JP2002368304A - ホール素子 - Google Patents

ホール素子

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JP2002368304A
JP2002368304A JP2001172923A JP2001172923A JP2002368304A JP 2002368304 A JP2002368304 A JP 2002368304A JP 2001172923 A JP2001172923 A JP 2001172923A JP 2001172923 A JP2001172923 A JP 2001172923A JP 2002368304 A JP2002368304 A JP 2002368304A
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pellet
lead
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JP2001172923A
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Masato Terada
正人 寺田
Hideki Araki
秀輝 荒木
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Asahi Kasei Electronics Co Ltd
Original Assignee
Asahi Kasei Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パッケージ厚を変えることなくホール出力電
圧の大きなホール素子を提供すること。 【解決手段】 ホール素子1は、実装基板6の表面に設
置されているとともに、磁界を検出できる樹脂パッケー
ジに収納されている。ホール素子1の内部構成は、実装
基板6側からリードフレーム5、ペレット3、感磁面
2、磁気集束チップ4と順番に配置され、この磁気集束
チップ4側から磁束を受けるような形態を有している。
リードフレーム5は、樹脂パッケージ7より外側の部分
が樹脂パッケージ7の底面に対して平行な部分からな
り、リードフレーム5が樹脂パッケージ7の底面の2辺
から外側に向けて直ぐに水平となるように構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホール素子に関
し、より詳細には、ホール効果を利用した半導体磁電変
換素子のような、磁界の磁束密度に比例した電圧信号を
取り出すように構成されたホール素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のホール素子は、最近の電子機器、
特に、VTRやパソコンのCD−ROMやDVD−RO
Mに使用される精密制御の小型DCブラシレスモータの
無接触センサとして広く使われている。また、小型モー
タ以外にも、無接触の位置センサや電流センサ等の分野
に今後の展開が期待されている。
【0003】一般的に、電子部品のパッケージ形状は、
プリント配線基板への接続方法によって2つの方法に分
類できる。それはリード挿入型と表面実装型の2つであ
る。リード挿入型は、パッケージのリードを基板のスル
ーホールに挿入して半田付けするもので、ピン数が増加
するとパッケージサイズが容易に大きくなる欠点があ
る。一方、表面実装型は、リードを基板の表面に半田付
けして実装するもので、小型化・薄型化や多機能化の要
求から開発されたものである。表面実装型がリード挿入
型に代わってプリント配線基板上に適用されるようにな
り、配線基板上の部品実装密度が急速に向上してきた。
表面実装型は、小型化や薄型化のメリットばかりでな
く、組立の自動化や電気的特性面で有利なことも分かっ
てきており、広く普及している。
【0004】図2(a),(b),(c)は、最近の小
型トランジスタに用いられている各種のパッケージ形状
を示す図で、図2(a)は主流であるガルウイングタイ
プ、図2(b),(c)はさらなる薄型化、搭載可能な
チップサイズ拡大を狙ったフラットリードタイプおよび
リードレスタイプを示している。なお、図中符号11は
リードフレーム,13はフラットリードフレーム、15
は挿入リード、12,14,16はパッケージを示して
いる。
【0005】ホール素子に用いられるパッケージ形状
は、一般的にダイオードやトランジスタなどのディスク
リート部品と同様に発展してきている。当初はプリント
配線基板に挿入孔を設け、この挿入孔にリードを挿入し
て基板の反対側で半田付け固定されるリード挿入型が主
体であったが、最近では表面実装型がやはり主流になっ
ている。
【0006】図3(a),(b),(c)は、これまで
にホール素子に用いられているパッケージ形状の一例を
示す図で、図3(a)に示すホール素子のパッケージ形
状は、ガルウイングタイプのリード形状を有する表面実
装型のパッケージで、図3(b)はDIP型、図3
(c)はSIP型と呼ばれるパッケージを示している。
なお、図中符号21は実装基板、22は感磁面、23は
磁気集束チップ、24は素子基板、25はリードフレー
ム、26はモールド樹脂を示している。
【0007】図3(a)のホール素子の内部構成は、磁
気増幅型と呼ばれるもので、InSb薄膜等からなる感
磁面22をフェライト等の強磁性体材料からなる磁気増
幅用の磁気集束チップ23と、同じく強磁性体材料から
なる基板でサンドイッチした構造からなる素子基板24
をリードフレーム25上に設け、これらをモールド樹脂
