JP2002507567A - 血管形成を阻害するための安息香酸誘導体 - Google Patents

血管形成を阻害するための安息香酸誘導体

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Abstract

(57)【要約】 本願発明は、不所望の血管形成を有効に阻害する方法に関する。より特に、本願発明は、不所望の血管形成を示す病気の治療方法に、そして哺乳動物に対する抗血管形成活性の付与に関する。他の局面においては、本願発明は、腫瘍壊死因子αレベルの低下方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、望ましくない血管形成を有効に阻害するための方法に関する。より
特定的に言うと、本発明は、望ましくない血管形成と関連した疾病を治療する方
法及びかかる疾患をもつ哺乳動物に対し抗血管形成活性を送達することに関する
【0002】 発明の背景 血管形成というのは、既存の微細血管からと新しい血管が発達することである
。新しい血管を生成するプロセスは、胚発生、炎症性応答、転移の発生(腫瘍誘
発型血管形成又はTIA),糖尿病性網膜症、関節性パンヌス及び乾癬において
重要な役割を果たす。正常な生理学的条件下では、非常に特異的で限定的な状況
下でしか人間又は動物には血管形成が起きない。例えば、血管形成は通常、創傷
のゆ合、胎児及び胚芽発育及び黄体、子宮内膜及び胎盤の形成において観察され
る。血管形成の制御は、血管形成刺激物質及び阻害物質が関与する高レベルの調
節を受ける系である。血管形成の制御は、或る種の疾病状態において改変される
ことがわかっており、数多くのケースにおいて、疾病に付随する病的損傷は、無
制御の血管形成に関係づけられる。
【0003】 例えば、腫瘍血管形成においては、毛細血管新芽が形成され、その形成は一群
の腫瘍細胞によって誘発されている。しかしながら正常な血管形成微小環境内で
生成された血管と比べ、腫瘍微細血管は形態学的にも機能的にも独特のものであ
る。その血管網は標準的に、無秩序な又は異常型のアーキテクチャを示し、管腔
サイズは変動し、血流量は混とんとした形で変動しうる。表面上及び器官内の転
移性実生の着床に続く事象に関して、腫瘍血管形成には2つの主要なタイプが存
在する。第1のつまり一次的血管形成は、増殖する腫瘍細胞の塊の初期血管新生
であり、これは転移性沈着物の存続及びさらなる成長のための基本的先行条件で
あると考えられている。第2の血管形成は、継続的又は二次的な血管形成であり
、これは、成長する腫瘍塊の周囲において波状に発生する現象である。この第2
の血管形成は、拡張性及び浸潤性腫瘍の役に立つように新しい微小循環領域を累
積させるために必須のものである。
【0004】 持続的な無調節の血管形成が、内皮細胞による異常な成長及び腫瘍転移そして
数多くの疾病状態において発生し、これらの条件において見られる病的損傷を支
えている。無調節の血管形成に起因して作り出されたさまざまな病的状態は、血
管形成依存性又は血管形成関連疾患としてまとめられてきた。血管形成プロセス
の制御に向けた療法は、これらの疾病の排除又は緩和を導くことができるだろう
【0005】 血管形成が媒介する疾病の一例として、眼性血管新生疾患がある。この疾病は
、網膜又は角膜といったような眼の構造内への新しい血管の侵入によって特徴づ
けられる。これは、失明の最も一般的な原因であり、およそ20種類の眼病に関
与している。年齢が関係する黄斑変性においては、付随する視力障害は、網膜色
素上皮の下の繊維血管組織の増殖を伴うブルーフ膜内の欠陥を通した脈絡膜様毛
細血管の内殖によってひき起こされる。血管形成損傷は同様に、糖尿病性網膜症
、未熟児網膜障害、角膜移植片拒絶、血管新生緑内障及び水晶体後線維増殖とも
結びつけられる。網膜/脈絡膜血管新生に関連する疾病としては、糖尿病性網膜
症、黄斑変性、鎌型赤血球貧血症、サルコイド、梅毒、弾性線維偽黄色腫及びパ
ジェット病が含まれるが、これらに制限されるわけではない。
【0006】 血管形成が関与すると考えられているもう1つの疾患は、慢性関節リウマチで
ある。関節の滑膜ライニング内の血管に血管形成が起きる。新しい血管網を形成
することに加えて、内皮細胞はパンヌスの成長及び軟骨破壊を導く因子及び反応
性酸素種を放出する。 治療的腫瘍学における現在の研究の重要な分野は、新しい血管の成長を阻害又
は抑制することにより腫瘍脈管構造を標的とする抗血管形成剤を発見し開発する
ことに焦点をあてている。いくつかの種類の抗血管形成化合物が使用されてきた
。例えば、Taylor et al. は、血管形成を阻害するためプロタミンを使用した(
Taylor et al., Nature 297:307(1982)を参照のこと)。しかしな
がら、プロタミンの毒性は、1つの療法としてその実践的使用を制限している。
さらに、Folkman et al.,は、血管形成を制御するためのヘパリン及びステロイ ドの使用を開示した(Folkman, et al., Science221;719(1983)及
び 米国特許第5,001,116及び4,994,443参照)。グルコ及びミネ ラル−コルチコイド活性が欠如したテトラヒドロコルチゾールといったようなス
テロイドは、血管形成阻害物質であることが発見されている。さらに、アンギオ
スタチンタンパク質が、内皮細胞の増殖を可逆的に阻害することが示されてきた
。アンギオスタチンは、血管形成関連疾患を阻害し、血管形成プロセスを変調さ
せる能力をもつ(例えばWO95/292420を参照のこと)。
【0007】 以上のことから、当該技術分野においては、血管形成因子を競合的に阻害する
ことによってか又はその他の何らかのメカニズムによって、血管形成を阻害する
ための方法及び化合物に対するニーズがなお存在していることは明らかである。
かかる方法及び化合物は、腫瘍の成長に対し不利な効果を有し、さらに以上に記
したその他の疾患の多くを治療するのに使用することができるだろう。本発明の
方法は、このニーズ及びその他のニーズを満たすものである。 発明の要約 1つの態様では、本発明は、内皮細胞の血管新生を阻害する方法において、抗
血管形成量の化学式Iの化合物と、内皮細胞を有する器官、組織又は細胞を接触
させる段階を含む方法に関する。化学式Iの化合物は、以下のような一般化学式
をもつ;
【0008】
【化7】
【0009】 化学式I中、R1は、C1−C6−アルキルを含むもののこれに制限されるわけ ではない1つの官能基である。 化学式I中、R2,R3,R4及びR5は各々、独立して選択され、水素、C1− C6アルキル、C2−C6−アルケニル、C2−C6−アルキニル、アリール、ヒド ロキシル、C1−C6アルコキシ、ハロゲン、NO2及びNH2を内含するもののこ
れらに制限されるわけではない官能基である。
【0010】 化学式I中、R6,R7,R8及びR9は、各々独立して選択され、水素、C1− C6−アルキル、C2−C6−アルケニル、C2−C6−アルキニル、アリール、ヒ ドロキシル、C1−C6−アルコキシ、ハロゲン、NO2及びNH2を内含するもの
のこれらに制限されるわけではない官能基である。 化学式I中、Xは、存在する場合、酸素、硫黄、−CH2−又はカルボキシを 内含するもののこれらに制限されるわけではない官能基である。
【0011】 化学式I中、Yは、酸素又は硫黄を内含するヘテロ原子である。 発明の好ましい実施形態においては、化学式Iの化合物は、メチル3,5−ジ
ヨード4−(4'−メトキシフェノキシ)ベンゾエート(「BTO−956」) である。 もう1つの態様においては、本発明は、組織又は器官内で望ましくない血管形
成を有効に阻害するための方法において、化学式1の化合物又はその薬学的組成
物を血管形成を阻害するのに充分な量で細胞と接触させる段階を含んで成る方法
に関する。現在好まれている実施形態においては、細胞は哺乳動物の被験体であ
る。さらにもう1つの態様においては、本発明は、望ましくない無制御の血管形
成を媒介とするか又はそれに関連づけられる哺乳動物の疾病を治療する方法にお
いて、血管形成を阻害するのに充分な量で化学式Iの抗血管形成化合物を哺乳動
物に投与する段階を含んで成る方法に関する。これらの方法は、異常な又は望ま
しくない血管形成又は内皮細胞増殖により特徴づけされる身体条件の効果を改善
するのに有用である。
【0012】 もう1つの態様においては、本発明は、細胞により産生された腫瘍壊死因子α
(TNF−α)のレベルを低減させる方法に関する。 さらにもう1つの態様においては、本発明は、TNF−α産生を低減させ炎症
性疾患を治療するためにかかる化合物を使用する方法に関する。 本発明及びその好ましい実施形態のその他の特長、目的及び利点は、以下の詳
細な記述から明らかになることだろう。 発明及び好ましい実施形態の詳細な説明 A.定義 「血管形成」という語は、細胞、組織、器官又は腫瘍内への新しい血管の生成
を意味する。
【0013】 「転移」という語は、腫瘍細胞が体の遠隔部分まで拡散されるプロセスのこと
をいう。この語は同様に、本書では、転移プロセスを通して発達する腫瘍を意味
するためにも使用されている。 「独立して選択される」という語は、ここでは、R基、例えばR1,R2,R3 及びR4が同一又は異なるものでありうる(例えばR1,R2,R3及びR4は全て 水素であってもよいし、或いはR1及びR4は水素であり、R2及びR3はハロゲン
などであってもよい)ということを表わすために用いられている。
【0014】 「アルキル」という語は、ここでは1〜12個、好ましくは1〜6個の炭素を
もつ、有枝又は無枝、飽和又は不飽和の1価の炭化水素ラジカルを意味する。ア
ルキル基が1〜6個の炭素原子を有する場合、それは「低級アルキル」と呼ばれ
る。適切なアルキルラジカルには、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−
プロピル、2−プロペェニル(又はアリル)、n−ブチル、t−ブチル、i−ブ
チル(又は2−メチルプロピル)などが含まれる。本書で使用されるこの語は、
「置換アルキル」をも包含する。
【0015】 「置換アルキル」というのは、単数又は複数の官能基例えば低級アルキル、ア
リル、アシル、ハロゲン(すなわちアルキルハロ例えばCF3)、ヒドロキシ、 アミノ、アルコキシ、アルキルアミン、アシルアミノ、アシルオキシ、アリルオ
キシ、アリルオキシアルキル、メルカプト、飽和及び不飽和の両方の環式炭化水
素、複素環などを含む、上述のとおりのアルキルのことである。これらの基は、
アルキル半分のあらゆる炭素に付着することができる。
【0016】 「S−アルキル」という語はここでは−SR基を意味し、ここでRは本書で定
義されているような低級アルキル又は置換低級アルキルである。 「アリール」という語は、ここでは、互いに融合された、共有結合によりリン
クした、又はメチレン又はエチレン半分といったような共通の基にリンクさせら
れた単一芳香族環又は多重芳香族環でありうる芳香族置換基を意味する。共通の
リンキング基は同様に、ベンゾフェノン内と同様カルボニルであってもよい。芳
香族環は、なかんづくフェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルメチル及び
ベンゾフェノンを内含することができる。「アリール」という語は「アリールア
ルキル」を包含する。
【0017】 「置換アリール」というのは、芳香族に融合された、共有結合によりリンクさ
れた又はメチレン又はエチレン半分といったような共通の基にリンクされた、単
数又は複数の官能基例えば低級アルキル、アシル、ハロゲン、アルキルハロ(例
えばCF3)、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、アルキルアミン、アシルアミ ノ、アシルオキシ、メルカプト、及び飽和及び不飽和の両方の環式炭化水素を含
む上述のとおりのアリールのことである。リンキング基は、同様に、シクロヘキ
シルフェニルケトンといったようなカルボニルであってもよい。「置換アリール
」という語は、「置換アリールアルキル」をも包含する。
【0018】 「ハロゲン」という語は、本書中、フッ素、臭素、塩素及びヨウ素原子を意味
する。 「ヒドロキシ」という語は、ここでOH基を意味するものとして使用されてい
る。 「アミノ」という語は、NRR'という基を意味するものとして使用されてお り、ここでR及びR'は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、 置換アリール又はアシルであってよい。
【0019】 「ニトロ」という語は、NO2基を意味するものとして使用されている。 「アルコキシ」という語はここでは、OR基を意味するものとして使用されて
