JP2002346860A - 熱変位抑制装置及び工作機械 - Google Patents

熱変位抑制装置及び工作機械

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JP2002346860A
JP2002346860A JP2001156665A JP2001156665A JP2002346860A JP 2002346860 A JP2002346860 A JP 2002346860A JP 2001156665 A JP2001156665 A JP 2001156665A JP 2001156665 A JP2001156665 A JP 2001156665A JP 2002346860 A JP2002346860 A JP 2002346860A
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air
pipe
air injection
injection hole
column
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JP2001156665A
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English (en)
Inventor
Muneya Wakai
宗弥 若井
Keiji Mizuta
桂司 水田
Tsutomu Kawamizu
努 川水
Hirofumi Shirasawa
博典 白澤
Yoshikatsu Sato
欣且 佐藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成によりコラム3のたわみを抑制す
る。 【解決手段】 コラム3の内部にパイプ6を挿通し、コ
ラム3の前面3a及び後面3bに向けた空気噴射孔7をパイ
プ6に設け、空気噴射孔7からコラム3の内面に向けて
空気を噴射して前面3a及び後面3bの熱伝達率を高め、コ
ラム3の前面3a及び後面3bの温度差を低減し、パイプ6
の内部に空気を送り込むだけの極めて単純な構成でコラ
ム3のたわみを抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空構造物の熱変
位を抑制する熱変位抑制装置及びコラムやベッド等の構
造物の熱変位を抑制することができる工作機械に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、マシニングセンタ等の工作機械
には、中空構造物としてコラムが備えられており、コラ
ムの前面には主軸ヘッドを有するヘッドストックが摺動
自在に支持されている。コラムの前面は主軸等の発熱体
に面し、コラムの後面は発熱体には面していない。した
がって、コラムの前面側と後面側とには温度差が生じ、
コラムは前後方向にたわみ(熱変位)が生じて加工精度
が悪化する問題があった。この問題に対して、従来か
ら、コラムの前面や後面に冷却装置や加熱装置を設置し
てコラムの温度制御を行い、コラムの前面側と後面側と
の温度差をなくして熱変位を抑制することが行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の熱変位を抑制す
る技術では、冷却装置や加熱装置を設置して温度を制御
しているため、温度を制御するための装置や制御機器が
必要となりコストが嵩んでいるのが現状であった。ま
た、別途装置を設けて制御しているにも拘らず熱変位を
十分に抑制するには至っていないのが現状であった。
【0004】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、簡単な構成により特別な制御を必要とせずに熱変位
を抑制することができる熱変位抑制装置を提供すること
を目的とする。
【0005】また、本発明は上記状況に鑑みてなされた
もので、簡単な構成により特別な制御を必要とせずにコ
ラムやベッドの熱変位を抑制することができる工作機械
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の熱変位抑制装置の構成は、中空構造物内に空
気噴射孔を備えたパイプを挿通し、空気噴射孔から空気
を噴射させるためにパイプに空気を供給する空気供給手
段を備えたことを特徴とする。パイプに空気を供給して
空気を噴射させることにより、中空構造物内面の熱伝達
率を高くして中空構造物内の温度差を低減させることが
