JP2002370250A - 樹脂中空成形品の成形方法、成形品及びその金型 - Google Patents

樹脂中空成形品の成形方法、成形品及びその金型

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイスライドインジェクション法、またはダ
イロータリーインジェクション法等により得られた中空
成形品管状部分の半円状端部接合部分の接合強度を高め
ること。 【解決手段】 各1次成形品の接合溝の、底面部分及び
天面部分と突き合わせ面側縦壁部分によって構成される
接合溝コーナーに0.5mm以上のRづけまたはC面づ
けを施したり、接合溝の底面部分及び天面部分に溶着山
を設けたり、縦壁部分に最近接の溶着山の縦壁部分側に
面した側面と、底面部分又は天面部分とのコーナーの縦
壁部分の間隔を1〜4mmとしたり、隣接する溶着山ど
うしのコーナー間隔を0.2〜3mmとしたり、溶着山
の両側面と底面部分又は天面部分とのコーナーに0.3
mm以上のRづけを施したりする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つ以上に分割し
た1次成形品を突き合わせて、突き合わせ面、接合フラ
ンジおよび接合溝とを形成し、該接合溝に樹脂を充填し
て、各1次成形品を接合一体化させて得られる中空成形
品、成形方法、それに使用する成形用金型に関するもの
であり、得られた成形品の接合強度が向上する。
【0002】
【従来の技術】中空体等を成形する成形技術として、半
割の1次成形品どうしを所定の形状に突き合わせて、突
き合わせ面と接合溝とを形成し、該接合溝に樹脂を充填
して一体となった成形品を得る成形方法として、特開昭
62-87315号公報に記載されたダイスライドインジェクシ
ョン法(以下DSI法)、特開平4-91914号公報に記載
されたダイロータリーインジェクション法(以下DRI
法)、その他インサート成形法で得られた半割の1次成
形品を使用する方法等が知られている。特にDSI法、
DRI法は溶着強度に優れ、生産性にも優れた成形方法
として知られている。
【0003】中空成形品の一般的な構造の縦断面図を図
1に示す。1、1’は半割状の1次成形品の各分割部
分、2、2’は各分割部分の突き合わせ部分、5は各突
き合わせ部分を突き合わせて形成された突き合わせ面、
8、8’は各分割部分の接合フラシジ部分、9は接合フ
ランジ部分を突き合わせて形成された接合フランジ、
3、3’は各分割部分の接合フランジ内に設けられた接
合溝部分、6は各接合溝部分から形成された接合溝、お
よび4は成形品の中空部を示す。20は接合樹脂部であ
り、接合溝6に2次樹脂(2次成形用樹脂または2次接
合用樹脂ともいう)が充填されて形成され、各分割部分
1、1’を接合一体化させる。接合溝6は、移動金型側
の天面10’、固定金型側の底面10、縦壁面11、及
び必要に応じて設けられる金型合わせ面側の面12から
なる。図2に、突き合わせ面、接合フランジ、接合溝、
接合樹脂部、及び接合溝と接合樹脂部の接合部の詳細を
示す。接合部は、1次成形品の移動金型側の天面1
0’、固定金型側の底面10、縦壁面11と2次成形で
射出充填されて形成される接合樹脂部20との接触面か
らなる。7は突き合わせ面の溝側部分、7’は突き合わ
せ面の中空側部分を示す。
【0004】図3はDSI法による1次成形品の一般的
な成形方法を示す図である。21は固定金型、21’は
移動金型であり、1次成形品の各分割部分1、1’が成
形される。図4は、図3に続いて、型開きされ、駆動装
置23により移動金型をスライドさせて、2次成形用に
移動させた状態を示す図である。図5では、図4に続い
て、型閉じされ、各分割部分1、1’を突き合わせ、突
き合わせ面5と接合溝6が形成されて、所定の製品前駆
体26が形成される。更に、製品前駆体26の接合溝6
に2次樹脂が充填され、接合樹脂部20が形成され、製
品前駆体26が接合一体化され、成形品(製品)27が
得られる。
【0005】接合溝6内に2次樹脂が充填される時、各
分割部分1、1’の溝部分どうしは接合樹脂部20と溶
着されるが、突き合わせ部分2、2’どうしの間には実
