合物を含有すると思わ れる。また、テトラヒドロフランを系中に実質的な量で存在させるとタール状物 (これは勿論最も望ましくない)が生成する原因になるか或はそれが結果として 生成する傾向がある。他方、テトラヒドロフランを金属含有シクロペンタジエニ ル配位子と一緒に用いることは通常のことで、他の多くの面で望ましいことであ る。例えば、金属含有シクロペンタジエニル配位子、例えばジリチウム[1,1 ’−ジメチルシラニレンビス(インデニド)]などを固体形態で取り扱うのは、 そのような材料は発火性であるか或は少なくとも非常に高い引火性を示す傾向が あることから有害であり得る。 また、キラリティーを持つハフノセンを合成している操作中に温度を調節して 管理すると所望のラセミ型生成物の収率が有意に向上し、ある場合には非常に予 想外な様式で向上し得ることも見い出した。 従って、四ハロゲン化ハフニウムのジアミン付加体と金属含有1,1’−ジア ルキルシラニレン橋渡しビス(シクロペンタジエニル部分含有)配位子からキラ リティーを持つハフノセンを合成する時に本発明を用いると上記キラリティーを 持つハフノセンの収率が高くなり、メソ異性体の生成量が低くなり、かつタール 状物の生成量が顕著に低下し得る。更に、本方法で生成したハフノセン反応生成 物は有意に向上した濾過特性を示す。 本発明に従い、(a)反応槽が固体状粒子を伴う連続液相を含有するように反 応槽に(i)単離された純粋な形態の時に式 [式中、Cp1およびCp2は、独立して、環置換基Mを有するシクロペンタジエ ニル部分含有基であり、Mは、リチウム原子であり、そしてQは、Cp基をつな げている1,1’−ジアルキルシラニレン基を表す]で表される化合物であって 固体状粒子の形態または実質的に無水の有機液溶媒または希釈剤に入っている溶 液または懸濁液またはスラリーの形態の金属含有ビス(シクロペンタジエニル部 分含有)配位子[この配位子が上記溶液または懸濁液またはスラリー中に存在す る時、上記配位子が存在する化学形態または形態類は如何なる化学形態または形 態類であってもよい(the ligand is present ther ein in whatever chemical form or for ms such ligand exists when in such s olution or suspension or slurry)]、 反応生成物の濾過をより困難にしかつ所望のキラリティーを持つハフノセンの収 率を低くする傾向があることから有害であり得ることを見い出したことにある。 以下に行う説明および添付請求の範囲から本発明の上記および他の特徴および 態様が更に明らかになるであろう。 キラリティーを持つハフノセン類、例えば本発明に従って生成するキラリティ ーを持つハフノセン類は、対称面を持たないラセミ型ジアステレオマー類の混合 物である。メソ異性体(本発明で生成を抑える)は、環と環の間に位置するハフ ニウム原子を貫く対称面を持ち、従ってキラリティーを持たない(achira l)化合物である。本発明に従って製造することができるラセミ型ハフノセン類 のいくつかの例には下記が含まれる: [1,1’−ジメチルシラニレンビス(メチルシクロペンタジエニル)]ハフニ ウムジクロライド、 [1,1’−ジメチルシラニレンビス(インデニル)]ハフニウムジクロライド 、 [1,1’−ジメチルシラニレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニ ル)]ハフニウムジクロライド、および [1,1’−ジメチルシラニレンビス(トリメチルシラニルシクロペンタジエニ ル)]ハフニウムジクロライド。 本発明の方法で用いる配位子は、単離された純粋な形態において、好適には、 式 [式中、Cp1およびCp2は、独立して、環置換基Mを有するシクロペンタジエ ニル部分含有基であり、Mは、アルカリ金属原子またはモノハロマグネシウム基 であり、そしてQは、Cp基をつなげている橋渡し基を表す] で表される化合物である。金属を含有させる前のシクロペンタジエニル部分含有 基は、シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、またはハフニウム原 子にπ結合し得る関連基、またはそれらのヒドロカルビル(例えばアルキル、シ クロアルキル、アリール、アラルキル、アルケニルなど)、シラニルまたはヒド ロカルビルメタロイド置換誘導体である。