好ましい。
【0007】そして、空気噴射孔の径を1mm乃至50mmに
設定したことを特徴とする。また、熱伝達率が5(W/m2
・k)以上になる状態に空気噴射孔の径及び空気供給手段
の能力を設定したことを特徴とする。また、空気噴射孔
は駆動部材を備えた摺動部材が摺動自在に支持される部
位の支持面側及び支持面側の反対面に向けて開口してい
ることを特徴とする。また、空気噴射孔は摺動部材が摺
動自在に支持される部位の中空構造物内面の支持面側及
び支持面側の反対面に向けて開口していることを特徴と
する。また、空気供給手段は、中空構造物内に噴射した
空気を回収し回収した空気をパイプに供給する手段であ
ることを特徴とする。
【0008】上記目的を達成するための本発明の工作機
械の構成は、ヘッドストックが支持されるコラムの内部
に空気噴射孔を備えたパイプを挿通し、空気噴射孔から
空気を噴射させるためにパイプに空気を供給する空気供
給手段を備えたことを特徴とする。パイプに空気を供給
して空気を噴射させることにより、コラム内面の熱伝達
率を高くしてコラム内の温度差を低減させることが好ま
しい。
【0009】そして、空気噴射孔は、ヘッドストックが
支持されるコラム前面側及びコラム後面側に向けて開口
していることを特徴とする。
【0010】また、上記目的を達成するための本発明の
工作機械の構成は、摺動部材が支持されるベッドの内部
に空気噴射孔を備えたパイプを挿通し、空気噴射孔から
空気を噴射させるためにパイプに空気を供給する空気供
給手段を備えたことを特徴とする。パイプに空気を供給
して空気を噴射させることにより、ベッド内面の熱伝達
率を高くしてベッド内の温度差を低減させることが好ま
しい。
【0011】そして、空気噴射孔は、摺動部材が支持さ
れるベッド上面側及びベッド下面側に向けて開口してい
ることを特徴とする。
【0012】また、上記目的を達成するための本発明の
工作機械の構成は、ベッドの内部に空気噴射孔を備えた
パイプを挿通し、空気噴射孔から空気を噴射させるため
にパイプに空気を供給する空気供給手段を備えたことを
特徴とする。
【0013】そして、空気供給手段は、噴射された空気
を回収し回収した空気を冷却した後にパイプに供給する
手段であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】図1には本発明の一実施形態例に
係る熱変位抑制装置を備えた工作機械の概略構成、図2
にはコラムの概略断面、図3には熱変位抑制装置の構成
概念、図4には熱伝達率と空気流量との関係、図5には
温度差と空気流量との関係、図6には主軸傾きの経時変
化、図7には熱伝達率と空気噴射孔径との関係を示して
ある。
【0015】図1に示した工作機械は、一例としてマシ
ニングセンタを示したものであり、ベッド1にはワーク
が載置されるテーブル2が垂直軸回りで旋回自在に支持
されると共に、ベッド1には中空構造物としてのコラム
3が立設されていいる。コラム3の前面側には摺動部材
としてのヘッドストック4が図示しない移動支持機構を
介して左右方向及び上下方向に移動自在に支持され、ヘ
ッドストック4には工具を保持する駆動部材としての主
軸5が設けられている。
【0016】尚、テーブル2は水平面内で任意の方向に
移動自在に支持される構成のものもあり、ヘッドストッ
ク4は、必要に応じて水平軸回りで旋回したり、左右方
向にのみ移動自在で主軸5が昇降する構成のものもあ
る。
【0017】上記構成のマシニングセンタでは、テーブ
ル2にワークを載置すると共に、工具が取り付けられた
主軸5を駆動し、テーブル2及びヘッドストック4を数
値制御等により任意の位置に移動させることで、ワーク
に切削等の所定の加工が施される。
【0018】図2、図3に示すように、コラム3の内部
にはパイプ6が挿通され、パイプ6はコラム3の幅方向
に、図示例では4本挿通されている。パイプ6には多数
の空気噴射孔7が設けられ、パイプ6の一端には空気供
給手段としてのファン8が接続されてパイプ6の内部に
空気が送り込まれるようになっている。パイプ6の他端
は閉じられた状態になっており、ファン8によりパイプ
6の内部に空気が送り込まれることで、空気噴射孔7か
らコラム3の内面に向けて空気が噴射される。コラム3
の内面に向けて空気が噴射されることで、コラム3の内
部の熱伝達率が高められるようになっている。
【0019】上記構成のマシニングセンタでは、発熱体
となるヘッドストック4が支持されているコラム3の前
面3aとヘッドストック4が支持されていないコラム3の
