JP2002356531A - 紙送りロール用ウレタン組成物およびそれを用いた紙送りロール - Google Patents

紙送りロール用ウレタン組成物およびそれを用いた紙送りロール

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JP2002356531A
JP2002356531A JP2001164551A JP2001164551A JP2002356531A JP 2002356531 A JP2002356531 A JP 2002356531A JP 2001164551 A JP2001164551 A JP 2001164551A JP 2001164551 A JP2001164551 A JP 2001164551A JP 2002356531 A JP2002356531 A JP 2002356531A
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feed roll
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roll
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JP2001164551A
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English (en)
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Tomoshi Suzuki
智志 鈴木
Hitoshi Yoshikawa
均 吉川
Yoshihiro Wago
好広 和合
Keita Shiraki
慶太 白木
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い摩擦係数を得ることができ、しかもこの高
い摩擦係数を維持することができる耐摩耗性に優れた紙
送りロールを得ることができる、紙送りロール用ウレタ
ン組成物を提供する。 【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を含有する紙送
りロール用ウレタン組成物であって、紙送りロール用ウ
レタン組成物の硬化体が下記の特性(α)および(β)
の双方を備えている。 (A)ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTM
G)とポリプロピレングリコール(PPG)とを、PT
MG/PPG=99/1〜50/50の重量比で混合し
てなるポリエーテルポリオール。 (B)ポリイソシアネート。 (C)鎖延長剤。 (α)硬度が40°以上。 (β)アロファネート結合量が0.03〜0.07mm
ol/g。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙送りロール用ウ
レタン組成物およびそれを用いた紙送りロールに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】複写機に用いられる給紙ロール、搬送ロ
ール等の紙送りロールには、摩擦係数が高く、耐摩耗性
に優れ、低へたりであることが要求される。そのため、
従来は、耐摩耗性の観点から、ポリウレタン材料からな
るウレタンロールが用いられていた。このウレタンロー
ルは、耐摩耗性に優れる反面、ゴムロールに比べて摩擦
係数が低い。そのため、可塑剤を添加したり、NCOイ
ンデックスを下げたりすることにより、低硬度化し、摩
擦係数を高めている(特開昭63−77919号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭63−77919号公報に記載のウレタンロールで
は、摩擦係数が不充分であり、ゴムロールと略同等の高
い摩擦係数を得ることはできない。また、ウレタンロー
ルの硬度を40°未満にすると粘着性が増し、紙粉がロ
ール表面に付着してしまい、摩擦係数が大幅に低下する
という難点がある。さらに、NCOインデックスを下げ
ると、架橋密度が低くなるため、へたり性が悪化し、耐
摩耗性が悪くなるという難点もある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、高い摩擦係数を得ることができ、しかもこの高
い摩擦係数を維持することができる耐摩耗性に優れた紙
送りロール用ウレタン組成物およびそれを用いた紙送り
ロールの提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の(A)〜(C)成分を含有する紙
送りロール用ウレタン組成物であって、紙送りロール用
ウレタン組成物の硬化体が下記の特性(α)および
(β)の双方を備えている紙送りロール用ウレタン組成