質的に樹脂は入らず、突き合わせ面5は溶着しない。ま
た、接合樹脂部20と接合溝6との接合部については、
2次成形用樹脂ゲート近傍内では樹脂温度も高く、圧力
も高いため1次成形品と2次樹脂の溶着接合強度は高い
が、樹脂の流動末端側では樹脂温度、射出圧力の低下に
より接合溶着強度が低下してくる。図10に示すよう
に、接合強度を向上させるための一般的な対策として、
1次成形品の接合溝底面10及び接合溝天面10’に溶
着山を設置するが、溶着山の設置範囲の1次成形品表面
が全て2次成形樹脂の熱により溶融し、融着している状
態にはなり難い。このように一般的な溶着山を設けた場
合、2次成形後の成形品の接合範囲を詳細に観察してみ
ると、図11に示す溶着山の凸部分38(破線指示部
分)では1次成形品の表面が2次成形時に再溶融し、1
次成形品と2次樹脂が良好に接合していることが確認さ
れたが、隣接する溶着山28どうしの間に構成される谷
部分36及び1次成形品接合溝の突き合わせ面側縦壁部
分11及びこの縦壁部分11と縦壁部分11側の溶着山
28との間に構成されるエッジ状接合溝37では接合が
不充分で、簡単に接合界面で剥離することが確認され
た。特に縦壁部11及びエッジ状接合溝37の接合溶着
不良があった場合、一体化された管状中空成形体に内側
から圧力を加えた場合、溶着していない突き当て部端面
部、即ち、突き合わせ面の溝側部分7に高い応力が発生
し、縦壁部で僅かに接合溶着している部分が簡単に破壊
し、その破壊によって生ずるクラックが接合溶着してい
る溶着山の凸部分38にも伝播し、管状体は低い内圧で
簡単に破損しやすい。水道関連商品、給湯器関連商品の
管状体の中空体部品においては、非常に高い気密性、耐
圧性能、長期耐圧信頼性が要求されるものが多く、従来
の技術のみでは要求性能を満たすことが困難であった。
【0006】図7にパイプ状製品の斜視図を示す。パイ
プ1’の端部にパイプ24が設けられる。円筒パイプ
は、従って、半割体1と、パイプ24が設けられた半割
体1’とが突き合わされて得られる。半割体1及び1’
の外周部には、長さ方向に、フランジ9が一体的に設け
られ、接合溝6を形成する。この接合溝6に2次射出工
程で2次成形用スプルー、ランナー、ゲート(これらは
図示せず。)を経由して溶融樹脂を射出充填し、接合樹
脂部20により、半割体1及び1’を接合一体化させ
る。図8は、図7のパイプ状製品の本体パイプ部端末開
口部を、本体パイプと同一材料の平板25を熱板溶着法
にて溶着させて塞いだものを、金型パーティング面と直
角で本体パイプの軸方向に切断した時の状態を表す断面
図である。20は2次接合用樹脂を示し接合溝6内に形
成される。この図8に示すような形態に本体パイプ部端
末開口部を塞ぎ、パイプ24の先端をネジ加工したもの
を、接合性能確認のための耐圧試験に用いた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ダイ
スライドインジェクション法、またはダイロータリーイ
ンジェクション法により得られた中空成形品の接合溝と
接合樹脂部との接合部の接合強度を高めることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、接合溝6を
構成する1次成形品表面と2次樹脂20との接合界面の
溶着状態の詳細な観察と、1次成形品の接合溝6の底面
10及び天面10'に各種寸法形状の溶着山を設け、そ
の時の詳細な接合界面観察及び耐圧試験を種々検討した
結果、1次成形品接合溝6と接合樹脂部20の接合強度
が向上することを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】すなわち本発明の第1は、1次成形用金型
内で2つ以上に分割して成形され、突き合わせ部分
(2)、接合フランジ部分(8)、接合フランジ部分
(8)の内側に設けられた接合溝部分(3)を有する1
次成形品の各分割部分(1)を、2次成形用金型内で突
き合わせて、各突き合わせ部分(2)、接合フランジ部
分(8)、接合溝部分(3)から、それぞれ突き合わせ
面(5)、接合フランジ(9)、接合溝(6)を形成さ
