JP2002374179A - 干渉信号除去装置 - Google Patents

干渉信号除去装置

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JP2002374179A
JP2002374179A JP2001177675A JP2001177675A JP2002374179A JP 2002374179 A JP2002374179 A JP 2002374179A JP 2001177675 A JP2001177675 A JP 2001177675A JP 2001177675 A JP2001177675 A JP 2001177675A JP 2002374179 A JP2002374179 A JP 2002374179A
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Japan
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interference signal
signal
interference
estimation
received
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JP2001177675A
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Masatoshi Takada
昌敏 高田
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Hitachi Kokusai Electric Inc
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  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 時間の経過に応じて繰り返して出現する例え
ば周期的な干渉信号を受信信号から効率的に除去する干
渉信号除去装置を提供する。 【解決手段】 干渉信号推定手段1が受信信号r(t)
及び受信信号から干渉信号を除去した結果e(t)に基
づいて受信信号r(t)に含まれる干渉信号を推定し、
干渉信号抽出手段2や合成器3から成る干渉信号除去手
段が干渉信号推定手段1により推定された干渉信号V
(t)を受信信号r(t)から除去し、この場合に、記
憶素子4やタイミング制御手段5から成る干渉信号推定
制御手段が干渉信号推定手段1の干渉信号推定結果を記
憶し、記憶した過去の干渉信号推定結果に基づいて受信
信号r(t)に含まれる干渉信号を推定するように干渉
信号推定手段1による干渉信号推定を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば受信電力レ
ベルが周期的に変化するような狭帯域干渉信号と希望の
広帯域信号とを含む受信信号から当該狭帯域干渉信号を
除去する干渉信号除去装置などに関し、特に、効率的な
干渉信号除去を実現する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば受信機により受信する受信信号に
は、受信を希望する信号(希望信号)と共に、当該希望
信号に干渉してしまう信号(干渉信号)が含まれる場合
がある。まず、IEEE802.11の無線LAN(Lo
cal Area Network)を例として、広帯域の希望信号と狭
帯域の干渉信号に関して説明する。
【0003】なお、「広帯域」や「狭帯域」という語は
相対的な意味で用いられており、具体的には、狭帯域干
渉信号の占有帯域幅と比較して十分にその占有帯域幅が
広い信号のことを広帯域信号と言い、例えば狭帯域干渉
信号の占有帯域幅の10倍以上の占有帯域幅を有する信
号のことを広帯域信号と言う。一例として、ここで説明
する無線LANでは、広帯域信号の占有帯域幅が例えば
26MHz(1波当たりの周波数)であり、狭帯域信号
の占有帯域幅が例えば2MHz(1波当たりの周波数)
である。
【0004】IEEE802.11の無線LANでは、
大別すると、直接拡散(DSSS:Direct Sequence Sp
read Spectrum)方式と周波数ホッピング(FHSS:F
requency Hopping Spread Spectrum)方式とが用いられ
ており、これらの変調波の違いから、DSSS方式によ
る信号を広帯域信号とみなす一方、FHSS方式による
信号を狭帯域信号とみなすことができる。そして、両方
式では同じ周波数帯域を使用して無線通信を行ってお
り、システム的に互いの干渉を許しているので、当然の
ことながら両方式による信号同士で干渉が発生する。
【0005】ここで、DSSS方式は、狭帯域の信号を
周波数拡散により広帯域の信号として通信(送信)を行
い、受信側では復調過程で当該信号を元の狭帯域の信号
に戻す通信方式である。このため、DSSS方式では、
受信信号に含まれる狭帯域干渉信号が復調過程で広帯域
信号に拡散されることにより、当該干渉信号を抑圧する
ことができる。このような拡散の前後の比率を拡散率と
言い、例えば拡散率が128である場合には約21dB
(正確には、10LOG128)の利得が得られること
になる。
【0006】一方、FHSS方式は、狭帯域の信号を、
特定時間毎にその送信周波数を変化させることにより広
帯域を利用して、通信する方式である。このため、FH
SS方式では、特定の時間を固定して見た場合の占有帯
域幅は例えば2MHzと狭くなり、DSSS方式の当該
帯域当たりの電力が相対的に低くなることから、FHS
S方式を採用した受信機の受信フィルタにより干渉の影
響を抑えることができる。
【0007】また、FHSS方式では、例えば別の通信
機が異なるホッピングパターンのFHSS方式により信
号の通信を行っている場合においても、同一の周波数を
同一の時刻に使用してしまう確率は低いため、これらの
間での干渉はほとんど問題とはならない。更に、FHS
S方式では、DSSS方式と比べて広い帯域を利用して
周波数ホッピングを行うことができるため、DSSS方
式から強い干渉が発生した場合においても、干渉を受け
ていない周波数帯域で信号受信を行うことが可能であ
る。
【0008】しかしながら、上記したDSSS方式で
は、信号伝送速度を高速にするために拡散率を下げる場
合がある。具体例として、拡散率が11に下げられた場
合には利得が約10dB(正確には、10LOG11)
に下がってしまい、また、それ以下の拡散率では更に利
得が低下してしまい、干渉信号の抑圧効果が得られなく
なってしまうことがある。また、例えばFHSS方式を
利用したBluetooth(ショートレンジモバイル
サービス)等の規格が携帯機器間の無線インタフェース
として広く使われ始めていることから、DSSS方式に
よる信号が干渉を受けてしまう確率が高まっている。
【0009】また、他の例として、W−CDMA(Wide
band-Code Division Multiple Access)方式の通信信号
とPHS(Personal Handy phone System)方式の通信
信号との間で隣接周波数帯域における干渉が発生してし
まうことや、2.4GHz帯の無線LAN(IEEE8
02.11)の広帯域信号とBluetoothの狭帯
域信号との間で干渉が発生してしまうことや、CDMA
方式の通信信号とTDMA(Time Division Multiple A
ccess)方式やFDMA(Frequency DivisionMultiple
Access)方式の通信信号との間で周波数帯域の共用によ
る干渉が発生してしまうことや、予期せぬ外来波との干
渉が発生してしまうこと等が考えられる。
【0010】なお、上記のような干渉を除去する技術と
して、従来より、適応アルゴリズムを用いた干渉信号の
除去方法や、ノッチフィルタ等のフィルタを用いた干渉
信号の除去方法などが検討等されている。一例として、
「周波数帯域を共用するDS−CDMA/TDMA信号
一括受信機への複素マルチレートフィルタバンクの応用
(電子情報通信学会論文誌B−II Vol.J80−
BII No12 1997年12月)」には、マルチ
レートフィルタバンクを用いたノッチフィルタにより、
広帯域信号に干渉した狭帯域信号を除去する技術が記載
されている。
【0011】次に、従来例に係る干渉信号除去装置の一
例を示す。なお、干渉信号除去装置は例えば無線通信を
行う受信機に設けられ、当該受信機により受信される信
号に含まれる干渉信号を除去する。図10には、干渉信
号除去装置の一例を示してあり、この装置には、干渉信
号推定部31と、干渉信号抽出部32と、合成器33と
が備えられている。なお、ここで、tは時刻を示す。
【0012】干渉信号推定部31は、広帯域の希望信号
と複数の狭帯域の干渉信号とが合成された受信信号r
(t)及び干渉除去後の受信信号e(t)を入力して、
一般的な適応アルゴリズムを用いて当該受信信号r
(t)に含まれる干渉信号を推定し、当該推定結果に基
づく干渉信号推定係数h(t+1)を干渉信号抽出部3
2へ出力する。干渉信号抽出部32は、受信信号r
(t)を入力して、干渉信号推定部31から入力される
干渉信号推定係数h(t+1)に基づいて当該受信信号
r(t)から干渉信号(とみなされるもの)V(t)を
抽出し、当該干渉信号V(t)を合成器33へ出力す
る。
【0013】合成器33は、受信信号r(t)と干渉信
号抽出部32からの干渉信号V(t)とを逆位相で(つ
まり、干渉信号V(t)が受信信号r(t)から除去さ
れるように)合成して、干渉信号V(t)が除去された
後の受信信号e(t)を出力する。なお、合成器33か
ら出力される干渉除去後の受信信号e(t)の一部は上
記した干渉信号推定部31に入力されて、干渉信号の推
定に用いられる。
【0014】次に、CDMA方式や、CDMA方式にお
ける干渉信号除去装置の例を示す。例えばDS−CDM
A方式を用いた移動通信システムでは、各移動局装置に
異なる拡散符号を割り当てることで複数の移動局装置と
基地局装置との多重通信を実現している。具体的には、
各移動局装置では送信対象となる信号を自己に割り当て
られた拡散符号により拡散変調して送信する一方、基地
局装置では各移動局装置に割り当てられた拡散符号を用
いて受信信号を逆拡散することで希望の移動局装置から
の信号を復調する。また、同様に、移動局装置では基地
局装置からの受信信号を自己に割り当てられた拡散符号
により逆拡散することで自己宛の信号を復調する。
【0015】図11には、例えばPN(疑似雑音信号)
系列から構成された拡散符号系列の一例を示してある。
同図に示されるように、1単位(1シンボル分)の拡散
符号は複数のチップデータ(例えば”1”値と”−1”
値の並び)から構成されており、このチップデータの並
びのパターンを異ならせることにより複数の異なる拡散
符号を生成することができる。ここで、拡散符号は、例
えば或る拡散符号を1チップ時間以上ずらすと当該拡散
符号との相関がなくなるといった特性を有している。
【0016】また、同図には、1つのチップデータの時
間幅(チップ区間Tc)と1シンボル分の拡散符号の時
間幅(ビット区間T)とを示してある。ここで、1シン
ボル分の拡散符号の時間幅は、送信機(例えば移動局装
置や基地局装置)から受信機(例えば基地局装置や移動
局装置)へ送信する送信データ(例えば”1”値と”
0”値)の時間幅と対応している。すなわち、拡散符号
を構成するチップデータの変化速度は、当該拡散符号に
より拡散変調される送信データの切換速度(シンボル切
換速度)に比べて非常に速い速度となっている。
【0017】上述のように、このような無線通信では、
周波数の利用を許可されて通信に用いている広帯域の周
波数帯域内に、意図に反して他の(すなわち、CDMA
方式以外の)狭帯域信号等が入り混じって干渉を生じさ
せてしまう場合がある。このような干渉信号が例えばシ
ステム設計時に想定していた雑音等による妨害の程度よ
り大きい場合には、ビット誤りが増大して、受信機での
受信品質が著しく劣化してしまうことが生じる。
【0018】また、上述のように、例えば周波数帯域の
有効利用を目的として、CDMA方式のように比較的広
い周波数帯域を用いて通信する方式とFM(周波数変
調)方式等のように狭帯域を用いて通信する方式とによ
り多重通信を実現することも考えられる。具体的には、
例えばCDMA方式による拡散信号の周波数帯域にFM
方式等のアナログ通信方式による信号を多重して周波数
帯域の有効利用を図ることが原理的には可能である。し
かしながら、もしもCDMA受信機が受信信号からFM
方式等による信号を除去できないとすると、当該信号と
拡散信号とが互いに干渉してしまうため、ビット誤りが
増加し、受信品質の劣化を招いてしまう。
【0019】なお、図12には、CDMA方式による拡
散信号(CDMA信号)とFM方式による信号(FM干
渉波)とを含む受信信号のスペクトルの一例を示してあ
り、横軸は周波数を示し、縦軸はスペクトル強度を示し
ている。
【0020】以下で、図13〜図17を参照して、例え
ば特願平11−197296号公報に記載された干渉信
号除去装置(干渉除去回路)の例を示す。なお、この文
献に記載された干渉信号除去装置は、例えばCDMA方
式を採用する基地局装置や移動局装置や中継局装置等に
設けられ、CDMA方式により拡散変調された広帯域の
拡散信号と狭帯域の干渉信号とを含む受信信号や受信信
号のI成分及びQ成分から当該干渉信号を除去するもの
であり、特に、拡散信号の特性を利用して干渉信号を除
去するものである。
【0021】図13には、CDMA信号(希望信号)と
