JP2002308026A - 蓄電池の残存容量検査方法および装置 - Google Patents

蓄電池の残存容量検査方法および装置

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JP2002308026A
JP2002308026A JP2001114463A JP2001114463A JP2002308026A JP 2002308026 A JP2002308026 A JP 2002308026A JP 2001114463 A JP2001114463 A JP 2001114463A JP 2001114463 A JP2001114463 A JP 2001114463A JP 2002308026 A JP2002308026 A JP 2002308026A
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JP2001114463A
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Toshiyuki Sato
敏幸 佐藤
Hideto Nakamura
秀人 中村
Fumikazu Iwahana
史和 岩花
Tetsuya Kano
哲也 加納
Toru Mangahara
徹 萬ケ原
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Furukawa Electric Co Ltd
Furukawa Battery Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Furukawa Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DC/DCコンバータを介して接続された第
1および第2の蓄電池を有する2電源システム車両にお
いて負荷変動に起因して第1蓄電池から負荷への突入電
流が流れた場合に第1蓄電池の電圧変化の緩慢状態でも
第1蓄電池1の残存容量を算出可能にする。 【解決手段】 測定した前記第1蓄電池の放電電流の変
化を検出したときその放電電流から前記第1蓄電池の時
定数を算出し、該算出した時定数、測定した電流変化直
前の前記第1蓄電池の電圧および測定した前記第1蓄電
池の経時的な電圧変化から収束電圧を算出し、該算出し
た収束電圧を用いて前記第1蓄電池の残存容量を算出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車など車両に
搭載する蓄電池の残存容量を検査する方法およびその装
置に関するものである。より特定的には、本発明は、主
蓄電池(第1蓄電池)と補助蓄電池(第2蓄電池)とが
DC/DCコンバータなどのスイッチング方式電圧変換
手段で接続されて負荷に給電する2電源システム車両に
おいて、負荷が急変した場合に突入電流が流れ、主蓄電
池の電池電圧が過渡的に変化する場合でも、主蓄電池
(第1蓄電池)の残存容量を測定可能にした蓄電池の残
存容量検査方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高電圧負荷系統と低電圧負荷系統とを有
し、そのために2種の電源を有する2電源システム車両
が知られている。そのような2電源システム車両におい
ては、主蓄電池(第1蓄電池)から低電圧負荷系統用の
電圧を発生させるため、DC/DCコンバータなどのス
イッチング式電圧変換手段を有しており、また、スイッ
チング方式電圧変換手段を停止した場合に低電圧系統へ
給電がなくなることを防止するために、主蓄電池の他
に、バックアップ用の補助蓄電池(第2の蓄電池)が装
備されている。
【0003】このような2電源システム車両において、
車両の走行時はオルタネータから負荷に給電されている
が、車両の停止時にはオルタネータの発電能力が低下
し、負荷がオルタネータの発電能力を超えるような場合
には、主蓄電池からも負荷へ給電が行われる。この停止
時に、通常、エンジンは動作しており、アイドリング状
態と呼ばれる。
【0004】最近、停止時間が長くなる場合など停止時
に消費する燃料(例えば、ガソリン)や排出ガスを削減
するため、エンジンなどを停止するアイドリングストッ
プ処理を行うことが試みられている。しかしながら、ア
イドリングストップを行う前に、アイドリングストップ
後にエンジンを再始動可能な電源容量(残存容量)が蓄
電池に存在するか否かをチェックする必要がある。も
し、無条件にアイドリングストップし、その後、エンジ
ンを再始動できなかった場合には、車両か交差点などで
立ち往生して、交通の障害を起こしたり、事故に繋がる
可能性もある。
【0005】2電源システム車両においてアイドリング
ストップ機能を実施する場合、特に、エンジンの再始動
に使用される第1蓄電池の残存容量を検査してアイドリ
ングストップが可能か否かをチェックする必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】2電源システム車両に
おいて、低電圧負荷系統に接続された負荷が動作した場
合で、特にランプ負荷の様に低抵抗状態の負荷が動作し
た直後の非常に大きな突入電流が流れる様な負荷の場
合、そのような急激な電流変化にDC/DCコンバータ
の応答性が追従できず、その出力ではこれらの突入電流
に対応できないため、低電圧の第2の蓄電池から負荷に
突入電流が流れることとなる。換言すれば、高電圧の第
1蓄電池からは低電圧負荷の突入電流に対応した電流が
低電圧負荷に流れず、突入電流が流れた後の定常的な電
流のみが流れることとなる。このような場合、第1の蓄
電池の電池電圧の変化は、非常にゆっくり変化すること
となる。この様な電池電圧が緩慢に変化している時の第
1蓄電池の電圧値を測定して残存容量の検査に使用した
場合、収束すべき電圧値との差電圧分だけ、第1の蓄電
池の残存容量を算出する場合に誤差が生じる問題があ
る。
【0007】本発明はまず、上述した蓄電池を2つ搭載
