JP2002363642A - 低降伏比で靭性に優れた圧延h形鋼の製造方法 - Google Patents

低降伏比で靭性に優れた圧延h形鋼の製造方法

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Shinji Mitao
眞司 三田尾
Hiroyasu Yokoyama
泰康 横山
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、低降伏比で、靭性に優れた圧延H
形鋼の製造方法を提供する。 【解決手段】 質量%で、C:0.08〜0.20%、
Si:0.6%以下、Mn:0.5〜1.6%、Al:
0.01〜0.05%、P≦0.02%、S≦0.02
%、N≦0.008%、H≦0.0004%,必要に応
じてCu、Cr、Ni、Mo、Nb,V,Tiの一種ま
たは二種以上を含有し、且つ、Ceq(=C+Mn/6
+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/
14)≦0.38の鋼片を、1050℃以上、1300
℃以下に加熱後、圧延終了温度Ar3点以下、Ar3−6
0℃以上の熱間圧延を行い、直ちに冷却速度5〜30℃
/秒で500〜250℃まで加速冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建築物における
鉄鋼構造物の梁材等に好適な、降伏比が低く、かつ靭性
に優れた圧延形鋼の製造方法に関し、特に生産性に優れ
たものに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、高層建築物には、巨大地震の際、
梁部材が組成変形し、地震エネルギーを吸収することに
より倒壊を回避する限界状態設計法が適用されている。
【0003】梁部材には、経済性に優れる圧延H形鋼
が、多用されるが、耐震性を向上させ、破壊に対する抵
抗力を向上させるために低降伏比で、且つ、高靭性を備
えていることが必要で、建築構造用圧延鋼材に関する規
格JISG3136では、降伏比80%以下、0℃にお
ける圧延方向のシャルピー吸収エネルギー:27J以上
が規定されている。
【0004】低降伏比で且つ靭性に優れた圧延形鋼に関
しては、数多くの先行技術が開示されている。
【0005】特開平5−25588号公報には、0.0
4〜0.40%のTiを含む鋼を1200℃以上に加熱
し、Ar3点以上で熱間加工後、冷却速度80℃/秒以
下で冷却することを特徴とする、引張強さ:490〜6
10N/mm2、降伏比:75%以下のウエブ薄肉H形
鋼の製造方法が開示されている。
【0006】特開平5−345915号公報には、仕上
圧延前の中間圧延段階でフランジ外面を強制冷却し、フ
ランジ外側面の表層部温度を複数回700℃以下まで水
冷する工程と、水冷を停止し、フランジ外側面の温度を
700℃超えまで復熱させる工程を交互に繰り返しなが
ら圧延し、750℃以上で仕上圧延終了後、直ちにフラ
ンジの強制冷却を行うことを特徴とする加工性に優れた
低降伏比薄肉ウエブH形鋼の製造方法が開示されてい
る。
【0007】特開平6−240350号公報には、0.
01〜0.10%のNbを含む鋼片を1200〜135
0℃に加熱後、Ar3点以上の温度で熱間圧延し、その
後、フェライトが30%以上析出するまで放冷した後、
フランジ外側および内側から板厚(1/4)t部を0.