FM信号(干渉信号)とを含む受信信号を入力して、当
該入力信号r(t)から当該FM信号を除去する干渉信
号除去装置の一例を示してある。この干渉信号除去装置
では、CDMA方式により拡散変調された拡散信号と干
渉信号とを含む受信信号から当該干渉信号を除去するに
際して、時間差手段41が受信信号を分配して得られる
2つの信号間に拡散符号の1チップ分以上の時間差を与
え、抽出手段42、44が時間差を与えた2つの信号間
で相関のある信号成分を干渉信号成分として抽出し、除
去手段43が抽出した干渉信号成分を受信信号から除去
する。
【0022】具体的には、同図に示した干渉除去装置に
は、受信信号を遅延させる遅延素子41と、後述するフ
ィルタタップ係数演算制御部44からのタップ係数制御
信号に従って遅延した受信信号から干渉信号成分を抽出
する適応フィルタ42と、受信信号から当該干渉信号成
分を除去する減算器43と、減算器43からの出力信号
と遅延した受信信号とに基づくタップ係数制御信号を適
応フィルタ42へ出力するフィルタタップ係数演算制御
部44とが備えられている。
【0023】同図に示した回路の構成例及び動作例を説
明する。この回路には受信機により受信した信号r
(t)が入力され、この入力信号r(t)には、例えば
CDMA方式により拡散変調された拡散信号と狭帯域を
用いた通信方式による干渉信号(例えばFM変調信号)
が含まれている。ここで、tは時刻を示しており、本例
では1サンプル時間を最小単位とする整数の離散値であ
るとする。
【0024】上記した入力信号r(t)は、まず2つの
信号に分配されて、一方の信号が遅延素子41に入力さ
れる一方、他方の信号が減算器43に入力される。遅延
素子41は入力した信号を拡散符号の1チップ分の時間
幅以上遅延させて出力する機能を有している。なお、こ
の時間差としては、例えば当該2つの信号間で拡散信号
の相関成分をなくすことができ、且つ、除去しようとす
る干渉信号の相関成分を残すことができる程度の値に予
め設定されている。
【0025】具体的には、遅延素子41から出力される
信号はr(t−τ)と表され、ここで、τは遅延素子4
1により与えられる遅延時間である。遅延素子41から
出力される信号r(t−τ)は適応フィルタ42及びフ
ィルタタップ係数演算制御部44に入力される。
【0026】ここで、図14には、適応フィルタ42の
構成例を示してある。同図に示した適応フィルタ42に
は、例えば直列に並べられた(n−1)個の記憶素子S
1〜Sn-1から構成されるシフトレジスタと、n個の乗算
器J1〜Jnと、(n−1)個の加算器K1〜Kn-1とが備
えられている。なお、nはフィルタタップ数である。
【0027】シフトレジスタには遅延素子41から出力
される信号r(t−τ)が入力され、この信号が複数の
記憶素子S1〜Sn-1に時系列的に格納される。また、各
記憶素子S1〜Sn-1に格納される信号は順次後続する記
憶素子へシフトされていく。具体的に、例えばシフトレ
ジスタに入力される信号r(t−τ)の当該シフトレジ
スタ内における系列u(t)は式1で示される。ここ
で、u(t)はベクトルである。なお、本明細書では、
信号等を表すものとして用いる記号がベクトルである旨
や行列である旨を示さない場合には、当該記号はスカラ
ーであるとする。
【0028】
【数1】
【0029】ここで、信号r1は或る時刻にシフトレジ
スタに入力される信号であり、いずれの記憶素子S1〜
Sn-1も通過せずに乗算器J1へ出力される信号である。
また、信号r2〜rnはそれぞれ当該時刻に各記憶素子
S1〜Sn-1から出力される信号であり、それぞれ各乗算
器J2〜Jnへ出力される信号である。
【0030】各乗算器J1〜Jnにはそれぞれ上記した各
信号r1〜rnが入力されるとともに、後述するフィル
タタップ係数演算制御部44からの各タップ係数制御信
号h1〜hnが入力され、各乗算器J1〜Jnでは入力し
た2つの信号を乗算して(すなわち、各信号r1〜rn
を各タップ係数制御信号h1〜hnで重み付けして)当
該乗算結果を加算器K1〜Kn-1へ出力する。ここで、フ
ィルタタップ係数演算制御部44から出力されるフィル
タタップ係数系列h(t)は式2で示される。なお、h
(t)はベクトルである。
【0031】
【数2】
【0032】また、各乗算器J1〜Jnから出力される乗
算結果は加算器K1〜Kn-1により総和され、当該総和結
果が適応フィルタ42から出力される。ここで、後述す
るように本例のフィルタタップ係数系列h(t)は、当
該総和結果が受信信号中に含まれる干渉信号成分と同じ
信号となるように、フィルタタップ係数演算制御部44
により逐次更新される。具体的に、適応フィルタ42か
ら出力される信号(すなわち、上記した総和結果)FM
(t)は式3で示される。ここで、式3中のΣは和を表
している。
【0033】
【数3】
【0034】なお、本明細書で用いる記号“*”は、当
該記号の前後に配置される記号同士の乗算を示し、特
に、ベクトル同士の乗算は、2つのベクトルの内積値を
算出する演算を表している。
【0035】上記のようにして適応フィルタ42では、
フィルタタップ係数演算制御部44からのタップ係数制
御信号に応じて、入力した遅延信号r(t−τ)から上
記した干渉信号成分を抽出し、干渉波抽出信号FM
(t)として減算器43へ出力する。
【0036】減算器43は遅延していない入力信号r
(t)と適応フィルタ42からの出力信号FM(t)と
を入力し、当該入力信号r(t)から当該出力信号FM
(t)を減算して当該減算結果e(t)を出力する機能
を有している。ここで、上記した減算結果e(t)は本
例の干渉信号除去装置から出力される信号であり、式4
で示される。
【0037】
【数4】
【0038】本例では、後述するフィルタタップ係数演
算制御部44からのタップ係数制御信号が逐次更新され
ることで、上記した干渉波抽出信号FM(t)が受信信
号中の干渉信号と同じ信号となるため、上記した減算結
果e(t)は受信信号から当該干渉信号を除去した信
号、すなわちCDMA方式による拡散信号(理想的に
は、当該拡散信号のみ)となる。
【0039】フィルタタップ係数演算制御部44には遅
延素子41から出力される信号r(t−τ)と減算器4
3から出力される信号e(t)とが入力され、フィルタ
タップ係数演算制御部44はこれらの信号を用いて、適
応フィルタ42から出力される信号FM(t)が干渉信
号成分と同じ信号になるようなタップ係数制御信号を演
算し、演算したタップ係数制御信号を適応フィルタ42
へ出力する機能を有している。
【0040】本例のフィルタタップ係数演算制御部44
では例えばLMS(Least Mean Square)やRLS(Rec
ursive Least Square)等のアルゴリズムを用いて上記
したタップ係数制御信号を演算することができ、本例で
は一例として、LMSアルゴリズムを用いた場合を説明
し、また、RLSアルゴリズムを用いた場合についても
後述する。まず、LMSの一般式を説明する。LMSの
更新式は一般に式5で示される。
【0041】
【数5】
【0042】ここで、h(t)は時刻tにおけるフィル
タタップ係数系列であり、μは収束の時間や精度に関係
する係数(重み付け係数)であるステップサイズパラメ
ータであり、e(t)は時刻tにおけるエラー信号であ
り、u(t)は時刻tにおける入力信号系列である。ま
た、上記したエラー信号e(t)は一般には式6で示さ
れる。
【0043】
【数6】
【0044】ここで、d(t)は通常ユニークワードや
トレーニング信号と呼ばれるものであり、送信側と受信
側とで予め定められた既知の信号が用いられる。上記式
5や上記式6を用いた演算アルゴリズムでは、フィルタ
タップ係数系列を逐次更新することで、エラー信号e
(t)を0に収束させることができる。
【0045】次に、上記のLMSアルゴリズムを本例に
当てはめた場合を説明する。上記した式5を本例の場合
に当てはめると、h(t)はフィルタタップ係数演算制
御部44から適応フィルタ42へ出力されるフィルタタ
ップ係数系列であり、u(t)は遅延素子41からフィ
ルタタップ係数演算制御部44へ出力される信号系列
(上記式1に示したもの)である。また、本例では、上
記したエラー信号e(t)として減算器43から出力さ
れる信号(上記式4に示したもの)を用いており、これ
が本例の干渉除去回路における特徴点となっており、通
常のLMSアルゴリズムとは異なる処理となっている。
【0046】まず、仮に、遅延素子41が備えられてい
ない場合を考えると、上記した演算アルゴリズムはエラ
ー信号e(t)を0に近づけるため、減算器43から出
力される信号e(t)は0に収束し、受信信号中の干渉
信号ばかりでなくCDMA方式による拡散信号までをも
除去するフィルタタップ係数系列h(t)が生成されて
しまう。
【0047】一方、本例では上記した遅延素子41が備
えられているため、遅延素子41からフィルタタップ係
数演算制御部44に入力される信号r(t−τ)と減算
器43を介してフィルタタップ係数演算制御部44に入
力される信号e(t)との間には遅延時間τの時間差が
ある。
【0048】ここで、例えばCDMA方式による拡散信
号r(t)と当該信号に比べて1チップ時間以上遅延し
た拡散信号r(t−τ)とは無相関の信号となるため、
上記した演算アルゴリズムではエラー信号e(t)を0
に収束させようとする場合に、u(t)の拡散信号成分
はr(t)と無相関になっていることから誤差e(t)
となって残る。つまり、上記式4において、入力信号系
列u(t)を加え続けると拡散信号成分の影響は理論的
に0となるため、当該拡散信号成分が除去されずに誤差
e(t)となって残ることになる。一方、チップデータ
に比べて時間的に緩やかに変動する干渉信号成分は例え
ば数チップ時間程度の遅延があっても相関を有するた
め、当該干渉信号成分のみを受信信号から除去すること
ができるフィルタタップ係数系列h(t)が生成され
る。
【0049】すなわち、本例に適用した上記の演算アル
ゴリズムでは、u(t)とe(t)とで相関のある成分
(すなわち、干渉信号成分)を適応フィルタ42からの
出力信号中に残す一方、相関のない成分(すなわち、拡
散信号成分)については適応フィルタ42からの出力信
号中に残さないようなフィルタタップ係数系列h(t)
を生成することができる。このような演算アルゴリズム
により、本例の適応フィルタ42では受信信号中の干渉
信号成分のみを抽出して減算器43へ出力することがで
き、減算器43では受信信号から干渉信号成分のみを除
去した信号(すなわち、CDMA方式による拡散信号)
を出力することができる。
【0050】以上のように、上記図13に示した干渉信
号除去装置では、拡散信号の特性を利用することで、C
DMA方式により拡散変調された広帯域の拡散信号と狭
帯域の干渉信号とを含む受信信号から当該干渉信号を適
応的に除去することができ、これにより、受信品質の劣
化を防ぎ、受信品質を向上させることができる。
【0051】なお、上記図13では、減算器43から出
力される信号を遅延させない構成を示したが、例えば図
15に示すように減算器53に入力される受信信号を遅
延素子51により遅延させる一方、適応フィルタ52や
フィルタタップ係数演算制御部54に入力される受信信
号を遅延させないような構成によっても上記と同様な効
果を得ることができる。ここで、図15に示した構成
は、遅延素子51が減算器53側に備えられているとい
った点を除いては、上記図13に示した構成とほぼ同様
である。
【0052】また、上記したLMSアルゴリズム以外の
アルゴリズムを用いて上記と同様な干渉除去の効果を得
ることもでき、一例として、上記図13に示した構成に
おいてRLSアルゴリズムを用いた場合の更新式の具体
例を示しておく。なお、以下では、説明の便宜上から、
上記したu(t)やh(t)やe(t)やd(t)やr
(t)に相当するものについては同じ符号を用いて示
す。
【0053】例えば、上記式1で示したu(t)と同様
な成分から成るn行1列のベクトルを入力系列u(t)
とし、上記式2で示したh(t)と同様にn個のフィル
タタップ係数から成るn行1列のベクトルをフィルタタ
ップ係数系列h(t)とする。また、上記式6に示した
エラー信号e(t)に相当するものとして、RLSにお
けるエラー信号e(t)は式7で示される。なお、uT
(t)はu(t)を転置したものを示す。
【0054】
【数7】
【0055】ここで、本例では、d(t)としては例え
ば減算器43に入力される受信信号r(t)が用いら
れ、また、上記式7中のuT(t)*h(t)が適応フ
ィルタ42から出力される干渉波抽出信号に相当する。
すなわち、上記したLMSアルゴリズムを用いた場合と
同様に、上記式7に示したエラー信号e(t)としては
減算器43から出力される信号が用いられ、これが本例
の特徴点となっている。なお、上記したLMSアルゴリ
ズムを用いた場合と同様に、遅延素子41が備えられて
いない場合にはエラー信号e(t)は0に収束する。
【0056】また、例えばn行n列の行列である係数誤
差相関行列P(t)及びn行1列のベクトルであるゲイ
ンベクトルk(t)を用いて、RLSの更新式は式8〜
式10で示される。
【0057】
【数8】
【0058】
【数9】
【0059】
【数10】
【0060】また、上記したフィルタタップ係数系列h
(t)の初期値h(0)としては例えば式11に示すよ
うにゼロベクトルが用いられ、上記した係数誤差相関行
列P(t)の初期値P(0)としては例えば式12に示
すように行数と列数とが一致する対角要素が全て正の実
数cであってそれ以外の要素が0である行列が用いられ