26で封止された構造を有している。リード形状は、表
面実装型のガルウイングタイプで、半田接合部に働く熱
応力的にも有利な形状であり、現在の表面実装タイプの
代表的な形状となっている。
【0008】ガルウイングタイプのリード形状の曲げ方
式として、一般的に曲げ金型が用いられる。主な曲げ金
型としては、曲げポンチが垂直方向に降りてリードをし
ごきながら曲げダイにならった形状にするしごき方式
と、曲げポンチがカム機構により斜めにリードに当たっ
て成形されしごき量を低減したカム方式と、ポンチの代
わりにローラーを使いリードをしごかないようにしたロ
ーラー方式とがある。最近では、リードへの負荷低減、
およびフォーミング形状の安定性の観点からローラー方
式が多く用いられている。
【0009】こうしたリードフレームの曲げ加工を安定
に行うためには、曲げ加工するリード部分にある程度以
上の長さがあった方が容易である。ガルウイングタイプ
の場合、パッケージ側で下方向に曲げられ、リード先端
部が反対の上方向に曲げられるため、曲げ加工するリー
ド部分が短いと、狭い範囲で曲げるためにクラック等が
発生し、曲げ形状が安定しないなどの不具合が起こり易
くなる。こうした理由から、実際に用いられているガル
ウイングタイプのパッケージでは、リードフレーム上下
に肉厚差が設けられているのが一般的であり、通常、リ
ードフレームが曲げられる方向の肉厚が厚くなっている
形状が用いられる。
【0010】パッケージ内部に組み込まれるチップある
いはペレットは、パッケージ肉厚が厚い側に搭載される
ため、その結果として、図3(a)に示すように、ガル
ウイングタイプのホール素子では、磁界を感知する感磁
面は下向き、すなわち実装基板側を向いて配置されるの
が一般的である。
【0011】また、リードフレームの曲げ加工を行う
際、曲げ方式や条件にも依るが、曲げ加工時にリードへ
の応力が発生し、多かれ少なかれモールド樹脂ボディと
リードとの境界部で口開きと呼ばれる空隙等の欠陥を発
生させる可能性がある。リードフレームの曲げ加工で発
生する空隙の大きさは、パッケージ厚み等の樹脂厚みに
よっても異なる。すなわち、図3(a)のホール素子断
面形状において、リードフレームのアイランド上にチッ
プを搭載する側をアイランド下側、反対側のチップを搭
載しない側をアイランド上側とした時、リードを曲げる
方向の反対側であるアイランド上側に大きな応力が掛か
ることになる。
【0012】本発明者らの検討によれば、曲げ加工で発
生する応力による口開きは、アイランド上側の樹脂厚み
の影響が大きく、薄肉化した場合は口開き発生の程度が
大きくなる傾向がみられた。したがって、フォーミング
曲げ加工による欠陥を発生させないためには、下限とす
べき厚さが存在し、ミニモールド型、スーパーミニモー
ルド型サイズで約150μm程度であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、ガル
ウイングタイプのリード形状を有するホール素子では、
感磁面を有するペレットが、実装後下向きの状態で配置
される。通常、磁石面は実装された後のホール素子の表
面側、すなわちリードフレームに対してペレットが搭載
されていない側に配置されるため、磁界を検知する感磁
面との間に物理的ギャップが発生してしまう状況となっ
ていた。ホール素子の出力は、磁石から感磁面までの距
離に大きく影響されるため、こうしたギャップがホール
素子の出力(感度)を阻害する大きな要因となってい
た。
【0014】また、フォーミング曲げ加工における欠陥
発生を抑制するためにパッケージ強度が重要であり、パ
ッケージ強度を確保するためにパッケージ樹脂厚の厚肉
化の効果が大きいことは前述の通りである。従来のガル
ウイング形状のホール素子では、曲げ加工による不具合
抑制のために、曲げ方向と反対側のアイランドからパッ
ケージ表面までの樹脂厚みを薄くすることが出来ず、そ
の結果、パッケージ内に入れられる許容チップ高さが制
限されることとなっていた。
【0015】すなわち、図3(a)に示すような、磁気
増幅型のホール素子の場合、磁気増幅用の磁気集束チッ
プ23の高さが制限され、ホール素子の出力は、磁気集
束チップ23の高さが高い程大きな出力が得られるた
め、ホール素子からの出力(感度)を制限することに繋
がっていた。例えば、パッケージ厚1.1mmのミニモ
ールドタイプでは、磁気集束チップ23の高さが0.2
7mmであり、パッケージ厚0.8mmのスーパーミニ
モールドでは、磁気集束チップ23の高さが0.18m
mで、ほぼ上限のチップ高さであり、樹脂パッケージ2
6の厚さに対する磁気集束チップ23の厚さの比率は、
それぞれ24.5%、22.5%であった。
【0016】本発明は、パッケージ厚が0.8mm以下
の薄型素子に対して特に有効である。パッケージ厚みが
ある程度以上厚いと、従来のガルウイング型でも、ある
高さ以上の磁気集束チップを載せることができ、磁気増
幅効果は実用的にホール素子が使われている磁束密度の
範囲では、ある高さ以上の磁気集束チップの場合、磁束
の飽和現象により増幅効果が小さくなるため、本発明の
効果は小さくなる。
【0017】さらに、本発明は、パッケージ厚さに対す
る磁気収束チップの高さの比率を30%以上としたい場
合にさらに大きな効果が発揮される。すなわち、従来制
限されていた磁気集束チップの高さを、パッケージ厚み
を維持したまま高くするための方法を提供するものであ
る。
【0018】すなわち、磁気増幅型ホール素子をフラッ
トリード型パッケージに搭載し、特にパッケージ厚0.