3〜5℃/秒で600℃以下まで冷却し、その後、空冷
することを特徴とする靭性と溶接性に優れたH形鋼の製
造方法が開示されている。
【0008】特開平10−17981号公報には、鋼片
厚みの10〜33%となる表面近傍領域をAr3変態点
以上から2〜40℃/秒でAr3変態点以下まで冷却
し、復熱させる熱処理を複数回行い、同時に累積圧下率
が20〜90%の仕上圧延を最後の復熱の際行う工程
と、次に、表層域を(Ac1変態点−50℃)〜(Ac1
変態点+50℃)に復熱させ、直ちに、0.2〜2℃/
秒で(Ar3−50℃)〜500℃に冷却した後、更
に、5〜40℃/秒で20〜300℃まで冷却する工程
を有し、鋼材体積に占めるマルテンサイト比率が10〜
60%で、鋼板表面から全厚みの10〜33%の領域
で、平均フェライト粒径が3μm以下の超微細組織であ
ることを特徴とする脆性亀裂伝播特性に優れた建築用低
降伏比高張力鋼材の製造方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、圧延
形鋼に低降伏比と良好な靭性を付与する従来技術は、比
較的多量の合金元素を添加し、生産原価が上昇したり、
あるいは、圧延後、加速冷却前に待機ないしは空冷を必
要とし、また、複雑な熱加工履歴を必要とするなど、生
産性が必ずしも良好とは言い難かった。
【0010】そこで本発明は、比較的簡単な熱加工履歴
により、低降伏比と優れた靭性を兼ね備えた圧延H形鋼
の製造方法を提供するもので、具体的には、1/4フラ
ンジ位置圧延方向(全厚、上下端1/4)での降伏比が
73%以下、かつ、1/4フランジ位置圧延方向および
フィレット圧延方向の0℃におけるシャルピー衝撃吸収
エネルギー(vE0)が、100J以上で、引張り強さ
490N/mm2級の低降伏比高靭性圧延H形鋼の製造
方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、生産効率
を極力阻害することなく、73%以下の低降伏比で、か
つ、0℃において高靭性を有する圧延H形鋼の製造方法
について圧延条件の影響を中心に鋭意検討を重ねた。
【0012】その結果、降伏比は、Ar3点と圧延終了
温度の高低が影響を及ぼし、Ar3点超えで、圧延を終
了する場合は、その終了温度の低下につれ、変態後の組
織が微細化され、降伏点が上昇し、降伏比が上昇する。
【0013】一方、Ar3点以下の場合は、圧延により
導入される歪エネルギーによって、フェライト変態が促
進され、その後の加速冷却によりフェライトーベイナイ
ト組織となり、降伏比が低下し、且つ良好な靭性の得ら
れることを見出した。
【0014】また、圧延終了温度の低下に従い、フェラ
イト生成量が増加し、過剰になると、引張強度の低下の
みならず、歪がフェライトに蓄積することにより、降伏
点が上昇し、降伏比も上昇するようになるため、適切な
圧延終了温度を設定することが重要なことも明らかとな
った。
【0015】本発明は以上の知見を基に更に検討を加え
てなされたものであり、すなわち、本発明は、 1.質量%で、C:0.08〜0.20%、Si:0.
6%以下、Mn:0.5〜1.6%、Al:0.01〜
0.05%、P≦0.02%、S≦0.02%、N≦
0.008%、H≦0.0004%を含有し、Ceq
(=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5
+Mo/4+V/14)≦0.38の鋼片を、1050
℃以上、1300℃以下に加熱後、圧延終了温度Ar3
点以下、Ar3−60℃以上の熱間圧延を行い、直ちに
冷却速度5〜30℃/秒で500〜250℃まで加速冷
却することを特徴とする低降伏比で靭性に優れた圧延H
形鋼の製造方法。
【0016】2.鋼成分として、更に,Cu:0.6%
以下またはNi:1.0%以下を添加することを特徴と
する1記載の低降伏比で靭性に優れた圧延H形鋼の製造
方法。
【0017】3.鋼成分として、更にCr:0.5%以
下またはMo:0.2%以下を添加することを特徴とす
る1又は2記載の低降伏比で靭性に優れた圧延H形鋼の
製造方法。
【0018】4.鋼成分として、更にNb:0.005
〜0.1%,V:0.005〜0.3%,Ti:0.0
03〜0.1%の一種又は二種以上を添加することを特
徴とする1乃至3記載の何れかに記載の低降伏比で靭性
に優れた圧延H形鋼の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の成分組成、製造条
件について、詳細に説明する。
【0020】1.成分組成 C Cは、鋼の強度を確保するために0.08%以上添加す
るが、0.20%を超えて多量に含有した場合、靭性あ
るいは溶接性が劣化するため、0.08%以上、0.2
0%以下(0.08〜0.20%)とする。
【0021】Si Siは、脱酸のため必然的に含まれるが、強度を確保す
るため本発明では含有量を0.01%以上とする。0.