る。なお、hT(0)はh(0)を転置したものを示
す。また、式12中のIは行数と列数とが一致する対角
要素が全て1であってそれ以外の要素が0であるn行n
列の行列を示す。
【0061】
【数11】
【0062】
【数12】
【0063】以上に示したRLSの更新式に従ってフィ
ルタタップ係数演算制御部44がフィルタタップ係数系
列h(t)を順次更新することで、例えば上記したLM
Sアルゴリズムを用いた場合と同様に、適応フィルタ4
2から出力される信号を次第に実際の干渉信号成分に近
づけることができ、これにより、CDMA方式により拡
散変調された広帯域の拡散信号と狭帯域の干渉信号とを
含む受信信号から当該干渉信号を除去することができ
る。
【0064】次に、図16には、CDMA信号(希望信
号)とFM信号(干渉信号)とを含む受信信号のI成分
及びQ成分を入力して、当該I成分rI(t)及び当該
Q成分rQ(t)から当該FM信号を除去する干渉信号
除去装置の一例を示してある。この干渉信号除去装置で
は、CDMA方式により拡散変調された拡散信号と干渉
信号とを含む受信信号のI成分及びQ成分から当該干渉
信号を除去するに際して、時間差手段61a、61bが
I成分を分配して得られる2つの信号間及びQ成分を分
配して得られる2つの信号間に拡散符号の1チップ分以
上の時間差を与え、抽出手段62a、62b、63a、
63bが時間差を与えた一方のI成分及びQ成分から成
る受信信号と他方のI成分及びQ成分から成る受信信号
との間で相関のある信号成分を干渉信号成分として当該
干渉信号成分のI成分及びQ成分を抽出し、除去手段6
4a、64b、65a、65bが抽出した干渉信号成分
のI成分を受信信号のI成分から除去するとともに抽出
した干渉信号成分のQ成分を受信信号のQ成分から除去
する。
【0065】具体的には、同図に示した干渉信号除去装
置には、受信信号から直交検波されたI相の信号(I成
分)を遅延させる遅延素子61aと、受信信号から直交
検波されたQ相の信号(Q成分)を遅延させる遅延素子
61bと、後述するフィルタタップ係数演算制御部66
からのタップ係数制御信号に従って遅延したI成分やQ
成分から干渉信号成分を抽出する4つの適応フィルタ6
2a、62b、63a、63bと、干渉信号成分のI成
分を加算する加算器64aと、干渉信号成分のQ成分を
加算する加算器64bと、受信信号のI成分から干渉信
号成分のI成分を除去する減算器65aと、受信信号の
Q成分から干渉信号成分のQ成分を除去する減算器65
bと、減算器65a、65bからの出力信号と遅延した
受信信号のI成分及びQ成分とに基づくタップ係数制御
信号を適応フィルタ62a、62b、62a、62bへ
出力するフィルタタップ係数演算制御部66とが備えら
れている。
【0066】同図に示した回路の構成例及び動作例を説
明する。この回路には受信機により受信信号から直交検
波されたI成分rI(t)及びQ成分rQ(t)が入力
され、この入力信号rI(t)、rQ(t)には、例え
ばCDMA方式により拡散変調された広帯域の拡散信号
と狭帯域を用いた通信方式による干渉信号(例えばFM
変調信号)が含まれている。ここで、上記図13を用い
て説明した場合と同様に、tは時刻を示しており、本例
では1サンプル時間を最小単位とする整数の離散値であ
るとする。
【0067】上記したI成分rI(t)は、まず2つの
信号に分配されて、一方の信号が遅延素子61aに入力
される一方、他方の信号が減算器65aに入力される。
同様に、上記したQ成分rQ(t)は、まず2つの信号
に分配されて、一方の信号が遅延素子61bに入力され
る一方、他方の信号が減算器65bに入力される。
【0068】各遅延素子61a、61bは、例えば上記
図13に示した遅延素子61と同様に、入力した信号を
拡散符号の1チップ分の時間幅以上遅延させて出力する
機能を有している。なお、2つの遅延素子61a、61
bでは同じ遅延時間を与えている。また、上記図13を
用いて説明した場合と同様に、具体的には、遅延素子6
1aから出力されるI成分の信号はrI(t−τ)と表
され、遅延素子61bから出力されるQ成分の信号はr
Q(t−τ)と表される。ここで、τは遅延素子61
a、61bにより与えられる遅延時間である。
【0069】遅延素子61aから出力される信号rI
(t−τ)は2つの適応フィルタ62a、63a及びフ
ィルタタップ係数演算制御部66に入力され、遅延素子
61bから出力される信号rQ(t−τ)は2つの適応
フィルタ62b、63b及びフィルタタップ係数演算制
御部66に入力される。
【0070】各適応フィルタ62a、62b、63a、
63bの構成は、例えば上記図14に示したものと同様
である。ここで、本例で4つの適応フィルタ62a、6
2b、63a、63bを備えているのはI相及びQ相の
複素演算を行うためであり、具体的には、受信信号のI
成分及びQ成分のそれぞれの中に干渉信号成分のI成分
とQ成分との両方が含まれるためである。また、本例で
は、I相とQ相との2種類のフィルタタップ係数系列h
I(t)、hQ(t)が用いられる。なお、hI(t)
及びhQ(t)はベクトルである。
【0071】具体的に、本例では、適応フィルタ62a
が入力した受信信号のI成分rI(t−τ)から干渉信
号成分のI成分を抽出し、適応フィルタ63aが入力し
た受信信号のI成分rI(t−τ)から干渉信号成分の
Q成分を抽出し、適応フィルタ62bが入力した受信信
号のQ成分rQ(t−τ)から干渉信号成分のQ成分を
抽出し、適応フィルタ63bが入力した受信信号のQ成
分rQ(t−τ)から干渉信号成分のI成分を抽出する
ことができるようなフィルタタップ係数系列hI
(t)、hQ(t)が後述するフィルタタップ係数演算
制御部66により生成される。
【0072】加算器64aは2つの適応フィルタ62
a、63bから出力される信号を加算して減算器65a
へ出力する機能を有しており、減算器65aへ出力され
る当該加算結果は受信信号のI成分中の干渉信号成分
(すなわち、干渉信号成分のI成分)FMI(t)とな
る。なお、本例では、加算器64aが一方の適応フィル
タ63bから出力される信号の正負を反転させて上記し
た加算を行うこととしたが、このような正負の反転が例
えば上記した適応フィルタ63bや後述するフィルタタ
ップ係数演算制御部66により行われる場合には、加算
器62aでは上記のような正負の反転は行われなくてよ
い。
【0073】加算器64bは2つの適応フィルタ62
b、62aから出力される信号を加算して減算器65b
へ出力する機能を有しており、減算器65bへ出力され
る当該加算結果は受信信号のQ成分中の干渉信号成分
(すなわち、干渉信号成分のQ成分)FMQ(t)とな
る。
【0074】ここで、上記した加算器64aから出力さ
れる干渉信号成分のI成分FMI(t)は式13で示さ
れ、上記した加算器64bから出力される干渉信号成分
のQ成分FMQ(t)は式14で示される。なお、式1
3及び式14中のuI(t)及びuQ(t)はベクトル
であり、これらuI(t)及びuQ(t)は例えば上記
図13を用いた説明中において式1で示したu(t)の
I成分及びQ成分に相当している。
【0075】
【数13】
【0076】
【数14】
【0077】減算器65aは遅延していないI成分の入
力信号rI(t)と加算器65aからの出力信号FMI
(t)とを入力し、当該入力信号rI(t)から当該出
力信号FMI(t)を減算して当該減算結果eI(t)
を出力する機能を有している。同様に、減算器65bは
遅延していないQ成分の入力信号rQ(t)と加算器6
4bからの出力信号FMQ(t)とを入力し、当該入力
信号rQ(t)から当該出力信号FMQ(t)を減算し
て当該減算結果eQ(t)を出力する機能を有してい
る。ここで、上記した減算結果eI(t)、eQ(t)
は本例の干渉信号除去装置から出力される信号である。
【0078】本例では、後述するフィルタタップ係数演
算制御部66からのタップ係数制御信号が逐次更新され
ることで、上記したI成分及びQ成分の干渉波抽出信号
FMI(t)、FMQ(t)がそれぞれ受信信号のI成
分及びQ成分中の干渉信号と同じ信号となるため、上記
した減算結果eI(t)、eQ(t)はそれぞれ受信信
号のI成分及びQ成分から当該干渉信号を除去した信
号、すなわちCDMA方式による拡散信号(理想的に
は、当該拡散信号のみ)となる。
【0079】フィルタタップ係数演算制御部66には2
つの遅延素子61a、61bから出力される信号rI
(t−τ)、rQ(t−τ)と2つの減算器65a、6
5bから出力される信号eI(t)、eQ(t)とが入
力され、フィルタタップ係数演算制御部66はこれらの
信号を用いて、各適応フィルタ62a、62b、63
a、63bから出力される信号が上記したような干渉信
号成分となるようなタップ係数制御信号を演算してそれ
ぞれの適応フィルタ62a、62b、63a、63bへ
出力する機能を有している。なお、本例では、例えば2
つの適応フィルタ62a、62bへ同じタップ係数制御
信号が出力される一方、残りの2つの適応フィルタ63
a、63bへ同じタップ係数制御信号が出力されること
で、上記式13や上記式14で示した干渉信号成分FM
I(t)、FMQ(t)が生成されるように設定してあ
る。
【0080】本例のフィルタタップ係数演算制御部66
では、例えば上記図13を用いた説明において示したL
MSの複素演算用のアルゴリズムを用いてタップ係数制
御信号を演算している。なお、このアルゴリズムにおけ
るLMSの更新式は式15及び式16で示される。
【0081】
【数15】
【0082】
【数16】
【0083】ここで、hI(t)やhQ(t)は時刻t
におけるフィルタタップ係数系列であり、μは収束の時
間や精度に関係する係数であるステップサイズパラメー
タであり、uI(t)やuQ(t)は上記のようにそれ
ぞれ適応フィルタ62a、63aのシフトレジスタ内や
適応フィルタ62b、63bのシフトレジスタ内におけ
る入力信号系列である。また、上記図13を用いて説明
した場合と同様に、eI(t)やeQ(t)としては、
それぞれ減算器65aや減算器65bから出力される信
号を用いている。なお、uI(t)及びuQ(t)は上
記したようにベクトルである。
【0084】本例では、上記図13を用いて説明した場
合と同様に、上記のような演算アルゴリズムによりフィ
ルタタップ係数系列hI(t)、hQ(t)を順次更新
していくことで、拡散信号成分についてはその無相関性
により除去されず、且つ、比較的相関性のある干渉信号
成分を除去することができるフィルタタップ係数系列h
I(t)、hQ(t)を生成することができる。また、
本例では、フィルタタップ係数系列hI(t)、hQ
(t)を演算するに際してI成分及びQ成分の両方を考
慮しているため、干渉除去の精度を更に向上させること
ができる。
【0085】以上のように、上記図16に示した干渉信
号除去装置では、拡散信号の特性を利用することで、C
DMA方式により拡散変調された拡散信号と干渉信号と
を含む受信信号のI成分及びQ成分から当該干渉信号を
除去することができ、これにより、受信品質の劣化を防
ぎ、受信品質を向上させることができる。
【0086】なお、上記図16では、上記図13を用い
て説明した場合と同様に、減算器65a、65bから出
力される信号を遅延させない構成を示したが、例えば図
17に示すように減算器75a、75bに入力される受
信信号を遅延素子71a、71bにより遅延させる一
方、適応フィルタ72a、72b、73a、73bやフ
ィルタタップ係数演算制御部76に入力される受信信号
を遅延させないような構成によっても上記と同様な効果
を得ることができる。ここで、図17に示した構成は、
遅延素子71a、71bが減算器75a、75b側に備
えられているといった点を除いては、上記図16に示し
た構成とほぼ同様であり、以上に示した構成部分と共に
加算器74a、74bも備えられている。
【0087】また、例えば上記図13を用いて説明した
場合と同様に、上記した複素演算用のLMSアルゴリズ
ム以外のアルゴリズムを用いて上記と同様な干渉除去の
効果を得ることもでき、一例として、上記図16に示し
た構成において複素演算用のRLSアルゴリズムを用い
た場合について示しておく。なお、以下では、説明の便
宜上から、上記したuI(t)及びuQ(t)やhI
(t)及びhQ(t)やeI(t)及びeQ(t)やr
I(t)及びrQ(t)に相当するものについては同じ
符号を用いて示す。
【0088】複素演算用のRLSアルゴリズムでは、例
えば上記式7〜上記式10で示したu(t)やh(t)
やe(t)やk(t)やP(t)等の全てのパラメータ
が複素数の要素から構成される。ここで、γ及びωを実
数として、虚数部を表す記号としてjを用いると、任意
の複素数要素は(γ+jω)と表される。そして、複素
演算用のRLSアルゴリズムでは、例えば上記した各パ
ラメータの実数部と虚数部とを分離してそれぞれI成分
のパラメータ及びQ成分のパラメータとして用いること
で、上記図13を用いた説明において示したような逐次
更新処理を複素演算において実現する。
【0089】なお、具体的に本例の場合には、例えばu
(t)の実数部をuI(t)とするとともに虚数部をu
Q(t)とし、h(t)の実数部をhI(t)とすると
ともに虚数部をhQ(t)とし、e(t)の実数部をe
I(t)とするとともに虚数部をeQ(t)とする等し
て、受信信号のI成分rI(t)及びQ成分rQ(t)
から干渉信号成分を除去する処理が行われる。
【0090】以上に示したように、例えば複素演算用の
RLSアルゴリズムを用いた場合においても、上記した
