JP2002372115A - 摩擦式無段変速機 - Google Patents

摩擦式無段変速機

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JP2002372115A
JP2002372115A JP2001183610A JP2001183610A JP2002372115A JP 2002372115 A JP2002372115 A JP 2002372115A JP 2001183610 A JP2001183610 A JP 2001183610A JP 2001183610 A JP2001183610 A JP 2001183610A JP 2002372115 A JP2002372115 A JP 2002372115A
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cam
shaft
speed
outer ring
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JP2001183610A
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Tomoaki Makino
智昭 牧野
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NTN Corp
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加圧カム方式の利点を活かしつつ、回転トル
ク伝達をなす摩擦接触部の過大な滑りの発生、転走面の
損傷、変速機構部への過大な荷重負担等を防止し、滑ら
かな変速機能を確保できる摩擦式無段変速機を提供す
る。 【解決手段】 サンローラ23と高速軸21との連結部
間およびアウタリング24と低速軸22との連結部間に
サポートカム28、29を介してダブルコーン26への
圧接力を付与し、かつ、回転トルクの伝達を行うための
カム面30a、30b、31a、31bを高速軸21お
よび低速軸22の軸方向に対向して形成した加圧カム3
0、31を各々介在させ、各加圧カム30、31のカム
面30a、30b、31a、31b間に高速軸21およ
び低速軸22の軸方向の相対距離が所定量δ以下になる
ことを規制する規制手段32、33を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摩擦式無段変速
機、特に、産業機械用または車両変速機用に使用される
トラクションドライブ式コーン型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】トラクションドライブは摩擦伝動装置の
一種であり、滑らかな表面を有する2面間に形成される
油膜を介して動力が伝達される。このようなトラクショ
ンドライブは以下のような特徴を有する。 (1)歯車よりも振動および騒音レベルが低い。 (2)無段変速機(Continuously Variable Transmissi
on,CVT)を構築できる。
【0003】トラクションドライブを構成する動力伝達
部材の回転半径(回転軸心から他の動力伝達部材との接
触部までの距離)を変えることによって無段変速機を実
現できる。その回転半径を変える方式によって、さまざ
まな形式のトラクションドライブ式無段変速機が開発さ
れており、その代表的なものとしてコーン型CVTがあ
る。
【0004】図4にコーン型CVTの一例を示す。ケーシ
ング1内に高速軸2および低速軸3がアンギュラ玉軸受
4、ラジアル玉軸受5、ニードル軸受6を介して同軸心
上に配置され、高速軸2の端部には転走面7aを有する
サンローラ7が形成されている。また、低速軸3の端部
にはその内周面に転走面8aを有するアウタリング8が
取り付けられている。なお、図4では、アウタリング8
と低速軸3とは別体の場合を示しているが、一体に形成
してある場合もある。サンローラ7とアウタリング8と
の間には、ダブルコーン9が円周方向等間隔にかつ回転
自在に配置されている。ダブルコーン9は、転走面であ
る円錐面9a、9bを2つ有し、その円錐面9a、9b
において各々サンローラ7およびアウタリング8と圧接
している。そして、このコーン型CVTを減速機として使
用する場合、高速軸2が入力軸、低速軸3が出力軸とさ
れる。
【0005】ダブルコーン9を回転自在に支持する軸9
