JP2002338412A - 工業用殺菌剤組成物および殺菌方法 - Google Patents

工業用殺菌剤組成物および殺菌方法

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JP2002338412A
JP2002338412A JP2001146781A JP2001146781A JP2002338412A JP 2002338412 A JP2002338412 A JP 2002338412A JP 2001146781 A JP2001146781 A JP 2001146781A JP 2001146781 A JP2001146781 A JP 2001146781A JP 2002338412 A JP2002338412 A JP 2002338412A
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Japan
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compound
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cresol
hydrogen atom
isothiazolone
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JP2001146781A
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English (en)
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Hidehiro Nakajima
英博 中島
Shigenobu Hirao
重延 平尾
Yuichi Uezono
祐一 上薗
Hiroko Mutaguchi
博子 牟田口
Hideyuki Shigee
英之 重枝
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TOKYO FINE CHEM KK
Tokyo Fine Chemical Co Ltd
Original Assignee
TOKYO FINE CHEM KK
Tokyo Fine Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 広範な工業用材料に、少い添加量で強力な
殺菌および抗菌効果を奏する、新規組成の殺菌剤組成物
を提供する。 【解決手段】 1以上の一般式Iのイソチアゾロン化合
物および1以上の一般式IIのクレゾール化合物を、
0.5:10〜10:0.5の質量比で含む殺菌剤組成
物。 (XおよびYは同一または異なってハロゲンもしくは水
素または一緒になって環構造を形成し、Rは水素もし
くはC1〜8のアルキル基である) (Zはハロゲンであり、Rは水素またはC1〜3のア
ルキル基であり、Rは水素またはアルカリ金属であ
る)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用殺菌剤に関
し、特にイソチアゾロン化合物およびクレゾール化合物
を含有する殺菌剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばラテックスエマルジョ
ン、エマルジョン塗料、繊維油剤、コンクリート添加剤
などの工業用組成物は、水を含むために保存中に微生物
が増殖して品質が劣化するという問題がある。そこで一
般的には、このような工業用組成物に、殺菌剤、防腐
剤、防カビ剤、抗菌剤等の微生物の増殖を抑制する物質
を添加することによって、保存性を高めている。
【0003】このような物質として、イソチアゾロン化
合物またはクレゾール化合物が従来使用されてきた(防
菌防黴剤事典(日本防菌防黴学会編)を参照)。しかし
ながらいずれも、特定の微生物に対しては効果が不十分
であり汎用性が低い、添加されうる工業組成物に制限が
ある、などの問題があった。
【0004】またイソチアゾロン化合物は、ある種の他
の活性成分と混合すると、相乗作用を示すことがわかっ
ている。例えば、特開平第11−130603号公報で
は、イミダゾール系化合物とイソチアゾロン化合物との
組み合わせが開示されている。また特開平第8−920
16号公報では、トリアジン系化合物またはスルホンア
ミド系化合物との組み合わせが開示されている。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、広範な工業用材料に対して、極めて少量の添加量で
強力な殺菌、抗菌効果を奏する、新規組成の殺菌剤組成
物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、イソチア
ゾロン化合物とクレゾール化合物とを組み合わせると高
い相乗性の殺菌および抗菌効果を奏することを見出し、
本発明を完成させた。
【0007】従って本発明は、一般式(I):
【0008】
【化5】
【0009】(式中、XおよびYは、同一または異なっ
て、ハロゲン原子もしくは水素原子または一緒になって
環構造を形成し、ここでR1は水素原子もしくは炭素数
1〜8のアルキル基である)で示される1以上のイソチ
アゾロン化合物、および一般式(II):
【0010】
【化6】
【0011】(式中、Zはハロゲン原子であり、R2
水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、R3
は水素原子またはアルカリ金属である)で示される1以
上のクレゾール化合物を、0.5:10〜10:0.5
の質量比で含む、殺菌剤組成物である。
【0012】さらに本発明は、前記イソチアゾロン化合
物は、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンまた
は2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンであ
り、前記クレゾール化合物は、p−クロロ−m−クレゾ
ールである、前記組成物である。
【0013】さらに本発明は、前記組成物を含んでな
り、前記イソチアゾロン化合物および前記クレゾール化
合物を、5〜5,000ppmの濃度で含むことを特徴
とする、工業用材料である。
【0014】さらに本発明は、前記組成物を含んでな
り、前記イソチアゾロン化合物および前記クレゾール化
合物を、5〜5,000ppmの濃度で含むことを特徴
とする、コンクリート添加剤である。
【0015】さらに本発明は、工業用材料に、一般式
(I):
【0016】
【化7】
【0017】(式中、XおよびYは、同一または異なっ
て、ハロゲン原子もしくは水素原子または一緒になって
環構造を形成し、ここでR1は水素原子もしくは炭素数
1〜8のアルキル基である)で示される1以上のイソチ
アゾロン化合物を含む組成物A、および一般式(II):
【0018】
【化8】
【0019】(式中、Zはハロゲン原子であり、R2
水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、R3
は水素原子またはアルカリ金属である)で示される1以
上のクレゾール化合物を含む組成物Bを、同時にまたは
別個に添加する段階を含み、ここでAおよびBは、0.
