JP2002331774A - 糊付け製本方法、糊付け製本装置、及び画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 くるみ製本作製時に、用紙束背部を接着する
表紙用紙に、短時間に糊塗布面を形成する糊付け製本装
置を提供する。 【解決手段】 表表紙Ｋａを用紙搬送方向に往復搬送さ
せる第１搬送手段３０Ｂと、第１搬送手段３０Ｂによる
表紙用紙Ｋａの搬送方向に直交する方向に位相を変えて
設置した複数の糊吐出手段を有する糊吐出ユニット８０
Ｂと、表紙用紙Ｋａを用紙搬送方向に直交する方向に移
動させる第２搬送手段２０Ｂと、糊吐出ユニット８０Ｂ
の複数の糊吐出手段から糊を吐出するタイミングと、第
１搬送 手段３０Ｂの搬送及び第２搬送手段２０Ｂの移
動を制御して、用紙束Ｓａの背部に対応する表紙用紙Ｋ
ａの所定領域に、用紙搬送方向に平行する糊塗布面部を
形成させる制御手段とを有する糊付け製本装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成処理済み
の用紙に対して、用紙側縁近傍に線状に糊を塗布し、用
紙束の背部及びその近傍を表紙により覆って冊子を作製
する糊付け製本装置に関し、特に、複写機、ファクシミ
リ装置、プリンタ等の画像形成装置にオンラインで接続
されたり、又は画像形成装置に組み込む場合に好適な糊
付け製本装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、複写機、ファクシミリ装置、プ
リンタ、及びこれらの複合機等の画像形成装置本体によ
り画像が記録された用紙は、後処理として、例えば、孔
あけ、ステイプル綴じ、中綴じ中折り、表紙付け、折
り、スタンプ、糊付け製本等の種々の加工が施される。

【０００３】糊付け製本装置としては、（１）糊吐出ノ
ズルを用いて用紙に糊を吐出する装置、（２）糊収容箱
に糊車を設置し、該回転する糊車の外周に糊を付着さ
せ、糊車の外周を用紙に接触させて接触転写する装置、
（３）ノズルよりホットメルト剤（熱融着剤）と加熱圧
縮空気の混合体を吐出するホットメルト塗布装置、
（４）粘着性を有する糊が予め塗布されたテープを加熱
しながら用紙束の一側縁に貼り付けるテープ貼り装置、
等が用いられている。

【０００４】特開平７−８０３７７号公報に記載の糊付
け方法及び装置は、糊吐出ノズルから吐出した糊に高圧
空気を吹き付けて薄膜状にするものである。

【０００５】特表昭５９−５００９０７号公報に記載の
製本装置は、第１の方向に搬送する用紙を、その搬送方
向と直交する第２の搬送方向に偏向し、その後、走行す
る用紙の端部に線状に糊を塗布し、積載、整合後に加圧
して製本するものである。

【０００６】背面テープ貼り製本方法としては、加熱時
に粘着性を有する糊が予め塗布されたテープを加熱しな
がら貼り付けたり、水を含むと粘着性を有する糊が予め
塗布されたテープを用いる方法が知られている。

【０００７】従来のテープ貼りの方式は、特開昭６２−
２８４７９５号公報、米国特許第４，９８５，７２９号
明細書、特開平３−１５１２８６号公報、特開平６−１
１５２７５号公報等に開示されている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】従来の糊付け製本装置
では、以下の課題がある。

【０００９】（１） 背面テープ貼りの方式では、テー
プを用紙束の背表紙に貼り付けた後、表表紙側と裏表紙
側に畳むので、用紙の種類や用紙束の厚さ等に対して高
信頼度でテープを貼り付け可能にすると、装置の構造が
複雑になり大型化する。

【００１０】（２） 表表紙と裏表紙とを一体化した表
紙により、用紙束をくるんで用紙束の背面を接着する方
式では、用紙束の最大厚さに対応する表紙長さを必要と
し、特殊の大型サイズの表紙を用い、表紙を接着した後
に、用紙束からはみ出した余分の表紙部分を切断して除
去する工程が必要になる。

【００１１】（３） 用紙束、表表紙、裏表紙を高速且
つ、正確に整合して仕上がり品質の高い製本を作製する
糊付け製本装置は、装置の構造が複雑になり大型化す
る。

【００１２】（４） 糊吐出手段から糊を吐出して表紙
用紙に糊塗布部を形成し、用紙束の背部をくるんで接着
する糊付け製本装置においては、往復搬送する表紙用紙
に対して糊吐出手段により糊塗布面部を形成する場合、
表紙用紙を繰り返し往復移動させる所要時間が長くかか
り、糊付け製本の完成時間が長くなる。また、糊塗布処
理の終了時に最初に塗布した糊が固化し、均一な糊接着
強度が得られず、用紙束の背部を充分開いた使用時に接
着部損傷が発生し、出来上がり品質が低下する。

【００１３】（５） 糊塗布処理された用紙を搬送、積
載し、前記用紙の糊塗布部を加圧して用紙束を形成する
用紙束作製機構と、用紙束の表紙面側と裏表紙面と背部
とを、表紙によりくるんで接着するくるみ製本作製機構
とを、一体の糊付け製本装置に収容した場合、表紙用紙
に対する糊塗布時間が長いと、糊付け製本処理に待ち時
間が発生し、製本作製の生産性が低下する。特に、高速
処理を可能にする画像形成装置から排出された用紙に対
して、表紙くるみ製本を行う場合、画像形成装置の高速
生産性を阻害する。

【００１４】本発明は上記の各課題を解消して糊付け製
本装置を改良し、装置構成の簡素化、制御の簡略化を実
現し、かつ、製本の仕上がり品質の向上と、高速処理の
生産性を維持する糊付け製本方法及び糊付け製本装置を
提供することを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の下
記の糊付け製本方法、及び糊付け製本装置により解決さ
れる。

【００１６】（１） 搬送手段による表紙用紙の搬送中
に糊吐出手段により表紙用紙面上に糊塗布部を形成し、
用紙載置台上において前記表紙用紙と糊付け処理された
用紙束とを積み重ね、前記用紙束の背部を、糊塗布処理
された表紙用紙によりくるんで接着する糊付け製本方法
において、前記糊吐出手段は、前記表紙用紙の搬送方向
に直交する方向に位相を変えて設置した複数の糊吐出用
ノズルを有し、前記搬送手段による前記表紙用紙の搬送
中に、前記複数の糊吐出用ノズルから同時に糊を吐出し
て、前記表紙用紙に複数本の平行する線状の糊塗布部を
同時に形成し、前記表紙用紙の所定領域に糊塗布面部を
形成することを特徴とする糊付け製本方法。