Cp基のいずれかまたは両方がそれに 縮合したヒドロカルビル環系を1つ以上持っていてもよい。各Cpは非水素原子 を75以下含み得る。Qは、Cp基をつなげる目的で用いる橋渡し基であり、こ れはシラニレン(−SiR2−)基、例えばジメチルシラニレン、ジエチルシラ ニレン、エチルメチルシラニレン、ジプロピルシラニレンおよびジブチルシラニ レンなどである。 このような配位子を生成させる時、金属を含有していない橋かけビス(シクロ ペンタジエニル部分含有)化合物に適切な金属化剤(metallating agent)、例えばアルカリ金属、アルカリ金属の水素化物またはグリニヤー ル試薬などを用いた脱プロトン化(deprotonating)を受けさせる ことによる公知様式で、金属化(metallation)を達成する。脱プロ トン化剤の例には、ナトリウム分散液、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水 素化カリウム、グリニヤール試薬および有機アルカリ金属化合物RM[ここで、 RはC1からC10のヒドロカルビル基(アルキル、アリール、シクロアルキルな ど)でありそしてMはアルカリ金属である]が含まれる。リチウムアルキル類、 例えばメチルリチウム、エチルリチウムおよびブチルリチウムなどが好適である 。金属化を典型的には適切な無水の不活性反応媒体、例えば乾燥した液状炭化水 素中などで達成する。 ハロゲン原子が17以上の原子番号を有する(即ち塩素、臭素および/または ヨウ素原子である)四ハロゲン化ハフニウムとそれと一緒にキレート化合物を形 成する、即ちそれと一緒に錯体を形成して付加体を生成し得るジアミンから上記 付加体を生成させる。そのようなジアミンの例にはN,N,N’,N’−テトラ メチル−1,2−エタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2 −プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−2,3−ブタンジア ミンおよびN,N,N’,N’−テトラメチルメタンジアミンが含まれる。四塩 化ハフニウムから生成した付加体が最も好適であり、特に四塩化ハフニウムとN ,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−エタンジアミンから作られた付加体 および四塩化ハフニウムとN,N,N’,N’−テトラメチルメタンジアミンか ら作られた付加体が最も好適である。 上記配位子および付加体を反応槽に仕込む時、これらの形態は固体状粒子の形 態または実質的に無水の有機液溶媒または希釈剤に入っている溶液または懸濁液 またはスラリーの形態であってもよい。それを混ぜ物なしの粒子形態で仕込む場 合、反応混合物が連続液相を有していてその中に反応体(類)がいくらか溶解し ているが一方または両方の反応体 請求の範囲 1. キラリティーを持つハフノセンを製造する方法であって、 a)反応槽が固体状粒子を伴う連続液相を含有しそして該液相がテトラヒドロフ ランまたは他の環状エーテルを含むように反応槽に(i)単離された純粋な形態 の時に式 [式中、Cp1およびCp2は、独立して、環置換基Mを有するシクロペンタジエ ニル部分含有基であり、Mは、リチウム原子であり、そしてQは、Cp基をつな げている1,1’−ジアルキルシラニレン基を表す]で表される化合物であって 固体状粒子の形態または実質的に無水の有機液溶媒または希釈剤に入っている溶 液または懸濁液またはスラリーの形態の金属含有ビス(シクロペンタジエニル) 配位子[これが上記溶液または懸濁液またはスラリー中に存在する時、上記配位 子が存在する化学形態または形態類は如何なる化学形態または形態類であっても よい]、(ii)固体状粒子の形態または実質的に無水の有機液溶媒または希釈 剤に入っている溶液または懸濁液またはスラリーの形態の四ハロゲン化ハフニウ ムのジアミン付加体[この付加体が上記溶液または懸濁液またはスラリー中に存 在する時、上記付加体が存在する化学形態または形態類は如何なる化学形態また は形態類であってもよい]および(iii)場合により個別の実質的に無水の有 機液溶媒または希釈剤を同時または任意順で供給し、そして b)該液相の温度を少なくとも10℃の1つ以上の反応温度に維持しながら該反 応槽の内容物を向上した濾過性を示すキラリティーを持つハ フノセンを含んで成るスラリーが生じるに充分な時間撹拌する、 ことを含むが、但し(1)供給材料(i)および(ii)の一方または両方がテ トラヒドロフランまたは他の環状エーテルを実質的な異性化および/または副生 成物の生成が該反応槽内で起こるのを促すような量で含む場合および/または( 2)供給材料(iii)がテトラヒドロフランまたは他の環状エーテルであるか 或はそれを異性化および/または副生成物の生成が該反応槽内で起こるのを促す ような量で含む場合には該反応槽内の液相の温度を過剰な異性化および/または 副生成物の生成が起こらないように制御しそしてb)を実施する前に該テトラヒ ドロフランおよび/または上記他の環状エーテルを真空下30℃以下の温度で該 反応槽から除去することで該テトラヒドロフランおよび/または上記他の環状エ ーテルの量を実質的な異性化および/または副生成物の生成が起こるのを促す量 よりも少ない量にまで低下させることを条件とする方法。 2. 該スラリーを濾過してそれからキラリティーを持つハフノセンを回収す る請求の範囲第1項記載の方法。 3. (i)を(ii)に供給する請求の範囲第1項記載の方法。 4. 該スラリーを濾過してそれからキラリティーを持つハフノセンを回収す る請求の範囲第3項記載の方法。 5. (ii)が実質的に無水の液状芳香族炭化水素に入っているN,N,N ’,N’−テトラメチル−1,2−エタンジアミンまたはN,N,N’,N’− テトラメチル−メタンジアミンと四ハロゲン化ハフニウム(ここで、該ハロゲン 原子は17以上の原子番号を有する)の付加体の懸濁液またはスラリーであり、 ここで、上記付加体が上記懸濁液または スラリーに入っている時に上記付加体が存在する化学形態または形態類は如何な る化学形態または形態類であってもよい請求の範囲第1から4項いずれか記載の 方法。 6. 上記配位子が単離された純粋な形態においてジリチウム[1,1’−ジ メチルシラニレン−ビス(インデニド)]−ジヒドロカルビルエーテラートであ り、ここで、該インデニド環の一方または両方が場合によりC1−C4アルキル置 換基を1つ以上含んでいてもよいか或はそれに縮合している追加的環系を有して いてもよく、ここで、(ii)は実質的に無水の液状芳香族炭化水素に入ってい るN,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−エタンジアミンと四塩化ハフニ ウムの付加体の懸濁液またはスラリーであり、ここで、上記付加体が上記懸濁液 またはスラリーに入っている時に上記付加体が存在する化学形態または形態類は 如何なる化学形態または形態類であってもよく、上記付加体と上記配位子のモル 比を上記付加体が上記配位子1モル当たり0.7から1.3モルであるようにし 、そしてここで、b)の反応時間の実質的部分中に該反応混合物の温度を25か ら60℃の範囲に維持する請求の範囲第1から4項いずれか記載の方法。 7. 1)(i)が(A)実質的に全体が芳香族炭化水素で構成されている実 質的に無水の液状媒体に入っているジリチウム[1,1’−ジメチルシラニレン −ビス(インデニド)]−ジエチルエーテラート配位子の懸濁液またはスラリー [上記配位子が上記懸濁液またはスラリーに入っている時に上記配位子が存在す る化学形態または形態類は如何なる化学形態または形態類であってもよい]また は(B)場合により(iii)個別に供給する液状の芳香族炭化水素と同時また は逐次的に供給さ れてもよい微細なジリチウム[1,1’−ジメチルシラニレン−ビス(インデニ ド)]ジエチルエーテラートのいずれかであり、 2)(ii)が実質的に全体が芳香族炭化水素で構成されている実質的に無水の 液状媒体に入っているN,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−エタンジア ミンと四塩化ハフニウムの付加体微細物の懸濁液またはスラリーであり、上記付 加体が上記懸濁液またはスラリーに入っている時に上記付加体が存在する化学形 態または形態類は如何なる化学形態または形態類であってもよく、 3)場合により(i)(A)または(i)(B)を(ii)に供給しながら得ら れる混合物を28℃またはそれ以下に維持し、 4)該反応槽に供給する上記付加体と上記配位子のモル比を上記付加体が上記配 位子1モル当たり0.9から1.1モルであるようにし、 5)b)の反応時間の実質的部分中に該反応混合物の温度を30から40℃の範 囲に維持し、そして 6)該反応混合物を濾過してラセミ型[1,1’−ジメチルシラニレンビス(イ ンデニル)]−ハフニウムジクロライドを回収する、 請求の範囲第1項記載の方法。 