5:10〜10:0.5の質量比で、かつ工業用材料に
対して5〜5,000ppmの濃度であることを特徴と
する、殺菌方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、イソチアゾロン化合物
およびクレゾール化合物を含む殺菌剤組成物である。そ
の特徴は、これら二種の化合物を併用することにより、
それぞれを単独で用いるより優れた抗菌効果を示すこと
にある。
【0021】本発明のイソチアゾロン化合物は、一般式
(I):
【0022】
【化9】
【0023】で示される。式中、XおよびYは、同一ま
たは異なって、ハロゲン原子もしくは水素であり、また
は、一緒になって縮合環構造を形成することができる。
このような縮合環構造として例えば、ベンゼン環との縮
合環構造やトリメチレン基が挙げられる。具体的な構造
式を以下に示す。
【0024】
【化10】
【0025】XまたはYは、殺菌効果の点でハロゲン原
子、特に塩素原子であることが好ましい。
【0026】R1は、水素原子もしくは炭素数1〜8の
アルキル基である。該アルキル基として具体的には、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、
t−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチ
ル、シクロペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロ
ヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、シクロヘプチル、
オクチル、イソオクチル、シクロオクチル等であり、好
ましくは、メチル、オクチルである。
【0027】本発明のイソチアゾロン化合物としては、
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロ
ロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−
オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベ
ンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−
トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン;
【0028】
【化11】
【0029】が挙げられ、単独でも、複数を組み合わせ
て用いても良い。ここで、殺菌力が優れていることか
ら、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンまたは
2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンが好まし
い。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合
わせてもよい。
【0030】本発明のクレゾール化合物は、一般式(I
I):
【0031】
【化12】
【0032】で示される。式中、Zはハロゲン原子であ
り、好ましくは塩素、臭素である。R 2は、水素原子ま
たは炭素数1〜3のアルキル基である。該アルキル基と
して具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピルであり、好ましくは、メチルである。R3は、水素
原子またはアルカリ金属である。該アルカリ金属として
具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジ
ウム、セシウムなどであり、好ましくはナトリウムまた
はカリウムである。当該クレゾール化合物がこのような
金属塩の場合、予め金属塩であるクレゾール化合物を用
いても良く、水酸化ナトリウム等を加えることによって
組成物中で金属塩にしても良い。
【0033】本発明のクレゾール化合物としては、p−
クロロ−m−キシレノール、p−クロロ−m−クレゾー
ルなどが、殺菌力、抗菌力、入手容易性の点で好ましく
使用されうる。これらは単独で用いてもよいし、2種以
上を組み合わせてもよい。
【0034】上述のイソチアゾロン化合物およびクレゾ
ール化合物は本発明において組み合わせて用いられる
が、具体的には、5−クロロ−2−メチル−4−イソチ
アゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン
−3−オンおよびP−クロロ−m−キシレノール、1,
2−ベンズイソチアゾリン−3−オンおよびP−クロロ
−m−クレゾール、2−オクチル−4−イソチアゾリン
−3−オンおよびP−クロロ−m−クレゾール、2−メ
チル−4−イソチアゾリン−3−オンおよびP−クロロ
−m−クレゾール、ならびに、1,2−ベンズイソチア
ゾリン−3−オンおよびP−クロロ−m−キシレノール
の組み合わせが、優れた相乗効果を奏することから好適
である。特に、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−
オンおよびP−クロロ−m−キシレノール、1,2−ベ
ンズイソチアゾリン−3−オンおよびP−クロロ−m−
クレゾール、ならびに、2−メチル−4−イソチアゾリ
ン−3−オンおよびP−クロロ−m−クレゾールの組み
合わせがさらに好適である。
【0035】本発明の殺菌剤組成物の好ましい実施形態
は、上述のイソチアゾロン化合物およびクレゾール化合
物を適切な溶剤に溶解してなる液剤である。ここで用い
られ得る溶剤として、具体的には、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレンカーボネート、N,N−ジメチルホルム
アミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシ
ド、キシレン、トルエン、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール等が挙げられる。これらは単独で
用いても、2種以上を組み合わせてもよく、さらに水を
混合して用いても良い。ここで、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコールが、入手が容易かつ安価であ
り、人体および環境に対する毒性が低いという理由で好
ましい。
【0036】本発明の殺菌剤組成物は、上述のイソチア
ゾロン化合物およびクレゾール化合物を、0.5:10
〜10:0.5の質量比で含むものである。好ましく
は、1:0.05〜2.5、さらに好ましくは1:0.