cを円周方向等間隔に保持するキャリア10は入出力軸
2、3の軸心周りの回転が規制されている。すなわち、
ダブルコーン9は、入出力軸2、3の軸心周りの公転が
規制されており、軸9cの軸心周りの自転のみが可能で
ある。この場合の変速比e(=高速軸回転数/低速軸回
転数)は次式となる。 e=bd/ac ただし、aはサンローラ7の軸心からダブルコーン9へ
の接触部までの回転半径、bはダブルコーン9の軸心か
らサンローラ7への接触部までの回転半径、cはダブル
コーン9の軸心からアウタリング8への接触部までの回
転半径、dはアウタリング8の軸心からダブルコーン9
への接触部までの回転半径である。
【0006】図5を用いてコーン型CVTの変速のしくみ
を説明する。ダブルコーン9は、サンローラ7と接する
円錐母線9a'とアウタリング8と接する円錐母線9b'
が平行になるように形成される。このため、図5に示す
ように、ダブルコーン9は円錐母線9a'、9b'に沿っ
て移動することが可能である。ダブルコーン9が移動す
ると、前記式における回転半径bおよびcが連続的に変
化するため、変速比eは連続的に可変となる。上記コー
ン型CVTでは、ダブルコーン9を支持するキャリア10
に取り付けたラック11を変速軸12に取り付けたピニ
オン歯車13により駆動させることで、キャリア10を
入出力軸方向に移動させるようにしている。なお、図4
において、1aは潤滑油供給路、1bは潤滑油排出路を
示しており、いずれもケーシング1の端部に形成され、
軸受部や摩擦接触部を潤滑させている。
【0007】図4、図5に示すコーン型CVTのダブルコ
ーン9では、転走面となる2つの円錐面9a、9bは同
一形状であるが、この2つの円錐面9a、9bを相異な
る形状としたものもある。その一例を図6に示す。図6
に示すような2つの円錐面9a、9bが異なるダブルコ
ーン形状とすることで、図4、図5に示すコーン型CVT
よりも大きな変速比を得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】トラクションドライブ
は動力伝達に十分な法線力が接触部に作用しない場合、
過大なすべり(グロススリップ)が生じ、負荷を低下さ
せなければ焼付きに至る。ただし、過大な法線力は接触
部における動力損失を増加させ、かつ、転動疲労寿命を
低下させる。そのため、適切な法線力の設定が重要であ
る。図4または図6に示すコーン型無段変速機では、ラ
ジアル玉軸受5を介して低速軸3にばね14による軸方
向力を作用させることで、サンローラ7とダブルコーン
9との接触部およびアウタリング8とダブルコーン9と
の接触部に、動力伝達に必要な法線力を発生させてい
る。このような加圧機構の場合、最大負荷に合わせてば
ね力が設定されるため、低負荷時には過大な法線力が作
用し、伝達効率および転動疲労寿命が悪化する。上記ば
ね14による一定な加圧力を作用させる代わりに加圧カ
ムを用いることで、性能を向上させたものもある。
【0009】加圧カムを設けた従来例のコーン型CVTの
構造を図7に示す。ダブルコーン9の転走面と圧接する
アウタリング8およびサンローラ7にはカム面8b、7
bが形成され、入出力軸2、3の軸方向に移動可能なよ
うに設けられている。アウタリング8およびサンローラ
7のカム面8b、7bに対向して低速軸3および高速軸
2に圧入等の一体化またはキーやスプライン等の動力伝
達手段によって一体に回転するように取り付けられたサ
ポートカム15、16にもカム面15a、16aが形成
され、その間にボール17が介在配置されている。この
ような加圧カムにより、アウタリング8またはサンロー
ラ7とサポートカム15、16との間でボール17を介
して動力が伝達され、かつ、伝達トルクに依存する軸方
向加圧力がアウタリング8およびサンローラ7に作用す
る。
【0010】加圧カムの動作を図8の(A)(B)に示
す。サポートカム15、16が軸方向の移動を拘束され
ている場合、加圧カムにトルクが伝達すると、図8の
(B)に示すように、アウタリング8またはサンローラ
7に軸方向力Faが作用し、アウタリング8またはサンロ
ーラ7は図8の(B)の状態から(A)の状態へ軸方向
にδ=L2−L1だけ移動する。ここでδは各部品の軸方
向の製作精度を考慮して設けられる軸方向すきまであ
る。このδが不足すると、加圧カムが作動せず、かつ、
トラクションドライブの摩擦接触部に過大な法線力が作
