JP2002356738A - 耐高面圧部材およびその製造方法 - Google Patents

耐高面圧部材およびその製造方法

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JP2002356738A
JP2002356738A JP2001160694A JP2001160694A JP2002356738A JP 2002356738 A JP2002356738 A JP 2002356738A JP 2001160694 A JP2001160694 A JP 2001160694A JP 2001160694 A JP2001160694 A JP 2001160694A JP 2002356738 A JP2002356738 A JP 2002356738A
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Yutaka Kurebayashi
豊 紅林
Toshimitsu Kimura
利光 木村
Takuo Yamaguchi
拓郎 山口
Keizo Otani
敬造 尾谷
Noriko Uchiyama
典子 内山
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Daido Steel Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一かつ微細に析出したM23型炭化物
によって優れた耐面疲労強度を備えた耐高面圧部材と、
中間保持工程においてM23型炭化物を均一かつ微
細に析出させることができ、もって部材の耐面疲労強度
を大幅に向上させることができる耐高面圧部材の製造方
法を提供する。 【解決手段】 C含有量が0.6〜1.5%、あるいは
浸炭処理または浸炭窒化処理によって表面C量を0.6
〜1.5%に富化させた機械構造用鋼を600〜750
℃の中間保持温度に昇温するに際して、500〜650
℃の温度範囲を0.2〜30℃/minの昇温速度で加
熱し、引き続き前記中間保持温度範囲内で保持し、その
後Ac1変態温度以上、かつAcm変態温度以下に保持
した後、急冷して焼入れする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯車やベアリング
転動体のように、高い面疲労強度を必要とする動力伝達
部品として利用される部材に係わり、特に準高温から高
温までの環境(100〜300℃程度)において高面圧
下で使用するのに好適な耐高面圧部材およびこのような
耐高面圧部材の製造方法に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】上記したような動力伝
達部材の耐面疲労強度を高める方法としては、例えば、
準高温から高温においても分解しにくい炭化物、例えば
C型炭化物などを積極的に析出させて硬度を高め、
もって焼戻し軟化抵抗性の向上を図る過共析浸炭法や高
濃度浸炭法がある。特願平11−206552号公報で
は、MCを析出させた鋼に比べて耐面疲労強度に優れ
るM23型炭化物を微細に分散析出させた部材が提
案されている。
【0003】このような炭化物を析出させるには、部材
に浸炭処理を行うことによって表面層の炭素量を高めた
後、炭素が固溶し得る温度以下に降温、保持を行う方法
が用いられる。このときの炭化物の析出は、炭化物を生
成するのに必須の元素であるクロム(Cr)などが偏在
している部位、あるいは析出核となるオーステナイト粒
の界面から生じ易く、上記温度での保持を続けることで
部材の表面の組織中に均一に炭化物が生成していく。こ
の炭化物析出の工程としては、通常焼入れ前に部材の温
度を均一にするための保持工程が利用される。
【0004】しかしながら、M23型炭化物は、保
持工程のみでは、部材の組織中の全面あるいは浸炭によ
り炭素量を高めた部材表面層に均一に分散させ難いた
め、未析出領域が生じ易いという問題があった。炭化物
が析出していない領域では炭化物分散析出による強化が
十分に行われず、強度が損なわれてしまうことになる。
さらに焼入れ工程における炭化物の作用としては、焼入
れ時に生成するマルテンサイトが粗大に成長するのを阻
止する効果があるが、炭化物が分散析出していないと緻
密な組織を得にくく、転動疲労強度が損なわれ易い。一
方、上述した特願平11−206552号公報では、浸
炭後、焼入れ保持の前にAc1変態温度以下で長時間保
持する、中間保持工程を設けることによってM23
を部材の組織中の全面、あるいは浸炭により炭素量を高
めた部材表面層に均一に析出させようとしているが、条
件によっては未析出領域が生じたり、非常に長時間の処
理が必要となったりして、製造コストの増加を招くなど
の問題があり、このような問題の解消が従来の動力伝達
