JP2002309423A - ポリエステル系裏地およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル系裏地およびその製造方法

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JP2002309423A
JP2002309423A JP2001113819A JP2001113819A JP2002309423A JP 2002309423 A JP2002309423 A JP 2002309423A JP 2001113819 A JP2001113819 A JP 2001113819A JP 2001113819 A JP2001113819 A JP 2001113819A JP 2002309423 A JP2002309423 A JP 2002309423A
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polyester
lining
weft
density
yarn
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JP2001113819A
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English (en)
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Masaru Haruta
勝 春田
Tadahiro Shibata
忠弘 柴田
Akira Enohara
章 榎原
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】曲げ柔らかく、曲げ回復性に優れたしなやかな
風合いを有し、縫い目ずれの生じにくいポリエステル系
フィラメントから成る裏地を提供する。 【解決手段】タテ糸およびヨコ糸ともポリエステル系フ
ィラメントで構成され、次式で示されるカバーファクタ
ーが1550以上の平織物、または1800以上のツイ
ル織物であり、KES法による曲げ剛性がタテ、ヨコと
も0.030g・cm2/cm以下であり、かつ曲げ回
復性がタテ、ヨコとも0.010g・cm/cm以下で
あるポリエステル系裏地。 CF={√(D1)×M}+{√(D2)×N} D1:タテ糸の繊度(dtex) M :タテ糸の密度(本/2.54cm) D2:ヨコ糸の繊度(dtex) N :ヨコ糸の密度(本/2.54cm)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、しなやかな風合い
を有する、ポリエステル系フィラメントから成る織物裏
地(以下、ポリエステル系裏地とも呼ぶ。)に関する。
【0002】
【従来の技術】裏地は、表地とのなじみを良くし、衣服
のシルエットを整えるために、柔らかさと、張り、腰、
すなわち弾力性を併せ持つしなやかさが必要である。
【0003】従来のポリエステル系裏地は、天然繊維や
再生繊維にない特性、すなわち防しわ性がよく、洗濯に
よる寸法安定性に優れ、耐摩耗性に富み、外観変化の少
ない特性を有しているが、風合いがペーパーライクでし
なやかさに劣る欠点を有していた。
【0004】このペーパーライクな風合いを改善し、し
なやかさを付与するために、収縮率の大きな糸を用いて
製織し、収縮、弛緩させてドレープ性の良好な織物を製
造する方法もみられるが、このようにして得られた織物
は、加工しわなどにより表面品位の劣るものが多く見ら
れる。
【0005】また、柔らかさを得る方法として、一般的
にアルカリ処理による減量加工があり、単純には高い減
量率で減量することにより柔らかさを得るといったこと
も考えられる。しかし、減量率を高くすると、腰がなく
なり、また、縫製後、縫い目に着用等により応力がかか
ると織糸がずれて開いてしまう現象である縫い目ずれが
生じ易くなるため、減量率を低く設定せざるを得ないの
が現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の欠点を解消し、柔らかさと弾力性を併せ持つしな
やかさを有し、縫い目ずれの生じにくいポリエステル系
