JP2002310079A - 水潤滑式スクリュー圧縮機 - Google Patents
水潤滑式スクリュー圧縮機Info
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Abstract
体を完全にオイルフリー化し、シール構造を簡素化す
る。 【解決手段】水潤滑式スクリュー圧縮機は、1対の雄ス
クリューロータ1と雌スクリューロータ2と、これらロ
ータを収容するケーシング3、4、5と、このケーシン
グに保持され1対のロータを支承する軸受6〜9とを有
している。1対のロータにより形成される圧縮作動室に
は、加圧タンクであるレシーバタンク14から加圧水が
供給される。この加圧水は、軸受にも供給される。
Description
縮するスクリュー圧縮機に係り、特に1対のロータが形
成する圧縮作動室に水を注入する水潤滑式スクリュー圧
縮機に関する。
が、特開平10-141262号公報に示されている。
この公報に記載の圧縮機では、密封性を高めるとともに
タイミングギアを不要にするために、雄スクリューロー
タの金属製中心軸の外周に熱硬化性合成樹脂からなるロ
ータ歯部を一体に形成し、雌スクリューロータをステン
レス鋼から形成している。雄ロータのロータ歯部をなじ
み性の良い合成樹脂により形成して、雄側のロータ歯部
と雌側のロータ歯部およびシリンダとの密封性を向上さ
せている。さらに、雄スクリューロータにより雌スクリ
ューロータを直接回転駆動してタイミングギアを不要に
している。
9822号公報に記載されている。この公報では、金属
製の軸受用シェルにセラミックス製のすべり軸受を圧入
したものの外周に緩衝手段を設けて、軸受に部分摩耗が
発生するのを防止している。
1262号公報に記載の水潤滑式スクリュー圧縮機で
は、スクリューロータを支える軸受の潤滑に油を使用し
ている。そのため、圧縮作動室内に注入された水が軸受
部に漏洩するのを防止するために、圧縮作動室と軸受部
間に軸封手段が必要となっている。スクリュー圧縮機が
軸封手段を有しているので、スクリュー圧縮機が大型化
するとともに、高価になっている。また、軸受へ潤滑油
を供給するために、オイルタンクや給油装置、給油配管
等の補機が必要となる。
記載の水潤滑軸受は、軸受の片当たり防止については考
慮されているものの、軸受部に潤滑剤である水が切れる
ことについての考慮が不十分である。
れたものであり、その目的はスクリュー圧縮機から潤滑
油を不要とすることにある。本発明の他の目的は、水潤
滑軸受を用いたスクリュー圧縮機の信頼性を向上させる
ことにある。本発明は、これらの目的の少なくともいず
れかを達成することを目的とする。
に、本発明は1対の雄スクリューロータと雌スクリュー
ロータと、これらロータを収容するケーシングと、この
ケーシングに保持され1対のロータを支承する軸受と、
1対のロータにより形成される圧縮作動室に水を注入す
る水注入手段とを有し、軸受を水潤滑軸受としたもので
ある。
一方にこのロータを回転駆動する駆動手段を接続し、1
対のロータの他方をこの一方のロータが接触駆動する;
水注入手段は、レシーバタンクと、このレシーバタンク
からケーシングに形成した吸入口および排出口にそれぞ
れ接続した水配管と、水配管中に設けた開閉弁とを有す
る;水注入手段は、ケーシングに形成した吸入口に工業
用水を導く配管と、この配管中に介在させた開閉弁とを
有する;水潤滑軸受は、少なくとも一対のロータの支承
面がPEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)の複
合材料からなる;1対のロータの少なくとも一方は、圧
縮作動室を形成する部分の外表面側が高分子複合材料で
形成されていてもよい。
リュー圧縮機の一実施例を図面を用いて説明する。図1
は、水潤滑すべり軸受を適用した水潤滑式スクリュー圧
縮機の本体構造を断面図で、ガスと潤滑水の流れを経路
図で示した図である。水潤滑式スクリュー圧縮機はガス
を圧縮する圧縮機であるが、本実施例では最も一般的な
空気を圧縮する空気圧縮機を取り上げる。
本体29、加圧タンクとして作用するレシーバタンク1