した2電源システム車両における負荷変動に起因する電
池電圧の過渡状態においても、第1蓄電池の残存容量を
正確に測定可能な蓄電池の残存容量検査方法および装置
を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、上
述した2電源システム車両がアイドリングストップ処理
を行う場合、上述した負荷変動に起因する電池電圧の過
渡状態に応じて算出した残存容量をアイドリングストッ
プの判定に適用する蓄電池の残存容量検査方法と装置を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決して
上記目的を達成するために、本願発明者が鋭意検討を重
ねた結果、以下のような発明に至った。
【0009】車載の蓄電池の単体の残存容量の従来の検
査方法の考察 まず、本願発明者は、車両に搭載された単独の蓄電池の
残存容量を簡便かつ、アイドリングストップの判断に適
用可能な範囲である程度の正確さが測定する方法を考察
した。
【0010】本願発明者の調査によれば、単独の蓄電池
の残存容量を検査する方法は種々提案されていることが
判った。しかしながら、そのような方法には一長一短が
あることを見いだした。以下、そのような蓄電池の残存
容量を測定する方法、特に、車両に搭載した蓄電池の残
存容量を短時間で測定する方法の概要を述べる。
【0011】蓄電池を短時間で検査する第1の方法とし
て、蓄電池の内部インピーダンスを測定する方法が知ら
れている。たとえば、特許公報第2536257号に
は,鉛蓄電池の内部インピーダンスの測定結果を、鉛蓄
電池のインピーダンス成分L,電解液抵抗RΩ,電荷移
動抵抗Rct,電気二重層容量Cd ,ワールブルグインピ
ーダンスW,ワールブルグ計数σからならなる等価回路
に当てはめて最適解を求め、インピーダンス成分L,電
解液抵抗RΩ,電荷移動抵抗Rct,電気二重層容量Cd
,ワールブルグインピーダンスW,ワールブルグ計数
σの少なくとも一つを、初期の値と比較することで、蓄
電池の寿命、換言すれば、残存容量を判定する方法が記
載されている。しかしながら、特許公報第253625
7号の方法を、自動車などの車両に搭載された鉛蓄電池
の状態の検査に用いる場合、エンジンの回転に伴って稼
働している発電機の影響、並びに、自動車に搭載された
装備の負荷変動の影響で、鉛蓄電池の内部インピーダン
スの正確な測定が困難になり、その結果として,鉛蓄電
池の状態の検査が困難になるという問題があることが判
った。さらに、特許公報第2536257号の方法を実
現する装置は、かなり大きく、高価なものになることが
予想され、寸法および価格的に自動車に搭載するには好
ましくないという問題が起こることが判った。
【0012】蓄電池の残存容量を短時間で検査する第2
の方法として、蓄電池から放電または充電される電流値
を常時測定し、その電流測定値を積算することで、蓄電
池の残存容量を求める方法(以下、電流積算法)が知ら
れている。しかしながら,電流積算法においては、電流
値の測定誤差により積算値の誤差が次第に大きくなり、
蓄電池の状態が正確に求めることができなくなるという
問題点が起こることが判った。
【0013】そのような電流積算法を修正する方法の1
つとして、適切なタイミングで、別の手法によって蓄電
池の残存容量を測定し、その測定値と電流の積算によっ
て求めた残存容量の値を互いに参照して、残存容量の修
正を行う方法が知られている。
【0014】電流積算法における残存容量の修正を行う
他の方法として,特許公報第2791751号に開示さ
れた方法が知られている。特許公報第2791751号
に開示されている方法は,電気自動車用鉛蓄電池の残存
容量を電流積算法で検査する方法であり,満充電完了時
及び走行中の一時停止時に内部インピーダンスの測定を
行い、内部インピーダンスから導出する放電率によっ
て、電流積算法で求めた蓄電池の残存容量の値を補正す
る方法である。特許公報第2791751号に開示され
ているこの方法は、自動車用鉛蓄電池の残存容量の検査
法として有用な方法であるが、電流積算法による測定に
加えて、内部インピーダンスによる測定も実施する必要
があり、この方法を実施する測定装置を製造した場合、
コストが嵩み、大量に生産する自動車に搭載するには適
当でないという問題点があることが判った。
【0015】電流積算法における残存容量の修正を行う
他の方法として,特開平9−171065号公報に開示
された方法が知られている。特開平9−171065号
公報に開示されている方法は,電気自動車用蓄電池の残
存容量を電流積算法で検出する方法において、予め、特
定の放電電流値での定電流放電における、端子電圧と残
存容量のデータテーブルを用意しておき、自動車走行中
に、前記特定の放電電流値が一定時間継続したことを検
知し、その時の蓄電池の端子電圧を測定し、測定した端
子電圧を前記データテーブルに参照することで、蓄電池
の残存容量を求め、電流積算法で求めた蓄電池の残存容
量の値を補正する方法である。この方法は、電気自動車
に用いる蓄電池の残存容量の検査法としては、有用な方
法である。すなわち、特開平9−171065号公報に
記載されているように、電気自動車においては、その車
両が常用する走行速度での放電電流値を、上記の特定の
放電電流値とすることで、蓄電池の残存容量を求める機
会が多くなるためである。しかしながら、通常の自動車
においては,上記の特定の放電電流値を適切に設定する
ことが困難になるという問題点がある。すなわち,通常
の自動車においては、自動車走行中に、頻繁に一定時間
継続するような特定の電流値が出現する機会が少ないの
で、蓄電池の残存容量を求める機会が極めて少なくな
る。
【0016】この問題を解決する方法としては、端子電
圧と残存容量のデータテーブルを複数個用意し、複数の
電流値で、残存容量の判定ができるようにすることを考
えることができる。しかしながら、この方法を実現する
ためには、極めて大きなデータを用意することが必要に
なり、従って、コストが嵩み、大量に生産する自動車に