8mm以下の薄型素子において、さらに磁気増幅用の磁
気集束チップ高さをパッケージ厚みに対して30%以上
としたとき、本発明の効果は最大限に発揮されるもので
ある。
【0019】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、従来のガルウイン
グ型のホール素子に比べてパッケージ厚を変えることな
く、ホール出力電圧の大きな、すなわち高感度なホール
素子を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、請求項1に記載の発明は、実装基
板(6)の表面に設置され、磁界を検出できる樹脂パッ
ケージされたホール素子(1)であって、該ホール素子
(1)は、感磁面(2)を有するペレット(3)と、該
ペレット(3)が固定されるペレット設置面(5a)を
有するリードフレーム(5)とを備え、前記リードフレ
ーム(5)の形状は、前記樹脂パッケージ(7)より外
側の部分が該樹脂パッケージ(7)の底面に対して平行
な部分からなり、該リードフレーム(5)が前記樹脂パ
ッケージ(7)の底面の2辺から外側に向けて直ぐに水
平となっていることを特徴とする。
【0021】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、前記ペレット(3)の感磁面
(2)に磁気集束チップ(4)を備えたことを特徴とす
る。
【0022】また、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載の発明において、前記ホール素子の内部構成が、
前記基板(6)側から前記リードフレーム(5)、前記
ペレット(3)、前記感磁面(2)、前記磁気集束チッ
プ(4)と順番に配置され、該磁気集束チップ(4)側
から磁束を受けるような形態を有することを特徴とす
る。
【0023】従来のガルウイング形状のホール素子で
は、プリント配線基板に実装された後の素子形態は、磁
界を感知する感磁面を擁するペレットがリードフレーム
を介して磁石面と同一の向きに配置されるため、検出距
離を小さくすることに限界があった。これに対して、本
発明の磁気増幅構造を有するホール素子をフラットリー
ド型パッケージに組み込むことにより、感磁面を磁石面
と対向させる配置が可能となり、検出距離を大幅に縮め
られるようになったため、出力の大きな、すなわち高感
度なホール素子が得られるようになった。
【0024】また、リードフレームの曲げ加工を伴う従
来のガルウイング形状では、曲げ加工時に発生する応力
に耐えるパッケージ強度を保つため、曲げ方向と反対側
のアイランドからパッケージ表面までの樹脂厚みを薄く
することが出来なかった。これに対して、本発明の磁気
増幅構造を有するホール素子をリードの曲げ加工の無い
フラットリード型パッケージに組み込むことにより、パ
ッケージ強度に対する要求が緩和され、磁気集束チップ
を載せない側のアイランドからパッケージ表面までの樹
脂厚みを薄くすることが可能となり、その分、パッケー
ジ全体厚を変えない場合には、磁気集束チップの高さを
高くすることができるようになり、出力の大きな、すな
わち高感度なホール素子が得られるようになった。ま
た、磁気集束チップの高さを変えない場合にはパッケー
ジ全体厚を薄くできるようになった。
【0025】さらに、本発明の副作用として、フォーミ
ング加工プロセスを省略できる、またリードフレームの
曲がり、ねじれや反りなどの外観不良検査を省略でき
る、さらに、リードフレームの単位面積当たりの素子取
れ数をアップできる等のコストダウン効果も期待でき
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例について説明する。
【0027】[実施例1]図1は、本発明のホール素子の
一実施例を示す断面図で、図中符号1はホール素子、2
は感磁面、3はペレット、4は磁気集束チップ、5はリ
ードフレーム、5aはペレット設置面、6は実装基板、
7は樹脂パッケージを示している。
【0028】ホール素子1は、実装基板6の表面に設置
されているとともに、磁界を検出できる樹脂パッケージ
に収納されている。ホール素子1は、感磁面2および磁
気集束チップ4を有するペレット3と、このペレット3
が固定されるペレット設置面5aを有するリードフレー
ム5とを備えている。
【0029】リードフレーム5は、樹脂パッケージ7よ
り外側の部分が樹脂パッケージ7の底面に対して平行な
部分からなり、リードフレーム5が樹脂パッケージ7の
底面の2辺から外側に向けて直ぐに水平となるように構
成されている。
【0030】また、ホール素子1の内部構成は、実装基
板6側からリードフレーム5、ペレット3、感磁面2、
磁気集束チップ4と順番に配置され、この磁気集束チッ
プ4側から磁束を受けるような形態を有している。
【0031】次に、本発明のホール素子の作製方法につ
いて以下に説明する。まず、厚さ0.25mmのフェラ
イト基板上に、真空蒸着法で形成された厚さ0.8μm
のInSb薄膜を、絶縁性接着剤を介して貼り合わせ
る。そして、InSb薄膜上に受感部や電極をエッチン
グおよびメッキで作製し、さらに形成された受感部上に
絶縁性接着剤を介して、フェライトからなる高さ0.1
8mmの磁気集束チップを載せた磁気増幅型のペレット
を作製した。
【0032】次に、作製したペレットを、実施例1につ
いては、フラットリード型のリードフレーム上に、図3
(a)に示す比較例1については、ガルウイング型のリ
ードフレーム上に各々ダイボンディングし、さらにワイ
ヤーボンディングしてペレットの電極とリードフレーム
とを金線で接続した。次いで、実施例1については、フ
ラットリード型のモールド金型でエポキシ系モールド樹
脂を用いて成形し、比較例1については、ガルウイング
用のモールド金型を用いて封止した。なお、両モールド
金型ともパッケージ総厚が0.8mmになるよう金型を
設定した。
【0033】この後、実施例1はフォーミング不要のフ
ラットリード型であるため、バリ取りやリードメッキ、
トリミング工程を経てサンプルとした。一方、比較例1
については、ガルウイング型のパッケージであり、バリ
取りやリードメッキ、トリミングおよびフォーミング工
程を経てサンプルとした。前述したプロセスに従って、
実施例1と比較例1ともにそれぞれ10万個ずつホール
素子を試作した。
【0034】こうして作製したホール素子をプリント配
線の基板上に表面実装してホール出力電圧(感度)を測
定した。この時、プリント配線の基板面からホール素子
の表面までの距離は、実施例1と比較例1ともに同一に
なるように設定し、その高さは、約0.85mmであっ
た。実装後のパッケージ内部の感磁面と外部に設置した
磁石面の位置関係は、実施例1では感磁面と磁石面が対
向する配置、比較例1では感磁面を擁するペレットがリ
ードフレームを介して磁石面と同一の向きに配置される
形態となる。
【0035】ホール出力電圧の測定結果を以下の表1に
示す。測定条件は、定電圧駆動とし、印加磁界Bを50
mT、入力電圧Vinを1Vとした。この時、実装基板
面から磁石面までの距離は約20mmであり、実施例1
と比較例1ともに同じ測定計で測った。
【0036】
【表1】ホール出力電圧
【0037】フラットリード型のパッケージを用いるこ
とにより、磁気集束チップの高さ等同じ構成からなるペ
レットを組み込んだ場合でも、磁石面と感磁面の距離を
近付けることができ、その効果として、約32%のホー
ル電圧の向上、すなわち感度アップがみられた。
【0038】[実施例2]実施例1と同様、以下のような
プロセスでホール素子を試作した。まず、厚さ0.25
mmのフェライト基板上に、真空蒸着法で形成された厚
さ0.8μmのInSb薄膜を、絶縁性接着剤を介して
貼り合わせる。そして、InSb薄膜上に受感部や電極
をエッチングおよびメッキで作製し、さらに形成された
受感部上に絶縁性接着剤を介してフェライトからなる磁
気集束チップを載せた磁気増幅型のペレットを作製し
た。
【0039】次に、作製したペレットを厚さ0.1mm
のリードフレーム上にダイボンディングし、さらにワイ
ヤーボンディングしてペレットの電極とリードフレーム
とを金線で接続し、次いで、エポキシ系モールド樹脂で
パッケージした。この後、バリ取りやリードメッキ、ト
リミング工程を経て、フラットリード形状を有する10
万個のホール素子を試作した。
【0040】パッケージ厚は0.8mmとし、比較例1
は従来のガルウイング型パッケージであり、磁気集束チ
ップの高さは0.18mmとし、パッケージ厚さに対す
る磁気集束チップの厚さの比率は22.5%であった。
この時、磁気集束チップの上面からパッケージ表面まで
のスキン層厚は0.11mmであり、また、ペレットと
反対側のアイランドからパッケージ表面までの厚みは、
フォーミング時の応力に耐えられるよう0.16mmと
した。
【0041】一方、本発明のフラットリード型パッケー
ジに搭載した実施例2では、磁気集束チップ上面からパ
ッケージ表面までのスキン層厚を比較例1と同様に0.