物を第1の要旨とする。 (A)ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTM
G)とポリプロピレングリコール(PPG)とを、PT
MG/PPG=99/1〜50/50の重量比で混合し
てなるポリエーテルポリオール。 (B)ポリイソシアネート。 (C)鎖延長剤。 (α)硬度が40°以上。 (β)アロファネート結合量が0.03〜0.07mm
ol/g。
【0006】また、本発明は、上記第1の要旨の紙送り
ロール用ウレタン組成物を用いてなる紙送りロールを第
2の要旨とする。
【0007】すなわち、本発明者らは、高い摩擦係数を
得ることができ、しかも耐摩耗性に優れた紙送りロール
用ウレタン組成物を得るべく、ポリオール材料を中心に
鋭意研究を重ねた。そして、エーテル系ポリオールに着
目し、エーテル系ポリオールのなかでも高強度であるP
TMGにPPGを所定の重量比でブレンドしてなる特定
のポリエーテルポリオール(A成分)を用いると、好結
果が得られることを突き止めた。なお、エステル系ポリ
オールは、分子構造中にエステル結合を有するため、耐
加水分解性に劣り、好結果を得ることができなかった。
そして、上記特定のポリエーテルポリオール(A成分)
とポリイソシアネート(B成分)と鎖延長剤(C成分)
とを含有するウレタン組成物の硬化体の硬度およびアロ
ファネート結合量についても研究を重ねた結果、これら
を所定の範囲に制御することにより、所期の目的が達成
できることを見出し、本発明に到達した。
【0008】なお、本発明において「紙送りロール」と
は、ピックアップロール,フィードロール,リタードロ
ール等の給紙ロール、搬送ロール等の狭義の紙送りロー
ルに限定されるものではなく、紙送りベルト等も含む趣
旨である。
【0009】そして、上記特定のポリエーテルポリオー
ル(A成分)、ポリイソシアネート(B成分)、鎖延長
剤(C成分)に加えて、イオン導電剤を配合すると、こ
のイオン導電剤が帯電防止剤として作用するため、ロー
ル表面への紙粉の付着防止効果が向上し、高摩耗係数保
持性がさらに向上する。
【0010】また、上記A〜C成分に加えて、可塑剤や
中空フィラーを配合すると、摩擦係数がさらに高くなる
ため好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0012】本発明の紙送りロール用ウレタン組成物
は、特定のポリエーテルポリオール(A成分)と、ポリ
イソシアネート(B成分)と、鎖延長剤(C成分)とを
用いて得ることができる。
【0013】上記特定のポリエーテルポリオール(A成
分)は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PT
MG)とポリプロピレングリコール(PPG)とを所定
の重量比で混合したものである。
【0014】上記ポリテトラメチレンエーテルグリコー
ル(PTMG)とポリプロピレングリコール(PPG)
の重量比は、PTMG/PPG=99/1〜50/50
の範囲に設定する必要があり、好ましくはPTMG/P
PG=90/10〜60/40である。すなわち、PP
Gの重量比が1未満であると、高摩擦係数が得られず、
逆にPPGの重量比が50を超えると、耐摩耗性が悪化
するからである。
【0015】上記ポリテトラメチレンエーテルグリコー
ル(PTMG)の数平均分子量(Mn)は、通常、10
00〜3000の範囲であり、好ましくは1500〜2
500である。また、上記ポリプロピレングリコール
(PPG)のMnは、1000〜3000の範囲であ
り、好ましくは1500〜2500である。
【0016】上記特定のポリエーテルポリオール(A成
分)とともに用いられるポリイソシアネート(B成分)
としては、通常のウレタン組成物に用いられるものであ
れば特に限定はなく、例えば、4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジ
イソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレン
ジイソシアネート(2,6−TDI)、3,3′−ビト
リレン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメ
チルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネートウレチジンジオン
(2,4−TDIの二量体)、1,5−ナフチレンジイ
ソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート(IPDI)、4,4′−ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート(水添MDI)、カルボジイミド変性
MDI、オルトトルイジンジイソシアネート、キシレン
ジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、