6%を超えるとHAZ靭性及び溶接性が劣化するので、
0.01〜0.6%とする。
【0022】Mn Mnは、鋼材の強度・靭性を向上させ、赤熱脆性の原因
となるFeSの生成抑制のため、0.5%以上添加する
が、1.6%を超えると焼入れ性を増加させ、溶接時に
硬化層を生じ、割れ感受性が高くなるため、0.5〜
1.6%とする。
【0023】Al Alは、脱酸のため0.01%以上添加する。0.05
%を超えて添加すると鋼の清浄度が低下し、溶接部の靭
性が劣化するので、0.01〜0.05%とする。
【0024】N Nは、鋼中に含まれる不可避的な不純物元素で、0.0
08%を超えて含有すると、HAZ靭性の劣化や連続鋳
造スラブのキズの発生が助長されるため、その含有量を
0.008%以下とする。
【0025】H Hは、鋼中に含まれる不可避的な不純物元素で、4pp
mを超えると圧延後の割れや遅れ破壊の危険性が増すた
め、4ppm以下とする。
【0026】P,S P,Sは、鋼中に混入する不純物として不可避的に存在
するが、Pの低減は粒界破壊の防止に有効なため、0.
02%以下とし、Sの低減は溶接熱影響部の水素割れ防
止に有効なため、0.02%以下とする。
【0027】Ceq(=C+Mn/6+Si/24+N
i/40+Cr/5+Mo/4+V/14)≦0.38 良好な溶接性を確保するため、添加元素各々の量を適正
化すると同時に、Ceq≦0.38となるように成分設
計を行う。
【0028】以上の成分規定により、本発明鋼は十分な
特性を発揮するが、更に、その特性を優れたものとする
場合、Ceq≦0.38の範囲内において、Cu,N
i,Cr,Mo,Nb,Ti、Vの一種又は二種以上を
添加することができる。
【0029】Cu、Ni Cu,Niは、主に固溶強化によって鋼材強度を上昇さ
せ、Niは更に靭性を向上させる。これらの元素を添加
する場合、Cuは0.6%を超えるとCu割れ等の表面
割れや表面欠陥が生じ易くなり、歩留まりが低下し、N
iは経済性が損なわれるようになるため、1.0%を上
限とする。
【0030】Cr,Mo Cr,Moは、鋼材強度を上昇させる場合、添加する
が、0.5%を超えるCr,0.2%を超えるMoの添
加は経済性を損なうため、添加する場合は、Cr≦0.
5%、Mo≦0.2%とする。
【0031】Nb、V,Ti Nb,V,Tiは、微量で鋼中に固溶し、または、微細
な析出物を形成し、熱間圧延中の再結晶や冷却中の変態
を遅滞させるため、オーステナイト域での制御圧延と組
み合わせ、変態後の組織を微細化し、靭性を向上させ
る。しかし、過剰な微細化は、降伏点を上昇させ、低降
伏比化が損なわれるため、添加する場合は、Nb≦0.