複素演算用のLMSアルゴリズムを用いた場合と同様
に、CDMA方式により拡散変調された拡散信号と干渉
信号とを含む受信信号のI成分及びQ成分から当該干渉
信号を除去することができる。
【0091】次に、周期的なTDMA信号が干渉信号と
して受信される場合を例として、上記図10などに示し
たような従来の干渉信号除去装置により受信信号から干
渉信号を除去する動作の一例を示す。図18(a)に
は、希望信号としてCDMA信号のような広帯域信号を
受信する場合に干渉信号として周期的なTDMA信号が
重畳された受信信号の受信電力の推移の一例を示してあ
り、横軸は時刻(t)を示しており、縦軸は受信信号の
受信電力を示している。同図(a)に示した例では、時
間の経過に対してほぼ一定な広帯域信号電力に例えば一
定の周期Tで変化して具体的には当該周期T毎に繰り返
して出現する干渉信号電力が加わっており、同図(a)
に示されるように、周期的なTDMA信号の干渉を受け
る場合には受信信号の受信電力が当該周期Tに依存して
変化することになる。なお、同図(a)では、2種類の
大きさの干渉信号電力が広帯域信号電力に加わった場合
を示してある。
【0092】また、TDMA信号の干渉を受ける場合に
はその周波数が1種類であるとは限らず、例えば複数の
周波数の干渉を受けることもある。一例として、同図
(b)には、広帯域希望信号が2種類の周波数帯域のT
DMA信号の干渉を受ける場合における受信信号の周波
数成分の推移の一例を示してあり、横軸は時刻(t)を
示しており、縦軸は周波数を示している。また、同図
(b)では、横軸の時間経過について、所定の1周期分
の時間T毎に当該時間Tをそれぞれが等しい時間幅ΔT
を有する8つの時間帯T1〜T8に分割して示してあ
る。
【0093】また、同図(b)では、周波数f1〜周波
数f4(なお、f1>f2>f3>f4)にわたる広帯
域信号に、毎回の時間帯T1に繰り返して出現する周波
数f3のTDMA信号と、毎回の時間帯T4及び時間帯
T8に繰り返して出現する周波数f2のTDMA信号が
干渉する例を示してあり、干渉を受ける箇所を黒塗りで
示してある。なお、ここでは「周波数f3の干渉信号」
や「周波数f2の干渉信号」と言ったが、通常ではそれ
ぞれの干渉信号は帯域幅を有しており、ここではその中
心周波数f3、f2を用いて干渉信号を特定した。
【0094】ここで、例えば上記図10などに示したよ
うな従来の適応フィルタ形の干渉信号除去装置では、T
DMA信号のように電力の変化が激しい干渉信号に対応
するためには、干渉信号推定部31の逐次更新処理によ
り干渉信号を推定するに際して、干渉信号の推定及び抽
出のために用いられる制御係数h(t+1)の更新速度
を速めることが必要となる。
【0095】図18(c)には、従来の干渉信号除去装
置における制御係数h(t+1)の更新速度を速めた場
合において同図(a)に示した受信信号から干渉信号で
あるTDMA信号を除去して得られる干渉除去後の受信
信号の電力の推移の一例を示してあり、横軸は時刻
(t)を示しており、縦軸は干渉信号除去後の受信信号
の電力を示している。なお、同図(c)では、説明の便
宜上から、干渉信号除去後の受信信号の電力の推移を実
線で示す一方、干渉信号除去前の干渉信号を点線で示し
てある。
【0096】同様に、同図(d)には、従来の干渉信号
除去装置における制御係数h(t+1)の更新速度を速
めた場合において同図(b)に示した受信信号から干渉
信号であるTDMA信号を除去して得られる干渉除去後
の受信信号の周波数成分の推移の一例を示してあり、横
軸は時刻(t)を示しており、縦軸は周波数を示してい
る。なお、同図(d)では、干渉信号成分が残る箇所を
灰色の階調で示してあり、白色に近い方が干渉除去後に
残る干渉信号成分が少ないことを示している。
【0097】同図(c)や同図(d)に示されるよう
に、従来の干渉信号除去装置では、ただ単に制御係数h
(t+1)の更新速度を速めただけでは、TDMA信号
のような変化の激しい干渉信号の受け始めにおいて干渉
信号推定のための十分な時間が得られないために干渉信
号を十分に除去することができなくなってしまう。ま
た、干渉信号の推定及び抽出のための制御係数h(t+
1)を高速で更新するような構成は、装置の実現性から
考えても現実的ではない。なお、制御係数h(t+1)
の逐次更新を行わないこととして干渉信号が存在しない
場合にも固定の制御係数h(t+1)でフィルタを動作
させる方法も考えられるが、この方法では、複数の周波
数帯域で干渉を受けているような場合における受信信号
への干渉信号の影響が大きく受信品質が劣化してしまう
という問題がある。
【0098】ここで、参考として、干渉信号除去に関す
る従来例を示しておく。例えば特表平9−507734
号公報に記載された「広帯域および狭帯域無線通信を同
時に行うための方法および装置」では、高速フーリエ変
換(FFT:Fast Fourier Transformation)により受
信信号から強度の高い信号成分を検出し、検出した信号
成分を受信信号から周波数ノッチフィルタにより除去
し、当該除去後の受信信号を逆高速フーリエ変換(iF
FT:inverse FFT)することなどを行う。
【0099】また、例えば特開2000−174645
号公報に記載された「干渉波キャンセル装置」では、有
意な幅を有する特定周波数帯域において略平坦な位相特
性を呈する狭帯域バンドパスフィルタ(BPF:Band P
ass Filter)により受信信号をろ波して干渉波のキャン
セル用信号を生成することなどを行う。また、例えば特
開2000-196497号公報に記載された「狭帯域
干渉波制限装置およびそれを用いた通信装置」では、増
幅率可変アンプの出力(受信した拡散信号)を周波数選
択式レベル制限回路(例えば、静磁波フィルタ)により
レベル制限して干渉波を制限し、電力検出器が周波数選
択式レベル制限回路から出力される拡散信号の電力を検
出して、当該検出値が一定の値となるように増幅率可変
アンプを制御することなどを行う。
【0100】また、例えば特開2000-307468
号公報に記載された「符号分割多重通信におけるノイズ
除去装置とノイズ除去方法」では、一対の受信部及び妨
害波判定部により受信信号から妨害波信号が存在する妨
害波キャリア周波数を検出し、検出した妨害波キャリア
周波数の信号をフィルタ部により受信信号から除去する
ことなどを行う。
【0101】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例で示したよ
うに、従来の干渉信号除去装置では、TDMA信号のよ
うな変化の激しい干渉信号を受信信号から除去する場合
に、干渉信号除去の精度を十分に得ることができないと
いった不具合があった。また、従来の干渉信号除去装置
では、TDMA信号のように繰り返して出現する干渉信
号を効率的に除去する技術が十分に検討等されていなか
った。
【0102】本発明は、このような従来の事情に鑑みな
されたもので、例えば受信電力レベルが周期的に変化す
るような干渉信号が希望信号に重畳された受信信号から
当該干渉信号を除去するような場合において、効率的な
干渉信号除去を実現することができる干渉信号除去装置
などを提供することを目的とする。また、本発明は、T
DMA信号のような変化の激しい干渉信号を受信信号か
ら除去するような場合においても精度のよい干渉信号除
去を実現することができる干渉信号除去装置などを提供
することを目的とする。
【0103】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る干渉信号除去装置では、時間の経過に
応じて繰り返して出現する干渉信号を受信信号から除去
するに際して、過去の干渉信号推定結果に基づいて受信
信号に含まれる干渉信号を推定し、推定した干渉信号を
受信信号から除去する。従って、過去の干渉信号推定結
果に基づいて受信信号に含まれる干渉信号が推定されて
当該受信信号から除去されるため、例えば干渉信号推定
の精度や処理速度の面で効率的な干渉信号除去を実現す
ることができる。
【0104】ここで、時間の経過に応じて繰り返して出
現する干渉信号としては、例えば、過去に出現した干渉
信号と同一又は近似の干渉信号が再び出現して受信信号
に含まれるような状況であって当該同一又は近似する干
渉信号が受信信号中に再び出現するタイミングが予測さ
れるような状況における当該干渉信号などに適用され
る。なお、過去に出現した干渉信号と近似の干渉信号と
は、例えば信号レベルや信号波形が近似する信号のこと
であり、除去するに当たって同様な干渉信号とみなすこ
とができるような信号のことである。
【0105】また、干渉信号が出現するタイミングを予
測する方法としては、例えば周期的な干渉信号であれ
ば、当該周期に基づいて干渉信号が出現するタイミング
を予測する方法を用いることができ、また、例えば周期
的でなくても出現する前に特定の信号波形や特定の他の
干渉信号が現れるような徴候のある干渉信号であれば、
当該徴候に基づいて干渉信号が出現するタイミングを予
測する方法を用いることができる。
【0106】また、時間の経過に応じて繰り返して出現
する干渉信号としては、本発明では、例えば同一の発生
源から繰り返して発せられるような干渉信号が用いられ
る場合を包含し、また、例えば同一の発生源から発せら
れるが当該発生源と本発明に係る干渉信号除去装置が設
けられた通信装置との間の距離や無線伝播状況などの変
化により受信レベル等が変化する干渉信号が用いられる
場合を包含する。
【0107】また、時間の経過に応じて繰り返して出現
する干渉信号としては、例えば時間的に離散したタイミ
ングで繰り返して出現するような干渉信号が用いられる
が、他の例として、時間的に連続した信号についても、
信号レベルが周期的に変化するような場合には、信号レ
ベルが同一又は近似のタイミングにおける信号部分を抽
出して当該信号部分の集合を時間の経過に応じて繰り返
して出現する干渉信号とみなすことが可能である。
【0108】このように、本発明は、過去に受信信号に
含まれた干渉信号と同一又は近似の干渉信号などが再び
受信信号に含まれる場合に、当該過去の干渉信号の推定
結果に基づいて当該同一又は近似の干渉信号などを推定
することで干渉信号除去を効率化するものであり、時間
の経過に応じて繰り返して出現する干渉信号としては、
このような主旨に適合したものであればよい。
【0109】また、受信信号は例えば希望信号と干渉信
号を含み、本発明は、例えば上記図13や上記図15に
示したようにこれらの信号を実数成分として干渉信号除
去処理する態様ばかりでなく、例えば上記図16や上記
図17に示したようにこれらの信号をI成分及びQ成分
に分離等して干渉信号除去処理する態様も包含する。ま
た、受信信号に含まれる干渉信号の数としては、1であ
ってもよく、或いは、2以上の複数であってもよい。
【0110】また、過去の干渉信号推定結果としては、
例えば前回の干渉信号推定結果が用いられてもよく、例
えば2回以上前の干渉信号推定結果が用いられてもよ
く、また、例えば複数回分の干渉信号推定結果や複数回
分の干渉信号推定結果を平均化したものが用いられても
よい。
【0111】また、受信信号に含まれる干渉信号を推定
する方法としては、例えば干渉信号の信号レベルなどの
ように干渉信号自体に関する情報を推定するような方法
や、例えば干渉信号を決定するための演算式に代入する
パラメータなどのように干渉信号を決定するための情報
を推定するような方法を用いることができ、また、例え
ば上記従来例で示したようにLMSアルゴリズムやRL
Sアルゴリズムなどに基づく逐次更新を用いる方法や、
例えば所定の演算式に基づく1回若しくは数回の演算に
より干渉信号の推定値を算出するような方法などを用い
ることができる。
【0112】また、過去の干渉信号推定結果に基づいて
受信信号に含まれる干渉信号を推定する方法としては、
種々な方法が用いられてもよく、例えば過去の干渉信号
推定結果を今回の干渉信号推定処理における初期の推定
結果とみなして用いるような方法を用いることや、例え
ば過去の干渉信号推定結果に基づいて干渉信号のレベル
が増加傾向にあるか或いは減少傾向にあるかなどの傾向
を判定して当該判定結果に基づいて今回の干渉信号を推
定するような方法を用いることができる。
【0113】また、受信信号から干渉信号を除去する精
度としては、例えば受信信号に含まれる干渉信号の全て
を除去するのが好ましいが、実用上で有効な程度で受信
信号から干渉信号を除去することができれば、種々な精
度が用いられてもよい。なお、本発明は、例えばレベル
を抑制した干渉信号を推定する構成や、例えば推定され
た干渉信号に対してレベルを抑制した干渉信号を受信信
号から除去する構成や、例えば推定された干渉信号の中
で所定のレベル以上の干渉信号のみを受信信号から除去
する構成などにより、受信信号から希望信号までも除去
してしまう程度を抑制するような態様も包含する。
【0114】また、本発明に係る干渉信号除去装置で
は、一構成例として、干渉信号推定手段が受信信号及び
受信信号から干渉信号を除去した結果に基づいて受信信
号に含まれる干渉信号を推定して、干渉信号除去手段が
干渉信号推定手段により推定された干渉信号を受信信号
から除去するに際して、干渉信号推定制御手段が干渉信
号推定手段の干渉信号推定結果を記憶し、記憶した過去
の干渉信号推定結果に基づいて受信信号に含まれる干渉
信号を推定するように干渉信号推定手段による干渉信号
推定を制御することにより、受信信号から干渉信号を除
去する。
【0115】ここで、受信信号及び受信信号から干渉信
号を除去した結果に基づいて受信信号に含まれる干渉信