裏地を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、従来では採用し得なかった高密度の織物を裏地
に採用し、更にその問題点を克服することで、本発明に
到達した。
【0008】すなわち本発明は、タテ糸およびヨコ糸と
もポリエステル系フィラメントで構成され、次式で示さ
れるカバーファクターCFが1550以上の平織物であ
り、KES法による曲げ剛性がタテ、ヨコとも0.03
0g・cm2/cm以下であり、かつタテ、ヨコとも曲げ回復
性が0.010g・cm/cm以下であるポリエステル系裏
地である。 CF={√(D1)×M}+{√(D2)×N} D1:タテ糸の繊度(dtex) M :タテ糸の密度(本/2.54cm) D2:ヨコ糸の繊度(dtex) N :ヨコ糸の密度(本/2.54cm)。
【0009】また本発明は、タテ糸およびヨコ糸ともポ
リエステル系フィラメントで構成され、上記式で示され
るカバーファクターCFが1800以上のツイル織物で
あり、KES法による曲げ剛性がタテ、ヨコとも0.0
30g・cm2/cm以下であり、かつ曲げ回復性がタ
テ、ヨコとも0.010g・cm/cm以下であるポリ
エステル系裏地である。
【0010】また本発明は、タテ糸およびヨコ糸ともポ
リエステル系フィラメントで構成された、上記式で示さ
れるカバーファクターCFが減量加工前の段階で175
0以上の平織物に、15〜30%の減量加工を施すポリ
エステル系裏地の製造方法である。
【0011】また本発明は、タテ糸およびヨコ糸ともポ
リエステル系フィラメントで構成された、上記式で示さ
れるカバーファクターCFが減量加工前の段階で200
0以上のツイル織物に、15〜30%の減量加工を施す
ポリエステル系裏地の製造方法である。
【0012】尚、従来のポリエステル系裏地において
は、上記カバーファクターが平織物で1350〜150
0程度、ツイル織物で1650〜1750程度のものが
殆ど採用されていた。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の裏地について説明する。
本発明で用いるポリエステル系フィラメントは、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系重
合体及びこれらの共重合体からなるものであり、これら
の重合体及び共重合体に制電剤、難燃剤、耐熱材、耐光
剤、酸化チタン等の添加剤を加えることは何らさしつか
えない。
【0014】例えば、 A.混練により繊維内部に制電剤を筋状に分散させた態
様 B.芯鞘型複合繊維の芯部に制電剤を含有させた態様 等は、裏地用途に好ましい制電性を、繊維に持続的に付
与することができ、好ましい。
【0015】制電剤としては、ポリエーテルとポリアミ
ドとのブロック共重合体であるブロックポリエーテルア
ミドを好ましく採用することができる。
【0016】ポリエーテルとしてはポリアルキレンエー
テルが好ましく、ポリエチレンエーテル、ポリプロピレ
ンエーテル、ポリエチレンプロピレンエーテルなどのエ
チレンオキサイドの重合生成物がある。これらポリエー
テルの分子量は1000以上、好ましくは3000〜8
000のものがよく、なかでもポリエチレングリコール
の使用が最も適している。
【0017】ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロ
ン8、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610の
ようなホモポリアミドあるいはこれら同士または他の共
重合成分を含む共重合体がある。
【0018】ブロックポリエーテルアミド中のポリエー
テル成分対ポリアミド成分の重量比は50対50から7
0対30が好ましい。
【0019】またさらに、有機電解質として、ドデシル
ベンゼンスルホン酸、トリデシルベンゼンスルホン酸、
ノニルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルスルホン酸、
ドデシルスルホン酸などのスルホン酸とナトリウム、カ
リウム、リチウムなどのアルカリ金属塩、ジステアリン
酸ソーダなどのリン酸のアルカリ金属塩、その他有機カ
ルボン酸のアルカリ金属塩を添加することも好ましい。