用する。
【0011】図7に示すコーン型CVTのように低速軸3お
よび高速軸2の両側に加圧カムが設けられる場合、低速
側加圧カムによってアウタリング8に作用する軸方向力
Fa 1と高速側加圧カムによってサンローラ7に作用す
る軸方向力Fa2の大きさによって、異なる挙動を呈す
る。その挙動の概念図を図9に示す。Fa1>Fa2の場
合、図9の(A)に示すように、高速側加圧カムは押し
込まれ、アウタリング8やダブルコーン9等は高速側軸
方向にL2−L1=δだけ移動する。逆にFa1<Fa2
場合、図9の(B)に示すように、低速側加圧カムが押
し込まれ、アウタリング8やダブルコーン9等は低速側
軸方向にL2−L1=δだけ移動する。この軸方向変位量
δが過大な場合、加圧カムによる軸方向力の一部を変速
機構部(図7の場合はラック及びピニオン)で受けるこ
とになり、その結果、トラクション接触部のいずれかに
おいて十分な法線力が作用しないためにグロススリップ
が生じ、転走面が損傷する。また、変速機構部に過大な
荷重が作用するため、滑らかな変速が阻害される。
【0012】そこで、本発明は、加圧カム方式の利点を
活かしつつ、回転トルク伝達をなす摩擦接触部の過大な
滑りの発生、転走面の損傷、変速機構部への過大な荷重
負担等を防止し、滑らかな変速機能を確保できる摩擦式
無段変速機を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の技術的手段として、本発明の摩擦式無段変速機は、ケ
ーシングに回転自在で同軸心上に配置された高速軸およ
び低速軸と、前記高速軸に連結され、外周面を転走面と
するサンローラと、前記低速軸に連結され、内周面を転
走面とするアウタリングと、前記サンローラおよびアウ
タリングと同軸心上に配置され、変速機構によって前記
軸心上で軸方向に移動可能とされたキャリアと、該キャ
リアの円周方向等間隔位置に各々自転軸を介して自転可
能に保持され、前記サンローラの転走面およびアウタリ
ングの転走面間に圧接されて回転トルクを伝達する複数
のダブルコーンとを備え、前記高速軸と低速軸のいずれ
か一方を入力軸、他方を出力軸とし、前記変速機構によ
って入出力軸周りの回転を規制された前記キャリアを入
出力軸の軸方向に移動させることによって前記ダブルコ
ーンに対するサンローラおよびアウタリングの接触部を
変位させて入力軸の回転速度に対する出力軸の回転速度
を無段階で変化させる摩擦式無段変速機において、前記
ダブルコーンへの圧接力を付与し、かつ、回転トルクの
伝達を行うためのカム面を入出力軸の軸方向に対向して
形成した加圧カムを前記サンローラと高速軸との間およ
び前記アウタリングと低速軸との間に各々介在させ、各
加圧カムのカム面間に前記軸方向の相対距離が所定量以
下になることを規制する規制手段を設けたことを特徴と
する。
【0014】前記規制手段は、加圧カムの対向するカム
面間に設けた接近規制用ストッパ部材で構成したもので
ある。
【0015】また、前記ストッパ部材は、加圧カムとは
別部材から形成されたものである。
【0016】上記構成によれば、加圧カム方式の利点を
活かしつつ、回転トルク伝達をなす摩擦接触部の過大な
滑りの発生、転走面の損傷、変速機構部への過大な荷重
負担等を防止し、滑らかな変速機能を確保することがで
きる。即ち、運転条件の変化により高速軸側および低速
軸側の加圧カムによって生じる軸方向加圧力の大小が逆
転しても、前記規制手段であるストッパ部材により、ア
ウタリング、ダブルコーン、サンローラおよびキャリア
からなるトラクションドライブ部が大きく軸方向に変位
することを抑制することができる。その結果、アウタリ
ングとダブルコーン間の接触部またはサンローラとダブ
ルコーン間の接触部のいずれかにおいてグロススリップ
が発生することを防止し、転走面が損傷するのを防ぐこ
とができる。また、変速機構部に過大な荷重が作用する
のを防止し、滑らかな変速機能を確保することができ
る。さらに、ストッパ部材は、加圧カムとは別部材から
形成することによって、加圧カムのカム面間の軸方向相
対接近距離を所定量に維持させるに当たり、加圧カムを
構成している各部品の寸法を測定した後に、適切な軸方
向寸法を有するストッパ部材を用いればよく、一体に成
形する場合に比べ、部品製作コストの点で有利である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明に係る摩擦式無段変