号を推定する方法としては、例えば上記従来例で示した
ようにLMSアルゴリズムやRLSアルゴリズムなどに
基づく逐次更新を用いる方法などを用いることができ
る。また、干渉信号推定制御手段は、例えばメモリを有
して当該メモリにより過去の干渉信号推定結果を記憶す
る。
【0116】また、干渉信号推定制御手段により記憶す
る干渉信号推定結果としては、必ずしも過去の全ての干
渉信号推定結果である必要はなく、将来の干渉信号推定
処理に用いられる過去の干渉信号推定結果が記憶されれ
ばよい。具体的には、例えば前回の干渉信号推定結果が
記憶されてもよく、例えば2回以上前以降の干渉信号推
定結果が記憶されてもよく、また、例えば複数回分の干
渉信号推定結果や複数回分の干渉信号推定結果を平均化
したものが記憶されてもよい。
【0117】また、本発明に係る干渉信号除去装置で
は、一構成例として、干渉信号推定手段は受信信号及び
受信信号から干渉信号を除去した結果に基づいて受信信
号から干渉信号を抽出するための制御係数を逐次更新す
ることで受信信号に含まれる干渉信号を推定し、干渉信
号除去手段は干渉信号推定手段により逐次更新される制
御係数を用いて受信信号から干渉信号を抽出する干渉信
号抽出手段を有しており当該干渉信号抽出手段により抽
出した干渉信号を受信信号から除去し、干渉信号推定制
御手段は干渉信号推定手段の干渉信号推定結果として制
御係数の逐次更新結果値を記憶し、記憶した過去の制御
係数逐次更新結果値を初期値として受信信号から干渉信
号を抽出するための制御係数を逐次更新するように干渉
信号推定手段による干渉信号推定を制御する。
【0118】このような構成では、時間の経過に応じて
繰り返して出現する干渉信号を推定するための制御係数
を逐次更新するに際して、当該逐次更新の開始時点にお
ける制御係数の初期値として過去の逐次更新結果値が用
いられるため、逐次更新の開始時点付近においても精度
のよい干渉信号除去を実現する制御係数を用いることが
でき、これにより、逐次更新の開始時点付近においても
精度のよい干渉信号除去を実現することができる。な
お、この構成では、除去対象となる干渉信号を抽出する
ための制御係数の初期値としては過去の干渉信号に関す
る制御係数の逐次更新結果値が用いられるが、当該初期
値が設定された後における制御係数の逐次更新処理は当
該除去対象となる干渉信号に基づいて行われる。
【0119】ここで、受信信号から干渉信号を抽出する
ための制御係数としては、例えば上記従来例に示したよ
うなLMSアルゴリズムやRLSアルゴリズムの制御係
数h(t+1)などを用いることができる。また、制御
係数を逐次更新するための更新式としては、種々な更新
式が用いられてもよく、例えば上記従来例に示したよう
なLMSアルゴリズムやRLSアルゴリズムの更新式な
どを用いることができる。
【0120】また、干渉信号推定手段により逐次更新さ
れる制御係数を用いて受信信号から干渉信号を抽出する
方法としては、例えば上記従来例に示したようなLMS
アルゴリズムやRLSアルゴリズムにおける方法を用い
ることができる。また、制御係数の逐次更新結果値と
は、例えば過去の干渉信号を抽出するために制御係数を
逐次更新したときにおける当該逐次更新の最終的な結果
として得られた制御係数の最終的な値のことである。
【0121】また、本発明に係る干渉信号除去装置で
は、一構成例として、干渉信号推定制御手段は、干渉信
号推定手段の干渉信号推定結果を記憶するメモリを有し
ており、干渉信号推定手段の干渉信号推定結果を当該メ
モリに記憶させるタイミング及び当該メモリに記憶され
た過去の干渉信号推定結果を干渉信号推定手段へ出力さ
せるタイミングをタイミング制御手段により制御するこ
とにより、干渉信号推定手段による干渉信号推定を制御
する。
【0122】ここで、タイミング制御手段は、一例とし
て、各回の干渉信号の推定処理が終了した時点で当該干
渉信号推定結果をメモリに記憶させ、各回の干渉信号の
推定処理が開始される時点で必要となる過去の干渉信号
推定結果をメモリから干渉信号推定手段へ出力させるよ
うな態様で、メモリに記憶される干渉信号推定結果の入
出力タイミングを制御する。
【0123】また、本発明に係る干渉信号除去装置で
は、時間の経過に応じて繰り返して出現する干渉信号が
周期的に出現する干渉信号である場合に、次のようにし
て、受信信号から干渉信号を除去する。すなわち、干渉
信号推定制御手段は当該周期で干渉信号推定手段の干渉
信号推定結果の記憶内容を更新し、記憶した1周期前の
干渉信号推定結果に基づいて受信信号に含まれる干渉信
号を推定するように干渉信号推定手段による干渉信号推
定を制御する。
【0124】このような構成では、例えばTDMA信号
のように受信電力レベルが周期的に変化するような狭帯
域干渉信号と希望の広帯域信号とを含む受信信号から当
該狭帯域干渉信号を除去するような場合に、各回の干渉
信号毎に干渉信号推定結果が記憶されて、各回の干渉信
号が前回(1周期前)の干渉信号推定結果に基づいて推
定されるため、精度のよい干渉信号除去を実現すること
ができる。
【0125】ここで、周期的に出現する干渉信号として
は、種々な信号であってもよく、例えばTDMA信号や
FHSS信号に適用される。また、干渉信号の周期とし
ては、特に限定はなく、種々な周期であってもよい。ま
た、複数の干渉信号が存在するような場合には各干渉信
号の周期が異なっていてもよく、また、複数の周期の干
渉信号が受信信号に含まれる場合には例えば各干渉信号
毎にその周期に適合した干渉信号推定制御が行われる。
【0126】また、本発明に係る干渉信号除去装置で
は、一構成例として、干渉信号推定制御手段は所定の単
位時間帯毎に干渉信号推定手段の干渉信号推定結果を記
憶し、当該単位時間帯毎に記憶した1周期前の干渉信号
推定結果に基づいて受信信号に含まれる干渉信号を推定
するように干渉信号推定手段による干渉信号推定を制御
することにより、受信信号から干渉信号を除去する。
【0127】このような構成では、例えば連続した時間
の経過に対して、当該時間を分割して成る各単位時間帯
毎に干渉信号推定結果の記憶処理や過去に記憶した干渉
信号推定結果に基づく干渉信号推定処理などが行われる
ことにより、当該連続した時間の全体にわたって効率的
な干渉信号除去を行うことができる。
【0128】ここで、所定の単位時間帯としては、例え
ば各単位時間帯が同一の長さである構成が用いられても
よく、或いは、例えば異なる長さの単位時間帯を含むよ
うな構成が用いられてもよい。また、受信信号に1つの
周期の干渉信号が含まれる場合には例えば当該周期の1
周期分の時間を複数に等分割して形成される単位時間帯
を用いることができ、また、受信信号に2以上の周期の
干渉信号が含まれる場合には例えば各周期の1周期分の
時間をそれぞれ複数に等分割することができるような当
該2以上の周期に共通な単位時間帯を用いることができ
る。
【0129】また、本発明に係る干渉信号除去装置で
は、一構成例として、干渉信号推定制御手段は受信信号
の電力の変化に基づく周期を干渉信号の周期として用い
る。このような構成では、例えば干渉信号の周期が予め
設定されていないような場合においても、受信信号の電
力の変化に基づく周期を干渉信号の周期としてみなすこ
とにより、当該周期に基づいて干渉信号除去を行うこと
ができる。
【0130】ここで、この構成では、受信信号の電力の
変化が当該受信信号に含まれる干渉信号の電力の変化に
依存するとみなしている。また、この構成では、干渉信
号推定制御手段は、例えば受信信号の電力を検出する電
力検出手段を有している。
【0131】また、本発明に係る干渉信号除去装置で
は、一構成例として、干渉信号推定制御手段は受信信号
に含まれる所定の周波数の信号の電力の変化に基づく周
期を干渉信号の周期として用いる。このような構成で
は、例えば干渉信号の周期が予め設定されていないよう
な場合においても、受信信号に含まれる所定の周波数の
信号の電力の変化に基づく周期を干渉信号の周期として
みなすことにより、当該周期に基づいて干渉信号除去を
行うことができる。
【0132】ここで、この構成では、受信信号に含まれ
る所定の周波数の信号の電力の変化が当該受信信号に含
まれる干渉信号の電力の変化に依存するとみなしてい
る。また、この構成では、干渉信号推定制御手段は、例
えば受信信号に含まれる所定の周波数の信号の電力を検
出する所定周波数電力検出手段を有している。また、受
信信号に含まれる所定の周波数の信号としては、例えば
周期的な信号であるTDMA方式やFHSS方式の制御
信号などを用いることができ、このような制御信号の周
期から干渉信号となるTDMA信号やFHSS信号の周
期を把握することができる。
【0133】また、本発明に係る干渉信号除去装置は、
例えば携帯電話システムや簡易型携帯電話システム(P
HS)などの移動通信システムに設けられる基地局装置
に備えられて用いられるのに好適なものである。すなわ
ち、本発明に係る基地局装置では、以上に示したような
本発明に係る干渉信号除去装置を有しており、通信相手
となる移動局装置から無線受信した信号に含まれる干渉
信号を当該干渉信号除去装置により除去する。これによ
り、基地局装置では、移動局装置から受信した希望信号
を高品質で処理することができる。
【0134】
【発明の実施の形態】本発明に係る一実施例を図面を参
照して説明する。図1には、本発明に係る干渉信号除去
装置の一例を示してあり、この干渉信号除去装置は、例
えば上記図10に示したような干渉信号除去装置に本発
明を適用した構成となっており、CDMA方式を採用し
た移動通信システムに設けられる基地局装置などに備え
られており、当該基地局装置などの通信相手となる移動
局装置などから無線受信された信号に含まれる干渉信号
を除去する。
【0135】図1に示した本例の干渉信号除去装置に
は、干渉信号推定部1と、干渉信号抽出部2と、合成器
3と、記憶素子4と、タイミング制御部5とが備えられ
ている。なお、ここで、tは時刻を示す。また、本例で
は、周期的なTDMA信号が干渉信号として受信され
て、希望信号である広帯域のCDMA信号と共に受信信
号に含まれるとして説明を行う。
【0136】干渉信号推定部1は、例えば受信系の伝送
路において広帯域の希望信号と複数の狭帯域の干渉信号
とが合成された受信信号r(t)及び干渉除去後の受信
信号e(t)を入力して、記憶素子4及びタイミング制
御部5により制御されて、一般的な適応アルゴリズムを
用いて当該受信信号r(t)に含まれる干渉信号を推定
し、当該推定結果に基づく干渉信号推定係数h(t+
1)を干渉信号抽出部2へ出力する。
【0137】干渉信号抽出部2は、受信信号r(t)を
入力して、干渉信号推定部1から入力される干渉信号推
定係数h(t+1)に基づいて当該受信信号r(t)か
ら干渉信号(とみなされるもの)V(t)を抽出し、当
該干渉信号V(t)を合成器3へ出力する。
【0138】合成器3は、受信信号r(t)と干渉信号
抽出部2からの干渉信号V(t)とを逆位相で(つま
り、干渉信号V(t)が受信信号r(t)から除去され
るように)合成して、干渉信号V(t)が除去された後
の受信信号e(t)を出力する。なお、合成器3から出
力される干渉除去後の受信信号e(t)の一部は上記し
た干渉信号推定部1に入力されて、干渉信号の推定に用
いられる。
【0139】記憶素子4は、例えば情報を記憶するメモ
リから構成されており、タイミング制御部5による制御
により、干渉信号推定部1による干渉信号推定結果を任
意の周期で読み出して記憶することや、記憶した過去の
干渉信号推定結果を任意の周期で読み出して干渉信号推
定部1へ出力することを行う。なお、本例では、干渉信
号推定結果としては、過去の干渉信号に関する干渉信号
推定係数h(t+1)の最終的な逐次更新結果値が用い
られる。
【0140】タイミング制御部5は、所定の周期に基づ
いて、干渉信号推定部1と記憶素子4との間で行われる
上記のような干渉信号推定結果の受け渡しのタイミング
を制御する。本例では、タイミング制御部5は、干渉信
号推定部1と記憶素子4との間で行われる干渉信号推定
結果の受け渡しを干渉信号であるTDMA信号の周期で
制御し、具体的には、各周期毎の干渉信号の推定処理が
終了した時点で当該干渉信号推定結果を記憶素子4に記
憶させること及び各周期毎の干渉信号の推定処理が開始
される時点で1周期前の干渉信号推定結果を記憶素子4
から読み出して干渉信号推定部1による干渉信号推定の
初期値として設定することを、1周期分の時間が経過す
る度毎に行う。
【0141】なお、本例では、干渉信号の推定処理とし
ては、例えばLMSアルゴリズムやRLSアルゴリズム
に基づいて干渉信号推定係数h(t+1)を逐次更新す
る処理が行われ、1周期前の逐次更新により最終的に得
られた干渉信号推定係数h(t+1)の値が干渉信号推
定処理における干渉信号推定係数h(t+1)の初期値
として用いられる。つまり、本例では、1周期前の干渉
信号推定係数h(t+1)の最終的な値が初期値とされ
て当該初期値が今回の干渉信号に基づいて当該干渉信号
に適合するように逐次更新されていき、当該逐次更新結
果の値が記憶された後に今度は当該逐次更新結果値が1
周期後の干渉信号推定処理における干渉信号推定係数h
(t+1)の初期値として用いられるといったことが繰
り返して行われる。
【0142】次に、周期的なTDMA信号が干渉信号と
して受信される場合を例として、本例の干渉信号除去装
置により受信信号から干渉信号を除去する動作の一例を
示す。図2(a)には、希望信号としてCDMA信号の
ような広帯域信号を受信する場合に干渉信号として周期