搭載するには適切でないという問題があることが判っ
た。
【0017】また電気自動車用鉛蓄電池の様に専用の蓄
電池であれば、ユーザーにより交換されることはまずな
いと考えられるが、大量生産する自動車用の蓄電池の場
合には、いつどの様な蓄電池に交換されるのか分からな
い。従って、上述の公知例の様に電流積算法によって残
存容量を計算することを主としている場合には、蓄電池
が交換される時、交換前の蓄電池で求めていた残存容量
値が使用できず、正確な残存容量を求められないという
問題点があることが判った。
【0018】過渡状態における蓄電池の残存容量の算定
に対する対策 上述した方法は単体の蓄電池の残存容量を算出する方法
であるが、第1蓄電池と第2蓄電池とがDC/DCコン
バータなどのスイッチング方式電圧変換手段を介して接
続されている2電源システム車両においては、上述した
ように、電池電圧の過渡状態における測定の困難さに遭
遇する。そこで本願発明者は下記の方法を考案した。
【0019】図2は負荷が変動したときに蓄電池、特
に、第1蓄電池の端子電圧の変化を図解したグラフであ
る。図2において、横軸は時間経過を示し、縦軸は蓄電
池の端子電圧の変化を示す。図2は、時間t0において
負荷変動が起きたとき、第2の蓄電池から突入電流が流
れ、第1蓄電池の端子電圧はV0からV1に急激に低下
するが、突入電流が流れた後に電流が定常的な値になる
と第1蓄電池の端子電圧はV1から緩やかに低下してい
き、最終的には一定の電圧(収束電圧)V∞になること
を図解している。この様な第1の蓄電池の端子電圧Vは
下記式で表すことができる。
【0020】
【数3】
【0021】式1において、τは蓄電池の時定数であ
り、蓄電池の静電容量をC、蓄電池の等価放電抵抗値を
Rとすると、τ=C×Rで規定される。このように、時
間t0で電流が変化した直後の電圧V1と、収束電圧V
∞と、時定数τが規定されていれば、任意の時間tにお
ける蓄電池の電圧Vが一義的に求まる。逆に、この関係
式1を利用して収束電圧V∞を推定することができる。
式1を収束電圧V∞を求める式に変形すると下記式2に
なる。
【0022】
【数4】
【0023】電圧V1として、電流変化直後に測定した
蓄電池の端子電圧を使用する。時定数τは下記の様な仮
定で規定する。時定数τはτ=C×Rで規定されるか
ら、Cは蓄電池の静電容量を使用し、Rは蓄電池の変化
前の端子電圧V0を蓄電池から流れる電流Iで除して求
める。たとえば、蓄電池の変化前の端子電圧V0を36
Vと仮定すると、R=36/Iとなり、τ=36・C/
Iとなる。したがって、式2は下記式3として表すこと
ができる。
【0024】
【数5】
【0025】式3から電流変化からの経過した時間tと
蓄電池の端子電圧Vを使用して、収束電圧V∞を推定す
ることができる。このようして推定した収束電圧V∞を
用いると、電池電圧の過渡状態においても蓄電池の残存
容量を算出することができる。
【0026】以上をまとめると、本発明の蓄電池の残存
容量検査方法は、図3に図解したように、(1)蓄電池
の放電電流を測定し、放電電流が変化した場合におい
て、放電電流値に従って蓄電池の時定数を仮定し(推定
し)、変化前の蓄電池の電圧と、緩慢に変化している電
圧と、推定した時定数から収束する電圧値を推定する工
程と、(2)その後、推定した収束電圧値を蓄電池単体
の残存容量を算出するときに使用する端子電圧として基
本の残存容量を推定する工程と、(3)さらに蓄電池の
電流積算値で推定した残存容量を補正して蓄電池の最終
的な残存容量を算出する工程とを有する。必要に応じて
は、本発明の蓄電池の残存容量検査方法は、(4)蓄電
池の温度を測定して算出した残存容量の温度補正を行う
工程を有する。
【0027】また本発明の蓄電池の残存容量検査装置
は、図4に図解したように、(1)蓄電池の放電電流を
測定し、放電電流が変化した場合において、放電電流値
に従って蓄電池の時定数を仮定し(推定し)、変化前の
蓄電池の電圧と、緩慢に変化している電圧と、推定した
時定数から収束する電圧値を推定する手段と、(2)推
定した収束電圧値を蓄電池単体の残存容量を算出すると
きに使用する端子電圧として基本の残存容量を推定する
手段と、(3)さらに蓄電池の電流積算値で推定した残
存容量を補正して蓄電池の最終的な残存容量を算出する
手段とを有する。必要に応じては、本発明の蓄電池の残
存容量検査装置は、(4)蓄電池の温度を測定して算出
した残存容量の温度補正を行う手段を有する。
【0028】好ましくは、このようにして算出した残存
容量について、図3および図4に図解したように、下記
に述べるアイドリングストップ可能か否かの判定を行う
工程と手段とを有する。
【0029】アイドリングストップの評価基準 アイドリングストップの評価基準として、本発明にあっ
ては、従来のように残存容量の絶対値または満充電と残
存容量との比率を求めることはせず、残存容量に少なく
とも、第1および第2の水準、好ましくは、さらに1〜
3水準の残存容量判断水準を設けておき、被検査蓄電池
の残存容量がどの水準にあるかを判定する。残存容量の
絶対値または満充電と残存容量との比率を求める、従来
の蓄電池の残存容量の検査方法に比較して、本発明のよ
うに、2〜5段階の水準のどの水準にあるかを判定する
だけに機能を絞り込んだ蓄電池の残存容量の検査方法
は、装置の簡略化が可能で、価格を低くでき、場合によ
っては、装置の寸法を小さくでき、車両に搭載する場合
など、実用上の効果が極めて高いものになる。
【0030】第1の水準は、自動車のエンジン始動に必
要な容量であり、第2の水準は自動車のエンジン始動に
必要な容量と特定時間アイドリングストップした際に必
要とされる容量を加えた容量である。この2水準を必須
とし、必要に応じて、第2の水準の容量より大きい容量
の水準を1〜3水準加えることが実用上好ましい。
【0031】第1水準を規定した理由は、アイドリング
ストップ機能を有する自動車にあっては、走行中の一時
停止中にエンジンを停止するので、従って、一時停止か