なかでもドデシルベンゼンスルホン酸ソーダなどのスル
ホン酸の金属塩が良好である。
【0020】ブロックポリエーテルアミドとあわせた制
電剤中の有機金属塩の比率は、1〜10重量%が好まし
い。より好ましくは3〜7重量%の範囲である。1重量
%以上とすることで制電性が向上し、10重量%以下と
することで制電剤の溶融粘度の低下を抑え、繊維中での
筋形成により制電性が向上する。
【0021】上記Aの態様においては、ポリエステルに
対し上記制電剤を0.2重量%以上、5重量%以下含有
させることが好ましい。
【0022】上記Bの態様においては、同心芯鞘とする
のが好ましく、芯鞘複合における芯成分の比率を5〜5
0重量%とするのが好ましく、芯成分は、鞘成分との親
和性を有するポリエステルと上記制電剤とを混合したも
のとするのが好ましい。また、その際の上記制電剤の添
加量は、芯鞘型複合繊維に対して0.03〜5重量%と
なるようにするのが好ましい。
【0023】また、フィラメントの断面形状ついての制
限はなく、丸型、三角型、L型、Y型、T型、W型、扁
平型、多角形型、多葉型、中空型や不定形型の様なもの
でもよい。
【0024】繊維の太さは、トータル繊度として、30
〜150dtexが好ましく、さらには50〜100d
texが好ましい。単糸繊度は0.5〜10dtexが
好ましく、さらには1〜6dtexの範囲が好ましい。
【0025】本発明におけるカバーファクターCFは、
次式で示されるものであり、数値が大きいほど高密度な
織物となる。 CF={√(D1)×M}+{√(D2)×N} D1:タテ糸の繊度(dtex) M :タテ糸の密度(本/2.54cm) D2:ヨコ糸の繊度(dtex) N :ヨコ糸の密度(本/2.54cm) そして本発明の裏地は、このカバーファクターCFが、
平織物使いで1550以上、ツイル織物使いで1800
以上とすることが重要である。カバーファクターが規定
する数値の未満になると、張り・腰が無くなり、更に
は、タテ糸およびヨコ糸がずれ易くなり、縫い目ずれが
発生する。また、曲げに対する柔らかさを考慮すると、
カバーファクターCFは、平織物で1900以下、ツイ
ル織物で2200以下とするのが好ましい。
【0026】本発明の裏地は、KES法による曲げ剛性
がタテ、ヨコとも0.030g・cm2/cm以下であ
ることが重要である。曲げ剛性が0.030g・cm2
/cmを超えると、柔らかさを得ることができない。一
方、曲げ剛性の下限値としては、好ましくは0.008
である。曲げ剛性は、次のように測定される。 (曲げ剛性)カトーテック(株)製のKES−FB2を
用いて、20cm×20cmの織物を有効試料長20c
m×1cmで把持し、最大曲率±2.5cm-1の条件下
で曲げたときの曲率が±0.5から±1.5cm-1の単
位幅当たりの曲げモーメント(g・cm/cm)の変化
分を曲率(cm-1)で除した値(g・cm2/cm)であ
る。すなわち、曲げモーメントの傾きを示す。この数値
が大きい程、曲げに対して硬くなる。
【0027】本発明の裏地は、KES法による曲げ回復
性がタテ、ヨコとも0.010g・cm/cm以下であ
ることが重要である。曲げ回復性が0.010g・cm
/cmを超えると、張り、腰を得ることができない。一
方、曲げ回復性の下限値としては、好ましくは0.00
05である。曲げ回復性は、次のように測定される。 (曲げ回復性)カトーテック(株)製のKES−FB2
を用いて、20cm×20cmの織物を有効試料長20
cm×1cmで把持し、最大曲率±2.5cm-1の条件
下で曲げたときの曲げモーメントをタテ軸として、曲率
をヨコ軸に記した往復ヒステリシス曲線において曲率が
±1.0cm-1での往復ヒステリシス曲線の幅の値(g
・cm/cm)である。この数値が大きい程、曲げ回復
性が低い。
【0028】従来のポリエステル系裏地においては、曲
げ柔らかさ(適度な曲げ剛性)と曲げ回復性を上記の様
に同時に満足することは不可能だったのである。その克
服については後述の製造方法にて説明する。
【0029】本発明の裏地は、フィラメントの表面に柔
軟仕上げ剤が付着していることが好ましい。柔軟剤を付
与することにより、さらに曲げ柔らかくなり、また曲げ
回復性も良くなり、しなやかな風合いが得られ好まし