せて中空部を有する製品前駆体(26)を得、該製品前
駆体(26)の接合溝(6)に2次樹脂を充填して接合
樹脂部(20)を形成させ、該製品前駆体(26)を接
合させて成形品(27)を得るための1次成形用金型に
おいて、接合溝(6)の底面部分(10)及び天面部分
(10’)と突き合わせ面側縦壁部分(11)によって
構成される接合溝コーナー(30)にR0.5mm以上
のRづけまたはC0.5mm以上のC面(カット面)づ
けを施した1次成形用金型を提供する。本発明の第2
は、接合溝(6)の底面部分(10)及び天面部分(1
0’)に溶着山(28)が設けられた本発明の第1記載
の1次成形用金型を提供する。本発明の第3は、縦壁部
分(11)に最近接の溶着山(28)の縦壁部分(1
1)側に面した側面と、底面部分(10)又は天面部分
(10’)とのコーナー(31)の縦壁部分(11)と
の間隔が1〜4mmである本発明の第2記載の1次成形
用金型を提供する。本発明の第4は、隣接する溶着山
(28)どうしのコーナー間隔(33)が0.2〜3m
mである本発明の第2又は3に記載の1次成形用金型を
提供する。本発明の第5は、溶着山(28)の両側面と
底面部分(10)又は天面部分(10’)とのコーナー
(29)及び(31)にR0.3mm以上のRづけが施
された本発明の第2〜4のいずれかに記載の1次成形用
金型を提供する。本発明の第6は、本発明の第1〜5の
いずれかに記載の1次成形用金型内で2つ以上に分割し
て成形された1次成形品の各分割部分(1)を突き合わ
せて、製品前駆体(30)を得、該製品前駆体(30)
の接合溝(6)に樹脂を充填して、接合樹脂部(20)
を形成させる2次成形用金型を提供する。本発明の第7
は、1次成形用金型をスライド又は回転させて得られる
本発明の第6に記載の2次成形用金型を提供する。本発
明の第8は、本発明の第1〜5のいずれかに記載の1次
成形用金型で1次成形品を成形し、1次成形品の接合溝
(6)に2次樹脂を射出充填して接合一体化させる成形
方法を提供する。本発明の第9は、ダイスライドインジ
ェクション法、またはダイロータリーインジェクション
法を用い、中空体成形を行う本発明の第8に記載の成形
方法を提供する。本発明の第10は、本発明の第8又は
9に記載の成形方法により得られた成形品を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】DSI法により1次成形品の管状
半割体を2次成形で接合一体化成形した管状体の耐圧試
験を行った場合、その破壊は1次成形品接合溝と2次成
形樹脂の溶着不良部が起点となっていて、その溶着不良
は接合溝の鋭角な凹側角部やエッジ状凹状コーナー部や
溶着山の谷部分に発生しやすいことが、本発明者による
検討により確認された。この高い応力発生部近傍の接合
溶着強度を向上させないことには、耐圧性能の十分な向
上は達成できない。2次成形時の接合部中空部側の縦壁
部まで、充分に1次成形品と2次成形樹脂を溶着させる
技術の確立が本問題の解決につながることに気付いた。
【0011】本発明に使用する1次成形品は、1次成形
用金型内で、2つ以上に分割して1次成形される。1次
成形品の分割数には制限はなく、3分割、4分割などの
多分割が可能であるが、通常2分割である。1次成形品
を成形する方法としてはDSI法、DRI法のように2
次成形用金型と兼用の金型で射出成形したり、予め用意
した部品と複合成形するインサート成形法等が挙げられ
るが、これらに限定されるものではなく、各分割部分を
別々の金型で成形して、それらを組み合わせて使用する
こともできる。
【0012】図9に、本発明の一例として、下半割体と
上半割体を使用してDSI法で得られた中空成形体の突
き合わせ面、接合溝、接合樹脂部の関係を示す。突き合
わせ面の形状には特に制限はなく、例えば突き合わせ部
分2と2’を印籠形状にして、互いはまり合って、突き
合わせ面5を形成するようにしてもよい。
【0013】接合溝を構成する天面10’、底面10
は、平面で構成することも出来るが、表面に凹凸、例え
ば溶着山(ラビリンス)28を設けたり、シボ加工する
こともできる。また、溶着山28の基本形状は、必ずし