4、本体エアー吸入配管15、本体エアー吐出配管1
6、圧縮空気供給配管17、圧縮機本体への給水配管2
0、本体圧縮室への給水配管21、軸受部への給水配管
22、23、切換弁24、外部給水源と接続した給水配
管19、レシーバータンクと接続した給水配管18、電
動モータ、操作盤、冷却器等で構成されている。
クリューロータ1と雌スクリューロータ2を備えてい
る。雄スクリューロータ1の両軸端部は、水潤滑滑り軸
受7、9で支持されている。同様に、雌スクリューロー
タ2の両端部も水潤滑すべり軸受6、8で支持されてい
る。雄スクリューロータ1の外周部には4枚の歯がネジ
状に形成されている。雌スクリューロータ2の外周部に
は6本の溝がネジ状に形成されている。軸受7と雄スク
リューロータの歯部の間にはシール11が、軸受9と雄
スクリューロータの歯部の間にはシール13が、軸受6
と雌スクリューロータの溝部との間にはシール10が、
軸受8と雌スクリューロータの溝部との間にはシール1
2がそれぞれ設けられており、後述する水注入手段から
各軸受6〜9に供給された水が過剰に圧縮作動室側に漏
れ込むのを防止している。シール10、11および軸受
6、7は、吸入側ケーシングに保持される。シール1
2、13および軸受8、9はスクリューケーシング3に
保持されている。2つのケーシング3、4はそのフラン
ジ部をボルトで締結されている。
する円筒状の穴が2本形成されている。この穴に2本の
ロータ1、2を収容することにより、ロータ歯溝間とケ
ーシング3の壁面間に圧縮作動室が形成される。吸入側
ケーシング4の側部には、ケーシングカバー33がボル
ト締結されている。軸受6、7の側部は軸受押え板31
で軸方向位置決めされており、軸受押え板31は、吸入
側ケーシング4にボルト締結されている。ケーシングカ
バー33を貫通して、雄スクリューロータ1の軸が機外
に延びている。この軸には図示しないカップリングを介
して図示しない電動機が接続される。軸受8、9の側部
も軸受押え板32で押さえられており、軸受押え板32
はスクリューケーシング3に取付けられている。
グ3との接続面側には、各ロータ3、4の回転軸部の外
周の大部分にわたって吸入口34が形成されている。こ
の吸入口34には、図示しないフィルターを経た大気が
本体エアー吸入配管15を介して導かれる。一方、スク
リューケーシング3のシール12、13側には、雄スク
リューロータ1と雌スクリューロータ2との接触部付近
に吐出口35が設けられており、圧縮機本体29で圧縮
された空気は潤滑水とともにこの吐出口35から本体エ
アー吐出配管16を経て、レシーバタンク14に送られ
る。
む圧縮空気は、レシーバタンク14内で潤滑水と圧縮空
気が分離され、潤滑水はレシーバタンク14の下部に溜
められる。この潤滑水は、圧縮機本体29から吐出され
た圧縮空気により加圧される。加圧された水は、レシー
バタンク14の下部に一端が接続された給水配管18と
切換弁24および給水配管20を経て、圧縮機本体29
に導かれる。圧縮機本体29には、各軸受6〜9および
ロータ1、2の吸込み側近くへ加圧水を導く供給口が形
成されている。そして、給水配管20を経た加圧水は、
各ロータ1、2の吸込み側軸受6、7へ加圧水を導く供
給配管22、各ロータ1、2の吐出側軸受8、9に加圧
水を導く給水配管23、および各1、2ロータの圧縮作
動室に加圧水を導く給水配管21から、潤滑の用に供さ
れる。
水配管20の途中にはバルブ27が設けられている。切
換弁24の一方には、工業用水等の外部給水源28に一
端が接続された給水配管19が接続されている。給水配
管19の途中には、バルブ26が設けられている。な
お、レシーバタンク17に導かれた圧縮空気は、レシー
バタンク内で水分を分離されて圧縮空気供給配管17か
ら需要元へ送られる。
一切使用しない。スクリュー圧縮機は工場空気源等に多
用されるので、起動停止回数が他の産業用機器に比べて
多い。さらに軸受負荷も大であるから、水潤滑軸受素材
としては従来用いられているホワイトメタル等の金属の
使用が困難である。そこで、本実施例においてはポリエ
ーテル・エーテル・ケトン(PEEK)を主原料とする