後面3bとで温度差が生じる。このため、パイプ6の空気
噴射孔7はコラム3の前面3a側と後面3b側とに向けて開
口し、コラム3の前面3a及び後面3bに向けて空気を噴射
し、熱伝達率を高めてコラム3の前面3a及び後面3bの温
度差をなくすようにしてある。
【0020】コラム3には数箇所の流出口9が設けら
れ、空気噴射孔7からコラム3の内面に向けて噴射され
た空気は流出口9から外部に押し出されて回収され、フ
ァン8により再びパイプ6の内部に送り込まれる。具体
的には、工作機械はカバーにより覆われ、流出口9から
外部に流出した空気はカバー内で回収され、必要に応じ
て冷却手段等により冷却されて所定温度に保たれた状態
でファン8によりパイプ6の内部に送り込まれる。流出
口9から外部に流出した空気を再度パイプ6の内部に送
り込むことにより、外気の影響をなくして外気温度変化
によるコラム3の伸び変位を抑制することができる。
【0021】コラム3の内部空気温度がT0、コラム3の
前面3aの外面空気温度がT0+ΔT 、コラム3の後面3bの
外面空気温度がT0−ΔT の場合について、空気噴射孔7
からコラム3の内面に向けて空気を噴射したときの状況
を説明する。
【0022】空気の噴射を行わない場合、コラム3の前
面3aの内面及び外面、後面3bの内面及び外面の合わせて
4面は略同じ熱伝達率であると考えられる。この場合、
コラム3の前面3aの温度はT0+ΔT/2 となり、コラム3
の後面3bの温度はT0−ΔT/2となり、前面3aと後面3bの
温度差はΔT である。
【0023】空気噴射を行った場合、コラム3の前面3a
の内面と後面3bの内面の熱伝達率が増加する。そして、
コラム3の前面3aの内面と後面3bの内面の熱伝達率が、
コラム3の前面3aの外面と後面3bの外面の熱伝達率のk
倍となったとする。この時、コラム3の前面3aの温度は
T0+ΔT/(k+1)であり、コラム3の後面3bの温度はT0
ΔT/(k+1)である。したがって、コラム3の前面3aと後
面3bの温度差は2ΔT/(k+1)である。これは、空気噴射
を行わない場合の2/(k+1)倍である。例えば、空気噴射
によって20m/s の空気がコラム3の前面3a及び後面3bの
内面に衝突する場合、kはおよそ10程度の値になり、コ
ラム3の前面3aと後面3bの温度差は空気噴射を行わない
場合の2/11となる。
【0024】コラム3の前後のたわみは、前面3aと後面
3bの温度差に比例するので、空気噴射により熱伝達率を
高めて温度差を低減することにより、コラム3の前後の
たわみを抑制することができる。このため、ファン8に
よりパイプ6の内部に空気を送り込むだけの極めて単純
な構成で、制御装置や温度検出装置、冷却装置及び加熱
装置等を設けることなく、コラム3の前面3aと後面3bの
温度差を低減してコラム3の前後のたわみを抑制するこ
とができる。このため、コラム3のたわみによる加工誤
差を低減することが可能になる。
【0025】コラム内に空気を流通させる技術は、例え
ば、特開平1-140945号公報に示されているが、この技術
は単にコラム内に所定量の空気を流すだけであり、コラ
ム3の前面3aと後面3bに向けてパイプ6の空気噴射孔7
から空気を噴射させるものではない。このため、特開平
1-140945号公報に示された技術では、コラム3の前面3a
と後面3bの熱伝達率を高めることはできない。
【0026】図4には空気流量に対する熱伝達率の関係
を表すグラフを示してある。図中実線がパイプ6の空気
噴射孔7から空気を噴射させた本実施形態例の場合であ
り、図中点線が特開平1-140945号公報に示された技術の
場合である。図から明らかなように、同じ空気流量にお
いて空気噴射孔7から空気を噴射させることで、熱伝達
率を高くできることが判る(例えば、2倍程度)。
【0027】そして、図5には空気流量に対する温度差
の関係を表すグラフを示してある。図中実線がパイプ6
の空気噴射孔7から空気を噴射させた本実施形態例の場
合であり、図中点線が特開平1-140945号公報に示された
技術の場合である。図から明らかなように、同じ空気流
量において空気噴射孔7から空気を噴射させることで温
度差を低減でき、少ない空気流量(A1) で許容温度差よ
りも低い温度差に保てることが判る。特開平1-140945号
公報に示された技術の場合、許容温度差よりも低い温度
差に保つためには、空気流量(A1) よりも多い空気量A2
が必要となる。
【0028】少ない空気量による空気噴射により熱伝達