【００１７】（２） 用紙の搬送中に第１糊吐出手段に
より用紙面上に線状の糊塗布部を形成し、糊塗布処理さ
れた用紙を積載して整合し、前記用紙の糊塗布部を加圧
して用紙束を形成する用紙束作製装置と、搬送手段によ
る表紙用紙の搬送中に、所定位置に設置された第２糊吐
出手段により表紙用紙面上に糊塗布部を形成し、用紙載
置台上において前記表紙用紙と前記用紙束とを積み重
ね、前記用紙束の背部を、糊塗布処理された表紙用紙に
よりくるんで接着するくるみ製本作製装置と、から構成
した糊付け製本装置において、前記表紙用紙を用紙搬送
方向に往復搬送させる第１搬送手段と、前記表紙用紙を
用紙搬送方向に直交する方向に移動させる第２搬送手段
と、前記第１搬送手段による表紙用紙の搬送方向に直交
する方向に位相を変えて設置した複数の第２糊吐出手段
を有する糊吐出ユニットと、前記糊吐出ユニットの複数
の糊吐出手段から糊を吐出するタイミングと、前記第１
搬送手段の搬送及び前記第２搬送手段の移動を制御し
て、前記用紙束の背部に対応する前記表紙用紙の所定領
域に、用紙搬送方向に平行する複数の糊塗布部から成る
糊塗布面部を形成させる制御手段と、を有することを特
徴とする糊付け製本装置。

【００１８】（３） 搬送手段による表紙用紙の搬送中
に糊吐出手段により表紙用紙面上に糊塗布部を形成し、
用紙載置台上において前記表紙用紙と糊付け処理された
用紙束とを積み重ね、前記用紙束の背部を、糊塗布処理
された表紙用紙によりくるんで接着する糊付け製本方法
において、前記糊吐出手段は、前記表紙用紙の搬送方向
に直交する方向に細長い形状の開口に形成された糊吐出
用ノズルを有し、前記搬送手段による前記表紙用紙の搬
送中に、前記糊吐出用ノズルから糊を吐出して、前記表
紙用紙に帯状の糊塗布部を形成し、前記表紙用紙の所定
領域に用紙搬送方向に平行する糊塗布面部を形成するこ
とを特徴とする糊付け製本方法。

【００１９】（４） 用紙の搬送中に第１糊吐出手段に
より用紙面上に線状の糊塗布部を形成し、糊塗布処理さ
れた用紙を積載して整合し、前記用紙の糊塗布部を加圧
して用紙束を形成する用紙束作製装置と、搬送手段によ
る表紙用紙の搬送中に第２糊吐出手段により表紙用紙面
上に糊塗布部を形成し、用紙載置台上において前記表紙
用紙と前記用紙束とを積み重ね、前記用紙束の背部を、
糊塗布処理された表紙用紙によりくるんで接着するくる
み製本作製装置と、から構成した糊付け製本装置におい
て、前記表紙用紙を用紙搬送方向に往復搬送させる第１
搬送手段と、前記表紙用紙を用紙搬送方向に直交する方
向に移動させる第２搬送手段と、前記第１搬送手段によ
る表紙用紙の搬送方向に直交する方向に細長い開口形状
の糊吐出用ノズルを有する前記第２糊吐出手段と、前記
第２糊吐出手段の糊吐出用ノズルから糊を吐出するタイ
ミングと、前記第１搬送手段の搬送及び第２搬送手段の
移動を制御して、前記用紙束の背部に対応する前記表紙
用紙の所定領域に、用紙搬送方向に平行する糊塗布面部
を形成させる制御手段と、を有することを特徴とする糊
付け製本装置。

【００２０】（５） 画像書き込み手段、画像形成手
段、用紙搬送手段から成る画像形成装置本体と、前記
（２）、（４）に記載の糊付け製本装置とを備えて成る
ことを特徴とする画像形成装置。

【００２１】

【発明の実施の形態】次に、本発明の糊付け製本装置を
図面に基づいて説明する。

【００２２】［画像形成装置の一実施形態］図１は画像
形成装置本体Ａ、画像読み取り装置Ｂ、第１の糊付け製
本装置Ｃ１、第２の糊付け製本装置Ｃ２から成る画像形
成システムの全体構成図である。

【００２３】画像形成装置本体Ａは、回転する像担持体
（以下、感光体と称す）１の周囲に、帯電手段２、像露
光手段（書き込み手段）３、現像手段４、転写手段５
Ａ、除電手段５Ｂ、分離爪５Ｃ、及びクリーニング手段
６を配置し、帯電手段２によって感光体１の表面に一様
帯電を行った後に、像露光手段３のレーザビームによっ
て原稿から読み取られた画像データに基づく露光走査を
行って潜像を形成し、該潜像を現像手段４により反転現
像して感光体１の表面にトナー像を形成する。

【００２４】一方、用紙収納手段７Ａから給紙された転
写紙（以下、用紙と称す）Ｓは転写位置へと送られる。
転写位置において転写手段５Ａにより前記トナー像が用
紙Ｓ上に転写される。その後に、用紙Ｓは除電手段５Ｂ
により裏面の電荷が消去され、分離爪５Ｃにより感光体
１から分離され、中間搬送部７Ｂにより搬送され、引き
続き定着手段８により加熱定着され、排紙ローラ７Ｃに
より排出される。

【００２５】用紙Ｓの両面に画像形成を行う場合には、
定着手段８により加熱定着された用紙Ｓを、搬送路切り
替え板７Ｄにより通常の排紙通路から分岐し、反転搬送
部７Ｅにおいてスイッチバックして表裏反転した後、排
紙ローラ７Ｃにより装置外に排出される。排紙ローラ７
Ｃから排出された用紙Ｓは、糊付け製本装置Ｃの受入部
１１に送り込まれる。

【００２６】一方、感光体１の画像処理後の表面は、分
離爪５Ｃの下流においてクリーニング手段６により表面
に残留している現像剤が除去され、次の画像形成に備え
る。

【００２７】画像形成装置本体Ａの上部には、原稿移動
型読み取り方式の自動原稿送り装置を備えた画像読み取
り装置Ｂが設置されている。

【００２８】［糊付け製本装置］糊付け製本装置は、画
像形成装置本体Ａの排紙部側に接続する第１の糊付け製
本装置Ｃ１と、第１の糊付け製本装置Ｃ１の用紙排出口
及び用紙束排出口に接続する第２の糊付け製本装置Ｃ２
とから成る。

【００２９】［第１の糊付け製本装置Ｃ１］図２は第１
の糊付け製本装置（用紙束作製装置）Ｃ１の正面断面図
である。

【００３０】第１の糊付け製本装置Ｃ１は、最上段の直
接排紙手段１０、その下方の水平搬送手段２０Ａ、方向
変換搬送手段３０Ａ、用紙収納部４０Ａ、排出手段５０
Ａ、第１給紙手段（表表紙給紙手段）７０Ａ、第２給紙
手段（裏表紙給紙手段）７０Ｂから成る用紙搬送装置、
及び第１糊吐出手段８０Ａ、糊供給装置８９から構成さ
れている。