高分子複合材料を用いている。一方、これも水潤滑され
るロータは耐錆性が要求されるので、ステンレス鋼同士
やステンレス鋼と熱硬化性合成樹脂との組み合わせを用
いる。
を説明する。図示しない電動機により雄スクリューロー
タ1が起動されると、この雄スクリューロータ1の歯と
雌スクリューロータ2の溝が噛み合い、雄ロータ1と雌
ロータ2とが同期回転する。両ロータ1、2が回転する
と、吸入口34から吸込まれた大気は両ロータ1、2と
ケーシング3の壁面により形成される圧縮作動室に導か
れる。圧縮作動室はロータ1、2の回転とともに体積を
減少させるが、その際、給水配管21から圧縮作動室に
加圧水が供給され、ロータ1、2を冷却するとともに、
両ロータ1、2間を潤滑し、ロータ同士やロータとケー
シング壁面との接触や焼き付けを防止する。なお、加圧
水はロータ間に形成される隙間やロータとケーシング間
に形成される隙間をシールし、作動空気の漏れを減少さ
せて圧縮機の体積効率を向上させる働きもする。体積が
減少して圧縮された圧縮空気中には水分が多量に含まれ
るので、レシーバタンクで水分を除去する。これによ
り、水分の少ない圧縮空気が需要元に供給可能になる。
ーバタンク内の圧力は大気圧に近い。そのため、起動時
にレシーバタンク内から加圧水を軸受および圧縮作動室
に供給するのが困難になる。起動時は回転速度が低いの
で、ロータ歯溝部は無潤滑でも比較的運転を継続するこ
とができる。しかしながら、軸受にはロータ自重等の荷
重が負荷されるので、無潤滑状態が継続すると、たとえ
軸受材料としてPEEK材を用いても、焼き付け等の不
具合が生じる恐れがある。
転する。通常運転時には、圧縮作動室へ空気を吸入する
タイミングあるいは空気を吸入し終えたタイミングで、
加圧水をスクリューロータ1、2の歯面に供給し、両ロ
ータ間を潤滑する。これにより、雄スクリューロータ1
と雌スクリューロータ2との間での接触駆動を可能にす
る。この加圧水は潤滑作用の外に、雄スクリューロータ
1と雌スクリューロータ2との間及び各ロータ1、2と
各ケーシング3、4との隙間をシールする作用もある。
さらに加圧水は空気の圧縮熱を奪うので、冷却作用によ
り空気の圧縮状態を等温圧縮状態に近づける。その結
果、エネルギ効率を向上できる。軸受6〜9を潤滑した
加圧水は、図示しない回収回路を経てレシーバタンク1
4に戻される。
たときは、軸受6〜9やスクリューロータ1、2の歯面
は乾燥している。この状態でスクリューロータ1、2を
回転起動すると、軸受6〜9やスクリューロータ1、2
が破損したり焼付きを生ずる恐れがある。そこで、圧縮
機本体を起動するときには、起動前に外部給水源28か
ら潤滑水をスクリューロータ1、2の歯面及び軸受6〜
9に供給する。ロータ1、2の歯面や軸受6〜9に潤滑
水を十分に供給して、スクリューロータ1、2を起動す
る。
は、切換弁24を切換えてレシーバタンク14からの給
水を停止する。通常運転時にはレシーバタンク14から
給水し、圧縮機の運転開始時やレシーバタンク14内の
水量が少ないときには、外部給水源28から給水すれ
ば、加圧水の節約ができる。勿論、常時外部給水源から
給水することも可能である。なお、軸受6〜9およびロ
ータ歯面に供給する加圧水の給水量は、バルブ25〜2
7の開度を調整することにより、制御される。
2を支持する軸受に水潤滑すべり軸受6〜9を用いたの
で、油潤滑用の給油装置が不要になる。また、潤滑油を
使用しないので、潤滑油の漏れを防止する信頼性の高い
シールの代わりに、比較的安価で簡素な構成のシールを
使用できるので、圧縮機本体の小型化と低価格化が可能
になる。
レシーバタンク内の圧力を利用して潤滑水をスクリュー
ロータの歯面及び軸受に供給し、運転開始時にスクリュ
ーロータ起動前に外部給水源の給水圧力を利用したので
信頼性高く潤滑水をスクリューロータの歯面と軸受に供
給することができる。さらに、スクリューロータの歯面
に潤滑水を供給する給水水路を分岐して軸受への給水路
を形成したので、構造が簡素化される。
数を4枚、雌ロータの歯数を6枚としたが、歯数はこれ
に限るものではなく、3枚と8枚、5枚と6枚のように
種々の組み合わせが可能である。また、ロータ同士を直