も一例として示した図12の39に示すような二等辺三
角形に限定されるものではなく、三角形の頂部をカット
した台形形状、または三角形の頂部にRづけしたような
形状、更にそれらの斜辺は不等長であってもよい。
【0014】溶着山28の底辺32の幅は、成形品の大
きさにもよるが、例えば0.5〜5mmの範囲で設定さ
れ、好ましくは0.5〜1.5mmの範囲に設定され
る。また、溶着山28の高さ34は、例えば0.3〜5
mmの範囲で設定されるが、好ましくは0.5〜1.5
mmの範囲に設定される。
【0015】従来は、図10に示すように、接合溝6の
縦壁部分11のコーナー30や、縦壁部分11とこれに
最近接の溶着山28の底面のコーナー31や、溶着山2
8の斜辺と隣接する溶着山28’の斜辺及び底面部10
で構成されるコーナー29のコーナーにはRづけされて
いない又はR0.3mm未満の極く小さなRづけしか施
されていなかった。本発明では、図9に示すように、縦
壁部分11のコーナー部30に0.5mm以上のRづけ
またはC面(カット面)づけを行うが、1.0mm以上
が好ましい。図9では、部分円弧状のRづけ30’が例
示されているが、C面づけは、部分円弧状が弦状になっ
たものであり、弦の長さが0.5mm以上、好ましくは
1.0mm以上である。縦壁部分11と、縦壁部分11
に最近接の溶着山28のコーナー31との間隔(コーナ
ー31から縦壁部分11の延長線に下ろした垂直距離を
いう。)は、1〜4mm、好ましくは1〜2mmであ
る。これにより、2次樹脂による接合効率が高くなる。
溶着山28どうしのコーナー間隔33(図9において溶
着山28と28’のコーナーの底面における距離をい
う。)は0.2〜3mm、0.4〜1mmが好ましい。
また、溶着山のコーナーはRづけ又はC面づけをした構
造にすることもできる。
【0016】その他、本発明の成形金型及び成形方法の
一例を図1〜図6を参考にして追加する。図1では2次
成形で接合一体化された一般的な成形品の断面図を示し
ているが、本発明での接合部は図9に示した形状のもの
を一例として示す。なお、成形品の端部にはフランジ等
が設けられたり、成形品の途中には他の管等が設けられ
たりしてもよい。図3〜図5は金型の製品キャビティ部
のみの断面を示しているが、実際には図示されていない
冷却回路、エジェクター機構、スプルー、ランナー、ゲ
ート等が設置されている。成形工程では、図3に示すよ
うに、金型キャビティに1次成形による合成樹脂成形材
料を射出充填し、保圧・冷却工程後、型開きする。この
時、1次成形品の分割部分(半割体)1’は移動型に残
し、分割部分(半割体)1は固定型に残した状態となっ
ている。
【0017】次に、図4に示すように図3に示す状態か
ら型開きし、更に油圧シリンダー23により移動金型2
1’をスライドさせ、分割部分1’は移動型に残した状
態で、分割部分1と1’を所定の製品前駆体26の状態
になるように型閉され突き合わされる。図5に示すよう
に型閉が完了すると、突き合わせ面5と接合溝6が形成
される。次にこの接合溝6に2次樹脂が充填され、接合
樹脂部20が形成される。突き合わせ面5には2次成形
の樹脂が注入されないため、溶着していない。接合溝6
を構成する接合溝の底面10、天面10’、縦壁面11
のそれぞれの1次成形品表面を2次成形で射出充填させ
る溶融樹脂の熱により溶融させ、1次成形品樹脂材料と
2次成形樹脂が融着される。金型は、保圧・冷却工程
後、型開きされ、製品である成形品がエジェクターピン
により突き出され成形が完了する。
【0018】本発明で使用できる成形用樹脂材料として
は、中空射出成形が可能な樹脂であれば、制限はない。
樹脂材料としては、合成樹脂でも天然に由来する樹脂で
も、結晶性でも、非晶性でもよい。具体的には、合成樹
脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−
メチルペンテン−1等のポリオレフィン;塩化ビニル系
樹脂;ポリスチレン、ABS等のスチレン系樹脂;ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等の芳香族