02%、V≦0.05%、Ti≦0.02%とする。
【0032】2.製造条件 本発明では熱間圧延条件、冷却条件を以下のように規定
し、フランジ厚を12mm以上40mm以下のH形鋼と
する。これらの規定は少なくともフランジの製造におい
て満足されていれば良い。
【0033】スラブ加熱温度 スラブ加熱温度が1050℃未満の場合、圧延中の温度
低下により所定の形状に圧延することが困難で、特に鋳
片を用いた場合、均質化が不十分で、機械的特性が損な
われる。一方、1300℃超えでは圧延、冷却後の組織
が著しく粗大化し、靭性が大幅に劣化するため、105
0℃以上、1300℃以下とする。
【0034】圧延終了温度 圧延終了温度の規定は本発明では重要であり、圧延終了
温度が、Ar3点より高温の場合、軟質なフェライト相
の生成が不足し、降伏比として本発明が目標とする73
%以下が得られない。一方、Ar3−60℃より低温と
なる場合、フェライトに圧延歪が蓄積し、降伏応力が上
昇するとともに、過剰なフェライトにより軟化し、その
後の加速冷却によっても強度が不足し、降伏比として7
3%以下が得られなくなる。そのため、Ar3点以下、
Ar3−60℃以上とする。
【0035】尚、Ar3点は、例えば、Ar3(℃)=9
10−310(%C)−80(%Mn)−20(%C
u)−15(%Cr)−55(%Ni)−80(%M
o)+0.35(t−8) 但し、(%C),(%M
n),(%Cu),(%Cr),(%Ni),(%M
o)は、各元素の質量%、tは板厚で、フランジ厚さ
(mm)とする。(「鉄と鋼」誌、第67巻(1981
年)、P143〜152参照)温度は、1/4フランジ
位置(上下端1/4)の表面温度で規定し、実製造は、
該温度を測定、管理する。
【0036】冷却条件 本発明では、圧延終了後、Ar3点以下、Ar3−60℃
以上から、加速冷却を開始し、500℃以下250℃以
上で停止する。
【0037】加速冷却は、その開始温度の条件が満足さ
れれば良く、圧延終了後、開始までの時間は特に規定し
ない。また、その冷却速度は、5℃/秒未満では、引張
強度が十分得られず、30℃/秒を超えると、靭性が低
下し、シャルピー吸収エネルギーとして0℃で、100
J以上を安定して得ることができないため、5℃/秒以
上、30℃/秒以下とする。
【0038】加速冷却停止温度は、500℃以下250
℃以上とする。冷却停止温度が500℃超えでは、引張
強度が不足し、73%以下の降伏比が安定して得られな
い。一方、250℃未満では、靭性が低下し、シャルピ
ー吸収エネルギーとして0℃で、100J以上を安定し
て得ることができないため、500℃以下250℃以上
とする。尚、冷却停止後、自然放冷とする。
【0039】尚、フランジ厚は、12mmより薄いと、
圧延後の断面形状および所望の特性が損なわれ易く、一
方、40mmより厚いと、フランジ板厚中心での特性制
御が困難で、材質の均一性がやはり損なわれ易くなるた
め、本発明では、フランジ厚を12mm以上、40mm
以下とする。
【0040】
【実施例】実施例1において、製造条件の影響を調査
し、実施例2において、成分組成、製造条件の影響を調
査した。
【0041】(実施例1)表1に示す本発明範囲内の成
分組成の鋼を、連続鋳造により鋳片とし、1250℃に
加熱後、950℃以下での累積圧下率30%以上の熱間
圧延によりH形鋼を製造した。表2に圧延条件、加速冷
却条件、製造寸法(図1参照)を示す。
【0042】表2中、Ar3と圧延終了温度との差は、
Ar3(℃)=910−310(%C)−80(%M
n)−20(%Cu)−15(%Cr)−55(%N
i)−80(%Mo)+0.35(t−8)により求
め、また、加速冷却後は、常温まで放冷した。
【0043】各試験材の強度、靭性を調査するため、フ
ランジ幅方向1/4の位置(1/4フランジ位置)から
圧延方向を長手方向とし、引張試験片(JISZ220
11A号試験片 3本)を採取し、また、板厚中心(1
/2t)およびフィレットからシャルピー衝撃試験片
(JISZ2202 Vノッチ)を採取し、常温での特
性を調査した。図2に試験片採取位置を示す。
【0044】表3に引張試験結果、シャルピー衝撃試験
結果を示す。本発明の降伏強度の目標値は、325N/
mm2以上、445N/mm2以下、引張強度の目標値
は、490N/mm2以上、610N/mm2以下で何れ
もJISG3136建築構造用圧延鋼材規格に準じた。
【0045】A11〜14,17、24は、圧延終了温
度が本発明範囲外の比較例を示す。
【0046】A11,A12は,圧延終了温度をAr3
点以上とし、加速冷却を行わなかったもので、引張強度
が490N/mm2未満、降伏比も73%以上となっ
た。
【0047】A13,A14は、圧延終了温度をAr3
点以上とし、加速冷却を550℃で停止したもので、降