い。柔軟剤としては、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹
脂、エステル系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹
脂等を用いることができるが、滑り性の点で特にシリコ
ーン系樹脂が好ましい。滑り性も、裏地として好適に望
まれる特性である。
【0030】従来は、シリコーン系樹脂を用いると、織
糸が滑り易くなり、縫い目ずれの問題が発生し易かった
が、本発明のカバーファクターの範囲とした高密度織物
では、これが問題ないレベルとなるという利点もある。
【0031】次に、本発明の裏地の製造方法について説
明する。本発明の裏地の製造方法では、ポリエステル系
フィラメントで構成された高密度の織物に、15〜30
%の減量加工を施すことが重要である。高密度織物に高
い減量率での減量加工を施すことにより、織糸の単糸間
およびタテ糸、ヨコ糸の交錯点に空隙を作ることがで
き、自由度が向上する。すると、高密度織物としての張
り・腰は保ちながらも、柔らかさを付与することが可能
となり、前述のように従来のポリエステル系裏地では両
立し得なかった、曲げ柔らかさと曲げ回復性を、同時に
満足させることができる。減量率が15%未満では、曲
げ硬くまた曲げ回復性も悪い。減量率が30%を超える
と、曲げ柔らかさはあるが、曲げ回復性が悪くなる。ま
た、縫い目ずれが発生する。減量率は、次式で算出す
る。 減量率(%)=100×(減量前の織物の質量−減量後
の織物の質量)/減量前の重量 。
【0032】15〜30%の減量加工を施すための、ポ
リエステル系フィラメントで構成された高密度の織物の
カバーファクターCFとしては、減量加工による繊度の
変化等を考慮して、平織物で1750以上、ツイル織物
で2000以上とする。そうすることにより、従来より
も高い減量率で減量加工しても織糸がずれにくく、縫い
目ずれを抑えることができる。また、曲げに対する柔ら
かさを考慮すると、減量加工前の段階のカバーファクタ
ーCFは、平織物で2100以下、ツイル織物で240
0以下とするのが好ましい。
【0033】また生機の段階でのカバーファクターも、
精練処理による収縮を考慮して、減量加工前の段階で上
記のカバーファクターになる様にする生機設計すること
になる。
【0034】以下、製造手順に沿って、本発明の裏地の
製造方法をより具体的に説明する。ただし、これらに限
定されることを示すものではない。製織は例えば、糊付
けしたタテ糸を用い、ウォータージットルームで行うこ
とができる。次いで、オープンソーパーで糊抜き・精練
処理する。
【0035】乾燥後、減量加工前にピンテンター等で熱
セットを行なうことが好ましい。織クリンプを熱固定す
ることで、前述のように減量加工により織糸の単糸間お
よびタテ糸、ヨコ糸の交錯点に空隙を作りやすくなるか
らである。熱セットの条件としては、170℃以上の乾
熱が好ましい。
【0036】次いで、液流染色機等を用いアルカリ減量
加工を行なう。減量加工は、連続減量加工法、液流減量
加工法、コールドバッチ減量加工法、吊り減量加工方法
等、任意な加工法を用いればよいが、風合いおよびコス
ト面から連続減量加工法または液流減量加工法が好まし
い。
【0037】減量加工後の染色加工としては、一般的な
ポリエステル系フィラメントで構成されている従来の裏
地の染色加工方法でよく、液流染色機、ジッカー染色
機、ビーム染色機、ウインス染色機等を用いることがで
きるが、品位および風合い面から液流染色機で染色する
ことが好ましい。染色条件としては、不要な収縮を抑え
てカバーファクターの制御を容易とするよう、前記熱セ
ットの条件との関係を考慮して設定すると良い。
【0038】その後、ピンテンター、クリップテンター
等で仕上セットする。この仕上セット時に柔軟剤をパッ
ディング等で付与すると良い。付与方法は特に限定はな
いが、設備の汎用性およびコスト面からパッディング後
キュアリングして固着させる方法が好ましい。仕上げセ
ットは、不要な収縮や緊張を抑えてカバーファクターの
制御を容易とするよう、なるべく有り幅・有り長さに固
定して行うのが好ましい。また、帯電防止剤、スリップ