ら再び走行を開始する際に、エンジンを再始動する必要
があり、その際に必要なエネルギーが蓄電池に残されて
いないと、走行に支障をきたすためである。
【0032】第2水準を規定した理由は、アイドリング
ストップ機能を有する自動車にあっては、走行中の一時
停止時にエンジンを停止することが可能であるが、エン
ジンを停止する直前に、エンジンを停止することの判断
を行う必要があるためである。エンジンを停止する判断
を行うためには、エンジン停止後に再び走行を開始する
際のエネルギーと、エンジンを停止してからエンジンを
再び始動するまでの間に、自動車の装備を稼働されるた
めに必要なエネルギーを加えたエネルギーが蓄電池に残
されていないと、走行に支障をきたすためである。
【0033】エンジンを停止してからエンジンを再び始
動するまでの間に、自動車の装備を稼働されるために必
要なエネルギーを求めるためには、エンジンを停止して
からエンジンを再び始動するまでの時間、即ち、アイド
リングストップを行う時間が必要である。また、アイド
リングストップ中に稼働される自動車装備の必要電力量
が必要である。しかしながら、アイドリングストップ前
に、上記した時間、並びに、上記した電力量を求めるこ
とは困難である。そこで、所定時間アイドリングストッ
プした際に必要とされる特定の容量、並びに、特定され
る時間を、前もって決めておくことが必要である。
【0034】アイドリングストップの時間が上記特定さ
れる時間を超えた場合、及び/または、アイドリングス
トップ中に使用した容量が上記特定の容量を超えた場
合、エンジン再始動のエネルギーが不足して、走行に支
障をきたすことが考えられる。そこで、アイドリングス
トップの時間が上記特定される時間を越える以前、及び
または、アイドリングストップ中に使用した容量が上記
特定の容量を超える以前に、蓄電池の容量の減少を抑え
る方法を備えることが好ましい。
【0035】蓄電池の容量の減少を抑える方法として
は、常用の方法を用いることができ、特に規定はしない
が、その一例を挙げれば、エンジンを再始動することで
あり、また、稼働中の装備の一部を停止することであ
る。
【0036】自動車の蓄電池の残存容量を判定する場
合、測定できる環境が限定されるものがある。例えば、
一般に、蓄電池の内部インピーダンスを測定することで
該蓄電池の残存容量を判定する手段にあっては、エンジ
ン稼働中、特にエンジンの回転を利用して発電を行う発
電機が稼働している際には、蓄電池の内部インピーダン
スの測定が困難になり、従って、該蓄電池の残存容量の
判定が困難になる手段がある。このような手段を用いた
場合、蓄電池の容量に関して、第1,第2の判定手段し
か持たない場合、蓄電池の残存容量の判定のための測定
を行うことができない環境が長時間継続すると、例え
ば、電流積算値で残存容量の補正を行った場合であって
も、測定誤差などの影響で、蓄電池の容量の水準の判定
が不正確になってしまうことが考えられる。例えば、あ
る局面で第2の水準にあると判定された蓄電池を搭載し
た自動車が、その後、渋滞などの環境で走行したため
に、蓄電池からの放電の状態が長く続き、その後、停止
した時、その時の蓄電池の容量が、第2水準にあるか、
または第2の水準を下回っているか判断が困難になり、
従って、アイドリングストップの判断が困難になること
が考えられる。このような場合、第2の水準より大きな
容量の水準を1〜3水準持つことが効果的である。例え
ば、第2の水準より大きな容量の第3の水準を設定した
場合、第3の水準にあると判定された蓄電池を搭載した
自動車が、上記した例のように、渋滞などの環境で走行
したために、蓄電池からの放電の状態が長く続き、その
後、停止した時、第2と第3の水準の差の容量と、前記
の状態での放電量の推定値を比較することで、第2の水
準にあるか否かの判断が容易になる。
【0037】本発明において、第2の水準より大きな容
量の水準は1〜3水準が好ましい。第2の水準より大き
な容量の水準を4水準以上にして、合計6水準以上の容
量の判定を行うものとすると、判定に係わる装置が複雑
化し、従って、コストが高くなり、実用上の効果が薄れ
てしまうことが考えられる。
【0038】したがって、本発明の第1の観点によれ
ば、スイッチング方式電圧変換手段を介して接続されて
いる第1の蓄電池および第2の蓄電池とを有する2電源
システム車両の第1蓄電池の残存容量を検査する方法で
あって、測定した前記第1蓄電池の放電電流の変化を検
出したときその放電電流から前記第1蓄電池の時定数を
算出し、該算出した時定数、測定した電流変化直前の前
記第1蓄電池の電圧および測定した前記第1蓄電池の経
時的な電圧変化から収束電圧を算出し、該算出した収束
電圧を用いて前記第1蓄電池の残存容量を算出する蓄電
池の残存容量検査方法が提供される。
【0039】また好ましくは、前記第1蓄電池の残存容
量が少なくとも下記の2水準のいずれかの容量以内であ
るか否かを判定する。 第1水準:車両のエンジン始動に必要な容量、 第2水準:車両のエンジン始動に必要な容量と所定時間
アイドリングストップした際に必要とされる容量を加え
た容量。
【0040】また本発明の第2の観点によれば、上記蓄
電池の残存容量検査方法を実施する蓄電池の残存容量検
査装置が提供される。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明の蓄電池の残存容量検査方
法およびその装置の実施の形態について、添付図面を参
照して下記に述べる。
【0042】第1実施の形態 本発明の第1実施の形態の蓄電池の残存容量検査方法お
よび装置について述べる。図5は本発明の実施の形態の
アイドリングストップ機能を有する2電源システム車両
に搭載された装備の構成図である。図5に図解した自動
車には、主蓄電池としての第1蓄電池1と、補助蓄電池
としての第2蓄電池2と、スイッチング方式電圧変換手
段の1例としてのDC/DCコンバータ3とが搭載され
ている。このように、本実施の形態においては、第1蓄
