JP2002357837A - 液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板表面に一様に突起を形成したカラーフィ
ルタを有する液晶表示装置の場合、画素領域とシール領
域及びその近傍領域に同じ高さの突起が形成されている
が、画素領域とシール領域及びその近傍領域とでは、基
板表面に形成されている配線、ブラックマトリクス等の
パターンが異なり、突起と重なる領域のパターンの膜厚
が異なるため、画素領域とシール領域及びその近傍領域
とのセルギャップに差が生じる。 【解決手段】 カラーフィルタ基板１ａのシール領域及
びその近傍領域に突起５を形成せず、シール１３ａ材中
にガラスファイバーを含ませることにより、ガラスファ
イバー径の調整により、画素領域とシール領域及びその
近傍領域のセルギャップの差を任意に制御する事が可能
であり、画素領域、シール領域及びその近傍領域ともに
セルギャップを同等にした液晶表示装置３１ａを実現で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置及び
その製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の基板表面に散布されたビーズによ
って、セルギャップを保持する液晶表示装置の場合、ビ
ーズ散布精度が近年の高表示品位の液晶パネルに対応す
るには不十分であり、ビーズ起因の欠陥（ビーズ散布密
度のバラツキによるギャップむら、ビーズ凝集に起因す
る光抜け）により、パネル製造の歩留まりを低下させて
いた。そこで、カラーフィルタ基板上に突起を設置し、
上記突起によりセルギャップを保持するビーズレス工法
が提案されている。ビーズ散布方式の場合、シール領域
及びその近傍領域のセルギャップはシール中に混在され
たガラスファイバーにより保持されているが、これまで
のビーズレス方式の場合、カラーフィルタ基板表面に
は、一様に突起が形成されており、シール中にガラスフ
ァイバーを混在する事はなく、シール領域及びその近傍
領域も画素領域と同様に突起によりセルギャップを保持
することが一般的であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、カラーフィル
タ、アレイの画素領域とシール領域及びその近傍領域で
は突起の下地となるブラックマトリクスやカラーフィル
タ層の有無や突起と重なるアレイ基板上の配線の有無、
膜厚等が異なる。このため、画素領域とシール領域及び
その近傍領域に同じ高さの突起を形成した場合には画素
領域とシール領域及びその近傍領域とのセルギャップに
段差が生じてしまう。

【０００４】本発明の目的は、画素領域、シール領域及
びその近傍領域ともにセルギャップを同等にすることが
できる液晶表示装置及びその製造方法を提供することで
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の液晶表示
装置は、表面にギャップ形成の為の突起を有するカラー
フィルタ基板と、前記カラーフィルタ基板と対向するア
レイ基板と、前記カラーフィルタ基板とアレイ基板との
間隙に挟持される液晶材料と、前記液晶材料を封止する
ためのシール材とを備えた液晶表示装置であって、前記
カラーフィルタ基板のシール領域及びその近傍領域には
突起を形成せず、前記シール材はその成分中にガラスフ
ァイバーを含む事を特徴とする。

【０００６】請求項２記載の液晶表示装置は、表面にギ
ャップ形成の為の突起を有するカラーフィルタ基板と、
前記カラーフィルタ基板と対向するアレイ基板と、前記
カラーフィルタ基板とアレイ基板との間隙に挟持される
液晶材料と、前記液晶材料を封止するためのシール材と
を備えた液晶表示装置の製造方法であって、前記カラー
フィルタ基板の表面に前記突起を形成するとき前記カラ
ーフィルタ基板のシール領域及びその近傍領域には突起
を形成しないようにするとともに、前記カラーフィルタ
基板とアレイ基板のうちの少なくとも一方に前記シール
材をを所定のパターンに形成するとき前記シール材の成
分中にガラスファイバーを含ませる事を特徴とする。

【０００７】これら本発明によれば、カラーフィルタ基
板のシール領域及びその近傍領域に突起を形成せず、シ
ール材中にガラスファイバーを含ませることにより、そ
のガラスファイバー径を制御する事で画素領域、シール
領域及びその近傍領域ともにセルギャップを同等にする
ことができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に基づ
く液晶表示装置および本発明と比較する従来の液晶表示
装置について図１、図２、図３を用いて説明する。本発
明の実施の形態に基づく液晶表示装置は図３（ａ）の断
面図で示され、比較対象の従来の液晶表示装置（２つ）
は図３（ｂ）と図３（ｃ）の断面図で示される。