おり、ここでRは、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、置換アリール
、アリールアルキル又は置換アリールアルキルであり、アルキル、アリール、置
換アリール、アリールアルキル及び置換アリールアルキル基は本書で記述されて
いる通りである。適切なアルコキシラジカルとしては、例えば、メトキシ、エト
キシ、フェノキシ、置換フェノキシ、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、t−
ブトキシなどが含まれる。
【0020】 「アルケニル」という語は、ここでは、少なくとも1つの炭素−炭素2重結合
を有する不飽和の有枝、直鎖又は環式で1価の炭化水素ラジカルを意味するべく
使用されている。ラジカルは、2重結合のまわりのシス又はトランス配座のいず
かでありうる。適切なアルケニルラジカルには、例えばエチニル、プロペニル、
イソプロペニル、シクロプロペニル、ブチニル、イソブチニル、シクロブチニル
、第3ブチニル、ペンチニル、ヘキセニルなどが含まれる。
【0021】 「アルキニル」という語は、ここでは、少なくとも1つの炭素−炭素3重結合
を有する不飽和の有枝、直鎖又は環式で1価の炭化水素ラジカルを意味するもの
として使用される。適切なアルキニルラジカルとしては、例えばエチニル、プロ
ピニル、ブチニル、イソブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどが含まれる。 「接触する」という語はここでは、〜と組合わされた、〜に付加された、〜と
混合された、〜の上を通過させられた、〜とインキュベートされた、〜の上に流
されたなどという語と互換性ある形で使用されている。さらに、本発明の化合物
は、例えば、本書に記述されているような非経口、経口、局所、及び吸入経路と
いったような任意の従来の方法により「投与」することができる。
【0022】 「薬学的に受容可能な塩」という語は、遊離塩基の生物学的有効性及び特性を
保持し、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サルチル酸などといった無機酸との反応に
より得られる、化合物の塩のことを意味する。薬学的に受容可能な塩には例えば
、ナトリウム及びカリウムといったアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びア
ンモニウム塩が含まれる。
【0023】 「充分な量」、「有効量」、「治療上有効な量」又は「抗血管形成量」という
のは、血管形成を降下させる、抑制する又は阻害する或いは又血管形成疾患に関
連する症候の改善という結果をもたらすのに有効な化合物又は組成物の量を意味
する。望ましい結果は、症候(単数又は複数)の主観的緩和又は臨床医又はその
他の有資格オブザーバーが指摘するような用量のレシピエントにおける客観的に
識別可能な改善、内皮細胞の血管新生の減少又は血管形成速度の低下のいずれか
でありうる。
【0024】 「癌を治療する」「療法」などという語は一般に、本発明の化合物での治療に
帰することのできる、癌をもつ哺乳動物におけるあらゆる改善のことを意味する
。この改善は、主観的であっても客観的であってもよい。 例えば、哺乳動物が
ヒトである場合、患者は、療法に対する応答又は改善の主観的症候として、活力
又は活力度の改善又は疼痛の軽減を指摘することができる。代替的には、臨床医
は、理学検査、実験室パラメータ、腫瘍マーカー又は放射線写真による発見事実
に基づいて腫瘍のサイズ又は腫瘍の苦痛の減少を認知することができる。療法に
対する応答として臨床医が観察しうるいくつかの実験室徴候としては、白血球計
数、赤血球計数、血小板計数、赤血球沈降速度及びさまざまな酵素レベルといっ
たようなテストの正規化が含まれる。さらに、臨床医は、検出可能な腫瘍マーカ
ーの減少を観察することができる。代替的には、ソノグラム、核磁気共鳴試験及
び陽電子射出試験といったように、客観的改善を評価するためのその他のテスト
を使用することもできる。
【0025】 「腫瘍細胞の成長を抑制する」ということは、腫瘍細胞の成長が緩慢になった
又は減少したか否かを測定する何らかの受容された方法によって評価できる。こ
れには、上述のような主観的症候又は客観的徴候といったような直接的観察及び
間接的評価が含まれる。 B.化合物 本発明は、血管形成を阻害しかつ/又は血管形成疾患を治療するために化学式
Iの化合物が有用であるという発見に関係する。化学式Iの化合物は、以下のよ
うな一般化学式を有する:
【0026】
【化8】
【0027】 なお式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,X及びYは以上 で定義されたとおりである。本発明の好ましい実施形態においては、化学式Iの
化合物はメチル3,5−ジヨード4−(−4'−メトキシフェノキシ)ベンゾエ ート(「BTO−956」)である。 本発明の方法において使用される化合物は、本書にその教示が参考として内含
されている Borrows, et al., J.Chem. Soc.1949,S185−190及びW
O97/46228の中で概略的に示されている手順に従って作ることができる
。一般に、このプロセスは一連のステップで達成される。例えば、BTO−95
6のケースから始めると、メチル3,5−ジニトロ−4−(4−メトキシフェノ
キシ)ベンゾエートを生成するため、置換フェノール及び置換安息香酸塩を反応
させる。安息香酸塩のニトロ基は、このときアミンに還元され、その後ヨウ素に
より置換される。BTO−956を調製するためのこの方法は、基本的に、本書
にその教示が参考として内含されている、K. Imashiro Y., 及び Okada. Y.「ト
リヨードチロ蟻酸及びその誘導体の合成」、J. Takeda Res. Lab.,1970,2
9,545−552の中で記述されているとおりである。さらなる合成詳細につ
いては例1に記述されている。
【0028】 本発明の方法で使用するのに適した化合物は、in vitro及び in vivoスクリー
ニング検定を用いて容易に同定することができる。かかる検定は、in vitro及び
in vivoでの内皮細胞の血管新生又は血管形成を阻害する特定の化合物の能力に
ついてスクリーニングすることができる。例えば、以下でさらに詳述されている
ヒナの胎芽絨毛尿膜(CAM)検定を用いて、血管新生阻害能力について一定の
与えれられた検定をスクリーニングすることができる。絨毛尿膜検定においては
、受精したヒナの胎芽が、3日目及び4日目にその殻からとり出され、化学式I
の化合物を含むメチルセルロースディスクが絨毛尿膜上に移着される。48時間
後に胎芽を検査し、メチルセルロースディスクのまわりに開けた無血管ゾーンが
現われた場合、そのゾーンの直径を測定する。この検定は、化学式Iの化合物の
抗血管形成特性を査定するために使用可能である。
【0029】 化学式Iの化合物の効力を査定するためのもう1つの有用なスクリーニング検
定は、角膜微小ポケット血管形成検定(CMA)である。ラットの角膜微小ポケ
ット検定は、角膜血管形成を阻害する化学式Iの化合物の能力を査定するために
使用できる(「定量的血管形成検定;その進歩と問題点」Nat, Med.,3;120
3−1208,1997)及び「可溶性レセプタを用いた腫瘍血管形成の阻害が
、異常血管成長におけるTie2についても役割を立証する」、J. Clin. Invest.
, 100;2072−2078,1997を参照のこと)。この検定においては
、化学式Iの化合物は重合体と混合され(例えば、ハイドロン溶液;Interferon
Sciences, New Brunswick NJ),ラットの角膜の表層内に外科的に作られた小さ
いポケットの中に移植される。正常な状況下では、この創傷は、通常は無血管で
ある角膜上の新生血管の出現として容易に見ることのできる血管形成応答を刺激
する。化学式Iの化合物が、抗血管形成剤として特異的に有効であれば、それは
この応答を阻害するか又は遮断する。1つの実験設計においては、腫瘍成長遅延
を誘発しうる一範囲の薬物用量全体にわたり、5匹の動物から成る(重合体移植
片のみを伴う対照グループを含む)グループをテストする。検定においては3つ
の用量がテストされる。この方法による抗血管形成応答の査定は、無条件のもの
である。換言すると、処置された目は、角膜血管形成について陽性か陰性のいず
れかである。この査定は、化学式Iの化合物が血管形成の in vivo哺乳動物にお
いて直接的に血管形成を防止するか否かを決定する。
【0030】 さらに、ヒト微細血管内皮細胞検定(HMVEC)を、化学式Iの化合物の効
力を査定するために使用することができる。HMVECは、内皮成長培地100
μl/ウェルの体積内で5×103細胞/ウェルのx濃度で、96ウェルの平板 内に播種される。平板を次に24時間、5%のCO2内で37℃でインキュベー トし、その後化学式Iの化合物のアリコートをHMVEC(調製物に添加し、そ
の後平板を3日間5%のCO2中37℃でインキュベートする。37℃で3〜6 時間 Alamar Blue 20μl/mlを添加し、螢光測定システムを用いて代謝活 性を表わす変色を測定することによって、細胞の相対的数を決定する。この検定
においては、蛍光体シグナルの強度は、細胞数に正比例している。
【0031】 HMVEC検定は同様に、ヒトさい帯静脈微細血管内皮細胞(HUM VEC )を用いて実施可能である。この検定は上述の検定と類似の形で実施されるが、
HUMVEC細胞が用いられる。さらに、当業者にとって既知のその他の検定も
、抗血管形成特性について本発明の化合物をスクリーニングするために容易に使
用することができる。
【0032】 当業者にとっては、化学式Iの化合物が、単独でも、薬学的に受容可能な塩の
形ででも及び/又は薬学組成物の形でも投与できるものであるということは直ち
に明らかであろう。 C.本発明の化合物の用途 以上で説明した通り、本発明は、化学式Iの化合物が血管形成を阻害し今度は
望ましくない血管形成に関連する疾患を治療するために有用であるという発見事
実に関係する。そのため、一実施形態においては、本発明は、細胞内の望まれな
い血管形成を阻害する方法において、有効量すなわち抗血管形成量の化学式Iの
化合物と細胞を接触させる段階を含んで成る方法を提供する。もう1つの実施形
態においては、本発明は、内皮細胞の血管新生を阻害する方法において、有効量
の化学式Iの化合物と内皮細胞を含む細胞、組織又は器官を接触させる段階を含
んで成る方法を提供する。現在好まれている実施形態においては、細胞は、哺乳
動物の被験体の体内にある。
【0033】 本発明は、望ましくない無制御の血管形成に関連した哺乳動物の疾患を治療す
る方法において、血管形成を阻害するのに充分な量つまり用量で化学式Iの抗血
管形成化合物を哺乳動物に投与する段階を含んで成る方法に関する。血管形成及
び/又は血管形成疾患を阻害するために必要とされる化学式Iの化合物の特定の
用量は、担当医が決定することになる身体条件の重症度、投与経路及び関連する
要因によって左右されることになる。一般に、受容された一日の有効用量が、血
管形成及び/又は血管形成疾患を有効に阻害するのに充分な量となる。
【0034】 本発明によって提供される治療方法は、血管形成及び/又は血管形成疾患を阻
害するのに有効である化学式Iの化合物(又は薬学的に受容可能なその塩又は溶
媒和物)の用量を、それを必要としている哺乳動物に投与することによって実施
される。「阻害する」という語はここでは、血管形成及び/又は血管形成疾患に
かかりやすい人間を予防的に処置しかつ既存の血管形成及び/又は血管形成疾患
を検査状態に保ちかつ/又は治療することを含む一般的に受入れられたその意味
を内含するものとして使用されている。かくして、本発明は、適宜、医学的治療
及び/又は予防的処置の両方を内含する。
【0035】 本発明の方法は、広範な疾病を処置するために使用することができる。本発明
の方法を用いて処置できる角膜血管新生に関連した疾病としては、制限的な意味
なく、糖尿病性網膜症、未熟児網膜障害、角膜移植片拒絶、血管新生緑内障及び
水晶体後線維増殖、流行性角結膜炎、ビタミンA欠乏症、コンタクトレンズ過剰
装着、アトピー性角膜炎、上方輪部角膜炎、翼状片乾性角膜炎、フェ−グレン症
候群、赤鼻、phylectenulosis、梅毒、マイコバクテリア感染症、脂質変性、化 学熱症、細菌性潰瘍、真菌性潰瘍、単純ヘルペス感染症、帯状疱疹、原生動物感