部材における課題となっていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、従来の動力伝達部材における
上記課題に鑑みてなされたものであって、均一かつ微細
に析出したM23型炭化物によって優れた耐面疲労
強度を備えた耐高面圧部材と、中間保持工程においてM
23型炭化物を均一かつ微細に析出させることがで
き、もって部材の耐面疲労強度を大幅に向上させること
ができる耐高面圧部材の製造方法を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる耐高面圧
部材は、少なくとも表面におけるC量が0.6〜1.5
%であり、平均粒径0.3μm以下の炭化物が基地に分
散している構成としたことを特徴としており、耐高面圧
部材におけるこのような構成を上記した課題を解決する
ための手段としている。
【0007】また、本発明に係わる耐高面圧部材の好適
な実施形態として請求項2に係わる耐高面圧部材におい
ては、Cを0.6〜1.5%含有する機械構造用鋼から
なる構成とし、同じく実施形態として請求項3に係わる
耐高面圧部材においては、浸炭処理または浸炭窒化処理
により表面C量が富化されている構成とし、請求項4に
係わる耐高面圧部材においては、C:0.6〜1.5
%、Cr:1.2〜3.2%、Mo:0.25〜2.0
%を含有する機械構造用鋼からなり、炭化物が少なくと
もCrを含むM23型炭化物である構成とし、さら
に請求項5に係わる耐高面圧部材においては、Cr:
1.2〜3.2%、Mo:0.25〜2.0%を含有す
る機械構造用鋼に浸炭処理または浸炭窒化処理が施して
あり、炭化物が少なくともCrを含むM23型炭化
物である構成としたことを特徴としている。
【0008】本発明の請求項6に係わる耐高面圧部材の
製造方法においては、Cを0.6〜1.5%含有する機
械構造用鋼を500〜650℃の温度範囲における昇温
速度が0.2〜30℃/minとなるような速度で加熱
して600〜750℃の温度に昇温し、引き続き当該温
度範囲内で保持して、その後Ac1変態温度以上、かつ
Acm変態温度以下に保持した後、急冷する構成とし、
本発明の請求項7に係わる耐高面圧部材の製造方法にお
いては、表面C量を0.6〜1.5%にする浸炭または
浸炭窒化処理の後、500〜650℃の温度範囲におけ
る昇温速度が0.2〜30℃/minとなるような速度
で加熱して600〜750℃の温度に昇温し、引き続き
当該温度範囲内で保持して、その後Ac1変態温度以
上、かつAcm変態温度以下に保持した後、急冷する構
成とし、本発明の請求項8に係わる耐高面圧部材の製造
方法においては、減圧下において、C:0.6〜1.5
%、Cr:1.2〜3.2%、Mo:0.25〜2.0
%を含有する機械構造用鋼を500〜650℃の温度範
囲における昇温速度が0.2〜30℃/minとなるよ
うな速度で加熱して600〜750℃の温度に昇温し、
引き続き減圧下において当該温度範囲内で保持して、そ
の後Ac1変態温度以上、かつT(℃)=675+12
0・Si(%)−27・Ni(%)+30・Cr(%)
+215・Mo(%)−400・V(%)以下の温度に
加熱保持した後、急冷する構成とし、さらに本発明の請
求項9に係わる耐高面圧部材の製造方法においては、C
r:1.2〜3.2%、Mo:0.25〜2.0%を含
有する機械構造用鋼に表面C量を0.6〜1.5%とす
る浸炭または浸炭窒化処理を施した後、減圧下において
500〜650℃の温度範囲における昇温速度が0.2
〜30℃/minとなるような速度で加熱して600〜
750℃の温度に昇温し、引き続き減圧下において当該
温度範囲内で保持して、その後Ac1変態温度以上、か
つT=675+120・Si(%)−27・Ni(%)
+30・Cr(%)+215・Mo(%)−400・V
(%)以下の温度に加熱保持した後、急冷する構成とし
ており、耐高面圧部材の製造方法におけるこのような構
成を上記した課題を解決するための手段としたことを特
徴としている。
【0009】
【発明の作用】本発明に係わる耐高面圧部材は、その少
なくとも表面におけるC含有量、すなわち当該部材自体
のC含有量、あるいは浸炭処理または浸炭窒化処理によ
り富化された表面C量が0.6〜1.5%であると共
に、平均粒径が0.3μm以下の炭化物がその基地に分
散したものであるから、微細に分散析出した炭化物によ
って耐面疲労強度が向上することになる。このとき、当
該部材の素材鋼としては、Cr:1.2〜3.2%、M
o:0.25〜2.0%を含有する機械構造用鋼である
ことが望ましく、炭化物として少なくともCrを含むM
23型炭化物であることが望ましい。
【0010】すなわち、表面C量が0.6%に満たない
と炭化物の面積率(析出量)を十分に確保することがで
きず、1.5%を超えるとMC型炭化物が析出し易く
なり、このような炭化物の網状析出によって機械的性質
が劣化することになる。また、炭化物の平均粒径が0.