【０００９】図１(ａ)は、本発明の実施の形態に基づく
カラーフィルタ基板の断面の概略図であり、図１（ｂ）
はその平面の概略図である。

【００１０】まず、以下の手順にそってカラーフィルタ
基板を６枚（ａ、ｂ、ｃ、ｄ、ｅ、ｆ）作成した。

【００１１】図２(ａ)に示すように、全面にクロム膜が
着膜されたガラス基板２ａ上にスピンコートによるレジ
スト膜を塗布後、露光、現像、クロムエッチング、レジ
スト剥離により、所要パターン形状のクロム製のブラッ
クマトリクス膜（遮光膜）４をパターニングする。

【００１２】次に、図２（ｂ）、（ｃ）に示すように、
ＲＧＢ着色膜６（６Ｒ、６Ｇ、６Ｂ）をそれぞれ塗布、
露光、現像することにより所定パターン形状に順次形成
した後、その上にスパッタリング法によりＩＴＯの透明
電極１０を形成する。

【００１３】最後に、上記６枚のカラーフィルタ基板の
内、ａ、ｂ、ｃ、ｄ、ｅの５枚に突起形成用レジスト膜
を形成後、露光、現像を行う事により、突起５を形成す
る。ここで図３（ａ）（ｂ）（ｃ）に示すようにカラー
フィルタ基板１ａ（ａ、ｂ、ｃ、ｄ）に関しては、本発
明の実施の形態に基づき、突起５の形成する領域は画素
領域（パネル表示領域７ａ：図１）とし、シール領域及
びその近傍領域１７ａ（図１）には形成しない。また比
較対象のカラーフィルタ基板１ｂ（ｅ）に関しては、突
起５の形成する領域は画素領域とシール領域及びその近
傍領域である。なお突起５の高さはカラーフィルタ基板
１ａ、１ｂとも３．９μｍとした。さらに比較対象のカ
ラーフィルタ基板１ｃ（ｆ）に関しては、突起は形成し
ない。

【００１４】図３(ａ)に示す本発明の実施の形態にもと
づく液晶表示装置について説明する。この液晶表示装置
３１ａを製造する際には、まず、実施の形態にもとづい
て突起５が形成されたカラーフィルタ基板１ａ（ａ、
ｂ、ｃ、ｄ）と一般的な方法で形成されたアレイ基板１
１ａとの相対向する面に配向膜９ａ、９ｂをそれぞれ形
成する。次に、カラーフィルタ基板１ａにガラスファイ
バーの混在したシール材１３ａを所定のパターンに形成
した後、両基板１ａ、１１ａを貼り合わせ、１５０℃×
３時間でシール材を硬化し、空セルを作成した。さらに
真空注入法により、液晶材料１４を充填後、注入口を封
口し、液晶表示装置３１ａを作製した。なお、装置組立
の際、ガラスファイバー径（４．０、４．５、５．０、
５．５μｍ）を後の表１に示すように設定した。

【００１５】ここで比較対象の図３（ｂ），（ｃ）に示
す液晶表示装置３１ｂ、３１ｃについて説明する。ま
ず、カラーフィルタ基板１ｂ（ｅ）を有する液晶表示装
置３１ｂに関して説明する。この液晶表示装置３１ｂを
製造する際には、画素領域とシール領域及びその近傍領
域に突起５が形成されたカラーフィルタ基板１ｂと一般
的な方法で形成されたアレイ基板１１ｂとの相対向する
面に配向膜９ａ、９ｂをそれぞれ形成する。次に、カラ
ーフィルタ基板１ｂにガラスファイバーの混在しないシ
ール材１３ｂを所定のパターンに形成した後、両基板１
ｂ、１１ｂを貼り合わせ、１５０℃×３時間でシール材
を硬化し、空セルを作成した。さらに真空注入法によ
り、液晶材料１４を充填後、注入口を封口し、液晶表示
装置３１ｂを作製した。

【００１６】次にカラーフィルタ基板１ｃ（ｆ）を有す
るビーズ散布工法で作製された液晶表示装置３１ｃに関
して説明する。この液晶表示装置３１ｃを製造する際に
は、カラーフィルタ基板１ｃと一般的な方法で形成され
たアレイ基板１１ｂとの相対向する面に配向膜９ａ、９
ｂをそれぞれ形成する。次に、カラーフィルタ基板１ｃ
の画素領域に４．２μｍ径のビーズを散布し（１５０〜
２００個／mm²）、両基板１ｃ、１１ｃの周辺部を５．
２μｍ径のガラスファイバーの混在したシール材１３ａ
で封じ、その間隙に液晶１４が充填されることで、液晶
表示装置３１ｃを作製している。