電池1と第2蓄電池2とがDC/DCコンバータ3を介
して接続された2電源システム車両であり、後述するよ
うにアイドリングストップを行う2電源システム車両で
ある。本実施の形態においては、特に、第1蓄電池1の
残存容量の検査(測定)を行う。
【0043】第1蓄電池1はたとえば、36V蓄電池で
あり、第2蓄電池2はたとえば、12V蓄電池である。
換言すれば、第1蓄電池1を高圧電源用蓄電池と呼び、
第2蓄電池2を低圧電源用蓄電池と呼ぶこともできる。
【0044】第1蓄電池1は高圧給電線21に接続され
ており、高圧給電線21には、DC/DCコンバータ
3、オルタネータ4、スタータ5、高電圧負荷6が接続
されている。高電圧負荷6は、たとえば、36V系の電
圧で動作する負荷である。第2蓄電池2は低圧給電線2
2に接続されており、低圧給電線22には、DC/DC
コンバータ3と、低電圧負荷7とが接続されている。低
電圧負荷7は、たとえば、12V系の電圧で動作する負
荷である。
【0045】第1の充電状態判定装置11と、アイドリ
ングストップ処理手段12と、第2の充電状態判定装置
13とに、DC/DCコンバータ3及び低圧給電線22
を介して、第1の蓄電池1から給電される。ここで、低
電圧負荷7がDC/DCコンバータ3の供給能力を超え
た時には、前述の装置に第2の蓄電池から供給される。
したがって、第1の充電状態判定装置11、アイドリン
グストップ処理手段12および第2の充電状態判定装置
13も第2蓄電池2の負荷の1種であるが、本実施の形
態において、これに負荷変動は起きないものと仮定す
る。
【0046】第1蓄電池1の残存容量の演算の基本は、
図7に図解したように、第1の充電状態判定装置11に
おいて、第1蓄電池1の放電電流及び端子電圧を測定
し、予め2〜5の判定水準ごとにそれぞれの水準の容量
に対応する、放電電流値と端子電圧値を関係づけたデー
タテーブルを参照して残存容量を推定する。必要に応じ
て、電流積算値で推定した残存容量を補正する。したが
って、第1蓄電池1に接続されている高圧給電線21に
は第1電流センサ31と第1の電圧測定計32とが設け
られている。第1電流センサ31は、たとえば、電流検
出用回路であり、第1蓄電池1に流れる電流を検出し
て、検出した電流測定値を第1の充電状態判定装置11
に入力する。第1の電圧測定計32は第1蓄電池1の端
子電圧を測定して、測定した端子電圧を第1の充電状態
判定装置11に入力する。第1蓄電池1には、好ましく
は、その動作温度を測定するための第1の温度センサ3
3が設置されている。第1の温度センサ33は、たとえ
ば、測温抵抗体を用いており、第1蓄電池1の温度に応
じて抵抗値が変化し、その抵抗値の変化から、たとえ
ば、公知のブリッジ回路を用いて第1蓄電池1の温度を
算出することができる。第1の温度センサ33の検出温
度信号は第1の充電状態判定装置11に入力される。た
だし、残存容量について温度補正を行わない場合は、第
1の温度センサ33を設ける必要はない。
【0047】第1の充電状態判定装置11は、第1電流
センサ31および第1の電圧測定計32の測定値を入力
して第1蓄電池1の残存容量を算出する。ただし、第1
の充電状態判定装置11は、詳細を後述するように、負
荷変動に対して収束電圧V∞を求めてそれを端子電圧と
して残存容量を算出する。第1の充電状態判定装置11
は必要に応じて、第1の温度センサ33の測定温度を入
力して第1電流センサ31および第1の電圧測定計32
の測定値から求めた残存容量について温度補正を行う。
このような各種の演算を行う第1の充電状態判定装置1
1は、コンピュータ、たとえば、マイクロコンピュータ
を用いて実現することが望ましい。
【0048】第2蓄電池2の残存容量の演算を、第1蓄
電池1の残存容量の演算と同様に、第2の充電状態判定
装置13で行う場合、第2蓄電池2の残存容量の演算の
基本も、図7に図解したように、第2蓄電池2の放電電
流及び端子電圧を測定し、予め2〜5の判定水準ごとに
それぞれの水準の容量に対応する、放電電流値と端子電
圧値を関係づけたデータテーブルを参照して残存容量を
推定する。必要に応じて、電流積算値で推定した残存容
量を補正する。したがって、第2蓄電池2に接続されて
いる低圧給電線22には第2電流センサ41と第2の電
圧測定計42とが設けられている。第2電流センサ41
は、第1電流センサ31と同様、たとえば、電流検出用
回路であり、第2蓄電池2に流れる電流を検出して、検
出した電流測定値を第2の充電状態判定装置13に入力
する。第2の電圧測定計42は第2蓄電池2の端子電圧
を測定して、測定した端子電圧を第2の充電状態判定装
置13に入力する。第2蓄電池2にはその動作温度を測
定するための第2の温度センサ43が設置されている。
第2の温度センサ43は、第1の温度センサ33と同
様、、たとえば、測温抵抗体を用いており、第2蓄電池
2の温度に応じて抵抗値が変化し、その抵抗値の変化か
ら、たとえば、公知のブリッジ回路を用いて第2蓄電池
2の温度を算出することができる。第2の温度センサ4
3の検出温度信号は第2の充電状態判定装置13に入力
される。ただし、残存容量について温度補正を行わない
場合は、第2の温度センサ43を設ける必要はない。こ
のような各種の演算を行う第2の充電状態判定装置13
は、コンピュータ、たとえば、マイクロコンピュータを
用いて実現することが望ましい。
【0049】第2蓄電池2の残存容量の算出は本発明の
主題ではなく、第2蓄電池2の残存容量を算出するとし
ても、公知の種々の方法を適用することができる。その
ような方法に準じて、第2電流センサ41、第2の電圧
測定計42、第2の温度センサ43を設ける。たとえ
ば、電流積算法を適用して第2蓄電池2の残存容量を算
出する場合は第2電流センサ41のみ設け、第2の電圧
測定計42は設ける必要がない。本実施の形態において
は、第1蓄電池1の残存容量の算出を第1蓄電池1の残
存容量の算出方法で行う場合について述べる。
【0050】第1の充電状態判定装置11は、第1電流
センサ31および第1の電圧測定計32の測定値を入力