3μmを超えると転動疲労寿命が低下する。そして、素
材鋼中のCr含有量が1.2%に満たないと、M23
型炭化物の析出量が減少して優れた転動疲労寿命が得
られなくなり、逆に3.2%を超えると、機械加工時に
おける切削性の低下を招く傾向がある。また、Mo含有
量が0.25%に満たないと、M23型炭化物の安
定析出が阻害されることがあり、2.0%を超えると、
Crと同様に切削性が低下する傾向がある。なお、本発
明における各成分の含有量は、すべて質量パーセントを
意味する。
【0011】本発明に係わる耐高面圧部材の製造方法
は、上記耐高面圧部材の製造に好適なものであって、C
含有量が0.6〜1.5%の機械構造用鋼、あるいは浸
炭または浸炭窒化処理によって表面のC量を0.6〜
1.5%に富化した鋼を600〜750℃の中間保持温
度に昇温するに際して、500〜650℃の温度範囲を
0.2〜30℃/minの昇温速度で加熱し、引き続き
前記中間保持温度範囲内で保持し、その後Ac1変態温
度以上、かつAcm変態温度以下に保持した後、急冷し
て焼入れ処理するようにしているので、炭化物が微細に
分散析出することにより、優れた耐面疲労強度を備えた
耐高面圧部材が得られることになる。このとき、素材鋼
としては、Cr:1.2〜3.2%、Mo:0.25〜
2.0%を含有する機械構造用鋼を用い、中間保持温度
への昇温および保持を減圧下で行うことが望ましく、A
cm変態温度としては、T=675+120・Si
(%)−27・Ni(%)+30・Cr(%)+215
・Mo(%)−400・V(%)によって算出される温
度Tを用いることができる。
【0012】すなわち、表面C量が0.6%に満たない
と、上記したように炭化物の面積率を確保することがで
きず、1.5%を超えるとMC型炭化物が析出し易く
なり、機械的性質が劣化する。
【0013】また、中間保持温度が600℃を下回ると
Cの拡散速度が小さくなるために、M23型炭化物
の成長が著しく遅くなってコスト増を招く一方、750
℃を超えるとMC型炭化物の形成にCが消費されるた
め、M23型炭化物が成長できず硬度を確保するこ
とができなくなる。そして、この中間保持温度への昇温
に際して、500〜650℃の温度範囲における昇温速
度が0.2℃/minより小さいと処理時間が著しく長
くなってコスト増を招き、30℃/minを超えるとM
23型炭化物の核を析出させるための時間が足りな
くなって、炭化物の析出量が不足するようになる。な
お、前記昇温速度については、0.2〜5℃/minの
範囲とすることがより望ましい。
【0014】さらに、焼入れ保持温度については、Ac
1変態温度よりも低いと焼入れ後の基地をマルテンサイ
トやベイナイト組織とすることができず、Acm変態温
度、あるいは上記算出式によって算出される温度Tより
も高いとM23型炭化物が固溶してしまうことにな
る。
【0015】そして、素材鋼中のCrおよびMo含有量
の限定理由にについては、上記したように、Crおよび
Mo含有量が上記下限値に満たない場合には、M23
型炭化物の析出量が減少したり、その安定析出が阻害
されたりすることがあり、上限値を超えた場合には、切
削性の低下を招く傾向があることによる。
【0016】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって、さらに具
体的に説明する。
【0017】(実施例1)表1に示す6種類の鋼種A〜
Fを用いて、スラスト転動疲労試験用の円板形試験片
(径:60mm、厚さ:5mm)を削り出し、鋼種A,
B,Cについては、表面炭素濃度が0.7〜1.4%と
なるように浸炭処理を施した後、鋼種D,E,Fについ
ては、浸炭処理を施すことなく円板形試験片を削り出し
た後、図1または図2に示すパターンにより炭化物析出
処理、および焼入れを行い、続いて170℃×2時間保
持の焼戻しを行い、各試験片の表面を研削仕上げした。
【0018】
【表1】
【0019】転動疲労試験については、表2に示す条件
の下に、剥離が発生するまでのn=5における累積破損
確率50%寿命(L50)を求めた。
【0020】
【表2】
【0021】このようにして得たスラスト転動疲労試験
片の断面を3%硝酸アルコール溶液で腐蝕し、走査型電
子顕微鏡により、試験片の最表面から0.1mm深さま
での断面について10000倍で写真撮影した後、画像
解析装置を用いて析出炭化物の平均粒径を測定した。ま
た、最表面から0.1mm±0.05mmの範囲を光学
顕微鏡によって観察し、炭化物の未析出域の面積率を求
めた。これらの結果を表3に示す。なお、発明例3は、
浸炭後に600℃まで冷却した後、直ちに本発明の条件
により加熱する処理を施している。
【0022】
【表3】
【0023】表3に示したように、本発明の実施例であ