ポリエステル;シュウ酸、吉草酸等の脂肪族ジカルボン
酸類、エチレングリコール、プロパンジオール、プロピ
レングリコール、ブタンジオール、ブチレングリコー
ル、ヘキサンジオール等のジオール類、及び/又は乳
酸、カプロラクトン等からなる脂肪族ポリエステル;液
晶性ポリエステル;ポリカーボネート;ポリアリレー
ト;6−ナイロン、6,6−ナイロン、4,6−ナイロ
ン、6,12−ナイロンなどのポリアミド;ポリアセタ
ール;ポリウレタン;フッ素樹脂;ポリフェニレンオキ
シド;ポリアリーレンサルファイド;ポリスルホン;ポ
リエーテルスルホン;ポリケトン;ポリエーテルケト
ン;ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリベンゾイミ
ダゾール;シリコーン系樹脂;これらのアロイ等が挙げ
られる。天然に由来する樹脂としては、微生物の産生す
るポリヒドロキシ酪酸のような脂肪族ポリエステル等が
挙げられる。樹脂には、各種の添加剤、離型剤、滑剤、
充填材、強化剤等を必要により配合することができる。
強化剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリ
ウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、ボロン繊維などが挙げら
れる。また、各種安定剤、離型剤、滑剤等を添加するこ
ともできる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】本発明による実施例及び従来形状の比較例
の成形は、日本製鋼所製の2射出シリンダーを有するD
SI用射出成形機J350E−P−MFを使用し、表1
に示す成形条件で成形を行った。この実験に用いた成形
用材料は、ポリプラスチックス株式会社製PPS樹脂で
あるフォートロン1130T6を1次成形及び2次成形
に用いた。また、表1に示す成形条件により成形を行っ
た。従来形状であるパイプ状DSI成形品は、図7及び
断面図8に示す基本形状で、パイプ部分の基本肉厚は3
mm、内径φ14mm、二次樹脂流路幅は5mmのもの
を用いた。
【0021】[比較例1]従来の技術による図10の接
合部構造を有する成形品を使用して、図13に示すよう
な状態で耐圧信頼性試験を行なった。溶着山の底辺32
は0.8mm、高さ34は0.5mmで、それぞれの溶
着山は連続(即ち、コーナー間隔33は0mm)して設
けられ、接合溝コーナー30及び溶着山のコーナー2
9、31にはRづけをせず(R=0)、接合溝縦壁部1
1と最近接の溶着山との間隔35は0.2mmのものを
用いた。25は1次樹脂(=2次樹脂)と同一の材料で
別途成形された厚み4mmの平板で、パイプ部端面に熱
板溶着で溶着一体化されている。更にパイプ先端24に
はPT(ピッチ)1/4”(インチ)のねじが加工して
ある。耐圧性能試験として中空体内部を水で置換し、ニ
ップル42を接続して固定する。ニップル42に加圧ポ
ンプ43を接続し、テストポンプから成形品内部に加え
る水圧を、平均約1MPa/secで昇圧し、破壊した
時の圧力を測定した。
【0022】[実施例1]実施例1では、接合断面を図
9に示すように変更し、パイプ部分の基本肉厚は3mm
で従来形状と同一とし、溶着山の底辺32は0.8m
m、高さ34は0.5mmで、それぞれの溶着山どうし
のコーナー間隔33は0.4mmで、溶着山のコーナー
29、31にはR=0.3mm、接合溝コーナー30は
R=1.0mm、接合溝縦壁部11と最近接の溶着山と
の間隔35は1.3mmのものを用いた。
【0023】得られた成形品で、比較例と同様に耐圧信
頼性試験を行ない、破壊した時の圧力を測定した。比較
例及び本実施例共にn=3で試験を行い、その結果を表
2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】比較例1の平均破壊圧力は5.3MPaで
あったが、実施例1では、平均7.5MPaと大幅な向
上が認められた。また、比較例1の破壊面は図14にお
いて太線で示すように、7を起点として、接合樹脂界面
部分44のような形状の破断面となり、その破断面は界