防止剤等を柔軟剤と併用しても良い。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例で詳細に説明するが本
発明はこれらに限定されるものではない。 (測定方法) (1)曲げ剛性:前記と同じ (2)曲げ回復性:前記と同じ (3)縫い目ずれ:JIS L−1096滑脱抵抗力B
法の薄地測定法に準ずる。 (4)風合い官能試験 風合いについて、次の4段階で官能評価した。 ◎:柔らかく、反発性に優れたしなやかな風合い。 ○:柔らかいが、やや反発性に劣る。 △:やや粗硬な風合い。 ×:粗硬な風合い。
【0040】〔実施例1〕タテ糸に56dtex、単糸
数36本のポリエチレンテレフタレートの丸断面フィラ
メント糸をポリビニールアルコールで糊付けした糸を用
い、ヨコ糸に84dtex、単糸数36本のポリエチレ
ンテレフタレートの丸断面フィラメント糸を用い、平組
織でタテ密度116本/2.54cm、ヨコ密度85本
/2.54cmの織物を製織した。得られた織物をソフ
サーで糊抜きし、精練リラックス処理した後、乾燥し、
ピンテンターでタテ密度が131本/2.54cm、ヨ
コ密度が92本/2.54cmになるように190℃で
1分間プレセットした(プレセット後のカバーファクタ
ーCFは1824である)。その後、液流染色機で20
%の減量加工を施した。引き続き、液流染色機でグレー
に染色した。乾燥後パッダー付きのピンテンターで、シ
リコーン系の柔軟剤と帯電防止剤を付与し、180℃で
40秒間仕上セットを施し、タテ密度が131本/2.
54cm、ヨコ密度が92本/2.54cmの織物裏地
を得た。この裏地のタテ糸およびヨコ糸を分解して繊度
を測定したところ、タテ糸は50dtex、ヨコ糸は6
8dtexであり、カバーファクターは1684であっ
た。
【0041】なお、用いたシリコーン系の柔軟剤と帯電
防止剤は次のとおりである。 シリコーン系の柔軟剤:明成化学(株)製エレガノール
HS-1 3wt% 帯電防止剤:明成化学(株)製デレクトールLM-3 1wt
% 。 得られた織物裏地の曲げ剛性、曲げ回復性、縫い目ずれ
および風合い官能試験の評価を行ない表1に示す。柔ら
かく、反発性に優れたしなやかな風合いで、また、縫い
目ずれも実用上問題のない範囲のものであった。
【0042】[実施例2]タテ糸とヨコ糸の準備までは
実施例1と同様に、1/2ツイル組織でタテ密度164
本/2.54cm、ヨコ密度77本/2.54cmの織
物を製織した。得られた織物をソフサーで糊抜き、精練
リラックス処理した後、乾燥し、ピンテンターでタテ密
度が175本/2.54cm、ヨコ密度が85本/2.
54cmになるように190℃で1分間プレセットした
(プレセット後のカバーファクターCFは2089であ
る)。その後、液流染色機で22%の減量加工を施し
た。引き続き、液流染色機でグレーに染色した。乾燥後
パッダー付きのピンテンターで、シリコーン系の柔軟剤
と帯電防止剤を付与し、180℃で40秒間仕上セット
を施し、タテ密度が175本/2.54cm、ヨコ密度
が85本/2.54cmの織物裏地を得た。この裏地の
タテ糸およびヨコ糸を分解して繊度を測定したところ、
タテ糸は45dtex、ヨコ糸は62dtexであり、
カバーファクターCFは1843であった。
【0043】なお、用いたシリコーン系の柔軟剤と帯電
防止剤は、実施例1と同じである。得られた織物裏地の
曲げ剛性、曲げ回復性、縫い目ずれおよび風合い官能試
験の評価を行ない表1に示す。柔らかく、反発性に優れ
たしなやかな風合いで、また、縫い目ずれも実用上問題
のない範囲のものであった。
【0044】[比較例1]タテ糸とヨコ糸の準備までは
実施例1と同様に、平組織でタテ密度97本/2.54
cm、ヨコ密度75本/2.54cmの織物を製織し
た。得られた織物をソフサーで糊抜き、精練リラックス
処理した後、乾燥し、ピンテンターでタテ密度が104
本/2.54cm、ヨコ密度が82本/2.54cmに
なるように190℃で1分間プレセットした(プレセッ
ト後のカバーファクターCFは1413である)。その
後、液流染色機で11%の減量加工を施した。引き続
き、液流染色機でグレーに染色した。乾燥後パッダー付
きのピンテンターで、帯電防止剤を付与し、180℃で
40秒間仕上セットを施し、タテ密度が104本/2.