速機の実施の形態を示す縦断側面図で、上半分は変速比
の最大時の状態、下半分は変速比の最小時の状態を示し
ている。
【0018】図1において、21は高速軸、22は低速
軸、23はサンローラ、24はアウタリング、25a、
25bはキャリア、26はダブルコーン、27は自転
軸、28は高速側サポートカム、29は低速側サポート
カム、30は高速側加圧カム、31は低速側加圧カム、
32は高速側規制手段、33は低速側規制手段、34は
変速機構を示している。
【0019】高速軸21は、ケーシングの一部35にア
ンギュラ玉軸受36を介して回転自在に支持されてい
る。低速軸22は、高速軸21と同軸心上に対向してケ
ーシングの一部に軸受(図示省略)を介して回転自在に
支持されている。高速軸21と低速軸22との対向端部
には、軸方向の凹部21aと小径凸部22aとが対向し
て形成してあり、これらがニードル軸受37を介して同
軸心上に回転自在に組み合わされている。
【0020】サンローラ23は、高速軸21の端部外周
面上に回転自在で軸方向に移動可能に支持され、外周面
に円錐状の転走面23aを備えている。アウタリング2
4は、低速側サポートカム29の内周部の円筒状支持部
29aに回転自在で軸方向に移動可能に支持され、内周
面に円錐状の転走面24aを備えている。
【0021】キャリア25a、25bは、ダブルコーン
26の自転軸27の両端を支持するもので、一方は低速
軸22の先端付近の外周面にニードル軸受38を介して
回転自在で軸方向に移動可能に支持され、他方はケーシ
ングの一部35に高速軸21の軸方向に移動可能に支持
されている。
【0022】ダブルコーン26は、サンローラ23の転
走面23aおよびアウタリング24の転走面24aに圧
接する2つの円錐面26a、26bを有しており、自転
軸27を介してキャリア25a、25bの円周方向等間
隔位置に複数個(3個以上)が配設されている。サンロ
ーラ23の転走面23aおよびアウタリング24の転走
面24aに圧接する2つの円錐面26a、26bの円錐
母線は、互いに平行に形成されており、かつ、高速軸2
1および低速軸22の軸線に対して小さい角度で交差す
るように構成されている。
【0023】自転軸27は、ダブルコーン26を回転自
在で軸方向に移動可能に支持しており、両端をキャリア
25a、25bに固着されている。自転軸27の軸線
は、高速軸21および低速軸22の軸線に対して、所定
の角度(例えば、45°)で交差するように配置されて
いる。
【0024】高速側サポートカム28は、高速軸21上
でサンローラ23と軸方向に対向して高速軸21にキー
39を介して一体的に回転し、軸方向に移動しないよう
に装着されている。低速側サポートカム29は、低速軸
22上でアウタリング24と軸方向に対向して低速軸2
2にキー40を介して一体的に回転し、軸方向に移動し
ないように装着されている。
【0025】高速側加圧カム30は、サンローラ23と
高速側サポートカム28との軸方向対向面に形成された
カム面30a、30bと、両カム面30a、30b間に
介在させた鋼球からなるボール30cとからなり、高速
軸21とサンローラ23との間で回転トルクの伝達を行
わせ、かつ、サンローラ23をダブルコーン26に圧接
させるために配設されている。上記カム面30a、30
bは、サンローラ23および高速側サポートカム28の
円周方向等間隔位置に形成され、その形状は、V溝状と
されている。
【0026】低速側加圧カム31は、アウタリング24
と低速側サポートカム29との軸方向対向面に形成され
たカム面31a、31bと、両カム面31a、31b間
に介在させた鋼球からなるボール31cとからなり、低
速軸22とアウタリング24との間で回転トルクの伝達
を行わせ、かつ、アウタリング24をダブルコーン26
に圧接させるために配設されている。上記カム面31
a、31bは、アウタリング24および低速側サポート
カム29の円周方向等間隔位置に形成され、その形状
は、V溝状とされている。
【0027】高速側規制手段32は、高速側加圧カム3
0のカム面30a、30b間にサンローラ23と高速側
サポートカム28との軸方向の相対距離が所定量δ以下
になることを規制するために設置されるもので、本実施
形態では、図2の(A)(B)に示すように、高速側サ
ポートカム28のカム面30bの半径方向内側にサンロ
ーラ23側に向けて取り付けた円筒状のストッパ部材で
構成している。なお、39aはキー溝である。