的なTDMA信号が重畳されてしまった受信信号の受信
電力の推移の一例として、上記図18(a)に示したも
のと同様な例を示してあり、横軸は時刻(t)を示して
おり、縦軸は受信信号の受信電力を示している。
【0143】また、図2(b)には、広帯域希望信号が
2種類の周波数帯域のTDMA信号の干渉を受ける場合
における受信信号の周波数成分の推移の一例として、上
記図18(b)に示したものと同様な例を示してあり、
横軸は時刻(t)を示しており、縦軸は周波数を示して
いる。また、図2(b)では、横軸の時間経過につい
て、所定の1周期分の時間T毎に当該時間Tをそれぞれ
が等しい時間幅ΔTを有する8つの時間帯T1〜T8に
分割して示してある。
【0144】図2(c)には、本例の干渉信号除去装置
により同図(a)に示した受信信号から干渉信号である
TDMA信号を除去して得られる干渉除去後の受信信号
の電力の推移の一例を示してあり、横軸は時刻(t)を
示しており、縦軸は干渉信号除去後の受信信号の電力を
示している。なお、同図(c)では、説明の便宜上か
ら、干渉信号除去後の受信信号の電力の推移を実線で示
す一方、干渉信号除去前の干渉信号を点線で示してあ
る。
【0145】同様に、同図(d)には、本例の干渉信号
除去装置により同図(b)に示した受信信号から干渉信
号であるTDMA信号を除去して得られる干渉除去後の
受信信号の周波数成分の推移の一例を示してあり、横軸
は時刻(t)を示しており、縦軸は周波数を示してい
る。なお、同図(d)では、干渉信号成分が残る箇所を
灰色の階調で示してあり、白色に近い方が干渉信号除去
後に残る干渉信号成分が少ないことを示している。
【0146】同図(c)や同図(d)に示されるよう
に、本例の干渉信号除去装置では、例えばTDMA信号
のような周期的な干渉信号を受けることやその周期が予
め把握されていて当該周期などが予め設定されており、
当該設定に基づいて1周期前の干渉信号推定結果が干渉
信号推定処理に利用されるため、例えば上記図18
(c)、(d)に示されるように従来の干渉信号除去装
置を用いた場合と比べて、TDMA信号のような変化の
激しい干渉信号の受け始めにおける干渉信号推定の精度
を向上させることができ、これにより、効率のよい干渉
信号除去を実現することができる。
【0147】つまり、例えばTDMA信号のような周期
的な干渉信号については、今回の干渉信号のレベルや波
形などと1周期前の干渉信号のレベルや波形などとは同
一又は近似のものであると考えられるため、1周期前の
干渉信号推定結果を今回の干渉信号推定処理の初期値と
して用いることにより、今回の干渉信号推定処理の初期
の段階における干渉信号推定精度を向上させることがで
き、これにより、例えば干渉信号推定の精度や処理速度
の面で干渉信号除去処理を効率化することができる。
【0148】また、本例では、上記図2(d)に示され
るように、所定の単位時間帯T1〜T8毎に干渉信号推
定処理が行われており、具体的には、各単位時間帯T1
〜T8の開始時点において干渉信号推定係数h(t+
1)を初期値に設定して逐次更新を開始し、当該各単位
時間帯T1〜T8の終了時点における干渉信号推定係数
h(t+1)の値を当該各単位時間帯T1〜T8におけ
る干渉信号推定結果とする。
【0149】このような干渉信号推定処理を実現するた
めに、本例のタイミング制御部5は、例えば単位時間帯
T1から単位時間帯T2へ切り替わるときに当該単位時
間帯T1内に受けた干渉信号を推定した結果(干渉信号
推定結果)を記憶素子4に記憶させると同時に、1周期
前に記憶させた1周期前の単位時間帯T2のタイミング
における干渉信号推定結果を記憶素子4から読み出して
当該干渉信号推定結果(本例では、干渉信号を抽出する
ための制御係数h(t+1)の逐次更新結果値)を干渉
信号推定部1を介して干渉信号抽出部2へ与えることに
より、従来と比べて、即座に単位時間帯T2における干
渉信号を精度よく除去することを可能とする。
【0150】同様に、本例のタイミング制御部5は、単
位時間帯T2から単位時間帯T3へ切り替わるとき、単
位時間帯T3から単位時間帯T4へ切り替わるとき、
…、単位時間帯T8から単位時間帯T1へ切り替わると
きのように各単位時間帯T1〜T8毎について1周期T
が経過する度毎に、干渉信号推定結果の記憶内容を順次
更新していくこと及び1周期前の干渉信号推定結果を干
渉信号推定部1に初期値として設定することを行い、こ
れにより、例えば逐次演算の速度を速めなくとも、TD
MA信号やFHSS信号のように所定の周期毎に同一の
周波数で干渉するような干渉信号に対応して効率的な干
渉信号除去を実現することができる。
【0151】なお、本例では、タイミング制御部5によ
り制御を行う単位時間となる各単位時間帯T1〜T8の
時間間隔ΔTと、1回分の干渉信号を継続して受ける時
間幅ΔTとを同じ値に設定したが、これらは必ずしも一
致していなくともよく、例えば制御係数h(t+1)を
干渉信号推定結果として記憶し及び読み出すための制御
タイミングの周期が干渉信号の周期と同じであるような
構成が用いられればよい。ここで、1回分の干渉信号と
は、本例では、時間の経過に応じて周期的に出現及び消
滅を繰り返すTDMA信号のような干渉信号について、
1回の出現及び消滅に関して出現してから消滅するまで
の間の信号のことを言っており、具体的には、上記図2
(b)に黒塗りで示した時間幅ΔTを有する個々の干渉
信号のことを言っている。
【0152】一例として、1回分の干渉信号を継続して
受ける時間幅と比べて、タイミング制御部5により制御
を行う単位時間となる各単位時間帯の時間間隔を小さい
値に設定することも可能であり、本例の場合には、当該
時間間隔を(ΔT/8)などの値に設定することも可能
である。また、タイミング制御部5により制御を行う単
位時間となる各単位時間帯の時間間隔を小さい値に設定
すると、例えば周期的なTDMA信号などの干渉を受け
るタイミングと分割された各単位時間帯の区切り目のタ
イミングとが必ずしも一致していなくとも、これらのタ
イミングがずれることによる干渉信号除去能力への影響
を非常に小さく抑えることが可能である。
【0153】以上のように、本例の干渉信号除去装置で
は、例えば受信系の伝送路で複数の狭帯域干渉信号が広
帯域希望信号に重畳されて含まれる受信信号に対して、
干渉信号推定部1が受信信号に含まれる希望信号周波数
内の干渉信号を推定し、干渉信号抽出部2が当該推定に
基づいて受信信号に含まれる干渉信号を抽出し、合成器
3が干渉信号抽出部2により抽出された干渉信号に逆位
相をかけて受信信号と合成することで受信信号から干渉
信号を除去し、これに際して、タイミング制御部5が所
定の周期毎に干渉信号抽出部1と記憶素子4との間での
干渉信号推定結果の受け渡しの制御を行うことにより、
記憶素子4が当該周期で干渉信号推定部2による干渉信
号推定結果の記憶及び読み出しを行う。
【0154】そして、本例の干渉信号除去装置では、例
えば既知の時間間隔で到来する干渉信号を受けるタイミ
ングに応じて、干渉信号推定結果を所定の周期毎に記憶
素子4に記憶させるとともに次の周期の初めに読み出し
て干渉信号推定処理に用いることにより、例えば既知の
周期で到来するTDMA信号やFHSS信号に対する干
渉信号推定に要する時間を短縮して応答速度を速めるこ
とや、干渉信号推定の精度を向上させることができ、こ
れにより、TDMA信号のような受信電力の変化が激し
い干渉信号の受け始めにおいても十分な精度で干渉信号
を除去することができ、このような干渉信号を確実に除
去することが可能となる。このように、本例では、TD
MA信号のような既知の周期で入力される干渉信号に対
して干渉信号除去処理を有効に作用させるために、例え
ば当該干渉信号の発振源からの送信周期を1周期として
設定して、1周期前に記憶した干渉信号推定結果を初期
値として用いて干渉信号の推定を行うことで、干渉の受
け始めにおいても干渉信号の電力の変化に容易に対応す
ることを可能としている。
【0155】なお、本例の干渉信号除去装置では、過去
に出現していなかった周期的な干渉信号が新たに出現し
たような場合や、過去に周期的に出現していた干渉信号
が出現しなくなったような場合には、このような通信環
境の変化に対応することが必要となるが、このような通
信環境の変化に対応した後には効率的な干渉信号除去を
行うことができ、また、このような通信環境の変化に対
応するために要する時間は実用上では影響が無い程度に
小さいものであると考えられる。
【0156】また、以上では干渉信号の周期が既知であ
るとしたが、当該周期が未知であるような場合には、一
例として、上記図2(a)に示したような受信信号の電
力が変化するタイミングをそのまま干渉信号推定結果を
記憶し及び読み出す制御タイミングとして用いることも
でき、例えば受信信号の電力が変化する直前に制御係数
h(t+1)の値の切替(例えば初期値の設定)を行う
ことにより干渉信号の電力の変化に素早く対応すること
が可能である。つまり、このような構成を有する本例の
干渉信号除去装置では、受信信号の電力の変化に基づい
て受信信号中における干渉信号の有無を判定して当該判
定結果から制御タイミングを生成し、当該生成した制御
タイミングでタイミング制御部5による干渉信号推定結
果の記憶及び読み出しの制御を行うことが可能である。
また、例えば複数の異なるレベルでの変化が受信信号の
受信電力に現れるような場合には、各レベル毎の変化の
タイミングをそれぞれ異なる干渉信号の受信タイミング
とみなして当該各干渉信号に対する制御タイミングとし
て用いることも可能である。
【0157】また、例えば通信信号は通信が必要な時期
のみに発信源から送信されるが制御信号は常に送信され
るような場合には、他の例として、本例の干渉信号除去
装置では、例えばPHSにおけるTDMA方式の制御チ
ャネル信号のように必ず到来することがわかっている周
波数帯域の信号の受信電力に基づいて制御タイミングを
生成することもできる。また、例えばFHSS信号のよ
うに受信帯域内で常に干渉を受けるような場合には受信
信号の電力に基づいて制御タイミングを生成することは
難しいが、この場合においても、例えば制御チャネル信
号のように必ず到来することがわかっている周波数チャ
ネルの受信電力を監視して当該制御チャネル信号の受信
タイミングを制御タイミングとして利用することによ
り、FHSS信号の周波数の切り替わるタイミングを推
定することが可能であり、これにより、より安定した干
渉信号除去を行うことができる。なお、特定の周波数帯
域の受信電力を監視する方法としては、例えば狭帯域の
フィルタで該当する帯域の信号成分を受信信号から抽出
して当該抽出した信号成分の電力を監視する方法などを
用いることができる。
【0158】このように、本例の干渉信号除去装置で
は、広帯域信号に重畳された狭帯域干渉信号を推定する
干渉信号推定部1から出力される干渉信号推定結果を記
憶素子4により記憶して、記憶した過去の干渉信号推定
結果を利用して受信信号から干渉信号を除去することが
行われ、また、具体的には、記憶した干渉信号推定結果
を一定間隔で干渉信号推定部1へ出力することや、干渉
信号推定結果として制御係数h(t+1)の1周期前の
逐次更新結果値を記憶しておいて当該逐次更新結果値を
初期値として制御係数h(t+1)を逐次更新すること
や、受信電力又は受信電力に含まれる特定の周波数成分
の電力に応じたタイミングで干渉信号推定結果を記憶す
ることや読み出すことなどが行われる。
【0159】ここで、本例では、時間の経過に応じて繰
り返して出現する干渉信号として、TDMA信号やFH
SS信号のように周期的に出現する干渉信号を用いてい
る。なお、上述のように、このような周期は例えば予め
設定されてもよく、或いは、例えば受信信号の電力の変
化に基づいて干渉信号の周期が決定されてもよく、或い
は、例えば受信信号に含まれる所定の周波数の信号の電
力の変化に基づいて干渉信号の周期が決定されてもよ
い。
【0160】また、本例では、制御係数として、干渉信
号推定係数h(t+1)を用いている。また、本例で
は、干渉信号推定に用いる過去の干渉信号推定結果とし
て、1周期前の干渉信号推定係数h(t+1)の最終的
な逐次更新結果の値を用いている。また、本例では、所
定の単位時間帯として、上記図2(b)、(d)に示し
たようなそれぞれ同じ時間幅ΔTを有した単位時間帯T
1〜T8を用いている。
【0161】また、本例では、受信信号r(t)及び受
信信号から干渉信号を除去した結果e(t)に基づいて
受信信号r(t)に含まれる干渉信号を推定する干渉信
号推定部1の機能により、干渉信号推定手段が構成され
ている。また、本例では、干渉信号抽出部2の機能によ
り干渉信号抽出手段が構成されており、当該干渉信号抽
出部2の機能や合成器3の機能により干渉信号除去手段
が構成されている。
【0162】また、本例では、記憶素子4が干渉信号推
定結果を記憶するメモリに相当し、タイミング制御部5
の機能によりタイミング制御手段が構成されており、当
該メモリ4や当該タイミング制御部5の機能により干渉
信号推定制御手段が構成されている。
【0163】次に、本発明の実施例に係る干渉信号除去
装置と他の干渉信号除去装置とを組合せた場合の構成例
を示す。なお、本例の干渉信号除去装置は例えばベース
バンド(BB:Base band)帯において受信信号から干
渉信号を除去するものであり、他の干渉信号除去装置と
しては例えば無線周波数(RF:Radio Frequency)帯
や中間周波数(IF:Intermediate Frequency)帯にお
いて受信信号から干渉信号を除去する干渉信号除去装置
を用いた場合を示す。