54cm、ヨコ密度が82本/2.54cmの織物裏地
を得た。この裏地のタテ糸およびヨコ糸を分解して繊度
を測定したところ、タテ糸は50dtex、ヨコ糸は7
5dtexであり、カバーファクターCFは1445で
あった。
【0045】なお、用いた帯電防止剤は、実施例1と同
じである。得られた織物裏地の曲げ剛性、曲げ回復性、
縫い目ずれおよび風合い官能試験の評価を行ない表1に
示す。粗硬な風合いのものであった。
【0046】[比較例2]タテ糸とヨコ糸の準備までは
実施例1と同様に、1/2ツイル組織でタテ密度146
本/2.54cm、ヨコ密度77本/2.54cmの織
物を製織した。得られた織物をソフサーで糊抜き、精練
リラックス処理した後、乾燥し、ピンテンターでタテ密
度が150本/2.54cm、ヨコ密度が82本/2.
54cmになるように190℃で1分間プレセットした
(プレセット後のカバーファクターCFは1874であ
る)。その後、液流染色機で10%の減量加工を施し
た。引き続き、液流染色機でグレーに染色した。乾燥後
パッダー付きのピンテンターで、帯電防止剤を付与し、
180℃で40秒間仕上セットを施し、タテ密度が15
0本/2.54cm、ヨコ密度が82本/2.54cm
の織物裏地を得た。この裏地のタテ糸およびヨコ糸を分
解して繊度を測定したところ、タテ糸は50dtex、
ヨコ糸は76dtexであり、カバーファクターは17
76であった。
【0047】なお、用いたシリコーン系の柔軟剤と帯電
防止剤は、実施例1と同じである。得られた織物裏地の
曲げ剛性、曲げ回復性、縫い目ずれおよび風合い官能試
験の評価を行ない表1に示す。やや粗硬な風合いのもの
であった。
【0048】[比較例3]比較例1において減量率を2
0%とした以外は、比較例1と同様に加工し、タテ密度
が104本/2.54cm、ヨコ密度が82本/2.5
4cmの織物裏地を得た。この裏地のタテ糸およびヨコ
糸を分解して繊度を測定したところ、タテ糸は46dt
ex、ヨコ糸は68dtexであり、カバーファクター
CFは1382であった。
【0049】得られた織物裏地の曲げ剛性、曲げ回復
性、縫い目ずれおよび風合い官能試験の評価を行ない表
1に示す。大きな縫い目ずれが発生した。
【0050】[比較例4]比較例2において減量率を2
0%とした以外は、比較例2と同様に加工し、タテ密度
が150本/2.54cm、ヨコ密度が82本/2.5
4cmの織物裏地を得た。この裏地のタテ糸およびヨコ
糸を分解して繊度を測定したところ、たて糸は45dt
ex、ヨコ糸は68dtexであり、カバーファクタァ
ーCFは1682であった。
【0051】得られた織物裏地の曲げ剛性、曲げ回復
性、縫い目ずれおよび風合い官能試験の評価を行ない表
1に示す。大きな縫い目ずれが発生した。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明によって、曲げ柔らかく、曲げ回
復性に優れたしなやかな風合いを有し、表地とのなじみ
がよく、また、縫い目ずれ問題のないポリエステル系フ