リジンジイソシアネートメチルエステル等のジイソシア
ネート、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイ
ソシアネート等のトリイソシアネート、ポリメリックM
DI等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上
併せて用いられる。これらのなかでも、耐摩耗性の観点
から、MDIが好適に用いられる。
【0017】上記特定のポリエーテルポリオール(A成
分)の水酸基のモル数(a)と、ポリイソシアネート
(B成分)のモル数(b)との比は、a/b=1.0/
1.5〜1.0/3.5の範囲が好ましい。
【0018】上記特定のポリエーテルポリオール(A成
分)およびポリイソシアネート(B成分)とともに用い
られる鎖延長剤(C成分)としては、通常のウレタン組
成物に用いられるものであれば特に限定はなく、例え
ば、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレン
グリコール、トリメチロールプロパン(TMP)、グリ
セリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,
2,6−ヘキサントリオール等の、分子量300以下の
ポリオールがあげられる。これらは単独でもしくは2種
以上併せて用いられる。これらのなかでも、耐摩耗性お
よび低へたり性の点で、1,4−ブタンジオール(1,
4−BD)、トリメチロールプロパン(TMP)が好ま
しい。
【0019】上記鎖延長剤(C成分)の配合割合は、鎖
延長剤(C成分)の水酸基のモル数(c)と、上記特定
のポリエーテルポリオール(A成分)とポリイソシアネ
ート(B成分)とからなる特殊なウレタンプレポリマー
(以下、単に「ウレタンプレポリマー」と略す)中のイ
ソシアネートのモル数(u)との比が、u/c=100
/75〜100/105の範囲になるよう配合すること
が好ましく、特に好ましくはu/c=100/85〜1
00/95の範囲である。すなわち、上記鎖延長剤(C
成分)の水酸基のモル数(c)の比が75未満である
と、硬度が高くなりすぎ、摩耗係数が低くなり、逆に鎖
延長剤(C成分)の水酸基のモル数(c)の比が105
を超えると、架橋密度が低下し、摩耗性が悪化するから
である。
【0020】なお、本発明の紙送りロール用ウレタン組
成物には、上記A〜C成分に加えて、イオン導電剤、可
塑剤、中空フィラー等を適宜配合することが好ましい。
これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0021】上記イオン導電剤としては、例えば、テト
ラエチルアンモニウム,テトラブチルアンモニウム,ド
デシルトリメチルアンモニウム(ラウリルトリメチルア
ンモニウム等),オクタデシルトリメチルアンモニウム
(ステアリルトリメチルアンモニウム等),ヘキサデシ
ルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモ
ニウム,変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウム等の過
塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,
ホウフッ化水素酸塩,硫酸塩,アルキル硫酸塩,カルボ
ン酸塩,スルホン酸塩等のアンモニウム塩;リチウム,
ナトリウム,カルシウム,マグネシウム等のアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の過塩素酸塩,塩素酸塩,塩
酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,ト
リフルオロメチル硫酸塩,スルホン酸塩等があげられ
る。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。これらのなかでも、アルキル硫酸の第四級アンモニ
ウム塩および多塩基カルボン酸の第四級アンモニウム塩
が、連続通電時の抵抗上昇が小さいため好適に用いられ
る。また、ホウ酸エステル化合物を用いることも可能で
ある。
【0022】また、上記イオン導電剤の配合割合は、上
記ウレタンプレポリマー100部に対して3部以下が好
ましく、特に好ましくは0.1〜3部である。
【0023】上記可塑剤としては、例えば、ジオクチル
フタレート(DOP)等のフタル酸誘導体、ジオクチル
セバケート(DOS)等のセバシン酸誘導体、ジブチル
ジグリコールアジペート(BXA),ジブチルカルビト
ールアジペート等のアジピン酸誘導体、トリブチルホス
フェート(TBP),トリブトキシエチルホスフェート
(TBXP),トリオクチルホスフェート(TOP),
トリフェニルホスフェート(TPP)等のリン酸誘導
体、ポリエステル誘導体、ポリエーテルエステル誘導
体、ポリエーテル誘導体等があげられる。これらは単独
でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかで
も、相溶性の点で、DOPが好適に用いられる。
【0024】また、上記可塑剤の配合割合は、摩擦係
数、耐摩耗性の観点から、上記ウレタンプレポリマー1
00部に対して50部以下が好ましく、特に好ましくは
10〜50部である。
【0025】上記中空フィラーとしては、例えば、マイ
クロカプセルやマイクロバルーン等があげられる。上記
マイクロバルーンとしては、例えば、ガラスバルーン、
シリカバルーン、カーボンバルーン、アルミナバルー
ン、ジルコニアバルーン、シラスバルーンあるいはフェ
ノール樹脂バルーン、塩化ビニリデン樹脂バルーン等の
プラスチックバルーン等各種のものがあげられる。これ
らマイクロバルーンのなかでも、マイクロバルーン自体
が弾性を持つものが好ましく、塩化ビニリデン、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステルの重合物、あるいはこれら2
種以上の共重合物等からなる熱可塑性樹脂性マイクロバ
ルーンが好適に用いられる。そして、上記中空フィラー
の平均粒径は、通常、5〜200μmの範囲であり、好
ましくは15〜120μmである。
【0026】また、上記中空フィラーの配合割合は、上
記ウレタンプレポリマー100部に対して、通常、1〜
10部の範囲であり、好ましくは2〜5部である。
【0027】さらに、本発明の紙送りロール用ウレタン
組成物には、上記各成分に加えて、触媒、発泡剤、界面
活性剤、難燃剤、着色剤、充填剤、安定剤、離型剤等を
適宜配合しても差し支えない。
【0028】本発明の紙送りロール用ウレタン組成物
は、例えば、つぎのようにして調製することができる。
すなわち、まず、PTMGとPPGとを所定の重量比で
混合してなるポリエーテルポリオール(A成分)を、所
定の条件(好ましくは80℃×1時間)にて真空脱泡、
脱水する。つぎに、ポリイソシアネート(B成分)を混
合し、窒素雰囲気下で所定の条件(好ましくは80℃×
3時間)にて反応させ、末端にNCO基を有するウレタ
ンプレポリマーを作製する。そして、このウレタンプレ
ポリマーに対して鎖延長剤(C成分)を配合することに
より、目的とする紙送りロール用ウレタン組成物を得る
ことができる。なお、イオン導電剤、可塑剤、中空フィ
ラー等の添加剤を配合する場合は、予めウレタンプレポ
リマーに配合した後、鎖延長剤(C成分)を配合するこ
とにより、目的とする紙送りロール用ウレタン組成物を
得ることができる。
【0029】なお、本発明の紙送りロール用ウレタン組
成物の調製は、上記のようなプレポリマー法が好ましい
が、これに限定されるものではなく、全ての成分を一度
に混合して硬化させるワンショット法や、プレポリマー
製造時のポリエーテルポリオール(A成分)の一部を鎖
延長剤(C成分)等とするセミワンショット法等を適用
しても差し支えない。
【0030】本発明の紙送りロール用ウレタン組成物
は、その硬化体が下記の特性(α)および(β)の双方
を備えていることが必要である。 (α)硬度が40°以上。 (β)アロファネート結合量が0.03〜0.07mm
ol/g。
【0031】すなわち、硬度が40°未満であると、粘
着性が増すため紙粉が付着し、摩擦係数が低下するから
である。なお、硬度はタイプAデュロメーターで荷重
9.8Nにて測定した値である。また、アロファネート
結合量が0.03mmol/g未満であると、耐摩耗性
が悪化し、逆に0.07mmol/gを超えると、高硬
度のため高摩擦係数を得ることができなくなるからであ
る。
【0032】なかでも、硬度は50〜70°の範囲が好
ましく、アロファネート結合量は0.04〜0.05m
mol/gの範囲が好ましい。
【0033】上記アロファネート結合量は、つぎのよう
にして測定することができる。すなわち、まず、紙送り
ロールを構成する硬化体から試料0.1gを切り出し、
この試料を、ジ−n−ブチルアミン0.01mol/
l,ナフタリン0.01mol/lに濃度調整したN−
メチルピロリドン溶液2ml中に浸漬し、共栓付試験管
中で80℃×4時間の条件で分解させた。ついで、無水
酢酸を10μl添加して混合し、さらにジ−n−プロピ
ルアミンを50μl添加して混合した。そして、得られ
た溶液中のジ−n−ブチルアセトアミドのモル数を下記
条件のガスクロマトグラフィーにより、ナフタリンを内
部標準として求めた。ついで、試料を入れないで同様に
してジ−n−ブチルアセトアミドのモル数を求めレファ
レンスとした。そして、レファレンスとの差から、アロ
ファネート結合量を導出した。 (条件) 装 置:Shimadzu GC-17A 型(島津製作所社製) カ ラ ム:10% PEG-20 M on Chromosorb WAW DMCS 60
/80 mesh(ガスクロ工業社製) ガラスカラム 3mmφ×2m カラム温度:50〜350℃(昇温)