【００３１】受入部１１に導入された用紙Ｓは、切り換
え板１２により、上部の直接排紙手段１０と水平搬送手
段２０Ａとの何れかに選択される。

【００３２】直接排紙手段１０に導入された用紙Ｓは、
上方に搬送され、搬送ローラ１３，１４に挟持されて排
出ローラ１５により固定排紙皿１６上に排出される。

【００３３】シフト処理又はノンソート大量排紙の搬送
モードに設定されると、切り替え板１２は直接排紙手段
１０の搬送路を閉鎖し、水平搬送手段２０Ａの搬送路を
開放し用紙Ｓの通過を可能にする。水平搬送手段２０Ａ
に導入された用紙Ｓは、搬送ローラ２１，２２，２３，
２４に挟持される。糊塗布処理を行わない用紙Ｓは、用
紙排出ローラ２６により挟持されて、上部排出口２７か
ら後述の第２の糊付け製本装置Ｃ２に導入される。第２
の糊付け製本装置Ｃ２に導入された糊塗布処理を行わな
い用紙Ｓは、水平搬送手段２０Ｂにより挟持されて搬送
され、排出ローラ６１に挟持されて上部排出口６２から
機外の昇降排紙皿６３上に排出される（図１参照）。昇
降排紙皿６３上には、例えば、最大３０００枚の大量の
用紙Ｓを積載する事が可能である。シフト処理は、方向
変換搬送手段３０Ａの搬送ローラ３１の回転により、用
紙Ｓを搬送ローラ２１〜２４と直交する方向に所定量シ
フトさせる。

【００３４】・（糊塗布処理の用紙搬送）図３は第１の
糊付け製本装置Ｃ１の側面図、図４は平面図、図５は糊
塗布処理時の用紙搬送経路と糊塗布処理を説明する模式
斜視図である。

【００３５】・方向変換搬送手段３０Ａによる用紙の直
交Ｕターン搬送 糊付け製本処理のモードに設定されると、画像形成装置
本体Ａから排出される用紙Ｓは、図８に示すモータＭ１
により駆動回転される搬送ローラ２１〜２４により挟持
されて搬送される。用紙Ｓの先端部が位置決め部材２５
に当接すると、用紙Ｓの曲がりが修正され、搬送方向に
位置決めが行われる（図２，４，５の矢示方向の第１搬
送路Ｘ１）。その後、モータＭ１の駆動が停止され、図
示されていない駆動手段により搬送ローラ２１〜２４の
各上ローラが用紙面から上方に待避して圧接が解除され
る。

【００３６】更に、用紙Ｓは図示しない駆動源により駆
動回転される搬送ローラ３１，３２に挟持されて、９０
度偏向された搬送方向に搬送される（図３〜図５の矢示
方向の第２搬送路Ｙ１）。用紙Ｓは引き続き搬送ローラ
３３，３４により挟持されてＵターン搬送され用紙収納
部４０Ａに送り込まれる（図３〜図５の矢示方向の第３
搬送路Ｚ）。

【００３７】・（用紙Ｓへの糊塗布処理）第１糊吐出手
段８０Ａは、搬送ローラ３１〜３４により第２搬送路Ｙ
１から第３搬送路Ｚに走行する用紙Ｓの一方の側縁部に
線状又は破線状に糊を吐出して、用紙Ｓの上面に糊塗布
部Ｎを形成する（図７参照）。

【００３８】１枚目の用紙Ｓは、糊塗布処理を行わず、
方向変換搬送手段３０Ａの搬送ローラ３３、３４により
挟持、搬送されて第４搬送路Ｙ２に送られ、用紙載置台
４１Ａ上に載置される。後続の２枚目以降の糊塗布処理
された用紙Ｓは、搬送ローラ３３，３４によって挟持、
搬送されて先行の用紙上に積載される。

【００３９】・（糊吐出手段）図６は第１糊吐出手段８
０Ａ及び第２糊吐出手段８０Ｂ１，８０Ｂ２，８０Ｂ３
の断面図である。なお、第１糊吐出手段８０Ａ及び第２
糊吐出手段８０Ｂ１〜８０Ｂ３は同一構成をなすから、
以下、第１糊吐出手段８０Ａを代表として説明する。

【００４０】第１糊吐出手段８０Ａは、糊を吐出する開
口部８１ａを有するノズル部材８１、開口部８１ａを開
閉する移動可能なニードル部材（以下、ニードルと称
す）８２、ニードル８２を移動可能に収容するケーシン
グ８３、ニードル８２を移動可能に駆動するソレノイド
ＳＬ等から構成されている。

【００４１】復帰バネ８５は、第１糊吐出手段８０Ａの
筐体８４の底部と、フランジ部８２ｂの上面との間に嵌
挿され、ニードル８２を下方に押圧している。ソレノイ
ドＳＬの非作動時には、復帰バネ８５によりニードル８
２の先端部８２ａはノズル部材８１の開口部８１ａを閉
止している。

【００４２】ソレノイドＳＬに電圧を印加すると、プラ
ンジャＳＬａが上方に移動され、プランジャＳＬａに直
結するニードル８２が引き上げられ、ノズル部材８１の
開口部８１ａを開放し、糊吐出を可能にする。開口部８
１ａと先端部８２ａとの開放時の間隙距離は、ノズル調
整つまみ８６により可変である。

【００４３】ケーシング８３の側面には入口部材８７が
固定され、糊供給装置８９から供給された糊を供給管８
８を経て糊収容室８３ａ内に導入する。

【００４４】・（糊塗布部）図７は、用紙Ｓの側縁部近
傍に形成された各種糊塗布部を示す平面図である。図７
（ａ）は連続する直線状の糊塗布部Ｎを示す。図７
（ｂ）は用紙Ｓの短辺側に形成された直線状の糊塗布部
Ｎを示す。直線状の糊塗布部Ｎは、用紙Ｓの側縁部近傍
の全長にわたって、用紙間を強固に接着する。

【００４５】・（表紙用紙の貼着）用紙束Ｓａに、用紙
束Ｓａと同サイズの表紙用紙（表表紙及び裏表紙）を貼
着する場合には、第１の糊付け製本装置Ｃ１の下部に配
置された第１給紙手段７０Ａ又は第２給紙手段７０Ｂか
ら表紙用紙を供給する。

【００４６】第１給紙手段７０Ａの給紙カセット７１
Ａ、又は第２給紙手段７０Ｂの給紙カセット７１Ｂに収
容された表紙用紙は、給紙部７２Ａ又は給紙部７２Ｂに
より給紙され、搬送ローラ７３，７４を通過し、水平搬
送手段２０Ａにより搬送された後、方向変換搬送手段３
０Ａを経て、用紙収納部４０Ａに送り込まれる。この表
紙用紙搬送工程で、表表紙Ｋａは第１糊吐出手段８０Ａ
により糊塗布部Ｎが形成されず、用紙収納部４０Ａ上に
載置される。用紙Ｓ及び表表紙Ｋａと同形状の裏表紙Ｋ
ｂは、糊塗布部Ｎが形成された後、用紙束Ｓａの最上面
に貼着される（図５参照）。

【００４７】本発明の実施の形態で使用される糊は、水
溶性の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン糊で、粘度は常温
で７５０〜１５００ｍＰａ・ｓである。この水溶性の糊
により接着された用紙束Ｓａは、再生紙として再利用可
能である。

【００４８】・（用紙Ｓの積載、整合、加圧処理）（図
３、図５参照） １枚目の糊塗布処理されない用紙Ｓは、駆動回転される
搬送ローラ３３，３４によって挟持搬送されて第４搬送
路Ｙ２に搬送され、用紙載置台４１Ａ上に載置される。
後続の２枚目以降の糊塗布処理された用紙Ｓは、搬送ロ
ーラ３３，３４により挟持搬送されて第４搬送路Ｙ２に
搬送され、用紙載置台４１Ａ上の先行の用紙Ｓ上に積載
される。