面剥離に近い状態で破壊していた。それに対し、実施例
1では、図15において太線で示すように、7を起点と
して、接合樹脂部6の中央部界面部分45のような形状
の破断面となり、その破断面は母材破壊であり、接合界
面の剥離による欠陥の影響は見られなかった。
【0027】
【発明の効果】本発明により、耐圧性能と信頼性の向上
にとって非常に重要となる1次成形品接合面と2次樹脂
との接合不良が減少し、融着強度が改善できるようにな
る。更に、本発明による改善は非常に簡単な金型加工に
より実施でき、成形性にも悪影響を与えないため、コス
ト面でも有利なものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】中空成形品の一般的な構造の縦断面図である。
【図2】図1の接合部の詳細を示す図である。
【図3】DSI法による1次成形品の一般的な成形方法
を示す図である。
【図4】図3に続いて、型開きし、ダイスライドさせた
状態を示す図である。
【図5】図4に続いて、型閉し、2次成形用金型を形成
した状態を示す図である。
【図6】接合溝と、それに2次成形用樹脂を射出充填さ
せるためのスプルー、ランナー、ゲートを示す図であ
る。
【図7】一般的なパイプ状製品の斜視図である。
【図8】図7に示すパイプ状製品の開口部を平板で溶着
し塞いだ状態のものを、金型パーティング面と直角でパ
イプ軸方向に切断した断面図である。
【図9】本発明の方法により成形した接合溝の1次成形
品表面部の一例を示す断面図である。
【図10】従来の方法により成形した接合溝の1次成形
品表面部の一例を示す断面図である。
【図11】図10に示す1次成形品接合溝部に2次樹脂
を射出充填した後の融着接合状態の一例を示す断面図で
ある。
【図12】接合溝の1次成形品表面部に設ける各種形状
の溶着山の一例を示す断面図である。
【図13】耐圧試験装置の図である。
【図14】比較例1の耐圧試験後の破断面を示す接合部
断面図である。
【図15】実施例1の耐圧試験後の破断面を示す接合部
断面図である。
【符号の説明】
1 (1次成形品の)分割部分 1’(1次成形品の)分割部分 2 突き合わせ部分 2’突き合わせ部分 3 (1次成形品の)接合溝部分 3’(1次成形品の)接合溝部分 4 中空部 5 突き合わせ面 6 (1次成形品の接合溝部分どうしを組み合わせて構
成された)接合溝 7 突き合わせ面5の溝側部分 7’突き合わせ面5の中空側部分 8 接合フランジ部分 8’接合フランジ部分 9 (接合フランジ部分どうしを組み合わせて構成され
た)接合フランジ 10 (1次成形品の)接合溝底面部分 10’(1次成形品の)接合溝天面部分 11 接合溝の突き合わせ面側縦壁部分 12 接合溝のパーティング面側縦壁部分 17 2次成形用2次スプルー・ゲート 18 2次成形用ランナー 19 2次成形用ゲート 20 2次成形で接合溝に射出充填された接合樹脂部分 21 固定金型 21’移動金型 22 金型のパーティング面 23 油圧シリンダー駆動装置 24 パイプ 25 閉塞用平板 26 製品前駆体 27 成形品 28 溶着山 28’溶着山 29 (溶着山の)コーナー 30 (接合溝の縦壁部分11の)接合溝コーナー 30’(接合溝コーナー30に設けられた)Rづけ 31 (縦壁部分11に最近接の溶着山の縦壁部分11
側の)コーナー 32 (溶着山の)底辺長さ 33 (溶着山の)コーナー間隔 34 (溶着山の)高さ 35 縦壁部分11に最近接の溶着山のコーナーと縦壁
部分11との間隔 36 1次成形品と2次成形樹脂の接合融着面で、1次
成形品と2次成形樹脂が融着していない1次成形品の溶
着山の谷に相当する部分 37 1次成形品接合溝の突き合わせ面側縦壁部分11
の1次成形品と2次成形樹脂の接合融着面で、その1次
成形品と2次成形樹脂が融着していない部分 38 1次成形品と2次成形樹脂の接合融着面で、1次
成形品の表面が2次成形樹脂の熱により再溶融し融着し
ている部分 39 溶着山の頂点が鋭角形状である1次成形品の接合
溝表面に設ける溶着山の基本形状 40 溶着山の頂点が平面形状である1次成形品の接合