【0164】図3には、RF帯又はIF帯の干渉信号除
去装置11を前段に設けるとともに、BB帯の干渉信号
除去装置12を後段に設けて、これらの干渉信号除去装
置11、12を直列に接続した場合の構成例を示してあ
り、この構成では、RF帯又はIF帯において受信信号
に含まれる干渉信号が前段の干渉信号除去装置11によ
り除去された後に、更に、BB帯において、当該受信信
号に残って含まれる干渉信号が後段の干渉信号除去装置
12により除去される。このため、干渉信号電力が非常
に強く、たとえばBB帯の干渉信号除去装置12におい
てA/Dコンバータの分解能が不足していて十分な干渉
除去を行えないような場合に、前段でRF帯又はIF帯
の干渉信号除去装置11で強い干渉波を完全に除去し切
れなくてもある程度減衰させることで、BB帯の干渉信
号除去装置12のA/Dコンバータの分解能が十分に得
られる構成であればよい。また、図3ではRF帯又はI
F帯の干渉信号除去装置11とBB帯の干渉信号除去装
置12を直列に2段接続しているが、十分な干渉信号除
去能力を得るためにRF帯又はIF帯の干渉信号除去装
置を複数段直列接続したり、BB帯の干渉信号除去装置
を複数段直列接続したりさせることも可能であり、干渉
信号除去方式およびその段数にこだわるものではない。
【0165】ここで、BB帯の干渉信号除去装置12と
しては例えば上記図1に示したような本発明に係る干渉
信号除去装置を用いることができ、上記図3に示したよ
うにRF帯又はIF帯の干渉信号除去装置11と組み合
わせることで更に干渉信号除去の性能を向上させること
ができる。逆に、RF帯又はIF帯の干渉信号除去装置
11として例えば上記図1に示したような本発明に係る
干渉信号除去装置をRF帯又はIF帯で実現することも
可能であり、上記図3に示したようにBB帯の干渉信号
除去装置12と組み合わせることで更に干渉信号除去の
性能を向上させることができる。同様に、RF帯又はI
F帯の干渉信号除去装置11とBB帯の干渉信号除去装
置12の双方を例えば上記図1に示したような本発明に
係る干渉信号除去装置を用いることも可能であり、上記
図3に示したように組み合わせることで更に干渉信号除
去の性能を向上させることができる。
【0166】また、RF帯又はIF帯の干渉信号除去装
置11、あるいはBB帯の干渉信号除去装置12として
は種々な装置を用いることが可能であり、以下に第1の
例〜第5の例を示す。まず、図4(a)には、本例の干
渉信号除去装置11と干渉信号除去装置12とを組み合
わせた第1の例を示してある。同図(a)に示した干渉
信号除去装置では、IF帯の受信信号を入力し、当該入
力信号を増幅器A1で増幅した後に1段の可変ノッチフ
ィルタA2でフィルタリングし、フィルタリング後の入
力信号を直交検波部A3により直交検波してI成分及び
Q成分とした後に、これらの成分をA/D変換器(AD
C:Analog Digital Converter)A4によりA/D変換
して、当該A/D変換結果であるデジタルデータをメモ
リA5に蓄積する。
【0167】また、この干渉信号除去装置では、メモリ
A5に蓄積されたデータをFFT部A6により時間成分
から周波数成分へ高速フーリエ変換するとともに、当該
データに基づいて干渉波分析部A9により干渉波を分析
し、当該分析結果に基づいて高速フーリエ変換されたデ
ータから干渉波成分除去部A7により干渉波成分を除去
した後に、当該干渉波除去後のデータをiFFT部A8
により周波数成分から時間成分へ逆フーリエ変換して出
力する。また、この干渉信号除去装置では、干渉波分析
部A9による分析結果に基づいてローカル信号発生部A
10が制御されることで、可変ノッチフィルタA2で制
限される周波数帯域が制御される。この干渉波分析部A
9において、本発明記載のように記憶素子を用いて周期
的に変化する干渉信号の中心周波数を記憶させ、予測さ
れるタイミングでローカル信号発生部A10を制御する
ことで、周期的に変化する強い干渉信号を除去すること
が可能であり、干渉信号が存在しない時間においては可
変ノッチフィルタA2の帯域を広帯域信号の周波数帯域
外に置くことで、広帯域信号の品質を損なうことがな
い。ここで可変ノッチフィルタA2によって完全に除去
し切れなくても、後段のBB部で十分な分解能が得られ
るならば、残りの干渉信号成分は後段のBB部で干渉信
号の除去を行うことが可能である。後段のBB処理部
は、ある特定時間間隔毎にFFT分析を行い、その結果
干渉信号が検出された場合には、干渉信号の周波数帯域
部分を0に置き換えた後にiFFT処理により元の信号
に戻す方式であるため、本発明記載の干渉信号の周期的
な電力の変化を分析記憶し、干渉信号の周期にあわせて
係数を切り替えるような操作をせずとも、TDMA信号
等を除去することは可能であるが、FFT/iFFT処理
には演算に必要なだけのデータの蓄積が必要になるので
信号遅延に対する許容度が低い場合には、BB帯の干渉
信号除去装置を本発明の図1記載の方式に置き換えるこ
とも可能である。
【0168】また、同図(b)には、可変ノッチフィル
タA2の構成例を示してあり、この可変ノッチフィルタ
A2は、中心周波数が固定されたノッチフィルタA12
の前段及び後段にそれぞれローカル信号発生部A10か
らのローカル信号の周波数で入力信号を混合するミキサ
A11、A13を設けて構成されている。
【0169】次に、図5(a)には、本例の干渉信号除
去装置12と組み合わせることが可能であり、図4
(a)記載の可変ノッチフィルタA2を多段で構成し、
本発明記載の方式を用いることも可能な干渉信号除去装
置11の第2の例を示してある。同図(a)に示した干
渉信号除去装置では、RF帯の受信信号を入力し、当該
入力信号を4段の可変ノッチフィルタB1〜B4により
フィルタリングした後に出力する。また、この干渉信号
除去装置では、最終段の可変ノッチフィルタB4からの
出力をフィードバックして干渉波検出部B5、B6によ
り入力信号に含まれる干渉波を検出し、当該検出結果に
基づいて制御部B7が各可変ノッチフィルタB1〜B4
で制限する周波数帯域を制御する。また、この干渉信号
除去装置には、受信信号の入力端と出力端とを直接的に
接続する事故(電源断)時のスルーパスが備えられてい
る。
【0170】また、同図(b)には、可変ノッチフィル
タB1〜B4の構成例を示してあり、各可変ノッチフィ
ルタB1〜B4は、中心周波数が固定されたノッチフィ
ルタB13の前段及び後段にそれぞれPLL(Phase Lo
cked Loop)部B11からのローカル信号の周波数で入
力信号を混合するミキサB12、B14を設けて構成さ
れている。ここで、PLL部B11は制御部B7により
制御される。
【0171】また、同図(c)には、干渉波検出部B
5、B6の構成例を示してあり、各干渉波検出部B5、
B6では、入力信号とPLL部B21からのローカル信
号とをミキサB22により混合した後にバンドパスフィ
ルタ(BPF)B23によりフィルタリングし、当該フ
ィルタリング後の入力信号とPLL部B24からのロー
カル信号とをミキサB25により混合する。そして、各
干渉波検出部B5、B6では、ミキサB25からの出力
を通過帯域の広いバンドパスフィルタB27でフィルタ
リングして各帯域内の電力を比較することにより干渉波
が存在するか否かを一次判定し、干渉波が存在すると判
定した帯域については当該出力を通過帯域の狭いバンド
パスフィルタB26でフィルタリングすることで細かく
分割した各帯域内に干渉波が存在するか否かを二次判定
する。先に説明したように、各可変ノッチフィルタB1
〜B4の制御を行う制御部B7において、変化する干渉
信号の分析結果を記憶し、ノッチフィルタB1〜B4の
中心周波数制御を干渉信号の周期にあわせて行うことで
本発明記載の周期的に変化する干渉信号の除去をRF帯
又はIF帯でも行うことが可能である。各可変ノッチフ
ィルタB1〜B4の中心周波数は、この場合同一時間で
4波除去可能であるので、本発明の方式を用いることで、
異なるタイミングで到来する複数のTDMA信号に対
し、各々独立に対応させることが可能であるので、同時に
4波までしか除去できないとしても、実際には4波以上
のTDMA信号に対して干渉信号除去の動作を行うこと
が可能である。
【0172】次に、図6(a)には、本例の干渉信号除
去装置12と組み合わせることが可能であり、本発明記
載の方式を用いることも可能な干渉信号除去装置11の
第3の例を示してある。同図(a)に示した干渉信号除
去装置では、RF帯の受信信号を入力し、当該入力信号
をアイソレータC5を有した伝送ラインを介して出力す
るまでの間に、制御部C6により制御される4つのキャ
ンセルカードC1〜C4により当該受信信号から干渉波
を除去する。
【0173】また、同図(b)には、同図(a)中に点
線で示したキャンセルカードC1部分の構成例を示して
あり、この構成例は他のキャンセルカードC2〜C4に
ついても同様である。すなわち、各キャンセルカードC
1〜C4では、伝送ラインを伝送する受信信号を入力し
て、当該入力信号を増幅器C11により増幅した後にミ
キサC12によりローカル信号と混合してバンドパスフ
ィルタC13によりフィルタリングし、当該フィルタリ
ング後の入力信号を可変減衰器C14により減衰させた
後にミキサC15によりローカル信号と混合して可変位
相器C16により位相変化させ、当該可変位相器C16
からの出力を増幅器C17により増幅して元の伝送ライ
ンへ出力する。また、各キャンセルカードC1〜C4で
は、元の伝送ラインへ出力した信号をフィードバック系
により取得して、当該信号を増幅器C18により増幅し
た後にミキサC19によりローカル信号と混合してバン
ドパスフィルタC20によりフィルタリングし、当該フ
ィルタリング結果及び前記バンドパスフィルタC13か
らの出力に基づいて制御部(I/Q DEMO)C21
により可変減衰器C14及び可変位相器C16を制御す
る。先に説明したように、各キャンセルカードC1〜C
4の制御を行う制御部C6において、変化する干渉信号
の分析結果を記憶し、各キャンセルカードC1〜C4の
バンドパスフィルタ(BPF)C13の中心周波数制御
を単位時間毎に行うことで本発明記載の周期的に変化す
る干渉信号の除去も可能である。第2の例でも説明した
ように、本例でも同時には4波までしか除去できない
が、本発明を用いることで、実際には4波以上のTDM
A信号に対して干渉信号除去の動作を行うことが可能で
ある。
【0174】次に、図7(a)には、本例の干渉信号除
去装置12と組み合わせることが可能であり、本発明記
載の方式を用いることも可能な干渉信号除去装置11の
第4の例を示してある。同図(a)に示した干渉信号除
去装置では、RF帯の受信信号を入力し、当該入力信号
を低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)D1
により増幅した後に可変利得増幅器(VGA:Variable
Gain Amplifier)D2により増幅し、当該増幅後の入
力信号を静磁波フィルタD3によりフィルタリングした
後にレベル調整部D4によりレベル調整して出力する。
また、この干渉信号除去装置では、可変利得増幅器D2
からの出力を検出部D5により検出して当該可変利得増
幅器D2を制御する。
【0175】また、同図(b)には、静磁波フィルタD
3の構成例を示してあり、この静磁波フィルタD3は、
YAG基板D11にトランスデューサD12、D13を
設けて構成されている。この静磁波フィルタD3では、
MSW(Magneto Static Wave)を利用して帯域によら
ずに閾値以上の信号成分を抑圧することができ、これに
より、干渉波を除去する。なお、同図(c)には、干渉
波を含んだ信号のスペクトルの一例を示してあり、同図
(d)には、当該干渉波をMSWによりその飽和レベル
にまで抑圧した場合のスペクトルの一例を示してある。
また、静磁波フィルタD3に対し過大な入力が入った場
合には、その出力がひずむことが知られているが、先に
説明したように、検出部(Detector)D5にお
いて変化する干渉信号の分析結果を記憶し、可変利得増
幅器(VGA)D2に対して周期的に最適なレベルの制
御を行う本発明の方式を用いることで、干渉波のレベル
が周期的に変化しているような場合でも、最適なしきい
値を設定することが可能である。
【0176】次に、図8(a)には、本例の干渉信号除
去装置11と組み合わせることが可能な干渉信号除去装
置12の第5の例を示してある。同図(a)に示した干
渉信号除去装置では、RF帯の受信信号を入力し、当該
入力信号を2つに分配して一方の分配信号をフィルタ
(H1)E2とデシメータE24とインターポレータE
25とフィルタ(F1)E26を介して加算器E27へ
出力し、他方の分配信号をフィルタ(H0)E1とデシ
メータE3を介して更に2つに分配する。また、デシメ
ータE3からの一方の分配信号をフィルタ(H1)E5
とデシメータE18とインターポレータE19とフィル
タ(F1)E20を介して加算器E21へ出力し、デシ
メータE3からの他方の分配信号をフィルタ(H0)E
4とデシメータE6を介して更に2つに分配する。
【0177】また、デシメータE6からの一方の分配信
号をフィルタ(H1)E8とデシメータE12とインタ
ーポレータE13とフィルタ(F1)E14を介して加
算器E15へ出力し、デシメータE6からの他方の分配
信号をフィルタ(H0)E7とデシメータE9とインタ
ーポレータE10とフィルタ(F0)E11を介して加
算器E15へ出力する。また、加算器15により2つの
入力を加算した結果をインターポレータE16とフィル
