JP2002508880A - 電気的な導線の導線被覆部を変形させるための装置およびこの装置を用いて導線被覆部を変形させるための方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、電気的な導線の導線被覆部を変形させるための装置に関するものである。この装置を用いることによって、著しく異なった直径を有する単個導線、特にＮＦ単個導線とＨＦ単個導線とを電気的な接続の最適な特性を保証して、共通のＩＤＣコネクタの切断式端子接点に接触させることができる。変形装置は、少なくとも１つの挿入スリット（５）を備えた受容エレメント（４）を有しており、この挿入スリット（５）内には単個導線（１１）が押込み可能である。さらに、変形装置は押込みエレメント（７）を有しており、この押込みエレメント（７）は操作エレメント（９）を用いて受容エレメント（４）に向かって移動可能であり、かつ１つの挿入スリット（５）に整合された少なくとも１つのポンチブレード（８）を有している。それぞれの挿入スリット（５）は、互いに向かい合って位置する２つの側に長手方向に形成された鋭い縁部の切断領域（６）を有している。押込みエレメント（７）の操作時に、挿入スリット（５）内に挿入された単個導線（１１）の導線被覆部（１２ａ）は、単個導線（１１）が挿入スリット（５）の切断領域（６）に押し込まれることによって側方で切断される。

Description

【発明の詳細な説明】 電気的な導線の導線被覆部を変形させるための装置およびこの装置を用いて導線 被覆部を変形させるための方法 本発明は、導線被覆部を変形させるための装置に関するものである。この装置 には、少なくとも１つの挿入スリットを有する受容エレメントが設けられており 、この挿入スリット内には単個導線が押込み可能である。また、この装置には押 込みエレメントが設けられており、この押込みエレメントが、操作エレメントを 用いて受容エレメントの方向に移動可能で、挿入スリットと協働する少なくとも １つのポンチブレードを有しており、このポンチブレードが押込みエレメントの 操作時に少なくとも部分的に挿入スリット内に侵入する。さらに本発明は、この ような装置を用いて導線被覆部を変形させるための方法に関するものである。 スイス国特許第６６０９３５号明細書に基づき、切断式差し込み接続部（Ｓｃ ｈｎｅｉｄｓｔｅｃｋａｎｓｃｈｌｕｓｓ）を有するコネクタに、簡単かつ迅速 に配線するための工具とその使用法が公知である。主としてこの工具は手持ち式 トングから成っており、この手持ち式トングにおいては、ダイ部分が作業側の一 方のレバー端部に固定されており、ポンチヘッドが作 業側の他方のレバー端部に固定されている。さらにダイ部分は、コネクタを押し 込むために規定された室ならびに接続すべき導線端部のための挿入スリットを有 している。ポンチヘッドは、挿入スリットに適合されたポンチブレードを有して いるので、このポンチブレードはトンググリップの操作時に挿入スリット内に侵 入し、導線端部をコネクタの切断式差し込み接続部の端子切断部内に押し込む。 多くの使用分野においては、ＮＦケーブルとＨＦケーブルとを同一のＩＤＣコ ネクタ（切断式端子コネクタもしくは圧接コネクタ）の切断式端子接点（Ｓｃｈ ｎｅｉｄｋｌｅｍｍｋｏｎｔａｋｔ）に接触させ、同一の量産工具を用いて同時 に処理できることが所望されている。これに関する１つの問題はＮＦケーブルと ＨＦケーブルとの互いに異なった直径である。このために、ＨＦ単個導線を共通 のＩＤＣコネクタに接触させる場合に、ＨＦ単個導線の導線被覆部の不都合な盛 り上がりが生じる。電気的な接続の特性に対するマイナス作用の他に、コネクタ が多数の接触薄片から成っている場合には、共通のコネクタケーシング内に収容 された接触薄片の積み重ね可能性が、過剰に膨張した導線被覆部に基づいて制限 される。ＨＦ単個導線におけるこの問題を回避するために、導線被覆部の絶縁体 がしばしば除去され、次いで、特殊なクリンプチューブが組み付けられる。さら に、ＨＦ単個導線のために 完全に別のコネクタを使用することさえしばしば必要である。この場合、ＨＦ単 個導線のための別個の量産工具が必要になる。 本発明の課題は、ＨＦ単個導線を迅速かつ簡単に前処理でき、これによって、 電気的な接続のための最適な特性を保証してＮＦ単個導線とＨＦ単個導線とを同 一のＩＤＣコネクタに接触させることができる装置を提供することである。 この課題を解決するために本発明の構成では、それぞれの挿入スリットが、互 いに向かい合って位置する２つの側に長手方向に形成された鋭い縁部の切断領域 を有しているようにした。 本発明による装置は、導線被覆部の部分を側方で切断することによってＨＦ単 個導線における導線被覆部の変形を可能にする。この場合に、導線被覆部の形状 は、ＮＦ単個導線とＨＦ単個導線とをＩＤＣコネクタにおいて問題なしに一緒に かつ同時に処理できるように最適化されている。