率を高めて温度差を低減することにより、コラム3の前
後を許容温度差よりも低い温度差に保つことができ、コ
ラム3の前後のたわみを抑制することができることが判
る。
【0029】図6には主軸5の傾きの状況を示してあ
る。主軸5は時間の経過にともなって正側から負側に周
期的に傾きが変化する。空気噴射により熱伝達率を高め
て温度差を低減することができる本実施形態例では、図
中実線で示したように、許容直角度以下に抑制すること
ができる。空気噴射がない場合、図中点線で示したよう
に、許容直角度以下に抑制することができない。
【0030】図7に基づいてパイプ6の空気噴射孔7の
径と熱伝達率の関係を説明する。ファン8の能力等によ
り一義的にはならないが、径が大きくなるにしたがって
熱伝達率(W/m2 ・k)が高くなり、10mm乃至20mm程度の径
で熱伝達率(W/m2 ・k)がピークとなり、50mm程度で目標
熱伝達率を下回る。目標熱伝達率は、例えば、5(W/m 2
・k)である。熱伝達率が5(W/m2 ・k)以上になる状態に
空気噴射孔7の径及びファン8の能力を設定することが
よい。5(W/m2 ・k)以上の熱伝達率を得るようにするた
めには、空気噴射孔7の径を1mm乃至50mmに設定すると
よい。好ましくは、10mm乃至20mm程度の径で熱伝達率(W
/m2 ・k)がピークとなる場合には、空気噴射孔7を5mm
乃至30mm程度の径に設定するとよい。尚、目標熱伝達率
は一例であり、工作機械の種類や大きさにより、5(W/m
2 ・k)以上の任意の値に設定することが可能である。場
合によっては、5(W/m2 ・k)以下でも可能である。
【0031】上述したように、1mm乃至50mmの径の空気
噴射孔7からコラム3の前面3aと後面3bに向けて空気を
噴射して5(W/m2 ・k)以上の熱伝達率を得るようにする
ことで、ファン8によりパイプ6の内部に空気を送り込
むだけの極めて単純な構成により、コラム3の前面3aと
後面3bの温度差を低減してコラム3の前後のたわみを抑
制することができ、コラム3のたわみによる加工誤差を
低減することが可能になる。また、流出口9から外部に
流出した空気を回収して再度パイプ6の内部に送り込む
ようにしているため、外気温度変化によるコラム3の伸
び変位を抑制することができる。
【0032】尚、ベッド1にパイプ6を挿通することも
可能であり、この場合、テーブル2が固定された構成の
マシニングセンタであっても、本発明を適用することが
可能である。
【0033】図8、図9に基づいて本発明の熱変位抑制
装置を他の工作機械に適用した例を説明する。図8には
門型工作機械の概略構成、図9には円筒研削盤の概略構
成を示してある。尚、図1乃至図3に示した部材と同一
部材には同一符号を付してある。
【0034】図8に基づいて門型工作機械を説明する。
図に示すように、ベッド10には門型のコラム11が摺
動自在に支持され、門型のコラム11にはクロスレール
12が昇降自在に支持されている。クロスレール12に
はヘッドストック13が左右方向に移動自在に支持さ
れ、ヘッドストック13には主軸14が備えられてい
る。門型のコラム11の摺動、クロスレール12の昇降
及びヘッドストック13の左右方向への移動により、所
定の加工が施される。
【0035】図8に示した門型工作機械では、摺動部材
としてのヘッドストック13が支持されるクロスレール
12と、摺動部材としてのクロスレール12が支持され
るコラム11と、摺動部材としてのコラム11が支持さ
れるベッド10とに、それぞれパイプ6が挿通されてい
る。パイプ6の噴射孔7は摺動面(支持面)及び摺動面
の反対面に向けて開口している。そして、クロスレール
12、コラム11及びベッド10内に空気を噴射して熱
伝達率を高め、摺動発熱による温度差を低減して各部材
の前後のたわみを抑制するようになっている。また、主
軸14が発熱体となった場合の温度差を低減してクロス
レール12の前後のたわみを抑制するようになってい
る。また、切削によって発生する切削熱(例えば、切粉
や切削油によりベッド10が発熱する熱や、切削による
ワークの発熱がテーブルからベッド10に伝わって発熱
する熱)による温度差を低減してベッド10の上下のた
わみを抑制するようになっている。
【0036】従って、門型工作機械で摺動部材が支持さ
れる各部材の前後のたわみを抑制することができ、各部
材のたわみによる加工誤差を低減することが可能にな
る。
【0037】図9に基づいて円筒研削盤を説明する。図