【００４９】即ち、搬送ローラ３４により挟持搬送され
た用紙Ｓの先端部は、回動する無端状ベルト４２に保持
された把持手段（グリッパ）４３に把持されて、用紙載
置台４１Ａの上方を第４搬送路Ｙ２に搬送される。移動
する把持手段４３に保持された加圧手段４４は、用紙載
置台４１Ａ上に載置された先行の用紙束Ｓａの糊塗布部
Ｎ形成面の背面側を加圧して移動し、用紙間の接着を確
実にする。把持手段４３に把持された用紙Ｓの先端部
は、先端ストッパ４５に当接して、先端揃えされる。先
端ストッパ４５は図示しない駆動手段により移動可能で
あり、用紙Ｓのサイズ設定により所定位置に停止する。
用紙Ｓの後端部は、移動可能に駆動される用紙整合押圧
手段４６により、用紙後端部の整合及び用紙後端上面部
の押圧が行われる。用紙Ｓの両側端部は、幅整合手段４
７により位置決めされる。なお、用紙Ｓの先端部、後端
部、両側端部の整合、位置決めは、加圧手段４４による
加圧処理の前に行う。加圧手段４４による用紙Ｓの加圧
処理は、２枚目以降の用紙Ｓが用紙載置台４１Ａ上に載
置される都度行っても良い。又は、用紙Ｓが複数枚積載
される毎に加圧処理を行ってもよい。

【００５０】以上の工程により糊付け処理された１冊の
用紙束Ｓａが完成する。この第１の糊付け製本装置Ｃ１
では、例えば、最大２００枚の用紙Ｓを糊付け処理して
製本化する事ができる。

【００５１】・（第１の糊付け製本装置Ｃ１からの排
紙）用紙載置台４１Ａの用紙積載面の一部には、駆動ロ
ーラ５１と従動ローラ５２に巻回された複数本の排出ベ
ルト５３が回動可能に配置されている。

【００５２】最終用紙Ｓｎが用紙載置台４１Ａ上に積載
され、加圧され、用紙束Ｓａが作製される。糊付け製本
された用紙束Ｓａは、モータＭ２により回動される排出
ベルト５３の排出爪５３ａにより用紙束Ｓａの後端部を
保持されて、用紙載置台４１Ａの載置面上を滑走して、
用紙束排出ローラ５４に挟持されて、下部排出口５５か
ら第２の糊付け製本装置Ｃ２の入口部に排出される（図
５の第５搬送路Ｘ２）。この排紙処理に先立って、加圧
手段４４及び幅整合手段４７を図示しない駆動手段によ
り搬送路の上方に待避させておく。

【００５３】［第２の糊付け製本装置Ｃ２］本発明の糊
付け製本装置は、用紙間を糊付け製本して用紙束Ｓａを
作製する第１の糊付け製本装置（用紙束作製装置）Ｃ１
と、用紙束Ｓａの表裏面及び背部に表表紙と裏表紙を接
着して糊付け製本し冊子Ｓｂを作製する第２の糊付け製
本装置（くるみ製本作製装置）Ｃ２とを有する。

【００５４】図８は第１の糊付け製本装置Ｃ１と第２の
糊付け製本装置Ｃ２における糊塗布処理時の用紙搬送経
路と糊塗布処理を説明する模式斜視図である。図９は第
２の糊付け製本装置Ｃ２の用紙搬送経路と糊塗布処理を
示す模式斜視図である。図１０は第２の糊付け製本装置
Ｃ２の正面断面図である。

【００５５】これらの図において、第２の糊付け製本装
置Ｃ２の用紙搬送経路を構成する水平搬送手段（第２搬
送手段）２０Ｂ、方向変換搬送手段（第１搬送手段）３
０Ｂ、用紙収納部４０Ｂ、及び第２糊吐出手段８０Ｂ１
〜８０Ｂ３を構成する各部材は、第１の糊付け製本装置
Ｃ１の水平搬送手段２０Ａ、方向変換搬送手段３０Ａ、
用紙収納部４０Ａ、及び第１糊吐出手段８０Ａを構成す
る各部材とほぼ同一の構成をなすから、第１の糊付け製
本装置Ｃ１と同じ機能を有する部材には同符号を付し
て、説明を省略する。

【００５６】糊付け製本処理を行わない用紙Ｓ又はシフ
ト処理された用紙Ｓは、水平搬送手段２０Ａ、水平搬送
手段２０Ｂにより搬送されて、排出ローラ６１に挟持さ
れて上部排出口６２から排出され、機外の昇降排紙皿６
３に載置される（図１参照）。

【００５７】第１の糊付け製本装置Ｃ１により作製され
た用紙束Ｓａは、排出手段５０Ａにより搬送され、下部
排出口５５から排出されて、第２の糊付け製本装置Ｃ２
に導入され、排出手段５０Ｂにより搬送され、下部排出
口６５から排出され、機外の昇降排紙皿６３に載置され
る。

【００５８】くるみ製本作製機能の機構は、水平搬送手
段２０Ｂ、方向変換搬送手段３０Ｂ、用紙収納部４０
Ｂ、折り目付けローラ９１、第２糊吐出手段８０Ｂ１〜
８０Ｂ３、及び第１給紙手段（表表紙給紙手段）７０
Ａ、第２給紙手段（裏表紙給紙手段）７０Ｂを備える。
複数個の第２糊吐出手段、例えば、図示の３個の第２糊
吐出手段８０Ｂ１，８０Ｂ２，８０Ｂ３はユニット化さ
れて、糊吐出ユニット８０Ｂを構成している。

【００５９】３個の第２糊吐出手段８０Ｂ１，８０Ｂ
２，８０Ｂ３は、表表紙Ｋａの搬送方向に直交する方向
に位相を変えて設置されている。第２糊吐出手段８０Ｂ
１は後述の糊塗布部Ｎ１，Ｎ４を形成する。第２糊吐出
手段８０Ｂ２は糊塗布部Ｎ２，Ｎ５を形成する。第２糊
吐出手段８０Ｂ３は糊塗布部Ｎ３，Ｎ６を形成する。

【００６０】折り目付けローラ９１は、第２搬送路Ｙ１
の下流側に設けられ、搬送される表表紙Ｋａに第１の折
り目ａを付けて、緩いＶ字型に折り曲げ、用紙Ｓと同一
サイズの表紙面部ｂと、背表紙部ｃを形成する。

【００６１】図２に示す上段の第１給紙手段７０Ａは、
表表紙Ｋａを収容する給紙カセット７１Ａ、給紙部７２
Ａから構成されている。給紙部７２Ａにより給紙カセッ
ト７１Ａから給紙された１枚の表表紙Ｋａは、搬送ロー
ラ７３，７４に挟持されて上昇し、水平搬送手段２０Ａ
を通過し、第２の糊付け製本装置Ｃ２の水平搬送手段２
０Ｂ、方向変換搬送手段３０Ｂを経て、折り目付けロー
ラ９１により第１の折り目ａが付けられて用紙収納部４
０Ｂに送り込まれる。