染症、カポジ肉腫、モーレン潰瘍、Terrienの周縁変性、周縁表皮剥離、精神的 外傷、リウマチ様関節炎、全身性狼瘡、多発動脈炎、ヴェーゲナーサルコイドー
シス、強膜炎、スティーブンスジョンソン症候群、periphigoid放射状角膜切除 術及び角膜移植片拒絶が含まれる。
【0036】 本発明の方法を用いて処置できる網膜/及び膜脈膜の血管新生に関連する疾患
としては、制限的な意味なく、糖尿病性胴膜症、網膜/脈絡膜血管新生を伴う疾
病には、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、鎌状赤血球貧血、類肉腫、梅毒、線維性
仮性黄色腫、パジェット病、静脈閉塞、動脈閉塞、頚動脈閉塞性疾患、慢性ブド
ウ膜炎/硝子体炎、マイコバクテリア感染症、ライム病、全身性紅斑性狼瘡、未
熟児網膜障害、イールズ病、ベーチェット病、網膜炎又は脈絡膜炎を引き起こす
感染症、推定眼ヒストプラスマ症、ベスト病、近視、視窩、シュタルガルト病、
扁平部炎、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラズマ症、精神的外傷及び
レーザー照射後合併症が含まれるが、それらに制限されるわけではない。その他
の疾病としては、制限的な意味なく、ルベオーシスを伴う及び、糖尿病を伴う又
は伴わないあらゆる形態の増殖性硝子体網膜症を含む、維管束又は繊維組織の異
常増殖に起因する疾病が含まれる。
【0037】 慢性炎症に付随する疾病は同じく、本発明の方法を用いて処置可能である。慢
性炎症の症候を伴う疾病には、制限的な意味なくクローン病及び潰瘍性大腸炎、
乾癬、サルコイドーシス及び慢性関節リウマチなどといった炎症性腸症が含まれ
る。望まれない又は無制御の血管形成は、これらの慢性炎症疾患が全て共通して
有する主要要素である。慢性炎症は、炎症性細胞の内向きフラックスを維持する
のに毛細血管の新芽の連続的形成に依存している。内向きフラックス及び炎症性
細胞の存在は、肉芽腫を生成し、かくして慢性炎症状態を維持する。本発明の組
成物及び方法を用いて血管形成を阻害することで肉芽腫の形成が防止され、かく
して病気は緩和する。
【0038】 上述のとおり、本発明の方法は、クローン病及び潰瘍性大腸炎といったような
炎症性腸疾患を患う患者を治療するのに使用することができる。クローン病は、
最も一般的には遠位回腸及び結腸がかかる慢性経壁炎症性疾患として発生するが
、口から肛門そして肛門周囲部域に至る胃腸管のあらゆる部分で発生しうる。ク
ローン病を患う患者は一般に、腹痛、発熱、食欲減退、体重減少及び腹部膨満に
関連した慢性下痢を起こす。本発明の組成物及び方法による血管形成の予防は、
新芽の形成を阻害し、肉芽腫の形成を防止する。潰瘍性大腸炎も同様に、結腸粘
膜内に発生する慢性的で非特異的な炎症性かつ潰瘍性の疾患であり、観血性下痢
の存在を特徴とする。
【0039】 炎症性腸疾患は同様に、皮ふ病巣といったような腸外症状の発現も示すが。か
かる病巣は、炎症及び血管形成により特徴づけられ、胃腸管内以外の数多くの部
位で発生しうる。本発明の組成物及び方法は同様に、血管形成を防止しかくして
炎症性細胞の内向きフラックス及び病巣形成を減少させることにより、これらの
病巣を治療するのに使用することもできる。
【0040】 サルコイドーシスは、多系肉芽腫性障害として特徴づけられるもう1つの慢性
炎症性疾患である。この疾患の肉芽腫は、体のあらゆるところに形成する可能性
があり、症候は、肉芽腫の部位及び疾病が活性であるか否かに左右される。肉芽
腫は、炎症性細胞の恒常な供給を提供する血管形成による毛細血管の新芽によっ
て作り出される。本発明の化合物及び方法は、サルコイドーシスを治療するため
に使用することができる。
【0041】 本発明の方法は同様に、乾癬に関連した慢性の炎症性身体条件を治療するのに
使用することもできる。皮ふ疾患である乾癬は、さまざまなサイズのプラーク及
び丘疹を特徴とするもう1つの慢性かつ再発性の疾患である。特徴的病巣を維持
するのに必要とされる新しい血管の形成の予防が、症候緩和を導く。 本発明の方法を用いて治療できるもう1つの疾病は、慢性関節リウマチである
。慢性関節リウマチは、末梢関節の非特異的炎症を特徴とする慢性炎症性疾患で
ある。関節の滑膜性ライニング内の血管が血管形成を起こすと考えられている。
新しい血管網の形成に加えて、内皮細胞は、パンヌスの成長及び軟骨破壊を導く
因子及び反応性酸素種を放出する。血管形成に関与する因子は、慢性関節リウマ
チの慢性的に炎症した状態に活発に寄与しその維持を助ける。
【0042】 本発明の方法を用いて治療できるその他の疾病は、血管腫、オースラー=ウェ
ーヴァー=ランデュ病、又は遺伝性出血性毛細管拡張症、忠実又は血液由来腫瘍
及び後天性免疫不全症候群、である。 本発明の方法は同様に、悪性腫瘍成長に付随する血管形成を阻害する上でも有
効である。これには、細胞、組織及び器官上の癌性腫瘍成長が含まれる。本発明
の方法は、数多くの腫瘍細胞の成長を処置する上でも、又、さまざまな癌を治療
するためにも有用である。かかる腫瘍細胞には、制限的意味のない一例として、
肺、結腸、***、卵巣、前立腺、及び肝臓の腫瘍細胞ならびに偏平上皮癌が含ま
れる。かかる癌には、制限的意味のない一例として、咽頭、結腸、直腸、膵臓、
胃、肝臓、肺、***、皮ふ、前立腺、卵巣、頸部、子宮及び膀胱癌;白血病;リ
ンパ腫;グリオーム;網膜芽細胞腫及び肉腫が含まれる。
【0043】 特に好ましい実施形態では、本発明は、活動免疫療法(例えば腫瘍ワクチン接
種)と組合わせた形での化学式Iの化合物の投与方法に関する。化学式Iの化合
物は免疫毒性をもたないことから、免疫系は著しく抑制されず、かくして活動免
疫療法は化学療法と組合わせた形で有利に実施することができる。免疫療法と合
わせて使用するとき、化学式Iの化合物は、免疫療法作用物質(例えば腫瘍ワク
チン)の投与に先立ち及び/又は投与中に投与することができる。
【0044】 さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、細胞が産生したTNF−α
レベルを低減させるための方法を提供する。TNF−α及びそのさまざまな作用
様式は、その教示が本書に参考として内含されている Abbas et al., Cellular
and Molecular Immunology, Abbas et al., 第2版、W.B. Saunders Company,
1994,p244−249により一般的に記述されている。TNF−αは、 腫瘍を破壊し、組織の外傷に対する応答を媒介し、さまざまな微生物による感染
から宿主を保護する上で不可欠な役割を果たす。しかしながら、その活性は、一
部の疾病状態及び炎症性反応例えば慢性関節リウマチ、悪液質及び敗血症性ショ
ックにおいて、過剰であると思われる。過剰なTNF−αは、インターロイキン
−6及び顆粒球/マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)分泌、多
形核好中球の細胞毒性の増強及び細胞付着分子の長時間発現によって例証される
過度の免疫応答を結果としてもたらし、これらは全て不利な効果を及ぼしうるも
のである。
【0045】 化学式Iの化合物と細胞を接触させた結果、TNF−αのレベルは減少する。
TNF−αのレベルの減少は、例えばTNF−αをコードする遺伝子の発現のダ
ウンレギュレーション、TNF−αmRNA安定性又は翻訳効率の低下、TNF
−αポリペプチドの安定性の減少及び細胞からのTNFαの分泌の減少を含む複
数のメカニズムのいずれかから結果としてもたらされる可能性がある。TNF−
αのレベル低下は、細胞、生体標本又は血液流の中で測定できる。TNF−αを
阻害するその能力の結果として、化学式Iの化合物は、炎症性疾患を治療するた
めに使用することができる。かかる疾患には、制限的な意味なく、前出の炎症性
疾患(例えば慢性炎症、慢性疾患、炎症性腸疾患、サルコイドーシス、乾癬、慢
性関節リウマチなど)が含まれる。例VIII に記されている検定を用いると、化 学式Iの化合物は、TNF−αレベルを低減させるその能力について容易にスク
リーニングできる。
【0046】 TNF−αは、血管内皮細胞上での血液凝固促進活性の誘発、好中球及びリン
パ球の付着性の増大、及びマクロファージ、好中球及び血管内皮細胞からの血小
板活性化因子の放出の刺激といったような、組織外傷を結果としてもたらすその
炎症促進作用が注目されるものである。かくして、これらの細胞に向けられかつ
リポソーム又はその他の化学式Iの化合物を含む送達系に接合される標的づけ半
分が、本発明の好ましい実施形態である。例えば好ましい実施形態においては、
TNF−αに対するモノクローナル抗体(Tracey, et al., Nature 1987, 330,662−664;Silva, et al., J. Infect. Sis.1990,162,
421−427;及び Williams, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 1992,
89,9784−9788)が、化学式Iの化合物を含むリポソームに接合され
る。
【0047】 その上、上述の方法に従うと、哺乳動物の被験体としては、制限的意味なく、
ヒト、実験動物、家庭用ペット、及び家畜が含まれる。 D.薬学製剤/投与経路 本発明の方法においては、化学式Iの化合物は、例えば血管形成を減退、抑制
又は阻害し、血管形成疾患に付随する症候の改善を結果としてもらたすのに有効
な用量といった治療上有効な量で適切な担体又は賦形剤と化合物を混和させた薬
学組成物の形又は薬学的に受容可能な塩の形又は単独で、例えば人間の患者とい
った哺乳動物に送達又は投与することができる。
【0048】 本発明の方法で使用される化学式Iの化合物は、治療目的の投与のためさまざ
まな製剤の中に取込むことができる。より特定的には、化学式Iの化合物は、適
切な薬学的に受容可能な担体又は希釈剤との組合せにより薬学組成物の形に製剤
することができ、錠剤、カプセル、丸薬、粉末、顆粒、糖衣錠、ジェル、スラリ
ー、軟こう、溶液、座薬、注射、吸入剤及びエアゾルといったような固体、半固
体、液体又は気体の形状をした調製物の形に製剤可能である。従って、化合物の
投与は、経口、舌下、直腸経由、非経口、腹腔内、皮内、経皮、気管内投与など
を含むさまざまな方法で達成可能である。その上、化合物は、例えば、往々にし
てデポー又は持続放出製剤の形で、例えば中実腫瘍内へ直接化合物を注入するこ
とを介した、全身的ではなく局所的な要領で投与することができる。さらに、化
合物は、例えば、腫瘍特異的抗体でコーティングされたリポソーム内といったよ
うに標的づけされた薬物送達系の中で投与可能である。かかるリポソームは、腫
瘍に標的づけされ、腫瘍によって選択的に取り上げられる。
【0049】 さらに、化学式Iの化合物は、共通の賦形剤、希釈剤又は担体で製剤され錠剤
の形に圧縮されるか又は、便利な経口投与のためエリキシル剤又は溶液として製
剤されるか、又は筋肉又は静脈内経路によって投与される。化合物は、経皮的に
投与され得、持続放出用量形態などとして製剤可能である。 構造式Iの化合物は、単独で、互いに組合せた形で投与することもできるし、
或いは他の既知の化合物(例えば他の抗癌剤又はAZT、抗炎症薬、抗生物質、
コルチコステロイド、ビタミンなどといった他の薬品)と組合せて使用すること
もできる。例えば、構造式Iの化合物は、他の既知の抗血管形成化学療法薬剤又
は抗新形成薬(例えば、ビンカアルカロイド、抗生物質、代謝拮抗剤、プラチナ
配位複合体など)と共に連結療法に使用することができる。例えば、化学式Iの
化合物は、ビンブラスチン、ビンクリスチン、タクソールなどといったビンカア
ルカロイド化合物;アドリアマイシン(ドキソルビシン)、ダクチノマイシン(
アクチノマイシンD)、ダウノルビシン(ダウノマイシン、ルビドマイシン)、
ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)及びミトマイシン(ミトマ
イシンC)などといった抗生物質;メトトレキサート、シタラビン(AraC)、ア
ザウリジン、アザリビン、フルオロデオキシウリジン、デオキシコンフォルマイ
シン、メルカプトプリンなどといった代謝拮抗剤;又は、シスプラチン(cis-DD
P)、カルボプラチンなどいったプラチナ配位複合体と共に連結療法において使 用することができる。更に、当業者であれば、本発明の化合物が他の既知の抗血
管形成化学療法薬剤又は抗新形成薬化合物と共に連結療法において使用可能であ
ることがわかるだろう。薬学的用量形態では、これらの化合物は、薬学的に受容
可能な塩の形で投与することもできるし、或いは単独で又は適切に結合させて、