に示すように、ベッド20にはテーブル21が左右方向
に摺動自在に支持され、テーブル21には主軸ヘッド2
2及び心押し台23が取り付けられている。主軸ヘッド
22及び心押し台23の間に円筒状のワークが回転自在
に支持され、ベッド20の後ろ側には砥石ヘッド24が
前後進自在に支持されている。尚、円筒状のワークは、
主軸ヘッド22のチャック手段のみで回転自在に支持さ
れることもある。ワークを回転させると共にテーブル2
1を往復移動させ、砥石ヘッド24を所定量前進させる
ことにより、ワークに研削加工が施される。
【0038】図9に示した円筒研削盤では、摺動部材と
してのテーブル21が支持される部位のベッド20にパ
イプ6が挿通されている。パイプ6の噴射孔7は摺動面
(支持面)及び摺動面の反対面に向けて開口している。
そして、ベッド20内に空気を噴射して熱伝達率を高
め、テーブル21の摺動発熱や切削熱による温度差を低
減してベッド20のたわみを抑制するようになってい
る。また、図示はしていないが、摺動部材としての砥石
ヘッド24が支持される部位のベッド20にもパイプ6
を挿通することもできる。
【0039】従って、円筒研削盤でテーブル21が支持
される部位のベッド20のたわみを抑制することがで
き、テーブル21の往復移動誤差を低減して加工誤差を
低減することが可能になる。
【0040】尚、ベッド20にテーブル21が左右方向
に摺動自在に支持された円筒研削盤を例に挙げている
が、テーブル21が固定状態のベッド20にパイプ6を
挿通することも可能である。
【0041】本発明の熱変位抑制装置は、例えば、ホブ
盤、歯車型削り盤、歯車研削盤等の歯車加工機械やボー
ル盤、旋盤、円筒以外の研削盤等、他の工作機械に適用
することが可能である。また、工作機械以外でも、発熱
体により変形が生じる中空構造物を備えた機器に本発明
の熱変位抑制装置を適用して、熱伝達率を高めることで
温度差を低減することが可能である。
【0042】
【発明の効果】本発明の熱変位抑制装置は、中空構造物
内に空気噴射孔を備えたパイプを挿通し、空気噴射孔か
ら空気を噴射させて中空構造物内面の熱伝達率を高くし
て中空構造物内の温度差を低減するためにパイプに空気
を供給する空気供給手段を備えたので、中空構造物内に
空気を噴射して熱伝達率を高め、温度差を低減すること
ができる。この結果、簡単な構成により特別な制御を必
要とせずに中空構造物の熱変位を抑制することが可能に
なる。
【0043】本発明の工作機械は、ヘッドストックが支
持されるコラムの内部に空気噴射孔を備えたパイプを挿
通し、空気噴射孔から空気を噴射させてコラム内面の熱
伝達率を高くしてコラム内の温度差を低減するためにパ
イプに空気を供給する空気供給手段を備えたので、コラ
ムの内部に空気を噴射して熱伝達率を高め、ヘッドスト
ックを発熱体とした温度差を低減することができる。こ
の結果、簡単な構成により特別な制御を必要とせずにコ
ラムの熱変位を抑制することが可能になり、熱変位によ
る加工誤差を低減することが可能になる。
【0044】本発明の工作機械は、摺動部材が支持され
るベッドの内部に空気噴射孔を備えたパイプを挿通し、
空気噴射孔から空気を噴射させてベッド内面の熱伝達率
を高くしてベッド内の温度差を低減するためにパイプに
空気を供給する空気供給手段を備えたので、ベッドの内
部に空気を噴射して熱伝達率を高め、摺動部材の発熱に
よる温度差を低減することができる。また、切削により
生じる熱である切削熱の影響を受けるベッドにおいて
は、切削熱による温度差をも低減することができる。こ
の結果、簡単な構成により特別な制御を必要とせずにベ
ッドの熱変位を抑制することが可能になり、熱変位によ
る加工誤差を低減することが可能になる。
【0045】本発明の工作機械は、ベッドの内部に空気
噴射孔を備えたパイプを挿通し、空気噴射孔から空気を
噴射させてベッド内面の熱伝達率を高くしてベッド内の
温度差を低減するためにパイプに空気を供給する空気供
給手段を備えたので、ベッドの内部に空気を噴射して熱
伝達率を高め、摺動部材の発熱による温度差を低減する
ことができる。また、切削により生じる熱である切削熱
の影響を受けるベッドにおいては、切削熱による温度差
をも低減することができる。この結果、簡単な構成によ
り特別な制御を必要とせずにベッドの熱変位を抑制する
ことが可能になり、熱変位による加工誤差を低減するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例に係る熱変位抑制装置を
備えた工作機械の概略構成図。