【００６２】図２に示す下段の第２給紙手段７０Ｂは、
裏表紙Ｋｂを収容する給紙カセット７１Ｂ、給紙部７２
Ｂから構成されている。給紙部７２Ｂにより給紙カセッ
ト７１Ｂから給紙された１枚の裏表紙Ｋｂは、搬送ロー
ラ７３，７４に挟持されて上昇し、水平搬送手段２０Ａ
を通過し、第２の糊付け製本装置Ｃ２の水平搬送手段２
０Ｂに送り込まれ、方向変換搬送手段３０Ｂを経て、用
紙収納部４０Ｂに送り込まれ、用紙束Ｓａの上面に重ね
られて糊付け製本される。

【００６３】・（くるみ製本作製工程）図１１は、表表
紙Ｋａと裏表紙Ｋｂを用紙束Ｓａへ糊付けくるみ製本す
る工程を示す斜視図、図１２、図１３、図１５〜図１９
及び図２１、図２２は、糊付け製本装置による糊付けく
るみ製本作製工程の詳細を示す斜視図である。以下、糊
付けくるみ製本作製工程を説明する。

【００６４】（１） 図１２は、第２の糊付け製本装置
Ｃ２における第１の折り目付け工程を示す斜視図であ
る。搬送ローラ３２Ｂにより第２搬送路Ｙ１の白抜き矢
印のＹ１Ａ方向に搬送される表表紙Ｋａは、一対の折り
目付けローラ９１により第１の折り目ａが付けられて、
緩いＶ字型に折り曲げられ、用紙Ｓと同一サイズの表紙
面部ｂと、背表紙部ｃを形成する（図１１（１）参
照）。

【００６５】（２） 図１３（ａ）は、複数個の第２糊
吐出手段８０Ｂ１，８０Ｂ２，８０Ｂ３から成る糊吐出
ユニット８０Ｂにより、表表紙Ｋａ上に糊塗布部Ｎ１，
Ｎ２，Ｎ３から成る糊塗布面部Ｎｘ１を形成する工程を
示す模式斜視図である。図１３（ｂ）は、糊吐出ユニッ
ト８０Ｂにより、表表紙Ｋａ上に糊塗布部Ｎ４，Ｎ５，
Ｎ６から成る糊塗布面部Ｎｘ２を形成する工程を示す模
式斜視図である。図１４は、糊吐出ユニット８０Ｂの平
面図、及び糊塗布面部Ｎｘ１，Ｎｘ２を形成した表表紙
Ｋａの平面図である。

【００６６】方向変換搬送手段３０Ｂの搬送ローラ３２
Ｂを逆回転させ、表表紙Ｋａを第２搬送路Ｙ１の上流方
向の白抜き矢印のＹ１Ｂ方向に逆行搬送させる。表表紙
ＫａをＹ１Ｂ方向に搬送する工程において、糊吐出ユニ
ット８０Ｂの複数個の第２糊吐出手段８０Ｂ１，８０Ｂ
２，８０Ｂ３から糊を吐出して、表表紙Ｋａの背表紙部
ｃの面上で第２の折り目ｄの近傍に、第２の折り目ｄに
平行する複数本の線状の糊塗布部Ｎ１〜Ｎ３から成る糊
塗布面部Ｎｘ１を形成する（図１３（ａ）参照）。

【００６７】次に、水平搬送手段２０Ｂの搬送ローラを
駆動回転させ、表表紙ＫａをＹ１Ｂ方向に直交する白抜
き矢印のＸ１Ａ方向に移動させるとともに、搬送ローラ
３２Ｂを正回転に切り換え、表表紙ＫａをＹ１Ａ方向に
搬送する。表表紙ＫａをＹ１Ａ方向に搬送する工程にお
いて、糊吐出ユニット８０Ｂの第２糊吐出手段８０Ｂ
１，８０Ｂ２，８０Ｂ３から吐出する糊は、表表紙Ｋａ
に、糊塗布面部Ｎｘ１に隣接して複数本の線状の糊塗布
部Ｎ４〜Ｎ６から成る糊塗布面部Ｎｘ２を形成する（図
１１（２）、及び図１３（ｂ）参照）。

【００６８】糊塗布面部Ｎｘ１，Ｎｘ２の全幅は、糊付
け製本される用紙束Ｓａの背部の幅、即ち、第１の折り
目ａと、第２の折り目ｄとの間隔より広くなるように、
制御手段９が糊吐出ユニット８０Ｂを移動回数、及び表
表紙Ｋａの往復回数を制御する事により設定される。ま
た、制御手段９は、糊塗布部Ｎ１〜Ｎ６の各両端部が表
表紙Ｋａの両端部近傍にほぼ一致するように、第２糊吐
出手段８０Ｂ１，８０Ｂ２，８０Ｂ３の各ソレノイドＳ
Ｌの駆動を制御する。

【００６９】表表紙Ｋａの糊塗布面部Ｎｘ１，Ｎｘ２に
形成された複数本の糊塗布部Ｎ１，Ｎ２・・・は、用紙
束Ｓａの背部の各用紙端部に密接して接着され、表表紙
Ｋａと用紙束Ｓａ背部との接着が均一、且つ確実に行わ
れ、製本背部の外観も良好である。更に、複数本の糊塗
布部Ｎ１，Ｎ２・・・を所定間隔を保って表表紙Ｋａに
塗布する事により、最小限の糊塗布部形成により充分な
接着強度が得られ、糊の消費量が節減される。

【００７０】図１５は、第２の糊付け製本装置Ｃ２にお
ける表表紙Ｋａの反転搬送工程を示す斜視図である。

【００７１】幅広の糊塗布面部Ｎｘ１，Ｎｘ２が形成さ
れた表表紙Ｋａは、方向変換搬送手段３０Ｂの搬送ロー
ラ３２Ｂに挟持されて、第３搬送路Ｚの方向に一旦、下
降搬送された後、スイッチバックして上昇搬送され、第
４搬送路Ｙ２方向に搬送され、背表紙部ｃを上側にして
用紙収納部４０Ｂの用紙載置台４１Ｂ上に載置され、用
紙整合押圧手段４６Ｂにより幅方向が規制されて、先端
ストッパ４５Ｂに当接して停止する（図９参照）。

【００７２】第１の糊付け製本装置Ｃ１の用紙収納部４
０Ａは、先行の用紙束Ｓａが第２の糊付け製本装置Ｃ２
に移行されて空になるから、画像形成装置本体Ａから排
出される用紙Ｓが、引き続き用紙収納部４０Ａに載置可
能になる。

【００７３】（３） 図１６は、表表紙Ｋａ上に載置さ
れた用紙束Ｓａの斜視図である。図１７（ａ）は、糊付
け製本装置における第１折り工程を示す斜視図である。

【００７４】表表紙Ｋａが用紙載置台４１Ｂ上に搬送さ
れ所定位置に載置された後、第１の糊付け製本装置Ｃ１
により糊付け製本された用紙束Ｓａが、第２の糊付け製
本装置Ｃ２に導入され、用紙収納部４０Ｂ上の表表紙Ｋ
ａの上面に搬送され用紙整合押圧手段４６Ｂにより位置
決めされる。