伏強度は445N/mm2以上、降伏比73%以上とな
った。
【0048】A17,A24は、圧延終了温度をAr3
−60℃より低くし、加速冷却を行ったもので、靭性は
良好であったが、降伏比が73%超えとなった。
【0049】A18〜20、22、23は、加速冷却条
件が本発明範囲外で比較例を示す。
【0050】A18は、冷却速度が5℃/Sより遅く、
引張強度が低く、降伏比が高い。A22は冷却速度が3
0℃/Sより早く、降伏比は低いものの、シャルピー衝
撃値は、vE0<100Jと低い。A19は、加速冷却
の停止温度が550℃と高く、降伏比が73%超えとな
っている。
【0051】A20、23は、加速冷却の停止温度が2
50℃未満と低く、降伏比は低いものの、シャルピー衝
撃値が小さくなっている。
【0052】フランジ厚(t2)が12mmより薄いA
27は、圧延、冷却条件が本発明の範囲内にも拘わら
ず、降伏比が73%超えと上昇した。
【0053】A26は、760℃で圧延終了後、長時間
待機し、冷却開始温度がAr3−60℃未満となったもの
で、引張強度が低く、降伏比は73%超えとなった。
【0054】A15,16,21,25は本発明の実施
例を示すもので、本発明が目標とする73%以下の降伏
比、フランジ、フィレットで100J以上のvE0が、
490N/mm2級H形鋼で得られている。A25は、
760℃で圧延終了後、冷却開始まで約30℃低下させ
たものであるが、A21と同様、優れた特性が得られて
いる。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】(実施例2)表4に示す成分組成の鋼を用
い、圧延、冷却条件を種々変化させ、圧延H形鋼を製造
し、実施例1に記載の方法により、その特性を調査し
た。表5に製造条件、表6に試験結果を示す。
【0059】B1〜3、B13,15,16は本発明の
実施例で、本発明が目標とする特性が得られている。
【0060】B11,12,14は圧延終了温度が本発
明範囲外で、降伏比が73%超えとなっている。
【0061】B4は、C量が本発明範囲外で、降伏比、
靭性ともに劣化した。
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低降伏比で靭性に優れた圧延形鋼が高価な成分元素や複
雑な熱処理を要せず安価に製造可能で、その活用により
大地震時の建築物の安全性が向上するなど、産業上極め
て有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧延H形鋼の形状寸法を模式的に示す図。
【図2】試験片採取位置を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K032 AA01 AA04 AA05 AA16 AA21 AA27 AA29 AA31 BA00 CA02 CA03 CC03 CD02 CD03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、C:0.08〜0.20%、
    Si:0.6%以下、Mn:0.5〜1.6%、Al:
    0.01〜0.05%、P≦0.02%、S≦0.02
    %、N≦0.008%、H≦0.0004%を含有し、
    Ceq(=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+C
    r/5+Mo/4+V/14)≦0.38の鋼片を、1
    050℃以上、1300℃以下に加熱後、圧延終了温度
    Ar3点以下、Ar3−60℃以上の熱間圧延を行い、直
    ちに冷却速度5〜30℃/秒で500〜250℃まで加
    速冷却することを特徴とする低降伏比で靭性に優れた圧
    延H形鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】 鋼成分として、更に,Cu:0.6%以
    下またはNi:1.0%以下を添加することを特徴とす
    る請求項1記載の低降伏比で靭性に優れた圧延H形鋼の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 鋼成分として、更にCr:0.5%以下
    またはMo:0.2%以下を添加することを特徴とする
    請求項1又は2記載の低降伏比で靭性に優れた圧延H形
    鋼の製造方法。
  4. 【請求項4】 鋼成分として、更にNb:0.005〜
    0.1%,V:0.005〜0.3%,Ti:0.00
    3〜0.1%の一種又は二種以上を添加することを特徴
    とする請求項1乃至3記載の何れかに記載の低降伏比で
    靭性に優れた圧延H形鋼の製造方法。
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