【図2】コラムの概略断面図。
【図3】熱変位抑制装置の構成概念図。
【図4】熱伝達率と空気流量との関係を表すグラフ。
【図5】温度差と空気流量との関係を表すグラフ。
【図6】主軸傾きの経時変化を表すグラフ。
【図7】熱伝達率と空気噴射孔径との関係を表すグラ
フ。
【図8】本発明の熱変位抑制装置を備えた門型工作機械
の概略構成図。
【図9】本発明の熱変位抑制装置を備えた円筒研削盤の
概略構成図。
【符号の説明】
1,10,20 ベッド 2 テーブル 3,11 コラム 4,13 ヘッドストック 5,14 主軸 6 パイプ 7 空気噴射孔 8 ファン 9 流出口 12 クロスレール 22 主軸ヘッド 23 心押し台 24 砥石ヘッド
フロントページの続き (72)発明者 川水 努 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 白澤 博典 滋賀県栗太郡栗東町六地蔵130番地 三菱 重工業株式会社工作機械事業部内 (72)発明者 佐藤 欣且 滋賀県栗太郡栗東町六地蔵130番地 三菱 重工業株式会社工作機械事業部内 Fターム(参考) 3C048 AA01 AA07 BB01 EE03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空構造物内に空気噴射孔を備えたパイ
    プを挿通し、空気噴射孔から空気を噴射させるためにパ
    イプに空気を供給する空気供給手段を備えたことを特徴
    とする熱変位抑制装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、空気噴射孔の径を1
    mm乃至50mmに設定したことを特徴とする熱変位抑制装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、熱伝達率が5(W/m2
    ・k)以上になる状態に空気噴射孔の径及び空気供給手段
    の能力を設定したことを特徴とする熱変位抑制装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、空気噴射孔は駆動部
    材を備えた摺動部材が摺動自在に支持される部位の支持
    面側及び支持面側の反対面に向けて開口していることを
    特徴とする熱変位抑制装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、空気噴射孔は摺動部
    材が摺動自在に支持される部位の中空構造物内面の支持
    面側及び支持面側の反対面に向けて開口していることを
    特徴とする熱変位抑制装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    おいて、空気供給手段は、中空構造物内に噴射した空気
    を回収し回収した空気をパイプに供給する手段であるこ
    とを特徴とする熱変位抑制装置。
  7. 【請求項7】 ヘッドストックが支持されるコラムの内
    部に空気噴射孔を備えたパイプを挿通し、空気噴射孔か
    ら空気を噴射させるためにパイプに空気を供給する空気
    供給手段を備えたことを特徴とする工作機械。
  8. 【請求項8】 請求項7において、空気噴射孔は、ヘッ
    ドストックが支持されるコラム前面側及びコラム後面側
    に向けて開口していることを特徴とする工作機械。
  9. 【請求項9】 摺動部材が支持されるベッドの内部に空
    気噴射孔を備えたパイプを挿通し、空気噴射孔から空気
    を噴射させるためにパイプに空気を供給する空気供給手
    段を備えたことを特徴とする工作機械。
  10. 【請求項10】 請求項9において、空気噴射孔は、摺
    動部材が支持されるベッド上面側及びベッド下面側に向
    けて開口していることを特徴とする工作機械。
  11. 【請求項11】 ベッドの内部に空気噴射孔を備えたパ
    イプを挿通し、空気噴射孔から空気を噴射させるために
    パイプに空気を供給する空気供給手段を備えたことを特
    徴とする工作機械。
  12. 【請求項12】 請求項7乃至請求項11のいずれか一
    項において、空気供給手段は、噴射された空気を回収し
    回収した空気を冷却した後にパイプに供給する手段であ
    ることを特徴とする工作機械。
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