【0028】低速側規制手段33は、低速側加圧カム3
1のカム面31a、31b間にアウタリング24と低速
側サポートカム29との軸方向の相対距離が所定量δ以
下になることを規制するために設置されるもので、アウ
タリング24のカム面31bの半径方向外側に低速側サ
ポートカム29に向けて取り付けた円筒状のストッパ部
材で構成している。
【0029】変速機構34は、キャリア25bの一部に
形成したラック34aと、これに噛合するピニオン歯車
34bと、このピニオン歯車34bを固着した変速軸3
4cとからなり、この変速軸34cはケーシングの一部
に回転可能に設置される。
【0030】本実施形態の構成は以上からなり、次に動
作を説明する。例えば、減速機として使用する場合、高
速軸21が入力軸となり、低速軸22が出力軸となる。
従って、高速軸21の回転トルクは高速側サポートカム
28から高速側加圧カム30を介してサンローラ23に
伝わり、このサンローラ23からダブルコーン26を介
してアウタリング24に伝わり、さらに、アウタリング
24から低速側加圧カム31を介して低速側サポートカ
ム29に伝わり、この低速側サポートカム29から低速
軸22に伝わる。この間、ダブルコーン26の部分で所
定の減速比、即ち、e=bd/acで減速される。減速
比eは、変速機構34の変速軸34cを回転させること
によって、ピニオン歯車34bとラック34aとを介し
てキャリア25b、自転軸27、キャリア25aおよび
ダブルコーン26を、高速軸21および低速軸22の軸
方向に移動させて、サンローラ23及びアウタリング2
4のダブルコーン26への接触位置を変化させることに
よって適宜変更される。また、高速側加圧カム30およ
び低速側加圧カム31の部分では、図3の(A)(B)
に示すように、アウタリング24に作用する軸方向力F
1とサンローラ23に作用する軸方向力Fa2の大きさ
によって次のようになる。先ず、Fa1>Fa2の場合、
図3の(A)に示すように、高速側加圧カム30は押し
込まれ、アウタリング24やダブルコーン26等は高速
側軸方向にδ(例えば、0.6mm)だけ移動し、それ
以上の移動は高速側規制手段32のストッパ部材によっ
て阻止される。また、Fa1<Fa2の場合、図3の
(B)に示すように、低速側加圧カム31が押し込ま
れ、アウタリング24やダブルコーン26等は低速側軸
方向にδ(例えば、0.6mm)だけ移動し、それ以上
の移動は低速側規制手段33のストッパ部材によって阻
止される。これによって、サンローラ23とダブルコー
ン26の接触部およびアウタリング24とダブルコーン
26の接触部に十分な法線力を作用させることができ、
グロススリップの発生を防止することができ、転走面の
損傷も防止することができる。また、変速機構34にも
過大な荷重が作用するのを防止することができ、滑らか
な変速機能を確保させることができる。
【0031】以上、本発明図示の実施の形態につき説明
したが、本発明は前記実施の形態に限定されることなく
種々の変形が可能であって、例えば、 図1および図2で
は、サポートカム28、29と規制手段32、33は別
体としているが、この規制手段32、33が一体となる
ようにサポートカム28、29やサンローラ23および
アウタリング24を成形してもよい。ただし、規制手段
32、33を一体に成形する場合は、軸方向変位量δを
管理するために、各部品の軸方向製作精度を厳しくする
ことが要求される。一方、規制手段32、33が別部材
である場合は、各部品の寸法を測定した後に、適切な軸
方向変位量δを確保する規制手段32、33を設ければ
よく、一体に成形する場合に比べ、部品製作コストの点
で有利である。また、規制手段32、33を設ける位置
は、カム面の半径方向の内外どちらでもよい。なお、加
圧カムは2つのカム面にボールを設けているが、ボール
の代わりにローラを用いてもよい。また、ボールを省略
し、2つのカム面を直接に当接させるフェイスカムにも
適用できる。ただし、フェイスカムでは、カム面間の摩
擦が大きいため発生する軸方向力が低下する。また、カ
ム面間の摩擦に起因するヒステリシスが生じ、同じ伝達
トルクでも、伝達トルクが上昇する場合と、減少する場
合とで、軸方向力が異なり、加圧カムの挙動が安定しな
い問題が生じ易い。そこで、これらの点を考慮して用途
に応じて適用することができる。さらに、ダブルコーン
の2つの円錐面は両側同一形状とした場合を例示してい