溝表面に設ける溶着山の基本形状 41 溶着山の頂点がR形状である1次成形品の接合溝
表面に設ける溶着山の基本形状 42 ニップル 43 加圧ポンプ 44 比較例1の耐圧試験後の破断面 45 実施例1の耐圧試験後の破断面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AD01 AD12 AD25 AG03 AG06 AG24 AR12 CA11 CB01 CB12 CB20 CB27 CK11 CQ01 4F206 AD05 AD12 AD25 AG03 AG06 AG24 AR12 JA07 JB12 JB20 JB25 JL02 JM04 JN11 JN12 JQ81

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1次成形用金型内で2つ以上に分割して
    成形され、突き合わせ部分(2)、接合フランジ部分
    (8)、接合フランジ部分(8)の内側に設けられた接
    合溝部分(3)を有する1次成形品の各分割部分(1)
    を、2次成形用金型内で突き合わせて、各突き合わせ部
    分(2)、接合フランジ部分(8)、接合溝部分(3)
    から、それぞれ突き合わせ面(5)、接合フランジ
    (9)、接合溝(6)を形成させて中空部を有する製品
    前駆体(26)を得、該製品前駆体(26)の接合溝
    (6)に2次樹脂を充填して接合樹脂部(20)を形成
    させ、該製品前駆体(26)を接合させて成形品(2
    7)を得るための1次成形用金型において、 接合溝(6)の底面部分(10)及び天面部分(1
    0’)と突き合わせ面側縦壁部分(11)によって構成
    される接合溝コーナー(30)にR0.5mm以上のR
    づけまたはC0.5mm以上のC面(カット面)づけを
    施した1次成形用金型。
  2. 【請求項2】 接合溝(6)の底面部分(10)及び天
    面部分(10’)に溶着山(28)が設けられた請求項
    1記載の1次成形用金型。
  3. 【請求項3】 縦壁部分(11)に最近接の溶着山(2
    8)の縦壁部分(11)側に面した側面と、底面部分
    (10)又は天面部分(10’)とのコーナー(31)
    の縦壁部分(11)との間隔が1〜4mmである請求項
    2記載の1次成形用金型。
  4. 【請求項4】 隣接する溶着山(28)どうしのコーナ
    ー間隔(33)が0.2〜3mmである請求項2又は3
    に記載の1次成形用金型。
  5. 【請求項5】 溶着山(28)の両側面と底面部分(1
    0)又は天面部分(10’)とのコーナー(29)及び
    (31)にR0.3mm以上のRづけが施された請求項
    2〜4のいずれかに記載の1次成形用金型。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の1次成
    形用金型内で2つ以上に分割して成形された1次成形品
    の各分割部分(1)を突き合わせて、製品前駆体(3
    0)を得、該製品前駆体(30)の接合溝(6)に樹脂
    を充填して、接合樹脂部(20)を形成させる2次成形
    用金型。
  7. 【請求項7】 1次成形用金型をスライド又は回転させ
    て得られる請求項6に記載の2次成形用金型。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載の1次成
    形用金型で1次成形品を成形し、1次成形品の接合溝
    (6)に2次樹脂を射出充填して接合一体化させる成形
    方法。
  9. 【請求項9】 ダイスライドインジェクション法、また
    はダイロータリーインジェクション法を用い、中空体成
    形を行う請求項8に記載の成形方法。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載の成形方法によ
    り得られた成形品。
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