【００７５】次に、用紙載置台４１Ｂの下方の待避位置
に支持された第１折り曲げ手段９３が上昇し、表表紙Ｋ
ａの背表紙部ｃを加圧して、背表紙部ｃを、第１の折り
目ａに沿ってほぼ直角に折り曲げ、表表紙Ｋａの背表紙
部ｃの面上に形成された幅広の糊塗布面部Ｎｘと用紙束
Ｓａの背部とを接着させる（図１１（３）参照）。

【００７６】（４） 図１７（ｂ）は、第２折り工程を
示す斜視図である。図１８は、２箇所直角折り曲げした
状態の表表紙Ｋａの斜視図である。表表紙Ｋａの直角折
り曲げ後に、第２折り曲げ手段９４が駆動手段により水
平方向に前進して、表表紙Ｋａに第２の折り目ｄを形成
して、直角に折り曲げ、折り返し部を形成する（図１１
（４）参照）。

【００７７】（５） 図１９（ａ）は、糊付け製本装置
における用紙束加圧工程を示す斜視図である。第２折り
曲げ手段９４が後退して初期位置に待避し、表紙押圧部
材９２が下降し、表表紙Ｋａの折り返し部の上面側を加
圧し、折り返し部を用紙束Ｓａの最終用紙Ｓｎに圧着し
て接着する（図１１（５）参照）。

【００７８】表紙押圧部材９２による表表紙Ｋａと用紙
束Ｓａとの圧着により、用紙Ｓの糊塗布部Ｎが圧延され
て、用紙端から糊がはみ出し、表表紙Ｋａに接合する。

【００７９】（６） 図１９（ｂ）は、糊付け製本装置
における裏表紙載置工程を示す斜視図である。表紙押圧
部材９２が上昇駆動され、上方に待避する。一方、第２
給紙手段７０Ｂにより送り出された裏表紙Ｋｂは、水平
搬送手段２０Ａ，２０Ｂによる第１搬送路Ｘ１方向の搬
送、方向変換搬送手段３０Ｂによる第２搬送路Ｙ１方
向、第３搬送路Ｚ方向、第４搬送路Ｙ２方向の搬送を経
て、糊塗布部Ｎを下側にして用紙載置台４１Ｂに送り込
まれる。

【００８０】図２０は、用紙載置台４１Ｂ上に積載され
る用紙束Ｓａの部分拡大断面図である。糊塗布部Ｎを形
成した２枚目以降の用紙Ｓは、先行の用紙Ｓ上に積載さ
れて用紙間が接着され、表表紙Ｋａの背部と各用紙Ｓの
背部は、幅広の糊塗布面部Ｎｘにより接着される。

【００８１】糊塗布部Ｎが形成され、用紙載置台４１Ｂ
上に送り込まれる裏表紙Ｋｂは、用紙整合押圧手段４６
Ｂにより裏表紙Ｋｂの側端部が押圧されて幅整合され、
用紙束Ｓａの最上層、及び表表紙Ｋａの折り返し部上に
載置されて表表紙Ｋａの背部に接着される（図１１
（６）参照）。

【００８２】（７） 図２１は、用紙束と表表紙と裏表
紙との加圧工程を示す斜視図である。表表紙Ｋａの折り
返し部と裏表紙Ｋｂとの接合面の上面側を、表紙押圧部
材９２により加圧して接着を強化する（図１１（７）参
照）。

【００８３】（８） 図２２は、冊子Ｓｂの排出工程を
示す斜視図である。第１折り曲げ手段９３を下降させ、
下方の初期位置に待避させる。糊付け製本された冊子Ｓ
ｂは、回動する排出ベルト５３Ｂの排出爪５３Ｂａによ
り冊子後端部を保持されて、昇降排紙皿６３上に排出、
積載される（矢示方向の第５搬送路Ｘ２）。（図１１
（８）参照）。

【００８４】図２３（ａ）は、くるみ製本の仕上がりを
示す斜視図、図２３（ｂ）は、裏表紙を半開きにした状
態のくるみ製本を示す斜視図である。

【００８５】・（第２の糊付け製本装置Ｃ２からの排
紙）第２の糊付け製本装置Ｃ２の側面の排紙手段６０
は、上部の排出ローラ６１、下部の排出ローラ６４、上
部排出口６２、下部排出口６５、昇降排紙皿６３とから
構成されている。

【００８６】上部排出口６２からは、糊塗布処理されな
いシフト処理済みの用紙Ｓが排出され、昇降排紙皿６３
に積載される。くるみ製本作製処理モードが画像形成装
置本体Ａの操作部において選択された場合には、第１の
糊付け製本装置Ｃ１により糊付け製本された用紙束Ｓａ
は、排出手段５０Ａにより排出され、第２の糊付け製本
装置Ｃ２に搬送されて、くるみ製本作製処理が行われ、
冊子Ｓｂが作製され、排出手段５０Ｂにより排出され、
第２の糊付け製本装置Ｃ２の下部排出口６５から冊子Ｓ
ｂが排出され、昇降排紙皿６３に積載される。

【００８７】昇降排紙皿６３には、排出ローラ６１に挟
持されて上部排出口６２から排出される糊塗布処理され
ない用紙Ｓ、排出ローラ６４に挟持されて下部排出口６
５から排出される糊塗布処理された用紙束Ｓａ、及びく
るみ製本された冊子Ｓｂが積載可能であり、昇降駆動に
より大量の用紙Ｓ、用紙束Ｓａ、冊子Ｓｂを収容する事
ができる。

【００８８】また、非くるみ製本作製処理モードが画像
形成装置本体Ａの操作部において選択された場合には、
第１の糊付け製本装置Ｃ１により糊付け製本された用紙
束Ｓａは、下部排出口５５から排出され（図２参照）、
第２の糊付け製本装置Ｃ２の用紙収納部４０Ｂに搬送さ
れ、更に、排出手段５０Ｂにより搬出され、排出ローラ
６４に挟持されて下部排出口６５から排出され、昇降排
紙皿上に６３に積載される（図１０参照）。

【００８９】［第２糊吐出手段の他の実施の形態］図２
４（ａ）は、この実施の形態の第２糊吐出手段８０Ｃの
断面図、図２４（ｂ）は、第２糊吐出手段８０Ｃの底面
図である。図２５は、第２糊吐出手段８０Ｃ、及び糊塗
布面部Ｎｘ１，Ｎｘ２を形成した表表紙Ｋａの平面図で
ある。なお、これらの図面に使用されている符号につい
て、図６と同じ機能を有する部分には、同符号を付して
いる。また、前記の実施の形態と異なる点を説明する。

【００９０】第２糊吐出手段８０Ｃは、細長い糊吐出用
のスリット開口部８１ｃを形成したノズル部材８１を有
する。ソレノイドＳＬのプランジャＳＬａに接続し、ノ
ズル部材８１のスリット開口部８１ｃを開閉可能にする
ニードル８２の先端部８２ｃは、スリット開口部８１ｃ
と同形状をなし、ケーシング８３内に収容された糊を吐
出及び遮断する。

【００９１】ノズル部材８１のスリット開口部８１ｃ
は、表紙用紙の搬送方向に直交する方向に細長いスリッ
ト状をなす。スリット開口部８１ｃのスリット長さｍ
は、１０〜２０ｍｍ、スリット幅ｎは、０．５〜１ｍｍ
である。スリット長さｍ＝２０ｍｍは、約５０枚の用紙
Ｓをくるみ接着する表表紙Ｋａの用紙束Ｓａ背部厚さに
相当する。