8. 1)(i)が実質的に全体が芳香族炭化水素で構成されている実質的に 無水の液状媒体に入っているジリチウム[1,1’−ジメチルシラニレン−ビス (インデニド)]−ジエチルエーテラート配位子の懸濁液またはスラリーであり 、ここで、上記配位子が上記懸濁液またはスラリーに入っている時に上記配位子 が存在する化学形態または形態類は如何なる化学形態または形態類であってもよ く、 2)(ii)が(A)実質的に全体がテトラヒドロフランで構成されて いる実質的に無水の液状媒体と(B)N,N,N’,N’−テトラメチル−1, 2−エタンジアミンと四塩化ハフニウムの付加体の混合物であり、ここで、上記 付加体が上記混合物中に存在する時に上記付加体が存在する化学形態または形態 類は如何なる化学形態または形態類であってもよく、 3)(ii)を−5℃から5℃の範囲の温度に冷却しそして温度を上記範囲内に 実質的に連続的に維持しながら(i)を分割して(ii)に添加した後、該反応 槽に真空をかけ、そして得られた混合物が20℃にまで温まるようにするか或は それを温めることで該テトラヒドロフランの実質的部分を追い出し、 4)そこから追い出されたテトラヒドロフランの代わりに液状の芳香族炭化水素 をその脱溶媒を受けさせた混合物に供給し、 5)該反応槽に供給する上記付加体と上記配位子のモル比を上記付加体が上記配 位子1モル当たり0.9から1.1モルであるようにし、 6)b)の反応時間の実質的部分中に該反応混合物の温度を30から40℃の範 囲に維持し、そして 7)該反応混合物を濾過してラセミ型[1,1’−ジメチルシラニレン−ビス( インデニル)]ハフニウムジクロライドを回収する、 請求の範囲第1項記載の方法。 9. 1)(i)が実質的に無水のテトラヒドロフランにか或は実質的な異性 化および/または副生成物の生成が該反応槽内で起こるのを促す可能性がある他 の環状エーテルに入っている上記金属含有ビス(シクロペンタジエニル)配位子 の溶液または懸濁液またはスラリーであり、ここで、上記配位子が上記溶液また は懸濁液またはスラリーに入ってい る時、上記配位子が存在する化学形態または形態類は如何なる化学形態または形 態類であってもよく、 2)(ii)が実質的に全体がテトラヒドロフランまたは上記他の環状エーテル 以外の希釈剤で構成されている実質的に無水の液状媒体に入っている上記四ハロ ゲン化ハフニウムのジアミン付加体の溶液または懸濁液またはスラリーであり、 ここで、上記付加体が上記懸濁液またはスラリーに入っている時、上記付加体が 存在する化学形態または形態類は如何なる化学形態または形態類であってもよく 、 3)(i)を(ii)に供給しながら得られる混合物の温度を少なくとも室温で あるが28℃未満の温度に維持し、そして 4)(i)の溶液または懸濁液またはスラリーの濃度を、実質的な異性化および /または副生成物の生成が起こらずかつテトラヒドロフランまたは上記他の環状 エーテルを(i)または反応混合物からいくらか留出させる必要なくキラリティ ーを持つハフノセンが生じるに充分な濃度にする、 請求の範囲第1項記載の方法。 10. 上記金属含有配位子がジリチウム[1,1’−ジメチルシラニレン− ビス(インデニド)]ジエチルエーテラートでありそして上記付加体がN,N, N’,N’−テトラメチル−1,2−エタンジアミンと四塩化ハフニウムの付加 体である請求の範囲第9項記載の方法。 11. (i)がテトラヒドロフランに入っているジリチウム[1,1’−ジ メチルシラニレン−ビス(インデニド)]ジエチルエーテラートの溶液でありそ して(ii)が実質的に全体が芳香族炭化水素で構成されている実質的に無水の 液状媒体に入っている上記付加体の懸濁液ま たはスラリーである請求の範囲第9項記載の方法。