して第1蓄電池1の残存容量を算出する。また、第1の
充電状態判定装置11は必要に応じて、第1の温度セン
サ33の測定温度を入力して第1電流センサ31および
第1の電圧測定計32の測定値から求めた残存容量につ
いて温度補正を行う。
【0051】アイドリングストップ処理手段12は第1
の充電状態判定装置11で算出した第1蓄電池1の残存
容量に基づいて、スタータ5を停止させるアイドリング
ストップを行うか否かを判定してアイドリングストップ
可能な場合は、スタータ5を停止させ、車両の再始動の
ときスタータ5を再始動させる。
【0052】オルタネータ4は車両が走行しているとき
高電圧負荷6に給電を行い、第1蓄電池1を充電させ、
DC/DCコンバータ3を介して低圧給電線22に接続
されている負荷、すなわち、低電圧負荷7、第1の充電
状態判定装置11、アイドリングストップ処理手段12
および第2の充電状態判定装置13に給電を行う。第1
蓄電池1は車両がアイドリングストップしているとき、
オルタネータ4に代わって高電圧負荷6に給電を行い、
DC/DCコンバータ3を介して低圧給電線22に接続
されている負荷、すなわち、低電圧負荷7、第1の充電
状態判定装置11、アイドリングストップ処理手段12
および第2の充電状態判定装置13に給電を行う。
【0053】DC/DCコンバータ3は、公知のスイッ
チング方式電圧変換手段であり、オルタネータ4または
第1蓄電池1から高圧給電線21に印加された高い電
圧、たとえば、36V系の電圧を、低圧給電線22に接
続された負荷のための低電圧、たとえば、12V系の電
圧に変換する。
【0054】収束電圧V∞の推定 図5に図解した2電源システム車において、図2を参照
して述べた原理に従って、第1の充電状態判定装置11
において、第1電流センサ31および第1の電圧測定計
32で測定したデータをもとに、収束電圧が推定可能で
あるか否かの確認を行った。図6に測定データの1例を
示す。図6に図解した測定データは、図5に図解した2
電源システム車がアイドリングストップを行っている時
のものである。図5において、曲線CVは蓄電池の端子
電圧の変化を示し、曲線CIは放電電流の変化を示す。
電装負荷の状態は、低電圧負荷7であるブレーキランプ
をオンとしている状態で(約67.5秒までで)、追加
してリアヒーターをオンとした(約67.5秒以降)。
【0055】図6より、ブレーキオンの状態では電流値
が6Aであったものが、時間t0(約67.5秒)で、
ブレーキランプをオンとしたとき、曲線CIにおいてx
xxと図解したように、急激に、電流値が12Aに増加
している。この時の第1蓄電池1としての36V電池の
電圧変化は、時間t0において、曲線CVにおいて、・
・・として図解したように、37.5Vまでは瞬間的に
低下したが、その後は電流値の変化には追随しておら
ず、比較的ゆっくり低下している。この様な電圧変化に
対して、第1の充電状態判定装置11において、収束電
圧V∞の推定を行った。
【0056】すなわち、第1の充電状態判定装置11に
おいて、式2または式3に、事前に求めた第1蓄電池1
としての36V蓄電池の静電容量Cと過渡現象が起こる
前の第2の電圧測定計42で測定した端子電圧の初期値
V0を代入して、各測定時間毎の収束電圧V∞の推定値
を求めた。本例示において、事前に求めた第1蓄電池1
の静電容量Cは1.0(F)である。図6より、曲線C
Veで示した収束電圧V∞の推定値は、非常に良く収束
電圧V∞を示していることが判る。
【0057】本例示のデータにおける測定条件として
は、第1蓄電池1の設定電流値は5Aで、設定変動幅は
±0.5A、設定継続時間は0.5秒とした。従って、
第1蓄電池1の電流が6Aから12Aに急激に変化して
0.5秒経過後の約68秒の時点の測定データが最初の
残存容量判定に使用されるデータとなる。68秒時点で
の第1の電圧測定計32による測定電圧値は37.45
Vであり、第1の充電状態判定装置11で演算した結
果、収束電圧推定値は37.20Vとなった。この様
に、第1の充電状態判定装置11において演算した収束
電圧V∞と実測した収束電圧値V∞とがほぼ一致してい
ることがわかる。
【0058】図7は放電電流値と端子電圧値を関係づけ
たグラフである。図7に図解したように、第1蓄電池1
について予め用意した、3つの判定水準の容量として、
たとえば、第1水準=18Ah、第2水準=15Ah、
第3水準=10Ahに対応する放電電流値と端子電圧値
を関係づけたデータテーブルを第1の充電状態判定装置
11に記憶しておき、第1の充電状態判定装置11にお
いて、このデータテーブルに上記した第1電流センサ3
1による計測時の放電電流値12Aを対応づけてそれぞ
れの判定水準の第1蓄電池1の端子電圧値を読み出し
た。そして、第1の充電状態判定装置11において読み
出した、各判定水準に対応する端子電圧値と、上記第1
の電圧測定計32による測定電圧値および第1の充電状
態判定装置11において算出した収束電圧値と比較する
ことにより、残存容量の水準判定を行った。
【0059】第1水準は、上述したように、自動車のエ
ンジン始動に必要な容量であり、第2の水準は自動車の
エンジン始動に必要な容量と特定時間アイドリングスト
ップした際に必要とされる容量を加えた容量である。
【0060】したがって、低電圧負荷7などの負荷変動
による突入電流の発生によって、第2蓄電池2より突入
電流が流れるとともに、DC/DCコンバータ3の応答
性の遅延により第1蓄電池1の電圧が急激に変化しない
場合でも、第1の充電状態判定装置11において収束電
圧V∞を推定し、その収束電圧V∞を用いて、図7に図
解した関係から、収束電圧V∞を用いて第1蓄電池1の
残存容量を推定することができる。第1の充電状態判定
装置11には、たとえば、第1蓄電池1について図7に
図解した予め2〜5の判定水準ごとにそれぞれの水準の
容量に対応する、放電電流と端子電圧値の関係がデータ
テーブルとして記憶されており、放電電流値に対応する
各判定水準毎の電圧値と収束電圧V∞を比較することに