る発明例1〜6については、炭化物の未析出部がなく、
炭化物がむらなく析出しており、優れた転動疲労寿命が
得られた。
【0024】これに対し、焼入れ保持温度T2が高い比
較例1および5では、析出した炭化物が固溶してしまう
ために炭化物の未析出領域が生じ、中間保持温度T1が
高い比較例2および6では、M23型炭化物の析出
量が少なく、中間保持温度T1が低い比較例3では、炭
化物の成長が遅くて未析出領域が生じ、中間保持温度T
1までの昇温速度が速い比較例4では、炭化物の析出核
が少なくて析出むらが生じ、いずれも転動疲労寿命が短
い結果となった。
【0025】(実施例2)表4に示す5種類の鋼種G〜
Kを用いて、これを焼きならしした後、図3に示す条件
でガス浸炭処理を行った。なお、浸炭処理後の表面炭素
濃度は、浸炭時浸炭ガス組成(Cポテンシャル)により
0.7〜0.8%の範囲に調整した。その後、図4およ
び表5に示す熱処理記号イ〜ホのいずれかの条件で熱処
理を行った。このようにして得られた試験片は、走査型
電子顕微鏡による組織観察を行い、画像解析装置によっ
て炭化物の未析出領域の占める面積率、および析出した
炭化物の平均粒径を測定した。
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】また、これとは別に、試験片表面を研摩し
て、スラスト試験片(径:60mm、厚さ:5mm)と
し、表6に示す試験条件の下に、剥離までの寿命として
ワイブルの破壊確率10%寿命(L10)を調べた。
【0029】
【表6】
【0030】この結果を表7にまとめて示す。
【0031】
【表7】
【0032】表7に示すように、本発明の実施例である
発明例7〜10については、炭化物がむらなく析出し、
優れた転動疲労寿命が得られることが確認された。これ
に対して、比較例7、9、13および15では、中間保
持温度t1が低すぎるために、炭化物の成長が遅く、未
析出領域が生じて十分な転動疲労寿命が得られなかっ
た。逆に、比較例10、11、14および16において
は、中間保持温度t1および焼入れ保持温度t2が高す
ぎて、炭化物がほとんど析出しないために転動疲労寿命
が短く、比較例8および12では、中間保持温度t1ま
での加熱速度が速すぎて炭化物の析出核が少ないため
に、炭化物の未析出領域が生じてしまい、転動疲労寿命
が短い結果となった。
【0033】図5は、比較例1のSEM写真である。黒
色部が炭化物析出領域で、白色部が炭化物未析出領域で
ある。炭化物未析出領域が多く存在することがわかる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる耐
高面圧部材は、その少なくとも表面におけるC含有量、
すなわち当該耐高面圧部材全体のC含有量、あるいは浸
炭処理または浸炭窒化処理により富化された表面C量が
0.6〜1.5%であって、平均粒径が0.3μm以下
の炭化物がその基地に分散しているものであるから、耐
面疲労強度に優れ、高面圧下で使用される歯車や、ベア
リング転動体などとして好適に使用することができると
いう極めて優れた効果をもたらすものである。また、好
適形態として、Cr:1.2〜3.2%、Mo:0.2
5〜2.0%を含有し、炭化物として少なくともCrを
含むM23型炭化物を析出させた耐高面圧部材にお
いては、M23型炭化物が微細かつむらなく析出す
ることによって、組織の不均一に起因する疲労強度の低
下を防止することができ、耐面疲労強度をより確実に向
上させることができる。
【0035】また、本発明に係わる耐高面圧部材の製造
方法においては、望ましくはCr:1.2〜3.2%、
Mo:0.25〜2.0%を含有し、C含有量が0.6
〜1.5%、あるいは浸炭処理または浸炭窒化処理によ
って表面C量を0.6〜1.5%に富化させた機械構造
用鋼を600〜750℃の中間保持温度に昇温するに際
して、500〜650℃の温度範囲を0.2〜30℃/
minの昇温速度で加熱し、引き続き前記中間保持温度
範囲内で保持し、その後Ac1変態温度以上、かつAc
m変態温度以下、あるいはT(℃)(=675+120
・Si(%)−27・Ni(%)+30・Cr(%)+
215・Mo(%)−400・V(%))以下に保持し
た後、急冷して焼入れ処理するようにしているので、微
細なM 型炭化物をむらなく均一に分散析出させ
ることができ、転動疲労寿命に優れた耐高面圧部材を得
ることができるという極めて優れた効果がもたらされ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における炭化物析出およ
び焼入れ処理条件を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例における他の炭化物析出