【００１７】なお、これらの液晶表示装置（３１ａ、３
１ｂ、３１ｃ）は、光抜け等に対する検査のため、実
装、モジュール化を実施した。

【００１８】これらの液晶表示装置（３１ａ、３１ｂ、
３１ｃ）についてセルギャップの測定を実施した。結果
をセル作成条件と共に表１に示す。

【００１９】

【表１】

【００２０】表１に示すように、液晶表示装置３１ａで
はシール材中のガラスファイバー径を調節する事で、セ
ルギャップの均一化をはかれることがわかる。一方、シ
ール材中にガラスファイバーを混入していない液晶表示
装置３１ｂに関しては、シール領域及びその近傍領域の
セルギャップがカラーフィルタ基板１ｂ（ｅ）の突起５
の高さにより決定されるため、画素領域のセルギャップ
と異なり、目視結果においてもシール近傍の均一性が不
十分である。また液晶表示装置３１ｃに関して、セルギ
ャップは均一であるが、表示領域中に多数のビーズが存
在しているため、液晶表示装置３１ａ、３１ｂで見られ
なかったビーズによる光抜けがみられる。

【００２１】以上のように、本実施の形態によれば、カ
ラーフィルタ基板１ａのシール領域及びその近傍領域に
突起５を形成せず、シール１３ａ材中にガラスファイバ
ーを含ませることにより、ガラスファイバー径の調整に
より、画素領域とシール領域及びその近傍領域のセルギ
ャップの差を任意に制御する事が可能であり、画素領
域、シール領域及びその近傍領域ともにセルギャップを
同等にすることができ、セルギャップの均一な表示品位
の高い液晶表示装置を実現できる。

【００２２】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、カラー
フィルタ基板のシール領域及びその近傍領域に突起を形
成せず、シール材中にガラスファイバーを含ませること
により、そのガラスファイバー径を制御する事で画素領
域、シール領域及びその近傍領域ともにセルギャップを
同等にすることができ、セルギャップの均一な表示品位
の高い液晶表示装置を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態におけるカラーフィルタ基
板の断面図および平面図。

【図２】本発明の実施の形態におけるカラーフィルタ基
板の製造工程毎の断面図

【図３】（ａ）は本発明の実施の形態の液晶表示装置の
断面図、（ｂ）と（ｃ）は比較対象の液晶表示装置の断
面図

【符号の説明】

１ａ，１ｂ，１ｃ カラーフィルタ基板 ２ａ，２ｂ ガラス基板 ３ スイッチング能動素子 ４ ブラックマトリクス膜 ５ 突起 ６ 着色膜 ７ａ パネル表示領域 ８ 画素電極 ９ａ，９ｂ 配向膜 １０ 透明電極 １１ａ，１１ｂ，１１ｃ アレイ基板 １３ａ ガラスファイバーを混在したシール材 １３ｂ ガラスファイバーを混在しないシール材 １４ 液晶 １５ ビーズ １６ アライメントマーク １７ａ シール領域及びその近傍領域 ３１ａ，３１ｂ，３１ｃ 液晶表示装置

フロントページの続き (72)発明者 山本 義則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 炭田 祉朗 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 2H089 LA07 LA08 NA05 NA06 NA12 NA17 NA39 QA14 TA12 2H091 FA02Y FA35Y GA06 GA08 GA09 GA13 LA17 LA19

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面にギャップ形成の為の突起を有する
   カラーフィルタ基板と、前記カラーフィルタ基板と対向
   するアレイ基板と、前記カラーフィルタ基板とアレイ基
   板との間隙に挟持される液晶材料と、前記液晶材料を封
   止するためのシール材とを備えた液晶表示装置であっ
   て、 前記カラーフィルタ基板のシール領域及びその近傍領域
   には突起を形成せず、前記シール材はその成分中にガラ
   スファイバーを含む事を特徴とする液晶表示装置。
2. 【請求項２】 表面にギャップ形成の為の突起を有する
   カラーフィルタ基板と、前記カラーフィルタ基板と対向
   するアレイ基板と、前記カラーフィルタ基板とアレイ基
   板との間隙に挟持される液晶材料と、前記液晶材料を封
   止するためのシール材とを備えた液晶表示装置の製造方
   法であって、 前記カラーフィルタ基板の表面に前記突起を形成すると
   き前記カラーフィルタ基板のシール領域及びその近傍領
   域には突起を形成しないようにするとともに、前記カラ
   ーフィルタ基板とアレイ基板のうちの少なくとも一方に
   前記シール材をを所定のパターンに形成するとき前記シ
   ール材の成分中にガラスファイバーを含ませる事を特徴
   とする液晶表示装置の製造方法。