より、残存容量の水準判定が可能となる。
【0061】さらに本実施の形態においては、第1の充
電状態判定装置11において、下記式4による補正を行
うことにより残存容量値を求めた。
【0062】
【数6】
【0063】第1の充電状態判定装置11において、第
1電流センサ31による測定電流Iを12Aとして、式
4に電圧値を代入して蓄電池の残存容量の補正値を求め
た。その結果、測定電圧値である37.45Vの場合に
は残存容量が16.9Ahと求められ、収束電圧推定値
である37.20Vの場合には残存容量18.0Ahと
計算された。これらのデータを行った直後に第1蓄電池
1の放電試験を行って、残存している電池容量の実測値
を求めたところ、18.2Ahであった。このように、
収束電圧推定値を用いた方が、放電電流の変化に追随し
ない電圧値を用いるよりも、非常に精度良く残存容量の
補正値を求めることが可能となる。
【0064】このようにして算出した第1蓄電池1の残
存容量について、必要に応じて第1電流センサ31で測
定した電流を積算した結果で補正を行う。すなわち、第
1の充電状態判定装置11は、上述した収束電圧V∞を
用いて算出した残存容量の初期値に、これらの電流積算
量を加算することにより、残存容量を順次補正する。そ
の補正式を下記に例示する。
【0065】
【数7】Y=Y+D ただし、Yは残存容量値、Dは電流積算量である。
【0066】さらに好ましくは、第2の温度センサ43
で測定した温度による残存容量の補正を行う。その温度
補正式を下記に例示する。
【0067】
【数8】V=aT+b ただし、Vは端子間電圧、Tは電池温度である。
【0068】以上述べたように、本発明の第1実施の形
態によれば、第1蓄電池1とDC/DCコンバータ3を
介して第2蓄電池2が接続されているアイドリングスト
ップ機能を有する2電源システム車両において、第1電
流センサ31で第1蓄電池1の放電電流を測定し、第1
の充電状態判定装置11において放電電流が変化したこ
とを検出した場合、放電電流値に従って第1蓄電池1の
時定数τを推定し、推定した時定数τと、第1電流セン
サ31で測定した電流値と、第1の電圧測定計32で測
定した変動直前および変動後の第1蓄電池1の電圧を測
定した結果を式2(または式3)に導入して、緩慢に変
化しているで電圧値から収束電圧V∞を高精度に推定す
ることが可能である。さらに、第1の充電状態判定装置
11において、推定した収束電圧V∞を用いて、図7に
図解した予め2〜5の判定水準ごとにそれぞれの水準の
容量に対応する、放電電流と端子電圧値の関係から、放
電電流値に対応する各判定水準毎の電圧値と収束電圧V
∞を比較することにより、残存容量の水準判定が可能と
なり、また、残存容量の補正式を用いることにより第1
蓄電池1の残存容量を推定することが可能となる。換言
すれば、本発明の実施の形態によれば、図2および図6
に図解したように、負荷変動に起因して第1蓄電池1の
端子電圧が緩慢に変化している場合でも、第1蓄電池1
の残存容量を正確に算出することが可能である。
【0069】このように、本実施の形態においては、第
1の充電状態判定装置11において、所定の条件を満た
す放電電流値が流れたことを検知し、その放電電流値に
おける端子電圧値を計測し、予め2〜5の判定水準ごと
にそれぞれの水準の容量に対応する、放電電流値と端子
電圧値を関係づけたデータテーブルを用意しておき、上
記した端子電圧の計測時の放電電流値を、上記予め用意
したデータテーブルに参照してそれぞれの判定水準の端
子電圧値を読み出すと共に、前記放電電流値に従って時
定数を推定し、経時的に変化している前記計測した電圧
値から収束する電圧値を推定し、読み出した端子電圧値
と、推定した収束電圧値と比較することで、より精度の
良い蓄電池の残存容量の水準測定を行うことができる。
さらに所定の条件として、設定した電流しきい値以上
で、且つ、設定した電流変動幅の範囲内の放電電流が、
設定した時間以上に接続して流れたとすることにより、
より一層信頼度の高い蓄電池の残存容量判定が可能とな
る。
【0070】このようにして算出した第1蓄電池1の残
存容量を初期値として、その後、第2電流センサ41で
測定した電流を積算していき、その積算電流値で第1蓄
電池1の残存容量の補正を行ってもよい。さらに必要な
ら、第2の温度センサ43で測定した温度による残存容
量の補正を行う。
【0071】第1実施の形態において、第2の充電状態
判定装置13の構成および動作は、第2蓄電池2に対し
て、第1の充電状態判定装置11と同様にすることがで
きる。なお、第2の充電状態判定装置13としては、蓄
電池から充放電される電流値と端子電圧を計測する測定
手段で測定した端子電圧値から求めた収束電圧値と用い
て、特開平9−171065号公報の方法により、蓄電
池の残存容量を求める方法を行ってもよい。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、第1の蓄電池とスイッ
チング方式電圧変換手段を介して第2の蓄電池が接続さ
れているアイドリングストップ機能を有する2電源シス
テム車両において、第1の蓄電池の放電電流を測定し、
放電電流が変化した場合において、放電電流値に従って
時定数を仮定し、緩慢に変化している電圧値から収束す
る電圧値を高精度に推定することが可能となる。この収
束電圧を使用して残存容量を求めることにより、電池電
圧が緩慢に変化する如何なる状態においても、精度良く
第1の蓄電池の残存容量を算出することが可能となる。
【0073】特に、所定の条件を満たす放電電流値が流
れたことを検知し、その放電電流値における端子電圧値
を計測し、予め、2〜5の判定水準ごとに、それぞれの
水準の容量に対応する、放電電流値と端子電圧値を関係
づけたデータテーブルを用意しておき、上記した端子電
圧の計測時の放電電流値を、上記予め用意したデータテ
ーブルに参照することで、それぞれの判定水準の端子電
圧値を読み出すと共に、前記放電電流値に従って時定数
を改定し、経時的に変化している前記計測した電圧値か