タ(F0)E17を介して加算器E21へ出力し、加算
器E21により2つの入力を加算した結果をインターポ
レータE22とフィルタ(F0)E23を介して加算器
E27へ出力し、加算器E27により2つの入力を加算
した結果を出力する。
【0178】ここで、各フィルタE1、E2、E4、E
5、E7、E8、E11、E14、E17、E20、E
23、E26は、複素の帯域分割フィルタである。そし
て、本例では、同図(a)に示した構成により、入力信
号の帯域を等しく分割していって干渉波を除去した後に
当該分割した帯域を元の帯域に再合成している。また、
各デシメータE3、E6、E9、E12、E18、E2
4は、信号を間引くことを行い、本例では、信号の帯域
がフィルタにより半分になるのでオーバーサンプル数を
減少させている。逆に、各インターポレータE10、E
13、E16、E19、E22、E25は、信号を内挿
補間することを行い、本例では、信号の帯域が加算器に
より2倍になるのでオーバーサンプル数を増加させてい
る。
【0179】また、同図(b)には、同図(a)に示し
た構成により入力信号から干渉波を除去する様子の一例
を示してあり、これを参照して干渉波除去の原理を説明
する。すなわち、まず、入力信号の帯域を2分割して互
いの分割帯域の電力を比較し(参照)、次に、電力が
高い方の帯域を更に2分割して互いの分割帯域の電力を
比較し(参照)、これを必要な回数(本例では、全部
で3回)行って(参照)、最終的に分割した2つの帯
域の中で電力が高い方の帯域を干渉波成分として除去す
る(参照)。そして、以上によって分割した帯域を再
合成していき(参照)、元の入力信号の帯域に戻すこ
とにより(参照)、干渉波を除去した入力信号を得
る。
【0180】次に、本発明に係る干渉信号除去装置の他
の例を示す。なお、ここでは、例えば特願2000−3
28437号や特願2000−328740号に記載さ
れた干渉信号除去装置のように、広帯域の希望信号と狭
帯域の干渉信号とを含んだ入力信号から当該干渉信号を
除去するに際して、入力信号に基づいて当該入力信号に
含まれる干渉信号をその抽出量を抑制して抽出し、抽出
した干渉信号を当該入力信号から除去するような干渉信
号除去装置に本発明を適用した場合の構成例を示す。
【0181】図9には、本発明に係る干渉信号除去装置
の他の構成例を示してあり、この干渉信号除去装置に
は、干渉信号推定部21と、干渉信号抽出部22と、合
成器23と、抽出量抑制部24と、記憶素子25と、タ
イミング制御部26とが備えられている。
【0182】同図に示した干渉信号除去装置の構成や動
作は、抽出量抑制部24が受信信号r(t)に基づいて
干渉信号推定部21を制御することで、当該干渉信号推
定部21の干渉信号推定結果に基づいて干渉信号抽出部
22により抽出される干渉信号の抽出量を抑制すること
により、受信信号から希望信号までも除去してしまうこ
とを抑制するといった点を除いては、例えば上記図1に
示した干渉信号除去装置の構成や動作と同様である。こ
のように、本発明は、干渉信号の抽出量を抑制する干渉
信号除去装置に適用することも可能である。
【0183】ここで、本発明に係る干渉信号除去装置や
基地局装置などの構成としては、必ずしも以上に示した
ものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。ま
た、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示した
ものに限られず、本発明は、種々な分野に適用すること
が可能なものである。一例として、本例では、CDMA
方式を採用した基地局装置に本発明を適用した場合を示
したが、本発明に係る干渉信号除去装置は、例えば中継
(増幅)装置や移動局装置などに備えられてもよく、例
えば他の通信装置の受信機に備えられてもよく、また、
例えばTDMA方式やFDMA方式などの他の方式を採
用した通信装置に備えられてもよい。
【0184】また、本発明に係る干渉信号除去装置や基
地局装置などにおいて行われる各種の処理としては、例
えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源に
おいてプロセッサがROMに格納された制御プログラム
を実行することにより制御される構成が用いられてもよ
く、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段
が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッ
ピー(登録商標)ディスクやCD−ROM等のコンピュ
ータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム
(自体)として把握することもでき、当該制御プログラ
ムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに
実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させる
ことができる。
【0185】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る干渉
信号除去装置などによると、時間の経過に応じて繰り返
して出現する例えば周期的な干渉信号を受信信号から除
去するに際して、例えば1周期前などの過去の干渉信号
推定結果に基づいて受信信号に含まれる干渉信号を推定
し、推定した干渉信号を受信信号から除去するようにし
たため、例えば干渉信号推定の精度や処理速度の面で効
率的な干渉信号除去を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る干渉信号除去装置の一例を示す
図である。
【図2】 干渉信号除去装置の動作の一例を示す図であ
る。
【図3】 RF帯又はIF帯の干渉信号除去装置とBB
帯の干渉信号除去装置とを組合せた場合の構成例を示す
図である。
【図4】 組合せ可能な干渉信号除去装置の第1の例を
示す図である。
【図5】 組合せ可能な干渉信号除去装置の第2の例を
示す図である。
【図6】 組合せ可能な干渉信号除去装置の第3の例を
示す図である。
【図7】 組合せ可能な干渉信号除去装置の第4の例を
示す図である。
【図8】 組合せ可能な干渉信号除去装置の第5の例を
示す図である。
【図9】 干渉信号の抽出量を抑制する干渉信号除去装
置に本発明を適用した場合の構成例を示す図である。
【図10】 従来例に係る干渉信号除去装置の構成例を
示す図である。
【図11】 拡散符号系列の一例を説明するための図で
ある。
【図12】 CDMA方式による広帯域の拡散信号と狭
帯域の干渉信号とを含む受信信号のスペクトルの一例を
示す図である。
【図13】 干渉信号除去装置の一例を示す図である。
【図14】 適用フィルタの構成例を示す図である。
【図15】 干渉信号除去装置の一例を示す図である。
【図16】 干渉信号除去装置の一例を示す図である。
【図17】 干渉信号除去装置の一例を示す図である。
【図18】 従来例に係る干渉信号除去装置の動作の一
例を示す図である。
【符号の説明】
1、21・・干渉信号推定部、 2、22・・干渉信号
抽出部、3、23・・合成器、 4、25・・記憶素
子、5、26・・タイミング制御部、 11、12・・
干渉信号除去装置、24・・抽出量抑制部、 A1、C
11、C17、C18・・増幅器、A2、B1〜B4・
・可変ノッチフィルタ、 A3・・直交検波部、A4・
・A/D変換器、 A5・・メモリ、 A6・・FFT
部、A7・・干渉波成分除去部、 A8・・iFFT
部、 A9・・干渉波分析部、A10・・ローカル信号
発生部、A11、A13、B12、B14、B22、B
25、C12、C15、C19・・ミキサ、A12、B
13・・ノッチフィルタ、 B5、B6・・干渉波検出
部、B7、C6、C21・・制御部、 B11、B2
1、B24・・PLL部、B23、B26、B27、C
13、C20・・バンドパスフィルタ、C1〜C4・・
キャンセルカード、 C5・・アイソレータ、C14・
・可変減衰器、 C16・・可変位相器、 D1・・低
雑音増幅器、D2・・可変利得増幅器、 D3・・静磁
波フィルタ、D4・・レベル調整部、 D5・・検出
部、 D11・・YAG基板、D12、D13・・トラ
ンスデューサ、E1、E2、E4、E5、E7、E8、
E11、E14、E17、E20、E23、E26・・
フィルタ、E3、E6、E9、E12、E18、E24
・・デシメータ、E10、E13、E16、E19、E
22、E25・・インターポレータ、E15、E21、
E27・・加算器、

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間の経過に応じて繰り返して出現する
    干渉信号を受信信号から除去する干渉信号除去装置であ
    って、 過去の干渉信号推定結果に基づいて受信信号に含まれる
    干渉信号を推定し、推定した干渉信号を受信信号から除
    去することを特徴とする干渉信号除去装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の干渉信号除去装置にお
    いて、 受信信号及び受信信号から干渉信号を除去した結果に基
    づいて受信信号に含まれる干渉信号を推定する干渉信号
    推定手段と、 干渉信号推定手段により推定された干渉信号を受信信号
    から除去する干渉信号除去手段と、 干渉信号推定手段の干渉信号推定結果を記憶し、記憶し
    た過去の干渉信号推定結果に基づいて受信信号に含まれ
    る干渉信号を推定するように干渉信号推定手段による干
    渉信号推定を制御する干渉信号推定制御手段と、 を備えたことを特徴とする干渉信号除去装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の干渉信号除去装置にお
    いて、 干渉信号推定手段は受信信号及び受信信号から干渉信号
    を除去した結果に基づいて受信信号から干渉信号を抽出
    するための制御係数を逐次更新することで受信信号に含
    まれる干渉信号を推定し、 干渉信号除去手段は、干渉信号推定手段により逐次更新
    される制御係数を用いて受信信号から干渉信号を抽出す
    る干渉信号抽出手段を有し、当該干渉信号抽出手段によ
    り抽出した干渉信号を受信信号から除去し、 干渉信号推定制御手段は干渉信号推定手段の干渉信号推
    定結果として制御係数の逐次更新結果値を記憶し、記憶
    した過去の制御係数逐次更新結果値を初期値として受信
    信号から干渉信号を抽出するための制御係数を逐次更新
    するように干渉信号推定手段による干渉信号推定を制御
    することを特徴とする干渉信号除去装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載の干渉信号
    除去装置において、 干渉信号推定制御手段は、干渉信号推定手段の干渉信号
    推定結果を記憶するメモリと、干渉信号推定手段の干渉
    信号推定結果を当該メモリに記憶させるタイミング及び
    当該メモリに記憶された過去の干渉信号推定結果を干渉
    信号推定手段へ出力させるタイミングを制御するタイミ
    ング制御手段とを用いて構成されたことを特徴とする干
    渉信号除去装置。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の干渉信号除去装置において、 時間の経過に応じて繰り返して出現する干渉信号は周期
    的に出現する干渉信号であり、 干渉信号推定制御手段は当該周期で干渉信号推定手段の
    干渉信号推定結果の記憶内容を更新し、記憶した1周期
    前の干渉信号推定結果に基づいて受信信号に含まれる干
    渉信号を推定するように干渉信号推定手段による干渉信
    号推定を制御することを特徴とする干渉信号除去装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の干渉信号除去装置にお
    いて、 干渉信号推定制御手段は所定の単位時間帯毎に干渉信号
    推定手段の干渉信号推定結果を記憶し、当該単位時間帯
    毎に記憶した1周期前の干渉信号推定結果に基づいて受
    信信号に含まれる干渉信号を推定するように干渉信号推
    定手段による干渉信号推定を制御することを特徴とする
    干渉信号除去装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6に記載の干渉信号
    除去装置において、 干渉信号推定制御手段は受信信号の電力の変化に基づく
    周期を干渉信号の周期として用いることを特徴とする干
    渉信号除去装置。
  8. 【請求項8】 請求項5又は請求項6に記載の干渉信号
    除去装置において、 干渉信号推定制御手段は受信信号に含まれる所定の周波
    数の信号の電力の変化に基づく周期を干渉信号の周期と
    して用いることを特徴とする干渉信号除去装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に
    記載の干渉信号除去装置を有し、通信相手となる移動局
    装置から無線受信した信号に含まれる干渉信号を当該干
    渉信号除去装置により除去することを特徴とする移動通
    信システムの基地局装置。
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