導線被覆部の変形が、切断式端 子接続部に押し込むべきＨＦ単個導線の区分に制限されていると有利である。し たがって、ＮＦ単個導線とＨＦ単個導線とを共通のＩＤＣコネクタに接触させる 場合には、特殊な切断式端子接点もしくはＨＦ単個導線のための別個の量産工具 は不要になる。同様に、付加的なクリンプチューブをＨＦ単個導線のために使用 する必要がなくなる。したがって、時として必要であ る組み付け補助手段のためのコストを省略すると同時に、組み付け手間を減じる ことができる。特に、本発明の変形装置は、切断式端子接続のための最適な特性 を実現させることができる。 本発明による変形装置を有利な構成で現場使用できるように、受容エレメント と押込みエレメントとはトング状の装置に固定されている。この場合に、受容エ レメントはトング状の装置のベースフレームに取り付けられている。さらに、レ バーアームが第１の端部において旋回可能にベースフレームに支承されている。 この場合に、押込みエレメントはレバーアームの第２の端部に固定されている。 さらに、レバーアームは、操作エレメントに作用するハンドグリップを介して旋 回可能である。 有利な構成では、挿入スリットの外側の領域が幅広に構成されている。これに よって、変形させるべき単個導線のための固定機構が形成されている。これによ って、単個導線を挿入スリットの切断領域に押し込む場合に、単個導線の側方へ のずれが回避される。さらに、ポンチブレードの、挿入スリットに面した縁部が 、単個導線を挿入スリットの切断領域内に押し込む場合に最適な案内を獲得する ために、有利には凹面状に成形されている。 有利には、受容エレメントと押込みエレメントとがベースフレームとレバーア ームとにそれぞれ解離可能 な固定手段を用いて取り付けられているので、両方の装置エレメントを、単個導 線をＩＤＣ接点に接触させるための相応の工具構成要素と迅速かつ簡単に交換す ることができる。これによって得られる利点は、ベースフレームとレバーアーム と操作エレメントとハンドグリップとによって形成されるＩＤＣ現場トングを変 形工具のためだけでなく、接触工具のためにも使用できることである。 導線被覆部を変形させるための方法は、現場使用のための変形工具を用いて簡 単に行うことができる。まず、単個導線を受容エレメントの挿入スリット内に挿 入し、ポンチブレードが単個導線に載置するまでレバーアームを内方旋回させる 。次いで、操作エレメントの内方旋回をハンドグリップを用いて行う。そのあと で、ハンドグリップを用いてレバーアームとポンチブレードとに圧力を加え、ポ ンチブレードを用いて挿入スリットの切断領域内に単個導線を押し込むことによ って、単個導線の導線被覆部を側方で切断する。 以下に、本発明の装置を図面につき詳しく説明する。 図１は、本発明の特徴を備えた現場使用のための変形工具を示す図であり、 図２は、図１に示した変形工具の側面図であり、 図３は、図１に示した変形工具の受容エレメントと押込みエレメントとの詳細 図であり、 図４は、ＮＦケーブルと、本来のＨＦケーブルと、図１に示した変形工具を用 いて変形させられた被覆部を有するＨＦケーブルとを示す図である。 図１に示した変形工具は、ベースフレーム１と、単数または多数の変形させる べきＨＦ単個導線（図４）のための受容エレメント４と、押込みエレメント７と 、この押込みエレメント７に作用する操作エレメント９とを有しており、この操 作エレメント９はハンドグリップ３を用いて摺動可能である。押込みエレメント ７にはポンチブレード８が設けられており、このポンチブレード８は受容エレメ ント４の押込みスリット５に正確に整合されている。 押込みエレメント７はレバーアーム２に固定されており、このレバーアーム２ は一方の端部でベースフレーム１に支承されている（図２）。押込みエレメント ７はレバーアーム２の自由端部に取り付けられており、レバーアーム２の操作時 に円軌道で案内される。押込みエレメント７と協働する受容エレメント４はベー スフレーム１に組み付けられている。さらに図２からわかるように、レバーアー ム２には高さストッパ１０が設けられている。 図３には、受容エレメント４および押込みエレメント７の詳細が詳しく示して ある。押込みエレメント７に一体成形されたポンチブレード８の、受容エレメン ト４に面した縁部は凹面状に構成されているので、ポ ンチブレード８は、案内を改善する意味で、押し込むべき単個導線１１の輪郭に 適合されている。受容エレメント４の挿入スリット５は外側に向かって幅広に構 成されているので、単個導線１１はまず、挿入スリット５の幅広の外側領域に挿 入され、次いで受容エレメント４の外側輪郭と同一面を成すようになる。このこ とも同様に、押込み過程時における単個導線１１の最適な案内に役立つ。これに よって、単個導線１１のずれは阻止され、この単個導線１１の損傷が予め防止さ れる。