11mmとした場合、磁気集束チップ高さを0.27m
mとすることができ、パッケージ厚さに対する磁気集束
チップの厚さの比率は33.8%とすることができる。
またこの時、ペレットと反対側のアイランドからパッケ
ージ表面までの厚みは、フォーミング工程が不要なため
応力に対するパッケージ強度の要求が緩和され、0.0
7mmとした。
【0042】表2に実施例2と比較例1で作製したホー
ル素子のホール出力電圧(感度)比較を示す。測定条件
は、定電圧駆動とし、印可磁界Bを50mT、入力電圧
Vinを1Vとした。
【0043】
【表2】ホール出力電圧
【0044】フラットリード型のパッケージを用いるこ
とにより、パッケージ厚みを変えないまま磁気集束チッ
プの高さを0.18mmから0.27mmと高くするこ
とができ、また、感磁面と磁石面を近付けられる効果と
相まって約43%のホール出力電圧の向上、すなわち感
度アップがみられた。
【0045】また、実施例2および比較例1のホール素
子をJIS C7021に準拠した信頼性試験、すなわ
ち湿度放置、高温通電、高温放置、温度サイクル試験で
信頼性を評価したところ、実施例2と比較例1ともに問
題はみられなかった。
【0046】[実施例3]図4は、本発明のホール素子の
他の実施例を示す断面図で、図中符号31は磁気集束チ
ップを持たないタイプのホール素子、32は感磁面、3
3はぺレット、34はリードフレーム、35はモールド
樹脂、36は実装基板を示している。
【0047】次に、本発明のホール素子の作製方法につ
いて以下に説明する。
【0048】まず、実施例3では、セラミック基板上に
真空蒸着法で形成された厚さ0.8μmのInSb薄膜
を、絶縁性接着剤を介して貼り合わせる。そしてInS
b薄膜上の受感部や電極をエッチングおよびメッキで作
製し、さらに形成された受感部上をシリコーン樹脂で覆
いぺレットを作製した。
【0049】次に、作製したぺレットを、実施例3につ
いては、フラットリード型のリードフレーム上に、比較
例2については、ガルウイング型のリードフレーム上に
各々ダイボンディングし、さらにワイヤーボンディング
してぺレットの電極とリードフレームとを金線で接続
し、その後リードフレームの型に合ったモールド金型を
用いてモールド樹脂で封止した。
【0050】次いで、実施例3は、パリ取り、リードメ
ッキ、トリミング処理を行い、また比較例2について
は、フォーミング処埋も加えて、それぞれ10万個ずつ
のホール素子を試作した。
【0051】こうして作製したホール素子をプリント配
線の基板上に表面実装してホール出力電圧を測定した。
実装後のパッケージ内部の感磁面と外部に設置した磁石
面の位置関係は、実施例3では開示面と磁石面が対向す
る配置、比較例2では感磁面を擁するぺレットがリード
フレームを介して磁石面と同一の向きに配置される形態
となる。
【0052】ホール出力電圧の測定結果を以下の表3に
示す。測定条件は、定電圧駆動とし、印加磁界Bを50
mT、入力電圧Vinを1Vとした。
【0053】
【表3】ホール出力電圧
【0054】フラットリード型パッケージを用いること
により、磁石面と感磁面の距離を近づけることができ、
その効果として、約24%の感度アップがみられた。
【0055】[実施例4]実施例4でほ半導体材料として
GaAsを用いたホール素子を作製した。先ず、GaA
s基板にSiイオンをイオン注入し、アルシンアニ―ル
を施した後、エッチングで受感部、次いで蒸着で電極を
形成しぺレットを作製した。
【0056】作製したぺレットは、実施例4については
フラットリード型形状に、比較例3についてはガルウイ
ング型形状に、前述の実施例3および比較例2と同様な
処理を行って、10万個ずつサンプルを試作した。
【0057】こうして作製したホール素子をプリント配
線の基板上に表面実装してホール出力電圧を測定した。
実装後のパッケージ内部の感磁面と外部に設置した磁石
面の位置関係は、実施例3では開示面と磁石面が対向す
る配置、比較例2では感磁面を擁するぺレットがリード
フレームを介して磁石面と同一の向きに配置される形態
となる。