25〜0.7の質量比である。ここで質量比が上記範囲
を外れると、相乗効果が低くなり好ましくない。
【0037】また本発明において、有効成分であるイソ
チアゾロン化合物およびクレゾール化合物は、工業用材
料に対して5〜5,000ppmの濃度で混合されるこ
とが好ましい。ここで上記濃度は、イソチアゾロン化合
物およびクレゾール化合物の総量の濃度である。
【0038】さらに本発明の殺菌剤組成物は、上述の成
分のほかに、例えば界面活性剤、防錆剤、乳化剤、安定
化剤のような当業界で周知の補助成分を含んでもよい。
界面活性剤としては、これらに限定されないが、陰イオ
ン型(アルキルベンゼンスルホン酸塩など)、陽イオン
型(アルキルアミン塩など)、非イオン型(ポリオキシ
エチレンアルキルエーテルなど)が挙げられる。これら
の成分を用いることにより、より安定した懸濁液または
乳濁液を調整することができる。
【0039】また、上記クレゾール化合物のいくつかは
そのままでは溶剤に溶けないことがある。その場合、水
酸化ナトリウムを添加することによりクレゾール化合物
の金属塩の状態にすることにより溶解させることが好ま
しい。
【0040】本発明の殺菌剤組成物は、保存中に腐敗や
カビ発生の恐れのあるほとんどの工業用材料を対象とし
うる。このような工業用材料としては、例えば、工業用
の原材料、添加剤、中間材料、製品である。具体的に
は、製紙材料(例えばパルプ、ピグメントスラリー、紙
力増強剤、サイズ剤、ラテックスエマルジョン、塗工
液)、コンクリート添加剤(例えば、リグニン系、ポリ
カルボン酸系、ナフタレン系、グルコン酸系)、塗料
(例えば、水性塗料、エマルジョン塗料)、接着剤(例
えば、酢酸ビニル系、ポリ酢酸ビニル系、デンプン系)
が挙げられる。
【0041】さらに本発明の殺菌剤組成物は、さらにそ
の他の殺菌成分を配合しても良い。このような化合物と
して例えば、3,3,4,4−テトラクロロチオフェン
−1,1−ジオキシド、4,5−ジクロロ−1,2−ジ
チオール、メチレンビスチオシアネート、1,4−(ビ
スブロモアセトキシ)−2−ブテン、オルトフタルアル
デヒド、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、
2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2−ブロモ
−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、グルタルア
ルデヒド、ピリチオンナトリウム、トリス(ヒドロキシ
メチル)ニトロメタン、4,4−ジメチル−1,3−オ
キサゾリジン、4−(2−ニトロブチル)モルホリンな
どが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種
以上を組み合わせてもよい。これらの化合物の組成物に
対する溶解度はそれぞれ異なるため、好ましい含有量は
それぞれ適宜調節される。
【0042】本発明の殺菌剤組成物は、計量された各成
分を混合し、イソチアゾロン化合物やクレゾール化合物
が完全に溶剤に溶解するまで混合することによって製造
される。
【0043】他の好ましい実施形態として、上記成分を
含んでなる粉末状が挙げられる。これらは使用時に適切
な濃度に溶剤に溶解させるかまたはそのまま工業用材料
に加えて使用され得る。また、ゲル状、スラリー状の殺
菌剤組成物も可能である。
【0044】上述した様々な実施形態の殺菌剤組成物
は、工業用材料に添加する用途が最も一般的であるが、
それ以外にも、殺菌剤組成物を噴霧、塗布、浸漬するこ
とによって、工業用材料だけでなく機械、装置、作業環
境(壁、床等)等の様々な対象物を殺菌および抗菌する
ことができる。
【0045】
【実施例】次に実施例および比較例によって本発明を詳
細に説明する。
【0046】実施例1〜5および比較例1〜6の殺菌剤
組成物を、表1に示す配合量(質量部)に従い調製し
た。表中の略称の意味は以下のとおりである。
【0047】Cl−MIT:5−クロロ−2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン MIT:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン BIT:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン OIT:2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン PCMC:P−クロロ−m−クレゾール PCMX:P−クロロ−m−キシレノール