るが異なる形状としてもよい。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、加圧カム方式の利点を
活かしつつ、回転トルク伝達をなす摩擦接触部の過大な
滑りの発生、転走面の損傷、変速機構部への過大な荷重
負担等を防止し、滑らかな変速機能を確保することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る摩擦式無段変速機の実施の形態を
示す縦断側面図で、上半分は変速比の最大時の状態、下
半分は変速比の最小時の状態を示している。
【図2】(A)は図1に示す高速側サポートカムの正面
図、(B)はその縦断側面図である。
【図3】(A)および(B)は図1の高速側および低速
側の加圧カムの動作説明図である。
【図4】従来の摩擦式無段変速機の一例を示す縦断側面
図。
【図5】図4の摩擦式無段変速機の主要部の拡大図。
【図6】従来の摩擦式無段変速機のダブルコーン部分の
変形例を示す縦断側面図。
【図7】従来の加圧カムを採用する摩擦式無段変速機の
一例を示す縦断側面図。
【図8】(A)および(B)は従来の加圧カムの動作説
明図。
【図9】(A)および(B)は図7の高速側および低速
側の加圧カムの動作説明図。
【符号の説明】
21 高速軸 22 低速軸 23 サンローラ 24 アウタリング 25a、25b キャリア 26 ダブルコーン 27 自転軸 28 高速側サポートカム 29 低速側サポートカム 30 高速側加圧カム 31 低速側加圧カム 32 高速側規制手段 33 低速側規制手段 34 変速機構 35 ケーシング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングに回転自在で同軸心上に配置
    された高速軸および低速軸と、前記高速軸に連結され、
    外周面を転走面とするサンローラと、前記低速軸に連結
    され、内周面を転走面とするアウタリングと、前記サン
    ローラおよびアウタリングと同軸心上に配置され、変速
    機構によって前記軸心上で軸方向に移動可能とされたキ
    ャリアと、該キャリアの円周方向等間隔位置に各々自転
    軸を介して自転可能に保持され、前記サンローラの転走
    面およびアウタリングの転走面間に圧接されて回転トル
    クを伝達する複数のダブルコーンとを備え、前記高速軸
    と低速軸のいずれか一方を入力軸、他方を出力軸とし、
    前記変速機構によって入出力軸周りの回転を規制された
    前記キャリアを入出力軸の軸方向に移動させることによ
    って前記ダブルコーンに対するサンローラおよびアウタ
    リングの接触部を変位させて入力軸の回転速度に対する
    出力軸の回転速度を無段階で変化させる摩擦式無段変速
    機において、前記ダブルコーンへの圧接力を付与し、か
    つ、回転トルクの伝達を行うためのカム面を入出力軸の
    軸方向に対向して形成した加圧カムを前記サンローラと
    高速軸との間および前記アウタリングと低速軸との間に
    各々介在させ、各加圧カムのカム面間に前記軸方向の相
    対距離が所定量以下になることを規制する規制手段を設
    けたことを特徴とする摩擦式無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記規制手段が加圧カムの対向するカム
    面間に設けた接近規制用ストッパ部材である請求項1に
    記載の摩擦式無段変速機。
  3. 【請求項3】 前記ストッパ部材が加圧カムとは別部材
    から形成されたものである請求項2に記載の摩擦式無段
    変速機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008286318A (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 Doshisha 摩擦変速機
JP2012154394A (ja) * 2011-01-25 2012-08-16 Honda Motor Co Ltd 車両用無段変速機
CN106402316A (zh) * 2016-11-03 2017-02-15 同济大学 一种转动平动转换模块装置

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