又他の薬学的に活性な化合物と組合せて使用することも可能である。
【0050】 本発明で使用するための適切な製剤形態は、本書に参考として内含されている Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company, Philadelp
hia, PA, 第17版(1985))。さらに薬物送達のための方法の簡単な再考 のためには、本書に参考として内含されている Langer, Science249:152
7−1533(1990)を参照されたい。本書に記述されている薬学組成物は
、当業者にとって既知の要領で、すなわち従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠製
造、糊状化、乳化、カプセル化、封じ込め、又は凍結乾燥プロセスを用いて製造
可能である。以下の方法及び賦形剤は単に説明を目的とするものであって、いか
なる形であれ制限的意味をもたない。
【0051】 注射のためには、化合物は、植物油又はその他の類似の油、合成脂肪酸グリセ
リド、高級脂肪酸エステル又はプロピレングリコールといったような水性又は非
水性溶剤の中でそれらを溶解、懸濁又は乳化させることによって調製物の形に製
剤可能である。望ましい場合には、可溶化剤、等張剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤
及び保存剤といったような従来の添加剤が伴われる。好ましくは、本発明の化合
物は、水溶液、好ましくは生理学的に相容性ある緩衝液、例えばハンクス液、リ
ンゲル液又は生理食塩水の中で製剤され得る。経粘膜投与のためには、製剤中に
、浸透すべき障壁に適切な浸透剤が使用される。かかる浸透剤は一般に当該技術
分野において既知のものである。
【0052】 経皮投与のためには、化学式Iの化合物は、当該技術分野において周知のもの
である薬学的に受容可能な担体と組合わせることによって容易に製剤可能である
。かかる担体は、化合物を、治療対象である患者による経口摂取のため、錠剤、
丸薬、糖衣錠、カプセル、エマルジョン、脂質親和性及び親水性懸濁液、液体、
ジェル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして製剤することを可能にしている
。経口使用のための薬学調製物は、固体賦形剤と共に化合物を混合し、任意には
結果として得られた混合物を摩砕し、錠剤又は糖衣錠コアを得るべく望ましい場
合には適切な助剤を添加した後で顆粒混合物を処理することによって得ることが
できる。特に、適切な賦形剤は、ラクトース、スクロース、マンニトール又はソ
ルビトールを内含する糖といった充てん材;例えば、トウモロコシでんぷん、小
麦でんぷん、米でんぷん、ジャガイモでんぷん、ゼラチン、トラガカントゴム、
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキ
シメチルセルロース、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)といったセル
ロース調製物である。望まれる場合、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はア
ルギン酸又はその塩といったような崩壊剤を添加することもできる。
【0053】 糖衣錠コアには適切なコーティングが施される。この目的のため任意にはアラ
ビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル、ポリエチレングリ
コール及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液及び適当な有機溶剤又は溶剤混合
物を含有していてよい濃縮糖溶液を使用することができる。識別のため又は活性
化合物用量の異なる組合せを特徴づけするため、錠剤又は糖衣錠コーティングに
対し、染料又は顔料を添加することもできる。
【0054】 経口使用できる薬学調製物には、ゼラチンから作られた押しばめ式カプセルな
らびにゼラチン及びグリセロール又はソルビトールといった可塑化剤で作られた
軟質の密封カブセルが含まれる。押しばめ式カプセルは、ラクトースといったよ
うな充てん剤、でんぷんといった結合剤及び/又はタルク又はステアリン酸マグ
ネシウ*/ムといった潤滑剤そして任意には安定剤と混合した形で有効成分を含有
することができる。軟質カプセル中では、活性化合物を、脂肪油、液体パラフィ
ン又は液体ポリエチレングリコールといったような適切な液体の中に溶解又は懸
濁させることができる。さらに、安定剤も加えることができる。経口投与のため
の全ての製剤形態は、かかる投与に適した用量のものでなくてはならない。
【0055】 舌下投与については、組成物は、従来の方法で製剤された錠剤又はトローチ剤
の形をとることができる。 吸入による投与のためには、本発明に従った使用のための化合物は、適切には
、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロメタン、ジクロロテトラフルオ
ロエタン、二酸化炭素又はその他の適当なガスといった適当な推進薬を用いて加
圧されたパック又はネブライザから又は、推進薬の無い乾燥粉末吸入器からエア
ゾルスプレーといった体裁で送達される。加圧エアゾルの場合、用量単位は、計
量された量を送り出すべくバルブを具備することによって決定できる。ラクトー
ス又はでんぷんといったような適切な粉末ベースと化合物の粉末混合物を含有す
る吸入器又は注入器の中で使用するための例えばゼラチンのカプセル及びカート
リッジを、製剤することができる。
【0056】 化合物は、例えば、静脈内ボーラス又は連続輸液による注入によって非経口投
与するために製剤可能である。注入のための製剤は、添加された保存剤と共に、
例えばアンプル又は多用量容器に入った単位用量形態の体裁をとることができる
。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又はエマルジョンといった
ような形態をとることができ、懸濁剤、安定剤及び/又は分散剤といったような
調剤を含有していてよい。
【0057】 非経口投与用の薬学製剤には、水溶性形態の活性化合物の水溶液が含まれる。
付加的には、適切な油性注入懸濁液として、活性化合物の懸濁液を調製すること
ができる。適切な脂質親和性溶剤又はビヒクルとしては、ゴマ油といった脂肪油
又はオレイン酸エチル又はトリグリセリド又はリポソームといったような合成脂
肪酸エステルが含まれる。水性注入懸濁液には、ナトリウムカルボキシメチルセ
ルロース、ソルビトール又はデキストランといったような、懸濁液の粘度を増加
させる物質が含まれていてよい。任意には、懸濁液は同様に、高い濃度の溶液の
調製を可能にするべく化合物の可溶性を増大させる作用物質又は適切な安定剤を
含有していてよい。代替的には、活性成分は、使用前に例えば無菌で発熱因子を
含まない水といった適切なビヒクルと共に構成するため粉末形状であってよい。
【0058】 化合物は同様に、例えば全て体温で溶融しなおかつ室温で固化している、カカ
オ脂、カルボろう、ポリエチレングリコール又はその他のグリセリドといった従
来の座薬基材を含む、座薬又は停留性浣腸剤といったような直腸組成物の形で製
剤することもできる。 前述の製剤に加えて、化合物は同様に、デボー剤調製物として製剤することも
できる。かかる長時間作用する製剤は、(例えば皮下又は筋肉での)移植によっ
て又は筋肉注入によって投与可能である。かくして例えば、化合物は、適切な重
合体又は疎水性材料(例えば受容可能な油の中のエマルジョンとして)又はイオ
ン交換樹脂と共に、又は可溶性の低い誘導体例えば可溶性の低い塩として、製剤
することができる。
【0059】 あるいは、疎水性の製薬化合物のための他の送出系を使用することができる。
リポソームおよびエマルジョンは、疎水性の薬剤のための送出賦形剤または担体
のよく知られた例である。目下好ましい実施態様においては、長い‐循環する(
すなわち、秘密の(stealth))リポソームが使用される。そのようなリポソーム は一般に、ウッドル(Woodle)ら、U.S. Patent No. 5,013,556に記載されており 、その教示は参照することによって本明細書に組入れられる。
【0060】 任意的にリポソームに結合され、腫瘍マーカー、TNF−αまたはTNF−αレセプ
ターに対して指向したモノクローナル抗体は、使用することができる別の戦法で
ある。さらに、病的腫瘍脈管系のマーカーの標的化が使用できる。毒性の薬剤ま
たは放射性同位体と結合されたときに標的とする部分は、それが必要とされる薬
剤を濃縮するように働く。腫瘍と会合した脈管マーカーのためのリガンドがまた
使用できる。例えば、腫瘍脈管要素表面マーカーに結合する細胞付着分子が使用
できる。特に、その表面が、腫瘍脈管系に対して優先的に、担体を指向させるリ
ガンドを含むなら、リポソームおよび他の薬剤送出系がまた使用できる。リポソ
ームは、たいていの正常組織から薬剤を保護するという追加の利点を与え、それ
によって、多くの化合物の固有の毒性を減らす。ポリエチレングリコール(PEG) でコーティングされて(すなわち、秘密(stealth)のリポソーム)、食細胞によ る取り込みを最小にし、かつ腫瘍脈管系特異的標的部分を有するときに、リポソ
ームは、より長い血漿半減期、非標的組織のより低い毒性および、非標的化薬剤
より増加された効力を与える。他の標的化の戦法としては、これらに限定される
ことはないが、ADEPT(抗体‐指向酵素プロドラッグ療法)、GDEPT(遺伝子‐指
向EPT)およびVDEP(ウィルス‐指向EPT)を包含する。ADEPTにおいて、不活性 なプロドラッグの腫瘍塊に対する標的化は、腫瘍と会合するマーカーに対する抗
体によってなされる。腫瘍内または付近の酵素環境は、プロドラッグを活性な毒
性の剤へと変え、これはその後、腫瘍組織で作用する。同様に、GDEPTおよびVDE
PTにおいてそれぞれ、プロドラッグを活性な毒性の形態へと活性化するために、
腫瘍部位での差別(differential)遺伝子発現またはウィルス標的化が使用される
。他の戦法としては、差別的に発現された遺伝子、酵素または表面マーカー(腫
瘍に会合した脈管系に現れる)を標的にして、腫瘍の増殖の調節をすることを含
む。前記方法を用いると、式Iの化合物は、腫瘍脈管系に対して標的にされて、
腫瘍の進行の制御を行うことができ、または興味ある他の部位(例えば内皮細胞
)に対して標的にされる。
【0061】 通常、毒性がより増すという代価を払うが、ある種の有機溶媒、例えばジメチ
ルスルホキシドがまた使用できる。さらに、徐放性の系、例えば治療剤を含む固
体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスを用いて、化合物を送出することがで
きる。種々のタイプの徐放性材料が確立されており、当業者によく知られている
。徐放性カプセルは、その化学的性質に依存して、数週間から100日間を超える までの間化合物を放出することができる。
【0062】 製薬組成物はまた、適当な固体もしくはゲル相の担体または賦形剤を含むこと
ができる。そのような担体または賦形剤の例としては、これらに限定されること
はないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖類、でん粉、セルロー
ス誘導体、ゼラチンおよびポリマー例えばポリエチレングリコールを含む。 本発明において使用されるのに適当な製薬組成物は、活性成分が治療に有効な
量で含まれる組成物を包含する。投与される組成物の量はもちろん、治療される
対象、対象の体重、苦痛のひどさ、投与方式および指図する治療者の判断に依存
する。有効量の決定は、特に本明細書に与えられた詳述された開示を考慮して、
当業者の能力の範囲内でよい。
【0063】 本発明の方法において使用される任意の化合物について、治療に有効な投与量
は細胞培養アッセイから初めに見積ることができる。例えば、投与量を動物モデ
ルで処方して、細胞培養で決定されるIC50(すなわち、細胞培養物の50%まで
致死の試験化合物濃度)または細胞培養で決定されるIC100(すなわち、細胞 培養物の100%まで致死の化合物濃度)を含む、流動する濃度範囲を達成するこ とができる。そのような情報は、ヒトにおいて有用な投与量をより正確に決定す
るのに使用することができる。最初の投与量はまた、イン ビボ(in vivo)での データから見積ることができる。
【0064】 さらに、ここで記載した化合物の毒性および治療の効力は、細胞培養物または
実験動物における標準の製薬的手順によって、例えばLD50(母集団の50%まで