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. キラリティーを持つハフノセンを製造する方法であって、 a)反応槽が固体状粒子を伴う連続液相を含有するように反応槽に(i)固体状 粒子の形態または実質的に無水の有機液溶媒または希釈剤に入っている溶液また は懸濁液またはスラリーの形態の金属含有ビス(シクロペンタジエニル)配位子 [この金属含有配位子が上記溶液または懸濁液またはスラリー中に存在する時、 上記配位子が存在する化学形態または形態類は如何なる化学形態または形態類で あってもよい]、(ii)固体状粒子の形態または実質的に無水の有機液溶媒ま たは希釈剤に入っている溶液または懸濁液またはスラリーの形態の四ハロゲン化 ハフニウムのジアミン付加体[この付加体が上記溶液または懸濁液またはスラリ ー中に存在する時、上記付加体が存在する化学形態または形態類は如何なる化学 形態または形態類であってもよい]および(iii)場合により個別の実質的に 無水の有機液溶媒または希釈剤を同時または任意順で供給し、そして b)該液相の温度を少なくとも約10℃の1つ以上の反応温度に維持しながら該 反応槽の内容物を向上した濾過性を示すキラリティーを持つハフノセンを含んで 成るスラリーが生じるに充分な時間撹拌する、 ことを含むが、但し(1)供給材料(i)および(ii)の一方または両方がテ トラヒドロフランまたは他の環状エーテルを実質的な異性化および/または副生 成物の生成が該反応槽内で起こるのを促すような量で含む場合および/または( 2)供給材料(iii)がテトラヒドロフランまたは他の環状エーテルであるか 或はそれを異性化および/または副生成物の生成が該反応槽内で起こるのを促す ような量で含む場合には該 反応槽内の液相の温度を過剰な異性化および/または副生成物の生成が起こらな いように制御しそしてb)を実施する前に該テトラヒドロフランおよび/または 上記他の環状エーテルを真空下約30℃以下の温度で該反応槽から除去すること で該テトラヒドロフランおよび/または上記他の環状エーテルの量を実質的な異 性化および/または副生成物の生成が起こるのを促す量よりも少ない量にまで低 下させることを条件とする方法。 2. 該スラリーを濾過してそれからキラリティーを持つハフノセンを回収す る請求の範囲第1項記載の方法。 3. (i)を(ii)に供給する請求の範囲第1項記載の方法。 4. 該スラリーを濾過してそれからキラリティーを持つハフノセンを回収す る請求の範囲第3項記載の方法。 5. (ii)が実質的に無水の液状芳香族炭化水素に入っているN,N,N ’,N’−テトラメチル−1,2−エタンジアミンまたはN,N,N’,N’− テトラメチル−メタンジアミンと四ハロゲン化ハフニウム(ここで、該ハロゲン 原子は17以上の原子番号を有する)の付加体の懸濁液またはスラリーであり、 ここで、上記付加体が上記懸濁液またはスラリーに入っている時に上記付加体が 存在する化学形態または形態類は如何なる化学形態または形態類であってもよい 請求の範囲第1から4項いずれか1項記載の方法。 6. 上記配位子が単離された純粋な形態において式 [式中、Cp1およびCp2は、独立して、環置換基Mを有するシクロペ ンタジエニル部分含有基であり、Mは、アルカリ金属原子またはモノハロマグネ シウム基であり、そしてQは、Cp基をつなげている橋渡し基を表す] で表される化合物であり、ここで、上記配位子は固体状粒子の形態または実質的 に無水の有機液溶媒または希釈剤に入っている溶液または懸濁液またはスラリー の形態であり、そしてこの配位子が上記溶液または懸濁液またはスラリー中に存 在する時、上記配位子が存在する化学形態または形態類は如何なる化学形態また は形態類であってもよい請求の範囲第1から4項いずれか1項記載の方法。 7. 上記配位子が離された純粋な形態において式 [式中、Cp1およびCp2は、独立して、環置換基Mを有するシクロペンタジエ ニル部分含有基であり、Mは、リチウム原子であり、そしてQは、Cp基をつな げている1,1’−ジアルキルシラニレン基を表す]で表される化合物であり、 ここで、上記配位子は固体状粒子の形態または実質的に無水の有機液溶媒または 希釈剤に入っている溶液または懸濁液またはスラリーの形態であり、そしてこの 配位子が上記溶液または懸濁液またはスラリー中に存在する時、上記配位子が存 在する化学形態または形態類は如何なる化学形態または形態類であってもよい請 求の範囲第1から4項いずれか1項記載の方法。 8. 