挿入スリット５の、互いに異なった幅を有する両区分の間の分離箇所には 切断領域６が構成されており、この切断領域６は導線被覆部１２ａの材料を側方 で切断する（図４）。 図４は、本来の状態のＨＦ単個導線１１ａと、変形させられた状態のＨＦ単個 導線１１ｂと、ＮＦ単個導線１１ｃとにおける横断面比率を示している。ＨＦ単 個導線１１ａとＮＦ単個導線１１ｃとを共通のＩＤＣコネクタ（切断式端子コネ クタもしくは圧接コネクタ）に接触させるためには、著しく異なったケーブル直 径が不都合であることがわかった。これによって、互いに異なった単個導線１１ ａ，１１ｃを同一の切断式端子接点に接触させることが著しく妨害される。ケー ブル被覆部１２ａを側方で切断することによって問題が解決される。この場合、 変形させられたＨＦ単個導線１１ｂの被覆部はその幅に関し、ＮＦ単個導線１１ ｃの直径に適合されるように最適化されている。これによって、ＨＦ単個導線１ １ｂとＮＦ単個導線１１ｃとを問題なしに共通のＩＤＣコネクタに接触させるこ とができる。 以下に、変形過程自体を図１〜図３に基づき詳しく説明する。 まず、単個導線１１を受容エレメント４の挿入スリット５内へ挿入することに よって装置に単個導線１１が装備される。次いで、凹而状に構成された外側縁部 を備えたポンチブレード８が、挿入スリット５の外側区分内に固定された単個導 線１１に載置されるまで、レバーアーム２を内方旋回させる。その後、ハンドグ リップ３を用いて操作エレメント９をさらに内方旋回させ、これによってレバー アーム２とポンチブレード８とに直接圧力を加える。単個導線１１を挿入スリッ ト５内にさらに押込んで、単個導線１１の導線被覆部１２ａを切断領域６で切断 する。 このようにして変形させられたＨＦ単個導線１１ｂを次の作業ステップにおい て、ＮＦ単個導線１１ｃと共に共通のＩＤＣコネクタに接触させることができる 。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 の切断領域（６）に押し込まれることによって側方で切 断される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．導線被覆部を変形させるための装置であって、少なくとも１つの挿入スリ ット（５）を有する受容エレメント（４）が設けられており、この挿入スリット （５）内に単個導線（１１）が押込み可能であり、押込みエレメント（７）が設 けられており、この押込みエレメント（７）が、操作エレメント（９）を用いて 受容エレメント（４）の方向に移動可能で、挿入スリット（５）と協働する少な くとも１つのポンチブレード（８）を有しており、このポンチブレード（８）が 押込みエレメント（７）の操作時に少なくとも部分的に挿入スリット（５）内に 侵入する形式のものにおいて、 それぞれの挿入スリット（５）が、互いに向かい合って位置する２つの側に長 手方向に形成された鋭い縁部の切断領域（６）を有していることを特徴とする、 導線被覆部を変形させるための装置。 ２．受容エレメント（４）がベースフレーム（１）に取り付けられており、レ バーアーム（２）が第１端部で旋回可能にベースフレーム（１）に支承されてい て、押込みエレメント（７）がレバーアーム（２）の第２端部に固定されており 、ハンドグリップ（３）が操作エレメント（９）を介してレバーアーム（２）に 作用する、請求項１記載の装置。 ３．挿入スリット（５）が外側の領域において幅広に構成されており、これに よって、変形させるべき単個導線（１１）のための固定機構が形成されている、 請求項１または２記載の装置。 ４．ポンチブレード（８）の、挿入スリット（５）に面した縁部が凹面状に成 形されている、請求項１から３までのいずれか１項記載の装置。 ５．レバーアーム（２）が押込みエレメント（７）の領域に調節可能な高さス トッパ（１０）を有している、請求項１から４までのいずれか１項記載の装置。 ６．受容エレメント（４）もしくは押込みエレメント（７）がベースフレーム （１）もしくはレバーアーム（２）に解離可能な固定手段を用いて取り付けられ ている、請求項１から５までのいずれか１項記載の装置。 ７．請求項２から６までのいずれか１項記載の装置を用いて導線被覆部を変形 させるための方法において、 次のステップ：すなわち、 ａ）単個導線（１１）を受容エレメント（４）の挿入スリット（５）内に挿入し 、 ｂ）ポンチブレード（８）が単個導線（１１）に載置されるまでレバーアーム（ ２）を手で内方旋回させ、 ｃ）ハンドグリップ（３）を用いて操作エレメント（ ９）を手で内方旋回させ、 ｄ）ハンドグリップ（３）でレバーアーム（２）とポンチブレード（８）とに加 圧し、 ｅ）ポンチブレード（８）を用いて単個導線（１１）を挿入スリット（５）の切 断領域（６）に押し込むことによって、単個導線（１１）の導線被覆部を側方で 切断すること を特徴とする、導線被覆部を変形させるための方法。