致死の投与量)およびED50(母集団の50%に治療有効な投与量)を決定するこ
とによって、決定することができる。毒性効果と治療効果との間の投与量比は治
療の指標であり、LD50とED50との間の比として表すことができる。高い治療
的指標を示す化合物が好ましい。これらの細胞培養物アッセイおよび動物の研究
から得られるデータは、ヒトに使用するために毒性でない投与量範囲を処方する
のに使用することができる。そのような化合物の投与量は好ましくは、わずかの
毒性かまたは全く毒性がないED50を含む、流動する濃度の範囲内にある。投与
量は、使用される投与形態および使用される投与経路に依存して、この範囲内で
変化し得る。正確な処方、投与経路および投与量は、患者の状態を考慮して、個
々の治療者によって選択されることができる(例えば、フィングル(Fingl)ら、1
975、治療の薬理学的基礎(The Pharmacological Basis of Therapeutics)、1章
、1頁参照)。
【0065】 投与の量および間隔は、治療効果を維持するのに十分な活性化合物の血漿濃度
を与えるように、個別に調整することができる。経口投与のための通常の患者投
与量は約50〜2000mg/kg/日、普通約100〜1000mg/kg/日、好ましく は約150〜700mg/kg/日、最も好ましくは約250〜500mg/kg/日の範囲
にある。好ましくは、治療に有効な血清濃度は、毎日多数回の投与量を投与する
ことによって達成される。局所投与または選択的取り込みの場合には、薬剤の有
効な局所的濃度は、血漿濃度に関連し得ない。当業者は、過度の実験をすること
なく、治療に有効な局所的投与量を最適化することができるであろう。 F.実施例 特定の実施例によって本発明をより詳細に記載する。以下の実施例は、説明の
目的のために与えられており、いかなるやり方でも本発明を限定することを意図
しない。当業者は、変更または変形して、本質的に同じ結果を生じることができ
る種々の不可欠でないパラメーターを容易に認識するであろう。実施例I この実施例は、メチル3,5-ジヨード-4-(4-メトキシフェノキシ)ベンゾエート
(BTO-956)の合成を説明する。
【0066】 BTO-956の合成は、一連の段階で達成され、まずメチル3,5-ジニトロ-4-(4-メ トキシフェノキシ)ベンゾエートを生じ、そのニトロ基が次にアミンに還元され
、次いでヨウ素で置換される。BTO-956の製造方法は本質的に、マスダ(Masuda),
K., イマシロ(Imashiro), Y., およびオカダ(Okada), Y.、トリヨードサイロギ
酸およびその誘導体の合成(Synthesis of triiodothyroformic acid and its de
rivatives)、J. Takeda Res. Lab. 1970, 29, 545-552に記載されている。 1.メチル3,5-ジニトロ-4-(4-メトキシフェノキシ)ベンゾエート
【0067】
【化9】
【0068】 メチル3,5-ジニトロ-4-クロロベンゾ 20.2g; 77.5ミリモル エート 4-メトキシフェノール 10.0g; 80.6ミリモル 水酸化カリウム 4.7g; 82.0ミリモル 水 20ml; 溶媒 水(20ml)に溶かした水酸化カリウム(4.7g;82.0ミリモル)を含む100m lの丸底フラスコに、4-メトキシフェノール(10.0g; 80.6ミリモル)および メチル4-クロロ-3,5-ジニトロベンゾエート(20.2g;77.5ミリモル)を逐次添 加した。フラスコに還流冷却管を取り付け、150℃(油浴)で3時間加熱して反 応させた。室温に冷却後、反応混合物を大きい乳鉢に移し、冷2N NaOH(100 ml)と共に摩砕して未反応のフェノールを除去した。固体をろ過によって集め
、空気乾燥して、粗生成物21.5gを与えた。無水エタノールから再結晶して、17
.7g(65.6%)の純メチル3,5-ジニトロ-4-(4-メトキシフェノキシ)ベンゾエー
トを、薄い黄色の針状物として得た。300MHzの1H NMR(CDCl3) d
3.77(s, 3H, OCH3),4.02(s, 3H,OCH3),6.82(m, 4H, ArH),8
.70(s, 2H,ArH)。 2.メチル3,5-ジアミノ-4-(4-メトキシフェノキシ)ベンゾエート
【0069】
【化10】
【0070】 メチル3,5-ジニトロ-4-(4-メトキシフェ 20.2g;77.5ミリモル ノキシ)ベンゾエート 木炭上の10%パラジウム 0.7g;触媒 氷酢酸 80ml;溶媒 氷酢酸(80ml)中のメチル3,5-ジニトロ-4-(4-メトキシフェノキシ)ベンゾ
エート(20.2g;77.5ミリモル)の懸濁液を含むパー(Parr)振とうびんに、木炭
上の10%パラジウム(0.7g)を添加した。それ以上水素が消費されなくなるま で、水素雰囲気(3atm)下でびんを振とうした。触媒をろ別し、得られる溶液 を約10mlまで濃縮した。残渣をアセトン(50ml)に溶かし、蒸気浴上で加熱
し、同時に水(100ml)を分割して加えた。冷却すると、中間の茶色針状物が 形成され、これを吸引ろ過で集め、乾燥して、7.1g(86%)のメチル3,5-ジア ミノ-4-(4-メトキシフェノキシ)ベンゾエートを得た。300MHzの1H NMR
(CDCl3) d 3.73(s, 3H, OCH3),3.80(bs, 4H, ArNH2),3.86
(s, 3H, OCH3),6.84(m, 4H, ArH),6.91(s, 2H, ArH)。 3.メチル3,5-ジヨード-4-(4-メトキシフェノキシ)ベンゾエート
【0071】
【化11】
【0072】 メチル3,5-ジアミノ-4-(4-メトキシフェ 4.3g;14.2ミリモル ノキシ)ベンゾエート 亜硝酸ナトリウム 2.6g;37.4ミリモル 氷酢酸 80ml;溶媒 硫酸 26ml;溶媒 ヨウ化カリウム 20g;120.0ミリモル 水 30ml;溶媒 硫酸(26ml)を、機械的撹拌器を備えた三口フラスコに入れ、氷浴中で冷却
した。亜硝酸ナトリウム(2.58g;37.4ミリモル)を少量ずつ加え、混合物を20
分間撹拌して、濃厚溶液を形成した。これに、氷酢酸(80ml)中のメチル3,5-
ジアミノ-4-(4-メトキシフェノキシ)ベンゾエート(4.30g;14.22ミリモル) のスラリーを、30分間かけて、氷浴で10℃より下の温度に保持しながら滴下して
加えた。赤茶色の溶液を10℃より下で45分間撹拌した後、室温で激しく撹拌しな
がら、ヨウ化カリウム(20g)の水(30ml)溶液中にゆっくりと注いだ。濃厚
な懸濁液が形成され、これを室温で1時間撹拌した。反応混合物を次に、油浴中
で80℃(内部温度)に15分間加熱した後、室温に冷却した。溶液をろ過し、黒色
のゴム質の残渣を300mlのアセトンに溶かした。一晩冷蔵したとき、黒ずんだ ろ液から黒ずんだ残渣が沈殿し、上清をデカンテーションすることによってこの
残渣を集め、残渣を100mlのアセトンに溶かした。合わせたアセトン溶液を、1
50mlの焼結ガラスろうと中の塩基性アルミナのパッド(pad)(5cm)上でろ過
して、いくらかの着色不純物を除去した。アルミナのパッドを100mlのアセト ンで洗浄し、赤いろ液を蒸発乾固させて、黒ずんだ固体を粗生成物として得た。
これをシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって、ヘキサン:CH 2 Cl2(60:40)で溶出して、精製した。純生成物を含む初期の画分を集め、蒸
発させて、1.67gの所望の生成物をオフホワイトの固体として得た。この化合物
は、TLC(ヘキサン:CH2Cl2;1:1;Rf0.35)で、単一のきれいなスポ ットを与えた。不純な画分を集め、無水EtOHと共に16時間室温で摩砕した。
固体をろ過し、乾燥して、別の0.3gの生成物をクリーム色の固体として得、こ れは、TLC(Rf0.29)で証明したように、〜5%のゆっくり移動する不純物 を含んでいた。生成物の全収率は27%であった。300MHzの1H NMR(CD
Cl3) d 3.78(s, 3H, OCH3),3.94(s, 3H,COOCH3),6.70および
6.83(2つのd, AA'XX', 4H, p-置換 ArH),8.51(s, 2H, ArH)。実施例II この実施例は、ひよこ漿尿膜(chick chorioallantoic membrane)アッセイ(
CAM)におけるメチル3,5-ジヨード-4-(4-メトキシフェノキシ)ベンゾエート
の抗‐脈管形成(anti-angiogenic)特性を説明する。CAMアッセイの終点は、1 4 C‐プロリンのタイプIVコラーゲンタンパク質への組み込みを測定すること による基底膜生合成の定量測定であった。 A.アプローチ CAMアッセイは、特別の滅菌条件下で、生きているひよこ胚のペトリ皿での
発生を含む。したがって、限られた数の胚だけを、1回の実験で化合物の評価の
ために使用することができる。この理由のために、2つの別のアッセイを行って
、3つの生物源化合物を、化合物当たり3つの濃度で試験した。このアッセイに
おいては、公知の脈管形成阻害剤である2-メトキシエストラジオール(2-ME)を
正の対照として使用し、ヒト繊維芽細胞増殖因子(hFGF)を使用して、CAMに
脈管形成を誘発した。 B.物質 受精卵は、メロディ ランチ(Melody Ranch)、アプトス(Aptos)、CAから供 給された。L−[U−14C]プロリン(特異的活性、290 mCi/ミリモル)は、 ニュー イングランド ヌクレア(New England Nulear)、ボストン(Boston)、M
Aから購入した。コラーゲナーゼおよび2-MEは、シグマ ケミカル社(Sigma Che
mical Co.)、セントルイス(St. Louis)、MOから得た。シリコーンリングカッ プ(silicone ring cup)は、シリコーン管(直径3mm)を、厚み1mmの小さい「O 」リングへと切断することによって得た。これらのシリコーンリングカップは、
各アッセイの前に滅菌するなら、何度も再使用できる。プラスチックのペトリ皿
(20x100mm)は、バックスター ダイアグノスチィックス社(Baxter Diagnosti
cs, Inc.)、ヘイワード(Hayward)、CAから購入した。hFGF-Bは、クロネッティ
ックス コーポレーション(Clonetics Corporation)、サンディエゴ(San Diego)
、CAから得た。
【0073】 試験するために、最小量のアセトン‐メタノール(1:1)を滅菌のために試
験化合物に加えた。アセトン‐メタノール混合物を次に、滅菌フード中で蒸発乾
固させた。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)にまず溶かし、次いでメチルセ
ルロースを含有する塩溶液で希釈した。最終濃度は2%DMSOおよび0.5%メチル セルロースであった。すべての試験溶液を各CAMに20mlの一定量加えた。 C.脈管形成阻害を測定するためのCAMの発生 幾らかの変更を加えた、フォークマン(Folkman)ら、Dev. Biol. 41:391-394 (
1974)の方法を使用して、鶏の胚を次のようにして培養した: 新鮮な受精卵を、標準の孵卵器中で3日間インキュベートした。第3日に、滅
菌条件下で卵を割り、20x100mmのプラスチックのペトリ皿に胚を置き、底部の 棚に給水器(water reservoir)を備えた胚インキュベーター中で37℃にて培養し た。小さいポンプを使用して、給水器中に連続して空気を送って泡立て、よって
インキュベーター中の湿度を一定に保持した。すべての胚が健康であることを確
認するために、毎日観察を行った。死んだかまたは不健康な胚は、インキュベー
ターから直ちに除去して、汚染を避けた。第9日に、滅菌したシリコーンリング
カップを各CAM上に置き、0.5 mCiの14C‐プロリンを、試験化合物および、0.5 %メチルセルロースを含む塩溶液に溶かした2.5ngのhFGFと一緒にまたはこれな しで、滅菌フード中の各リングカップに分配した。2-MEを、対照化合物として働
くように平行して試験した。試験物質の添加後、胚をインキュベーターに戻し、
培養を続けた。第12日に、すべての胚を4〜10℃のコールドルームに移した。各
試験化合物の抗脈管形成効果を、コラーゲナーゼアッセイを用いて測定して(マ
ラゴウダキス(Maragoudakis)ら、J. Pharm. Exp. Ther. 251:679-682 (1989)) 、コラーゲンタンパク質への14C‐プロリンの組み込みを測定した。 D.コラーゲンタンパク質への14C‐プロリンの組み込みの測定のためのコラー ゲナーゼアッセイ 氷の上に置いた胚を用いて、直径10mmの一片のCAMを、各リングカップ下で切 り取り、別の管に入れた。各管に、0.11mgのシクロヘキシミドおよび0.17mgのジ