接回転駆動するようにしているが、タイミングギアを設
けてタイミングギア部のみを油潤滑するまたは水潤滑す
るようにしても良い。この場合、ロータ歯面の負荷を低
減できる効果がある。また加圧水に工業用水を用いてい
るが、これに限るものではなく、アキュムレータのよう
なタンクに収容された加圧水、水源からポンプで送給さ
れる加圧水であってもよい。
滑式スクリュー圧縮機が水潤滑すべり軸受を有している
ので、圧縮機本体を完全にオイルフリー化でき、シール
構造も簡易化できる。また、給水回路を簡素化したの
で、低価格な圧縮機が得られる。
施例のシステム図である。
4、5…ケーシング、6、7、8、9…水潤滑すべり軸受、1
0、11、12、13…シール、14…レシーバタンク、28…外
部給水源、29…圧縮機本体、30…水潤滑式スクリュー圧
縮機。
Claims (6)
- 【請求項1】1対の雄スクリューロータと雌スクリュー
ロータと、これらロータを収容するケーシングと、この
ケーシングに保持され前記1対のロータを支承する軸受
と、前記1対のロータにより形成される圧縮作動室に水
を注入する水注入手段とを有し、前記軸受は水潤滑軸受
であることを特徴とする水潤滑式スクリュー圧縮機。 - 【請求項2】前記1対のロータの一方にこのロータを回
転駆動する駆動手段を接続し、一対のロータの他方をこ
の一方のロータが接触駆動することを特徴とする請求項
1に記載の水潤滑式スクリュー圧縮機。 - 【請求項3】前記水注入手段は、レシーバタンクと、こ
のレシーバタンクから前記ケーシングに形成した吸入口
および排出口にそれぞれ接続した水配管と、水配管中に
設けた開閉弁とを有することを特徴とする請求項1また
は2に記載の水潤滑式スクリュー圧縮機。 - 【請求項4】前記水注入手段は、前記ケーシングに形成
した吸入口に工業用水を導く配管と、この配管中に介在
させた開閉弁とを有することを特徴とする請求項1また
は2に記載の水潤滑式スクリュー圧縮機。 - 【請求項5】前記水潤滑軸受は、少なくとも1対のロー
タの支承面がPEEK(ポリエーテル・エーテル・ケト
ン)の複合材料からなることを特徴とする請求項1ない
し4のいずれか1項に記載の水潤滑式スクリュー圧縮
機。 - 【請求項6】前記1対のロータの少なくとも一方は、圧
縮作動室を形成する部分の外表面側が高分子複合材料で
形成されていることを請求項1ないし5のいずれか1項
に記載の水潤滑式スクリュー圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001116299A JP2002310079A (ja) | 2001-04-16 | 2001-04-16 | 水潤滑式スクリュー圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001116299A JP2002310079A (ja) | 2001-04-16 | 2001-04-16 | 水潤滑式スクリュー圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002310079A true JP2002310079A (ja) | 2002-10-23 |
Family
ID=18967054
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001116299A Abandoned JP2002310079A (ja) | 2001-04-16 | 2001-04-16 | 水潤滑式スクリュー圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002310079A (ja) |
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-
2001
- 2001-04-16 JP JP2001116299A patent/JP2002310079A/ja not_active Abandoned
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