上記配位子が単離された純粋な形態においてジリチウム[1,1’−ジ メチルシラニレン−ビス(インデニド)]−ジヒドロカルビルエーテラートであ り、ここで、該インデニド環の一方または両方が場合 によりC1−C4アルキル置換基を1つ以上含んでいてもよいか或はそれに縮合し ている追加的環系を有していてもよく、ここで、(ii)は実質的に無水の液状 芳香族炭化水素に入っているN,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−エタ ンジアミンと四塩化ハフニウムの付加体の懸濁液またはスラリーであり、ここで 、上記付加体が上記懸濁液またはスラリーに入っている時に上記付加体が存在す る化学形態または形態類は如何なる化学形態または形態類であってもよく、上記 付加体と上記配位子のモル比を上記付加体が上記配位子1モル当たり0.7から 1.3モルであるようにし、そしてここで、b)の反応時間の実質的部分中に該 反応混合物の温度を25から60℃の範囲に維持する請求の範囲第1から4項い ずれか1項記載の方法。 9. 1)(i)が(A)実質的に全体が芳香族炭化水素で構成されている実 質的に無水の液状媒体に入っているジリチウム[1,1’−ジメチルシラニレン −ビス(インデニド)]−ジエチルエーテラート配位子の懸濁液またはスラリー [上記配位子が上記懸濁液またはスラリーに入っている時に上記配位子が存在す る化学形態または形態類は如何なる化学形態または形態類であってもよい]また は(B)場合により(iii)個別に供給する液状の芳香族炭化水素と同時また は逐次的に供給してもよい微細なジリチウム[1,1’−ジメチルシラニレン− ビス(インデニド)]ジエチルエーテラートのいずれかであり、 2)(ii)が実質的に全体が芳香族炭化水素で構成されている実質的に無水の 液状媒体に入っているN,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−エタンジア ミンと四塩化ハフニウムの付加体微細物の懸濁液またはスラリーであり、上記付 加体が上記懸濁液またはスラリーに入っている 時に上記付加体が存在する化学形態または形態類は如何なる化学形態または形態 類であってもよく、 3)場合により(i)(A)または(i)(B)を(ii)に供給しながら結果 として生じる混合物を約28℃またはそれ以下に維持し、 4)該反応槽に供給する上記付加体と上記配位子のモル比を上記付加体が上記配 位子1モル当たり0.9から1.1モルであるようにし、 5)b)の反応時間の実質的部分中に該反応混合物の温度を30から40℃の範 囲に維持し、そして 6)該反応混合物を濾過してラセミ型[1,1’−ジメチルシラニレンビス(イ ンデニル)]−ハフニウムジクロライドを回収する、 請求の範囲第1項記載の方法。 10. 1)(i)が実質的に全体が芳香族炭化水素で構成されている実質的 に無水の液状媒体に入っているジリチウム[1,1’−ジメチルシラニレン−ビ ス(インデニド)]−ジエチルエーテラート配位子の懸濁液またはスラリーであ り、ここで、上記配位子が上記懸濁液またはスラリーに入っている時に上記配位 子が存在する化学形態または形態類は如何なる化学形態または形態類であっても よく、 2)(ii)が(A)実質的に全体がテトラヒドロフランで構成されている実質 的に無水の液状媒体と(B)N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−エタ ンジアミンと四塩化ハフニウムの付加体の混合物であり、ここで、上記付加体が 上記混合物中に存在する時に上記付加体が存在する化学形態または形態類は如何 なる化学形態または形態類であってもよく、 3)(ii)を−5℃から5℃の範囲の温度に冷却しそして温度を上記 範囲内に実質的に連続的に維持しながら(i)を分割して(ii)に添加した後 、該反応槽に真空をかけ、そして結果として生じた混合物が20℃にまで温まる ようにするか或はそれを温めることで該テトラヒドロフランの実質的部分を除去 し、 4)そこから除去したテトラヒドロフランの代わりをさせる目的で液状の芳香族 炭化水素をその脱溶媒を受けさせた混合物に供給し、 5)該反応槽に供給する上記付加体と上記配位子のモル比を上記付加体が上記配 位子1モル当たり0.9から1.1モルであるようにし、 6)b)の反応時間の実質的部分中に該反応混合物の温度を30から40℃の範 囲に維持し、そして 7)該反応混合物を濾過してラセミ型[1,1’−ジメチルシラニレン−ビス( インデニル)]ハフニウムジクロライドを回収する、 請求の範囲第1項記載の方法。
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