ピリジルを含むリン酸緩衝塩溶液(PBS、pH7.3)1.0mlを添加した。管を沸騰水
浴中に10分間置いた後、室温に冷却した。3000xgで10分間の遠心分離後、各管
中のPBSを捨てた。CAM残渣を3mlの15%TCAで1回、次いで3mlの5%TCAで3 回洗浄した。各洗浄の間に、上記したようにして遠心分離を行った。この時点で
、すべての非タンパク質結合放射能活性が除去され、新たに合成した14C‐コラ
ーゲンタンパク質を含むCAMを0.9mlの0.1N NaOHおよび1.1mlのHEPES緩衝 液pH7.4中に懸濁させた。試料のpHは、指示薬としてフェノールレッドを用いて
、0.8NのHClで中和した。
【0074】 14C‐コラーゲンタンパク質を消化するために、7.5単位のコラーゲナーゼお よび、40mlのHEPES緩衝液中の500ナノモルの塩化カルシウムを上記試料に加え
、混合物を37℃で4時間インキュベートした。5mgのタンニン酸を含む20%TCA
1.0mlを各管に添加することによって反応を止めた。渦巻き撹拌後、試料を300
0xgで10分間遠心分離した。透明な上清の一定分量をシンチレーション計数の ために取って、14C‐プロリンからCAMによって合成された、基底膜コラーゲン および他のコラーゲン物質に対応する放射能標識したトリペプチドを定量した。
各管中のCAMペレットは、水浴中で5分間沸騰させることによって、0.5mlの1.
0N NaOH中に可溶化した。ピアス ケミカル社(Pierce Chemical Co.)(ビ シンコニン酸(bicinchoninic acid)(BCA)を用いたタンパク質アッセイのための 使用説明書、ピアス ケミカル社、ロックフォード(Rockford),IL)により提供 された方法を用いて、溶かしたCAMの一定分量を、タンパク質決定のために使用 した。対照のCAMに対しての、試験化合物で処理したCAMからのタンパク質1ミリ
グラム当たりの放射能活性は、脈管形成阻害のパーセントを与えた。 E.結果 表1および2は、2つの別々の実験の結果をまとめている。BTO-956は、hFGF-
Bに誘発される脈管形成に統計的に有意の阻害効果を示した。75mg/CAMでは、BT
O-956により引き起こされた阻害は、同じ濃度の公知の抗脈管形成剤である2-メ トキシエストラジオールによって引き起こされた38%に比べて、30%であった。
これらの2つの実験からの結果は、CAMアッセイにおけるBTO-956の抗脈管形成効
果は、2-メトキシエストラジオールと同じオーダーであり、抗脈管形成剤として
開発下にある薬剤であることを示唆する。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】実施例III この実施例は、ヒト微小血管内皮細胞(HMVEC)の増殖へのBTO-956のID50の測
定を説明する。 ヒト微小血管内皮細胞(HMVEC)(クロネティックス コーポレーション(Clonet
ics Corporation)、#CC-2505)を、内皮増殖培地(EGM-2-MV、クロネティック ス コーポレーション(Clonetics Corporation)、#CC-3162)100μl/ウェル の体積中5x103細胞/ウェルの濃度で、96ウェルのプレート中に接種した。プレ
ートを、5%CO2中37℃にて24時間インキュベートした後、100μl/ウェルのEG
M-2-WVで覆った。BTO-956を、ジメチルスルホキシド(DMSO)中20mMまで希釈し、 さらにEGM-2-MVで、以下に報告した濃度の2倍まで希釈した。次に、100μl分量
のBTO-956/EGM-2-MV希釈物を、HMVEC調製物に添加し、プレートを5%CO2中37 ℃にて3日間インキュベートした。20μl/mlのアラマール ブルー(Alamar Bl
ue)(バイオソース インターナショナル(BioSource International)、#DAL-10
25)を37℃にて3〜6時間で添加し、代謝活性を示す色の変化を、ミリポア サ
イトフルオル 2350 蛍光測定系(Millipore Cytofluor 2350 Fluorescence Mea
surement System)を用いて、励起波長530nmおよび発光波長590nmにて測定するこ
とによって、細胞の相対数を決定した。このアッセイにおいては、発蛍光団シグ
ナルの強度は細胞数に直接に比例する。
【0078】 狭い範囲の曲線のために使用する濃度を決めるために、まず幅広い範囲の曲線
を、BTO-956について確立した。次に、狭い範囲の曲線を生成させて、曲線が直 線であるID50点付近の領域を見出した。50%阻害を与える投与量付近に隣接す
る領域における曲線の直線部分を用い、かつ等式y=ax+b(ここでxは、計
算したID50であり、yは、極大光学密度(OD)の50%であり、aおよびbは定
数である)を用いて、ID50を計算した。
【0079】 BTO-956について正確なID50を確立するために、狭い濃度範囲をHMVECで試験
した(450nM〜50nM)。さらなる上限濃度10μMを用いて最大阻害を決定した。ベ
ースライン値を、化合物なしの培地を用いて決定した。ID50は、第3日に201 μMであると決定された。
【0080】
【表3】
【0081】実施例IV A.BTO-956は経口的に生物学的利用可能であり、最小の正常組織毒性を有する 1,000mg/kg‐日の高さの投与量で60〜80日間、ヌードマウスへのBTO-956の胃
管栄養法による投与は、肝臓および腎臓重量のわずかの一時的増加しか生じなか
った。他に著しい病状は観察されなかった。4,000mg/kg‐日のBTO-956の毎日の
投与を3週間で、死亡はみられなかった。抗増殖の化学療法剤の普通の毒性効果
は、骨髄幹細胞の枯渇によって引き起こされる骨髄抑制(myelosuppression)であ
るので、BTO-956が骨髄毒性を有し得る可能性を試験した。スイス ウェブスタ ー(Swiss Webster)マウスを、胃管栄養法により500 mg/kg‐日で4週間薬剤に 曝し、骨髄を組織学的に調べた。処理した動物の骨髄プロファイルは、担体賦形
剤にだけ曝した対照動物と異なっておらず、造血の異常性は見出されなかった。
成熟の種々の段階で、骨髄および赤血球の両方の系統が観察された。これらの結
果は、BTO-956の経口投与は6ヶ月間までの期間薬剤に曝した動物によってよく 許容され、治療投与量での毎日の投与1ヶ月後に、明らかな骨髄抑制活性はない
ことを証明する。予備的研究(示さず)は、BTO-956の治療的経口投与量が500〜
1,000 mg/kg‐日の範囲内にあることを示す。 B.BTO-956はヒト胸部および卵巣の癌の異種移植片に強い増殖遅延効果を有す る。
【0082】 MAD MB-231ヒト胸部癌の異種移植片を移植されたスイス NCrヌード(nu/nu) マウスのメスは、BTO-956での経口処理に強い増殖遅延応答を示した(図1)。 腹腔内投与したシクロホスファミド(CTX;サイトキサン(cytoxan);150mg/kg )(アジュバント胸部癌治療のための幾つかの治療プログラムで使用される)を
、正の対照として使用した。BTO-956で処理された群における腫瘍の増殖は治療 6週間中抑制され、一方、対照の賦形剤で処理された動物では、平均して約5倍
増加した(相対平均腫瘍体積;図1A)。BTO-956はまた、OVCAR-3ヒト卵巣癌異
種移植片の増殖の阻害においても有効であった(図1B)。MAD MB-231胸部腫瘍
の研究のために記載したのと同じスケジュールおよび投与量を用いて、ただし、
より短い研究継続期間では、BTO-956に曝した動物の5週間での相対平均腫瘍体 積は再び、賦形剤処理した対照より約5倍少なかった。この研究の2つの重要な
結論は、次のようである:(1) BTO-956は、経口投与したとき、細胞増殖抑制性 /細胞毒性の抗腫瘍薬剤として有効である;および(2) BTO-956は、非常に高い 経口投与の投与量でさえ本質的に無毒性である。 C.BTO-956は、MCF-7ヒト胸部癌細胞において有糸***抑止を誘発する。
【0083】 イン ビボ(in vivo)でのBTO-956の有意の抗腫瘍効果を証明したので、イン
ビトロ(in vitro)でのヒト胸部癌細胞に対するそれの細胞毒性を研究した。48時
間処理したMAD MB-231およびMCF-7細胞培養物におけるBTO-956のIC50(賦形剤
処理した対照に対して、細胞数の50%減少のための濃度)はそれぞれ、0.3μl および0.6μlであった。これらの細胞の核の形態学におけるBTO-956(1μで48
時間)の効果の研究は、有意の数が、枯死(apoptotic)細胞死の濃縮された、ま たは断片化された核の特徴を有することを証明した。BTO-956が、細胞周期を混 乱させることによってその細胞毒性を発揮するかどうかを試験するために、MCF-
7培養物を、1μMで24時間薬剤に曝した(図2)。これらの細胞の大部分が、前 中期抑止の染色体濃縮の特徴を示した(図2B)。この結論と一致して、MCF-7 細胞の、抗有糸***薬剤であるコルヒチン(1μM)での24時間の処理は、一致す
る染色体濃縮パターンを生じた(図2C)。1μM のBTO-956に48時間暴露後、MC
F-7細胞は、トリパンブルー排除アッセイによって測定した、膜の完全性の喪失 の基準に基づく、実質的な細胞毒性を示した。この結果は、上記した腫瘍増殖遅
延の研究の結果と一致し、BTO-956に誘発される細胞死が、ヒト胸部癌細胞培養 物における前中期抑止に続いて起こることを証明する。
【0084】 BTO-956により引き起こされる有糸***抑止をより詳細に研究するために、フ ローサイトメトリーを使用して、MCF-7細胞の細胞周期の進行への薬剤の効果を 測定した。これらの実験は、少なくとも60%のこれらの細胞が、1μM のBTO-956
での処理の24時間以内にG2/Mで抑止したことを示した。同じ結果が、同じ条 件下で薬剤に曝されたMAD MB-231細胞について得られた。これらの結果は、BTO-
956が、ヒト胸部癌細胞に、おそらく有糸***紡錘体アセンブリのチェックポイ ントを活性化することによって、G2/M細胞周期中間期に増大させることを証 明する。そのような抑止された細胞は、結局、枯死のメカニズムによって生じ得
る細胞死に至る。 D.BTO-956は、微小管力学を、イン ビトロおよび培養細胞の両方において阻 止する。
【0085】 微小管は、GTPと結合した、α‐およびβ‐チューブリン異種二量体(heterodi
mer)からなる主な細胞骨格成分である。抗有糸***薬剤例えばコルヒチン(ビン
カ(Vinca)アルカロイド)およびパクリタキセル(タキソール(Taxol)(商標))
は、チューブリンと直接結合し、紡錘体形成の阻害、次いで有糸***の抑止を引
き起こすことによって、GTP加水分解から生じる微小管の固有の力学的不安定性 を混乱させる。BTO-956暴露の抗有糸***効果は、チューブリン結合活性によっ て説明できるかどうかを決定するために、2つの研究が行われた。微小管アセン
ブリへの薬剤の効果を、ローダミンで標識したチューブリンおよびGTP存在下で の微小管種晶(seed)からの微小管形成の視覚化を含む、細胞を含まない蛍光アッ
セイ用いて直接に調べた。このアッセイにおいては、チューブリン結合剤の不在
下で、15μMのチューブリンが直ちに重合して、長い明るい微小管の糸を形成し (図3A)、それに対して、1μMのコルヒチンの存在下では、微小管形成は完 全に阻害された(図3B)。10μMのBTO-956の存在下で、同じ効果が観察された
(図3D)。1μMの濃度では、BTO-956はあまり効かないが、それにもかかわら ず、対照実験におけるそれらの賦形剤よりずっと短い構造を生成した(図3C)
。第2の研究においては、薬剤に曝されたときにまた有糸***を抑止するヒーラ
(HeLa)細胞を用いて、BTO-956の、細胞の微小管アセンブリを混乱させる能力を 調べた(図4)。図4は、10μMのBTO-956に1時間曝されたヒーラ細胞が、1μ
Mのコルヒチンに曝すことによって作られるものに似ている異常型の微小管網状 構造を有していたことを示す。一緒にすると、これらの研究結果は、BTO-956が 、抗有糸***薬剤であるコルヒチンと非常に類似して、イン ビトロで、かつ細
胞において、チューブリンと直接に相互作用して微小管形成を阻害することがで
きることを証明する。 E.BTO-956は、イン ビトロでチューブリンに結合するために、コルヒチンと 競争する。