【0034】本発明の紙送りロールとしては、例えば、
図1に示すように、軸体1の外周面に本発明の紙送りロ
ール用ウレタン組成物からなるウレタンエラストマー層
2が形成された構造のものがあげられる。
【0035】上記軸体1は特に制限するものではなく、
例えば、金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空に
くり抜いた金属製の円筒体等が用いられる。そして、そ
の材料としては、ステンレス、アルミニウム、鉄にメッ
キを施したもの等があげられる。なお、必要に応じて、
上記軸体1上に接着剤、プライマー等を塗布してもよ
く、また上記接着剤、プライマー等は必要に応じて導電
化してもよい。
【0036】そして、上記図1に示した紙送りロール
は、例えば、つぎのようにして作製することができる。
すなわち、まず、軸体1となる芯金をセットした紙送り
ロール成形用金型を準備し、これを所定温度(好ましく
は140℃)に加熱する。ついで、この金型内に前述の
方法で調製した紙送りロール用ウレタン組成物を注型
し、所定の条件(好ましくは140℃×30分間)で硬
化反応させて硬化体を得る。得られた硬化体を脱型し、
所定の条件(好ましくは110℃×12時間)で2次硬
化させた後、表面を研磨することにより、図1に示した
ような、軸体1の外周面にウレタンエラストマー層2が
形成されてなる紙送りロールを得ることができる。
【0037】このようにして得られた紙送りロールのウ
レタンエラストマー層2の厚みは、通常、1〜8mmで
あり、好ましくは3〜6mmである。
【0038】なお、本発明の紙送りロール用ウレタン組
成物は、複写機用の給紙ロール、搬送ロール等の紙送り
ロールとして好適に用いられるが、自動販売機、自動改
札機、現金自動引き取り装置、両替機、計数機、キャッ
シュディスペンサー等の紙送りベルト、紙送りロールと
して使用することも可能である。
【0039】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0040】〔ウレタンプレポリマーA〜E、a〜f〕
下記の表1および表2に示す割合で混合してなるポリエ
ーテルポリオールを80℃にて1時間真空脱泡、脱水し
た後、ポリイソシアネートを同表に示す割合で混合し、
窒素雰囲気下で80℃にて3時間反応させ、末端にNC
O基を有するウレタンプレポリマーを作製した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【実施例1】まず、軸体となる芯金(直径10mm、S
US304製)をセットした紙送りロール成形用金型を
準備し、これを140℃に加熱した。そして、上記ウレ
タンプレポリマーAを90℃にて30分間真空脱泡した
後、このウレタンプレポリマー100部に対して、1,
4−ブタンジオール(1,4−BD)3部およびトリメ
チロールプロパン(TMP)2部を添加して、減圧下で
2分間攪拌混合したものを、上記金型内に注型し、14
0℃で30分間硬化反応させて硬化体を得た。得られた
硬化体を脱型し、110℃にて12時間2次硬化させた
後、表面を研磨することにより、軸体の外周面にウレタ
ンエラストマー層(厚み5mm)が形成された紙送りロ
ールを得た。
【0044】
【実施例2〜11、比較例1〜6】各成分の配合割合お
よび種類を後記の表3〜表5に示す内容に変更する以外
は、実施例1と同様にして紙送りロールを作製した。な
お、イオン導電剤、可塑剤、中空フィラーを配合する場
合は、予めウレタンプレポリマーに配合した後、鎖延長
剤を配合した。
【0045】このようにして得られた実施例品および比
較例品の紙送りロールを用いて、下記の基準に従い、各
特性の評価を行った。これらの結果を後記の表3〜表5
に併せて示した。
【0046】〔硬度〕紙送りロールの表面の硬度をタイ
プAデュロメーターで荷重9.8Nにて測定した。
【0047】〔アロファネート結合量〕紙送りロールを
構成する硬化体から試料を切り出し、前記と同様の方法
により、アロファネート結合量を測定した。
【0048】〔摩擦係数〕各紙送りロールを搬送ロール
としてFRR方式の給紙システムを持った市販の複写機
に組み込み、通紙搬送耐久試験を行った。初期および5
0万枚搬送後の紙送りロールを周速度200mm/se
cで荷重2.9Nを負荷して紙の曲率が大きい試験機を
用いて摩擦係数を測定した。
【0049】〔摩耗量〕上記初期および50万枚搬送後
の紙送りロールの面長中央部のロール径をレーザースキ
ャンマイクロメーターで測定し、この径変化を摩耗量と
した。
【0050】〔搬送性〕各紙送りロールを搬送ロールと
してFRR方式の給紙システムを持った市販の複写機に
組み込み、搬送性の評価を行った。評価は50万枚の搬
送中に給紙不良や重送が発生しなかったものを○、40
万枚以上50万枚未満の搬送中に給紙不良や重送が発生
したものを△、40万枚未満で給紙不良や重送が発生し