【0058】ホール出力電圧の測定結果を以下の表4に
示す。測定条件は、定電圧駆動とし、印加磁界Bを50
mT、入力電圧Vinを6Vとした。
【0059】
【表4】ホール出力電圧
【0060】フラットリード型パッケージを用いること
により、約22%の感度アップがみられた。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ホ
ール素子は、感磁面を有するペレットと、ペレットが固
定されるペレット設置面を有するリードフレームとを備
え、リードフレームの形状は、樹脂パッケージより外側
の部分が樹脂パッケージの底面に対して平行な部分から
なり、リードフレームが樹脂パッケージの底面の2辺か
ら外側に向けて直ぐに水平となっているので、従来のガ
ルウイング型のホール素子に比べてパッケージ厚を変え
ることなく、ホール出力電圧の大きな、すなわち高感度
なホール素子を提供することができる。また、実装後、
ペレットが上向きに配置されるため、感磁面と磁石間の
距離が近づくこととなり、実装上の観点からも有利であ
る。
【0062】また、従来のガルウイング型では、リード
曲げ加工に伴うリード曲がり異常、ねじれや反りなどの
品質管理項目があったが、フラットリード型では曲げ加
工が無くなるため、検査収率が改善されるのは勿論、作
業プロセスの効率化、コストダウンの点からも効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホール素子の一実施例を示す断面図で
ある。
【図2】一般的な小型トランジスタのパッケージの形態
を示す図で、(a)は主流であるガルウイングタイプ、
(b),(c)はさらなる薄型化、搭載可能なチップサ
イズ拡大を狙ったフラットリードタイプおよびリードレ
スタイプを示している。
【図3】ホール素子に用いられているパッケージの形態
を示す図で、(a)に示すホール素子のパッケージ形状
は、ガルウイングタイプのリード形状を有する表面実装
型のパッケージで、(b)はDIP型、(c)はSIP
型と呼ばれるパッケージを示している。
【図4】本発明のホール素子の他の実施例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 ホール素子 2 感磁面 3 ペレット 4 磁気集束チップ 5 リードフレーム 5a ペレット設置面 6 実装基板 7 樹脂パケージ 11 リードフレーム 12,14,16 パッケージ 13 フラットリードフレーム 15 挿入リード 21 実装基板 22 感磁面 23 磁気集束チップ 24 素子基板(ペレット) 25 リードフレーム 26 モールド樹脂 31 ホール素子 32 感磁面 33 ぺレット 34 リードフレーム 35 モールド樹脂 36 実装基板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実装基板の表面に設置され、磁界を検出
    できる樹脂パッケージに収納されたホール素子であっ
    て、該ホール素子は、感磁面を有するペレットと、該ペ
    レットが固定されるペレット設置面を有するリードフレ
    ームとを備え、前記リードフレームの形状は、前記樹脂
    パッケージより外側の部分が該樹脂パッケージの底面に
    対して平行な部分からなり、前記リードフレームが前記
    樹脂パッケージの底面の2辺から外側に向けて直ぐに水
    平となっていることを特徴とするホール素子。
  2. 【請求項2】 前記ペレットの感磁面に磁気集束チップ
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のホール素
    子。
  3. 【請求項3】 前記ホール素子の内部構成が、前記基板
    側から前記リードフレーム、前記ペレット、前記感磁
    面、前記磁気集束チップと順番に配置され、該磁気集束
    チップ側から磁束を受けるような形態を有することを特
    徴とする請求項2に記載のホール素子。
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