【００９２】方向変換搬送手段３０Ｂの搬送ローラ３２
Ｂを逆回転させ、表表紙Ｋａを第２搬送路Ｙ１の上流方
向の白抜き矢印のＹ１Ｂ方向に逆行搬送させる。表表紙
ＫａをＹ１Ｂ方向に搬送する工程において、第２糊吐出
手段８０Ｃのスリット開口部８１ｃから糊を吐出して、
表表紙Ｋａの背表紙部ｃの面上に１本の帯状の糊塗布面
部Ｎｘ１を形成する。

【００９３】次に、水平搬送手段２０Ｂの搬送ローラを
駆動回転させ、表表紙ＫａをＹ１Ｂ方向に直交する白抜
き矢印のＸ１Ａ方向に移動させた後、搬送ローラ３２Ｂ
を正回転に切り換え、表表紙ＫａをＹ１Ａ方向に搬送す
る。表表紙ＫａをＹ１Ａ方向に搬送する工程において、
第２糊吐出手段８０Ｃのスリット開口部８１ｃから吐出
される糊は、表表紙Ｋａに、糊塗布面部Ｎｘ１に隣接し
て糊塗布面部Ｎｘ２を形成する。

【００９４】表表紙Ｋａに形成される糊塗布面部Ｎｘ
１，Ｎｘ２の本数は、用紙Ｓの枚数、即ち、用紙束Ｓａ
の背部の厚さにより、制御手段９により選択される。

【００９５】［くるみ表紙付け製本処理の制御］図２６
は糊付け製本装置の制御を示すブロック図である。

【００９６】画像形成装置本体Ａの操作部において、表
紙くるみ折り糊付け製本モードを設定する。次に、用紙
束Ｓａの枚数が、画像読み取り装置Ｂ、又は外部装置の
処理信号により設定される。制御手段９は、用紙束Ｓａ
の枚数により糊塗布面部Ｎｘの塗布幅を決定する。

【００９７】糊塗布面部Ｎｘの全幅は、用紙束Ｓａの厚
さ、即ち、用紙Ｓの枚数により決定される。即ち、糊付
け製本される用紙束Ｓａの背部の幅である第１の折り目
ａと、第２の折り目ｄとの間隔より広くなるように、制
御手段９が糊吐出ユニット８０Ｂを移動回数、及び表表
紙Ｋａの往復回数を制御する事により設定される。

【００９８】また、制御手段９は、複数の糊塗布部Ｎ１
〜Ｎ６の各両端部が表表紙Ｋａの両端部近傍にほぼ一致
するように、第２糊吐出手段８０Ｂ１，８０Ｂ２，８０
Ｂ３の各ソレノイドＳＬの駆動を制御する。糊塗布面部
Ｎｘの糊塗布長さは、用紙サイズ、即ち、用紙Ｓの搬送
方向長さに設定により、制御される。

【００９９】糊塗布面部Ｎｘの塗布幅、用紙サイズに対
応して、制御手段９は、第２の糊付け製本装置Ｃ２の水
平搬送手段２０Ｂの往復駆動、及び方向変換搬送手段３
０Ｂの移動駆動を制御する。

【０１００】表表紙Ｋａの往復搬送と、方向変換搬送手
段３０Ｂの移動とにより、糊吐出ユニット８０Ｂから吐
出される糊は、表表紙Ｋａの背表紙部ｃの面上で、用紙
束背部を接着する糊塗布部に、第１の折り目ａ及び第２
の折り目ｄに平行する糊塗布面部Ｎｘを形成する。

【０１０１】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の糊付け製本方法及び糊付け製本装置により以下の効果
が奏せられる。

【０１０２】（１） 表紙用紙を往復移動させる時間が
短縮されるから、塗布した糊が乾燥固化する前にくるみ
製本作製が完了し、表紙用紙と用紙束背部との接着が均
一、且つ確実に行われ、接着強度が向上する。

【０１０３】（２） 本発明の糊付け製本装置を備えた
画像形成装置により、画像形成装置本体から高速で搬出
された用紙に対して、画像形成装置本体の高速生産性を
低下させることなく、用紙束作製装置とくるみ製本作製
装置とから成る糊付け製本装置により、高品質で確実な
くるみ製本を高速処理して作製する事が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】画像形成装置本体、画像読み取り装置、第１の
糊付け製本装置、第２の糊付け製本装置から成る画像形
成システムの全体構成図。

【図２】第１の糊付け製本装置の正面断面図。

【図３】第１の糊付け製本装置の側面図。

【図４】第１の糊付け製本装置の平面図。

【図５】糊塗布処理時の用紙搬送経路と糊塗布処理を説
明する模式斜視図。

【図６】第１糊吐出手段及び第２糊吐出手段の断面図。

【図７】用紙の側縁部近傍に形成された各種糊塗布部を
示す平面図。

【図８】第１の糊付け製本装置と第２の糊付け製本装置
における糊塗布処理時の用紙搬送経路と糊塗布処理を説
明する模式斜視図。

【図９】第２の糊付け製本装置の用紙搬送経路と糊塗布
処理を示す模式斜視図。

【図１０】第２の糊付け製本装置の正面断面図。

【図１１】表表紙と裏表紙を用紙束へ糊付けくるみ製本
する工程を示す斜視図。

【図１２】第２の糊付け製本装置における第１の折り目
付け工程を示す斜視図。

【図１３】第２糊吐出手段における糊塗布面部形成工程
を示す斜視図。

【図１４】第２糊吐出手段における糊塗布面部形成工程
を示す平面図。

【図１５】第２の糊付け製本装置における表表紙の反転
搬送工程を示す斜視図。

【図１６】表表紙上に載置された用紙束を示す斜視図。

【図１７】糊付け製本装置における第１折り工程、第２
折り工程を示す斜視図。

【図１８】第１折り工程、第２折り工程により形成され
た表表紙の部分斜視図。

【図１９】糊付け製本装置における用紙束加圧工程と裏
表紙載置工程を示す斜視図、及び複数の糊塗布部から成
る糊塗布面部を形成した表表紙の斜視図。

【図２０】用紙載置台上に積載される用紙束の部分拡大
断面図。

【図２１】用紙束と表表紙と裏表紙との加圧工程を示す
斜視図。

【図２２】冊子の排出工程を示す斜視図。

【図２３】くるみ製本の仕上がりを示す斜視図、及び裏
表紙を半開きにした状態のくるみ製本を示す斜視図。

【図２４】第２糊吐出手段の他の実施の形態を示す断面
図、及び底面図。

【図２５】糊吐出手段、及び糊塗布面部を形成した表表
紙の平面図。

【図２６】糊付け製本装置の制御を示すブロック図。

【符号の説明】

９ 制御手段 ２０Ｂ 水平搬送手段（第２搬送手段） ３０Ｂ 方向変換搬送手段（第１搬送手段） ３１，３２，３２Ｂ，３３，３４ 搬送ローラ ４０Ａ，４０Ｂ 用紙収納部 ４１Ａ，４１Ｂ 用紙載置台 ７０Ａ 第１給紙手段（表表紙給紙手段） ７０Ｂ 第２給紙手段（裏表紙給紙手段） ８０Ａ 第１糊吐出手段 ８０Ｂ 糊吐出ユニット ８０Ｂ１，８０Ｂ２，８０Ｂ３，８０Ｃ 第２糊吐出手
段 ８１ ノズル部材 ８１ａ 開口部 ８１ｃ スリット開口部 Ａ 画像形成装置本体 Ｃ１ 第１の糊付け製本装置（用紙束作製装置） Ｃ２ 第２の糊付け製本装置（くるみ製本作製装置） Ｋａ 表表紙（表紙用紙） Ｋｂ 裏表紙（表紙用紙） Ｎ，Ｎ１，Ｎ２，Ｎ３，Ｎ４，Ｎ５，Ｎ６ 糊塗布部 Ｎｘ，Ｎｘ１，Ｎｘ２ 糊塗布面部 Ｓ 転写紙（用紙） Ｓａ 用紙束 ｍ スリット長さ ｎ スリット幅