ィラメントから成る裏地を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A41D 31/00 A41D 31/00 502Q 503 503G D03D 1/00 D03D 1/00 Z D06M 11/38 D06M 15/643 15/643 101:32 // D06M 101:32 5/02 Z Fターム(参考) 3B035 AA23 AD02 AD03 4L031 AA18 AB32 BA11 CA01 DA01 DA02 DA05 DA06 4L033 AA07 AB05 AC02 AC15 CA48 CA56 CA59 4L048 AA20 AB07 BA01 CA12 CA15 DA06 EB00 EB04 EB05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タテ糸およびヨコ糸ともポリエステル系フ
    ィラメントで構成され、次式で示されるカバーファクタ
    ーCFが1550以上の平織物であり、KES法による
    曲げ剛性がタテ、ヨコとも0.030g・cm2/cm
    以下であり、かつ曲げ回復性がタテ、ヨコとも0.01
    0g・cm/cm以下であるポリエステル系裏地。 CF={√(D1)×M}+{√(D2)×N} D1:タテ糸の繊度(dtex) M :タテ糸の密度(本/2.54cm) D2:ヨコ糸の繊度(dtex) N :ヨコ糸の密度(本/2.54cm)
  2. 【請求項2】タテ糸およびヨコ糸ともポリエステル系フ
    ィラメントで構成され、次式で示されるカバーファクタ
    ーCFが1800以上のツイル織物であり、KES法に
    よる曲げ剛性がタテ、ヨコとも0.030g・cm2
    cm以下であり、かつ曲げ回復性がタテ、ヨコとも0.
    010g・cm/cm以下であるポリエステル系裏地。 CF={√(D1)×M}+{√(D2)×N} D1:タテ糸の繊度(dtex) M :タテ糸の密度(本/2.54cm) D2:ヨコ糸の繊度(dtex) N :ヨコ糸の密度(本/2.54cm)
  3. 【請求項3】フィラメントの表面に柔軟仕上げ剤が付着
    している請求項1または2記載のポリエステル系裏地。
  4. 【請求項4】柔軟仕上げ剤がシリコーン系樹脂を含む請
    求項1〜3のいずれか記載のポリエステル系裏地。
  5. 【請求項5】15〜30%の減量加工を施してなる請求
    項1〜4のいずれか記載の裏地。
  6. 【請求項6】タテ糸およびヨコ糸ともポリエステル系フ
    ィラメントで構成された、次式で示されるカバーファク
    ターCFが減量加工前の段階で1750以上の平織物
    に、15〜30%の減量加工を施すポリエステル系裏地
    の製造方法。 CF={√(D1)×M}+{√(D2)×N} D1:タテ糸の繊度(dtex) M :タテ糸の密度(本/2.54cm) D2:ヨコ糸の繊度(dtex) N :ヨコ糸の密度(本/2.54cm)
  7. 【請求項7】タテ糸およびヨコ糸ともポリエステル系フ
    ィラメントで構成された、次式で示されるカバーファク
    ターCFが減量加工前の段階で2000以上のツイル織
    物に、15〜30%の減量加工を施すポリエステル系裏
    地の製造方法。 CF={√(D1)×M}+{√(D2)×N} D1:タテ糸の繊度(dtex) M :タテ糸の密度(本/2.54cm) D2:ヨコ糸の繊度(dtex) N :ヨコ糸の密度(本/2.54cm)
  8. 【請求項8】柔軟仕上げ剤を付与する請求項6または7
    記載のポリエステル系裏地の製造方法。
  9. 【請求項9】柔軟仕上げ剤がシリコーン系樹脂を含む請
    求項6〜8のいずれか記載のポリエステル系裏地の製造
    方法。
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