および焼入れ処理条件を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例におけるガス浸炭処理条
件を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例における炭化物析出処
理、焼入れ処理および焼戻し処理条件を示す図である。
【図5】本発明の比較例1のSEM写真(ナイタル腐
食)である
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 利光 愛知県名古屋市南区大同町2丁目30番 大 同特殊鋼株式会社技術開発研究所内 (72)発明者 山口 拓郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 尾谷 敬造 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 内山 典子 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面におけるC量が0.6〜
    1.5%であり、平均粒径0.3μm以下の炭化物が基
    地に分散していることを特徴とする耐高面圧部材。
  2. 【請求項2】 Cを0.6〜1.5%含有する機械構造
    用鋼からなることを特徴とする請求項1記載の耐高面圧
    部材。
  3. 【請求項3】 浸炭処理または浸炭窒化処理により表面
    C量が富化されていることを特徴とする請求項1記載の
    耐高面圧部材。
  4. 【請求項4】 C:0.6〜1.5%、Cr:1.2〜
    3.2%、Mo:0.25〜2.0%を含有する機械構
    造用鋼からなり、炭化物が少なくともCrを含むM23
    型炭化物であることを特徴とする請求項1記載の耐
    高面圧部材。
  5. 【請求項5】 Cr:1.2〜3.2%、Mo:0.2
    5〜2.0%を含有する機械構造用鋼に浸炭処理または
    浸炭窒化処理が施してあり、炭化物が少なくともCrを
    含むM23型炭化物であることを特徴とする請求項
    1記載の耐高面圧部材。
  6. 【請求項6】 Cを0.6〜1.5%含有する機械構造
    用鋼を500〜650℃の温度範囲における昇温速度が
    0.2〜30℃/minとなるような速度で加熱して6
    00〜750℃の温度に昇温し、引き続き当該温度範囲
    内で保持して、その後Ac1変態温度以上、かつAcm
    変態温度以下に保持した後、急冷することを特徴とする
    耐高面圧部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 表面C量を0.6〜1.5%にする浸炭
    または浸炭窒化処理の後、500〜650℃の温度範囲
    における昇温速度が0.2〜30℃/minとなるよう
    な速度で加熱して600〜750℃の温度に昇温し、引
    き続き当該温度範囲内で保持して、その後Ac1変態温
    度以上、かつAcm変態温度以下に保持した後、急冷す
    ることを特徴とする耐高面圧部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 減圧下において、C:0.6〜1.5
    %、Cr:1.2〜3.2%、Mo:0.25〜2.0
    %を含有する機械構造用鋼を500〜650℃の温度範
    囲における昇温速度が0.2〜30℃/minとなるよ
    うな速度で加熱して600〜750℃の温度に昇温し、
    引き続き減圧下において当該温度範囲内で保持して、そ
    の後Ac1変態温度以上、かつT(℃)=675+12
    0・Si(%)−27・Ni(%)+30・Cr(%)
    +215・Mo(%)−400・V(%)以下の温度に
    加熱保持した後、急冷することを特徴とする耐高面圧部
    材の製造方法。
  9. 【請求項9】 Cr:1.2〜3.2%、Mo:0.2
    5〜2.0%を含有する機械構造用鋼に表面C量を0.
    6〜1.5%とする浸炭または浸炭窒化処理を施した
    後、減圧下において500〜650℃の温度範囲におけ
    る昇温速度が0.2〜30℃/minとなるような速度
    で加熱して600〜750℃の温度に昇温し、引き続き
    減圧下において当該温度範囲内で保持して、その後Ac
    1変態温度以上、かつT(℃)=675+120・Si
    (%)−27・Ni(%)+30・Cr(%)+215
    ・Mo(%)−400・V(%)以下の温度に加熱保持
    した後、急冷することを特徴とする耐高面圧部材の製造
    方法。
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