【0086】 チューブリン結合抗有糸***薬剤は、種々の部位でタンパク質と相互作用する
。コルヒチンは単一の高親和性部位(コルヒチン結合部位)で、可溶性チューブ
リン異種二量体に結合して、動的に不活性な複合体を形成する。ビンブラスチン
は、コルヒチンの部位とは異なる、チューブリンの1つまたは2つの同一の高親
和性部位(ビンカ(Vinca)アルカロイド結合部位)に結合する。微小管アセンブ リへのBTO-956の効果が、チューブリン上の特定の部位によって媒介されるかど うかを決定するために、14C標識した薬剤の、精製したチューブリンへの結合に
ついてコルヒチンまたはビンブラスチンと競争する能力を、コルヒチンまたはビ
ンブラスチンの濃度の関数として測定した。図5は、コルヒチンが、BTO-956の チューブリンへの結合を阻害するのに対して、ビンブラスチンは効果がなかった
ことを証明する。この研究結果は、BTO-956が、イン ビトロでチューブリンの ビンカ(Vinca)アルカロイド高親和性結合部位ではなく、コルヒチンの部位と直 接または間接に相互作用することを示す。実施例V この実施例は、BTO-956が、リポ多糖で刺激されたネズミマクロファージにお けるサイトカインの発現を下方調節(downregulate)することができることを証明
する。以下は、式Iの化合物の、腫瘍壊死因子(TNF-α)の濃度を減らす能力を
測定するためのアッセイである。 A.細胞系 ネズミマクロファージPU5-1.8細胞系をアメリカン タイプ カルチャー コ レクション(American Type Culture Collection)(ATCC、ロックビル(Rockville
)、MD)から購入した。細胞を、100mMのピルビン酸ナトリウム、0.1mMの非必須 アミノ酸、2mMのグルタミンおよび5%ウシ胎児血清(ライフ テクノロジーズ(L
ife Technologies)、スタテンアイランド(Staten Island)、NY)を補ったDMEM培
地で増殖させた。細胞は、37℃で5%CO2‐95%空気の加湿雰囲気中に保持した
。細胞は、週に2回、フラスコの側面をしっかりとたたいて付着細胞を移動させ
ることによって動いた。付着していない細胞および付着した細胞の両方が動いた
。実験の24時間前に、指数関数的に増殖した細胞を、60mmの皿当たり4mlで、5x
105/mlにて接種した。試験化合物を、実験の最初に各皿に加えた1ml体積の培
地中に分配した。すべての皿を、37℃で5%CO2‐95%空気中で3時間インキュ
ベートした。 B.試薬 腫瘍壊死因子(TNF-α)cDNAを、ATCC(ロックビル(Rockville)、MD)から得 た。[α‐32P]-dCTP(250μCi)およびナイロン膜(ハイボンド(Hybond)N) は、アメルシャム(Amersham)(アーリントン ハイツ(Arlington Heights), II
)から得た。コルヒチン(対照として使用)は、シグマ ケミカル社(Sigma Che
mical Co.)(セントルイス(St. Louis)、MO)から購入した。大腸菌(Escheric
hia coli)からのリポ多糖(LPS)は、DIFCO ラボラトリーズ(Laboratories)(デ トロイト(Detroit)、MI)から購入した。すべてのプラスチック品は、VWRサイエ
ンティフィック プロダクツ(Scientific Products)(サンフランシスコ、CA) から得た。 C.ノーザンブロット 全RNAを、N.S.ワルエ(Waleh)、T.D.グラント(Grant)、B.J.マーフィー(Murphy
)、R.H.クレイマー(Kramer)およびR.M.サザランド(Sutherland)(1994)、「鱗 状細胞癌の球状物におけるインテグリンレセプターの選択的下方調節(Selective
downregulation of integrin receptors in spheroids of squamous cell carc
inoma)」、Cancer Res., 54:838-843に記載されたグアニジニウム‐塩化セシウ ム法によって分離した。5〜10μgの全RNAを、6%ホルムアルデヒドを含む1 %アガロースゲル中で電気泳動した。電気泳動後、ゲルを臭化エチジウムで染色
して、28Sおよび18S RNAの位置を視覚化した。次にRNAを、キャピラリーで吸い
取ることによって、ナイロン膜(アメルシャム(Amersham) ハイボンド(Hybond)N
)に移し、UV光にさらすことによってフィルターに固定した。アメリカン タイ
プ カルチャー コレクション(ATCC)から得たヒトTNF-αの32P標識したcDNA
配列を用いて、ブロットをプローブ化した(probed)。TNF-α cDNAは、イー コ リ(E. coli) MM294(ATCC 39894)におけるプラスミドpE4の1.1kb PstI断片で あった。50%ホルムアミド、5 X SSC、5 X デンハーツ溶液(Denhardt's solutio
n)、0.1%SDSおよび0.3mg/mlサケ***DNA中で、42℃にてハイブリッド化を行
った。フィルターを、室温にて15分間で、1 X SSC、0.1%SDSで2回、かつ55℃ で1時間で、0.1 X SSC、0.1%SDSで1回洗浄した。フィルターを、増感スクリ ーン(コロネックス ハイプラス(Coronex Hi-Plus))を用いて、−70℃にてX- 線フィルムにさらした。
【0087】 ビデオ濃度計(video densitometer)(アプライド イメージング コーポレー
ション(Applied Imaging Corporation)、サンタクララ(Santa Clara)、CA)を用
いて得た像を分析することによって、ハイブリッド化した帯域を定量した。フィ
ルム密度は、光学密度くさびを用いて補正した。 D.結果 PU5-1.8ネズミマクロファージの、LPS(100ng/ml)で3時間の処理は、ノ ーザンブロット分析により測定したTNF-αmRNAの濃度に有意の増加(>7倍)を
もたらした(図1参照)。10μM濃度で、BTO-956またはコルヒチンだけでの細胞
の処理は、TNF-αmRNA発現に効果がなかった。しかし、10μMのコルヒチンまた はBTO-956の、LPS処理した培養物への添加は、TNF-αmRNA蓄積の実質的減少をも
たらした。阻害の大きさはそれぞれ、コルヒチンについては68%、BTO-956につ いては61%であった。
【0088】 濃度‐効果の関係を確立するために、マクロファージを、刺激物LPSの存在下 で、種々の濃度のBTO-956に3時間さらした。図2は、BTO-956の濃度を増加させ
るとTNF-αmRNAの量が減退することを示す。最大の効果は、BTO-956の濃度10μM
で観察された。全RNAは、異なる濃度のBTO-956およびコルヒチンで処理した細胞
において無傷であり、これは、毒性が問題でなかったことを示唆する。
【0089】 結果は、ネズミマクロファージ細胞系PU5-1.8におけるTNF-αmRNAの発現を、1
0μMでBTO-956が部分的に抑制するが、完全には阻害しないことを示す。これは 、BTO-956が、微小管に依存するシグナリング経路に影響を及ぼすことによって 、LPS刺激された応答を下方調節することを示す。 この研究結果は、臨床的に興味あるものである。というのは、BTO-956は、LPS
が媒介する過度のTNF-α製造およびその望まない副作用を防ぐための新しい種類
の化合物として使用することができるからである。BTO-956が、経口的に動物に 投与されたときに、安全であり、良く容認される薬剤であることが示されたので
、このことは特に魅力的である。
【0090】 上記の記載は、説明するものであって、限定するものではないことを意図する
ことを理解すべきである。上記の記載を読めば、多くの実施態様が当業者に明ら
かであろう。したがって、本発明の範囲は、上記の記載に関して決められるべき
ではなく、それよりも、添付の請求の範囲に関して、そのような請求の範囲が権
利を有するのと等価の全範囲と共に、決められるべきである。すべての文献およ
び参考資料(特許出願および公開の公報を含む)の開示は、あらゆる目的のため
に参照することによって本明細書に組入れられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、BTO−956に露呈されたヌードマウス体内のMDA MB−23 1(A)及びOVCAR3(B)腫瘍の相対的腫瘍体積として、平均成長応答を
例示している。
【図2】 図2は、MCF−7乳癌細胞内でBTO−956が前中期停止を誘発すること
を例示している。
【図3】 図3は、BTO−956による in vitro 微小管集合の阻害を例示している。
【図4】 図4は、BTO−956による微小管網の分析を例示する。
【図5】 図5は、 in vitro でチューブリンに結合するため、BTO−956がコルヒ
チンと競合することを例示する。
【図6】 図6は、BTO−956がヒト血管内皮細胞の増殖を阻害することを例示して
いる。
【図7】 図7は、BTO−956が、TNF−αmRNA蓄積を低減することを例示し
ている。
【図8】 図8は、TNF−α遺伝子発現に対するBTO−956の異なる濃度の効果を
例示している。
【図9】 図9は、全RNAが、異なる濃度のBTO−956及びコルヒテンで処置され
た細胞内で無傷であったことを例示している。
【手続補正書】
【提出日】平成12年10月11日(2000.10.11)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【手続補正3】
【補正対象書類名】要約書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【要約】 本願発明は、不所望の血管形成を有効に阻害する方法に関する。より特に、本
願発明は、不所望の血管形成を示す病気の治療方法に、そして哺乳動物に対する
抗血管形成活性の付与に関する。他の局面においては、本願発明は、腫瘍壊死因
子αレベルの低下方法に関する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 27/02 A61P 27/02 29/00 29/00 101 101 35/00 35/00 43/00 43/00 111 111 (72)発明者 トゥーズ,ダニエル アメリカ合衆国,カリフォルニア 94025, メンロ パーク,エルム ストリート 104 (72)発明者 ヒーバート,チャールズ アメリカ合衆国,カリフォルニア 94089, サニーベイル,タスマン ドライブ 1085,アパートメント 819 (72)発明者 レイドルート,キース アール. アメリカ合衆国,カリフォルニア 94301, パロ アルト,フォレスト アベニュ 461 (72)発明者 ウォレイ,ネイヒッド アメリカ合衆国,カリフォルニア 94301, パロ アルト,エマーソン ストリート 2344 Fターム(参考) 4C076 AA19 AA95 CC04 CC10 CC14 CC18 CC27 FF32 FF34 4C206 AA01 AA02 DB15 MA01 MA04 MA44 NA13 NA14 ZA33 ZA36 ZA51 ZA89 ZA96 ZB11 ZB26 【要約の続き】

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織又は器官の中での血管形成を阻害する方法において、抗
    血管形成量の以下の式: 【化1】 という化学式をもつ化合物又はその薬学的に許容可能な塩と前記組織又は器官を
    接触させる段階を含んで成る方法であって、式中 − R1はC1−C6アルキルであり、 − R2,R3,R4及びR5は各々、水素、C1−C6アルキル、C2−C6−アル
    ケニル、C2−C6−アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキ
    シ、ハロゲン、NO2及びNH2 から成るグループの中から独立して選択されて おり、 − R6,R7,R8及びR9は各々、水素、C1−C6−アルキル、C2−C6−ア
    ルケニル、C2−C6−アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C6−アルコ
    キシ、ハロゲン、NO2及びNH2 から成るグループの中から独立して選択され ており、 − Xは、存在する場合、酸素、硫黄、−CH2−及びカルボキシから成るグ ループの中から選択されている、 前記血管形成阻害方法。