たものを×とした。
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】上記結果から、実施例品はいずれも、硬度
およびアロファネート結合量が所定の範囲に制御されて
いるため、摩擦係数が高く、耐久性にも優れ、搬送性も
良好であることがわかる。
【0055】これに対して、比較例1品は、PPGを配
合していないため、摩擦係数が低く、耐久性、搬送性に
劣ることがわかる。比較例2品は、PTMGを配合して
いないため、耐摩耗性、搬送性に劣ることがわかる。比
較例3品は、硬度およびアロファネート結合量が小さす
ぎるため、耐久性に著しく劣るとともに搬送性にも劣る
ことがわかる。比較例4品は、アロファネート結合量が
小さすぎるため、摩耗量が著しく高く、搬送性に劣るこ
とがわかる。比較例5品は、アロファネート結合量が大
きすぎるため、摩擦係数が低く、搬送性に劣ることがわ
かる。比較例6品は、PPGの配合比が高すぎるため、
耐久性および搬送性に劣ることがわかる。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明の紙送りロール用
ウレタン組成物は、PTMGとPPGとを所定の重量比
で混合してなるポリエーテルポリオール(A成分)と、
ポリイソシアネート(B成分)と、鎖延長剤(C成分)
とを含有し、その硬化体が所定の硬度およびアロファネ
ート結合量を備えている。そのため、これを用いてなる
紙送りロールは、高摩擦係数で、しかもこの高摩擦係数
を維持することができ耐摩耗性に優れている。
【0057】そして、上記特定のポリエーテルポリオー
ル(A成分)、ポリイソシアネート(B成分)、鎖延長
剤(C成分)に加えて、イオン導電剤を配合すると、こ
のイオン導電剤が帯電防止剤として作用するため、ロー
ル表面への紙粉の付着防止効果が向上し、高摩耗係数保
持性がさらに向上する。
【0058】また、上記A〜C成分に加えて、可塑剤や
中空フィラーを配合すると、摩擦係数がさらに高くなる
ため好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙送りロールの一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 軸体 2 ウレタンエラストマー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和合 好広 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 (72)発明者 白木 慶太 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 Fターム(参考) 3F049 AA01 AA02 CA12 LA02 LB03 3F104 AA02 JB01 JC07 4J034 AA01 DA01 DB04 DC50 DG04 DG06 DG10 HA01 HA07 HA11 HC03 HC12 HC13 HC61 HC64 HC71 HC73 MA02 MA04 MA12 MA14 MA15 QB14 QC10 RA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(C)成分を含有する紙
    送りロール用ウレタン組成物であって、紙送りロール用
    ウレタン組成物の硬化体が下記の特性(α)および
    (β)の双方を備えていることを特徴とする紙送りロー
    ル用ウレタン組成物。 (A)ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTM
    G)とポリプロピレングリコール(PPG)とを、PT
    MG/PPG=99/1〜50/50の重量比で混合し
    てなるポリエーテルポリオール。 (B)ポリイソシアネート。 (C)鎖延長剤。 (α)硬度が40°以上。 (β)アロファネート結合量が0.03〜0.07mm
    ol/g。
  2. 【請求項2】 (A)〜(C)成分に加えて、イオン導
    電剤を含有する請求項1記載の紙送りロール用ウレタン
    組成物。
  3. 【請求項3】 (A)〜(C)成分に加えて、可塑剤を
    含有する請求項1または2記載の紙送りロール用ウレタ
    ン組成物。
  4. 【請求項4】 (A)〜(C)成分に加えて、中空フィ
    ラーを含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の紙
    送りロール用ウレタン組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の紙
    送りロール用ウレタン組成物を用いてなる紙送りロー
    ル。
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