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｂ６５Ｈ 9/10 Ｂ６５Ｈ 9/10 29/58 29/58 Ｃ 37/02 37/02 Ｇ０３Ｇ 15/00 ５３４ Ｇ０３Ｇ 15/00 ５３４ (72)発明者 高橋 克典 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 木村 丈信 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 松本 敏高 東京都豊島区要町３丁目51番４号 Ｆターム(参考） 2H072 AB06 CA01 CB01 GA09 HB07 JA02 3F049 AA10 DA12 EA24 LA16 LB03 3F053 CA06 CA21 LA00 LB03 3F102 AA09 AB01 BA10 BB02 DA06 EA14 3F108 GA10 GB01 HA02 HA13

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送手段による表紙用紙の搬送中に糊吐
   出手段により表紙用紙面上に糊塗布部を形成し、用紙載
   置台上において前記表紙用紙と糊付け処理された用紙束
   とを積み重ね、前記用紙束の背部を、糊塗布処理された
   表紙用紙によりくるんで接着する糊付け製本方法におい
   て、前記糊吐出手段は、前記表紙用紙の搬送方向に直交
   する方向に位相を変えて設置した複数の糊吐出用ノズル
   を有し、前記搬送手段による前記表紙用紙の搬送中に、
   前記複数の糊吐出用ノズルから同時に糊を吐出して、前
   記表紙用紙に複数本の平行する線状の糊塗布部を同時に
   形成し、前記表紙用紙の所定領域に糊塗布面部を形成す
   ることを特徴とする糊付け製本方法。
2. 【請求項２】 用紙の搬送中に第１糊吐出手段により用
   紙面上に線状の糊塗布部を形成し、糊塗布処理された用
   紙を積載して整合し、前記用紙の糊塗布部を加圧して用
   紙束を形成する用紙束作製装置と、搬送手段による表紙
   用紙の搬送中に、所定位置に設置された第２糊吐出手段
   により表紙用紙面上に糊塗布部を形成し、用紙載置台上
   において前記表紙用紙と前記用紙束とを積み重ね、前記
   用紙束の背部を、糊塗布処理された表紙用紙によりくる
   んで接着するくるみ製本作製装置と、から構成した糊付
   け製本装置において、前記表紙用紙を用紙搬送方向に往
   復搬送させる第１搬送手段と、前記表紙用紙を用紙搬送
   方向に直交する方向に移動させる第２搬送手段と、前記
   第１搬送手段による表紙用紙の搬送方向に直交する方向
   に位相を変えて設置した複数の第２糊吐出手段を有する
   糊吐出ユニットと、前記糊吐出ユニットの複数の糊吐出
   手段から糊を吐出するタイミングと、前記第１搬送手段
   の搬送及び前記第２搬送手段の移動を制御して、前記用
   紙束の背部に対応する前記表紙用紙の所定領域に、用紙
   搬送方向に平行する複数の糊塗布部から成る糊塗布面部
   を形成させる制御手段と、を有することを特徴とする糊
   付け製本装置。
3. 【請求項３】 前記第２糊吐出手段の複数の糊吐出用ノ
   ズルは、駆動手段にそれぞれ接続され、複数の糊吐出用
   ノズルのうち選択された糊吐出用ノズルから糊吐出を可
   能にすることを特徴とする請求項２に記載の糊付け製本
   装置。
4. 【請求項４】 搬送手段による表紙用紙の搬送中に糊吐
   出手段により表紙用紙面上に糊塗布部を形成し、用紙載
   置台上において前記表紙用紙と糊付け処理された用紙束
   とを積み重ね、前記用紙束の背部を、糊塗布処理された
   表紙用紙によりくるんで接着する糊付け製本方法におい
   て、前記糊吐出手段は、前記表紙用紙の搬送方向に直交
   する方向に細長い形状の開口に形成された糊吐出用ノズ
   ルを有し、前記搬送手段による前記表紙用紙の搬送中
   に、前記糊吐出用ノズルから糊を吐出して、前記表紙用
   紙に帯状の糊塗布部を形成し、前記表紙用紙の所定領域
   に用紙搬送方向に平行する糊塗布面部を形成することを
   特徴とする糊付け製本方法。
5. 【請求項５】 用紙の搬送中に第１糊吐出手段により用
   紙面上に線状の糊塗布部を形成し、糊塗布処理された用
   紙を積載して整合し、前記用紙の糊塗布部を加圧して用
   紙束を形成する用紙束作製装置と、搬送手段による表紙
   用紙の搬送中に第２糊吐出手段により表紙用紙面上に糊
   塗布部を形成し、用紙載置台上において前記表紙用紙と
   前記用紙束とを積み重ね、前記用紙束の背部を、糊塗布
   処理された表紙用紙によりくるんで接着するくるみ製本
   作製装置と、から構成した糊付け製本装置において、前
   記表紙用紙を用紙搬送方向に往復搬送させる第１搬送手
   段と、前記表紙用紙を用紙搬送方向に直交する方向に移
   動させる第２搬送手段と、前記第１搬送手段による表紙
   用紙の搬送方向に直交する方向に細長い開口形状の糊吐
   出用ノズルを有する前記第２糊吐出手段と、前記第２糊
   吐出手段の糊吐出用ノズルから糊を吐出するタイミング
   と、前記第１搬送手段の搬送及び第２搬送手段の移動を
   制御して、前記用紙束の背部に対応する前記表紙用紙の
   所定領域に、用紙搬送方向に平行する糊塗布面部を形成
   させる制御手段と、を有することを特徴とする糊付け製
   本装置。
6. 【請求項６】 前記用紙束の背部に対応する前記表紙用
   紙の所定領域は、前記用紙束の背部の表表紙面側の端部
   に沿って前記表紙用紙を折り曲げる第１の折り目の近傍
   と、前記用紙束の背部の裏表紙面側の端部に沿って前記
   表紙用紙を折り曲げる第２の折り目近傍との間の領域で
   あることを特徴とする請求項２又は５に記載の糊付け製
   本装置。
7. 【請求項７】 画像書き込み手段、画像形成手段、用紙
   搬送手段から成る画像形成装置本体と、請求項２，５に
   記載の糊付け製本装置とを備えて成ることを特徴とする
   画像形成装置。