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】実施例および比較例の殺菌剤組成物につい
て、コンクリート混和剤の成分であるリグニンスルホン
酸マグネシウムを用いて、以下の試験を行った。
【0051】<試験1:リグニンスルホン酸マグネシウ
ム水溶液に対する防腐効果確認試験>リグニンスルホン
酸マグネシウム水溶液100gをポリビンに入れ、ここ
に微生物の混合物(細菌類、真菌類を含む)を添加し、
35℃で7日間、静置培養し、前培養液を調製した。こ
の前培養液を、新鮮なリグニンスルホン酸マグネシウム
水溶液1900gを仕込んだポリビンに、19g(1
%)添加した。この溶液80gに、実施例1〜6および
比較例1〜5で調製した殺菌剤組成物を300ppmま
たは600ppmの濃度になるように添加し、各種サン
プルを調製した。さらに殺菌剤組成物を含まないものを
ブランクとして調製した。各溶液を35℃で静置培養し
た。各溶液中に発生した微生物数は、経過日数ごとにサ
ンプリングし、適宜希釈して栄養培地にプレーティング
し、発生したコロニー数をカウントすることによって、
1mlあたりの生菌数を記録した。試験結果を表3に示
す。
【0052】
【表3】
【0053】<試験2:リグニンスルホン酸ナトリウム
水溶液に対する防腐効果確認試験>リグニンスルホン酸
マグネシウム水溶液の代わりに、リグニンスルホン酸ナ
トリウム水溶液を用いた以外は上記試験1と同様にして
試験を行った。試験結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】上記試験2および3において、本発明の殺
菌剤組成物を添加された組成物は、培養7日目において
まったく微生物がカウントされていないことから、初発
に添加された細菌類または真菌類などの微生物が死滅し
ていることがわかる。さらに28日を経過しても微生物
は増殖していない。すなわち本発明の殺菌剤組成物は、
多様な微生物に対して高い殺菌力および抗菌力を有して
いることがわかる。
【0056】<試験3:各種微生物に対する殺菌効果確
認試験>イソチアゾロン化合物およびクレゾール化合物
を併用することによる相乗効果を、黄色ブドウ球菌、大
腸菌、緑膿菌を用いたレーウェ法にて試験した。
【0057】(試験方法)本発明のイソチアゾロン化合
物およびクレゾール化合物を、それぞれが所定の質量比
になるように混合し、これを滅菌した普通寒天培地に一
定量添加し、固化させ、培地を調製した。これに予めブ
イヨン培地で前培養した上記微生物を10 8/mlにな
るよう調整した生理食塩水を10μl接種し、35℃で
24時間培養した。培養中、定期的に微生物の増殖を観
察した。その結果、微生物の増殖が認められない濃度を
最低発育阻止濃度(MIC)とした。得られたMIC値
を図1に従ってプロットし、その相乗効果を確認した。
【0058】ここで図1は相乗作用について一般的に説
明している図である。図1において、X軸として二成分
のうち一成分の配合比率、Y軸として殺菌剤組成物の最
低発育阻止濃度(ppm)を示したグラフである。グラ
フ中、各配合比率における最低発育阻止濃度を結んだ線
より上側の領域は増殖阻止域を示し、下側の領域は増殖
域を示す。二種の化合物をそれぞれ単独で用いた場合の
最低発育阻止濃度を結んだ直線(a)より、下方に曲線
がある場合に相乗作用(b)、上方に曲線がある場合に
は拮抗作用(c)を表す。
【0059】各種微生物で得られた実験結果を図2〜図
10に示す。この結果より、本発明の殺菌剤組成物は、
イソチアゾロン化合物およびクレゾール化合物による高
い相乗効果によって、各種微生物の増殖を抑制すること
がわかった。
【0060】
【発明の効果】本発明は、イソチアゾロン化合物および
クレゾール化合物のこれまでにない組み合わせによっ
て、それぞれ単独で用いるよりも優れた殺菌効果、抗菌
効果、防腐効果を奏する工業用殺菌剤組成物である。本
発明の殺菌剤組成物は、わずかな添加量で高い殺菌力お
よび抗菌力によって多様な微生物の増殖を抑制すること
ができ、長期間の安定した保存を可能にするものであ
る。また本発明の殺菌剤組成物は、溶液状、粉状、スラ
リー状等の実施形態が可能であり、様々な工業用組成物
に広く用いられうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 相乗作用判定基準を説明するグラフである。
【図2】 本発明のPCMXとMITとからなる殺菌剤
組成物の黄色ブドウ球菌に対する相乗効果を示すMIC
図である。
【図3】 本発明のPCMXとMITとからなる殺菌剤
組成物の大腸菌に対する相乗効果を示すMIC図であ
る。
【図4】 本発明のPCMXとMITとからなる殺菌剤