  2. 【請求項2】 − R1がメチル又はエチルであり − R2,R3,R4及びR5が各々、水素、C1−C4−アルキル、C2−C4−ア
    ルケニル、C2−C4−アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C4−アルコ
    キシ、ハロゲン、NO2及びNH2から成るグループの中から独立して選択されて
    おり、 − R6,R7は各々、水素、C1−C4−アルキル、C2−C4−アルケニル、C 2 −C4アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C4アルコキシ、ハロゲン、
    NO2及びNH2から成るグループの中から独立して選択され、 − R8及びR9がヨウ素であり、 − Xは、存在する場合、酸素、硫黄、−CH2−及びカルボキシから成るグ ループの中ら選択されている、 請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記化合物がメチル3,5−ジヨード−4−(4−メトキシ
    フェノキシ)ベンゾエートである、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記組織又は器官が哺乳動物の被験体内にある、請求項1に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記化合物が、賦形剤又は担体と共に薬学的に許容可能な形
    で配合される、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記化合物が、リポソームの中で配合されている、請求項1
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記リポソームが内皮細胞に特異的であるターゲッティング
    成分に接合されている、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 望ましくない無制御の血管形成に関連する哺乳動物の疾病を
    治療する方法であって、哺乳動物に、抗血管形成量の以下の式: 【化2】 という化学式をもつ化合物又はその薬学的に許容可能な塩を投与する段階を含ん
    で成る方法であって、式中、 − R1はC1−C6アルキルであり、 − R2,R3,R4及びR5は各々、水素、C1−C6−アルキル、C2−C6−ア
    ルケニル、C2−C6−アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C6−アルコ
    キシ、ハロゲン、NO2及びNH2 から成るグループの中から独立して選択され ており、 − R6,R7,R8及びR9は各々、水素、C1−C6−アルキル、C2−C6−ア
    ルケニル、C2−C6−アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C6−アルコ
    キシ、ハロゲン、NO2及びNH2 から成るグループの中から独立して選択され ており、 − Xは、存在する場合、酸素、硫黄、−CH2−及びカルボキシから成るグ ループの中から選択されている、 前記治療方法。
  9. 【請求項9】 − R1がメチル又はエチルであり − R2,R3,R4及びR5が各々、水素、C1−C4−アルキル、C2−C4−ア
    ルケニル、C2−C4−アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C4−アルコ
    キシ、ハロゲン、NO2及びNH2から成るグループの中から独立して選択されて
    おり、 − R6,R7は各々、水素、C1−C4−アルキル、C2−C4−アルケニル、C 2 −C4アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C4−アルコキシ、ハロゲン
    、NO2及びNH2から成るグループの中から独立して選択され、 − R8及びR9がヨウ素であり、 − Xは、存在する場合、酸素、硫黄、−CH2−及びカルボキシから成るグ ループの中ら選択されている、 請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記化合物がメチル3,5−ジヨード4−(4−メトキシ
    フェノキシ)ベンゾエートである、請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記哺乳動物疾患が、関節炎、アテローム硬化症プラーク
    、糖尿病性網膜症、血管新生緑内障、トラコーマ及び角膜移植片血管新生、乾癬
    、強皮症、血管腫、過形成性瘢痕、血管癒着、及び血管腺維腫から成るグループ
    の中から選択されたメンバーである、請求項8に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記望ましくない無制御の血管形成の阻害を組織生検によ
    って見極める段階をさらに含む、請求項8に記載の方法。
  13. 【請求項13】 内皮細胞の血管新生を阻害する方法において、前記内皮細
    胞を含む組織又は器官を、抗血管形成量の以下の式: 【化3】 という化学式をもつ化合物又はその薬学的に許容可能な塩と接触させる段階を含
    む方法であって、式中、 − R1はC1−C6−アルキルであり、 − R2,R3,R4及びR5は各々、水素、C1−C6アルキル、C2−C6−アル
    ケニル、C2−C6−アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキ
    シ、ハロゲン、NO2及びNH2 から成るグループの中から独立して選択されて おり、 − R6,R7,R8及びR9は各々、水素、C1−C6−アルキル、C2−C6−ア
    ルケニル、C2−C6−アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C6−アルコ
    キシ、ハロゲン、NO2及びNH2 から成るグループの中から独立して選択され ており − Xは、存在する場合、酸素、硫黄、−CH2−及びカルボキシから成るグ ループの中から選択されている、 内皮細胞血管新生阻害方法。
  14. 【請求項14】 − R1がメチル又はエチルであり − R2,R3,R4及びR5が各々、水素、C1−C4−アルキル、C2−C4−ア
    ルケニル、C2−C4−アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C4−アルコ
    キシ、ハロゲン、NO2及びNH2から成るグループの中から独立して選択されて
    おり、 − R6,R7は各々、水素、C1−C4−アルキル、C2−C4−アルケニル、C 2 −C4−アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C4アルコキシ、ハロゲン
    、NO2及びNH2から成るグループの中から独立して選択され、 − R8及びR9がヨウ素であり、 − Xは、存在する場合、酸素、、硫黄、−CH2−及びカルボキシから成る グループの中ら選択されている、 請求項8に記載の方法。
  15. 【請求項15】 化合物がメチル3,5−ジヨード4−(4−メトキシフェ
    ノキシ)ベンゾエートである、請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 内皮血管新生が非癌性組織又は器官内のことである、請求
    項13に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記化合物が、リポソームの中に配合され、前記リポソー
    ムが内皮細胞に特異的であるターゲッティング成分に接合されている、請求項1
    3に記載の方法。
  18. 【請求項18】 哺乳動物体内での腫瘍の成長を阻害する方法において、 (a) 前記哺乳動物に対し、抗血管形成量の以下の式: 【化4】 という化学式をもつ化合物又はその薬学的に許容可能な塩を投与する段階であっ
    て、式中、 − R1はC1−C6アルキルであり、 − R2,R3,R4及びR5は各々、水素、C1−C6−アルキル、C2−C6−ア
    ルケニル、C2−C6−アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C6−アルコ
    キシ、ハロゲン、NO2及びNH2 から成るグループの中から独立して選択され ており、 − R6,R7,R8及びR9は各々、水素、C1−C6−アルキル、C2−C6−ア
    ルケニル、C2−C6−アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C6−アルコ
    キシ、ハロゲン、NO2及びNH2 から成るグループの中から独立して選択され ており、 − Xは、存在する場合、酸素、硫黄、−CH2−及びカルボキシから成るグ ループの中から選択されている段階、及び (b) 前記腫瘍の血管新生を組織学的に観察し、かくして腫瘍の成長の阻害
    を見極める段階、 を含んで成る方法。
  19. 【請求項19】 前記哺乳動物に対する前記投与が免疫療法と合わせて実施
    される、請求項18に記載の哺乳動物内の腫瘍の成長を阻害する方法。
  20. 【請求項20】 前記哺乳動物に対して腫瘍ワクチンを投与する段階をさら
    に含む、請求項19に記載の哺乳動物体内の腫瘍の成長を阻害する方法。
  21. 【請求項21】 細胞により産生された腫瘍壊死因子α(TNF−α)のレ
    ベルを低減させるための方法において、以下の式: 【化5】 という化学式をもつ化合物又はその薬学的に受容可能な塩と前記細胞を接触させ
    る段階を含んで成る方法であって、式中 − R1はC1−C6アルキルであり、 − R2,R3,R4及びR5は各々、水素、C1−C6アルキル、C2−C6−アル
    ケニル、C2−C6−アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキ
    シ、ハロゲン、NO2及びNH2 から成るグループの中から独立して選択されて おり、 − R6,R7,R8及びR9は各々、水素、C1−C6−アルキル、C2−C6−ア
    ルケニル、C2−C6−アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C6−アルコ
    キシ、ハロゲン、NO2及びNH2 から成るグループの中から独立して選択され ており − Xは、存在する場合、酸素、硫黄、−CH2−及びカルボキシから成るグ ループの中から選択されている、 細胞壊死因子レベル低減方法。
  22. 【請求項22】 化合物がメチル3,5−ジヨード4−(4−メトキシフェ
    ノキシ)ベンゾエートである、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記化合物が、リポソームの中で製剤されている、請求項
    21に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記化合物がリポソームの中で製剤されており、このリポ
    ソームは、腫瘍壊死因子α(TNF−α)又は前記腫瘍壊死因子αに対するレセ
    プタに特異的なものであるターゲッティング成分に接合されている、請求項21
    に記載の方法。
  25. 【請求項25】 炎症性疾患を治療するための方法において、治療上有効な
    量の、以下の式: 【化6】 という化学式をもつ化合物又はその薬学的に受容可能な塩を含んで成る方法であ
    って、式中 − R1はC1−C6アルキルであり、 − R2,R3,R4及びR5は各々、水素、C1−C6−アルキル、C2−C6−ア
    ルケニル、C2−C6−アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C6アルコキ
    シ、ハロゲン、NO2及びNH2 から成るグループの中から独立して選択されて おり、 − R6,R7,R8及びR9は各々、水素、C1−C6−アルキル、C2−C6−ア
    ルケニル、C2−C6−アルキニル、アリール、ヒドロキシル、C1−C6−アルコ
    キシ、ハロゲン、NO2及びNH2 から成るグループの中から独立して選択され ており − Xは、存在する場合、酸素、硫黄、−CH2−及びカルボキシから成るグ ループの中から選択されている、 炎症性疾患治療方法。
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