ら収束する電圧値を推定し、読み出した各判定水準に対
応する端子電圧と、推定した収束電圧値と比較すること
で、より精度の良い蓄電池の残存容量の水準測定を行う
ことができる。
【0074】更に、所定の条件として、設定した電流し
きい値以上で、且つ、設定した電流変動幅の範囲内の放
電電流が、設定した時間以上に接続して流れたとするこ
とにより、より一層信頼度の高い蓄電池の残存容量判定
が可能となる。
【0075】また本発明によれば、走行開始後の最初の
アイドリングストップを行うかどうかを判断することが
容易に可能となる。しかも、本発明によれば、どのよう
な充電状態の蓄電池に交換したとしても、正確に蓄電池
の残存容量を判定することが可能となる。
【0076】本発明の蓄電池の残存容量の検査装置は装
置構成が比較的簡単であり、低価格で製造でき、寸法が
小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は蓄電池の端子電圧と充電状態(SOC)
との関係を図解したグラフである。
【図2】図2は負荷が変動したときに蓄電池の端子電圧
の変化を図解したグラフである。
【図3】図3は本発明の蓄電池の残存容量検査方法の概
要を図解した工程図である。
【図4】図4は本発明の蓄電池の残存容量検査装置の概
要を図解した構成図である。
【図5】図5は本発明の蓄電池の残存容量検査装置の第
1実施の形態として2電源システム車両に搭載した装備
の構成図である。
【図6】図6は負荷変動時の第1蓄電池の電流変化と端
子電圧の変化を図解したグラフである。
【図7】図7は第1〜3水準の残存容量と、蓄電池の電
圧と電流との関係を図解したグラフである。
【図8】図8は図5に図解した第1の充電状態判定装置
の第2実施の形態の構成図である。
【図9】図9は、アイドリングストップ処理手段12で
行う本発明の蓄電池の残存容量判定の動作フローであ
る。
【図10】図10は蓄電池の端子間電圧の時間特性を示
すグラフである。
【符号の説明】
1・・第1蓄電池、2・・第2蓄電池、3・・DC/D
Cコンバータ 4・・オルタネータ、5・・スタータ、 6・・高電圧負荷、7・・低電圧負荷7 11・・第1の充電状態判定装置 112・・電流変化検出回路 115・・クロック計数手段 116・・残存容量演算回路 119・・電流積算回路 12・・アイドリングストップ処理手段 13・・第2の充電状態判定装置 21・・高圧給電線、22・・低圧給電線 31・・電流センサ、32・・電圧測定計、33・・温
度センサ 41・・電流センサ、42・・電圧測定計、43・・温
度センサ
フロントページの続き (72)発明者 中村 秀人 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 岩花 史和 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 加納 哲也 福島県いわき市常磐下船尾町杭出作23−6 古河電池株式会社いわき事業所内 (72)発明者 萬ケ原 徹 福島県いわき市常磐下船尾町杭出作23−6 古河電池株式会社いわき事業所内 Fターム(参考) 2G016 CA03 CB06 CB12 CB21 CB22 CB23 CC01 CC02 CC04 CC13 CC27 CF06 5G003 AA07 BA04 DA04 DA18 EA05 FA06 GB03 5H030 AA08 AS08 FF42 FF44 FF52

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スイッチング方式電圧変換手段を介して接
    続されている第1の蓄電池および第2の蓄電池とを有す
    る2電源システム車両の第1蓄電池の残存容量を検査す
    る方法であって、 測定した前記第1蓄電池の放電電流の変化を検出したと
    きその放電電流から前記第1蓄電池の時定数を算出し、
    該算出した時定数、測定した電流変化直前の前記第1蓄
    電池の電圧および測定した前記第1蓄電池の経時的な電
    圧変化から収束電圧を算出し、 該算出した収束電圧を用いて前記第1蓄電池の残存容量
    を算出する蓄電池の残存容量検査方法。
  2. 【請求項2】下記式に基づいて、残存容量の補正を行う
    請求項1記載の蓄電池の残存容量検査方法。 【数1】
  3. 【請求項3】前記第1蓄電池の残存容量が少なくとも下
    記の2水準のいずれかの容量以内であるか否かを判定す
    る、 第1水準:車両のエンジン始動に必要な容量、 第2水準:車両のエンジン始動に必要な容量と所定時間
    アイドリングストップした際に必要とされる容量を加え
    た容量、 請求項1または2に記載の蓄電池の残存容量検査方法。
  4. 【請求項4】スイッチング方式電圧変換手段を介して接
    続されている第1の蓄電池および第2の蓄電池とを有す
    る2電源システム車両の第1蓄電池の残存容量を検査す
    る装置であって、 前記第1の蓄電池から充放電される電流値を測定する電
    流測定手段と、 前記第1の蓄電池の端子電圧を測定する電圧測定手段
    と、前記電流測定手段で検出した前記第1蓄電池の放電
    電流の変化を検出したときその放電電流から前記第1蓄
    電池の時定数を算出し、該算出した時定数、前記電圧測
    定手段で測定した電流変化直前の前記第1蓄電池の電圧
    および前記電圧測定手段で測定した前記第1蓄電池の経
    時的な電圧変化から収束電圧を算出し、該算出した収束
    電圧を用いて前記第1蓄電池の残存容量を算出する第1
    の充電状態判定装置とを具備する蓄電池の残存容量検査
    装置。
  5. 【請求項5】前記第1の充電状態判定装置は、下記式に
    基づいて、残存容量の補正を行う請求項4記載の蓄電池
    の残存容量検査装置。 【数2】
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