組成物の緑膿菌に対する相乗効果を示すMIC図であ
る。
【図5】 本発明のPCMCとBITとからなる殺菌剤
組成物の黄色ブドウ球菌に対する相乗効果を示すMIC
図である。
【図6】 本発明のPCMCとBITとからなる殺菌剤
組成物の大腸菌に対する相乗効果を示すMIC図であ
る。
【図7】 本発明のPCMCとBITとからなる殺菌剤
組成物の緑膿菌に対する相乗効果を示すMIC図であ
る。
【図8】 本発明のPCMCとMITとからなる殺菌剤
組成物の黄色ブドウ球菌に対する相乗効果を示すMIC
図である。
【図9】 本発明のPCMCとMITとからなる殺菌剤
組成物の大腸菌に対する相乗効果を示すMIC図であ
る。
【図10】 本発明のPCMCとMITとからなる殺菌
剤組成物の緑膿菌に対する相乗効果を示すMIC図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 21/36 D21H 21/36 (72)発明者 上薗 祐一 神奈川県横須賀市夏島町 東京ファインケ ミカル株式会社横須賀工場内 (72)発明者 牟田口 博子 神奈川県横須賀市夏島町 東京ファインケ ミカル株式会社横須賀工場内 (72)発明者 重枝 英之 神奈川県横須賀市夏島町 東京ファインケ ミカル株式会社横須賀工場内 Fターム(参考) 4H011 AA02 BA01 BA06 BB03 BB10 BC18 DA13 DD07 DF04 4L055 AG34 AG35 AG36 AH21 EA32 FA30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、XおよびYは、同一または異なって、ハロゲン
    原子もしくは水素原子または一緒になって環構造を形成
    し、ここでR1は水素原子もしくは炭素数1〜8のアル
    キル基である)で示される1以上のイソチアゾロン化合
    物、および一般式(II): 【化2】 (式中、Zはハロゲン原子であり、R2は水素原子また
    は炭素数1〜3のアルキル基であり、R3は水素原子ま
    たはアルカリ金属である)で示される1以上のクレゾー
    ル化合物を、0.5:10〜10:0.5の質量比で含
    む、殺菌剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記イソチアゾロン化合物は、2−メチ
    ル−4−イソチアゾリン−3−オンまたは2−オクチル
    −4−イソチアゾリン−3−オンであり、前記クレゾー
    ル化合物は、p−クロロ−m−クレゾールである、請求
    項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の組成物を含ん
    でなり、前記イソチアゾロン化合物および前記クレゾー
    ル化合物を、5〜5,000ppmの濃度で含むことを
    特徴とする、工業用材料。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の組成物を含ん
    でなり、前記イソチアゾロン化合物および前記クレゾー
    ル化合物を、5〜5,000ppmの濃度で含むことを
    特徴とする、コンクリート添加剤。
  5. 【請求項5】 工業用材料に、一般式(I): 【化3】 (式中、XおよびYは、同一または異なって、ハロゲン
    原子もしくは水素原子または一緒になって環構造を形成
    し、ここでR1は水素原子もしくは炭素数1〜8のアル
    キル基である)で示される1以上のイソチアゾロン化合
    物を含む組成物A、および一般式(II): 【化4】 (式中、Zはハロゲン原子であり、R2は水素原子また
    は炭素数1〜3のアルキル基であり、R3は水素原子ま
    たはアルカリ金属である)で示される1以上のクレゾー
    ル化合物を含む組成物Bを、同時にまたは別個に添加す
    る段階を含み、ここでAおよびBは、0.5:10〜1
    0:0.5の質量比で、かつ工業用材料に対して5〜
    5,000ppmの濃度であることを特徴とする、殺菌
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004093543A1 (de) * 2003-04-23 2004-11-04 Lanxess Deutschland Gmbh Mikrobizide mittel
JP2016138013A (ja) * 2015-01-27 2016-08-04 日本製紙株式会社 水硬性組成物用分散剤

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